JP6738776B2 - シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品等様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト、建築用ガスケット、定着ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の事務器用ロール、オーディオ装置等の防振ゴム、コンパクトディスク用パッキン、電線被覆材等に使用されている。
シリコーンゴムの耐熱性を更に向上させるため、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄、カーボンブラック等の添加剤を配合することが知られている(特許文献1〜5)。しかしながら、シリコーンゴムの耐熱性に対する要求は年々高くなってきており、これらの従来技術では、その要求に対しては十分に応えられていない。
特開2000−212444号公報 特開2002−179917号公報 特開2013−035890号公報 特許第5174270号公報 特開2016−030774号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温に暴露されても物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)BET法による比表面積が50m/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部、(C)酸化ランタン−酸化セリウム固溶体:0.01〜10質量部、及び(D)硬化触媒:0.1〜10質量部、を含有するものであるシリコーンゴム組成物を提供する。
このようなシリコーンゴム組成物であれば、高温に暴露されても物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物となる。
また、前記(C)成分中の酸化セリウムの含有率が、60質量%〜97質量%であることが好ましい。
このような(C)成分であれば、シリコーンゴムの軟化劣化や硬化劣化の発生を抑えることができるため、シリコーンゴムに更に良好な耐熱性を与えるものとなる。
また、前記(C)成分が、平均粒径5.0μm以下のものであることが好ましい。
このような(C)成分であれば、シロキサンとの接触面積が増えるため、シリコーンゴムに更に良好な耐熱性を与えるものとなる。
また、前記(D)成分が、有機過酸化物であることが好ましい。
このような(D)成分であれば、硬化阻害要因が少ないため、取扱い性が良好である。
以上のように、本発明のシリコーンゴム組成物であれば、高温に暴露されても、硬さ、引張強さ、切断時伸び等の物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物となる。
上述のように、高温に暴露されても物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、(B)BET法による比表面積が50m/g以上である補強性シリカ、(C)酸化ランタン−酸化セリウム固溶体、及び(D)硬化触媒を所定の質量比で配合したシリコーンゴム組成物であれば、高温に暴露されても物理的特性が低下しにくい(即ち、耐熱性に優れた)シリコーンゴムを与えるものとなることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)BET法による比表面積が50m/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部、(C)酸化ランタン−酸化セリウム固溶体:0.01〜10質量部、及び(D)硬化触媒:0.1〜10質量部、を含有するものであるシリコーンゴム組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
本発明のシリコーンゴム組成物における(A)成分は、重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、下記平均組成式(1)で表されるものが挙げられる。
SiO(4−a)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の正数である。ただし、1分子中のRのうち2個以上はアルケニル基である。)
上記平均組成式(1)中、Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、通常、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換したトリフルオロプロピル基等が挙げられ、特にメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましい。具体的には、オルガノポリシロキサンの主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、又はこのジメチルポリシロキサンの主鎖の一部にフェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を有するジフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等を導入したもの等が好適である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基(好ましくはビニル基)を有するものであり、ケイ素原子に結合する基のうち、0.01〜10モル%、特に0.02〜5モル%がアルケニル基であることが好ましい。
なお、このアルケニル基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、側鎖のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。つまり、(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、具体的には、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものが好ましい。
aは1.95〜2.05の正数であり、基本的には直鎖状であるがゴム弾性を損なわない範囲において分岐していてもよい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は100以上であり、好ましくは3,000〜100,000、特に好ましくは4,000〜20,000である。重合度が100未満であると、十分なゴム強度が得られない。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種を単独で使用してもよいし、分子構造や重合度の異なる2種以上を併用してもよい。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンは、公知の方法、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサンをアルカリ性又は酸性触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
[(B)補強性シリカ]
本発明のシリコーンゴム組成物における(B)成分は、BET法による比表面積が50m/g以上である補強性シリカである。
(B)成分の補強性シリカとしては、特に限定されないが、煙霧質シリカ、焼成シリカ、沈降性シリカ等が例示され、耐熱性の観点から煙霧質シリカが好ましい。
(B)成分の補強性シリカのBET法による比表面積は、50m/g以上であり、好ましくは100m/g以上、特に好ましくは100〜400m/gである。BET法による比表面積が50m/g未満では、機械的強度の付与が不十分となる。
(B)成分の補強性シリカは、必要に応じ、表面をトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシランやメチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、あるいはヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンのようなシラザン類等の公知の処理剤で疎水化処理したものであってもよい。
(B)成分の補強性シリカの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、10〜100質量部、好ましくは20〜70質量部、特に好ましくは30〜60質量部である。10質量部未満だと、添加量が少なすぎて十分な補強効果が得られず、100質量部を超えると加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまう。
[(C)酸化ランタン−酸化セリウム固溶体]
本発明のシリコーンゴム組成物における(C)成分は、酸化ランタン−酸化セリウム固溶体であり、シリコーンゴムの耐熱性を著しく向上させる成分である。酸化セリウムはシリコーンゴムの耐熱性向上剤として公知であるが、本発明では、酸化ランタンと固溶体をなすことで、酸化セリウム単独の場合と同等以上の耐熱性をシリコーンゴムに与えることができることを見出した。
(C)成分の酸化ランタン−酸化セリウム固溶体中の酸化セリウムの含有率は、60質量%〜97質量%であることが望ましい。97質量%以下であれば、酸化セリウムの含有量が多過ぎないため、シリコーンゴムの200℃以上での軟化劣化の発生を抑制し、シリコーンゴムに更に良好な耐熱性を与えることができる。また、60質量%以上であれば、シリコーンゴムの硬化劣化の発生を抑制し、シリコーンゴムに更に良好な耐熱性を与えることができる。
(C)成分の酸化ランタン−酸化セリウム固溶体は、平均粒径が5.0μm以下のものであることが好ましい。ここで言う平均粒径は、体積平均粒径のことを指し、測定溶媒として水を使用し、マイクロトラック型番MT−3300(マイクロトラック・ベル株式会社製品)により測定した値である。平均粒径5.0μm以下であれば、シロキサンとの接触面積が増えるため、シリコーンゴムに更に良好な耐熱性を与えるものとなる。
(C)成分の酸化ランタン−酸化セリウム固溶体の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部である。0.01質量部未満では耐熱性を向上させる効果が不十分であり、10質量部を超えるとシリコーンゴムの強度や伸び等の物理的特性が低下する。
[(D)硬化触媒]
本発明のシリコーンゴム組成物における(D)成分は、硬化触媒である。(D)成分の硬化触媒は、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであれば、特に限定されるものではない。したがって、公知のシリコーンゴム用加硫剤である有機過酸化物やヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化触媒を組み合わせた付加硬化系硬化触媒等が使用可能である。中でも、有機過酸化物は硬化阻害要因が付加硬化系触媒に比べて少ないため、取扱いの面などで好ましい。
有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の硬化触媒の添加量は、シリコーンゴム組成物を硬化させるのに十分な量であり、具体的には、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部である。
[(E)オルガノシラン/シロキサン]
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分に加え、更に(E)成分として、下記一般式(2)で表されるオルガノシラン又はシロキサンを含有することが好ましい。(E)成分を配合することにより、本発明のシリコーンゴム組成物の作業性、押出特性等が向上する。
O(Si(RO) (2)
(式中、Rは同一又は異種のアルキル基又は水素原子であり、Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、mは1〜50の正数である。)
ここで、Rは同一又は異種のアルキル基又は水素原子であり、上記一般式(2)で表されるオルガノシラン又はシロキサンは、分子鎖末端にアルコキシ基又は水酸基を有している。Rとしては水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が例示され、メチル基、エチル基、水素原子が好ましい。Rとしては、通常、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基が特に好ましい。
mは1〜50の正数であり、好ましくは1〜30の正数、特に好ましくは1〜20の正数である。mが50以下であれば、大量に配合しなくとも十分な添加効果が得られるため、大量配合によるゴム物性の低下が発生する恐れがない。
(E)成分のオルガノシラン/シロキサンの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部が特に好ましい。0.1質量部以上であれば、添加効果が十分に得られ、50質量部以下であれば、得られるシリコーンゴム組成物に粘着性が発生する恐れがないため、加工性が低下したり、得られるゴム物性が低下したりする恐れがない。
[その他の成分]
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分に加え、任意成分として、必要に応じ、白金化合物、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤や(C)成分以外の耐熱性向上剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤等のシリコーンゴム組成物における公知の添加剤を添加することができる。
本発明のシリコーンゴム組成物の製造方法は、特に限定されないが、上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等公知の混練機で混練りすることによって得ることができる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)をしてもよい。具体的には、(A)、(B)成分を混練し、必要に応じて熱処理してから室温において(D)成分を添加する方法が好ましい。この場合(C)成分は熱処理前に配合しても熱処理後に配合してもよい。熱処理する場合、熱処理温度、時間は特に制限されないが、100〜250℃、特に140〜180℃で30分〜5時間程度行うことが好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物を成形する際は、必要とされる用途(成形品)に応じて、適宜成形方法を選択すればよい。具体的には、コンプレッション成形、インジェクション成形、トランスファー成形、常圧熱気加硫、スチーム加硫等が挙げられる。硬化条件は特に限定されず、硬化方法や成形品により適宜選択すればよく、一般的には80〜600℃、特に100〜450℃で数秒〜数日、特に5秒〜1時間程度で行うことができる。また、必要に応じて2次加硫してもよい。2次加硫は通常180〜250℃で1〜10時間程度で行うことができる。
以上のように、本発明のシリコーンゴム組成物であれば、高温に暴露されても、硬さ、引張強さ、切断時伸び等の物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物となる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
トリフルオロプロピル・メチルシロキサン単位99.750モル%、メチルビニルシロキサン単位0.20モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.050モル%からなり、平均重合度約4,000であるオルガノポリシロキサン100質量部、BET法による比表面積130m/gの煙霧質シリカ(アエロジル130(日本アエロジル(株)製))45質量部、両末端にシラノール基を有し、重合度が10のトリフルオロプロピル・メチルポリシロキサン10質量部をニーダーで配合し、150℃で2時間熱処理を行い、シリコーンゴムコンパウンドを作製した。得られたゴムコンパウンドに酸化ランタン−酸化セリウム固溶体A(平均粒径0.8μm、酸化ランタン/酸化セリウム比率=40/60)を2本ロールで0.8質量部添加し、次いで2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5質量部を添加しシリコーンゴム組成物を得た。この組成物を1次加硫170℃/10分、2次加硫200℃/2時間の条件でプレス成形して2mm厚のシリコーンゴムを作製し、JIS K 6249:2003を基に硬さ(デュロメータA)、引張強さ、切断時伸び(即ち、初期のゴム物性)を測定した。また、225℃の乾燥機に7日間入れた耐熱性試験後のゴム物性も測定し、変化率を算出した。結果を表1に示す。
[比較例1]
酸化ランタン−酸化セリウム固溶体Aの代わりに市販の酸化セリウム(阿南化成(株)製、商品名:酸化セリウムS、純度99.9%以上、平均粒径0.18μm)を添加する以外は実施例1と同様の操作を行い、シリコーンゴム組成物を得た。得られたシリコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様にして、初期及び耐熱性試験後のゴム物性を測定し、変化率を算出した。結果を表1に示す。
[比較例2]
酸化ランタン−酸化セリウム固溶体Aを全く添加しない以外は実施例1と同様の操作を行い、シリコーンゴム組成物を得た。得られたシリコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様にして、初期及び耐熱性試験後のゴム物性を測定し、変化率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006738776
表1に示されるように、酸化ランタン−酸化セリウム固溶体を耐熱性向上剤として用いた実施例1では、酸化セリウムを耐熱性向上剤として用いた比較例1に比べて耐熱性試験後のゴム物性の変化率が小さく、耐熱性が良好であった。なお、耐熱性向上剤を添加しなかった比較例2では、耐熱性試験後はシリコーンゴムの硬化劣化が激しく、ゴム物性の測定が不能であった。
[実施例2]
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチル−ビニルシロキサン単位0.15モル%からなり、分子鎖末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖された重合度が約7,000のメチルビニルポリシロキサン生ゴムを100質量部、BET法による比表面積300m/gの煙霧質シリカ(アエロジル300(日本アエロジル(株)製))45質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部をニーダミキサーに配合し均一に混合した後、更に150℃で1時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。得られたゴムコンパウンドに酸化ランタン−酸化セリウム固溶体B(平均粒径0.8μm、酸化ランタン/酸化セリウム比率=30/70)を2本ロールで1.0質量部添加し、次いで2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5質量部を添加しシリコーンゴム組成物を得た。この組成物を1次加硫170℃/10分、2次加硫200℃/2時間の条件でプレス成形して2mm厚のシリコーンゴムを作製し、JIS K 6249:2003を基に硬さ(デュロメータA)、引張強さ、切断時伸び(即ち、初期のゴム物性)を測定した。また、250℃の乾燥機に3日間入れた耐熱性試験後のゴム物性も測定し、変化率を算出した。結果を表2に示す。
[比較例3]
酸化ランタン−酸化セリウム固溶体Bの添加量を0.001質量部とする以外は実施例2と同様の操作を行い、シリコーンゴム組成物を得た。得られたシリコーンゴム組成物を用いて、実施例2と同様にして、初期及び耐熱性試験後のゴム物性を測定し、変化率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006738776
表2に示されるように、酸化ランタン−酸化セリウム固溶体を適切な量配合した実施例2では、酸化ランタン−酸化セリウム固溶体の配合量を0.001質量部とした比較例3に比べて耐熱性試験後のゴム物性の変化率が小さく、耐熱性が良好であった。
以上のことから、本発明のシリコーンゴム組成物であれば、高温に暴露されても、硬さ、引張強さ、切断時伸び等の物理的特性の変化の少ない、耐熱性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物となることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. (A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)BET法による比表面積が50m/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部、
    (C)酸化ランタン−酸化セリウム固溶体:0.01〜10質量部、及び
    (D)硬化触媒:0.1〜10質量部、
    を含有するものであり、前記(C)成分中の酸化セリウムの含有率が、60質量%〜97質量%であることを特徴とするシリコーンゴム組成物。
  2. 前記(C)成分が、平均粒径5.0μm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンゴム組成物。
  3. 前記(D)成分が、有機過酸化物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコーンゴム組成物。
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