JP2010132720A - シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い可塑度と優れた柔軟性と反発弾性率を両立させたシリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記a1)、a2)、a3)、a4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱脱水し、冷却後、a5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱したシリコーンゴムコンパウンド100重量部と(B)過酸化物又は付加型架橋剤;必要量からなることを特徴とするシリコーンゴム組成物。a1:平均重合度4000〜20000の特定のポリオルガノシロキサン100重量部、a2:末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサン0.5〜50重量部、a3:一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する特定のオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物0.1〜50重量部、a4:補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤5〜200重量部、a5:加水分解用触媒0.1〜20重量部
【選択図】なし
【解決手段】(A)下記a1)、a2)、a3)、a4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱脱水し、冷却後、a5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱したシリコーンゴムコンパウンド100重量部と(B)過酸化物又は付加型架橋剤;必要量からなることを特徴とするシリコーンゴム組成物。a1:平均重合度4000〜20000の特定のポリオルガノシロキサン100重量部、a2:末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサン0.5〜50重量部、a3:一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する特定のオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物0.1〜50重量部、a4:補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤5〜200重量部、a5:加水分解用触媒0.1〜20重量部
【選択図】なし
Description
本発明は、各種ロール等に用いられる、硬化してゴム状弾性体を形成するシリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムの成形方法として、押出成形が広く行われている。押出成形で使用されるコンパウンドは、押出直後から硬化するまでの間、形状を維持する必要があり、可塑度の高いものが好ましい。一般的に可塑度を高くするためには、フィラー、特に比表面積の大きいフィラーを高配合することが知られている(特許文献1、2)。
一方、ロール等のシリコーンゴムには、優れた柔軟性と反発弾性率が求められるが、上記のように比表面積の大きいフィラーを高配合して可塑度を高くすると、柔軟性と反発弾性率が低下してしまう。比表面積の小さいフィラーの配合であれば、柔軟性と反発弾性率の低下は避けられるが、可塑度の増加は期待できない。
反発弾性率を向上させる方法として各種の手法が提案されているが(特許文献3〜6)、何れも所望の可塑度を達成することは困難であったり、配合・混練プロセスを厳密に管理する必要がある、保存安定性に難がある等の問題があった。
特開平5−65415号公報
特開平6−256658号公報
特開平9−143375号公報
特開2005−146029号公報
特開2004−300227号公報
特開2005−68273号公報
以上のように、高い可塑度と優れた柔軟性と反発弾性率の両立は困難であり、少なくとも現在までに提案されている手法では両性質を満足するものは得られていないと言える。
本発明は、高い可塑度と優れた柔軟性と反発弾性率を両立させたシリコーンゴム組成物の提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、分子中に加水分解性基を有しないポリオルガノシロキサン(a-1)と、末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサン(a-2)、シラン又はその部分加水分解物であって、一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する架橋剤成分(a-3)、充填材(a-4)および加水分解触媒(a-5)を均一に配合し、混練のプロセス中に(a-2)と(a-3)を縮合反応によって架橋させることによって、高い可塑度と優れた柔軟性と反発弾性率を両立させることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)下記(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱脱水し、冷却後、(a-5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱したシリコーンゴムコンパウンド100重量部と(B)過酸化物又は付加型架橋剤;必要量からなることを特徴とするシリコーンゴム組成物である。
(a-1)分子中に加水分解性基を有しない、平均単位式:RaSiO(4-a)/2
(式中、Rは置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示される平均重合度4000〜20000 のポリオルガノシロキサン100重量部
(a-2)平均単位式:R1 bSiO(4-b)/2
(式中、R1は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、bは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示され、末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサン0.5〜50重量部
(a-3)一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する、平均単位式:R2 cSi(OR3)4-c
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はフェニル基を示し、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示し、cは0〜3の整数を示す)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物0.1〜50重量部
(a-4)補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤5〜200重量部
(a-5)加水分解用触媒0.1〜20重量部
(A)下記(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱脱水し、冷却後、(a-5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱したシリコーンゴムコンパウンド100重量部と(B)過酸化物又は付加型架橋剤;必要量からなることを特徴とするシリコーンゴム組成物である。
(a-1)分子中に加水分解性基を有しない、平均単位式:RaSiO(4-a)/2
(式中、Rは置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示される平均重合度4000〜20000 のポリオルガノシロキサン100重量部
(a-2)平均単位式:R1 bSiO(4-b)/2
(式中、R1は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、bは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示され、末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサン0.5〜50重量部
(a-3)一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する、平均単位式:R2 cSi(OR3)4-c
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はフェニル基を示し、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示し、cは0〜3の整数を示す)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物0.1〜50重量部
(a-4)補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤5〜200重量部
(a-5)加水分解用触媒0.1〜20重量部
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に使用する(A)成分は、(a-1)〜(a-5)からなるシリコーンゴムコンパウンドである。
(a-1)成分の、分子中に加水分解性基を有しない、平均単位式:RaSiO(4-a)/2
(式中、R は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示されるポリオルガノシロキサンは、硬化性シリコーン組成物のベースポリマーとなるものであって、主として直鎖状のものが用いられるが、その一部が分岐鎖状、三次元構造を形成していてもよく、また単独重合体、共重合体またはそれらの混合物であってもよい。このポリオルガノシロキサンのケイ素原子に結合する置換または非置換の一価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基、ブタジエニル基のようなアルケニル基;フェニル基、キセニル基、ナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;シクロヘキセニル基のようなシクロアルヤニル基;ベンジル基のようなアラルキル基;トリル基、キシリル基のようなアルキルアリール基等が例示される。これらのケイ素原子に結合する一価の炭化水素基としては、主にメチル基が用いられるが、例えばビニル基ならば機械的強度と架橋性の点から、有機基の全数に対して0〜5%程度含有していてもよく、特に0.05〜3%の範囲が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサンの分子鎖末端としてはトリオルガノシリル基が例示される。このトリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等が例示される。上記(a-1)成分の平均重合度は、4000〜20000の範囲であり、好ましくは6000〜10000である。この重合度が小さすぎると十分な機械的強度が得られにくく、逆に大きすぎると系への配合が困難になる。
(式中、R は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示されるポリオルガノシロキサンは、硬化性シリコーン組成物のベースポリマーとなるものであって、主として直鎖状のものが用いられるが、その一部が分岐鎖状、三次元構造を形成していてもよく、また単独重合体、共重合体またはそれらの混合物であってもよい。このポリオルガノシロキサンのケイ素原子に結合する置換または非置換の一価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基、ブタジエニル基のようなアルケニル基;フェニル基、キセニル基、ナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;シクロヘキセニル基のようなシクロアルヤニル基;ベンジル基のようなアラルキル基;トリル基、キシリル基のようなアルキルアリール基等が例示される。これらのケイ素原子に結合する一価の炭化水素基としては、主にメチル基が用いられるが、例えばビニル基ならば機械的強度と架橋性の点から、有機基の全数に対して0〜5%程度含有していてもよく、特に0.05〜3%の範囲が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサンの分子鎖末端としてはトリオルガノシリル基が例示される。このトリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等が例示される。上記(a-1)成分の平均重合度は、4000〜20000の範囲であり、好ましくは6000〜10000である。この重合度が小さすぎると十分な機械的強度が得られにくく、逆に大きすぎると系への配合が困難になる。
本発明に使用する(a-2)成分は、平均単位式:R1 bSiO(4-b)/2(式中、R1は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、bは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示され、末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサンであり、主として直鎖状のものが用いられるが、その一部が分岐鎖状、三次元構造を形成していてもよい。このポリオルガノシロキサンに使用される置換または非置換の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基、ブタジエニル基のようなアルケニル基;フェニル基、キセニル基、ナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;シクロヘキセニル基のようなシクロアルヤニル基;ベンジル基のようなアラルキル基;トリル基、キシリル基のようなアルキルアリール基等が例示されるが、ベースポリマーとなる(a-1)成分のポリオルガノシロキサンとの馴染み性を考慮し、(a-1)成分で用いた一価の炭化水素基と同様な基であることが望ましい。さらにポリオルガノシロキサンの分子鎖末端は、水酸基、アルコキシ基のいずれかである。また、(a-2)成分の分子量は、高分子量になると可塑度増加の効果が少なくなり、低分子量すぎると (a-1)成分との混合作業性が悪化するため、重合度を6〜1000、好ましくは10〜300、より好ましくは15〜200の範囲とする。(a-2)成分は、(a-3)成分と共に、(a-1)成分中に均一に分散した状態で縮合反応による架橋構造を形成することによってコンパウンドの可塑度を増加させる。(a-2)成分の配合量は、多すぎると得られるコンパウンドが粘着質になり、少なすぎると本来の目的である可塑度の増加が得られなくなるため、(a-1)成分100重量部に対して0.5〜50重量部の範囲で使用される。
(a-3)成分は、一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する、平均単位式:R2 cSi(OR3)4-c
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はフェニル基を示し、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示し、cは0〜3の整数を示す)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物である。
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はフェニル基を示し、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示し、cは0〜3の整数を示す)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物である。
(a-3)成分は(a-2)成分とともに、(a-1)成分中に縮合反応による架橋構造を形成することによって可塑度を増加させる。(a-3)成分の配合量は、多すぎると反発弾性率が減少し、少なすぎると、得られるコンパウンドが粘着質となってロール作業が困難になることから、この(a-3)成分は、通常(a-1)成分100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲で使用される。
本発明に使用する(a-4)成分は、補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤である。(a-4)成分は、硬化物に必要な物理的な強度を付与するとともに、(A)成分に良好なロール作業性を付与するために用いられる。
(a-4)成分の配合量は、(a-1)成分100重量部に対して5〜200重量部が好ましく、5重量部より少ないと、硬化物の物理特性が不十分となるとともに、(A)成分のロール作業が困難となる、200重量部より多いと、柔軟さが失われるとともに、高い反発弾性率を得ることができない。
(a-5)加水分解用触媒としては、公知の触媒を使用できる。例えば、ジメチルヘキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジン、テトラメチルグアニジノプロピルトリメトキシシランなどのアミン化合物;塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリメチルヘキシルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩類;オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズなどの金属有機酸塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエートなどの有機スズ化合物;テトラブチルチタネート、1,3 −ジオキシプロパンチタンビス(エチルアセトアセテート)などのチタン化合物などが使用される。
得られたコンパウンドの硬化剤(B)として、有機過酸化物を使用する場合は、(a-5)成分として前述のいずれの化合物を使用して差し支えないが、硬化用触媒(B)として付加型加硫剤を用いる場合は、前述の第四級アンモニウム塩類や有機スズ化合物は硬化阻害を起こす懸念があるため、(a-5)成分としては、有機化酸化物加硫でも付加加硫でも使用できる点で、特にチタン化合物が好ましい。特に好ましいものは、Ti(OR4)4、Ti(OR4)2L2又はTiL3(式中、R4は炭素数2〜4のアルキル基を示し、Lはチタン原子とともにキレート環を形成する基を示す)で示される有機チタン化合物又はその部分加水分解縮合物である。
(a-5)成分の配合量は、(a-1)成分100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1重量部より少ないと、 (a-2)成分と(a-3)成分の架橋反応が不十分となり、可塑度の増加の効果が得られない。
20重量部より多く配合しても(a-2)成分と(a-3)成分の架橋反応の速度は加速されないばかりか、残存する(a-5)成分によって硬化物の物理強度や耐熱性などを悪化させる懸念があるため好ましくない。
本発明において所望の効果を得るためには、(A)成分中の(a-2)、(a-3)成分が、(a-1)成分中に均一に分散された状態で(a-5)の働きによって縮合反応による架橋をする必要があり、各成分の混合の手順は前述の縮合反応が効率的に進むような配慮が必要である。
一般的に、(a-4)成分は水分を有しており、水分を有する(a-4)成分と(a-5)成分を共存させると(a-5)成分の触媒活性が失われて、可塑度の増加の効果が得られない恐れがある。これは、(a-4)成分の配合を(a-5)成分を触媒とした(a-2)と(a-3)成分の縮合反応による架橋の後に行うことによって防止するこができる。
しかし、この場合、(a-1)、(a-2)、(a-3)の混合物の粘度が、(a-2)、(a-3)の架橋によって高くなるとともに弾性が増加するため、(a-4)成分の配合が困難となる。
これらを考慮して、本発明の(A)成分は、(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱混練により脱水し、冷却後、(a-5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱混練することにより調製される。
(B)成分の過酸化物は加硫剤である。この(B)成分の過酸化物は、通常この種のシリコーンゴム組成物に用いられているものであればよく、ベンゾイルパーオキサイド、2,4 −ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5 −ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5 −ジメチルヘキサン、2,5 −ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどが例示される。これらの有機過酸化物は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。過酸化物の配合量は必要量であり、特に限定されないが、一般的には(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部程度である。
(B)成分の過酸化物は加硫剤である。この(B)成分の過酸化物は、通常この種のシリコーンゴム組成物に用いられているものであればよく、ベンゾイルパーオキサイド、2,4 −ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5 −ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5 −ジメチルヘキサン、2,5 −ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどが例示される。これらの有機過酸化物は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。過酸化物の配合量は必要量であり、特に限定されないが、一般的には(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部程度である。
また、(B)成分として付加型架橋剤を用いることもできる。付加型架橋剤としては、一分子中に少なくともケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒、そして反応速度を調整するアセチレンアルコール等の反応抑制剤が挙げられ、その配合量は架橋必要量である。
本発明のシリコーンゴム組成物には、以上の成分の他に本発明による効果を阻害しない範囲で必要に応じて各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、顔料、耐熱性向上剤、難燃剤などが例示される。耐熱性向上剤の具体例としては、酸化鉄、酸化セリウム、水酸化セリウム、オクチル酸鉄などが挙げられる。その他、イソパラフィンなどの飽和脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド類などの離型剤なども配合することができる。
また、導電性カーボンブラック等の導電性付与剤を配合することもできる。
次に本発明の実施例について説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。また、例中における部は、重量部を表す。
実施例1
成分1:(CH3)2SiO単位99.7モル%、(CH3)(CH2=CH)SiO単位0.3モル%からなり、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された、重合度7000のポリオルガノシロキサン(a-1)100部と、成分2:末端がシラノール基で封鎖され、重合度が50であるポリジオルガノシロキサン(a-2)5部、成分4:エチルシリケートの部分加水分解縮合物(n=5)(a-3)2.5部、成分8:珪藻土(a-4)54部をニーダーミキサーで均一になるまで0.5時間混練(混練−1)した後、150℃×2時間加熱混練処理(加熱混練−1)した。
成分1:(CH3)2SiO単位99.7モル%、(CH3)(CH2=CH)SiO単位0.3モル%からなり、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された、重合度7000のポリオルガノシロキサン(a-1)100部と、成分2:末端がシラノール基で封鎖され、重合度が50であるポリジオルガノシロキサン(a-2)5部、成分4:エチルシリケートの部分加水分解縮合物(n=5)(a-3)2.5部、成分8:珪藻土(a-4)54部をニーダーミキサーで均一になるまで0.5時間混練(混練−1)した後、150℃×2時間加熱混練処理(加熱混練−1)した。
次いで、混練しつつ60℃まで冷却し(冷却混練−1)、成分6:テトラブトキシチタン(a-5)0.3部を加えニーダーミキサーで均一になるまで1時間混練(混練−2)した後、150℃×3時間加熱混練処理(加熱混練−2)し、最後に混練しつつ60℃まで冷却し(冷却混練−2)、シリコーンゴムコンパウンド(A)を得た。
このシリコーンゴムコンパウンド(A)について、初期の23℃における可塑度、温度70℃、湿度50%RHの環境下に保管した後の可塑度、温度40℃、湿度80%RHの環境下に保管した後の可塑度を調べた。
また、シリコーンゴムコンパウンド(A)100部に、有機過酸化物(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名TC−8)0.5部を添加し、二本ロールで十分に混練した後、この混練物を金型に入れ、170℃で10分間プレスした後、200℃で4時間の後硬化(ポストキュア)を行い、2mm厚のシリコーンゴムシートを作製して硬さを測定し、φ29mm高さ12.5mmの円柱状の試験体を作製して反発弾性率を測定した。
結果表1に併せ示す。
なお、シリコーンゴムコンパウンドの可塑度、並びに、シリコーンゴムシートの硬さおよび反発弾性率の測定方法は、次の通りである。
<可塑度>
二本ロール(8インチ、ロール間隔3mm)で50回巻き通しを行った後、JIS K 6249に準拠して測定し、規定の荷重をかけて5分後の値を可塑度とした。
<硬さ>
JIS K 6249に準拠して測定した。
<反発弾性率>
JIS K6255に準拠してリュプケ式反発弾性率測定器によって測定した。
<可塑度>
二本ロール(8インチ、ロール間隔3mm)で50回巻き通しを行った後、JIS K 6249に準拠して測定し、規定の荷重をかけて5分後の値を可塑度とした。
<硬さ>
JIS K 6249に準拠して測定した。
<反発弾性率>
JIS K6255に準拠してリュプケ式反発弾性率測定器によって測定した。
実施例2〜4、比較例1〜5
各成分の種類および配合量、添加順序等を表1に示すように変化させた以外は実施例1と同様に行った。この結果も併せて表1に示した。
各成分の種類および配合量、添加順序等を表1に示すように変化させた以外は実施例1と同様に行った。この結果も併せて表1に示した。
実施例2〜4、比較例1〜5で使用した前記以外の各成分の詳細は以下の通りである。
成分3:末端がシラノール基で封鎖され、重合度が150であるポリジオルガノシロキサン(a-2)
成分5:ビニルトリエトキシシラン(a-3)
成分7:ジメチルジクロロシランで表面処理された、BET比表面積130m2/gの煙霧質シリカ(a-4)
成分3:末端がシラノール基で封鎖され、重合度が150であるポリジオルガノシロキサン(a-2)
成分5:ビニルトリエトキシシラン(a-3)
成分7:ジメチルジクロロシランで表面処理された、BET比表面積130m2/gの煙霧質シリカ(a-4)
Claims (2)
- (A)下記(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)を均一に混合後、100℃以上の温度で加熱脱水し、冷却後、(a-5)を均一に混合して、再度100℃以上の温度で加熱したシリコーンゴムコンパウンド100重量部と(B)過酸化物又は付加型架橋剤;必要量からなることを特徴とするシリコーンゴム組成物。
(a-1)分子中に加水分解性基を有しない、平均単位式:RaSiO(4-a)/2
(式中、Rは置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示される平均重合度4000〜20000 のポリオルガノシロキサン100重量部
(a-2)平均単位式:R1 bSiO(4-b)/2
(式中、R1は置換または非置換の一価の炭化水素基を示し、bは1.98〜2.02の範囲の数を示す)で示され、末端が水酸基またはアルコキシ基で封鎖された、重合度が6〜1000であるポリオルガノシロキサン0.5〜50重量部
(a-3)一分子中に少なくとも3個のアルコキシ基を有する、平均単位式:R2 cSi(OR3)4-c
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はフェニル基を示し、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示し、cは0〜3の整数を示す)で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物0.1〜50重量部
(a-4)補強性シリカ、珪藻土及び石英から選ばれる充填剤5〜200重量部
(a-5)加水分解用触媒0.1〜20重量部 - (a-5)が、Ti(OR4)4、Ti(OR4)2L2又はTiL3(式中、R4は炭素数2〜4のアルキル基を示し、Lはチタン原子とともにキレート環を形成する基を示す)で示される有機チタン化合物又はその部分加水分解縮合物である請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
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