JP2021070780A - チタン酸バリウム含有シリコーンゴムおよびその製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム含有シリコーンゴムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーンゴムの強度を維持した上で、遮熱性能を向上させる。【解決手段】本発明は、シリコーンゴムに、前記シリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを分散しているチタン酸バリウム含有シリコーンゴム、およびその製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、チタン酸バリウム含有シリコーンゴムおよびその製造方法に関する。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐水性、耐候性、電気絶縁性、生体に対する安全性に優れているため、調理器具、建築物の外壁および屋内設備用のシーリング材、電子機器内部の絶縁部材、カテーテル等の医療機器、および美容整形用の部材に幅広く用いられている。このような利用範囲の広いシリコーンゴムを遮熱材として用いる例が知られている(特許文献1および特許文献2を参照)。
特開2002−256661号公報 特表2012−511453号公報
しかし、シリコーンゴムの遮熱性能をさらに高めたいとの市場の要求がある。ここで、シリコーンゴムを多孔性の発泡体とすることによって遮熱性能を高めることも考えられる。しかし、発泡体にすると、ゴムの強度低下が生じるので好ましくない。
本発明は、上記要求に応えるためになされたものであり、シリコーンゴムの強度を維持した上で、遮熱性能を向上させることを目的とする。
(1)上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム含有シリコーンゴムは、シリコーンゴムに、前記シリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを分散している。
(2)本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法は、オルガノポリシロキサンを主剤とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化後のシリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを混合する混合工程と、
前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物と前記チタン酸バリウムとを含む混合物を硬化する硬化工程と、
を含む。
(3)別の実施形態に係るチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法において、前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であっても良い。
(4)別の実施形態に係るチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法は、前記混合工程において、さらに鉄―クロム系フィラーを添加しても良い。
本発明によれば、シリコーンゴムの強度を維持した上で、遮熱性能を向上させることができる。
図1は、上記各サンプルの遮熱特性を評価する様子を縦断面視にて示す。 図2は、実施例1〜3および比較例1,2にて製造した各サンプルの遮熱特性のグラフを示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.チタン酸バリウム含有シリコーンゴム
この実施形態に係るチタン酸バリウム含有シリコーンゴムは、シリコーンゴムに、当該シリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを分散して成る。チタン酸バリウム含有シリコーンゴムは、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸の各方向の内の一方向の長さが他方項の長さに比べて小さいシートの形態を有するもの(チタン酸バリウム含有シリコーンゴムシート)でも良い。以下に、チタン酸バリウム含有シリコーンゴムを構成する要素について詳細に説明する。
1.1 チタン酸バリウム
チタン酸バリウム(BaTiO)は、ペロブスカイト型構造を有する無機酸化物であって、約1600℃という高融点を有する。チタン酸バリウムと、オルガノポリシロキサンを主剤とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物とを混練後に硬化すると、チタン酸バリウムが混練時とほとんど変わらない形態を維持しながらオルガノポリシロキサンの架橋が生じる。
チタン酸バリウム含有シリコーンゴム中のチタン酸バリウムの形態は、特に制約は無いが、好ましくは微粒子である。チタン酸バリウム含有シリコーンゴム中のチタン酸バリウムの含有量は、好ましくは、シリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部である。
1.2 シリコーンゴム
シリコーンゴムは、シロキサン結合(−Si−O−Si)を主骨格に持つゴム状弾性体である。この実施形態にて使用可能なシリコーンゴムは、付加硬化型、縮合反応型、UV硬化型、電子線硬化型などのいかなる硬化タイプで得られるものでも良く、特に、付加硬化型のシリコーンゴムであるのが好ましい。シリコーンゴムは、オルガノポリシロキサンを主剤として含む硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られるゴム状弾性体である。ここで、「主剤」とは、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を構成する成分中、最も質量比率にて多い剤を意味する。オルガノポリシロキサンは、好ましくは、硬化性オルガノポリシロキサン組成物中に50質量%以上含まれているが、主剤でれば、50質量%未満でも良い。以下に、シリコーンゴムの硬化前の原料として、付加硬化型および縮合反応型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の一例について説明する。
(付加硬化型)
付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、付加硬化型の硬化性シリコーン組成物あるいは付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物と称しても良い。付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、主に以下の成分から構成できる。
(1.2.1)オルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサンは、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤であり、一分子中に平均2個以上のアルケニル基を有する。オルガノポリシロキサンは、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物のベースポリマーであって、下記平均組成式(I)で示される。
SiO(4−a)/2 ・・・(I)
式(I)中、Rは互いに同一又は異種の炭素数1〜12,好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。
アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基およびヘプテニル基を挙げることができる。これらの中では、ビニル基を用いることが好ましい。また、本成分中、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基の例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等)を挙げることができる。これらの中では、メチル基を用いることが好ましい。本成分の分子構造の例としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を挙げることができる。
本成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位と(CH(CH=CH)SiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3−トリフルオロプロピル基等)から選ばれる置換基で置換したオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのビニル基の少なくとも一部をアルケニル基(アリル基、プロペニル基等)で置換したオルガノポリシロキサン、および、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物を用いることができる。
(1.2.2)水素化オルガノポリシロキサン
水素化オルガノポリシロキサンは、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化剤として作用するものであり、1分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素を有する。水素化オルガノポリシロキサンは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとも称する。水素化オルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(II)で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜100個、更に好ましくは4〜50個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に用いられる。
SiO(4−b−c)/2 ・・・(II)
式(II)中、R4は互いに同一又は異種の炭素数1〜12、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。
本成分中のケイ素に結合する有機基の例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等)を挙げることができる。上記の中では、メチル基を用いることが好ましい。本成分の分子構造の例としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を挙げることができる。
本成分の水素化オルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、(CHHSiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3−トリフルオロプロピル基等)で置換したオルガノポリシロキサン、および、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物を用いることができる。これらの中では、得られる硬化物の機械的特性(特に伸び)が向上することから、分子鎖両末端にのみケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと分子鎖側鎖にケイ素原子結合を有するオルガノポリシロキサンとの混合物を用いることが好ましい。
付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物における本成分の含有量は、(1.2.1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜20の範囲内となる量であり、0.1〜10の範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜5の範囲内となる量であることが一層好ましい。上記のような範囲としたのは、本成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、シリコーンゴムが十分に硬化しやすくなる傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限以下では、硬化した接着シートの機械的特性がより高くなる傾向があるからである。また、本成分として、分子鎖両末端にのみケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと分子鎖側鎖にケイ素原子結合を有するオルガノポリシロキサンとの混合物を用いる場合には、前者のオルガノポリシロキサンの含有量は、(1.2.1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜10の範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜10の範囲内となる量であることが一層好ましく、0.1〜5の範囲内となる量であることがより一層好ましい。また、後者のオルガノポリシロキサンの含有量は、(1.2.1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.5〜20の範囲内となる量であることが好ましく、0.5〜10の範囲内となる量であることが一層好ましく、0.5〜5の範囲内となる量であることが一層好ましい。
(1.2.3)硬化触媒
硬化触媒は必須ではないが、好ましい例としてヒドロシリル化反応用白金系触媒を挙げることができる。ヒドロシリル化反応用白金系触媒の例としては、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とジケトンの錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体、および、これらを担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に担持させたものを挙げることができる。これらの中では、触媒活性の高さから、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体を用いることが好ましい。また、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を用いることが一層好ましい。本成分の配合量は、(1.2.1)成分100万質量部に対して、白金金属原子として1〜1000質量部の範囲内にあることが好ましく、1〜100質量部の範囲内にあることが一層好ましい。
(1.2.4)充填剤
充填剤は、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の機械的強度を向上させるために添加する方が好ましいものであり、通常、シリコーンゴムの配合に用いられる公知の化合物を用いることができる。本成分としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、焼成シリカ、粉砕石英、および、これらのシリカの粉末を有機ケイ素化合物(オルガノアルコキシシラン、オルガノハロシラン、オルガノシラザン等)で表面処理した粉末を挙げることができる。特に、硬化体の機械的強度を十分に向上させるためには、本成分としてBET比表面積が50m/g以上であるシリカ粉末を用いることが好ましい。
付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、本成分の添加は任意であるが、硬化したシリコーンゴムの機械的強度を向上させるためには、本成分の配合量が(1.2.1)成分100質量部に対して1〜1000質量部の範囲内にあることが好ましく、1〜400質量部の範囲内にあることが一層好ましい。また、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、その他任意の成分として、例えば、ヒュームド酸化チタン、ケイ藻土、酸化鉄、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム等の無機質充填剤および有機充填剤を含有していてもよい。付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、これらの充填剤の表面を前記の有機ケイ素化合物で処理した充填剤を含有していても良い。充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(1.2.1)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
(1.2.5)その他
さらに、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、その硬化性を調整するために、アセチレン系化合物(3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール等)、エンイン化合物(3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等)、1分子中にビニル基を5質量%以上持つオルガノシロキサン化合物(1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等)、その他の硬化抑制剤(ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類、ヒドラジン類等)を含有することが好ましい。これらの含有量は限定されないが、(1.2.1)成分100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製する方法は限定されず、必要に応じてその他任意の成分を混合することにより調製することができるが、予め(1.2.1)成分と(1.2.3)成分とを加熱混合して調製したベースコンパウンドに、残余の成分を添加することが好ましい。なお、その他任意の成分を添加する場合、ベースコンパウンドを調製する際に添加してもよく、また、その他任意の成分が加熱混合により変質する場合には、(1.2.2)成分や(1.2.4)成分を添加する際に添加してもよい。また、ベースコンパウンドを調製する際、前記の有機ケイ素化合物を添加して、(1.2.3)成分の表面をin−situ処理してもよい。
(縮合反応型)
縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物は、例えば、主に以下の成分から構成できる。
(1.2.6)オルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサンは、縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物の主剤成分であり、好ましくは、下記の化学式(1)または化学式(2)により表されるジオルガノポリシロキサンである。化学式は、平均組成式と称しても良い。
Figure 2021070780
Figure 2021070780
上記の化学式(1),(2)において、Rは一価の炭化水素基である。Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェニルエチル基等)、および、上記炭化水素基の炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一部をハロゲンやシアノ基等で置換したもの(クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等)から選択される一または複数の炭化水素基を挙げることができる。Rの炭素数としては、1〜12であることが好ましく、1〜10であることが一層好ましい。上記の化学式(1),(2)においては、Aは酸素原子または−(CH−(mは1〜8)で表されるポリメチレン基(メチレン基を含む)である。Aは、酸素原子またはエチレン基であることが好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、nは(1−1)成分の25℃における動粘度を100〜1000000cm/sの範囲内とする任意の数である。当該動粘度は、500〜500000cm/sの範囲内とすることが一層好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、Bは加水分解性基である。Bとしては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)を挙げることができる。なお、上記の化学式(1),(2)におけるxは2または3である。
上記(1.2.6)成分は、公知の方法(例えば、環状シロキサンまたは線状オリゴマーと酸触媒または塩基触媒とを用いた平衡反応による方法)により製造することができる。
なお、(1.2.6)成分であるジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合には、常法として、重合中にSiO3/2単位およびSiO4/2単位のうち少なくとも一方を含むシランまたはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しない程度に添加する方法を用いることができる。(1.2.6)成分については、汚れを低減するため、洗浄等により低分子シロキサンを除去してから用いることが好ましい。
(1.2.7)架橋剤
架橋剤としては、加水分解性基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、または、当該シランの部分加水分解縮合物を用いる。加水分解性基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)、アミノ基(N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、アミド基(N−メチルアセトアミド基等)を挙げることができる。これらの中では、アルコキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、(1.2.6)成分100質量部に対して1〜50質量部の範囲内にあることが好ましく、2〜30質量部の範囲内にあることが一層好ましく、5〜20質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(1.2.8)硬化触媒
硬化触媒は必須ではないが、硬化触媒を用いることにより、硬化性シリコーンゴム組成物の硬化を促進することができる。硬化触媒の例としては、アルキル錫エステル化合物(ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等)、チタン酸エステルまたはチタンキレート化合物(テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等)、その他の適切な有機金属化合物(ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等)、アミノアルキル基置換アルコキシシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、アミン化合物またはその塩(ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等)、第4級アンモニウム塩(ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等)、アルカリ金属の低級脂肪酸塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等)、のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン(ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等)、グアニジル基を有するシランまたはシロキサン(テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等)を挙げることができる。これらは、1種のみで用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の配合量は、(1.2.6)成分100質量部に対して0〜20質量部の範囲内にあることが好ましく、0.001〜10質量部の範囲内にあることが一層好ましく、0.01〜5質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(1.2.9)充填剤
充填剤は、必須ではないが、補強等の目的で好適に用いることができる。充填剤の例としては、補強剤(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、これらのシリカの表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、タルク、ゼオライト、ベントナイト等)、繊維質充填剤(アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等)、塩基性充填剤(炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等)を挙げることができる。これらの中では、シリカ、炭酸カルシウムおよびゼオライトを用いることが好ましく、表面を疎水化処理したヒュームドシリカおよび炭酸カルシウムを用いることが一層好ましい。上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(1.2.6)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
(1.2.10)接着性付与成分
接着性付与成分は必須ではないが好適に用いられる。接着性付与成分の例としては、アミノ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、メルカプト含有オルガノアルコキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、アミノ基含有オルガノアルコキシシランとエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとの反応混合物を挙げることができる。接着性付与成分の配合量は、(1.2.6)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
1.3 その他添加物
シリコーンゴムには、硬化性オルガノポリシロキサン組成物に含まれる成分およびチタン酸バリウム以外に、例えば、鉄−クロム系フィラー(鉄とクロムの合金および/または混合物のフィラー、あるいは鉄酸化物とクロム酸化物の複合物若しくは混合物のフィラー)に代表される遮熱に効果のあるフィラー(遮熱フィラー)が含まれていても良い。
2.チタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法
チタン酸バリウム含有シリコーンゴムは、オルガノポリシロキサンを主剤とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、当該硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化後のシリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下となるようにチタン酸バリウムを混合する混合工程と、硬化性オルガノポリシロキサン組成物と前記チタン酸バリウムとを含む混合物を硬化する硬化工程と、
を含む製造方法によって得られる。
混合工程では、硬化性オルガノポリシロキサン組成物の各構成成分をそれぞれ用意して、チタン酸バリウムと混練しても良い。混合工程では、上述の遮熱フィラーをさらに添加して混合しても良い。硬化工程は、上記混合物の成形を伴う工程でも良い。一方、上記混合物の成形工程を、混合工程と硬化工程との間に行っても良い。
付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いる場合には、硬化工程は、好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜120℃で行われる。硬化工程では、さらに、二次加硫として、より高温、好ましくは180〜250℃、より好ましくは190〜220℃で行っても良い。二液付加反応型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いる場合には、室温(20〜30℃)で硬化工程を行うことも可能である。
縮合反応型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いる場合には、硬化工程は、通常、室温(20〜30℃)で行われる。UV硬化型若しくは電子線硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いる場合には、上記混合物を入れた成形型の内部に紫外線あるいは電子線を照射することによって、チタン酸バリウム含有シリコーンゴムを得ることができる。
チタン酸バリウム含有シリコーンゴムの成形法としては、カレンダー成形、射出成形、トランスファー成形、注入成形、圧縮成形、などを用いることができる。
次に、本発明の実施例を比較例と比較して説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
信越化学工業株式会社製の硬化性オルガノポリシロキサン組成物(品番:KE−561)1000グラムに、シリコーンゴム100質量部に対して100質量部となるように堺化学工業株式会社製のチタン酸バリウム(品番:BT−05)を1000グラム添加し、ミキシングロールを用いて混合した。次に、その混合物を150t油圧プレス成形機により、125℃にて5分間保持する条件で加硫を行い、シリコーンゴムシート(長さ210mm×幅150mm×厚さ1.5mm、表面形態:鏡面)を作製した。
(実施例2)
シリコーンゴム100質量部に対して20質量部となるようにチタン酸バリウムを200グラム添加し、厚さ2.0mmのシリコーンゴムシートを作製した点を除き、実施例1と同じ条件でサンプルを製造した。
(実施例3)
シリコーンゴム100質量部に対して0.5質量部となるように、さらに、アサヒ化成工業株式会社製の鉄−クロム系遮熱フィラー(品番:B6340)を5グラム加えた点を除き、実施例1と同じ条件でサンプルを製造した。上記鉄−クロム系遮熱フィラーを加えたサンプルは、グレー色を有しており、他のサンプル(白色)よりも汚れが目立たない効果を有していた。
(比較例1)
シリコーンゴム100質量部に対して20質量部となるように、信越化学工業株式会社製の酸化チタニウム(結晶形:アナターゼ型、品番:KE−Color−W−2)を200グラム添加し、厚さ2.0mmのシリコーンゴムシートを作製した点を除き、実施例1と同じ条件でサンプルを製造した。
(比較例2)
チタン酸バリウムを添加しなかった点を除き、実施例2と同じ条件でサンプルを製造した。
(評価方法)
図1は、上記各サンプルの遮熱特性を評価する様子を縦断面視にて示す。
遮熱特性の評価方法は、次の通りである。2つの発泡スチロール製サンプル台1,1を、200mm離して配置した。次に、両サンプル台1の上に、サンプル2の210mmの長さがサンプル台1,1を橋渡しするように、サンプル2を載置した。次に、サンプル2の上方20mmに設置したランプ3(100V、60Wの電球)からサンプル2に向けて白色光を照射した。ランプ3は、30分間照射し、照射開始から30分後に停止し、その後15分間放置した。サンプル2の温度測定をランプ3の照射開始から45分間行った。温度測定には、アズワン社製の温度計4(品番:TM−300+センサープローブ)を用いた。上記温度計4は、ランプ3の直下であってサンプル2を挟んだ下方に固定した。サンプル2と温度計4との距離は、5mmに設定した。評価を行った部屋の温度は、エアーコンディショナーを用いて24.5℃±1℃の範囲に保った。
(評価結果)
図2は、実施例1〜3および比較例1,2にて製造した各サンプルの遮熱特性のグラフを示す。
ランプ3の照射開始から30分後のサンプル2の温度で比較すると、実施例2のサンプルが最も低温であり、続いて実施例2および実施例3の各サンプルが低温で、続いて比較例1のサンプルで、最後に比較例2のサンプルという順に遮熱特性が低下した。この結果から、シリコーンゴムのサンプル(比較例2)およびシリコーンゴムに酸化チタニウムを添加したサンプル(比較例1)に比べて、チタン酸バリウムをシリコーンゴムに添加したサンプル(実施例1〜3)は、遮熱特性に優れていることがわかった。また、実施例2と比較例1の両サンプルを比較すると、チタン酸バリウムは酸化チタニウムよりも高い遮熱効果を発揮できるということがわかった。
本発明は、例えば、屋外施設の遮熱用途(ペット用の小屋の屋根、屋外レジャー製品など)に利用可能である。

Claims (4)

  1. シリコーンゴムに、前記シリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを分散しているチタン酸バリウム含有シリコーンゴム。
  2. 請求項1に記載のチタン酸バリウム含有シリコーンゴムを製造する方法であって、
    オルガノポリシロキサンを主剤とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化後のシリコーンゴム100質量部に対して20質量部以上100質量部以下のチタン酸バリウムを混合する混合工程と、
    前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物と前記チタン酸バリウムとを含む混合物を硬化する硬化工程と、
    を含むチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法。
  3. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、付加硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物である請求項2に記載のチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法。
  4. 前記混合工程において、さらに鉄―クロム系フィラーを添加する請求項2または3に記載のチタン酸バリウム含有シリコーンゴムの製造方法。

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