JP2004189818A - シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】可塑化戻り特性が良好であるのみならず、粘着性の点においても良好であり、ロール作業上も問題のないベースコンパウンドを提供する。
【解決手段】(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)オルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン、
(C)水分含有量が3重量%以下であり、かつ、比表面積 50m2/g以上の沈降シリカ、および
(D)塩基性物質
を含有することを特徴とするシリコーンゴム組成物。
【選択図】 なし。
【解決手段】(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)オルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン、
(C)水分含有量が3重量%以下であり、かつ、比表面積 50m2/g以上の沈降シリカ、および
(D)塩基性物質
を含有することを特徴とするシリコーンゴム組成物。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経時的な可塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優れ、更に混練時のロールに対する粘着が少なく作業性にも優れたシリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪み性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサー、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるに使用されるコンパクトディスク用パッキン等の用途が挙げられる。近年、シリコーンゴムの性能向上への要求は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
【0003】
シリコーンゴムは、一般的には高重合度のオルガノポリシロキサンである主剤(ベースポリマー)と補強性充填材とを含有する組成物(シリコーンゴム組成物)の形態でユーザーに提供される。この組成物は、例えばドウミキサー、二本ロール等の混合装置を用いて、主剤の原料オルガノポリシロキサンに補強性充填材、および必要に応じて各種分散材を混合することにより調製される。
【0004】
しかし、補強性充填材としてシリカが配合されたシリコーンゴム組成物の場合、配合・調製後、シリカ表面のシラノール基(≡SiOH)の相互作用の結果、経時的に次第に硬くなり可塑性を失ってしまうこと、即ち、可塑化戻り現象を起こすことが知られており、貯蔵安定性の点で問題があった。この現象を防止する方法としては、補強性の微粉末シリカの表面を、ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザン類、分子末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサン、分子鎖末端にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン等で処理することが知られている。
【0005】
経時的変化の少ないシリコーンゴム組成物の製造方法として、特開昭59−176325号には、低粘度のヒドロキシル末端オルガノポリシロキサンと充填材を混合し、硫酸、スルホン酸等を添加し、前記オルガノポリシロキサンを縮重合させて高分子量化する方法が記載されている。この方法によれば、確かに充填材をオルガノポリシロキサンに配合することは容易であるが、水分または充填材の影響により重合度をコントロールすることは困難であった。更に、縮重合をさせる際に副生する低分子量のシロキサンの量も多くなってしまう、および酸触媒の残留により耐熱性が悪化するとの問題があった。特開昭59−176326号には、低粘度のヒドロキシル末端オルガノポリシロキサンをアルカリ性触媒に存在下で縮重合させる方法が記載されているが、上記と同様な問題があった。
【0006】
また、未加硫のシリコーンゴム組成物を調製する際の重要な特性として、ロール等への粘着性が挙げられる。つまり、ロール等への粘着性が高いと、2本ロールによる素練りの作業性が悪化し、またカレンダー成型等が困難となってしまう。
補強性シリカの上記表面処理剤の量を多くすれば可塑化戻りは防止できるが、その場合には、粘着性が高いものとなってしまうという問題が生じる。
【0007】
可塑化戻りの悪化を防止しながら、未加硫のシリコーンゴム組成物のロールへの粘着性を低減する方法として特開昭52−11250号には、ポリテトラフルオロエチレンを添加する方法が記載されているが、この場合には、ミル収縮が増大してしまうという問題があった。
【0008】
また、特開昭63−2533767号には引裂き強度の高いシリコーンゴム組成物を製造する方法として塩基性物質を添加することが記載されているが、この文献にはシリコーンゴム組成物の加工性に関して何ら記載されていない。更に、前記文献に、塩基性物質として例示されているステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等は、オルガノポリシロキサン鎖を切断することなく、オルガノポリシロキサンの分子量に変化を及ぼさず、また、粘着性防止にも効果はあるが、可塑化戻り特性に悪影響を及ぼすものである。また、アンモニア水の使用は着色の原因となる。
【0009】
なお、本発明者らは、先に、比表面積 50m2/g以上の補強性シリカとリン酸アルカリ金属塩との組み合わせを配合することを特徴とする、経時的な可塑化戻りが少なく、永久圧縮歪み特性に優れ、二次加硫後の黄変の改善されたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物を提案している(特開2001−55511号)。しかし、ロールへの粘着性の点が不十分であり、改良する必要があった。
また、特開平4−161458号には、黄変防止のために特定の有機過酸化物とアルカリ性剤を配合したシリコーンゴム組成物が記載されているが、経時的な可塑化戻り性の点で不十分なものであった。
【0010】
因みに、特開昭62−199652号には、微粒子状シリカおよびアルカリ金属シラノレート、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、有機アミン等を含む、オルガノポリシロキサン成分の化学組成が変化しないオルガノポリシロキサン組成物が記載されている。また、特開平1−203465号には、燐酸水素第二アルカリ金属塩、亜燐酸第二水素アルカリ金属塩等を配合して、シリコーンゴムの難燃性を改良することが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術を踏まえ、本発明が目的とするところは、経時的な可塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優れるのみならず、ロールに対する粘着が少なく素練り作業性にも優れたシリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、特に水分含有量が少ない沈降シリカと塩基性物質とを組み合わせることが効果的であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、本発明は、
(A)下記平均組成式(1):
RnSiO(4−n) /2 (1)
[式中、Rは独立に非置換または置換1価炭化水素基であり、nは 1.98〜2.02の正数である]
で表され、かつ、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)下記一般式(2):
R2O(SiR1 2O)mR2 (2)
[式中、R1は独立に非置換または置換1価炭化水素基、R2は水素原子またはアルキル基であり、mは1〜50の正数である]
で表されるオルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン: 0.1〜50重量部、
(C)水分含有量が3重量%以下であり、かつ、比表面積 50m2/g以上の沈降シリカ: 5〜100重量部、
(D)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属シラノレート、およびアルカリ金属塩から成る群から選ばれる塩基性物質: 0.01〜5重量部、並びに
(E)硬化剤: 触媒量
を含有することを特徴とするシリコーンゴム組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[(A)成分]
本発明組成物の(A)成分は、下記平均組成式(1):
RnSiO(4−n) /2 (1)
[式中、Rは独立に非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数である]
で表され、かつ、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。
【0016】
上記Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;および前記炭化水素基中の水素原子の一部または全部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基で置換された、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;シアノエチル基等が挙げられる。これらの中で、メチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、また、(A)成分中に含まれる前Rのうち、メチル基が 50モル%以上、特に 80モル%以上であることが好ましい。
【0017】
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、主鎖がジメチルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン単位等から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位からなり、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものが好ましい。また、(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する必要があり、全Rのうち 0.001〜10モル%、特に 0.01〜5モル%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分の 25℃における粘度は、好ましくは 100mm2/s以上、より好ましくは 100,000〜10,000,000mm2/s、特に 5,000,000〜200,000,000mm2/sの範囲である。重合度は 100以上、特に 3,000以上が好ましく、また、その上限は、好ましくは 100,000以下、より好ましくは 20,000以下である。
【0018】
本(A)成分の好適例としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0019】
[(B)成分]
本発明組成物の(B)成分は、下記一般式(2):
R2O(SiR1 2O)mR2 (2)
[式中、R1は独立に非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の1価炭化1価炭化水素基、R2は水素原子またはアルキル基であり、mは1〜50、好ましくは2〜30の正数である]
で表されるオルガノポリシロキサンまたはオルガノシランであり、分子鎖末端にアルコキシ基または水酸基を有している。
【0020】
この(B)成分は、(C)成分の沈降シリカの分散性を向上させる機能を有するとともに、(D)成分との相乗作用により可塑化戻り現象を抑制する処理剤として作用するものである。
【0021】
(B)成分の上記R1としては、上記一般式(1)のRについて例示した基が挙げられ、メチル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から、(A)成分の1価炭化水素基と同一であることが好ましい。R2としては、水素原子;またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が例示され、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
この(B)成分の重合度が高すぎると(C)成分の沈降シリカの分散性向上効果が少なくなるので、重合度が1〜50のものが用いられ、好ましくは1〜30、特に1〜15の範囲のものが用いられる。
【0022】
本(B)成分の好適例としては、例えば、
【0023】
【化1】
(式中、mは前記のとおり)、
【0024】
【化2】
(式中、aおよびbは1以上の整数であり、a+b=mである)、
【0025】
【化3】
(式中、cおよびdは1以上の整数であり、c+d=mである)、
ジフェニルシランジオール、
【0026】
【化4】
(式中、R3はメチル基、エチル基またはビニル基、R4はメチル基またはエチル基である)
等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0027】
本(B)成分の配合量としては、(A)成分、100重量部当たり 0.1〜50重量部、好ましくは 0.5〜20重量部の範囲である。配合量が少なすぎると混練りが困難となり、逆に多すぎると得られるシリコーンゴム組成物が粘着性を有するようになり、ロール粘着性が悪くなる。
【0028】
[(C)成分]
本発明組成物の(C)成分の沈降シリカは、補強性充填剤であり、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得るために配合される成分である。
(C)成分の沈降シリカの比表面積(BET法)は、50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは 100〜400m2/gの範囲とするのがよい。前記比表面積が 50m2/g未満であると補強性が不十分となる。
【0029】
また、(C)成分の水分含有量が3重量%以下、好ましくは 2.5重量%以下であることが重要である。前記水分含有量が3重量%を超えると、(A)成分のオルガノポリシロキサンと(C)成分との配合・混練に際して、前記オルガノポリシロキサン鎖の切断を促進し、可塑度の低下、粘着性を増大させてしまうという問題が生じる。
【0030】
本(c)成分は、その表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン(例えば、ヘキサメチルジシラザン)、クロロシラン(例えば、トリメチルクロルシラン)、アルコキシシラン等で表面疎水化処理したものであってもよいが、ロール粘着性、コスト等の点から事前に表面疎水化処理していない沈降シリカが好ましい。
【0031】
市販の表面が疎水化処理されていない沈降シリカは、通常、4〜8重量%程度の水分含有量を有するものであるので、これを用いる場合は、加熱および/または減圧処理等を行なうことにより、その水分含有量を3重量%以下とすることができる。
【0032】
本(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して5〜100重量部であり、好ましくは 10〜70重量部である。前記配合量が少なすぎても、また多すぎても、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下し、またその硬化物が、十分な引張強度、引裂き強度等の機械的強度を有しないようになってしまう。
【0033】
[(D)成分]
本発明組成物の(D)成分は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属シラノレート、およびアルカリ金属塩から成る群から選ばれる塩基性物質である。
本(D)成分は、上記(B)成分および(C)成分と相俟って可塑化戻りを抑制し、かつ、シリコーンゴム組成物のロールへの粘着性をも抑制する作用を有する。
【0034】
上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等;アルカリ金属シラノレートとしては、カリウムシラノレート、ナトリウムシラノレート、リチウムシラノレート等;アルカリ金属塩としては、脂肪族カルボン酸塩、好ましくは酢酸塩、例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等、また、燐酸のモノアルカリ金属塩、ジアルカリ金属塩、トリアルカリ金属塩、例えば、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等の燐酸塩;が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部あたり 0.01〜5重量部であり、好ましくは、0.1〜1重量部である。前記配合量が少なすぎると、上記作用が有効に生じない。逆に,多すぎるとシリコーンゴムの耐熱性が低下するという問題がある。
【0035】
[(E)成分]
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(D)成分およびその他の任意成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練機を用いて均一に混合し、必要に応じて加熱処理を施すことにより得ることができる。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物に、(E)硬化剤を配合して、硬化させることにより、ゴム状弾性体を得ることができ、この硬化剤としては(1)有機過酸化物、(2)付加反応硬化系の架橋剤と白金系触媒との組み合わせが挙げられる。
【0036】
(1)有機過酸化物
有機過酸化物硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイド、オルトメチルベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5− ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、クミル−t−ブチルパーオキサイド等の塩素原子を含まない有機過酸化物が用いられ、特に、常圧熱気加硫用としては、ベンゾイルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイド、オルトメチルベンゾイルパーオキサイドのアシル系有機過酸化物が好ましい。これらの有機過酸化物は1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。これら有機過酸化物の配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。前記配合量が少なすぎると架橋・硬化が不十分であり、逆に多すぎても硬化速度の向上は望めない。
【0037】
本発明のシリコーンゴム組成物に前記有機過酸化物を添加・配合し、成形方法や用いる有機過酸化物の種類により異なるが、通常、80〜400℃程度の温度で加熱硬化させることにより、容易にシリコーンゴムを得ることができる。硬化方法としては、硬化剤の分解及びシリコーンゴムの加硫に十分な熱をかける方法であればよく、また、その成形方法も押し出し成形による連続加硫、プレス成形、射出成形等、特に制限されるものではない。また、必要に応じて 150〜250℃で1〜10時間程度二次加硫(ポストキュア)してもよい。
【0038】
(2)付加反応系硬化剤
ヒドロシリル化付加反応による場合の硬化剤は、1分子中にケイ素原子結合水素原子を平均2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒からなるものである。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、アルケニル基を有する(A)成分に付加反応する架橋剤として機能するものであり、その具体例としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式:(CH3)3SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH3)2HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0039】
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、通常、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が 0.1〜4.0モル、特に 0.3〜2.0モルとなる量である。本成分の含有量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなることがあり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴムが非常に硬質となり、表面に多数のクラックを生じたりすることがある。
【0040】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとともに用いられる白金系触媒は本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等が挙げられる。本組成物において、白金系触媒の含有量は、特に限定されず、触媒としての有効量でよいが、通常、(A)成分に対して本成分中の白金金属が重量単位で 0.01〜1,000 ppmとなる量であり、好ましくは、0.1〜500 ppmとなる量である。本成分の含有量が少なすぎると得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなることがあり、一方、多量に使用しても得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度は向上せず、経済的に不利となることがある。
硬化方法については、上記(1)の有機過酸化物硬化とほぼ同様であるが、硬化温度は、通常、60〜250℃程度である。
【0041】
[その他の成分]
本発明組成物には上記(A)〜(D)成分に加え、必要に応じて、粉砕石英、結晶性シリカ等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、着色剤、引裂き強度向上剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導率向上剤等の各種添加剤、離型剤等を添加することは任意である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0043】
[実施例1]
(A)ジメチルシロキサン単位:99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位:0.15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位:0.025モル%からなり、平均重合度が6,000であるオルガノポリシロキサン 100重量部、(C)水分含有量が 5.5重量%である沈降シリカ(商品名:NIPSIL−LP、日本シリカ(株)製)を 150℃×2時間の条件で加熱処理して、水分含有量を 2.1重量%にした沈降シリカ 40重量部、(B)分散剤として、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度:3.5、25℃における粘度:14mm2/s)4重量部、(D)水酸化カリウムとして3重量%を含有するカリウムシラノレート 0.5重量部を添加し、ニーダーにて混練りし、180℃にて2時間加熱処理してベースコンパウンドを調製した。
【0044】
上記ベースコンパウンド 100重量部に対し、硬化剤として 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.4重量部を添加し均一に混合した後、165℃、980.7N/cm2の条件で 10分間、プレスキュアーを行った。次いで、200℃で4時間、二次加硫を行い、試験用シートおよび圧縮永久歪み測定用の試験片を作成した。これらの試験用シートおよび試験片を用いて、各機械特性(硬度、引張強度、伸び、引裂き強度および永久圧縮歪み(150℃/22時間)を JIS−K−6249に準じた方法で測定し、結果を表1に示した。
【0045】
また、下記の手法により、可塑化戻り性および粘着性を評価し、結果を表1に示した。
可塑化戻り促進試験
ベースコンパウンドを 100℃の条件下で 16時間放置し、冷却した後、6インチ2本ロールに投入し、可塑化戻りの程度を観察した。即ち、高速ロール上で表面がなめらかな帯状となるまでの時間を測定した。(前記時間が短いほど可塑化戻り特性は良好である)。
【0046】
粘着性評価
ベースコンパウンドを2本ロールで混練する際の粘着性の程度を、次のとおりの3段階に評価した。
1:粘着性がなく最も作業性がよい
2:少し粘着性があり、ロール作業がしにくい
3:粘着性が高く、ロール作業が著しく困難である
【0047】
[実施例2]
(D)カリウムシラノレートに代えて、(D)水酸化カリウムの 30重量%水溶液 0.1重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0048】
[実施例3]
(D)カリウムシラノレートに代えて、(D)燐酸2ナトリウムの 15重量%水溶液 0.3重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0049】
[比較例1]
(c’)水分含有量が 5.5重量%である沈降シリカ(商品名:NIPSIL−LP、日本シリカ(株)製)を、そのまま、40重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0050】
[比較例2]
(D)カリウムシラノレート 0.5重量部を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0051】
[比較例3]
(D)カリウムシラノレートに代えて、ステアリン酸亜鉛 0.05部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
*:可塑化戻りが生じていない
【0053】
【発明の効果】
本発明組成物は、(B)成分の分散剤と(D)成分の塩基性化合物を塀用していることにより、可塑化戻り特性が良好であるのみならず、(C)成分として水分含有量が少ない沈降シリカを選択していることにより、ロールへの粘着性の点においても良好であるという優れた効果を奏するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、経時的な可塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優れ、更に混練時のロールに対する粘着が少なく作業性にも優れたシリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪み性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサー、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるに使用されるコンパクトディスク用パッキン等の用途が挙げられる。近年、シリコーンゴムの性能向上への要求は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
【0003】
シリコーンゴムは、一般的には高重合度のオルガノポリシロキサンである主剤(ベースポリマー)と補強性充填材とを含有する組成物(シリコーンゴム組成物)の形態でユーザーに提供される。この組成物は、例えばドウミキサー、二本ロール等の混合装置を用いて、主剤の原料オルガノポリシロキサンに補強性充填材、および必要に応じて各種分散材を混合することにより調製される。
【0004】
しかし、補強性充填材としてシリカが配合されたシリコーンゴム組成物の場合、配合・調製後、シリカ表面のシラノール基(≡SiOH)の相互作用の結果、経時的に次第に硬くなり可塑性を失ってしまうこと、即ち、可塑化戻り現象を起こすことが知られており、貯蔵安定性の点で問題があった。この現象を防止する方法としては、補強性の微粉末シリカの表面を、ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザン類、分子末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサン、分子鎖末端にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン等で処理することが知られている。
【0005】
経時的変化の少ないシリコーンゴム組成物の製造方法として、特開昭59−176325号には、低粘度のヒドロキシル末端オルガノポリシロキサンと充填材を混合し、硫酸、スルホン酸等を添加し、前記オルガノポリシロキサンを縮重合させて高分子量化する方法が記載されている。この方法によれば、確かに充填材をオルガノポリシロキサンに配合することは容易であるが、水分または充填材の影響により重合度をコントロールすることは困難であった。更に、縮重合をさせる際に副生する低分子量のシロキサンの量も多くなってしまう、および酸触媒の残留により耐熱性が悪化するとの問題があった。特開昭59−176326号には、低粘度のヒドロキシル末端オルガノポリシロキサンをアルカリ性触媒に存在下で縮重合させる方法が記載されているが、上記と同様な問題があった。
【0006】
また、未加硫のシリコーンゴム組成物を調製する際の重要な特性として、ロール等への粘着性が挙げられる。つまり、ロール等への粘着性が高いと、2本ロールによる素練りの作業性が悪化し、またカレンダー成型等が困難となってしまう。
補強性シリカの上記表面処理剤の量を多くすれば可塑化戻りは防止できるが、その場合には、粘着性が高いものとなってしまうという問題が生じる。
【0007】
可塑化戻りの悪化を防止しながら、未加硫のシリコーンゴム組成物のロールへの粘着性を低減する方法として特開昭52−11250号には、ポリテトラフルオロエチレンを添加する方法が記載されているが、この場合には、ミル収縮が増大してしまうという問題があった。
【0008】
また、特開昭63−2533767号には引裂き強度の高いシリコーンゴム組成物を製造する方法として塩基性物質を添加することが記載されているが、この文献にはシリコーンゴム組成物の加工性に関して何ら記載されていない。更に、前記文献に、塩基性物質として例示されているステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等は、オルガノポリシロキサン鎖を切断することなく、オルガノポリシロキサンの分子量に変化を及ぼさず、また、粘着性防止にも効果はあるが、可塑化戻り特性に悪影響を及ぼすものである。また、アンモニア水の使用は着色の原因となる。
【0009】
なお、本発明者らは、先に、比表面積 50m2/g以上の補強性シリカとリン酸アルカリ金属塩との組み合わせを配合することを特徴とする、経時的な可塑化戻りが少なく、永久圧縮歪み特性に優れ、二次加硫後の黄変の改善されたシリコーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物を提案している(特開2001−55511号)。しかし、ロールへの粘着性の点が不十分であり、改良する必要があった。
また、特開平4−161458号には、黄変防止のために特定の有機過酸化物とアルカリ性剤を配合したシリコーンゴム組成物が記載されているが、経時的な可塑化戻り性の点で不十分なものであった。
【0010】
因みに、特開昭62−199652号には、微粒子状シリカおよびアルカリ金属シラノレート、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、有機アミン等を含む、オルガノポリシロキサン成分の化学組成が変化しないオルガノポリシロキサン組成物が記載されている。また、特開平1−203465号には、燐酸水素第二アルカリ金属塩、亜燐酸第二水素アルカリ金属塩等を配合して、シリコーンゴムの難燃性を改良することが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術を踏まえ、本発明が目的とするところは、経時的な可塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優れるのみならず、ロールに対する粘着が少なく素練り作業性にも優れたシリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、特に水分含有量が少ない沈降シリカと塩基性物質とを組み合わせることが効果的であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、本発明は、
(A)下記平均組成式(1):
RnSiO(4−n) /2 (1)
[式中、Rは独立に非置換または置換1価炭化水素基であり、nは 1.98〜2.02の正数である]
で表され、かつ、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)下記一般式(2):
R2O(SiR1 2O)mR2 (2)
[式中、R1は独立に非置換または置換1価炭化水素基、R2は水素原子またはアルキル基であり、mは1〜50の正数である]
で表されるオルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン: 0.1〜50重量部、
(C)水分含有量が3重量%以下であり、かつ、比表面積 50m2/g以上の沈降シリカ: 5〜100重量部、
(D)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属シラノレート、およびアルカリ金属塩から成る群から選ばれる塩基性物質: 0.01〜5重量部、並びに
(E)硬化剤: 触媒量
を含有することを特徴とするシリコーンゴム組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[(A)成分]
本発明組成物の(A)成分は、下記平均組成式(1):
RnSiO(4−n) /2 (1)
[式中、Rは独立に非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数である]
で表され、かつ、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。
【0016】
上記Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;および前記炭化水素基中の水素原子の一部または全部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基で置換された、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;シアノエチル基等が挙げられる。これらの中で、メチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、また、(A)成分中に含まれる前Rのうち、メチル基が 50モル%以上、特に 80モル%以上であることが好ましい。
【0017】
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、主鎖がジメチルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン単位等から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位からなり、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものが好ましい。また、(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する必要があり、全Rのうち 0.001〜10モル%、特に 0.01〜5モル%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分の 25℃における粘度は、好ましくは 100mm2/s以上、より好ましくは 100,000〜10,000,000mm2/s、特に 5,000,000〜200,000,000mm2/sの範囲である。重合度は 100以上、特に 3,000以上が好ましく、また、その上限は、好ましくは 100,000以下、より好ましくは 20,000以下である。
【0018】
本(A)成分の好適例としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0019】
[(B)成分]
本発明組成物の(B)成分は、下記一般式(2):
R2O(SiR1 2O)mR2 (2)
[式中、R1は独立に非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の1価炭化1価炭化水素基、R2は水素原子またはアルキル基であり、mは1〜50、好ましくは2〜30の正数である]
で表されるオルガノポリシロキサンまたはオルガノシランであり、分子鎖末端にアルコキシ基または水酸基を有している。
【0020】
この(B)成分は、(C)成分の沈降シリカの分散性を向上させる機能を有するとともに、(D)成分との相乗作用により可塑化戻り現象を抑制する処理剤として作用するものである。
【0021】
(B)成分の上記R1としては、上記一般式(1)のRについて例示した基が挙げられ、メチル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から、(A)成分の1価炭化水素基と同一であることが好ましい。R2としては、水素原子;またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が例示され、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
この(B)成分の重合度が高すぎると(C)成分の沈降シリカの分散性向上効果が少なくなるので、重合度が1〜50のものが用いられ、好ましくは1〜30、特に1〜15の範囲のものが用いられる。
【0022】
本(B)成分の好適例としては、例えば、
【0023】
【化1】
(式中、mは前記のとおり)、
【0024】
【化2】
(式中、aおよびbは1以上の整数であり、a+b=mである)、
【0025】
【化3】
(式中、cおよびdは1以上の整数であり、c+d=mである)、
ジフェニルシランジオール、
【0026】
【化4】
(式中、R3はメチル基、エチル基またはビニル基、R4はメチル基またはエチル基である)
等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0027】
本(B)成分の配合量としては、(A)成分、100重量部当たり 0.1〜50重量部、好ましくは 0.5〜20重量部の範囲である。配合量が少なすぎると混練りが困難となり、逆に多すぎると得られるシリコーンゴム組成物が粘着性を有するようになり、ロール粘着性が悪くなる。
【0028】
[(C)成分]
本発明組成物の(C)成分の沈降シリカは、補強性充填剤であり、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得るために配合される成分である。
(C)成分の沈降シリカの比表面積(BET法)は、50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは 100〜400m2/gの範囲とするのがよい。前記比表面積が 50m2/g未満であると補強性が不十分となる。
【0029】
また、(C)成分の水分含有量が3重量%以下、好ましくは 2.5重量%以下であることが重要である。前記水分含有量が3重量%を超えると、(A)成分のオルガノポリシロキサンと(C)成分との配合・混練に際して、前記オルガノポリシロキサン鎖の切断を促進し、可塑度の低下、粘着性を増大させてしまうという問題が生じる。
【0030】
本(c)成分は、その表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン(例えば、ヘキサメチルジシラザン)、クロロシラン(例えば、トリメチルクロルシラン)、アルコキシシラン等で表面疎水化処理したものであってもよいが、ロール粘着性、コスト等の点から事前に表面疎水化処理していない沈降シリカが好ましい。
【0031】
市販の表面が疎水化処理されていない沈降シリカは、通常、4〜8重量%程度の水分含有量を有するものであるので、これを用いる場合は、加熱および/または減圧処理等を行なうことにより、その水分含有量を3重量%以下とすることができる。
【0032】
本(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して5〜100重量部であり、好ましくは 10〜70重量部である。前記配合量が少なすぎても、また多すぎても、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下し、またその硬化物が、十分な引張強度、引裂き強度等の機械的強度を有しないようになってしまう。
【0033】
[(D)成分]
本発明組成物の(D)成分は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属シラノレート、およびアルカリ金属塩から成る群から選ばれる塩基性物質である。
本(D)成分は、上記(B)成分および(C)成分と相俟って可塑化戻りを抑制し、かつ、シリコーンゴム組成物のロールへの粘着性をも抑制する作用を有する。
【0034】
上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等;アルカリ金属シラノレートとしては、カリウムシラノレート、ナトリウムシラノレート、リチウムシラノレート等;アルカリ金属塩としては、脂肪族カルボン酸塩、好ましくは酢酸塩、例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等、また、燐酸のモノアルカリ金属塩、ジアルカリ金属塩、トリアルカリ金属塩、例えば、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等の燐酸塩;が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部あたり 0.01〜5重量部であり、好ましくは、0.1〜1重量部である。前記配合量が少なすぎると、上記作用が有効に生じない。逆に,多すぎるとシリコーンゴムの耐熱性が低下するという問題がある。
【0035】
[(E)成分]
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(D)成分およびその他の任意成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練機を用いて均一に混合し、必要に応じて加熱処理を施すことにより得ることができる。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物に、(E)硬化剤を配合して、硬化させることにより、ゴム状弾性体を得ることができ、この硬化剤としては(1)有機過酸化物、(2)付加反応硬化系の架橋剤と白金系触媒との組み合わせが挙げられる。
【0036】
(1)有機過酸化物
有機過酸化物硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイド、オルトメチルベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5− ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、クミル−t−ブチルパーオキサイド等の塩素原子を含まない有機過酸化物が用いられ、特に、常圧熱気加硫用としては、ベンゾイルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイド、オルトメチルベンゾイルパーオキサイドのアシル系有機過酸化物が好ましい。これらの有機過酸化物は1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。これら有機過酸化物の配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。前記配合量が少なすぎると架橋・硬化が不十分であり、逆に多すぎても硬化速度の向上は望めない。
【0037】
本発明のシリコーンゴム組成物に前記有機過酸化物を添加・配合し、成形方法や用いる有機過酸化物の種類により異なるが、通常、80〜400℃程度の温度で加熱硬化させることにより、容易にシリコーンゴムを得ることができる。硬化方法としては、硬化剤の分解及びシリコーンゴムの加硫に十分な熱をかける方法であればよく、また、その成形方法も押し出し成形による連続加硫、プレス成形、射出成形等、特に制限されるものではない。また、必要に応じて 150〜250℃で1〜10時間程度二次加硫(ポストキュア)してもよい。
【0038】
(2)付加反応系硬化剤
ヒドロシリル化付加反応による場合の硬化剤は、1分子中にケイ素原子結合水素原子を平均2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒からなるものである。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、アルケニル基を有する(A)成分に付加反応する架橋剤として機能するものであり、その具体例としては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式:(CH3)3SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH3)2HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0039】
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、通常、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が 0.1〜4.0モル、特に 0.3〜2.0モルとなる量である。本成分の含有量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなることがあり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴムが非常に硬質となり、表面に多数のクラックを生じたりすることがある。
【0040】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとともに用いられる白金系触媒は本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等が挙げられる。本組成物において、白金系触媒の含有量は、特に限定されず、触媒としての有効量でよいが、通常、(A)成分に対して本成分中の白金金属が重量単位で 0.01〜1,000 ppmとなる量であり、好ましくは、0.1〜500 ppmとなる量である。本成分の含有量が少なすぎると得られるシリコーンゴム組成物が十分に硬化しなくなることがあり、一方、多量に使用しても得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度は向上せず、経済的に不利となることがある。
硬化方法については、上記(1)の有機過酸化物硬化とほぼ同様であるが、硬化温度は、通常、60〜250℃程度である。
【0041】
[その他の成分]
本発明組成物には上記(A)〜(D)成分に加え、必要に応じて、粉砕石英、結晶性シリカ等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、着色剤、引裂き強度向上剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導率向上剤等の各種添加剤、離型剤等を添加することは任意である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0043】
[実施例1]
(A)ジメチルシロキサン単位:99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位:0.15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位:0.025モル%からなり、平均重合度が6,000であるオルガノポリシロキサン 100重量部、(C)水分含有量が 5.5重量%である沈降シリカ(商品名:NIPSIL−LP、日本シリカ(株)製)を 150℃×2時間の条件で加熱処理して、水分含有量を 2.1重量%にした沈降シリカ 40重量部、(B)分散剤として、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度:3.5、25℃における粘度:14mm2/s)4重量部、(D)水酸化カリウムとして3重量%を含有するカリウムシラノレート 0.5重量部を添加し、ニーダーにて混練りし、180℃にて2時間加熱処理してベースコンパウンドを調製した。
【0044】
上記ベースコンパウンド 100重量部に対し、硬化剤として 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.4重量部を添加し均一に混合した後、165℃、980.7N/cm2の条件で 10分間、プレスキュアーを行った。次いで、200℃で4時間、二次加硫を行い、試験用シートおよび圧縮永久歪み測定用の試験片を作成した。これらの試験用シートおよび試験片を用いて、各機械特性(硬度、引張強度、伸び、引裂き強度および永久圧縮歪み(150℃/22時間)を JIS−K−6249に準じた方法で測定し、結果を表1に示した。
【0045】
また、下記の手法により、可塑化戻り性および粘着性を評価し、結果を表1に示した。
可塑化戻り促進試験
ベースコンパウンドを 100℃の条件下で 16時間放置し、冷却した後、6インチ2本ロールに投入し、可塑化戻りの程度を観察した。即ち、高速ロール上で表面がなめらかな帯状となるまでの時間を測定した。(前記時間が短いほど可塑化戻り特性は良好である)。
【0046】
粘着性評価
ベースコンパウンドを2本ロールで混練する際の粘着性の程度を、次のとおりの3段階に評価した。
1:粘着性がなく最も作業性がよい
2:少し粘着性があり、ロール作業がしにくい
3:粘着性が高く、ロール作業が著しく困難である
【0047】
[実施例2]
(D)カリウムシラノレートに代えて、(D)水酸化カリウムの 30重量%水溶液 0.1重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0048】
[実施例3]
(D)カリウムシラノレートに代えて、(D)燐酸2ナトリウムの 15重量%水溶液 0.3重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0049】
[比較例1]
(c’)水分含有量が 5.5重量%である沈降シリカ(商品名:NIPSIL−LP、日本シリカ(株)製)を、そのまま、40重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0050】
[比較例2]
(D)カリウムシラノレート 0.5重量部を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0051】
[比較例3]
(D)カリウムシラノレートに代えて、ステアリン酸亜鉛 0.05部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ベースコンパウンドおよび硬化試料を製造し、評価した。結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
*:可塑化戻りが生じていない
【0053】
【発明の効果】
本発明組成物は、(B)成分の分散剤と(D)成分の塩基性化合物を塀用していることにより、可塑化戻り特性が良好であるのみならず、(C)成分として水分含有量が少ない沈降シリカを選択していることにより、ロールへの粘着性の点においても良好であるという優れた効果を奏するものである。
Claims (3)
- (A)下記平均組成式(1):
RnSiO(4−n) /2 (1)
[式中、Rは独立に非置換または置換1価炭化水素基であり、nは 1.98〜2.02の正数である]
で表され、かつ、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)下記一般式(2):
R2O(SiR1 2O)mR2 (2)
[式中、R1は独立に非置換または置換1価炭化水素基、R2は水素原子またはアルキル基であり、mは1〜50の正数である]
で表されるオルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン: 0.1〜50重量部、
(C)水分含有量が3重量%以下であり、かつ、比表面積 50m2/g以上の沈降シリカ: 5〜100重量部、
(D)アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属シラノレート、およびアルカリ金属塩
から成る群から選ばれる塩基性物質: 0.01〜5重量部、並びに
(E)硬化剤: 触媒量
を含有することを特徴とするシリコーンゴム組成物。 - 前記(C)成分が、表面疎水化処理されていない沈降シリカである請求項1に記載の組成物。
- 前記(D)成分のアルカリ金属塩が、酢酸塩または燐酸塩である請求項1または請求項2に記載の組成物。
Priority Applications (3)
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