JP6107741B2 - ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの可塑戻りを悪化させずに、可塑度が上昇したミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する方法、及び該コンパウンドを用いたミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法、並びに、これらの各製造方法で製造されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙げられる。現在、シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。これらのシリコーンゴムは、一般的には高重合度のオルガノポリシロキサン生ゴム(即ち、室温で自己流動性のない非液状の生ゴム状オルガノポリシロキサン)と補強性充填剤とを含有する、硬化剤(加硫剤)を配合する前のミラブル型シリコーンゴムコンパウンド(即ち、ロールミル等の混練機で混練が可能なコンパウンド)、及びこのコンパウンドに硬化剤を配合したミラブル型シリコーンゴム組成物(即ち、ロールミル等の混練機で混練が可能な組成物)の形で使用に供される。このミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物は、例えばニーダー、二本ロール(ロールミル)等の混合装置を用いて、原料ポリマー(生ゴム状オルガノポリシロキサン)に補強性充填剤や各種分散剤を混合することにより調製されている。
ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物を製造するには、上記の通り、オルガノポリシロキサン中に、ヒュームドシリカ等の補強性の充填剤を混練りする必要があり、その際、分散剤(ウェッター)とよばれる、補強性充填剤の表面処理剤を使用する。通常、オルガノポリシロキサンにシリカ等の補強性充填剤を分散する際には、シラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンが使用される。この、表面処理剤を大量に用いることで、クレープ硬化(可塑戻り)を抑制できるが、シリコーンゴムコンパウンドやシリコーンゴム組成物の可塑度が低下し、シリコーンゴムコンパウンドやシリコーンゴム組成物の表面に粘着感が生じて加工性が劣化するという欠点があった。表面処理剤の添加量が十分でない場合、可塑度が上がるが、クレープ硬化(可塑戻り)が大きくなってしまうという問題があった。
特開平6−256658号公報(特許文献1)には、レジンを添加すること、特開平5−065415号公報(特許文献2)には、フェニル基を2個以上有する多環芳香族化合物を添加することで可塑度を上昇させることができることが記載されているが、可塑戻りについての記載はなく、また高価である。また、特開平7−133356号公報(特許文献3)には、シリコーンゴムコンパウンドを200〜250℃で4〜12時間加熱することで、可塑戻りを抑制できることが記載されているが、経済的でない。
特開平6−256658号公報 特開平5−065415号公報 特開平7−133356号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの可塑戻りを悪化させずに、可塑度が上昇したミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する方法、及び該コンパウンドを用いたミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法、並びに、これらの各製造方法で製造されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、重合度が100以上(特には、1,000以上)のオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)と補強性シリカを用いて、均一に混練(混合)してシリコーンゴムコンパウンドを調製する際に、該混合系内にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ金属アルコラート及びアルカリ金属シリコネートから選択されるアルカリ性物質と縮合反応触媒を添加、混練した後に、熱処理を行うことで、硬化剤(加硫剤)を配合する前の該コンパウンドの硬化前の可塑度が上昇し、かつ耐可塑戻り特性に優れることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法及びミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法、並びに、これらの各製造方法で製造されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕
ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造するに際し、下記(A)〜(D)成分を混練してから、熱処理を行うことを特徴とするミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
5〜100質量部、
(C)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ金属アルコラート及びアルカリ金属シリコネートから選択される少なくとも1種のアルカリ性物質
(A)成分と(B)成分の合計質量に対して
アルカリ金属として5〜5,000ppm、
(D)縮合反応触媒 0.001〜5質量部。
〔2〕
(D)成分である縮合反応触媒が、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物である〔1〕記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
〔3〕
〔1〕又は〔2〕記載の方法で製造したミラブル型シリコーンゴムコンパウンド。
〔4〕
シリコーンゴムコンパウンドを三本ロールにて15回混練りし、その10分後に測定したウィリアム可塑度を初期可塑度、(初期可塑度−シリコーンゴムコンパウンドを40℃で1日放置した後の可塑度)を可塑度変化とした場合、初期可塑度が170以上で、かつ、可塑度変化が(初期可塑度)×0.6−100より小さくなるものである〔3〕記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンド。
〔5〕
〔1〕又は〔2〕記載の方法で製造されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンドに、硬化剤を配合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔6〕
〔5〕記載の方法で製造したミラブル型シリコーンゴム組成物。
なお、本発明において、上記(A)〜(D)成分を配合し、硬化剤を配合する前の混合物を(ミラブル型)シリコーンゴムコンパウンドと称し、このコンパウンドに硬化剤を配合したものを(ミラブル型)シリコーンゴム組成物と称する。
本発明の方法によれば、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの可塑戻りを悪化させずに、可塑度が上昇したミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を製造することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の製造方法により得られるミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(C)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ金属アルコラート及びアルカリ金属シリコネートから選択される少なくとも1種のアルカリ性物質、
(D)縮合反応触媒
を含有してなるものである。
−(A)成分−
本発明において、(A)成分は、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、全R1中80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
−(B)成分−
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される充填剤であり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をメチルクロロシラン等のオルガノシラン化合物やヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物などで疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。
(B)成分は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜100質量部であり、10〜50質量部であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
なお、本発明の製造方法においては、必要に応じて、(B)補強性シリカの分散剤(ウェッター)を任意成分として配合することができる。このウェッターとしては、例えば、ジフェニルシランジオール等のシラノール基(即ち、ケイ素原子結合水酸基)含有シラン化合物や、分子鎖両末端シラノール基封鎖の直鎖状ジメチルシロキサンオリゴマー(例えば、重合度又は分子中のケイ素原子数が2〜30個、特には3〜20個程度の低重合ポリマー)等のシラノール基含有オルガノシロキサンオリゴマーなどから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
ウェッターの配合量としては、ベースポリマー((A)成分)100質量部に対し、0〜25質量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部の範囲の配合量とすることができる。
−(C)成分−
(C)成分は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ金属アルコラート及びアルカリ金属シリコネートから選択される少なくとも1種のアルカリ性物質であり、具体的には、LiOH、NaOH、KOH、CsOH等のようなアルカリ金属水酸化物、Li2O、Na2O、K2O等のアルカリ金属酸化物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸ナトリウム、オクチル酸リチウム等のアルカリ金属脂肪酸塩、CH3OLi、CH3ONa、CH3OK、C25OLi、C25ONa、C25OK、C37ONa、C37OK等のようなアルカリ金属アルコラート、下記のようなアルカリ金属シリコネートから選択されるものである。
Figure 0006107741
(式中、pは1〜1,000、好ましくは1〜200の正の整数である。)
(C)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計質量に対してアルカリ金属として5〜5,000ppm、好ましくは10〜1,000ppmである。(C)成分の配合量が少なすぎると可塑度上昇が見られず、多すぎるとシロキサン結合が開環しすぎ、耐熱性が悪化してしまう。
−(D)成分−
(D)成分の縮合反応触媒は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる有機金属化合物であることが好ましい。このような(D)成分としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、テトラアセチルアセテートチタン等の有機チタンキレート化合物等のチタン系縮合助触媒;ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート;ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド、ジルコニウムアセチルアセトネート(2−エチルヘキサノエート)オキサイド等のオキソジルコニウム化合物等のジルコニウム系縮合助触媒;アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)等のアルミニウムアルコレート;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物;ヒドロキシアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)等のアルミニウムアシロキシ化合物等のアルミニウム系縮合助触媒を例示することができる。
(D)成分の添加量は、上記(A)成分100質量部に対して0.001〜5質量部であり、好ましくは0.01〜3質量部である。(D)成分の使用量が少なすぎると、可塑度上昇の効果が得られず、多すぎると(A)〜(D)成分の混合後の熱処理の際、コンパウンドがまとまり難く、製造が困難になってしまう。
また、(D)成分は、二本ロールやニーダー等で混練りしやすくするために、オルガノポリシロキサン等でペースト化したものを使用してもよい。
本発明のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、上述した(A)〜(D)成分の所定量を、好ましくは所定の配合順序(配合時期)で二本ロール(ロールミル)、ニーダー、バンバリーミキサー等で均一に混練り、混合し、その後熱処理を行うことによって得ることができる。
即ち、(A)〜(D)成分を混合した後、熱処理を行ってミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造することが好ましい。
(A)〜(D)成分の混合時に、(C)成分であるアルカリ性物質が(A)成分であるオルガノポリシロキサンを切断し、シラノール基が生成される。(D)成分である縮合反応触媒を添加することで、生成したシラノール基が(B)成分である補強性シリカなどと縮合反応し、可塑度が上昇する。この場合の混合は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは30〜80℃で、好ましくは1〜120分間、より好ましくは10〜60分間の条件とすることが望ましい。
上記の方法により、上述した(A)〜(D)成分を混合した後、撹拌乃至混練しながら熱処理を行う。通常、100℃を超え、250℃以下の温度で、好ましくは120〜220℃、より好ましくは150℃〜200℃の温度で、熱処理が行われるが、好ましくは1〜300分間、より好ましくは30〜180分間熱処理が行われることが好ましい。本発明のコンパウンドは熱処理をすることにより、(D)成分である縮合反応触媒が十分に反応し、未硬化状態でのシリコーンゴムコンパウンドの可塑度が上昇し、可塑戻り(クリープハードニング)が低減される。
このようにして得られた本発明のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、該シリコーンゴムコンパウンドを三本ロールにて15回混練りし、その10分後に測定したウィリアム可塑度を『初期可塑度』、(『初期可塑度』−『シリコーンゴムコンパウンドを40℃で1日放置した後の可塑度』)を『可塑度変化』とした場合、『初期可塑度』が170以上、特に180〜400であり、なおかつ、『可塑度変化』が(『初期可塑度』×0.6−100)より小さいという、高い可塑度を保持しつつ可塑度変化(可塑戻り)が抑制されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンドとなるものである。
以上のようにして得られたミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、これに硬化剤(加硫剤)を配合することにより、ミラブル型シリコーンゴム組成物を製造することができる。
硬化剤(加硫剤)としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(ii)有機過酸化物が好ましい。
この場合、付加反応による硬化の場合は、(A)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中に2個以上のアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものであることが必要であり、有機過酸化物硬化の場合も(A)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中に2個以上のアルケニル基を有するものであることが好ましい。
上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(II)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (II)
ここで、R2は、炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などの非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子やシアノ基などで置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたものなどが挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 0006107741
(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
また、上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金族金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(ii)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎると経済的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
本発明のミラブル型シリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック等の導電性付与剤、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することができる。
このようにして得られた本発明のミラブル型シリコーンゴム組成物は、80〜300℃、特に100〜200℃で、5秒〜1時間、特に30秒〜30分間硬化させることにより、シリコーンゴム硬化物が得られる。なお、得られたシリコーンゴム硬化物に、例えば、180〜250℃、特に200〜220℃程度の温度で、1〜6時間、特に2〜4時間程度の条件でポストキュアー(二次硬化)を施すことは任意である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
可塑度測定
得られたシリコーンゴムコンパウンドを三本ロールにて15回混練りし、その10分後(初期)にウィリアム可塑度を測定し、次いで40℃で1日後の可塑度をそれぞれ測定した。また、初期に対する40℃で1日後の経時変化を算出した。
物性特性測定
得られたシリコーンゴム組成物を165℃/10分の条件で一次硬化(プレスキュアー)させ、その後200℃/4時間熱処理(ポストキュアー)したシートを作製し、JIS K6249に準じて、各種物性(密度、硬さ(デュロメータA)、引張強さ、切断時伸び)を測定した。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、分子鎖両末端を封鎖するシロキシ単位としてジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム100質量部、BET法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30質量部、ヘキサメチルジシラザン2質量部、水0.5質量部、カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネート(即ち、分子鎖両末端がヒドロキシ基のカリウム塩で封鎖されたジメチルポリシロキサン)(重合度:約25)0.5質量部、チタン(IV)テトラブトキシド0.4質量部を添加し、40℃で20分間ニーダーにて均一に混練りした後、170℃で2時間の熱処理を行い、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを得た。このコンパウンドを用いて可塑度を評価した。結果を表1に示す。
上記コンパウンド100質量部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2質量部を添加し、均一に混合して、ミラブル型シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を165℃で10分間プレスキュアーを行い、更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製し、各種物性を測定した。結果を表1に併記する。
[実施例2]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム42質量部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(R−972、日本アエロジル(株)製)8質量部、チタン(IV)テトラブトキシド50質量部を混練し、縮合触媒ペースト1を調製した。
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、分子鎖両末端を封鎖するシロキシ単位としてジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム100質量部、BET法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30質量部、ウェッターとして両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sである直鎖状ジメチルポリシロキサン3質量部、カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネート(即ち、分子鎖両末端がヒドロキシ基のカリウム塩で封鎖されたジメチルポリシロキサン)(重合度:約25)0.5質量部、縮合触媒ペースト1を0.6質量部添加し、40℃で20分間ニーダーにて均一に混練りした後、170℃で2時間の熱処理を行い、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを得た。このコンパウンドを用いて可塑度を評価した。結果を表1に示す。
上記コンパウンド100質量部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2質量部を添加し、均一に混合して、ミラブル型シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を165℃で10分間プレスキュアーを行い、更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製し、各種物性を測定した。結果を表1に併記する。
[実施例3]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、分子鎖両末端を封鎖するシロキシ単位としてジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム100質量部、表面をジメチルジクロロシランで処理された比表面積250m2/gのヒュームドシリカ(アエロジルR976、日本アエロジル(株)製)30質量部、カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネート(即ち、分子鎖両末端がヒドロキシ基のカリウム塩で封鎖されたジメチルポリシロキサン)(重合度:約25)0.5質量部、実施例2で調製した縮合触媒ペースト1を0.6質量部添加し、40℃で20分間ニーダーにて均一に混練りした後、170℃で2時間の熱処理を行い、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを得た。このコンパウンドを用いて可塑度を評価した。結果を表1に示す。
上記コンパウンド100質量部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2質量部を添加し、均一に混合して、ミラブル型シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を165℃で10分間プレスキュアーを行い、更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製し、各種物性を測定した。結果を表1に併記する。
[実施例4]
チタン(IV)テトラブトキシド0.4質量部に代えて、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.6質量部を添加した以外は、実施例1と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表1に示す。
[実施例5]
カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネートに代えて、20質量%の水酸化ナトリウムを0.2質量部添加した以外は、実施例1と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表1に示す。
[実施例6]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、分子鎖両末端を封鎖するシロキシ単位としてジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000である直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム100質量部、BET法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30質量部、ヘキサメチルジシラザン2質量部、水0.5質量部、カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネート(即ち、分子鎖両末端がヒドロキシ基のカリウム塩で封鎖されたジメチルポリシロキサン)(重合度:約25)0.5質量部、チタン(IV)テトラブトキシド0.4質量部を添加し、40℃で20分間ニーダーにて均一に混練りした後、170℃で2時間の熱処理を行い、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを得た。このコンパウンドを用いて可塑度を評価した。結果を表1に示す。
上記コンパウンド100質量部に対し、付加反応型硬化剤としてC25A(信越化学工業(株)製、白金触媒)0.5質量部及びC25B(信越化学工業(株)製、オルガノハイドロジェンポリシロキサン)2.0質量部(SiH/SiVi=3.8)を添加し、均一に混合して、ミラブル型シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を120℃で10分間プレスキュアーを行い、更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製し、各種物性を測定した。なお、SiH/SiViは、直鎖状ジメチルポリシロキサン生ゴム中のビニル基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)のモル比を意味する。
結果を表1に併記する。
[比較例1]
カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネートとチタン(IV)テトラブトキシドを添加しなかった以外は、実施例1と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表2に示す。
[比較例2]
カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネートを添加しなかった以外は、実施例1と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例1と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表2に示す。
[比較例3]
カリウム原子換算で3質量%のKOHを含むジメチルポリシリコネートを添加しなかった以外は、実施例3と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例3と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表2に示す。
[比較例4]
縮合触媒ペースト1を添加しなかった以外は、実施例3と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例3と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表2に示す。
[比較例5]
170℃で2時間の熱処理を行わない以外は、実施例3と同様な方法によりミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びミラブル型シリコーンゴム組成物を調製し、実施例3と同様にコンパウンド及び組成物を評価した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0006107741
Figure 0006107741

Claims (6)

  1. ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造するに際し、下記(A)〜(D)成分を混練してから、熱処理を行うことを特徴とするミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
    (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
    5〜100質量部、
    (C)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ金属アルコラート及びアルカリ金属シリコネートから選択される少なくとも1種のアルカリ性物質
    (A)成分と(B)成分の合計質量に対して
    アルカリ金属として5〜5,000ppm、
    (D)縮合反応触媒 0.001〜5質量部。
  2. (D)成分である縮合反応触媒が、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物である請求項1記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法で製造したミラブル型シリコーンゴムコンパウンド。
  4. シリコーンゴムコンパウンドを三本ロールにて15回混練りし、その10分後に測定したウィリアム可塑度を初期可塑度、(初期可塑度−シリコーンゴムコンパウンドを40℃で1日放置した後の可塑度)を可塑度変化とした場合、初期可塑度が170以上で、かつ、可塑度変化が(初期可塑度)×0.6−100より小さくなるものである請求項3記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンド。
  5. 請求項1又は2記載の方法で製造されたミラブル型シリコーンゴムコンパウンドに、硬化剤を配合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
  6. 請求項5記載の方法で製造したミラブル型シリコーンゴム組成物。
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