JP6477520B2 - 付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、事務機用ロール及び事務機用ベルトの製造方法 - Google Patents

付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、事務機用ロール及び事務機用ベルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、体積抵抗率が1,000Ω・m以下で、オイルブリードが少なく、成形時にバラツキが少なく安定した体積抵抗率を示す事務機用ロール又は事務機用ベルト用の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、及び該製造方法によって得られ組成物の硬化物を弾性層として有する事務機用ロール及び事務機用ベルトの製造方法に関する。
従来、電気絶縁性を示すゴム状物質に導電性材料を配合した導電性ゴムは種々知られており、例えば導電性材料としてカーボンブラック等を配合し、電気抵抗率を10-3〜104Ω・mの範囲にした導電性ゴムが広い分野で応用されている。
一方、電気絶縁性ゴム状物質の一つであるシリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、電気絶縁性ゴムとして多く利用されているが、他のゴム状物質と同様に導電性材料を添加することで、導電性ゴムとしても実用化されている。
この場合、導電性シリコーンゴム組成物に添加する導電性材料としては、例えばカーボンブラックやグラファイト、銀,ニッケル,銅等の各種金属粉、各種非導電性粉体や短繊維表面を銀等の金属で処理したもの、炭素繊維,金属繊維などを混合したものが、ゴムがもつ特異な特性を損なうことなく、その導電性材料の種類及び充填量によりシリコーンゴムの電気抵抗率を10kΩ・m以下まで低下させ得ることから頻繁に使用されている。
特に、液状付加硬化タイプのシリコーンゴム組成物は、成形性に優れることや、短時間での硬化が可能であることからロール材として広く使用されている。
液状付加硬化タイプのシリコーンゴム組成物を導電化するにあたり、一般的には液状シリコーンポリマーに粉状のカーボンブラックを分散することは難しく、カーボンブラックの凝集物(ダマ)が発生してしまうため、液状ポリマーにカーボンブラックを添加、混練したのち、3本ロール(ペイントミル)によって分散を行うことが一般的である。しかしながら、3本ロール工程はロールとロールの隙間を用いてカーボンブラック凝集物を分散するため、クリアランスの管理が重要であり、ロール隙間の違いによってカーボンブラックの分散状態が変わったり、200μm以上の大きなカーボン凝集物が見られる等の問題点をもっている。
特に、最近においては、電子写真装置における定着ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール等の導電ゴムロールは、回転方向、軸方向のバラツキの少ない安定した抵抗が要求され、カーボンブラックの特性(粒子径や吸油量)を調整してシリコーンポリマーへ分散しやすくしたり、金属複酸化物の導電性酸化亜鉛や導電性チタンをカーボンブラックと併用することで体積抵抗率の安定性を向上させてきた歴史をもつ。
カーボンブラックの分散方法として、特公平8−16195号公報(特許文献1)には、ミラブル型の導電性シリコーンゴム組成物を対象として珪素原子に結合する有機基中のメチル基が95モル%以下のポリオルガノシロキサンと、導電性カーボンブラックとを含むシリコーンゴム組成物を調製した後、更に、該組成物と、別途に調製した珪素原子に結合する有機基中のメチル基が98モル%以上のポリオルガノシロキサンを含むシリコーンゴム組成物とを混合することにより、硬化して安定な電気抵抗性を示すシリコーンゴムを形成する組成物を得る製造方法が開示されている。しかしながら、ミラブル型導電性シリコーンゴム組成物は、ゴム成形の際にプレス成形が一般的で、成形に大きな圧力を必要とするため、カーボンブラックのストラクチャーが破壊され、ゴム成形品の抵抗値のバラツキが大きくなる。それ故、ゴム成形品の抵抗値は液状導電性シリコーンゴム組成物の方が安定である。
特許第4347013号公報(特許文献2)には、アルケニル基を一分子中に2個以上有し、23℃における粘度が0.3〜200Pa・sであるポリオルガノシロキサンにカーボンブラックを添加して混練し、可塑度が100〜500の混和物を調製したのち、カーボンブラックを混練した時に使用した粘度0.3〜200Pa・sのポリオルガノシロキサンにて希釈を行って液状シロキサン組成物を得る製造方法が開示されている。しかしながら、このように低粘度のオイル状の物質に比表面積の大きいカーボンブラックを添加すると、カーボンブラックが吸油して硬い凝集(ダマ)となることが一般的であり、一度できた硬い凝集物(難分散体)は組成物の粘度を高くしても完全分散することは難しく、通常ペイントミル(3本ロール)等の専用機械で再分散工程が必要であり、完全に均一分散させることは難しい。
特許第4006581号公報(特許文献3)、特開2013−64089号公報(特許文献4)には、本発明と同様に高分子量ポリマーがゴム組成物に配合されている組成ではあるが、配合目的が引っ張り強度の向上等であり、カーボンブラックについての記述はなく、絶縁材料を目的としたものである。
特許第4824465号公報(特許文献5)には、液状シリコーン組成物と側位にビニル基を持つオイル及びアルケニル基含有高分子量ポリマーを含有した付加型シリコーン組成物の引き裂き強度が向上するという提案において、強化充填材として比表面積50m2/g以上の沈降珪酸及び熱分解法珪酸ならびにカーボンブラックを使用する記載があるが、本文にはカーボンブラックについての記述、例示、配合例は全く示されておらず、添加量が0〜90質量部とあり、導電性付与に関する提案ではないことは明らかである。
特許第4755660号公報(特許文献6)に関しても同様にアルケニル基を含まない高分子量ポリマーの含有による滑り性向上が提案されている。しかし、同様に補強性充填材として沈降シリカ及び熱分解シリカ並びにカーボンブラックが本文中に記載されているものの、推奨される補強充填材として沈降シリカ及び熱分解シリカが挙げられ、カーボンブラックは請求項には記述がなく、本文にもカーボンブラックの具体的例示、導電性への記述は全くなく、更には導電性の安定性に関する記述もないことから、オルガノポリシロキサンの補強性向上のために便宜上カーボンブラックが記載されただけであることは明らかである。
上記の特許文献3〜6の提案すべてにおいて、導電性付与に関する記述、更にはカーボンブラックの分散性向上に関する記述はなく、ましてや高分子量ポリマーを含むオルガノポリシロキサンにカーボンブラック(あるいは補強性シリカ)を高分散させる目的で添加、使用された提案、例示は全く記載されていない。
従って、液状シリコーンゴム組成物のカーボンブラックの分散性の改善方法、カーボンブラックのシリコーンポリマーへの固定等によるフリーポリマーの低減の検討は、現在までに検討されてこなかった。
特公平8−16195号公報 特許第4347013号公報 特許第4006581号公報 特開2013−64089号公報 特許第4824465号公報 特許第4755660号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、抵抗バラツキが少なく、未架橋ポリマーのブリードが少ない硬化物を与える事務機用ロール又は事務機用ベルト用の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、及び該方法によって得られ組成物の硬化物を弾性層として有する事務機用ロール及び事務機用ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、カーボンブラックを液状シリコーンオイルへ直接に添加、混合せず、まず、平均重合度3,000以上のガム状シリコーンにカーボンブラックを分散、濾過を行ったミラブル型導電性マスターバッチを作製し、そののち低粘度のシリコーンポリマーで希釈をすることによって、カーボンブラックの分散を促進させ、成形品の抵抗値バラツキを低減し、またカーボンブラックと鎖長の長いポリマーとのなじみが良くなり架橋に関与しないシリコーンフリーオイルの低減が可能なことを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、導電性(体積抵抗率)の安定性を上述したようなカーボンブラックの特性や導電性金属酸化物に頼ることなく、液状シリコーンゴム組成物においてカーボンブラックの分散を強化する工程、すなわち、平均重合度3,000〜10,000程度の重合度の高分子量ポリマーへカーボンブラックを分散させた後、平均重合度が80〜1,000の低分子量ポリマーにて希釈液状化することを特徴とする。
従って、本発明は、下記の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、事務機用ロール及び事務機用ベルトの製造方法を提供する。
〔1〕
(A)ミラブル型導電性マスターバッチ、
(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)付加反応触媒
を含有し、ポストキュアー後の体積抵抗率が1,000Ω・m以下の導電性シリコーンゴムを与える付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法であって、
(A)成分として、予め(a)平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサンに(b)カーボンブラックを混合した、可塑度120〜300のミラブル型導電性マスターバッチを作製し、これを、
(B)平均重合度80〜1,000の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン
で希釈する工程を含み、25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が30〜2,000Pa・sである付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を得ることを特徴とする付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔2〕
(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチが、(a)成分100質量部に対して(b)成分を5〜50質量部含有し、ニーディング式混練装置にて混練、分散されたミラブル型導電性マスターバッチである〔1〕記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔3〕
(A)成分に含まれる(a)成分の割合が、(a)成分及び(B)成分に含まれるオルガノポリシロキサン総量の5〜60質量%であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔4〕
(A)成分が150μm以下の目開きのフィルタで濾過されたミラブル型導電性マスターバッチである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔5〕
更に、(E)補強性シリカ微粉末を、(a)成分及び(B)成分に含まれるオルガノポリシロキサンの合計100質量部に対して0.1〜5質量部含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔6〕
製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を、120℃/10分のプレスキュアーによって1mm厚のシリコーンゴムシートに硬化してJIS K 6271体積抵抗率測定方法に準じて抵抗値を測定し、更に、該シリコーンゴムシートを200℃/4時間ポストキュアーして上記と同様に抵抗値を測定した際に、ポストキュアー後抵抗値をプレスキュアー後抵抗値で割った値(ポストキュアー後/プレスキュアー後体積抵抗率比)が2.0以上である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔7〕
製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物からなる2mm厚のシリコーンゴムシートの23℃/48時間トルエン抽出量が0〜10質量%である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔8〕
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、電子写真方式の複写機、印刷機もしくはプリンターに使用される事務機用ロール又は事務機用ベルト用であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔9〕
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、定着ロール、現像ロール、紙送りロール、トナー搬送ロール、又は転写ロール用である〔8〕に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔10〕
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、定着ベルト、現像ベルト、紙送りベルト、トナー搬送ベルト、又は転写ベルト用である〔8〕に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔11〕
芯金の外周面にシリコーンゴム層が形成されてなる事務機用ロールの製造方法において、シリコーンゴム層が〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の製造方法により得られ付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする事務機用ロールの製造方法
〔12〕
芯金が、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ポリアミド/ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から選ばれるものである〔11〕記載の事務機用ロールの製造方法
〔13〕
シリコーンゴム層の表層に、更に、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂又はフッ素系樹脂からなる樹脂層が形成されてなる〔11〕又は〔12〕記載の事務機用ロールの製造方法
〔14〕
シリコーンゴム層の局所抵抗値を測定し、回転方向及び軸方向ともに最大抵抗値を最小抵抗値で割った最大/最小抵抗比(抵抗バラツキ)が1.8以下である〔11〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の事務機用ロールの製造方法
〔15〕
耐熱性樹脂又は金属からなる基材の表裏面上にシリコーンゴム層が形成されてなる事務機用ベルトの製造方法において、シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の製造方法により得られ付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする事務機用ベルトの製造方法
〔16〕
基材が、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ポリアミド/ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から選ばれるものである〔15〕記載の事務機用ベルトの製造方法
〔17〕
シリコーンゴム層の表層に、更に、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂又はフッ素系樹脂からなる樹脂層が形成されてなる〔15〕又は〔16〕記載の事務機用ベルトの製造方法
〔18〕
シリコーンゴム層の局所抵抗値を測定し、回転方向及び軸方向ともに最大抵抗値を最小抵抗値で割った最大/最小抵抗比(抵抗バラツキ)が、1.8以下である〔15〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の事務機用ベルトの製造方法
本発明の製造方法によって製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、体積抵抗率のバラツキが小さく、カーボンブラックの凝集物が少なく、抵抗値が安定していると共に、材料に含まれるフリーオイルを低減することが可能な硬化物を与えるものであり、事務機用ロール及び事務機用ベルトの弾性層として優れた材料である。
本発明の実施例における6mmシートのくし形電極による抵抗バラツキ測定(体積抵抗率測定方法)の概略図である。 本発明の実施例におけるロールのくし形電極による抵抗バラツキ測定の概略図である。 本発明の実施例におけるベルトのくし形電極による抵抗バラツキ測定の概略図である。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法は、予め(a)平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサンに(b)カーボンブラックを混合した、可塑度120〜300のミラブル型導電性マスターバッチ(A)を、平均重合度80〜1,000の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン(B)で希釈し、25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が30〜2,000Pa・s、体積抵抗率が1,000Ω・m以下である付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を得るものであり、この方法とすることによって、体積抵抗率のバラツキが少なく、架橋後の抽出可能なフリーポリマーの割合を低減することができる。
本発明により得られる付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、
(A)(a)平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサン及び(b)カーボンブラックを含有する可塑度120〜300のミラブル型導電性マスターバッチ、
(B)平均重合度80〜1,000の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)付加反応触媒
を含有するものである。
[(a)成分]
(a)成分として用いるオルガノポリシロキサンは、(b)カーボンブラックを均一に分散させるために用いる平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサンであり、また得られる組成物の主剤(ベースポリマー)となるものであり、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するものが望ましい。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.02の範囲の正数である。)
ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基;フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが望ましい。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中0〜5.0×10-3mol/g、特に1.0×10-6〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-3mol/gより多いと圧縮永久歪が悪くなってしまう場合があるだけでなく、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
(a)成分のオルガノポリシロキサンは、平均重合度3,000以上の室温(25℃)でガム状の高粘度のポリマーであり、目安として、25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が、3,000〜40,000Pa・sとなるポリマーである。
平均重合度は3,000以上であり、好ましい平均重合度は3,000〜10,000であり、より好ましい平均重合度は3,500〜8,000(目安として25℃での0.9(1/s)における剪断粘度3,500〜14,000Pa・s)であり、更に好ましい平均重合度は3,500〜6,000(目安として25℃での0.9(1/s)における剪断粘度4,350〜10,000Pa・s)である。
平均重合度が10,000を超える(25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が40,000Pa・s以上)と、作製したミラブル型導電性マスターバッチ(A)の可塑度が300を超えて硬くなりすぎ、(B)成分での希釈が困難となるために不適当であり、平均重合度が3,000未満ではポリマーの粘度が低いため、カーボンブラックを添加、混練時に剪断力を十分にかけることができず、また、カーボンブラックに液状シリコーンポリマーが吸油され凝集物となり、カーボンブラックの分散不良を引き起こし、得られるシリコーンゴム組成物の硬化物の体積抵抗率のバラツキの要因となる。
ここで、重合度は、例えば、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の平均重合度等として求めることができる(以下、同じ)。
また、本発明において、粘度は、剪断粘度測定機による剪断速度0.9(1/s)時の粘度を使用している。本発明では特に、Thermo Scientific社製のRheoStress 6000を使用し、使用コーンプレート:20mm,角度2°、GAP間設定:0.105mm(体積0.08ml)、23℃/30sec保持後に、剪断速度の上昇率0.001(1/s)→20(1/s)/300secにて測定したときの0.9(1/s)時の剪断粘度を記載した(以下、同じ)。
なお、上記オルガノポリシロキサンは、狭い正規分布の重合度をもつ単一の粘度をもつオルガノポリシロキサンである必要はない。一例として、平均重合度6,000のオルガノポリシロキサン80質量%に平均重合度600のオルガノポリシロキサン20質量%を混合し、計算された平均重合度4,920としたオルガノポリシロキサンなどを用いてもよい。
[(b)成分]
(b)成分として用いるカーボンブラックは、特定領域の導電性(あるいは体積抵抗率)を得るために必要なもので、既知の製法、種類の黒色カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、その製造方法により導電性が異なるが、本発明に際しては、配合、混練した際に所望の導電性を得るものであればいずれのものでも使用し得る。
カーボンブラックとしては特に限定されるものでないが、例えば下記に示される1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。例えば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1,500〜3,000℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックやチャンネルブラック、カーボンナノ粒子、カーボンナノファイバー等を挙げることができる。
具体的に、アセチレンブラックとしては、デンカブラック(デンカ社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガンケミカル社製)等が、コンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン社製)、バルカンC(キャボット社製)等が、スーパーコンダクティブファーネスブラックとしては、コンチネックスSCF(コンチネンタルカーボン社製)、バルカンSC(キャボット社製)等が、エクストラコンダクティブファーネスブラックとしては、旭HS−500(旭カーボン社製)、バルカンXC−72(キャボット社製)等が、コンダクティブチャンネルブラックとしては、コウラックスL(デグッサ社製)等が例示され、また、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックEC−350及びケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)や、オイル燃焼反応停止工程に水による急冷工程を含まないオイル燃焼法で製造されるENSACO260G、ENSACO250Gや電池用グレードのSUPER P Li(IMERYS社製)を用いることもできる。ファーネス法で製造されるカーボンブラックは、不純物、特に硫黄や硫黄化合物の量が硫黄元素の濃度で6,000ppm以下、より好ましくは3,000ppm以下が望ましい。なお、アセチレンブラックや、カーボン結晶化度が高いオイルファーネス法カーボンは、不純物含有率が少ないため、本発明において特に好適に用いられる。
(b)カーボンブラックの配合量は、(a)オルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜30質量部である。カーボンブラックが多すぎると(A)成分の可塑度が高くなり(B)成分との混合時に溶解し難くなる場合があり、少なすぎると目的物の導電性が得られない場合がある。
[(A)成分]
(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチは、上記(a)成分に(b)成分を混合した可塑度120〜300のものである。
(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチの製造方法は、(a)オルガノポリシロキサンの粘度が高いため、ニーダーや加圧ニーダーを用いることが望ましい。
具体的に、(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチは、ミラブルゴム混練用のKNEADING MACHINE(ニーディング式混練装置)にて上記(a)、(b)成分を混練、分散することが望ましく、更には加圧ニーダータイプの混練機がより望ましい。混練時間は特に規定されるものではないが、通常2〜60分、好ましくは5〜30分混練され、混練終了後のゴムコンパウンドの表面に光沢が発生するレベルの混練状態が望ましい。
また、混練終了後の導電性マスターバッチはミラブル(ゴムコンパウンド状)であるため、2本ロール分散及びストレーナー押し出し濾過器による濾過が容易であり、150μm以下の目開きのフィルタ、好ましくは30〜150μm目開きのフィルタ、より好ましくは50〜100μm目開きのフィルタによって濾過することで、カーボンブラック凝集物の捕集、更なる分散効果を得ることが可能であるため、濾過を実施することが望ましい。
なお、ミラブルとは、粘度が高く、室温(通常、25℃±10℃)において自己流動性がない非液状(固体状又は高粘ちょうなペースト状)であって、ロールミル等の混練手段によって高剪断応力下に均一に混合できる生ゴム状の組成物を意味するものである。
作製した(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチの粘度は、JIS K 6249記載のウイリアムス可塑度にて可塑度120〜300、好ましくは130〜230の範囲に調整されることが必須である。カーボンブラックの添加量は、(A)成分の可塑度の範囲内で配合量は適宜調整される。この可塑度の範囲でカーボンブラックがオルガノポリシロキサンと混練されることで、カーボンブラックの良好な分散性及びポリマーとカーボンブラックの絡みつきやインタラクションが生まれ、体積抵抗率の安定性や架橋に関与しないポリマーの拘束の効果が発現する。
可塑度が120未満ではカーボンブラックの添加量が少なく、所望の導電性が得られず、ミラブル型導電性マスターバッチの添加量が増えすぎたり、カーボンブラックの凝集が多く、良好な分散状態が得られない。可塑度が300を超えると物理的混合が難しくなることや(B)成分との希釈が困難となってしまう。
[(B)成分]
(B)成分として用いるオルガノポリシロキサンは、平均重合度80〜1,000の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサンであり、得られる組成物の主剤(ベースポリマー)である。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、上述した平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中0.1〜5.0×10-3mol/g、特に1.0×10-6〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が0.1mol/gより少ないと架橋が不十分でゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-3mol/gより多いと圧縮永久歪が悪くなってしまう場合があるだけでなく、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、特に粘度や構造等で規定されず使用可能であるが、(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチの希釈に使用する際に(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチに粘度の高いガム状オルガノポリシロキサンを使用し、得られるシリコーンゴム組成物の粘度が2,000Pa・s以下である必要があるため、低粘度のオイルが好適に使用される。
(B)成分のオルガノポリシロキサンの平均重合度は、80〜1,000であり、好ましくは100〜1,000であり、更に好ましくは150〜800である。平均重合度が80未満では(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチとの粘度差が非常に大きく、均一分散、溶解が困難で、成形ゴムの伸びの低下やゴム弾性が不十分となり、1,000を超えると得られるシリコーンゴム組成物の粘度が高くなり2,000Pa・sを超えてしまい、LIM機による射出成形、あるいは注型成形による作業性、導電性バラツキが悪化する。
(B)成分の配合量は、得られるシリコーンゴム組成物の25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が30〜2,000Pa・sの範囲となる量であれば特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して40〜650質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜300質量部である。
また、(A)成分に含まれる(a)成分の割合が、全組成物中に含まれるオルガノポリシロキサン量((a)成分+(B)成分)の5〜60質量%、特に7〜50質量%となる量とすることが好ましい。
(A)ミラブル型導電性マスターバッチを(B)オイル状低粘度オルガノポリシロキサンで希釈混練する方法としては、既知の液状シリコーン混練用機械を用いて混練され、例えば遊星ギヤをもつ2軸プラネタリーミキサーや1軸品川混練機等の機械でシリコーンゴム組成物の粘度を2,000Pa・s以下へ調整する。(A)成分のミラブル型導電性マスターバッチの希釈配合には(B)成分のオイル状低粘度オルガノポリシロキサンを2〜5分割して添加、混合する等の粘度差によるスリップを防止することで混練時間を短縮でき、これらの混合物を30〜150℃に加熱して粘度を低下させて混練してもよい。
本発明にかかるシリコーンゴム組成物には、架橋剤として(C)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(A)、(B)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基と(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとをヒドロシリル付加反応させる硬化触媒としての(D)付加反応触媒が配合される。
[(C)成分]
(C)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個)、より好ましくは3〜100個の珪素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は互いに独立に炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
ここで、R2の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、bは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.0、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0、b+cは0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する正数であり、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。
この珪素原子結合水素原子(Si−H基)の含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中0.001〜0.017mol/g、特に0.002〜0.015mol/gとすることが好ましい。珪素原子結合水素原子(Si−H基)の量が少なすぎると架橋が不十分でゲル状になる場合があり、また多すぎると架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムになるおそれがある。なお、珪素原子に結合する水素原子は、分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜20質量部である。0.1質量部未満では硬化が不十分でゲル状になり、ゴム状の弾性体硬化物を与えることができず、30質量部を超える量では硬化物の強度と耐圧縮永久歪性が著しく低下して(圧縮永久歪が大きくなって)しまう。また、上記と同様の理由で(a)成分のアルケニル基と(B)成分のアルケニル基の総量(アルケニル基)に対する珪素結合水素原子(Si−H基)のモル比(Si−H基/アルケニル基)が0.3〜5.0、特に0.5〜2.5の範囲とすることが好適である。
[(D)成分]
(D)付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、(A)、(B)成分の合計量に対し、白金族金属の質量換算として0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
[(E)成分]
本発明にかかるシリコーンゴム組成物には、必要に応じて(E)補強性シリカ微粉末を添加することが可能である。補強性シリカ微粉末は、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために必要であるが、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が10m2/g以上、特に50〜300m2/gであることが好ましい。この補強性シリカ微粉末としては、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿式シリカ)が例示され、煙霧質シリカ(乾式シリカ)が好ましい。これらの使用可能な補強性シリカ微粉末を市販品で例示すると、エアロジル130,200,300(日本エアロジル社製商品名)、Cab−O−sil MS−5,MS−7,HS−5,HS−7(キャボット社製商品名)、SantocelFRC,CS(モンサント社製商品名)、ニップシルVN−3(日本シリカ工業社製商品名)などである。また、これらの表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理してもよい。これらのシリカは単独でも2種以上併用してもよい。
上記補強性シリカ微粉末は、圧縮永久歪を悪化させ、体積抵抗率の経時上昇変化に影響が大きいため、添加量が少ない方が本発明にかかるシリコーンゴム組成物には望ましい。体積抵抗率や圧縮永久歪に影響なく、上記補強性シリカ微粉末を配合するには、組成物全体のオルガノポリシロキサン((a)+(B)成分)100質量部に対し、0〜5質量部、特に0〜3質量部の配合量とすることが好ましい。配合する場合、0.1質量部以上とすることができる。
本発明にかかるシリコーンゴム組成物への上述した(E)成分以外の無機質充填剤の添加は任意であり、このような無機質充填剤としては、珪藻土、パーライト、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、中空フィラーなどが挙げられる。
また、これら無機質充填剤は、シラン系カップリング剤又はその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン又はその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサン等により表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機粉体自体を予め処理しても、あるいはオイルとの混合時に処理を行ってもよい。
配合量は、組成物全体のオルガノポリシロキサン((a)+(B)成分)100質量部に対して0〜30質量部程度とすることが好ましい。
また、熱伝導性の付与を目的として熱伝導性フィラー粉末(例えば、金属珪素粉末、アルミナ、アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、グラファイト、繊維状グラファイト等)を加えることは任意であり、低熱伝導性の付与を目的として、既発泡/未発泡の中空樹脂バルーンの低熱伝導化フィラー、有機/無機発泡剤を添加してもよい。
本発明にかかるシリコーンゴム組成物には、その他の成分として、必要に応じて、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、各種添加剤、難燃剤、耐熱剤等を配合することは任意とされる。
上記(A)ミラブル型導電性マスターバッチを(B)低粘度オルガノポリシロキサンで希釈混練したものと、(C)、(D)成分、及び必要により(E)成分、その他の成分とを公知の方法で均一に混合することにより、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が、30〜2,000Pa・s、特に35〜1,000Pa・sであることが好ましい。粘度が30Pa・s未満だと、注型、射出成形時に液だれを起こしやすいため好ましくなく、2,000Pa・sを超えると体積抵抗率が成形圧力によって高くなりすぎる。
また、得られたシリコーンゴム組成物の硬化物(シリコーンゴム)のポストキュアー後の体積抵抗率は1,000Ω・m以下であり、0.1〜200Ω・m程度であることがより好ましい。体積抵抗率が1,000Ω・mを超えると成形時に体積抵抗が絶縁側にバラツいてしまうことがあり好ましくない。なお、この場合のシリコーンゴム組成物の硬化条件は、120℃/10分のプレスキュアー、その後、200℃/4時間のポストキュアーを行うものである。また、体積抵抗率は、JIS K 6271に準じた方法により測定することができる。
更に、得られたシリコーンゴム組成物は、該組成物をJIS K 6271体積抵抗率測定方法に基づき、120℃/10分のプレスキュアーによって1mm厚に硬化させたシリコーンゴムシートの抵抗値を測定し、更に該1mm厚のシリコーンゴムシートを200℃/4時間ポストキュアーした硬化物の抵抗値を測定した際に、ポストキュアー抵抗値をプレスキュアー抵抗値で割った値(ポストキュアー後/プレスキュアー後体積抵抗率比)が2.0以上、特に2.2以上であることが好ましい。上記値が2.0未満ではカーボンブラックの分散状態が不十分である場合がある。なお、上記値を2.0以上とするには、本発明にかかるシリコーンゴム組成物の組成を上記配合比で混合すること、更に上記(a)成分に(b)成分を混合したミラブル型導電性マスターバッチ(A)を、(B)成分で希釈する本発明の製造方法により達成できる。
更に、得られたシリコーンゴム組成物の硬化物からなる2mm厚のシリコーンゴムシートの23℃/48時間トルエン抽出量が0〜10質量%、特に1〜8質量%であることが好ましい。具体的なトルエン抽出量の測定方法を下記に示す。
シリコーンゴム組成物の硬化後ポストキュアー済の2mmシート4gを切りだし、75gのトルエンに23℃/48時間浸漬し、未架橋のフリーオイルを抽出した。規定時間経過後、抽出後サンプルを取り出し、濾紙の上で23℃/2時間風乾し、ついで150℃/1時間乾燥器にて乾燥させた。乾燥器より取り出し後デシケータ内で23℃/15分放冷後、直ちに精密天秤を用いて、質量を測定した。
次式によりトルエン抽出量を求める。
トルエン抽出量(質量%)=(W1−W2)/W1×100
(W1):トルエン浸漬前のシート片質量
(W2):トルエン浸漬後のシート片質量
なお、トルエン抽出量を上記値とするには、本発明にかかるシリコーンゴム組成物の組成を上記配合比で混合すること、更に上記(a)成分に(b)成分を混合したミラブル型導電性マスターバッチ(A)を、(B)成分で希釈する本発明の製造方法により達成できる。
本発明の製造方法で得られたシリコーンゴム組成物は、電子写真方式の複写機、印刷機、プリンター等で使用される事務機用ロール又は事務機用ベルト用の材料として好適であり、特に定着ロール、現像ロール、紙送りロール、トナー搬送ロール、転写ロール、定着ベルト、現像ベルト、紙送りベルト、トナー搬送ベルト、転写ベルトなど、特に定着ロール、現像ロール、転写ロール、定着ベルト、現像ベルト、転写ベルト、とりわけ定着ロール、現像ロール、定着ベルト、現像ベルトの電子写真装置のロールやベルトの弾性層として好適である。
なお、本発明の製造方法により得られたシリコーンゴム組成物は、これらのロール用として、芯金の外周面に上記シリコーンゴム組成物の硬化物であるシリコーンゴム層を被覆した単層のロールや、耐熱性樹脂又は金属からなる基材の表裏面上に上記シリコーンゴム組成物の硬化物であるシリコーンゴム層を被覆した単層のベルトとして使用してもよいし、あるいはポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂などの樹脂を更にシリコーンゴム層の上に被覆したロールやベルトとして使用してもよい。
ここで、芯金又は基材の材質としては、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ポリアミド/ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から選ばれるものであることが好ましい。
また、フッ素系樹脂としては、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどを用いることができ、フッ素系樹脂コーティング材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)等が挙げられ、またフッ素系樹脂チューブとしては、市販品を使用し得、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられるが、これらのうちで特にPFA、PTFEラテックスが好ましい。
本発明にかかるシリコーンゴム組成物の成形方法は、注型成形、射出成形、コーティングなどの方法があり、硬化条件としては100〜300℃の温度で10秒〜1時間の範囲のプレスキュアーが好適に採用される。また、圧縮永久歪を低下させる、低分子シロキサン成分を低減させる等の目的で、成形後、更に120〜250℃のオーブン内で30分〜70時間程度のポストキュアー(2次キュアー)を行ってもよい。
上記シリコーンゴム層の厚みは、ロールとして0.5〜50mm、特に1〜20mmの範囲とすることが好適であり、ベルトとして0.01〜2mm、特に0.05〜1mmの範囲とすることが好適である。
また、シリコーンゴム層の上に、更に被覆した樹脂の厚みとしては、ロールとして0.001〜0.3mm、特に0.005〜0.15mmの範囲とすることが好適であり、ベルトとして0.001〜0.3mm、特に0.005〜0.15mmの範囲とすることが好適である。
本発明で得られたシリコーンゴム組成物の硬化物をシリコーンゴム層として用いたロール又はベルトは、シリコーンゴム層の局所抵抗値を測定し、回転方向及び軸方向ともに最大抵抗値を最小抵抗値で割った最大/最小抵抗比(抵抗バラツキ)が1.8以下、特に1.5以下に低減されたものであることが好ましい。
ここで、シリコーンゴム層を有するロール又はベルトは、図2、図3に示すような、抵抗値測定装置によってシリコーンゴム層の局所抵抗値を測定することができる。ロール5又はベルト6のシャフト7両端に10Nの圧力でロール5又はベルト6を電極8へ押しつけた状態で、シャフト7と電極8間の100V抵抗値を軸方向に対しては1cm間隔で、回転方向に関しては30度角間隔にてそれぞれ測定を行い、最大抵抗値及び最小抵抗値のバラツキを調査することで求めることができる。抵抗測定機器9は特に指定されるものではなく、0.1μAの電流値が測定可能な抵抗測定機器であればよいが、例として(株)エーディーシー製のデジタル超高抵抗/微少電流計8340A、又は5450/5451等が挙げられる。また、上記抵抗値の測定にはリレー切替器10を用いて、0.1秒〜10秒間隔、推奨時間としては1秒間隔で連続測定することができる。
以下、配合例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
[配合例]
導電性マスターバッチ(A−1)の製造
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖に6個のビニル基を有するジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン1、重合度4,000)100部、アセチレン分解法導電カーボンブラックであるデンカブラック粉状粉末(b1)(電気化学工業(株)製、平均一次粒子径43nm)20部を加圧ニーダーに入れ、30分撹拌を行い、更に一軸スクリュー混練押出機を用いて目開き100μmのメッシュを用いて濾過を行って導電性マスターバッチ(A−1)を作製した。導電性マスターバッチ(A−1)のウイリアムス可塑度は160であった。
導電性マスターバッチ(A−2)、(A−3)の製造
(A−2)、(A−3)は、上記(A−1)のジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン1)の重合度のみを変更し、またアセチレンブラックの添加量を変化させて表1に示す配合割合で(A−1)同様に配合、混練した。
導電性マスターバッチ(A−4)の製造
(A−4)は、カーボンブラックの種類をファーネスブラックであるバルカンXC−72(b2)(CABOT社製、平均粒子径37nm)20部に変更した以外は(A−1)同様に混練、濾過を行った。
導電性マスターバッチ(A−5)の製造
(A−5)は、濾過を省略した以外は(A−1)同様に配合、混練した。
導電性マスターバッチ(A−6)の製造
(A−6)は、上記(A−1)のビニルシロキサン1の代わりに両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持たないジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン2、重合度4,000)に変更した以外は(A−1)同様に混練、濾過を行った。
導電性マスターバッチ(A−7)の製造
(A−7)は、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖に6個のビニル基を有するガム状ジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン1、重合度6,000)90部、両末端にジメチルビニルシロキシ基をもち、側鎖にビニル基を持たないオイル状ジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン2、重合度300)10部を、予め加圧ニーダーを用いてガム状ポリシロキサンとオイル状ポリシロキサンを10分間均一混合した後に、(A−1)同様にアセチレンブラック(b1)30部を添加して加圧ニーダーにて混練し、100μmの目開きの濾過を行った。
導電性マスターバッチ(A−8)の製造
(A−8)は、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された液状ジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン2、重合度300)100部にアセチレンブラック(b1)30部をプラネタリーミキサーにて添加して1時間撹拌を行い、ブレードや壁に付着したカーボンブラックやオイルをかきおとした後、更に2時間撹拌を行って導電性マスターバッチを作製した。更に一軸スクリュー混練押出機を用いて目開き100μmのメッシュを用いて濾過を試みたが、ゴムコンパウンド状ではなく、グリス状のためスクリューに導電性マスターバッチが巻き付いてしまい、濾過の実施は断念した。
導電性マスターバッチ(A−9)の製造
(A−9)は、(A−1)のカーボンブラックの数量を20部から60部に変更して加圧ニーダーにて同様に配合した。一軸スクリュー混練押出機による100μmのメッシュ濾過は実施しなかった。
また、上記の導電性マスターバッチ(A−1)〜(A−9)のカーボンブラックの凝集物の大きさと量を調査するために、それぞれの導電性マスターバッチ3g及びトルエン60gを100gガラス瓶に入れ、24時間静置後、振とう器にて24時間振とう溶解させたのち、75μm目開きのステンレスメッシュにてカーボンブラックの凝集体を捕集した。捕集したカーボンブラックは室温(25℃)にてトルエンを揮発させた後、40℃にて4時間乾燥させ、デシケータ内で放冷して、メッシュ上の捕集質量を測定したのち、光学顕微鏡で目視にて最大凝集物の直径(μm)を測定した。これらの結果を導電性マスターバッチの組成物条件と共に表1に示す。
Figure 0006477520
ビニルシロキサン1:両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にもビニル基を持つジメチルポリシロキサン
ビニルシロキサン2:両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
[実施例1]
上記導電性マスターバッチ(A−1)24部と、粘度低下用の希釈用オイルとして、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持たない直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−2)(重合度500)80部をプラネタリーミキサーに入れ、導電性マスターバッチと希釈用オイルが均一に混合するまで混練を行い、均一溶解までの時間を記録した。実施例1では溶解に40分必要であった。導電性マスターバッチを溶解した後、架橋剤(C)成分として分子鎖両末端がジメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖に6個のSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンC1(重合度20、Si−H基量0.00725mol/gの分子鎖両末端ジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)をSi−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.2となる量添加し、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、30分撹拌を続け、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
なお、この導電性マスターバッチが均一に溶解するまでの時間を「混合時間」として配合量と共に表2に記載した。
この組成物の23℃での0.9(1/s)における剪断粘度は、35Pa・sであった。
この導電性シリコーンゴム組成物を、金型容積と同じ体積を金型に入れ、3MPaの圧力で120℃/10分プレスキュアーし、厚さ1mm、2mm、6mmのシリコーンゴムシートをそれぞれ得た。2mmシートと6mmシートは、更に200℃/4時間ポストキュアーを行い、2mmシートで硬さ(デュロメータタイプA)をJIS K 6249に準じて測定し、6mmシートでは下記に示す6mmシート内の抵抗バラツキを測定した。
6mmシート内の抵抗バラツキを評価するために、厚さ6mmのシートを用いて図1に示すように配置した電極(A)2と電極(B)3に6mm厚シリコーンゴムシート1を接触させ、電極(A),(B)間の抵抗を測定電圧1Vにて、12点測定し、その最大値と最小値を抵抗値のバラツキとして記録した。測定機器4は(株)エーディーシー製のデジタル超高抵抗/微少電流計8340Aを用いた。測定した6mmシート抵抗値は、12点中の最大抵抗値を最小抵抗値で割った値を「最大/最小抵抗比」として記載した。
また、厚さ1mmのシートは、JIS K 6271に準じて体積抵抗率をプレスキュアー実施後、及び更にポストキュアー実施後の状態でそれぞれ測定した。すなわち、120℃/10分プレスキュアーのみ実施したシートを測定した抵抗値を「プレスキュアー後抵抗値」、プレスキュアー後更に200℃/4時間ポストキュアーを行ったシートを測定した抵抗値を「ポストキュアー後抵抗値」として体積抵抗率を示し、「ポストキュアー後抵抗値」を「プレスキュアー後抵抗値」で割った数値を「ポストキュアー後/プレスキュアー後体積抵抗率比」として記載した。
[実施例2〜4]
表2に示すように、導電性マスターバッチ(A−1)又は(A−2)に希釈用オルガノポリシロキサンオイルB−2を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルを均一に溶解したのち、架橋剤C1、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
[実施例5]
表2に示すように、導電性マスターバッチ(A−2)に希釈オイルとして両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖、側鎖に6個のビニル基を持つ直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−1)(重合度1,000)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
[比較例1]
導電性マスターバッチ(A−8)39部と、粘度低下用の希釈用オイルとして、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−2)(重合度500)70部をプラネタリーミキサーにて目視で溶解が完了するまで混練した。混練が完了したのち、架橋剤として、分子鎖両末端がジメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖に6個のSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンC1(重合度20、Si−H基量0.00725mol/gの分子鎖両末端ジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)をSi−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.2となる量添加し、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、30分撹拌を続け、導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
[比較例2]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−2)の重合度を8,000、すなわちガム状オルガノポリシロキサンを希釈ポリマーとした以外は、比較例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
[比較例3]
導電性マスターバッチ(A−2)56部に希釈用オイルとして、ガム状の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−2)(重合度8,000)60部をプラネタリーミキサーにて混合を試みたが不可能であったため、混合装置を2本ロールミルに変更して、上記導電性マスターバッチ(A−2)とガム状オルガノポリシロキサンを30分間均一になるように混練した。その後、架橋剤C1(Si−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.2)、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部の順番で合計30分2本ロール撹拌を続け、導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
[比較例4]
導電性マスターバッチ(A−2)7部に、希釈用オイルとして、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン(希釈オイル種B−2)(重合度1,000)95部へ変更した以外は実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
しかしながら、比較例4の組成物は硬化したものの、カーボンブラック量が少なく、JIS K 6271及び図1に示した、くし形電極による抵抗測定では絶縁性を示した。
[比較例5]
導電性マスターバッチを使用せずにカーボンブラックを直接ポリマーへ分散を試みる実験として、両末端ジメチルビニルシロキシ封鎖、側鎖に6個のビニル基を有するガム状ジメチルポリシロキサン(ビニルシロキサン1、重合度6,000)40部、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン)(希釈オイルB−2)(重合度500)60部、導電性粉末としてデンカブラック(b1)8部をプラネタリーミキサーに直接添加して120分混合を行ったが、カーボンブラックの凝集と思われる粒子がペースト内に目視確認され、更に60分混合時間を延長したが凝集粒子は低減しなかった。そのため、次工程に進み、架橋剤C1(Si−H(C)/Si−Vi[(ビニルシロキサン1)+(B)]=1.2)、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得、同様の評価を行った。
これらの結果を表2に記した。
Figure 0006477520
※1:プラネタリーミキサーでは混ぜることができず2本ロールにて混練した。
希釈オイルB−1:両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、側鎖にもビニル基を持つジメチルポリシロキサン・メチルビニルシロキサン重合体
希釈オイルB−2:両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
[実施例6]
表3に示すように、導電性マスターバッチ(A−3)52.5部に、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンオイル(希釈オイルB−2)(重合度700)を50部、珪藻土であるラジオライトF(昭和化学工業(株)製、粒子径9μm)4部を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルを均一に溶解したのち、架橋剤として分子鎖末端トリメチルシロキシ基封鎖、側鎖に20個のSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンC2(重合度40、Si−H基量0.00725mol/gの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)をSi−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.7となる量、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得た。
[実施例7〜9、実施例11]
表3に示すように、導電性マスターバッチ(A−4)、(A−5)、(A−6)又は(A−7)に、表中の重合度をもつ希釈用オルガノポリシロキサンオイルB−1(側鎖に6個のSi−H基含有)あるいはB−2、及び珪藻土を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルを均一に溶解したのち、架橋剤C2(Si−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.7)、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得た。
[実施例10、実施例12]
表3に示すように、導電性マスターバッチ(A−7)に、表中の重合度をもつ希釈用オルガノポリシロキサンオイルB−1(側鎖に6個のSi−H基含有)及びB−2、補強性シリカとして比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製R−972)3部、及び珪藻土を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルを均一に溶解したのち、架橋剤C2(Si−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.7)、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得た。
[比較例6]
表3に示すように、導電性マスターバッチ(A−4)84部に、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリシロキサンオイル(希釈オイルB−2)(重合度100)30部、及び珪藻土4部を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルを均一に溶解したのち、架橋剤C2をSi−H(C)/Si−Vi[(A)+(B)]=1.7となる量、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加して、実施例1と同様の方法で導電性シリコーンゴム組成物を得た。
[比較例7]
表3に示すように、導電性マスターバッチ(A−9)32部に、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンオイルB−2(重合度1,000)80部、及び珪藻土4部を添加、混合し、導電性マスターバッチと希釈オイルの溶解を試みた。しかしながら、300分以上プラネタリーミキサーにて混練を行っても導電性マスターバッチ(A−9)を溶解することはできず、組成物の作製を中断した。
これらの結果を表3に記した。
Figure 0006477520
※2:300分撹拌混合しても溶解せず。
表1〜表3から明らかなように、本発明の平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサンにカーボンブラックを混合した後、平均重合度が80〜1,000の範囲のオイル状低粘度オルガノポリシロキサンで希釈する製造方法によって作製した付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、体積抵抗のバラツキが小さく、カーボンブラックの凝集物が少なく、抵抗値が安定している優れた材料であることがわかる。
〔トルエン抽出量の比較実験〕
実施例2、実施例3、比較例1、比較例5の含有カーボンブラック量の比較的類似した導電性シリコーンゴム組成物の硬化後ポストキュアー済の2mmシート4gを切りだし、75gのトルエンに23℃/48時間浸漬し、未架橋のフリーオイルを抽出した。規定時間経過後、抽出後サンプルを取り出し、濾紙の上で23℃/2時間風乾し、ついで150℃/1時間乾燥器にて乾燥させた。乾燥器より取り出し後デシケータ内で23℃/15分放冷後、直ちに精密天秤を用いて、質量を測定した。
次式によりトルエン抽出量を求める。
トルエン抽出量(質量%)=(W1−W2)/W1×100
(W1):トルエン浸漬前のシート片質量
(W2):トルエン浸漬後のシート片質量
結果を表4に示す。
Figure 0006477520
上記の結果から、本発明の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法による硬化物は、架橋に関与しないフリーポリマーが少ない製造方法であることがわかる。
[実施例13]
直径6mm×長さ300mmのアルミ芯金の表面に、付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーC(信越化学工業社製)を塗付した。ついで内径20mm×長さ280mmの内面に離型剤を塗布したアルミ筒(型)の中央に上記アルミ芯金を設置し、実施例3のシリコーンゴム組成物を0.5MPaの圧力で注型し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、脱型することで外径20mm×長さ250mmの単層導電性シリコーンゴムロールを得た。このロールを直径18mmまで研磨し、更に表層にイソシアネートを添加したポリウレタンポリオール(商品名:ニッポランN5033、日本ポリウレタン社製)をメチルエチルケトンにて希釈した溶液にて5μmになるようにスプレーコートしてウレタン表層コートを行った。
このようにして得られた現像ロールを図2に示すように、抵抗値測定装置によって現像ロール5のシャフト7両端に10Nの圧力で現像ロール5を電極8へ押しつけた状態で、シャフト7と電極8間の100V抵抗値バラツキを調査したところ、平均値2.3×103Ω、最小抵抗値2.0×103Ω、最大抵抗値3.0×103Ωとなり(最大/最小抵抗比=1.30)、軸方向に抵抗値のバラツキの少ないことが確認された。なお、図2中、測定機器9は(株)エーディーシー製のデジタル超高抵抗/微少電流計8340Aを用いた。10はリレー切替器である。
また、この現像ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を印字したところ、色ムラ、色抜けのない鮮明な画像であることを確認した。
[実施例14]
直径6mm×長さ300mmの導電ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)からなる樹脂シャフト(PK−450CA、日本ポリペンコ(株)製)の表面に、付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNo.4(信越化学工業社製)を塗付した。内面をプライマー処理した膜厚50μmのフッ素PFAチューブとPEEK樹脂シャフトとの間に実施例3のシリコーンゴム組成物を0.5MPaの圧力で注型し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーし、外径18mm×長さ250mmのPFA樹脂被覆シリコーンゴム定着ロールを作製した。
この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を40枚/分の速度で連続通紙した。通紙を10,000枚連続したが、この定着ロールはPFA層、ゴム層ともに破壊は確認されず、複写された画像はすべて鮮明であった。
[実施例15]
導電ポリアミドイミド製のベルト基材(厚さ100μm、形状:内径φ55mm、幅250mm)の外周面に、付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーX−33−183−2A/B(信越化学工業社製)を塗布し、23℃/30分乾燥後、焼付け(150℃×15分)を行った。この上に、実施例3のシリコーンゴム組成物を50質量%酢酸ブチル溶液とした組成物を500μm厚にてコーティングした後、50℃/3時間にて酢酸ブチルを揮発させた後、150℃で15分加熱し、更に200℃で2時間ポストキュアーを行って、厚さ約300μmのシリコーンゴム膜を設けた。この硬化物表面にダイエルラテックスとシリコーンゴム用プライマーGLP−103SR(ダイキン社製)を均一に5μmを目安に塗付し、80℃で10分加熱し、更にダイエルラテックスGLS−213を均一に約30μmスプレー塗付し、300℃で1時間加熱焼成し、20μmの表層フッ素樹脂コーティングを有するシリコーンゴム製定着ベルトを作製した。
このようにして得られた定着ベルトに、直径12mmのステンレスシャフトを通して、図3に示すように、抵抗値測定装置によって定着ベルト6のシャフト7両端に10Nの圧力で定着ベルト6を電極8へ押しつけた状態で、シャフト7と電極8間の100V抵抗値バラツキを調査したところ、平均値3.6×104Ω、最小抵抗値3.2×104Ω、最大抵抗値4.4×104Ωとなり(最大/最小抵抗比=1.38)、ベルト横方向に抵抗値のバラツキの少ないことが確認された。なお、図3中、測定機器9は(株)エーディーシー製のデジタル超高抵抗/微少電流計8340Aを用いた。10はリレー切替器である。
この定着ベルトを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を40枚/分の速度で連続通紙した。通紙を10,000枚連続したが、フッ素コート層、ゴム層ともに破壊、変形は確認されず、複写された画像はすべて鮮明であった。
[比較例8]
使用したシリコーンゴム組成物を比較例1のシリコーンゴム組成物に変更した以外は、実施例13同様に現像ロールを作製した。
図2に示す抵抗値測定装置によってシャフトと電極間の100V抵抗値バラツキを調査したところ、平均値3.3×103Ω、最小抵抗値2.4×103Ω、最大抵抗値6.2×103Ωとなり(最大/最小抵抗比=2.58)、実施例13よりも抵抗値バラツキが大きいことが確認された。
また、この現像ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を印字したところ、ロール端部に相当する部分に色ムラが発生していた。
[比較例9]
使用したシリコーンゴム組成物を比較例1のシリコーンゴム組成物に変更した以外は、実施例14同様にPFA樹脂被覆シリコーン定着ゴムロールを作製した。
この定着ロールを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を40枚/分の速度で連続通紙した。通紙を10,000枚連続したところ、この定着ロールはゴム層には異常がなかったが、端部より3cm内側の周方向にPFA層のシワが確認された。ただし、複写された画像はすべて鮮明であった。
[比較例10]
使用したシリコーンゴム組成物を比較例1のシリコーンゴム組成物に変更した以外は、実施例15同様にフッ素樹脂コーティングシリコーンゴム製定着ベルトを作製した。
このようにして得られた定着ベルトに、直径12mmのステンレスシャフトを通して、図3に示す抵抗値測定装置によって金属シャフトと電極間の100V抵抗値バラツキを調査したところ、平均値5.3×104Ω、最小抵抗値4.0×104Ω、最大抵抗値1.1×105Ωとなり(最大/最小抵抗比=2.75)、実施例15よりもベルト横方向の抵抗値バラツキが大きいことが確認された。
この定着ベルトを電子写真複写機に装着してA4サイズの複写紙を40枚/分の速度で連続通紙した。通紙を10,000枚連続したところ、ベルト端部より3cmの部分の回転方向にフッ素コート層のよじれたようなシワが観察された。複写された画像はシワの部分がやや不鮮明であった。
本製造方法で製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、体積抵抗率のバラツキが少なく、架橋後の抽出可能なフリーポリマーの割合が低い特徴を持つ。本発明の製造方法を用いれば、オイルブリードが少なく、成形時に安定した体積抵抗率を示す付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物、及びその成形品である事務機用ロール/ベルトを提供することが可能である。
1 シリコーンゴムシート
2 電極(A)
3 電極(B)
4 測定機器
5 現像ロール(ロール)
6 定着ベルト(ベルト)
7 シャフト
8 電極
9 測定機器
10 リレー切替器

Claims (18)

  1. (A)ミラブル型導電性マスターバッチ、
    (B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン、
    (C)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (D)付加反応触媒
    を含有し、ポストキュアー後の体積抵抗率が1,000Ω・m以下の導電性シリコーンゴムを与える付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法であって、
    (A)成分として、予め(a)平均重合度3,000以上のガム状オルガノポリシロキサンに(b)カーボンブラックを混合した、可塑度120〜300のミラブル型導電性マスターバッチを作製し、これを、
    (B)平均重合度80〜1,000の一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオイル状低粘度オルガノポリシロキサン
    で希釈する工程を含み、25℃での0.9(1/s)における剪断粘度が30〜2,000Pa・sである付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を得ることを特徴とする付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  2. (A)成分のミラブル型導電性マスターバッチが、(a)成分100質量部に対して(b)成分を5〜50質量部含有し、ニーディング式混練装置にて混練、分散されたミラブル型導電性マスターバッチである請求項1記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  3. (A)成分に含まれる(a)成分の割合が、(a)成分及び(B)成分に含まれるオルガノポリシロキサン総量の5〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  4. (A)成分が150μm以下の目開きのフィルタで濾過されたミラブル型導電性マスターバッチである請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  5. 更に、(E)補強性シリカ微粉末を、(a)成分及び(B)成分に含まれるオルガノポリシロキサンの合計100質量部に対して0.1〜5質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  6. 製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を、120℃/10分のプレスキュアーによって1mm厚のシリコーンゴムシートに硬化してJIS K 6271体積抵抗率測定方法に準じて抵抗値を測定し、更に、該シリコーンゴムシートを200℃/4時間ポストキュアーして上記と同様に抵抗値を測定した際に、ポストキュアー後抵抗値をプレスキュアー後抵抗値で割った値(ポストキュアー後/プレスキュアー後体積抵抗率比)が2.0以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  7. 製造された付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物からなる2mm厚のシリコーンゴムシートの23℃/48時間トルエン抽出量が0〜10質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  8. 付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、電子写真方式の複写機、印刷機もしくはプリンターに使用される事務機用ロール又は事務機用ベルト用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  9. 付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、定着ロール、現像ロール、紙送りロール、トナー搬送ロール、又は転写ロール用である請求項8に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  10. 付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が、定着ベルト、現像ベルト、紙送りベルト、トナー搬送ベルト、又は転写ベルト用である請求項8に記載の付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  11. 芯金の外周面にシリコーンゴム層が形成されてなる事務機用ロールの製造方法において、シリコーンゴム層が請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られ付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする事務機用ロールの製造方法
  12. 芯金が、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ポリアミド/ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から選ばれるものである請求項11記載の事務機用ロールの製造方法
  13. シリコーンゴム層の表層に、更に、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂又はフッ素系樹脂からなる樹脂層が形成されてなる請求項11又は12記載の事務機用ロールの製造方法
  14. シリコーンゴム層の局所抵抗値を測定し、回転方向及び軸方向ともに最大抵抗値を最小抵抗値で割った最大/最小抵抗比(抵抗バラツキ)が1.8以下である請求項11〜13のいずれか1項に記載の事務機用ロールの製造方法
  15. 耐熱性樹脂又は金属からなる基材の表裏面上にシリコーンゴム層が形成されてなる事務機用ベルトの製造方法において、シリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られ付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする事務機用ベルトの製造方法
  16. 基材が、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ポリアミド/ポリイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から選ばれるものである請求項15記載の事務機用ベルトの製造方法
  17. シリコーンゴム層の表層に、更に、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂又はフッ素系樹脂からなる樹脂層が形成されてなる請求項15又は16記載の事務機用ベルトの製造方法
  18. シリコーンゴム層の局所抵抗値を測定し、回転方向及び軸方向ともに最大抵抗値を最小抵抗値で割った最大/最小抵抗比(抵抗バラツキ)が、1.8以下である請求項15〜17のいずれか1項に記載の事務機用ベルトの製造方法
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