JP2019189723A - Ledヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びledヘッドランプ - Google Patents

Ledヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びledヘッドランプ Download PDF

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Abstract

【課題】LEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びLEDヘッドランプを提供する。【解決手段】(A)平均重合度が1,500以下で2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有する液状オルガノポリシロキサン、(B)平均重合度が2,000以上で2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有する生ゴム状オルガノポリシロキサン、(C)M、Q、D、及びTシロキサン単位から選択される構成単位からなり、(M単位+Q単位)≧80mol%、M単位/Q単位=0.5〜1.5で、かつ全構成単位中に2個以上のアルケニル基を含むシリコーンレジン、(D)2個以上のSi−H基を含有し、Si−H基量が0.0085mol/g以下のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(E)白金系触媒を含有するLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノポリシロキサンを主成分とし、付加反応によって硬化する液状シリコーンゴム組成物及びLEDヘッドランプに関し、特に、高透明を保持しつつ、150℃長期耐熱試験において、硬化物の硬度変化が少なく、割れが発生しないLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及び該組成物で封止されたLEDヘッドランプに関する。
LEDチップや各種液晶モニター画面の耐候性向上・光導波などの目的に、高硬度で高透明なシリコーン系樹脂が注目され、中でもシリカを全く含まないために、高透明かつ低温でも弾性を損なわず、熱硬化による成形も比較的容易な付加硬化型液状シリコーンゴム硬化物が使用されるようになった。LEDヘッドランプ用集光レンズとして、初期の硬さType−Aが65〜75度品の硬化物として、高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物が採用されたが、150℃長期耐熱試験において、硬化物の硬さ変化が生じ、割れる問題があった。
なお、先行技術文献は、以下の通りである。
特開2003−59321号公報 特開2002−265787号公報 特開2006−202952号公報 特開2006−342200号公報 特開2008−101056号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高透明性を保持しつつ、150℃長期耐熱試験において、硬化物の硬度変化が少なく、割れが発生しないLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及び該組成物で封止されたLEDヘッドランプを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、後述する所定の(A)〜(E)成分を含有する付加硬化型液状シリコーンゴム組成物において、(A)〜(C)成分中のケイ素原子と結合したアルケニル基の合計量に対する(D)成分(架橋剤)中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)量を規定することで、高透明を保持しつつ、150℃長期耐熱試験において、硬化物の硬度変化が少なく、割れが発生しないLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
従って、本発明は、下記LEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びLEDヘッドランプを提供するものである。
1.(A)平均重合度が1,500以下で、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有する25℃で液状のオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)平均重合度が2,000以上で、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有する25℃で生ゴム状のオルガノポリシロキサン:10〜100質量部、
(C)R1SiO1/2単位(M単位)、SiO4/2単位(Q単位)、R1SiO2/2単位(D単位)、及びR1SiO3/2単位(T単位)(各単位中、R1は炭素数1〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)から選択される単位からなり、これら全構成単位のうち、M単位及びQ単位の合計量が80mol%以上であり、M単位のQ単位に対するmol比(M単位/Q単位)が0.5〜1.5であって、かつ1分子(全構成単位)中に少なくとも2個のアルケニル基を含むシリコーンレジン:10〜150質量部、
(D)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(Si−H基)を含有し、該Si−H基量が0.0085mol/g以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のSi−H基の数が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分中のケイ素原子と結合したアルケニル基の合計1個当たり、1.0〜3.0個となる量、
(E)白金系触媒:触媒量
を含有するLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
2.(B)成分のアルケニル基含有量が0.03mmol/gを超えるものである上記1記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
3.(A)成分が、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するものである上記1又は2記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
4.上記1〜3のいずれかに記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物で封止され、該硬化物が、JIS K 6249:2003記載の方法で測定したType−A硬度計による硬さが65以上の成形体であるLEDヘッドランプ。
本発明によれば、高透明性を保持しつつ、150℃長期耐熱試験において、硬化物の硬度変化が少なく、割れが発生しないLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及び該組成物で封止されたLEDヘッドランプが得られる。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
<付加硬化型液状シリコーンゴム組成物>
本発明のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物は、以下の(A)〜(E)成分を含有してなるものであって、室温(25℃)で液状のものである。以下、各成分について詳細に説明する。
〔(A)〜(C)成分〕
(A)成分の25℃で液状のオルガノポリシロキサンは、平均重合度が1,500以下、好ましくは150〜1500であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有するもので、通常、ヒドロシリル化硬化型液状シリコーンゴムのベースポリマーとして使用されている公知のものであり、JIS K 6249:2003記載の回転粘度計による25℃での粘度が1〜100Pa・s、好ましくは5〜100Pa・sの粘度を有するものである。
(B)成分の25℃で生ゴム状のオルガノポリシロキサンは、平均重合度が2,000以上で、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有するもので、通常、ミラブルタイプのシリコーンゴムコンパウンドのベースポリマーとして使用されている公知のものである。平均重合度は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜10,000である。
(A)成分と(B)成分混合後の平均重合度は、好ましくは3,500〜8,000である。
なお、本発明中で言及する平均重合度とは、数平均重合度のことを指し、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした平均重合度を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:1mL/min.
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:KF−805L×2(Shodex社製)
カラム温度:25℃
試料注入量:30μL(濃度0.2質量%のトルエン溶液)
上記(A)成分及び(B)成分は、共にアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであるが、違いは分子量(重合度)だけである。これらは、通常、下記平均組成式(1)で表され、直鎖状であっても分岐していても良い。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基で、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基等の非置換1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換1価炭化水素基が挙げられる。複数の置換基は異なっていても同一であってもよいが、分子中にアルケニル基を2個以上含んでいることが必要である。また、aは1.9〜2.4、好ましくは1.95〜2.05を満足する正数である。)
中でも、主鎖がジオルガノポリシロキサン単位(D単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(M単位)で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましく、ケイ素原子に結合した置換基はメチル基又はフェニル基が好ましい。
1分子中に2個以上含有することが必須であるケイ素原子と結合したアルケニル基は、ビニル基が好ましく、ビニル基は、分子鎖末端にあっても側鎖にあっても良いが、特に(A)成分については、ビニル基は、分子鎖両末端に2個含有するものが好ましく、さらに分子鎖両末端のみに1個ずつ、合計2個含有するものが好ましい。
特に、(A)成分の平均組成式(1)中の複数のR1は同じでも異なっても良いが、付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の他の成分との相溶性の観点から、(A)成分のR1の80mol%以上がメチル基であることが好ましい。これは、各成分の相溶性が悪化すると、付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物の透明性が低下するためである。また、アルケニル基としてはビニル基が好ましいが、これも他の成分との相溶性を保つことがその理由である。
(B)成分の25℃で生ゴム状のオルガノポリシロキサンのビニル基量については、0.03mmol/gを超えるものが好ましく、特に0.04〜15mmol/gであるものが好ましい。ビニル基量が0.03mmol/g以下の場合、ゴム硬度のバラツキの他、ゴムを加熱硬化する速度(即ち、硬化性)もバラツキが大きくなる。
(C)成分のシリコーンレジンは、R1SiO1/2単位(M単位)、SiO4/2単位(Q単位)、R1SiO2/2単位(D単位)、及びR1SiO3/2単位(T単位)から選択される単位からなり、これらの全構成単位のうち、M単位及びQ単位の合計量が80mol%以上であり、かつM単位のQ単位に対するmol比(M単位/Q単位)が0.5〜1.5である。ここで、各単位中、R1は炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、かつ1分子(全構成単位)中、少なくとも2個のアルケニル基を含む。
(C)成分のシリコーンレジンの炭素数1〜6の1価炭化水素基R1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基等の非置換1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換1価炭化水素基が挙げられる。
(C)成分のシリコーンレジンにおいて、上記4種の構成単位のうち、R1SiO1/2単位(M単位)とSiO4/2単位(Q単位)は必須であり、付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物の硬さを向上させるためには、全構成単位に占めるこの2種の構成単位の割合が80mol%以上であることが必要であり、好ましくは90mol%以上、より好ましくは100mol%である。R1SiO2/2単位(D単位)及びR1SiO3/2単位(T単位)は含まれていてもいなくても良い。
また、R1SiO1/2単位(M単位)のSiO4/2単位(Q単位)に対するmol比(M単位/Q単位)が、0.5より小さいと付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の他の成分との相溶性が悪化し、1.5よりも大きいと付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物の硬さが低下してしまう。従って、M単位のQ単位に対するmol比は0.5〜1.5にあることが必要とされ、好ましくは0.7〜1.2である。
このような(C)成分のシリコーンレジンとして、具体的には、ビニルジメチルシロキシ基とQ単位の共重合体、ビニルジメチルシロキシ基・トリメチルシロキシ基とQ単位の共重合体、ビニルジメチルシロキシ基・ジメチルシロキサンとQ単位の共重合体、ビニルジメチルシロキシ基・フェニルシルセスキオキサンとQ単位の共重合体、ビニルジメチルシロキシ基・ジメチルシロキサン・フェニルシルセスキオキサンとQ単位の共重合体、トリメチルシロキシ基・ビニルメチルシロキサンとQ単位の共重合体などが挙げられる。
本発明の(A)〜(C)成分の配合比としては、(A)成分100質量部に対して、(B)成分は10〜100質量部、好ましくは30〜80質量部、(C)成分は10〜150質量部、好ましくは20〜120質量部であることを特徴とする。また、組成物の粘度の点からも、この範囲が成形加工に好適である。(B)成分、(C)成分共に、この範囲外の組成物では、150℃長期耐熱試験において、硬化物が脆くなってしまい、割れが発生することがある。また、柔らかく表面粘着性のある硬化物となるため、成形加工には適さないことがある。
〔(D)成分〕
(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するもので、下記平均組成式(2)で示されるものを使用することができる。
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基で、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基などの非置換1価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換1価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.18〜1.0、かつb+cは0.88〜3.0、好ましくは、bは0.8〜2.0、cは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数である。)
(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、2〜300個、特に4〜200個程度の25℃で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端にあっても、側鎖にあっても、その両方にあっても良い。
このような(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の加熱硬化した硬化物の150℃長期耐熱性、即ち、硬さ変化を少なくし、割れないようにするためには、(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)の数を、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分中のケイ素原子と結合したアルケニル基の合計1個当たり、1.0〜3.0個、好ましくは1.5〜2.5個となるように、配合量を調整する必要がある。つまり、この範囲下限未満では、柔らかく、表面粘着性のある硬化物となり、この範囲上限超過では、成形加工時の金型密着又は固着が発生することがある。また、(D)成分のSi−H基量が、0.0085mol/gを超えると、硬化物の150℃長期耐熱試験で硬さ変化が大きくなり、割れが発生することがある。
〔(E)成分〕
(E)成分の白金系触媒は、公知のものが使用可能で、例えば、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒などが挙げられる。
白金系触媒の配合量は、触媒量とすることができ、白金族金属として、(A)成分に対し、通常0.5〜1,000ppm、好ましくは1〜200ppm程度とすることができる。
〔その他の成分〕
本発明の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(C)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン以外のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンや、アルコキシシリル基を含有するアルコキシシラン系化合物、シランカップリング剤、チタン系やジルコニウム系等の縮合触媒などを架橋補助剤として配合しても良い。
また、例えば、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンや1,3,5−トリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(1,3,5−トリアリルイソシアヌレート)等の多官能アルケニル化合物、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール誘導体などの付加反応制御剤を、ポットライフの確保のために添加しても良いし、例えば、トリメチルクロロシランやオクタメチルテトラシクロシロキサンで表面処理した処理シリカ等の無機充填材を、硬化物の硬さや強度を向上させるために配合しても良い。さらに、染料、顔料、難燃剤、離型剤等の配合も、本発明の効果を損なわない範囲ならば可能である。
なお、付加反応制御剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部である。
これらの各任意成分は、1種単独で用いても2種以上を併用しても良い。
〔組成物の調製及びその硬化〕
本発明の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物は、ニーダー、プラネタリーミキサー等の通常の混合攪拌器、混練器等を用いて、上記(A)〜(E)成分の他、必要に応じてその他の成分を均一に混合することにより調製することができる。
得られた付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を硬化させることにより、硬化物を作製することができる。この硬化は、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と同様の硬化条件で行えばよく、例えば、常温でも十分硬化するが、必要に応じて加熱してもよく、80〜220℃、特に120〜200℃で3秒〜10分間、特に5秒〜3分間加熱することにより硬化させることができる。
〔成形方法〕
成形方法は、公知の熱硬化樹脂についての成形法を用いることができ、例えば、プレス成形法ならば、2枚のライナーの間に付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を流し込み、所定の金型、条件で加圧加硫させれば良い。あるいは、2液混合型の液状射出成形機では、任意の金型を用いて望みの形状の硬化物を得て、例えば、光学用途に適した成形品を得ることができる。さらには他の樹脂との二色成形も可能である。他にもコンプレッション成形、トランスファー成形などが可能である。また、延伸成形法の例としては、2枚の連続樹脂フィルムの間に付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を供給しながら、ロールにより一定厚みに延伸し、加熱炉に連続的に供給して常圧熱気加硫させる。硬化後、冷却してからライナーを剥離すれば、シート状の透明硬化物が得られる。
〔LEDヘッドランプ〕
LEDヘッドランプは、上記成形方法を用い、LEDを付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物で封止してなるもので、該硬化物は、JIS K 6249:2003記載の方法で測定したType−A硬度計による硬さが65以上、特に65〜85の成形体であることが好ましい。硬化物の硬さが65未満になると、成形品の変形による歪みが発生することがあるためである。
以下、実施例と比較例によりこの発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各例に係る成分の配合量の単位は質量部である。
[実施例1〜2及び比較例1〜2]
付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の各例について、(A)液状アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)生ゴム状アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(C)シリコーンレジン、(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(E)白金系触媒、及び(F)付加反応制御剤の配合量を表1に示した。
プレス板上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー、厚さ2.2mmの枠を重ね、この枠内に上記各例に係る付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を流し込み、この上にさらにPETライナー、プレス板を積層して120℃で10分間プレス成型した。二枚のPETライナーごと取り出して冷却後、PETライナーを剥離して厚さ約2mmのシリコーンゴム製透明フィルムを得た。このシリコーンゴム製透明フィルムを150℃/1時間熱風循環乾燥機内で加熱硬化した。
これら各例について、下記の物性を評価し、表1に示した。
・硬化物硬さ:JIS K 6249:2003(2mmシート×3枚重ね)記載のType−A硬度計により、初期及び150℃/4000時間後の硬さを測定した。
・150℃/4000時間後のゴム割れの有無:150℃/4,000時間後の2号ダンベル試験片を引張り試験機の空気式平面形つかみ具にチャックした時に該試験片に割れが生じるか否かで判定した。
・透明性:初期及び150℃/4,000時間後の前記2mmシートの全光線透過率(%)とヘイズ(%)を測定した。
〔使用した材料〕
(A)25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:
両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン
平均重合度:約750
粘度:約30Pa・s
1分子当たりのビニル基数:2個(ビニル基含有量:0.036mmol/g)
(B)25℃で生ゴム状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:
両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ビニルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体
平均重合度:約8,000
1分子当たりのビニル基数:40個(ビニル基含有量:0.067mmol/g)
(C)シリコーンレジン:
(CH33SiO1/2(M)単位、(CH2=CH)(CH32SiO1/2(M)単位、SiO4/2(Q)単位の共重合体
1分子当たりのビニル基数:4.0個(ビニル基含有量:0.84mmol/g)
1分子中のM単位のQ単位に対するmol比(M単位/Q単位):0.85
(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:
D−1 両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
1分子当たりのSi−H基数:20個(Si−H基含有量0.0073mol/g)
D−2 両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
1分子当たりのSi−H基数:50個(Si−H基含有量0.0081mol/g)
D−3 両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
1分子当たりのSi−H基数:45個(Si−H基含有量0.011mol/g)
D−4 (CH33SiO1/2単位、H(CH3)2SiO1/2単位、SiO4/2単位の共重合体レジン
1分子当たりのSi−H基数:30個(Si−H基含有量0.0088mol/g)
(E)白金系触媒:
白金触媒
Pt濃度: 1wt%
(F)付加反応制御剤:
1−エチニルシクロヘキサノール
Figure 2019189723

注)Si−H基/Si−Vi基比率:(A)成分、(B)成分、及び(C)中のケイ素原子と結合したアルケニル基の合計1個当たりの(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の数。

Claims (4)

  1. (A)平均重合度が1,500以下で、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有する25℃で液状のオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)平均重合度が2,000以上で、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合したアルケニル基を含有する25℃で生ゴム状のオルガノポリシロキサン:10〜100質量部、
    (C)R1SiO1/2単位(M単位)、SiO4/2単位(Q単位)、R1SiO2/2単位(D単位)、及びR1SiO3/2単位(T単位)(各単位中、R1は炭素数1〜6の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)から選択される単位からなり、これら全構成単位のうち、M単位及びQ単位の合計量が80mol%以上であり、M単位のQ単位に対するmol比(M単位/Q単位)が0.5〜1.5であって、かつ1分子(全構成単位)中に少なくとも2個のアルケニル基を含むシリコーンレジン:10〜150質量部、
    (D)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(Si−H基)を含有し、該Si−H基量が0.0085mol/g以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のSi−H基の数が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分中のケイ素原子と結合したアルケニル基の合計1個当たり、1.0〜3.0個となる量、
    (E)白金系触媒:触媒量
    を含有するLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
  2. (B)成分のアルケニル基含有量が0.03mmol/gを超えるものである請求項1記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
  3. (A)成分が、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するものである請求項1又は2記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のLEDヘッドランプ用高透明付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物で封止され、該硬化物が、JIS K 6249:2003記載の方法で測定したType−A硬度計による硬さが65以上の成形体であるLEDヘッドランプ。
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