JP2853464B2 - オイルブリード性シリコーンゴム組成物の製造方法 - Google Patents

オイルブリード性シリコーンゴム組成物の製造方法

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JP2853464B2
JP2853464B2 JP4196593A JP19659392A JP2853464B2 JP 2853464 B2 JP2853464 B2 JP 2853464B2 JP 4196593 A JP4196593 A JP 4196593A JP 19659392 A JP19659392 A JP 19659392A JP 2853464 B2 JP2853464 B2 JP 2853464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンオイルが表
面にブリードし、組立の際の作業性や、装着した後の密
閉性、絶縁性等に優れるシリコーンゴムを与えるオイル
ブリード性シリコーンゴム組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは、耐熱性、耐候性、耐久性、離型性、電気的
特性などが優れているために様々な形に加工成形され、
建築材料、電気・電子部品、自動車部品、OA機器部品
など様々な分野で使用されている。
【0003】特に、近年、自動車部品としての普及はめ
ざましく、オイルシール,コネクター,Oリング,ダイ
ヤフラム,ディストリビューター用グロメットなどに使
われているが、とりわけコネクター,ディストリビュー
ター用グロメットといった分野では、組立の際の作業性
や、装着した後の密閉性,絶縁性等を追求した結果、成
形後にオイルが表面にブリードするオイルブリード性シ
リコーンゴムが使用されている。この場合、成形物表面
のブリードオイルはある程度多いほうが好ましく、作業
性が向上し、一般にブリードオイルの添加量を多くすれ
ば、ブリード性は向上する。
【0004】しかし、従来から一般に用いられているブ
リードオイルは、その添加量を多くすると、ブリードオ
イルとして使用している限りはシリコーンゴムの物性の
低下をきたし、しかもコストアップになるという問題が
あった。
【0005】そのため、物性の低下を生じさせずに大き
なブリード性を有するオイルブリード性シリコーンゴム
の開発が望まれていた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
少量のオイルの添加により、シリコーンゴム本来の物性
を維持しながらブリード性に優れたシリコーンゴムを与
えるブリード性シリコーンゴム組成物の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(a)下
記一般式(1)で表わされる重合度3000以上のオル
ガノポリシロキサン、 RaSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中Rは非置換又は置換の一価炭化水素基を表
わし、このうち0.0001〜0.5モル%はアルケニ
ル基であり、aは1.95〜2.05の正数である。)
(b)シリカ分散剤、(c)比表面積50m2/g以上
の微粉末シリカを含有するシリコーンゴム組成物に、
(d)下記一般式(2)で表わされるオルガノポリシロ
キサンを後添加すること、特に上記(a),(b),
(c)成分を均一に配合し、100℃〜200℃の温度
で30分以上熱処理した後、上記(d)成分を均一に添
加する方法により得られたオイルブリード性シリコーン
ゴム組成物は、その硬化物のシリコーンゴムの物性が維
持されていると共に、多くのオイルを表面にブリードさ
せることができるシリコーンゴムを与えるものであるこ
とを知見した。
【0008】
【化2】 (R1はアルキル基又は水酸基を表わし、水酸基が全体
として0.03モル/100g以上有し、R2は非置換
又は置換の一価炭化水素基を表わし、このR2中5〜5
0モル%はフェニル基であり、nは2以上の整数を表わ
す。)
【0009】即ち、従来から一般に用いられているブリ
ードオイルは末端に水酸基を持たないフェニルシリコー
ンオイルであり、これは上述したようにブリード性を向
上させようとすればオイルの添加量を多くしなければな
らず、この結果シリコーンゴムの物性を損なうと共に、
コストアップを招くものであるが、末端に水酸基を全体
の0.03モル/100g以上含有するように導入した
オルガノポリシロキサンをブリードオイルとして用いる
と共に、ベースとなるシリコーンゴム組成物に後で添加
した場合、ブリード性が顕著に向上し、かかるブリード
オイルを少量添加したときでも十分にブリードし、それ
故、シリコーンゴム物性を損なうことがない優れたブリ
ード性を有するオイルブリード性シリコーンゴム組成物
が得られることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0010】なお、特開昭63−291954号公報に
は、上記(d)成分のオルガノポリシロキサンと類似の
フェニルシリコーンオイルを使用するシリコーンゴム組
成物が開示されているが、この組成物はフェニルシリコ
ーンオイルをベースとなるシリコーンゴム組成物の成分
と同時に配合するものであり、フェニルシリコーンオイ
を後添加することは示しておらず、かつその目的も非
流動性であり、本発明のようなオイルブリード性を示す
ものではない。
【0011】従って、本発明は、上記(a)成分、
(b)成分及び(c)成分を均一に配合し、100℃〜
200℃の温度で30分以上熱処理した後、(d)成分
を均一に添加することを特徴とするオイルブリード性シ
リコーンゴム組成物の製造方法を提供する。
【0012】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のオイルブリード性シリコーンゴム組成物
は、上述したように、(a)成分のオルガノポリシロキ
サン、(b)成分のシリカ分散剤、(c)成分の微粉末
シリカを含有するシリコーンゴム組成物に、(d)成分
のオルガノポリシロキサンを後添加してなるものであ
る。
【0013】ここで、(a)成分のオルガノポリシロキ
サンは、下記一般式(1)で表わされる重合度3000
以上のものを使用する。
【0014】 RaSiO(4-a)/2 …(1)
【0015】この一般式(1)中、R基は非置換又は置
換の一価炭化水素基であり、このうち0.0001〜
0.5モル%、好ましくは0.01〜0.3モル%がビ
ニル基、アリル基等のアルケニル基であることが必要で
ある。このアルケニル基の含有量が上記範囲よりも少な
い場合には、オルガノポリシロキサンの硬化性が不十分
となり、また上記範囲よりも多い場合には、該組成物か
ら得られる硬化物の特性が悪くなる。また、上記アルケ
ニル基以外のR基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;フ
ェニル基、トリル基等のアリール基;β−フェニルエチ
ル基等のアラルキル基;並びにこれらの炭化水素の炭素
原子に結合した水素原子の一部又は全部が、弗素等のハ
ロゲン原子やシアノ基で置換された基(例えば、3,
3,3−トリフルオロプロピル基やシアノエチル基)等
を挙げることができる。
【0016】アルケニル基以外のR基は、メチル基であ
ることが一般的であるが、耐寒性、耐放射線性、透明性
が要求される場合には、R基の内、最大20モル%のフ
ェニル基を含むことが好適である。更に、耐油、耐ガソ
リン性が要求される場合には、R基としてシアノエチル
基や3,3,3−トリフルオロプロピル基が含まれるこ
とが好適とされる。
【0017】また、前記一般式(1)において、aは
1.95〜2.05の正数であり、通常、実質的には2
に近い数である。aが1.95未満のオルガノポリシロ
キサンは重合度3,000以上の合成が容易ではなく、
またaが2.05を超えるオルガノポリシロキサンは、
重合度3,000以上を再現良く安定に合成することが
容易でない。
【0018】このオルガノポリシロキサンは、十分な機
械的強度をだすために、重合度が3,000以上である
ことが必要であり、特に4,000〜10,000のも
のが好ましい。
【0019】本発明に用いるオルガノポリシロキサン
は、実質的には、ジオルガノポリシロキサン単位から構
成されるが、トリオルガノシロキサン単位、モノオルガ
ノシロキサン単位、およびSiO2単位を少量含んでい
てもよく、また分子鎖末端は水酸基、トリオルガノシロ
キシ単位で封鎖されていてもよい。
【0020】本発明組成物の(b)成分のシリカ分散剤
は、通常シリコーンゴム分散剤として用いられているも
のであり、α,ω−オルガノポリシロキサンジオール
ヘキサメチルジシラザン,メトキシシラン,ジフェニル
シランジオールなどを例示することができる。これらの
分散剤は、本発明の(a)成分と(c)成分であるシリ
カとをコンパウンディングする時のウエッタ成分として
有効な成分であり、配合量が(a)成分100部(重量
部、以下同様)に対して0.1部未満ではシリカをうま
く配合できない場合があり、20部を超えるとシリコー
ンゴムコンパウンドの硬化後の物理的特性が悪くなって
しまう場合があるので、(b)成分の配合量は(a)成
分100部に対して0.1〜20部の範囲が好ましく、
最も最適とされる配合量は1〜10部の範囲である。
【0021】本発明組成物の(c)成分の微粉末シリカ
は、シリコーンゴムに適度の硬さと引っ張り強さ等の機
械的な強度を向上させるために、比表面積が50m2
g以上、好ましくは100〜400m2/gのシリカを
使用する。
【0022】このようなシリカとしては、具体的にはヒ
ュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が単独又は
2種以上の組合せで用いられる。
【0023】また、これらのシリカは、鎖状オルガノポ
リシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメ
チルジシラザン、ジクロルジメチルシラン等で表面処理
したものでもよい。
【0024】かかるシリカは、(a)成分のオルガノポ
リシロキサン100部に対して5〜100部、特に10
〜50部の割合で配合することが好ましく、これにより
多く配合されても、また少なく配合されても、シリコー
ンゴムの加工性が悪くなってしまったり、十分な機械的
強度が得られなくなってしまう場合がある。
【0025】本発明組成物は、これら(a)成分、
(b)成分、(c)成分を含有するシリコーンゴム組成
物に、(d)成分として下記一般式(2)で表わされる
オルガノポリシロキサン、即ち末端水酸基含有フェニル
シリコーンオイルを後添加してなるものであり、この
(d)成分は本発明の骨格をなすものである。
【0026】
【化3】
【0027】かかるオルガノポリシロキサンに水酸基と
いう極性基を導入することにより、シリコーンゴム中で
ブリードオイルとベースポリマーの反撥力が生まれ、効
率よくブリードさせることができると考えられる。従っ
て、上記式中Rは好ましくは炭素数1〜10のアルキ
ル基、より好ましくはメチル基又は水酸基であるが、全
体として水酸基は0.03モル/100g以上、好まし
くは0.05〜0.2モル/100gである必要があ
る。水酸基の量が0.03モル/100g未満である場
合には、ブリード性が著しく降下してしまい、本発明の
目的を達成することができない。
【0028】また、上記式中R2は非置換又は置換の一
価炭化水素基であり、このうち5〜50モル%、好まし
くは20〜30モル%はフェニル基である必要がある。
この範囲よりフェニル基の割合が少ないとブリード性が
低下し、一方多すぎるとオイルが結晶化し、ブリード性
が低下することとなる。フェニル基以外のR2としては
メチル基、エチル基、シクロヘキシル基を挙げることが
できるが、好ましくはメチル基である。
【0029】なお、重合度nは1以下の場合だとポスト
キュアー中に揮発する恐れがあるので、2以上である必
要があり、好ましくは5から40である。
【0030】(d)成分の末端水酸基含有フェニルシリ
コーンオイルとしては次のようなものを例示することが
でき、これらの1種を単独で又は2種類以上を併用して
用いることができる。
【0031】
【化4】
【0032】かかる(d)成分の式(2)で表わされる
末端水酸基含有フェニルシリコーンオイルは、上記
(a),(b),(c)成分の配合中に添加すると、シ
リカと化学結合ないしは水素結合し、ブリード性が低下
する。従って、(d)成分は上記(a),(b),
(c)成分を均一に配合し、好ましくはこの配合を10
0〜200℃の温度で30分以上、好ましくは100〜
150分の条件で熱処理した後に添加することが必要で
ある。
【0033】添加の形態としてはこれらの化合物は液体
であるので、そのまま添加しても良いが、添加性が悪い
ときには石英粉(粉砕シリカ),けいそう土等の担体を
少量混ぜて添加してもいっこうに差し支えない。
【0034】本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ
る方法としては、有機過酸化物を触媒として加硫させる
方法と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加
してヒドロシリル化反応を利用した付加反応を用いて硬
化させる方法とのどちらでも採用することができる。
【0035】有機過酸化物触媒は、通常、オルガノポリ
シロキサン100部当たり0.01〜3部、好ましくは
0.05〜1部を配合し、100〜400℃の温度で1
分〜5時間程度加熱することによって硬化することがで
きる。該有機過酸化物としては、過酸化物硬化型シリコ
ーンゴムを硬化させるために通常使用されるものであれ
ば特に制限なく用いることができ、例えば、ベンゾイル
パーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t
−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボーネート、ジクミルパーオキサイド等が
挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組
合せて用いてもよい。
【0036】ヒドロシリル化反応を利用して硬化させる
場合には、硬化剤としてオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンと白金族金属系触媒との組合せにより行うこと
ができる。
【0037】オルガノハイドロジェンポリシロキサンと
しては、一分子中に2以上のSiH基を有するオルガノ
ポリシロキサンであればよく、直鎖状、環状又は分枝状
のいずれであってもよい。また、このようなSiH基
は、ポリシロキサン鎖の末端でもよいし、途中にあって
もよい。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
は、(a)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル
基1モル当たり、SiH基が0.5〜3モル、好ましく
は1〜2モルとなる割合で使用することができる。ま
た、同時に使用される白金族金属系触媒は、(a)成分
のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基とオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基とのヒドロ
シリル化反応の触媒として作用するもので、(a)成分
のオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの合計量に対して、0.1〜1000pp
m、好ましくは1〜100ppm(白金金属として)の
範囲で使用できる。かかる白金族金属系触媒としては、
例えば米国特許第2,970,150号に記載されてい
る微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218
号に記載されている塩化白金酸触媒、米国特許第3,1
59,601号及び同3,159,662号に記載され
ている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第3,51
6,946号に記載されている塩化白金酸−オレフィン
錯化合物、米国特許第3,775,452号、同第3,
814,780号に記載されている白金−ビニルシロキ
サン錯体などを使用することができる。
【0038】ヒドロシリル化反応により硬化させる場合
には、室温における保存安定性が良好でかつ適度なポッ
トライフを保持するために、メチルビニルシクロテトラ
シロキサン、アセチレンアルコール類等の反応制御剤を
添加することもできる。ヒドロシリル化反応により硬化
させる場合には、60〜400℃の温度で1分〜5時間
程度加熱することにより行うことができる。
【0039】本発明の組成物には、シリコーンゴムに適
宜配合されるそれ自体公知のゴム配合剤を添加してもよ
い。例えば粉砕シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化チタン、カーボンブラック、酸化バリウム、酸
化マグネシウム、水酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラスウー
ル、微粉マイカ、溶融シリカ粉末等を配合してもよい。
さらに、必要に応じて顔料、染料、老化防止剤、酸化防
止剤、帯電防止剤や酸化アンチモン、塩化パラフィン白
金化合物などの難燃剤、窒化ホウ素、酸化アルミニウム
などの熱伝導性向上剤、アゾビスイソブチルニトリル、
アゾジカルボンアミド、p−トルエンスルフォンヒドラ
ジド等の発泡剤などを配合しても何ら差し支えない。
【0040】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。なお、以下の例において、部はいずれも重量部
である。
【0041】まず、実施例、比較例に先立ち、これらに
使用するブリードオイルを下記のように調製した。
【0042】〔参考例〕所定量のジメチルジクロロシラ
ン,ジフェニルジクロロシラン,トリメチルクロロシラ
ンをよく混合し加水分解し、ストリップすることによ
り、下記平均構造式で表わされる末端水酸基含有フェニ
ルシリコーンオイル(これをブリードオイルIとする)
が得られた。OH価は0.10モル/100gであり、
フェニル基量はR2中31モル%であった。IRチャー
トを図1に示す。
【0043】
【化5】
【0044】このブリードオイルIをビストリメチルシ
リルアセトアミドでシリル化し、ストリップすることに
より、下記平均構造式で表わされる末端トリメチルシリ
ルフェニルシリコーンオイル(これをブリードオイルI
Iとする)が得られた。これはIRにより水酸基が完全
にシリル化されたことが確認された。IRチャートを図
2に示す。
【0045】
【化6】
【0046】また、上記ブリードオイルIと同様の方法
により下記平均構造式を持ち、OH価が0.1モル/1
00gであり、R2中フェニル基量が2モル%であるブ
リードオイルIIIを合成した。
【0047】
【化7】
【0048】〔実施例1〕 (a)成分としてジメチルシロキシ単位99.975モ
ル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%か
らなる平均重合度が8000のオルガノポリシロキサン
生ゴム60部、ジメチルシロキシ単位99.475モル
、メチルビニルシロキシ単位0.5モル%、ジメチル
ビニルシロキシ単位0.025モル%からなる平均重合
度が8000のオルガノポリシロキサン生ゴム40部、
(b)成分としてジメチルジメトキシシラン4.0部、
(c)成分として比表面積190m/gのNipsi
l LP〔日本シリカ(株)製湿式シリカの商品名〕4
0部を添加し、ニーダーで混練りし、170℃で2時間
加熱処理してベースコンパウンドIを作った。
【0049】このベースコンパウンドIに(d)成分と
して先に合成したブリードオイルIを8.0部とけいそ
う土としてセライトSF2部をよく混合してから添加
し、均一になるまでよく混練した後、2,5−ビス(タ
ーシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンの50%ペース
トを1.0部加え、165℃で10分間プレスキュアー
し200℃4時間のポストキュアーを行うことによって
テストピースを作成した。この試験片をJIS−K63
01に従って常態の物性を測定した。また、下記に示す
方法によりオイルのブリード量を測定した。
【0050】〈オイルブリード量の測定方法〉 2mm厚のポストキュアー後のサンプルを25mm×
50mmのシート片にカットし、50gの瓶に入れて密
封しておく。 THF(テトラヒドロフラン)10gを50gの瓶に
とり、の瓶の中に入れる。 蓋をして30秒間振ってシート片の表面をよく洗い流
す。 サンプルをすぐに取り出し、溶液をGPCにかける。 濃度がわかっている溶液のGPCチャートの面積と比
較することによって単位面積あたりのブリード量を求め
る。 使用GPC:日立 高速液体クロマトGPCシステム ポンプ :L−6200 モニター :RIモニター L−3300 カラム :日立化成 R−440 カラム温度:40℃ 流量 :1.0ml/min ループ容量:0.2ml
【0051】〔比較例1,2〕比較として、実施例1と
同様のベースコンパウンドIにブリードオイルIの代わ
りにブリードオイルII(比較例1)、末端OH基を持
たない25モル%フェニルシリコーンオイルIV(比較
例2)を用いて全く同様の操作を行い、同様に状態の物
性、ブリード量を比較した。以上の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果より、末端水酸基含有フェニル
オイルを用いたもの(実施例1)は、末端水酸基を有し
ないフェニルオイルと比較して、伸び、圧縮永久歪等の
物性が損なわれておらず、また非常に良好なブリード特
性を示していることが認められる。
【0054】〔実施例2〕(a)成分としてジメチルシ
ロキシ単位99.825モル%、メチルビニルシロキシ
単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.
025モル%からなる平均重合度が4000のオルガノ
ポリシロキサン生ゴム83部とジメチルシロキシ単位9
5.0モル%、メチルビニルシロキシ単位5モル%、ジ
メチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなる平
均重合度が8000のオルガノポリシロキサン生ゴム1
7部に(c)成分としてA−300の表面をヘキサメチ
ルジラザンで処理したシリカ43部、(b)成分として
重合度16のα,ω−ジメチルポリシロキサンジオール
1.0部、ビニルトリメトキシシラン0.1部を均一に
なるまで混合した。均一になった後、ニーダーで混練り
し、170℃で1.5時間加熱処理してベースコンパウ
ンドIIを作った。
【0055】このベースコンパウンドIIに(d)成分
として先に合成したブリードオイルIを8.0部とセラ
イトSF2部をよく混合してから後添加し、均一になる
までよく混練した後、2,5−ビス(ターシャリーブチ
ルペルオキシ)ヘキサンの50%ペーストを1.0部加
え、165℃で10分間プレスキュアーし200℃4時
間のポストキュアーを行うことによってテストピースを
作成した。この試験片について実施例1と同様に物性を
測定すると共に、オイルのブリード量を測定した。
【0056】〔比較例3,4,5〕比較として、実施例
2で作製したベースコンパウンドIIに、ブリードオイ
ルIの代わりに上記ブリードオイルII(比較例3)、
ブリードオイルIV(比較例4)、ブリードオイルII
I(比較例5)を用いて全く同様の操作を行い、同様に
物性、ブリード量を測定した。以上の結果を表2に示
す。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果より、本発明に係る末端水酸基
含有フェニルオイルを使用したもの(実施例2)は、伸
び、圧縮永久歪等の物性の低下がなく、かつ非常に良好
なブリード特性を示していることが認められる。
【0059】これに対して、水酸基を含有しないフェニ
ルオイルを使用したもの(比較例3,4)は物性の低下
のみならず、ブリード性も良くなく、また、フェニル基
含有量の少ないオイルを使用したもの(比較例5)はブ
リード性が非常に悪いことが認められる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって得
られたオイルブリード性シリコーンゴム組成物は、末端
水酸基含有フェニルオイルを後添加することにより、ブ
リードオイル添加による物性の低下、特に圧縮永久歪の
低下を抑えつつ、ブリード性が非常に良好なシリコーン
ゴムを与えるものであり、本発明方法によればかかるブ
リード性が良好なシリコーンゴム組成物を確実に得るこ
とができる。従って、本発明は、作業性向上が求められ
る自動車用パッキングなどの用途や、耐水性、絶縁性が
認められる自動車ディストリビューター用グロメットな
どの用途に広範に、かつ容易に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した末端水酸基含有フェニルオ
イルのIRチャートである。
【図2】上記オイルの末端をトリメチルシリル化したも
ののIRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/54 C08K 5/54 C08L 83/04 C08L 83/04 (72)発明者 竹内 義雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−126475(JP,A) 特開 平4−20569(JP,A) 特開 昭63−291954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 83/07 C08K 3/36 C08K 5/54 C08L 83/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記一般式(1)で表わされる重
    合度3000以上のオルガノポリシロキサン、 RSiO(4−a)/2 …(1) (但し、式中Rは非置換又は置換の一価炭化水素基を表
    わし、このうち0.0001〜0.5モル%はアルケニ
    ル基であり、aは1.95〜2.05の正数である。) (b)シリカ分散剤、 (c)比表面積50m/g以上の微粉末シリカを均一
    に配合し、100℃〜200℃の温度で30分以上熱処
    理した後、 (d)下記一般式(2)で表わされるオルガノポリシロ
    キサン 【化1】 (Rはアルキル基又は水酸基を表わし、水酸基か全体
    として0.03モル/100g以上有し、Rは非置換
    又は置換の一価炭化水素基を表わし、このR中5〜5
    0モル%はフェニル基であり、nは2以上の整数を表わ
    す。)を均一に添加することを特徴とするオイルブリー
    ド性シリコーンゴム組成物の製造方法。
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