JP2009275158A - シリコーンゴム組成物及びキーパッド - Google Patents

シリコーンゴム組成物及びキーパッド Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)BET比表面積50m2/g以上の補強性シリカ 3〜70質量部、
(C)下記式(II)
(R2O)3PO (II)
(式中、R2は同一又は異種の塩素置換した一価炭化水素基を示す。)
で示される塩素置換したリン酸エステル 0.001〜1質量部、
(D)硬化剤 有効量
を含有するシリコーンゴム組成物。
【効果】本発明によれば、動的疲労耐久性に優れた硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を得ることができ、キーパッド製造用として好適に用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、動的疲労耐久性に優れたシリコーンゴム組成物及び該ゴム組成物を硬化させてなるキーパッドに関する。
キーパッド材料は、携帯電話、パソコンのキーボード等に広く用いられており、これらキーパッド材料に要求される特性としては、キーを打鍵した時の荷重変化が少ないことが要求される。通常、成型キーの打鍵を繰り返すと、打鍵回数が増えるにつれキーの荷重は低下する。このピーク荷重の低下が少ないものほどキー特性としては良好であり、このような荷重特性を示す材料がキーパッド材料として優れている。
このようなキーパッド材料としてはシリコーンゴム製のものが広く用いられており、特開平6−145523号公報(特許文献1)、特開平9−132712号公報(特許文献2)、特開2000−309710号公報(特許文献3)、特開2001−164111号公報(特許文献4)等にはキーパッド用シリコーンゴム組成物が提案されている。
しかしながら、近年、成型されるキー形状の複雑化に伴い、キーにかかる歪自体もより大きなものとなってきており、更に近年使用される機器の小型化に伴い、材料により大きな歪がかかる形状のものが増えている。そのため、近年の厳しい要求に対し、動的疲労耐久性に関しては十分満足するものとなっていない。
特開平6−145523号公報 特開平9−132712号公報 特開2000−309710号公報 特開2001−164111号公報
本発明は、近年の厳しい要求に対し、動的疲労耐久性に関しては十分な特性が得られていないという事情に鑑みてなされたものであり、動的疲労耐久性(打鍵耐久性)に優れたキーパッド用として有効なシリコーンゴム組成物及びキーパッドを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、主ポリマーのオルガノポリシロキサンと補強性シリカ、塩素置換したリン酸エステルを配合した組成物を加硫させることにより、動的疲労特性に優れたキーパッド材料が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記シリコーンゴム組成物及びキーパッドを提供する。
請求項1:
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)BET比表面積50m2/g以上の補強性シリカ 3〜70質量部、
(C)下記式(II)
(R2O)3PO (II)
(式中、R2は同一又は異種の塩素置換した一価炭化水素基を示す。)
で示される塩素置換したリン酸エステル 0.001〜1質量部、
(D)硬化剤 有効量
を含有するシリコーンゴム組成物。
請求項2:
(C)成分の塩素置換したリン酸エステルが、トリス−2−クロロエチルフォスフェートである請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
請求項3:
更に、(E)成分として、下記一般式(III)
Figure 2009275158
(式中、R3は同一又は異種のアルキル基又は水素原子、R4は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1又は2〜50の整数である。)
で表されるオルガノシラン又はシロキサンを含む請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
請求項4:
硬化剤が、有機過酸化物、又はオルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
請求項5:
更に、(F)成分として有機化合物系離型剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
請求項6:
キーパッド製造用である請求項1乃至5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
請求項7:
請求項1乃至5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるキーパッド。
本発明によれば、動的疲労耐久性に優れた硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を得ることができ、キーパッド製造用として好適に用いることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物において、(A)成分は下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換した基が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖がジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部にフェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等を導入したもの等が好適である。
特に、オルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基であることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、メチルジビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖されたものを好ましく挙げることができる。
特に好ましいものとしては、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。これらは基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分としては、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上、好ましくは100〜100,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(B)成分のBET比表面積50m2/g以上の補強性シリカは、機械的強度の優れたキーパッド用等のゴム組成物を得るために添加されるものであり、この目的のためにはBET比表面積が50m2/g以上が必要であり、好ましくは100〜300m2/gである。BET比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。
(B)成分の補強性シリカの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、3〜70質量部、特に10〜50質量部とすることが好ましい。3質量部未満だと、添加量が少なすぎて補強効果が得られず、70質量部を超えると加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。(B)成分は1種又は2種以上を併用してもよい。
(C)成分の下記式(II)で示される、アルキル基等に代表される一価炭化水素基中の炭素原子に結合した水素原子の一部を塩素置換した塩素置換一価炭化水素基が酸素原子を介して1分子中に3個リン原子に結合している化合物であるリン酸エステル(即ち、塩原置換リン酸トリエステル化合物)は、シリコーンゴム硬化物に動的疲労耐久性を付与するための成分である。
(R2O)3PO (II)
(式中、R2は同一又は異種の塩素置換した一価炭化水素基を示す。)
ここで、R2としては、特に炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜3の塩素化アルキル基が好ましく、上記式(II)のリン酸エステルとしては、トリス(2−クロロ−1−メチルエチル)ホスフェイト、トリス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)ホスフェイト、トリス(2−クロロエチル)ホスフェイト等が挙げられるが、特にはトリス(2−クロロエチル)ホスフェイトが好ましい。
(C)成分のリン酸エステルの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.001〜1質量部、特に0.01〜0.5質量部とすることが好ましい。0.001質量部未満だと、添加量が少なすぎて動的疲労耐久性向上の効果が得られず、1質量部を超えると加工性が悪くなり、また経済的にも好ましくない。(C)成分は1種又は2種以上を併用してもよい。
(D)成分の硬化剤としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にシリコーンゴム硬化剤として公知の(i)付加反応による架橋反応、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化(付加反応)触媒との組み合わせ、又は(ii)有機過酸化物が好ましい。
上記(i)付加反応による架橋反応に用いられるヒドロシリル化触媒は、(A)成分の脂肪族不飽和結合(例えばケイ素原子に結合したアルケニル基、ジエン基等)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。
ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。触媒の添加量は、付加反応を促進できればよく、通常、(A)成分に対し白金系金属量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラシクロメチルビニルポリシロキサン等が挙げられる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を含有すれば、直鎖状、環状、分枝状、三次元網状構造のいずれであってもよく、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(IV)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1種又は2種以上を用いることができる。
5 pqSiO(4-p-q)/2 (IV)
上記平均組成式(IV)中、R5は、非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、同一であっても異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を含まないものであることが好ましい。通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。なお、p,qは0≦p<3、好ましくは0.7≦p≦2.4、より好ましくは1≦p≦2.2、0<q≦3、好ましくは0.002≦q≦1、より好ましくは0.01≦q≦1、0<p+q≦3、好ましくは0.8≦p+q≦2.7、より好ましくは1.002≦p+q≦2.5を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を1分子中に2個以上(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個、より好ましくは4〜100個程度)有するが、これは分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中にあっても、その両方にあってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子中のケイ素原子数(又は重合度)が通常2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のものであればよく、また25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、好ましくは0.5〜1,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。なお、この粘度は回転粘度計により測定することができる。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体や、これらの例示化合物においてメチル基の一部又は全部をプロピル基、ブチル基等の他のアルキル基やフェニル基等で置換したものなどが挙げられるほか、下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 2009275158
(式中、kは2〜10の整数、s及びtは0〜10の整数である。)
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対し0.1〜40質量部が好ましい。また、(A)成分中に含まれる脂肪族不飽和結合(例えばケイ素原子に結合したアルケニル基やジエン基等)1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)の割合が0.5〜10個の範囲が適当であり、好ましくは0.7〜5個となるような範囲が適当である。0.5個未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10個を超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と圧縮永久歪み性が著しく劣化する場合がある。
(ii)有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記成分に加え、更に(E)成分として、下記一般式(III)で表されるオルガノシラン又はシロキサンを含有してもよい。これを添加することにより、シリカ充填材のゴム中への分散性を高め、加工性も改良することができる。
Figure 2009275158
(式中、R3は同一又は異種のアルキル基又は水素原子、R4は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基、mは1又は2〜50の整数である。)
ここで、R3は同一又は異種のアルキル基又は水素原子であり、上記一般式(III)で表されるオルガノシラン又はシロキサンは、分子鎖末端にアルコキシ基又は水酸基を有している。R3としては、水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が例示され、メチル基、エチル基、水素原子が好ましい。R4としては、通常炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。また(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から(A)成分の一価炭化水素基と同一であることが好ましい。
mは1又は2〜50の整数であり、2〜30の範囲のものが好ましい。mが50を超えると、(C)成分の補強性シリカを処理する処理剤として効果が少なくなる場合がある。
(E)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部当たり0.1〜50質量部、特に0.5〜30質量部が好ましい。0.1質量部未満だと、混練り困難となり、可塑戻りが大きくなる場合があり、50質量部を超えると、得られるゴム組成物に粘着が発生する場合がある。(E)成分は1種又は2種以上を併用することができる。
なお、(E)成分として、アルケニル基を含有するものを用いて上記付加反応による架橋を行う場合、(D)成分としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分と(E)成分の合計100質量部に対して0.1〜40質量部であることが好ましく、また(A),(E)成分の脂肪族不飽和結合1個に対し(D)成分中のSiH基の割合が0.5〜10個、特に0.7〜5個となるように用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記成分に加え、更に(F)成分として、有機化合物系離型剤の1種又は2種以上を含有してもよい。
有機化合物系離型剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリル酸等の脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリンン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸カルシウム等の脂肪族カルボン酸の金属塩、オレイン酸エチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ステアレート、ひまし油(グリセリンのリシノール酸エステル)等のカルボン酸とアルコールのエステル、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド等、酸アミド類等が例示される。
この有機化合物系離型剤は、(A)成分及び(B)成分100質量部に対して0〜3質量部の間で使用される。これより多くなると、圧縮永久ひずみ等の物性が低下してしまい、好ましくない。なお、配合する場合、0.05質量部以上とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック等の導電性付与剤、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することができる。
本発明のゴム組成物は、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りすることによって得ることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物を成形する場合、成形方法としては、特に限定されないが、プレス成型が好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物を硬化する場合、その硬化条件は特に限定されない。一般的には、80〜300℃、特に100〜250℃で5秒〜1時間、特に30秒〜30分程度加熱硬化させることによりキーパッド等を得ることができる。また、100〜200℃で10分〜10時間程度ポストキュアーしてもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、キーパッドの作製に好適に用いられるもので、プレス成型等の方法で成形、硬化することによりキーパッドを得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は質量部を示す。物性特性測定法、動的疲労特性の評価方法について下記に示す。
物性特性測定法
ゴム組成物を165℃/10分の条件で硬化させ、JIS K6249に準じて、硬さ(デュロメーターA)、引張り強さを測定した。
動的疲労性試験方法
ゴム組成物を、金型を用いてプレス成型し、JIS K6249に規定のダンベルで試験片を作製した。この試験片をデマッチャ試験機で0〜150%の伸張を5Hzの速度で行い、試験片が破断するまでの回数を測定することにより評価した。破断するまでの回数が多いほど動的疲労耐久性に優れる。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン65部、ジメチルシロキサン単位99.425モル%、メチルビニルシロキサン単位0.50モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン35部、BET比表面積200m2/gのシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)15部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン4部、トリス(2−クロロエチル)ホスフェイト0.1部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンド1を調製した。
上記コンパウンド100部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(tブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し均一に混合した後、165℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアーを行い、試験用シートを作製した。その後、200℃で4時間のポストキュアーを行った。
[実施例2]
トリス(2−クロロエチル)ホスフェイトの添加量を0.05部とした以外は、実施例1と同様に成型した。
[実施例3]
ステアリン酸カルシウムを0.1部添加した以外は、実施例1と同様な方法により製造した。
[実施例4]
実施例1の有機過酸化物の代わりに、付加架橋硬化剤としてC−25A(白金触媒)/C−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)(共に信越化学工業(株)製)をそれぞれ0.5部/2.0部使用した以外は、実施例1と同様な方法により製造した。
[比較例1]
トリス(2−クロロエチル)ホスフェイトを使用しない以外は、実施例1と同様の方法により成型した。物性値及び動的疲労耐久性の評価結果を表1に示す。
Figure 2009275158

Claims (7)

  1. (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)BET比表面積50m2/g以上の補強性シリカ 3〜70質量部、
    (C)下記式(II)
    (R2O)3PO (II)
    (式中、R2は同一又は異種の塩素置換した一価炭化水素基を示す。)
    で示される塩素置換したリン酸エステル 0.001〜1質量部、
    (D)硬化剤 有効量
    を含有するシリコーンゴム組成物。
  2. (C)成分の塩素置換したリン酸エステルが、トリス(2−クロロエチル)ホスフェイトである請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
  3. 更に、(E)成分として、下記一般式(III)
    Figure 2009275158
    (式中、R3は同一又は異種のアルキル基又は水素原子、R4は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1又は2〜50の整数である。)
    で表されるオルガノシラン又はシロキサンを含む請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
  4. 硬化剤が、有機過酸化物、又はオルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  5. 更に、(F)成分として有機化合物系離型剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  6. キーパッド製造用である請求項1乃至5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるキーパッド。
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JP2015131978A (ja) * 2015-04-27 2015-07-23 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム硬化物の動的疲労耐久性向上方法
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JP2020033447A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 信越化学工業株式会社 ミラブル型シリコーンゴム組成物及び電界緩和層

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