JP3077503B2 - シリコーンゴム組成物 - Google Patents

シリコーンゴム組成物

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JP3077503B2 JP06075318A JP7531894A JP3077503B2 JP 3077503 B2 JP3077503 B2 JP 3077503B2 JP 06075318 A JP06075318 A JP 06075318A JP 7531894 A JP7531894 A JP 7531894A JP 3077503 B2 JP3077503 B2 JP 3077503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリープハードニング
が改良され、保存性に優れ、かつ透明性に優れたシリコ
ーンゴムを与えるシリコーンゴム組成物に関する
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンポリマーにシリカ充填剤を多量に配合すると、その
組成物は引張強度、引裂強度、伸び、耐熱性などの優れ
た物理的特性を有するようになることが知られている。
しかし、シリコーンポリマーにシリカ充填剤を多量に配
合するためには、シリカ充填剤の分散性を良好にするた
め、ウエッター(分散剤)を多量に添加する必要があ
る。
【0003】従来、ウエッターとしては、下記式 HO〔(CH32SiO〕xH(x=10〜20) で示される重合度が10〜20のα,ω−シロキサンジ
オールが一般的に用いられてきた(米国特許第3,79
9,962号公報)。
【0004】また、RO〔(CH32SiO〕y
(R:短鎖アルキル基,y=3〜5)のα−アルコキシ
−ω−シロキサノールも知られており、更にはヘキサメ
チルトリシロキサンジオールとメトキシヘキサメチルト
リシロキサノールの混合物を用いたアンチストラクチャ
ー剤も提案されている(米国特許第3,925,285
号公報)。
【0005】しかしながら、従来のウエッターは、クリ
ープハードニングを少なくするためやや多めに添加する
とシリコーンゴム組成物がべたつき、作業性が悪くなっ
たり、硬化物の機械的特性の低下が生じ、一方、べたつ
きを抑えるために添加量を少なくするとべたつきはなく
なるが、クリープハードニングが著しい等の問題があっ
た。そのためクリープハードニングが少なく、べたつき
がなく硬化物の機械的特性を向上させるウエッターの開
発が望まれていた。
【0006】即ち、シリコーンゴム組成物は、コンパウ
ンド化した時はシリカ/ポリマー間はしっとりぬれてい
るが、未加硫のまま保存しておくとシリカ/ポリマー間
に水素結合やファンデルワールス力等の物理的な結合に
より疑似架橋が進行する。これがクリープハードニング
といわれる現象であり、この現象が起こると加工性が非
常に悪くなる。この場合、剪断力を与えて再度十分に混
練りすれば完全に元の状態に戻るが、このような再度の
混練りは工業的には不利である。
【0007】なおまた、従来のウエッターは、加硫剤を
添加して加硫したシリコーンゴムの圧縮永久歪、機械的
強度の点でも改良の余地があった。
【0008】更に、従来のウエッターは、透明性に優れ
たシリコーンゴムを与える上でも問題があった。
【0009】本発明は上記欠点を改善するためになされ
たもので、クリープハードニングが改良され、保存性に
優れ、しかも圧縮永久歪が小さく、機械的強度に優れ、
かつ透明性に優れたシリコーンゴムを与えるシリコーン
ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (式中、R1は置換又は非置換の1価の炭化水素基を示
すが、R1中の0.001〜0.5モル%はアルケニル
基である。aは1.95〜2.05の正数である。)で
示される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキ
サンと比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
性シリカ充填剤とを含むシリコーンゴム組成物に、下記
式(2)で示される化合物を配合することが有効である
ことを知見した。
【0011】
【化3】 (式中、b=0,1又は2、c=0,1又は2であ
る。)
【0012】即ち、上記式(2)の化合物を配合するこ
とにより、クリープハードニングを顕著に改良し得、長
期間保存しても可塑度の上昇が著しく少なくなること、
また、この式(2)の化合物は、シラノール含量が高い
ため、コンパウンド調整に要する使用量が少量で済むの
で、表面のべたつき等が無く、加工性が改善されると共
に、更には、シラノール基の活性が高いため、シリカ等
の充填剤の配合が非常に行い易くなるという利点をも与
えるものであることを見い出したものである。
【0013】また、この式(2)の化合物を配合したシ
リコーンゴム組成物は、圧縮永久歪が小さく、機械的強
度が良好で、高透明なシリコーンゴムを与えることを知
見した。
【0014】即ち、上述したように、従来公知のα,ω
−シロキサンジオールオイルはウエッターとして広く利
用されているが、コンパウンドの可塑度(ムーニー粘
度)を低下させるためグリーンストレングスを著しく弱
くするなどの欠点があり、生素地の形状保持、ロール剥
離性、発泡抑制などの加工性を阻害したり、圧縮永久歪
増大や機械的強度を低下させるなどの欠点も有するもの
で、従来のα,ω−シロキサンジオールは重合度が5〜
100のものが一般であり、特にウエッターとしては重
合度10〜20のものが多く用いられていたが、式
(2)の化合物を用いることにより、従来の問題点を解
決し得ることを見い出し、本発明をなすに至ったもので
ある。
【0015】従って、本発明は、下記一般組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (式中、R1は置換又は非置換の1価の炭化水素基を示
すが、R1中の0.001〜0.5モル%はアルケニル
基である。aは1.95〜2.05の正数である。)で
示される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキ
サンと比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
性シリカ充填剤とを含むシリコーンゴム組成物におい
て、上記式(2)の化合物を配合してなることを特徴と
するシリコーンゴム組成物を提供する。
【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の第1成分のオルガノポリシロキサンは、下
記一般組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (式中、R1は置換又は非置換の1価の炭化水素基を示
すが、R1中の0.001〜0.5モル%はアルケニル
基である。aは1.95〜2.05の正数である。)で
示される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキ
サンである。
【0017】ここで、式(1)中、R1は置換又は非置
換の1価の炭化水素基を表わすが、その炭素数は好まし
くは1〜10、より好ましくは1〜6である。この場
合、全R1基中、アルケニル基が0.001〜0.5モ
ル%の割合で含まれていることが必要であり、より好ま
しくは0.01〜0.3モル%である。かかるアルケニ
ル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基
などが挙げられ、好ましくはビニル基である。このアル
ケニル基の割合が少なすぎる場合には、得られる組成物
の硬化性が低下し、また、多すぎる場合には、得られる
硬化物の引張強度、引裂強度、伸びなどの物理的特性が
低下する。
【0018】また、アルケニル基以外のR1基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等の
アリール基、β−フェニルエチル基等のアラルキル基な
どの炭化水素基、並びにこれらの炭化水素基中の水素原
子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換さ
れた3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチ
ル基等の置換炭化水素基などが挙げられる。これらの中
でも一般的にはメチル基が好ましいが、耐寒性、耐放射
線性及び透明性を付与する場合には、フェニル基を全R
1基中2〜20モル%の割合で含むことが好ましい。ま
た、耐油性及び耐ガソリン性を付与する場合には、全R
1基中、シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基等を5〜70モル%の割合で含むことが好まし
い。
【0019】aは1.95〜2.05の範囲の数である
ことが必要であり、より好ましくは1.98〜2.02
である。aが上記の範囲外である場合には、重合度10
0以上のオルガノポリシロキサンを合成する場合に困難
を生じる。
【0020】本発明に用いられる第1成分のオルガノポ
リシロキサンにおいては、それを構成するほとんどの単
位がジオルガノシロキサン単位であるが、トリオルガノ
シロキサン単位及びSiO2単位をオルガノポリシロキ
サン中1モル%程度まで含んでいてもよい。また、分子
鎖末端は水酸基或いはトリオルガノシロキシ基で封鎖さ
れていてもよい。更に、オルガノポリシロキサンの重合
度は、得られる組成物の硬化物が十分な機械的強度を得
るためには100以上であることが必要であり、好まし
くは100〜10000、より好ましくは2000〜1
0000である。
【0021】第2成分としての比表面積(BET法)が
50m2/g以上の補強性シリカ充填剤としては、例え
ばヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が挙げ
られ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。また、それらのシリカ充填剤はその表
面を、例えば鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガ
ノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等によって
処理されたものでもよい。
【0022】特に、得られたシリコーンゴム組成物の透
明性、補強性においては比表面積が100〜400m2
/gであるヒュームドシリカが望ましい。また、得られ
たシリコーンゴム組成物のコスト、弾性などの物性では
比表面積が50〜800m2/gの補強性、沈降性シリ
カが特に望ましい。
【0023】上記シリカ充填剤の配合量は第1成分のオ
ルガノポリシロキサン100重量部に対して5〜100
重量部の割合が好ましく、より好ましくは10〜50重
量部である。配合量が多すぎる場合又は少なすぎる場合
には、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下
し、またそのシリコーンゴム組成物を硬化して得られる
硬化物が十分な引張強度、引裂強度などの機械的強度を
有しなくなる。
【0024】本発明は、上記オルガノポリシロキサンと
シリカ充填剤とを含有するシリコーンゴム組成物におい
て、下記式(2)で示される化合物をウエッター(分散
剤)として配合するものであり、これによりクリープハ
ードニングが顕著に改善されたものである。
【0025】
【化4】 (式中、b=0,1又は2、c=0,1又は2であ
る。)
【0026】ここで、式(2)の化合物は、例えば下記
反応式で示されるように、メチルクロロジシラン、メチ
ルメトキシジシラン、メチルヒドロゲノジシランから公
知の方法により製造することができる。
【0027】
【化5】 (但し、Me:メチル基、i−Pr:i−プロピル基)
【0028】なお、メチルクロロジシラン、メチルメト
キシジシラン、メチルヒドロゲノジシランは、上記のも
のに限られず、下記のものを用いることができ、上記と
同様の方法により対応するヒドロキシジシランを得るこ
とができる。
【0029】
【化6】
【0030】上記の原料を用い、上記のような反応によ
り、それぞれCl,OMe,HがOHとなる本発明の式
(2)の化合物が得られる。
【0031】この場合、式(2)の化合物としては、特
に下記のものが好適に用いられる。
【0032】
【化7】
【0033】上記式(2)の化合物は、その1種を単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、またそ
の配合量は、上記シリカ充填剤に対し1〜30重量%添
加するのが望ましいが、より好ましくは1〜20重量%
であり、添加量が1重量%より少ないとシリカの活性が
強いため、クリープハードニングが改良されず、30重
量%より多いと組成物のべたつきや腰落ちの原因とな
り、コスト高になってしまう。
【0034】本発明のシリコーンゴム組成物を得る場合
は、上記オルガノポリシロキサン、シリカ充填剤、式
(2)の化合物をニーダーなどの混練装置を用いること
により混合することにより製造できる。なお、他の適当
な混練装置としては2本ロール、バンバリーミキサー
(連続ニーダー)、加圧ニーダー等が挙げられる。
【0035】このようにして得られた組成物は各成分の
なじみや分散をよくするため、室温下で1時間〜一昼夜
放置してもよく、又は、場合によっては40〜70℃の
混合下で数分〜数時間分散を行ってもよい。また、必要
に応じて式(2)の化合物の分散性を高めるためにアル
コール、トルエン、キシレン等の溶剤や相溶性のあるシ
ラン、シロキサンを併用してもよい。
【0036】これらの組成物は必要に応じて熱処理を行
うことにより、組成物中のシリカとオルガノポリシロキ
サンとの親和性を高めることができる。このためには好
ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜25
0℃の温度範囲で10〜120分熱処理するのが望まし
い。
【0037】このようにして本発明の目的であるクリー
プハードニングの改良されたシリコーンゴム組成物が得
られる。
【0038】なお、本発明のシリコーンゴム組成物に
は、通常、シリコーンゴムに配合される配合剤を添加し
てもよい。例えば粉砕シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸
化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化セリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラス
ウール、微粉マイカ、溶融シリカ粉末等を配合してもよ
い。また、必要に応じて顔料、染料、老化防止剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、難燃剤(例えば酸化アンチモン、
塩化パラフィンなど)、熱伝導性向上剤(例えば窒化ホ
ウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど)を配
合してもよい。
【0039】本発明のシリコーンゴム組成物は、硬化剤
を用いることによりシリコーンゴムに硬化することがで
きる。この場合、硬化剤としては、この組成物をヒドロ
シリル化反応により硬化させる場合はオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒が用いられ、
過酸化物架橋させる場合は過酸化物が用いられるなど、
公知のものが使用される。
【0040】更に、詳述すると、ヒドロシリル化反応に
よる硬化の場合、硬化剤としてオルガノハイドロジェン
ポリシロキサン及び白金族金属系触媒が用いられ、60
〜200℃の温度で0.5分〜5時間の加熱により硬化
させることができる。用いられるオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(4)R2 d
eSiO(4-d-e)/2
(4)(式中、R2は置換又は非置換の炭素原子数1〜
10の1価の炭化水素基を表わし、0≦d<3かつ0<
e≦3であり、d+eが1.0〜3.0を満足する数で
ある。)で示され、分子鎖中に2個以上の≡SiH基を
有するものが挙げられる。この≡SiH基は分子鎖の末
端にあってもよく、また途中にあってもよい。上記の平
均組成式(4)中で、R2としては例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニ
ル基、トリル基等のアリール基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基などの水素原子が置換された炭化水素基
などが挙げられる。
【0041】この硬化剤として用いられるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンは、重合度が200以下であ
ることが好ましく、また直鎖状、環状又は分岐状のいず
れの状態であってもよい。このようなオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンとしては、例えば下記のものを例
示することができる。
【0042】
【化8】 (式中、Meはメチル基であり、i及びjは0以上の整
数、kは1以上の整数である。)
【0043】上記オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの使用量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン中
のアルケニル基1モルに対し、オルガノハイドロジェン
ポリシロキサン中の≡SiH基が0.5〜3モルの割合
となる量が好ましく、より好ましくは1〜2モルの割合
となる量である。
【0044】また、白金族金属系触媒としては、白金
系、パラジウム系及びロジウム系の触媒が挙げられ、中
でも白金系触媒が好ましい。かかる白金系触媒として
は、例えば微粉末金属白金触媒(例えば米国特許第29
70150号に記載のもの)、塩化白金酸触媒(例えば
米国特許第2823218号に記載のもの)、白金−炭
化水素錯化合物(例えば米国特許第3159601号又
は米国特許第3159662号に記載のもの)、塩化白
金酸−オレフィン錯化合物(例えば米国特許第3516
946号に記載のもの)、白金−ビニルシロキサン錯体
(例えば米国特許第3775452号又は米国特許第3
814780号に記載のもの)等が挙げられる。使用量
は、(a)成分のオルガノポリシロキサンと前記のオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンとの合計量に対し
て、通常0.1〜1000ppm(白金換算)であり、
より好ましくは1〜100ppm(白金換算)である。
【0045】このようなヒドロシリル化反応による硬化
の場合、得られるシリコーンゴム組成物の室温での保存
安定性及び適度なポットライフを保持するために、例え
ばメチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンア
ルコール等の反応制御剤を添加してもよい。
【0046】一方、有機過酸化物による硬化の場合に
は、通常、オルガノポリシロキサン100重量部当り有
機過酸化物を0.01〜3重量部配合する。より好まし
くは0.05〜1重量部である。これにより得られるシ
リコーンゴム組成物は、通常、100〜500℃で10
秒〜5時間の加熱により硬化させることができる。
【0047】硬化剤としての有機過酸化物としては、過
酸化物硬化型シリコーンゴム組成物に、通常使用される
ものであればよく、例えばベンゾイルパーオキサイド、
モノクロルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリー
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ジターシャ
リーブチルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパー
ベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネー
ト、ジシクロドデシルパーオキシジカーボネート、2,
5−ビス−(ターシャリーブチルパーオキシ)−2,5
−ジメチルヘキサン、2,5−ビス−(ターシャリーブ
チルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキシン等が挙げ
られ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム組成物は、クリ
ープハードニングが改良され、保存性が優れ、加工性が
良好なものであり、また圧縮永久歪が小さく、良好な機
械的特性を有する透明なシリコーンゴムを与え、このた
め例えば建築用ガスケット、医療用チューブなどの押出
成形の材料として好適であり、また、ラバーコンタク
ト、乳首、ジョイントブーツ、プラグブーツ、アノード
キャップ、電線などの材料としても好適である。
【0049】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、実施例中部は重量部を表わす。
【0050】〔実施例1〜3、比較例1〕(CH32
iO単位が99.825モル%、(CH3)(CH2=C
H)SiO単位が0.15モル%、(CH2=CH)
(CH32SiO1/2単位が0.025モル%からなる
平均重合度が3000のメチルビニルポリシロキサン1
00部に比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ
(日本アエロジル(株)製,商品名エロジル200)4
7部及び下記式(A)で示される化合物6部をニーダー
ミキサーに投入し、均一に混合した。
【0051】このコンパウンドをニーダー中、100℃
で30分熱処理してベースコンパウンド1を得た。
【0052】
【化9】
【0053】また、上記式(A)の化合物の代りに下記
式(B)及び(C)で示される化合物6部を用いる以外
は上記と同様にしてベースコンパウンド2及び3を得
た。
【0054】
【化10】
【0055】なお、比較のため、式(A)の化合物の代
わりに平均重合度10のα,ω−シロキサンジオール6
部及び10部を用いた場合をベースコンパウンド4(比
較例)とした。この場合、α,ω−シロキサンジオール
6部を用いたものは、シリカを配合することが困難であ
った。
【0056】得られたシリコーンゴム組成物の外観及び
可塑度の経時変化をJIS−C−2123により評価し
た。
【0057】また、上記シリコーンゴムコンパウンド1
00部に加硫剤として2,4−ジクロロベンゾイルパー
オキサイド(50%品)1.5部を加え、プレスキュア
ー120℃/10分、ポストキュアー200℃/2時間
の条件で硬化し、シリコーンゴムシートを得、その物性
をJIS−K−6301により評価した。結果を表1に
示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から、実施例の組成物は透明性
もよく、クリープハードニングも少ない改良された組成
物であることが認められた。
【0060】〔実施例4〕実施例1のヒュームドシリカ
の代わりに沈降シリカ(日本シリカ(株)製,商品名ニ
プシルLp)を40部、式(A)の化合物の添加量を2
部とした以外は実施例1と同様にそれぞれコンパウンド
5を作製した。得られたコンパウンドの加工性は良好で
あり、また物性も表2の通りであった。
【0061】
【表2】
【0062】〔実施例5〕実施例1に用いたベースコン
パウンド1を用いて付加加硫を行った。ベースコンパウ
ンド100部にオルガノハイドロジェンポリシロキサン
1.0部(SiH基/ビニル基のモル比を1.3とす
る)、白金系触媒1000ppmを添加し、制御剤とし
て1−エチニルシクロヘキサン−1−オール0.02部
を2本ロールで添加し、均一に混合した。これを165
℃で10分間加硫し、2mm厚みのシートを成型した。
この後、200℃で4時間2次キュアーを行った。これ
らの結果を表3に示す。表3の結果からこのコンパウン
ドは透明性に優れ、物性も良好であった。
【0063】
【表3】
フロントページの続き (72)発明者 高橋 政晴 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08K 3/36 C08K 5/5415 C08L 83/05 C08L 83/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は置換又は非置換の1価の炭化水素基を示
    すが、R1中の0.001〜0.5モル%はアルケニル
    基である。aは1.95〜2.05の正数である。)で
    示される平均重合度が100以上のオルガノポリシロキ
    サン 100重量部、 (B)比表面積(BET法)が50m2/g以上の補強
    性シリカ充填剤 5〜100重量部 を含むシリコーンゴム組成物に、 (C)下記式(2)で示される化合物を(B)成分に対
    して 1〜30重量% 【化1】 (式中、b=0,1又は2,c=0,1又は2であ
    る。) 配合してなることを特徴とするシリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分が 【化2】 の少なくとも1種から選ばれる請求項1又は2記載のシ
    リコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 硬化剤としてオルガノハイドロジェンポ
    リシロキサンを(A)成分のオルガノポリシロキサン中
    のアルケニル基1モルに対しオルガノハイドロジェンポ
    リシロキサン中の≡SiH基が0.5〜3モルの割合
    と、白金族金属系触媒を(A)成分のオルガノポリシロ
    キサンと前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンと
    の合計量に対して0.1〜1000ppm(白金換算)
    含み、ヒドロシリル化反応により硬化する請求項1又は
    2記載のシリコーンゴム組成物。
  4. 【請求項4】 硬化剤として有機過酸化物を(A)成分
    のオルガノポリシロキサン100重量部当り0.01〜
    3重量部含み、過酸化物架橋により硬化する請求項1又
    は2記載のシリコーンゴム組成物。
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