JP3712012B2 - シリコーンゴムチューブの成型方法及び薄膜シリコーンゴムシート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜のシリコーンゴムチューブを工業的有利に製造することができるシリコーンゴムチューブの成型方法及び薄膜シリコーンゴムシートに関し、特には、高モデュラスで優れた引裂強さをもつ薄膜シリコーンゴムチューブをインフレーション成型によって製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シリコーンゴムは、生理的な不活性さ(無毒)、耐候性、耐久性、離型性、耐熱性などが優れているために、医療器具、建築材料、電気・電子部品、自動車部品、OA機器部品など様々な分野で使用されている。
【0003】
なかでも、ヒドロシリル化反応によって硬化するシリコーンゴム(付加硬化タイプ)は、加熱することにより硬化を促進できるため、生産性も良く、また硬化反応時の副生成物がないため、医療用チューブ、シートなどには特に有用とされている。
【0004】
また、シリコーンゴム材料で成型された薄膜は、その気体透過性の良さから人工鰓、気体分離膜などに使用されているが、膜厚が薄いものほど気体透過性が良くなるため、可能な限り肉厚の薄い薄膜が好ましい。しかし、肉厚の薄い膜の場合、膜の強度・形状保持性などの問題から高モジュラスで高引裂きの材料が望まれている。
【0005】
薄膜のシリコーンゴムを製造する方法としては、プレス成型、カレンダー成型、押出し成型などがある。プレス成型の場合は肉厚が薄い金型チャンバーを精度良く作るのは困難である上、金型表面の傷などで均一な肉厚のシリコーンゴムを製造することは難しく、連続成型することはできない。カレンダー成型では連続した薄膜成型が可能であるが、ライナーシート上にゴムを張り付けて加硫成型するためライナーシートに接した面と接しない面の違いができ、一般にはライナーシートに接した表面がエンボス状、接しない面が光沢を持った表面になるなどの問題が生じる。押出し成型では連続成型が可能でカレンダー成型のように成型物に表裏ができずに成型できるが、ダイスの精度から500μm以下の薄膜の製造は困難である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、膜厚500μm以下のシリコーンゴムチューブを簡単かつ確実にしかも工業的有利に製造することができるシリコーンゴムチューブの成型方法及びこれによって得られた薄膜シリコーンゴムシートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコーンゴム組成物をチューブ状に押出しすると共に、この押出しチューブ内に気体を吹き込みながら加熱硬化することにより、薄膜のシリコーンゴムチューブを容易にしかも確実に成型し得ること、特にシリコーンゴム組成物として、
(a)25℃で10,000〜10,000,000ポイズの粘度を有する少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(b)下記式
R3SiO1/2
(式中、Rは炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で示されるトリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位とから本質的に構成され、SiO2単位に対するトリオルガノシロキシ単位のモル比が0.6〜1.2の範囲であるオルガノポリシロキサン共重合体 5〜50重量部、
(c)1分子当たり少なくとも2個のケイ素原子直結水素原子を含有するオルガノ水素シロキサン:(a),(b)成分のビニル基に対し0.5〜10倍モルになるケイ素原子直結水素原子を供給する量、
(d)触媒量の白金又は白金化合物、
(e)比表面積50m2/g以上の微粉末シリカ 10〜150重量部
からなるシリコーンゴム組成物を、チューブ状に押出しすると共に、チューブ内部に気体を吹き込みながら加熱硬化することにより、均一な膜厚を有し、しかも0.5mm以下の薄膜でも良好なモジュラス、引裂強さを有する薄膜シリコーンゴムチューブが得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のシリコーンゴムチューブの成型方法は、シリコーンゴム組成物をチューブ状に押出しすると共に、この押出しチューブ内に気体を吹き込みながら加熱硬化するものである。
【0009】
ここで、シリコーンゴム組成物としては、チューブ状に押出し可能なもので、特に付加硬化型シリコーンゴム組成物、とりわけ(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)オルガノポリシロキサン共重合体、(c)オルガノ水素シロキサン、(d)白金化合物、(e)微粉末シリカを含有するものである。
【0010】
このシリコーンゴム組成物について更に詳述すると、(a)成分のオルガノポリシロキサンは25℃で10,000〜10,000,000ポイズ、好ましくは80,000〜1,000,000ポイズの粘度を有するものである。この(a)成分のオルガノポリシロキサンは少なくとも2個、好ましくは0.001〜1重量%、特に好ましくは0.002〜0.2重量%の範囲のビニル基、アリル基、プロペニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基、好ましくはビニル基を含有するものが好適である。また、アルケニル基以外の有機基は脂肪族不飽和基を持たない炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基である。このオルガノポリシロキサンとしては、特に下記式のものが好ましい。
【0011】
【化1】
(式中、Viはビニル基であり、R1は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基で、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、特にR1はビニル基、フェニル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のフルオロアルキル基及びそれらの混合物からなる群から選んだ基であることが好ましい。また、R2は脂肪族不飽和結合を含まない炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基で、好ましくはフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のフルオロアルキル基及びそれらの混合物からなる群から選んだ基であり、m及びnは(a)成分の粘度が25℃で10,000〜10,000,000ポイズの範囲にあるようにかつ0.001〜1重量%の範囲のビニル基濃度を持つように選定される数である。)
【0012】
なお、R1及びR2によって表され得るアルキル基の例はメチル基、エチル基、プロピル基などがあり、またフルオロアルキル基の一例としては3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。更に好ましくはR1はビニル基又はメチル基であり、R2はメチル基である。
【0013】
(b)成分のオルガノポリシロキサン共重合体は、硬化前のシリコーンゴムに対し粘性を付与するため、インフレーションした時に薄膜になっても硬化前のシリコーンゴムコンパウンドがバーストを起こさなくするためのインフレーション成型性を向上させる成分の一つである。この(b)成分は、下記式
R3SiO1/2
(式中、Rは炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基等)であり、好ましくはビニル基、フェニル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10のフルオロアルキル基及びそれらの混合物からなる群から選んだ基である。)
で示されるトリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位とから本質的に構成されるオルガノポリシロキサン共重合体である。ここで、Rによって表されるアルキル基の例はメチル基、エチル基、プロピル基などがあり、またフルオロアルキル基の一例としては3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。更に好ましくはRはビニル基又はメチル基である。
【0014】
(b)成分のSiO2単位に対するトリオルガノシロキシ単位のモル比(M/Q)は0.6〜1.2の範囲である。かかる範囲よりトリオルガノシロキシ単位が多く存在した場合には、硬化前の組成物の粘着感が大きくなるなどの作業性が著しく劣り、かかる範囲よりもトリオルガノシロキシ単位の存在が少ない場合には、オルガノポリシロキサン共重合体の粘度が高くなりすぎたり、残存するシラノール量が多くなりすぎたりして安定な合成が困難になる。更に好ましくは、SiO2単位に対するトリオルガノシロキシ単位のモル比(M/Q)は0.7〜1.1の範囲である。また、(b)成分のオルガノポリシロキサン共重合体は、本発明の組成物の目的を損なわない限りにおいて、SiO2単位、トリオルガノシロキシ単位以外の他の単位、例えば、RSiO3/2,R2SiO2/2等の単位(Rは前述のRと同様)を含んでいてもよい。このようなオルガノポリシロキサン共重合体は、それ自体公知の方法によって製造することができる。例えばR3SiClとSiCl4を前述したモル比の範囲になるように配合し、共加水分解縮合を行うことによって容易に合成される。
【0015】
(b)成分は、(a)成分100重量部に対し5〜50重量部配合される。5重量部未満ではモジュラスの向上、引裂強さの向上は少なく、またインフレーション成型時の延伸率を安定させることが困難になり、成型されたシリコーンゴム膜の厚みが一定にならない。50重量部を超えると、硬化したゴムの伸びが低下してしまったり、加硫前のゴムコンパウンドの粘着が大きくなって作業しづらいため、5〜50重量部とされる。更に好ましくは7〜40重量部である。
【0016】
本発明の(c)成分のオルガノ水素シロキサンは、前記した(a)成分、(b)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対して架橋剤として作用するもので、その分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結した水素原子(≡SiH結合)を含むものとする必要がある。なお、このオルガノ水素シロキサンの配合量は(a),(b)成分の合計のアルケニル基に対し0.5モルになる≡SiH基を供する量未満ではこのヒドロシリル化反応が不十分なものとなり、10倍モルになる≡SiH基を供する量を超えると生成物が脆くなったり、過剰の≡SiH結合が残存して経時変化の原因となるので、(a),(b)成分の合計のアルケニル基に対し0.5〜10倍モルになるケイ素原子直結水素原子を供給する量の範囲とする必要がある。好ましくは1〜7倍モルである。
【0017】
このようなオルガノ水素シロキサンは分子中に少なくとも2個のケイ素原子直結水素原子を有する限り、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、下記一般式で表されるものが好ましい。
R3 aHbSiO(4-a-b)/2
ここで、R3は前記R2と同様の基であり、メチル基が好ましい。a及びbは0≦a<3、0<b≦2、0<a+b<4を満たす数である。
【0018】
具体的にはジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封止された直鎖状オルガノポリシロキサン、トリメチルシリル基で末端が封鎖された主鎖にジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位を有するオルガノポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位とSiO2単位を有する低粘度流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
【0019】
(d)成分の白金又は白金化合物は、付加反応触媒として公知のものでよく、具体的には白金黒又は白金をシリカ、カーボンブラックなどに担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィン、ビニルシロキサンとの錯塩などが例示される。(d)成分の添加量は(a)成分、(b)成分、(c)成分100重量部に対し0.0001〜0.1重量部の範囲が実用的な硬化速度を達成するため好ましい。
【0020】
本発明の(e)成分であるシリカは、シリコーンゴムに適度の硬さと引張強さ等の機械的な強度を向上させるために、比表面積が50m2/g以上、特に100〜400m2/gのシリカが使用される。このようなシリカとしては、具体的には煙霧質シリカ、沈降性シリカ等が単独又は2種以上の組み合わせで用いられる。
【0021】
この中でも特に煙霧質シリカをクロルシラン又はシラザンで表面疎水化処理したものが好ましい。この場合、このような処理剤による炭素がフィラー全重量基準に対して0.8〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0重量%の疎水性煙霧質シリカがモジュラスの向上、引裂強さの向上に有効に寄与するため、硬化後のシリコーンゴム薄膜の強度、弾性を高め、薄膜でのバーストを防ぎ得るためブロー成型時、特にインフレーション成型時の延伸率も高くすることができるので、疎水性煙霧質シリカの使用が好ましい。このような疎水性煙霧質シリカは市販されているものでよく、例えばアエロジルR−976、アエロジルR−974(日本アエロジル社製)、アエロジルR−812(デグッサ社製)、レオロシールDM−30S、レオロシールDM−20S(トクヤマ社製)などが挙げられる。
【0022】
(e)成分のシリカは、(a)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して10〜150重量部、特に20〜100重量部の割合で配合され、これより多く配合されても、また少なく配合されても、シリコーンゴム組成物の25℃における複素粘性率が0.01Hzで1×104Pa・s〜1×108Pa・sの範囲を外れ、インフレーション成型性が悪くなってしまったり、十分な機械的強度が得られなくなってしまう。
【0023】
上記シリコーンゴム組成物の複素粘性率は、インフレーション成型性(折径比が1を超える場合)の重要なファクターである。複素粘性率が0.01Hzで1×104Pa・s未満ではインフレーション成型時にチューブ内部に吹き込まれる気体の圧力に耐えられず、薄膜が形成される前にバーストを起こすことがあり、また、複素粘性率が0.01Hzで1×108Pa・sを超える場合にはゴムが硬すぎてインフレーション成型しづらくなることがある。このため複素粘性率は0.01Hzで1×104Pa・s〜1×108Pa・sであるシリコーンゴム組成物が好ましい。更に好ましくは1×105Pa・s〜1×107Pa・sである。なお、複素粘性率は(a)成分の粘度、(b)成分の種類、配合量等により調整される。
【0024】
複素粘性率は市販の装置で測定することができ、例えばレオストレス(HAAKE社製)、CSレオメータ(BOHLIN社製)などが使用できる。
【0025】
なお、上記シリコーンゴム組成物には、更に必要に応じてシリコーンゴムに適宜配合される公知のゴム配合剤を本発明の目的を妨げない範囲で添加することができる。例えば、粉砕シリカ、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、溶融シリカ粉末等を配合してもよい。また、硬化反応の速度(ポットライフ)を調整するためアセチレンアルコール類、ハイドロパーオキサイド類、加硫硬化を促進させる有機過酸化物類、分散剤としてシラノール含有低分子シロキサンやアルコキシシラン類、更に顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを配合しても差し支えない。
【0026】
本発明のシリコーンゴムチューブの成型方法は、上記のようなシリコーンゴム組成物をチューブ状に押出すと共に、押出しチューブ内に空気等の気体を吹き込み、薄膜にすると同時に加熱硬化するものである。この場合、押出し、ブロー、インフレーション装置、方法としては公知のものが使用され、また上記加熱硬化の条件は200〜500℃、1秒〜15分とすることができる。更に、必要により100〜250℃で30分〜10時間後加硫することができる。
【0027】
この場合、シリコーンゴム組成物をチューブ状に押出し、インフレーション成型を行うとき、その折径比が1.1〜6倍になるようにインフレーション成型を行うことが好ましい。1.1倍未満では薄膜を得るため押出し直後肉厚を非常に薄くする必要が生じて生産性が悪くなり、6倍を超えるとバーストし易くなる。
【0028】
なお、得られたチューブはその用途に応じてそのまま又はこれを切り開いて薄膜シートとしても好適に使用し得る。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜のシリコーンゴムチューブを簡単かつ確実に製造することができ、特に上記(b)成分のオルガノポリシロキサン共重合体を配合したシリコーンゴム組成物を用いた場合には、膜厚が薄いにもかかわらず、高いモジュラスで大きな引裂強さを有するため、十分な膜の強度・形状保持性を有する。更に膜厚が均一であるため、人口鰓、気体分離膜のみならず医療用のシート、プラスチック成型時のライナーシート、自動車用パッキンなどにも好適である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で部は重量部を示す。また、下記の例で用いた原料を以下に示す。
生ゴム−1
ジメチルシロキシ単位、メチルビニルシロキシ単位及びジメチルビニルシロキシ単位からなる25℃で300,000ポイズの粘度を有し、ビニル量が0.054重量%のオルガノポリシロキサン生ゴム
生ゴム−2
ジメチルシロキシ単位及びジメチルビニルシロキシ単位からなる25℃で300,000ポイズの粘度を有し、ビニル量が0.019重量%のオルガノポリシロキサン生ゴム
レジン−1
SiO2単位とジメチルビニルシロキシ単位とトリメチルシロキシ単位とからなり、SiO2単位に対するジメチルビニルシロキシ単位、トリメチルシロキシ単位のモル比が1:0.12:0.94、ビニル量が2重量%で、50%トルエン溶液の粘度が25℃で3.5cSであるオルガノポリシロキサン共重合体
レジン−2
SiO2単位とジメチルビニルシロキシ単位とトリメチルシロキシ単位とからなり、SiO2単位に対するジメチルビニルシロキシ単位、トリメチルシロキシ単位のモル比が1:0.06:0.9、ビニル量が2.3重量%で、50%キシレン溶液の粘度が25℃で5cSであるオルガノポリシロキサン共重合体
白金触媒
塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液で白金量1重量%の白金触媒
架橋剤
粘度が12cSである分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖された、メチルハイドロジェンシロキサン単位を17モル%含有するメチル水素ポリシロキサン
充填剤−1
デグッサ社製処理シリカアエロジルR−812(比表面積260m2/g、炭素量2.5重量%)
充填剤−2
日本アエロジル社製処理シリカアエロジル300(比表面積300m2/g)
分散剤
25℃で20cSである両末端シラノール基を有するジメチルポリシロキサン
【0031】
〔実施例1〜7〕
生ゴム、レジン、分散剤を表1に示す量で配合し、これに充填剤を表1に示す量で添加し、ニーダーで混練し、150℃で2時間加熱処理してコンパウンドを作った。
【0032】
これらのコンパウンドの20℃での0.01Hzの複素粘性率をCSレオメータCS−10(BOHLIN社製)で測定した。
【0033】
これらのコンパウンド100部に、白金触媒0.2部、エチニルシクロヘキサノール0.05部、架橋剤6部を添加し、2本ロールで混練し、シリンダー直径が50mm、シリンダー長さLと直径Dとの比がL/D=12で、直径25mmのダイ、直径24mmのニップルを取り付けた押出し機で押出し、内部に1kgf/cm2の気体を吹き込みながら270℃の熱風炉で45秒間インフレーション成型したのち、乾燥機で180℃で2時間ポストキュアーを行った。
【0034】
得られたシリコーンゴムチューブを切り開いて薄膜シリコーンゴムシートとし、膜厚、引張強さ、伸び、100%モジュラスを測定した。結果を表1に併記する。
【0035】
【表1】
【0036】
表1の結果から、本発明によるシリコーンゴム組成物を用いたチューブの成型方法は、極めて薄い膜厚でありながら、高いモジュラスで良好な引張強さ、伸びを備えたシリコーンゴムチューブを与えることが認められる。
【0037】
〔比較例1,2〕
実施例と同様にしてシリコーンゴム組成物を作製し、逆L字型の3本ロールを用いてライナーフィルム上にできるだけ薄くニップ間を調整(約600μm)して、シート状にしたものを200℃の熱風炉で60秒間加硫したのち、乾燥機で180℃で2時間ポストキュアーを行った。
【0038】
得られたシリコーンゴムチューブを切り開いて薄膜シリコーンゴムシートとし、膜厚、引張強さ、伸び、100%モジュラスを測定した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
〔比較例3〕
実施例と同様にしてシリコーンゴム組成物を作製し、実施例と同一の押出し機にてブローせずに押出し、HAV加硫するとチューブ内面がくっついてチューブにならなかった。
【0041】
〔比較例4〕
実施例と同様にしてシリコーンゴム組成物を作製し、ブローしない以外は実施例と同様にしてシリコーンゴムチューブを得た。
比較例3,4の結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
Claims (5)
- (a)25℃で10,000〜10,000,000ポイズの粘度を有する少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
100重量部、
(b)下記式
R 3 SiO 1/2
(式中、Rは炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で示されるトリオルガノシロキシ単位及びSiO 2 単位とから本質的に構成され、SiO 2 単位に対するトリオルガノシロキシ単位のモル比が0.6〜1.2の範囲であるオルガノポリシロキサン共重合体 5〜50重量部、
(c)1分子当たり少なくとも2個のケイ素原子直結水素原子を含有するオルガノ水素シロキサン:(a),(b)成分のビニル基に対し0.5〜10倍モルになるケイ素原子直結水素原子を供給する量、
(d)触媒量の白金又は白金化合物、
(e)比表面積50m 2 /g以上の微粉末シリカ 10〜150重量部
を含有するシリコーンゴム組成物をチューブ状に押出しすると共に、この押出しチューブ内に気体を吹き込みながら加熱硬化することを特徴とするシリコーンゴムチューブの成型方法。 - (e)成分の微粉末シリカが、シラン又はシラザンで表面処理され、この処理剤による炭素量が表面処理シリカの全重量基準にして0.8〜5重量%である疎水性煙霧質シリカである請求項1記載の成型方法。
- シリコーンゴム組成物の25℃における複素粘性率が0.01Hzで1×104Pa・s〜1×108Pa・sの範囲である請求項1又は2記載の成型方法。
- シリコーンゴム組成物をチューブ状に押出し、この押出しチューブに気体を吹き込んで該押出しチューブを膨張させた際の折径比が1.1〜6倍となるようにインフレーション成型を行う請求項1乃至3のいずれか1項記載の成型方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法で得られたシリコーンゴムチューブを切り開いて得られる薄膜シリコーンゴムシート。
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