JP3106901B2 - 硬化性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムの製造方法 - Google Patents

硬化性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムの製造方法

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JP3106901B2
JP3106901B2 JP07106864A JP10686495A JP3106901B2 JP 3106901 B2 JP3106901 B2 JP 3106901B2 JP 07106864 A JP07106864 A JP 07106864A JP 10686495 A JP10686495 A JP 10686495A JP 3106901 B2 JP3106901 B2 JP 3106901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高硬度、高モジュラス
で、優れた引裂強さ、圧縮永久歪を有するシリコーンゴ
ムを与える付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物及
びかかるシリコーンゴムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは、生理的な不活性さ(無毒)、耐候性、耐久
性、離型性、耐熱性等に優れているため、医療器具、建
築材料、電気・電子部品、自動車部品、OA機器部品な
ど様々な分野で使用されている。
【0003】この場合、シリコーンゴムには種々の硬化
型があるが、そのなかでもヒドロシリル化反応によって
硬化するシリコーンゴム(付加硬化タイプ)は、加熱す
ることにより容易に硬化するので生産性が良く、しかも
硬化反応時の副生成物がないため、押出成型で製造され
る医療用チューブ、建築ガスケット等には特に有用とさ
れている。
【0004】ところで、シリコーンゴム製の極細チュー
ブやガラス保持ガスケット等の用途においては、特に硬
さ(JIS−A)が60以上、50%モジュラスが10
kgf/cm2以上の高硬度、高モジュラス材料が要求
され、このため、従来シリコーンゴム組成物に比較的多
量のシリカ充填剤を加えてかかる要求を満足させること
が行われている。
【0005】しかしながら、硬化性シリコーンゴム組成
物に比較的多量のシリカ充填剤を配合すると、物理的特
性に優れたシリコーンゴム組成物が得られることは知ら
れているが、シリコーンゴムの吐出性が悪くなって、押
出製造の経済性が悪くなり、しかもあまり大量に配合す
ると、硬化したシリコーンゴムの硬度、モジュラスは高
くなるものの、物理的特性はかえって低下し、なかでも
引裂強さや圧縮永久歪が非常に悪くなってしまうという
問題がある。
【0006】一方、特公昭47−18419号公報には
粘度及びビニル量の異なる二種類のオルガノポリシロキ
サン、シリカ、オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、白金触媒からなる引裂強さの改善されたシリコーン
ゴム組成物が開示されているが、本発明者の追試による
と、このものは引裂強さは優れているが、圧縮永久歪や
押出し性は不十分であり、モジュラスも低いものであ
る。また、特開平4−283265号公報には粘度の異
なる二種類のビニル基含有オルガノポリシロキサンとオ
ルガノポリシロキサン樹脂共重合体、充填剤、有機過酸
化物、オルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる
引裂強さ、圧縮永久歪の改善されたシリコーンゴム組成
物が開示されているが、このものは基本的に有機過酸化
物加硫であり、圧縮成型では引裂強さ、圧縮永久歪に優
れるが、押出し成型、例えば常圧熱気加硫(HAV)に
は適さないもので、HAV加硫可能な低温分解型有機過
酸化物を用いると引裂強さ、圧縮永久歪が著しく低下す
る一方、圧縮成型では優れた引裂強さ、圧縮永久歪を与
える高温分解型有機過酸化物を用いるとHAV加硫でき
ないという欠点があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、吐出性が良く、常圧熱気加硫可能であり、かつ高硬
度、高モジュラスで、引裂強さ、圧縮永久歪が良好なシ
リコーンゴムを与える硬化性シリコーンゴム組成物及び
かかるシリコーンゴムの製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、 (A)25℃で1,000〜1,000,000ポイズ
の粘度を有し、かつビニル基を0.001〜1重量%含
有するオルガノポリシロキサン:100重量部、 (B)25℃で0.05〜100ポイズの粘度を有し、
かつビニル基を0.1〜10重量%含有するオルガノポ
リシロキサン:5〜50重量部、 (C)下記一般式(1) R1 3SiO1/2 …(1) (但し、式中R1はビニル基、フェニル基、炭素数1〜
8のアルキル基又は炭素数3〜10のフルオロアルキル
基である。)で示されるトリオルガノシロキシ単位
(M)とSiO2単位(Q)とを主単位とし、これらの
単位のモル比(M/Q)が0.6〜1.2の範囲であ
り、かつビニル基を0.1〜10重量%含有するオルガ
ノポリシロキサン共重合体:5〜50重量部、 (D)一分子当り少なくとも3個のケイ素原子直結水素
原子を含有するオルガノ水素シロキサン:ケイ素原子直
結水素原子が上記(A)、(B)及び(C)成分中の合
計のビニル基1モルに対し0.5〜10モルとなる量、 (E)触媒量の白金又は白金化合物 (F)比表面積50m2/g以上の微粉末シリカ:10
〜150重量部 を必須成分とするオルガノポリシロキサン組成物とする
ことが有効であることを知見した。
【0009】即ち、(A)成分のビニル基含有オルガノ
ポリシロキサンの生ゴムを主体とし、これに(B)成分
のビニル基含有シリコーンオイル、(C)成分のビニル
基含有シリコーンレジン、(D)成分の架橋剤、(E)
成分の硬化触媒を加え、更に(F)成分のシリカ充填剤
を配合することによって、吐出性が良く、常圧熱気加硫
が可能であり、かつ高硬度、高モジュラスで、引裂強
さ、圧縮永久歪が良好なシリコーンゴムを与える硬化性
シリコーンゴム組成物となることを見い出し、本発明を
なすに至ったものである。
【0010】従って、本発明は、上記(A)〜(F)成
分を必須成分とする硬化性シリコーンゴム組成物及びこ
の組成物を常圧熱気加硫により硬化させることからなる
シリコーンゴムの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、上述した
ように上記(A)成分〜(F)成分を必須成分とするも
のである。
【0012】まず、(A)成分のオルガノポリシロキサ
ンは、25℃で1,000〜1,000,000ポイ
ズ、好ましくは10,000〜1,000,000ポイ
ズの粘度を有する必要がある。また、このオルガノポリ
シロキサンは、けい素原子に直結する有機基のうち、ビ
ニル基を0.001〜1重量%、より好ましくは0.0
02〜0.2重量%含有する。なお、ビニル基以外の有
機基としては、脂肪族不飽和基を有さない炭素数1〜1
0の非置換又は置換一価炭化水素基がよく、好ましくは
メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロ
ピル基であり、メチル基が特に好ましい。
【0013】このようなオルガノポリシロキサンとして
は、基本的に直鎖状で末端がトリオルガノシリル基で封
鎖されたものが好ましく、特に下記一般式(2)で表さ
れるものを例示することができる。
【0014】
【化2】
【0015】この式中、Viはビニル基であり、R2
炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基で、特
にビニル基、フェニル基、炭素数1〜8のアルキル基又
は炭素数3〜10のフルオロアルキル基であり、R3
脂肪族不飽和基を有さない炭素数1〜8の非置換又は置
換一価炭化水素基で、特にフェニル基、炭素数1〜8の
アルキル基又は炭素数3〜10のフルオロアルキル基で
ある。なお、炭素数1〜8のアルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、炭素数
3〜10のフルオロアルキル基としては、例えば3,
3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。好まし
くはR2はメチル基又はビニル基、R3はメチル基であ
る。また、m、nは一般式(2)で表されるオルガノポ
リシロキサンの粘度が25℃で1,000〜1,00
0,000ポイズの範囲となり、かつビニル基の含有量
が0.001〜1重量%となる数である。
【0016】(B)成分は、25℃で0.05〜100
ポイズ、好ましくは0.1〜50ポイズの粘度を有し、
かつけい素原子に直結する有機基のうちビニル基を0.
1〜10重量%、より好ましくは0.15〜1重量%を
含有するオイル成分としてのビニル基含有オルガノポリ
シロキサンである。なお、ビニル基以外の有機基として
は、脂肪族不飽和基を有さない炭素数1〜10の非置換
又は置換一価炭化水素基がよく、好ましくはメチル基で
ある。
【0017】このようなオルガノポリシロキサンとし
て、具体的には下記一般式(3)で表されるものを例示
することができる。
【0018】
【化3】
【0019】この式中、Viはビニル基であり、R4
炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基で、特
にビニル基、フェニル基、炭素数1〜8のアルキル基又
は炭素数3〜10のフルオロアルキル基が好ましく、R
5は脂肪族不飽和基を有さない炭素数1〜8の非置換又
は置換一価炭化水素基で、特にフェニル基、炭素数1〜
8のアルキル基又は炭素数3〜10のフルオロアルキル
基である。なお、炭素数1〜8のアルキル基としては、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、炭
素数3〜10のフルオロアルキル基としては、例えば
3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。好
ましくはR4はメチル基又はビニル基、R5はメチル基で
ある。また、p、qは一般式(3)で表されるオルガノ
ポリシロキサンの粘度が25℃で0.05〜100ポイ
ズの範囲となり、かつビニル基の含有量が0.1〜10
重量%となる数である。
【0020】この(B)成分の配合量は、(A)成分1
00部(重量部、以下同様)に対し5〜50部、好まし
くは7〜40部の範囲とするものである。これは5部に
満たないと硬化前の組成物が固くなりすぎて押出成型時
に作業性が劣り、50部を超えると硬化したゴムの伸び
が低下してしまうからである。
【0021】(C)成分は、下記一般式(1)で示され
るトリオルガノシロキシ単位(M)とSiO2単位
(Q)とを主単位とするビニル基含有オルガノポリシロ
キサン共重合体である。 R1 3SiO1/2 …(1)
【0022】この式中R1はビニル基、フェニル基、炭
素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10のフルオロ
アルキル基である。なお、炭素数1〜8のアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げ
られ、炭素数3〜10のフルオロアルキル基としては、
例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられ
る。R1としてはビニル基又はメチル基が好ましい。な
お、このオルガノポリシロキサン共重合体において、ケ
イ素原子に直結したビニル基の含有量は0.1〜10重
量%含有する必要があり、好ましくは0.5〜5重量%
の範囲とすることが好ましい。
【0023】また、(C)成分のオルガノポリシロキサ
ン共重合体は、上記一般式(1)で示されるトリオルガ
ノシロキシ単位(M)とSiO2単位(Q)との単位の
モル比(M/Q)を0.6〜1.2、好ましくは0.7
〜1.1の範囲とする必要がある。この範囲よりもトリ
オルガノシロキシ単位(M)が多く存在すると、硬化前
の組成物の粘着感が大きくなるなどの作業性が著しく劣
り、一方、この範囲よりもトリオルガノシロキシ単位の
存在が少なくなると、オルガノポリシロキサン共重合体
の粘度が高くなりすぎたり、残存するシラノール量が多
くなりすぎたりして、安定な合成が困難になる。(C)
成分のオルガノポリシロキサン共重合体には、これら以
外の他の単位、例えばR1SiO3/2,R1 2SiO2/2
どの単位を本発明の組成物の目的を損わない範囲で含有
していてもよい。
【0024】このようなオルガノポリシロキサン共重合
体は、公知の方法によって製造することができ、例えば
3SiClとSiCl4とを上述したモル比となるよう
に配合し、共加水分解縮合を行うことによって容易に得
ることができる。
【0025】(C)成分は、(A)成分100部に対し
5〜50部配合される。5部未満では引裂強さ、圧縮永
久歪の改善が少なく、50部を超えると吐出性が低下す
る。好ましくは7〜30部である。
【0026】次に、(D)成分は、一分子当り少なくと
も3個のケイ素原子直結水素原子(≡SiH)を含有す
るオルガノ水素シロキサンであり、上記(A)、(B)
及び(C)成分のビニル基含有オルガノポリシロキサン
に対して架橋剤として作用する成分である。
【0027】このオルガノ水素シロキサンとしては、下
記平均組成式 R abSiO(4-a-b)/2 で示されるものが好ましく用いられる。ここで、Rは置
換又は非置換の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の一
価炭化水素基であり、ビニル基、フェニル基、炭素数1
〜8のアルキル基又は炭素数3〜10のフルオロアルキ
ル基を例示することができるが、これらの中ではメチル
基が好ましい。また、a,bは0≦a<4、0<b<
3、0<a+b<4を満足する数である。なお、ケイ素
原子に直接結合した水素原子の位置は特に制限されな
い。
【0028】(D)成分のオルガノ水素シロキサンの配
合量は、そのケイ素原子直結水素原子が上記(A)、
(B)及び(C)成分中の合計のビニル基1モルに対し
0.5〜10モル、好ましくは1〜7モルとなる量であ
る。0.5モルより水素原子のモル数が少ないと、ヒド
ロシリル化反応が不十分になり、逆に10モルを超える
と、生成物が脆くなったり、過剰の≡SiH結合が残存
して経時変化の原因となる。
【0029】(E)成分の白金又は白金化合物は、ヒド
ロシリル化反応の触媒として作用するもので、公知のも
のが使用でき、例えば白金黒、白金をシリカ、カーボン
ブラック等に担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸
のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィン、ビニルシ
ロキサンとの錯塩などを挙げることができる。添加量は
触媒量であり、具体的には(A)、(B)及び(C)成
分の合計量100部に対して0.0001〜0.1部の
範囲が実用的な硬化速度を達成するため好ましい。
【0030】次に、(F)成分の微粉末シリカは、シリ
コーンゴムに適度の硬さと引張り強さ等の機械的な強度
を向上させるための成分であり、このため比表面積が5
0m2/g以上、好ましくは100〜400m2/gであ
る必要がある。このようなシリカとしては、ヒュームド
シリカ、沈降シリカ等が挙げられ、これらを単独で又は
2種以上を組み合わせて使用することができる。また、
このシリカは、鎖状オルガノポリシロキサン、環状オル
ガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロ
ルジメチルシラン等で表面処理したものでもよい。
【0031】(F)成分のシリカの配合量は、(A)成
分のオルガノポリシロキサン100部に対して10〜1
50部、好ましくは20〜100部、より好ましくは4
0〜80部の範囲とする必要がある。これより多くても
少なくても、シリコーンゴムの加工性が悪くなってしま
ったり、十分な機械的強度が得られない。
【0032】本発明のシリコーンゴム組成物には、上記
必須成分以外にシリコーンゴムに通常配合される公知の
ゴム配合剤を添加してもよい。具体的には、粉砕シリ
カ、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボン
ブラック、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、
アスベスト、ガラスウール、微粉マイカ、溶融シリカ粉
末等を配合してもよい。更に、硬化反応の速度(ポット
ライフ)を調整するため、アセチレンアルコール類、ハ
イドロパーオキサイド類、分散剤としてシラノール含有
低分子シロキサンやアルコキシシラン類、テトラメチル
ビニルシランなどのシラザン類、更に必要に応じて顔
料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、その
他酸化アンチモン、塩素化パラフィン等の難燃剤、窒化
ホウ素、酸化アルミニウム等の熱伝導性向上剤などを配
合することもできる。
【0033】本発明のシリコーンゴム組成物は、これら
の成分をロール、バンバリー、ニーダー等により均一に
混合して得ることができ、その配合順序にも制限はな
い。
【0034】しかし、組成物の安定性を考えて、
(A)、(B)、(C)、(F)を混合した後、
(D)、(E)を添加することが好ましい。
【0035】かくして得られる本発明の硬化性シリコー
ンゴム組成物は、押出し熱風硬化(HAV)が可能で、
例えば80〜400℃で5秒〜30分間硬化した後、0
〜20時間ポストベークすることによって、シリコーン
ゴムを得ることができる。
【0036】このシリコーンゴムは、好ましくは、硬さ
(JIS−A)が60以上、50%モジュラスが10k
gf/cm2以上、引裂強さが15kgf/cm以上、
圧縮永久歪(100℃/22Hr)が15%以下であ
り、本発明のシリコーンゴム組成物は、かかる物性のシ
リコーンゴムを形成可能である。
【0037】このシリコーンゴムは、ゴムの硬さ、モジ
ュラスが大きいため医療用極細チューブ、ガラス保持ガ
スケット等の材料として好適であるほか、圧縮永久歪も
優れているため、建築シールガスケット、FAXロー
ル、自動車用シール材・ガスケット材、シリコーン被覆
電線、ラバーコンタクト、乳首、等速ジョイントブー
ツ、プラグブーツ、アノードキャップ等の材料として有
用である。
【0038】
【発明の効果】本発明の硬化性シリコーンゴム組成物に
よれば、常圧熱気加硫が可能であり、高硬度、高モジュ
ラスで、引裂強さ、圧縮永久歪が良好なシリコーンゴム
を与えることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。なお、以下の例において部は重量部を示す。
【0040】まず、実施例、比較例で用いた成分を次に
示す。 <生ゴム−A1>ジメチルシロキシ単位、メチルビニル
シロキシ単位及びジメチルビニルシロキシ単位からなる
25℃で300,000ポイズの粘度を有し、ビニル量
が0.054重量%のオルガノポリシロキサン生ゴム。 <生ゴム−A2>ジメチルシロキシ単位、ジメチルビニ
ルシロキシ単位からなる25℃で300,000ポイズ
の粘度を有し、ビニル量が0.019重量%のオルガノ
ポリシロキサン生ゴム。 <オイル−B1>ジメチルシロキシ単位、ジメチルビニ
ルシロキシ単位からなる25℃で1ポイズの粘度を有
し、ビニル量が1重量%のオルガノポリシロキサンオイ
ル。 <オイル−B2>ジメチルシロキシ単位、ジメチルビニ
ルシロキシ単位からなる25℃で50ポイズの粘度を有
し、ビニル量が0.17重量%のオルガノポリシロキサ
ンオイル。 <レジン−C1>SiO2単位、ジメチルビニルシロキ
シ単位及びトリメチルシロキシ単位からなり、これらの
モル比がSiO2単位:ジメチルビニルシロキシ単位:
トリメチルシロキシ単位=1:0.12:0.94で、
ビニル量が2重量%、50%トルエン溶液の粘度が25
℃で3.5センチストークスであるオルガノポリシロキ
サン共重合体。 <レジン−C2>SiO2単位、ジメチルビニルシロキ
シ単位及びトリメチルシロキシ単位とからなり、これら
のモル比がSiO2単位:ジメチルビニルシロキシ単
位:トリメチルシロキシ単位=1:0.06:0.9
で、ビニル量が2.3重量%、50%トルエン溶液の粘
度が25℃で5センチストークスであるオルガノポリシ
ロキサン共重合体。 <レジン−C3>SiO2単位及びトリメチルシロキシ
単位からなり、これらのモル比がSiO2単位:トリメ
チルシロキシ単位=1:0.9で、50%トルエン溶液
の粘度が25℃で4センチストークスであるオルガノポ
リシロキサン共重合体。 <白金触媒>塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液
で白金量が2重量%。 <架橋剤>粘度が12センチストークスである分子鎖両
末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され
た、メチルハイドロジェンシロキサン単位を17モル%
含有するメチル水素ポリシロキサン。 <充填剤>デッグッサ社製無定形処理シリカ アエロジ
ルR−812。 <分散剤>25℃で20センチストークスである両末端
シラノール基を有するジメチルポリシロキサン。
【0041】[実施例1〜5、比較例1、2]表1に示
す量で生ゴム、オイル、レジン、分散剤に充填剤を加
え、ニーダーで混練し、150℃で2時間加熱処理して
コンパウンドを作成した。
【0042】これらのコンパウンド100部に白金触媒
0.2部、エチニルシクロヘキサノール0.05部、架
橋剤6部を添加し、2本ロールで混練し、170℃で1
0分間プレス加硫した後、200℃で4時間ポスト加硫
した。得られたシリコーンゴムの諸物性を測定した。結
果を表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果より、本発明の硬化性シリコー
ンゴム組成物は、十分な硬さを有し、引張り強さ、引裂
強さに優れると共に、高モジュラスで圧縮永久歪が良好
であることが認められる。なお、比較例3のシートの外
観を目視観察すると、溶解不十分と思われるレジンのつ
ぶが見られた。
【0045】[比較例3]上記実施例1と同じコンパウ
ンド100部に上記架橋剤6部及び2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイドのシリコーンオイルペースト
(50%品)1.5部を添加し、2本ロールで混練した
後、170℃で10分間プレス加硫し、次いで200℃
で4時間ポスト加硫した。
【0046】得られたシリコーンゴムの物性は下記の通
りである。 硬さ(JIS−A) 67 伸び(%) 550 引張強さ(kgf/cm2) 95 引裂強さ(kgf/cm) 28 50%モジュラス(kgf/cm2) 16 圧縮永久歪(%)〔180℃/22Hr〕 67 この結果を表1の実施例1の結果と比較すると、過酸化
物加硫で得られたシリコーンゴムは、50%モジュラス
が低く、また圧縮永久歪も悪いことが認められる。
【0047】[実施例6、比較例4]表1に示す組成に
おいて、生ゴムA−1、A−2、オイルB−2、レジン
C−2、充填剤を上記実施例と同様にニーダーで混練
し、熱処理して、コンパウンドを得た。
【0048】次に、このコンパウンドに、実施例6の場
合は白金触媒、エチニルシクロヘキサノール、架橋剤を
添加し、比較例4の場合は架橋剤、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン
を添加し、2本ロールで混練して、約6mmのシート状
に分出した。次いで、250℃の乾燥機で15分間熱風
加硫(HAV)を行い、得られたHAVシートの発泡の
有無を評価した。その結果を表2に示す。
【0049】表2の結果から明らかなように、過酸化物
加硫では良好な押出し熱風加硫成形ができないことが認
められる。
【0050】
【表2】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)25℃で1,000〜1,00
    0,000ポイズの粘度を有し、かつビニル基を0.0
    01〜1重量%含有するオルガノポリシロキサン:10
    0重量部、 (B)25℃で0.05〜100ポイズの粘度を有し、
    かつビニル基を0.1〜10重量%含有するオルガノポ
    リシロキサン:5〜50重量部、 (C)下記一般式(1) R1 3SiO1/2 …(1) (但し、式中R1はビニル基、フェニル基、炭素数1〜
    8のアルキル基又は炭素数3〜10のフルオロアルキル
    基である。)で示されるトリオルガノシロキシ単位
    (M)とSiO2単位(Q)とを主単位とし、これらの
    単位のモル比(M/Q)が0.6〜1.2の範囲であ
    り、かつビニル基を0.1〜10重量%含有するオルガ
    ノポリシロキサン共重合体:5〜50重量部、 (D)一分子当り少なくとも3個のケイ素原子直結水素
    原子を含有するオルガノ水素シロキサン:ケイ素原子直
    結水素原子が上記(A)、(B)及び(C)成分中の合
    計のビニル基1モルに対し0.5〜10モルとなる量、
    (E)触媒量の白金又は白金化合物 (F)比表面積50m2/g以上の微粉末シリカ:10
    〜150重量部 を必須成分とすることを特徴とする硬化性シリコーンゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のオルガノポリシロキサンが
    下記一般式(2)で示されるものであり、(B)成分の
    オルガノポリシロキサンが下記一般式(3)で示される
    ものである請求項1記載の硬化性シリコーンゴム組成
    物。 【化1】 (式中、R2及びR4はそれぞれ炭素数1〜10の非置換
    又は置換一価炭化水素基、R3及びR5はそれぞれ脂肪族
    不飽和基を有さない炭素数1〜8の非置換又は置換一価
    炭化水素基を示し、m、nは一般式(2)で表されるオ
    ルガノポリシロキサンの粘度が25℃で1,000〜
    1,000,000ポイズの範囲となり、かつビニル基
    の含有量が0.001〜1重量%となる数、p、qは一
    般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンの粘度が
    25℃で0.05〜100ポイズの範囲となり、かつビ
    ニル基の含有量が0.1〜10重量%となる数であ
    る。)
  3. 【請求項3】 硬化後の物性が、硬さ(JIS−A)が
    60以上、50%モジュラスが10kgf/cm2
    上、引裂強さが15kgf/cm以上、圧縮永久歪(1
    00℃/22Hr)が15%以下であるシリコーンゴム
    を与える請求項1又は2記載の硬化性シリコーンゴム組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の硬化性シリコ
    ーンゴム組成物を常圧熱気加硫により硬化させることを
    特徴とするシリコーンゴムの製造方法。
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