JP5272538B2 - 固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物、セパレータシール及びセパレータ - Google Patents

固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物、セパレータシール及びセパレータ Download PDF

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Description

本発明は、小型の燃料電池として使用できる固体高分子型燃料電池のセパレータ用接着性シール組成物に係わり、特にシール材として重要な圧縮永久歪特性及び接着性に優れた固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物に関する。更に、該接着性シール組成物を硬化して得られた固体高分子型燃料電池セパレータシール、及び固体高分子型燃料電池セパレータに関する。
燃料電池は、資源の枯渇に留意する必要がある化石燃料を使用する必要が殆どない上に、発電において騒音を殆ど発生せず、エネルギーの回収率も他のエネルギー発電機関と比べて高くできる等の優れた性質を持つために、ビルや工場の比較的小型の発電プラントとして開発が進められ、一部実用化している。中でも固体高分子型燃料電池は、他タイプの燃料電池と比べて低温で作動するので、電池を構成する部品について材料面での腐食の心配が少ないばかりか、低温作動の割に比較的大電流を放電可能といった特徴をもち、家庭のコージェネレーション用としてだけでなく、車載用の内燃機関の代替電源としても注目を集めている。この固体高分子型燃料電池を構成する部品の中で、セパレータは、一般的に平板の両面又は片面に複数の並行する溝を形成してなるもので、燃料電池セル内のガス拡散電極で発電した電気を外部へ伝達すると共に、発電の過程で前記溝中に生成した水を排水し、当該溝を燃料電池セルへ流入する反応ガスの流通路として確保するという役割を担っている。このような電池用のセパレータとしては、より小型化が要求され、また多数のセパレータを重ね合わせて使用することから耐久性が優れ、長期間使用できるセパレータ用シール材料が要求されている。
このようなセパレータ用シール材料としては、各種樹脂から成るパッキング材が検討されているが、成形性、弾性に優れたシリコーンゴム製のシール材が主に使用されている。更にシリコーンゴムとしては、より成形性に優れた付加硬化型のシリコーンゴム組成物による硬化ゴムが用いられているが、長期間の信頼性を維持するという点では不十分であった。特に燃料電池セパレータ用パッキング材として必要な耐酸性、耐熱性及び各種セパレータ基材や電解質膜等との接着性という点においては、十分なものではなかった。
このような不安を解消するものとして、特開2002−309092号公報(特許文献1)には、付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物中にシリコーンレジンを使用すること、あるいは特開2003−257456号公報(特許文献2)には、耐酸性無機粉を配合することが記されている。しかしながら、耐熱性、接着性については、耐熱向上剤や接着性付与剤の配合は任意と記されるのみで、具体的な例示はなく、実施例への記載は全くなかった。また、本用途で重要視される高温高湿条件でのシール性(圧縮永久歪)についても何らコメントはなかった。
一方、特開2004−269782号公報(特許文献3)及び特開2006−12784号公報(特許文献4)には、特定の接着助剤を使用することで接着耐久性が向上することが記されているが、燃料電池シール材料として重要な圧縮永久歪特性についての記述が全くなく、各種の無機粉体が本文中に任意成分として記されているが、その具体的な作用効果が明示されておらず、実施例・比較例での記述も全くなかった。
特開2002−309092号公報 特開2003−257456号公報 特開2004−269782号公報 特開2006−12784号公報
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、圧縮永久歪特性、特に湿条件でのシール性に優れ、かつ各種セパレータ基材との接着性も良好である固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物並びにセパレータシール及びセパレータを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、本発明に到達したもので、本発明は下記の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物、セパレータシール及びセパレータを提供する。
請求項1:
(A)アルケニル基含有量が5.0×10 -6 〜5.0×10 -3 mol/gであり、かつ重量平均重合度が200〜1000である一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜20質量部
であって、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基に対する(B)成分中のSi−H基のモル比がSi−H基/アルケニル基=0.8〜3.0となる量
(C)BET法による比表面積が50〜400m2/gであるヒュームドシリカ
10〜40質量部、
(D)接着助剤 0.1〜15質量部、
(E)三酸化二鉄(Fe 2 3 0.1〜10質量部、
(F)白金系触媒、パラジウム系触媒及びロジウム系触媒から選ばれる付加反応触媒 (A)成分に対して白金族金属として0.1〜1000ppm
を必須成分とすることを特徴とする固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項2:
(A)成分のケイ素原子に結合する全有機基の90モル%以上がメチル基である請求項1記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項3:
(E)成分の配合量が(A)成分100質量部に対して0.1〜3質量部である請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項4:
更に、(G)R3SiO1/2単位(Rは炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位とをモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であるように含有し、アルケニル基含有量が1×10-4〜5×10-3モル/gであるシリコーン樹脂質共重合体を含むと共に、(A)成分と(G)成分とのアルケニル基合計量に対する(B)成分のSi−H基量の割合[Si−H基/アルケニル基]が0.8〜3.0(モル比)である請求項1乃至3のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項5:
(D)成分の接着助剤が、エポキシ基、芳香族基、ケイ素結合水素原子(Si−H基)、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シラノール基のいずれか2つ以上を一分子中に有する化合物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項6:
(D)成分の接着助剤が、一分子中に芳香族基及びケイ素結合水素原子(Si−H基)を有する化合物である請求項5記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項7:
(E)成分の平均粒子径が10μm以下である請求項1乃至6のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
請求項8:
請求項1乃至7のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物の硬化物からなる固体高分子型燃料電池セパレータシール。
請求項9:
属板又は導電性粉末とバインダーとを含む基材の少なくとも片面の周縁部に、シール部として請求項1乃至7のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物を圧縮成型、注入成型、射出成型、トランスファー成型、ディッピング、コーティング又はスクリーン印刷し硬化させてなる固体高分子型燃料電池セパレータ。
本発明によれば、上記(A)〜(F)成分の特定量の組み合わせにより、固体高分子型燃料電池用セパレータのシール材料として使用されて、耐酸性・耐熱性に優れ、かつ各種セパレータ基材との接着性も良好なシーリング構造を与える。
本発明の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物は、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)BET法による比表面積が50〜400m2/gであるヒュームドシリカ、
(D)接着助剤、
(E)酸化鉄、
(F)付加反応触媒
及び必要により、
(G)シリコーン樹脂質共重合体
を含有する。
(A)成分の一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されたものの1種又は2種以上を用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05、更に好ましくは1.98〜2.01の範囲の正数である。ここで、上記R1で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられが、全R1の90モル%以上、特にはアルケニル基を除く全てのR1がメチル基であることが好ましい。
また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中5.0×10-6mol/g〜5.0×10-3mol/g、特に1.0×10-5mol/g〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が5.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低く、十分なシール性が得られなくなってしまい、また5.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には直鎖状構造(具体的には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン)を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造等であってもよい。分子量については、特に限定なく、粘度の低い液状のものから、粘度の高い生ゴム状のものまで使用できるが、セパレータに被覆しやすい液状材料とするには、平均重合度が200〜1000が好ましく、より好ましくは250〜750である。200未満では、シール材としての十分なゴム弾性が得られず、1000より高いと粘度が高くなり、セパレータに被覆することが困難になってしまう場合がある。なお、平均重合度はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均重合度である。
(B)成分は、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。またbは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3〜150個、より好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。ここで、R2の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、bは好ましくは0.8〜2.0、cは好ましくは0.01〜1.0、b+cは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に3〜150個、とりわけ4〜100個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とから成る共重合体や、上記の各例示化合物においてメチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基で置換したものなどが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましく、特に0.6〜15質量部が好ましい。上記オルガノポリシロキサンのケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)と(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の総量とのモル比は、Si−H基/アルケニル基=0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.0である。この比が0.8より小さくても、3.0より大きくても圧縮永久歪が大きくなってしまい、シール性が不十分となってしまう。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種又は2種以上を併用することができる。
(C)成分のヒュームドシリカは、シリコーンゴムに十分な強度を与えるために必須なものである。ヒュームドシリカのBET法による比表面積は、50〜400m2/g、好ましくは150〜400m2/g、より好ましくは150〜350m2/gで、50m2/gより小さいと耐酸性や接着性が悪くなってしまい、また400m2/gより大きいと圧縮永久歪が大きくなってしまう。これらヒュームドシリカはそのまま用いても構わないが、表面疎水化処理剤で予め処理したものを使用したり、あるいは(A)成分との混練時に表面処理剤を添加して処理することにより使用することが好ましい。これら表面処理剤は、アルキルアルコキシシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシラザン、シランカップリング剤、チタネート系処理剤、脂肪酸エステル等の公知のいかなるものを1種単独で用いてもよく、また2種以上を同時又は異なるタイミングで用いても構わない。
また、これらヒュームドシリカの配合量は、(A)成分100質量部に対し、10〜40質量部が好ましく、より好ましくは15〜30質量部である。配合量が10質量部より少ないと十分なゴム強度が得られず、また40質量部より多いと、圧縮永久歪が大きくなり、シール性が悪くなってしまう。(C)成分のヒュームドシリカは1種又は2種以上を併用することができる。
(D)成分の接着助剤としては、通常付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用できるものであればいかなるものでも構わないが、特には、一分子中にエポキシ基、芳香族基、ケイ素結合水素原子(Si−H基)、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シラノール基のうちの2種以上を有するものが好ましい。このようなものとしては、これら2種以上の官能基を有するオルガノシラン、ケイ素原子数が2〜30個、好ましくは4〜20個程度の直鎖状又は環状のオルガノシロキサン等の有機ケイ素化合物等を挙げることができる。
また、分子中にフェニレン基又はビフェニレン基を1〜4個、好ましくは1〜2個と、アルケニル基を1個以上、好ましくは2〜4個有し、分子中にケイ素原子を有さない非ケイ素系有機化合物、分子中に上記官能基を2個有するベンゼンジカルボン酸エステル、分子中に上記官能基を4個有するベンゼンテトラカルボン酸エステル等を挙げることができる。更には、これら化合物とSi−H官能基含有シロキサン化合物とが反応したもの等を挙げることができる。
これらの接着助剤の中で、特に好ましいのは一分子中に芳香族環を有し、かつ2個以上のSi−H官能基を有する化合物である。
これら接着助剤は、1種単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。このような接着助剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜10質量部程度とすることができる。このような接着助剤の具体例として、次のような化合物を挙げることができる。
Figure 0005272538
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(E)成分の酸化鉄は、本組成物の圧縮永久歪特性、特に燃料電池用途において必要特性である高温高湿度条件における圧縮永久歪を向上させるために必須のものである。このような酸化鉄は化学式として、FeO、Fe34、Fe23等として示されるいかなるものでもよく、1種単独でも2種以上を併用してもよいが、特に三酸化二鉄(Fe23)が好ましい。これら酸化鉄の平均粒子径は、10μm以下(通常、0.01〜10μm)であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5.0μm、更に好ましくは0.1〜3.0μmである。10μmより大きいとシール性向上効果が不十分である場合がある。なお、平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(即ち、累積質量が50%となるときの粒子径又はメジアン径)として測定した値である。このような酸化鉄の配合は(A)成分100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜5質量部、更に好ましくは0.3〜3質量部である。0.1質量部未満では、シール性向上効果が不十分で、20質量部を超えると逆に圧縮永久歪に悪影響を与えてしまう場合がある。
(F)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。
なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属として(A)成分に対し、0.1〜1000ppm、好ましくは0.5〜500ppm、特に1〜100ppm程度である。
これら以外に、シール材の強度や耐酸性を向上させる目的で、(G)成分としてシリコーン樹脂質共重合体(シリコーンレジン)を必要に応じて任意的に配合してもよい。そのようなシリコーンレジンとしては、R3SiO1/2単位(式中、Rは炭素数1〜10、特に1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、上記R1と同様のものを例示することができる。)とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、アルケニル基含有量が、1×10-4〜5×10-3モル/gであるものが好ましい。このようなシリコーンレジンは、上記R3SiO1/2単位及びSiO2単位とのみからなるものであってもよく、また必要に応じ、R2SiO2/2単位やRSiO3/2単位(Rは上記の通り)をこれらの合計量として、全共重合体質量に対し、50質量%以下、好ましくは40質量%以下の範囲で含んでよいが、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5、特に0.5〜1.3である必要がある。このモル比が0.5より小さいと耐酸性が低下してしまい、1.5より大きいと相溶性が低下し配合が困難になってしまう。更にこのようなシリコーンレジンは、1×10-4〜5×10-3mol/g、好ましくは2×10-4〜3×10-3mol/g、より好ましくは3×10-4〜2×10-3mol/gのビニル基を含有することが必要である。ビニル基含有量が5×10-3mol/gより多いとゴムが固くて脆くなり、シール性が不十分になってしまうおそれがあり、1×10-4mol/gより少ないと十分な耐酸性が得られない場合がある。
なお、上記樹脂質共重合体は、通常適当なクロロシランやアルコキシシランを当該技術において周知の方法で加水分解することによって製造することができる。
これらシリコーンレジンを配合する場合には、その配合量は、(A)成分100質量部に対し、3〜50質量部、特に5〜40質量部が好ましい。3質量部より少ないと、十分な耐酸性が得られない場合があり、50質量部を超えるとシール性が低下してしまう場合がある。
なお、このように(G)成分としてアルケニル基を含有するシリコーンレジンを配合する場合、上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、そのSi−H基と、(A)成分及び(G)成分のアルケニル基合計量とがモル比としてSi−H基/アルケニル基=0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.0となるように使用することが好ましい。
なお、また(D)成分の接着助剤として、アルケニル基及び/又はSiH基を含有するものを使用する場合には、(A)成分、(G)成分、(D)成分を含めた組成物全体中のアルケニル基の合計に対する(B)成分、(D)成分を含めた組成物全体中のSiH基とがモル比として、SiH基/アルケニル基=0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.0となるように使用することが望ましい。
本発明のセパレータシールは、上記成分を含有するシール材料(付加反応硬化型シリコーンゴム組成物)の硬化物からなるものであり、該シリコーンゴム組成物を公知の方法で硬化して、固体高分子型燃料電池セパレータのシーリングに使用する。
本発明のゴム硬化物を用いて燃料電池セパレータシールを得る方法として、具体的には、上記シリコーンゴム組成物を圧縮成型、注入成型、射出成型等によりシール形状に成型してセパレータ基材と組み合わせる方法や、ディッピング、コーティング、スクリーン印刷、インサート成型等によりセパレータ基材とシールが一体化したものとして得る方法等がある。なお、上記シリコーンゴム組成物の硬化条件としては、温度100〜300℃で10秒〜30分の範囲が好ましい。
また、本発明に使用されるセパレータ基材としては、金属薄板、又は導電性粉末及びバインダーと共に一体成型された樹脂基材が好適に用いられ、このセパレータ基材の周縁部に上述の方法でシールを形成することにより、本発明の固体高分子型燃料電池セパレータを得ることができる。
上記導電性粉末としては、例えばリン片状黒鉛等の天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等に代表される導電性カーボンブラック等を挙げることができるが、導電性粉末であれば特に限定されるものではない。また、バインダーの種類としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ゴム変性フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明においては、セパレータ基材の周縁部にゴム組成物を圧縮成型、注入成型、射出成型、トランスファー成型、ディッピング、コーティング又はスクリーン印刷等により形成して硬化させることにより、シリコーンゴム組成物の硬化物をシール部として用いた、基材の周縁部に周方向に沿ってリング状にシール部(セパレータシール)を形成した固体高分子型燃料電池セパレータを得ることができる。このようなシールは、セパレータ基材上にプライマーを塗布した後に一体成形を行ってもよいし、接着性を有するゴムを一体成形させてもよい。あるいは、シール部のみを成形し、接着剤を使用して貼り合わせる方法でもよい。いずれの場合においても、ゴム組成物が接着性を有することは、接着耐久性、信頼性の点において効果的である。
以下、実施例と比較例によりこの発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基に封鎖された平均重合度が350であるジメチルポリシロキサン(1)50質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位=0.85、ビニル基含有量=0.00045mol/g]15質量部、比表面積が190m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル200)35質量部、ヘキサメチルジシラザン5質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100質量部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基に封鎖された平均重合度が250であるジメチルポリシロキサン(2)60質量部、平均粒子径0.10μmの酸化鉄(Fe23)2質量部を入れ、30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これに下記式で示される接着助剤〔1〕を0.5質量部、接着助剤〔2〕を0.8質量部、更に架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(3)(重合度28、Si−H基量0.0088mol/g)を2.9質量部[Si−H基/アルケニル基=1.5(モル比)]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中120℃×168時間、高温高湿条件〔1〕(85℃×168時間/85%RH)、高温高湿条件〔2〕(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。
更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
Figure 0005272538
参考例
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)68質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位及び(CH32SiO単位から成る樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位=1.0、(CH32SiO単位含有率20質量%、ビニル基含有量=0.0002mol/g]30質量部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)22質量部、ヘキサメチルジシラザン3質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース120質量部に、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサン(4)(重合度200、ビニル基量0.00041mol/g)20質量部、平均粒子径0.25μmの酸化鉄(Fe34)1.5質量部を入れ、30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これに更に架橋剤として側鎖のみにSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(5)(重合度17、Si−H基量0.0060mol/g)を3.9質量部[Si−H基/アルケニル基=1.2(モル比)]、下記式の接着助剤〔3〕を0.9質量部、接着助剤〔4〕を0.6質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中120℃×168時間、高温高湿条件(1)(85℃×168時間/85%RH)、高温高湿条件(2)(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
Figure 0005272538
[実施例
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)68質量部、比表面積が250m2/gである表面がジメチルジクロロシランで処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR974)22質量部、ヘキサメチルジシラザン5質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、更にジメチルポリシロキサン(1)を20質量部混合して、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース110質量部に、実施例1のジメチルポリシロキサン(2)40質量部、平均粒子径0.80μmの酸化鉄(Fe23)1.5質量部を入れ30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。更に架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(3)(重合度28、Si−H基量0.0088mol/g)を2.3質量部[Si−H基/アルケニル基=1.8(モル比)]、下記式の接着助剤〔5〕を0.5質量部、接着助剤〔6〕を0.8質量部及び実施例1の接着助剤〔2〕を0.4質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中120℃×168時間、高温高湿条件(1)(85℃×168時間/85%RH)、高温高湿条件(2)(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
Figure 0005272538
[比較例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基に封鎖された平均重合度が350であるジメチルポリシロキサン(1)50質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位=0.85、ビニル基含有量=0.00045mol/g]15質量部、比表面積が190m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル200)35質量部、ヘキサメチルジシラザン5質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100質量部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基に封鎖された平均重合度が250であるジメチルポリシロキサン(2)60質量部を入れ30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これに実施例1の接着助剤〔1〕を0.5質量部、接着助剤〔2〕を0.8質量部、更に架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(3)(重合度28、Si−H基量0.0088mol/g)を2.9質量部[Si−H基/アルケニル基=1.5(モル比)]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中120℃×168時間、高温高湿条件(1)(85℃×168時間/85%RH)、高温高湿条件(2)(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。
更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
[比較例2]
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)68質量部、(CH33SiO1/2単位及びCH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位及び(CH32SiO単位から成る樹脂質共重合体[{(CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位}/SiO2単位=1.0、(CH32SiO単位含有率20質量%、ビニル基含有量=0.0002mol/g]30質量部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)22質量部、ヘキサメチルジシラザン3質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース120質量部に、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサン(4)(重合度200、ビニル基量0.00041mol/g)20質量部、平均粒子径0.25μmの酸化鉄(Fe34)1.5質量部を入れ30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これに更に架橋剤として側鎖のみにSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(5)(重合度17、Si−H基量0.0060mol/g)を3.9質量部[Si−H基/アルケニル基=1.2(モル比)]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中150℃×168時間、高温高湿条件(1)(85℃×500時間/85%RH)、高温高湿条件(2)(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
[比較例3]
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)68質量部、比表面積が250m2/gである表面がジメチルジクロロシランで処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR974)22質量部、ヘキサメチルジシラザン5質量部、水2.0質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間攪拌を続け、更にジメチルポリシロキサン(1)を20質量部混合して、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース110質量部に、実施例1のジメチルポリシロキサン(2)40質量部、平均粒子径0.40μmの酸化チタン(TiO2)1.5質量部を入れ30分攪拌を続けた後、3本ロールに1回通した。更に架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(3)(重合度28、Si−H基量0.0088mol/g)を2.3質量部[Si−H基/アルケニル基=1.8(モル比)]、実施例の接着助剤〔5〕を0.5質量部、接着助剤〔6〕を0.8質量部及び実施例1の接着助剤〔2〕を0.4質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分攪拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を混合し、120℃/10分のプレスキュア後、オーブン内で200℃で4時間のポストキュアを行った硬化物について、JIS K6249に基づき硬さ、圧縮永久歪の測定を行った結果を表1に示した。なお、圧縮永久歪は空気中120℃×168時間、高温高湿条件(1)(85℃×168時間/85%RH)、高温高湿条件(2)(120℃×168時間/100%RH、オートクレーブ中)の3条件で測定した。更に同じく触媒を混合した組成物を鉄及びPBT(ポリブチレンテレフタレート)製の基板に対し、接触させて硬化(150℃×5分、ゴム厚さ1mm)させて、接着性を確認した結果を表1に記した。
Figure 0005272538

Claims (9)

  1. (A)アルケニル基含有量が5.0×10 -6 〜5.0×10 -3 mol/gであり、かつ重量平均重合度が200〜1000である一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子(Si−H基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜20質量部
    であって、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基に対する(B)成分中のSi−H基のモル比がSi−H基/アルケニル基=0.8〜3.0となる量
    (C)BET法による比表面積が50〜400m2/gであるヒュームドシリカ
    10〜40質量部、
    (D)接着助剤 0.1〜15質量部、
    (E)三酸化二鉄(Fe 2 3 0.1〜10質量部、
    (F)白金系触媒、パラジウム系触媒及びロジウム系触媒から選ばれる付加反応触媒 (A)成分に対して白金族金属として0.1〜1000ppm
    を必須成分とすることを特徴とする固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  2. (A)成分のケイ素原子に結合する全有機基の90モル%以上がメチル基である請求項1記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  3. (E)成分の配合量が(A)成分100質量部に対して0.1〜3質量部である請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  4. 更に、(G)R3SiO1/2単位(Rは炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位とをモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であるように含有し、アルケニル基含有量が1×10-4〜5×10-3モル/gであるシリコーン樹脂質共重合体を含むと共に、(A)成分と(G)成分とのアルケニル基合計量に対する(B)成分のSi−H基量の割合[Si−H基/アルケニル基]が0.8〜3.0(モル比)である請求項1乃至3のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  5. (D)成分の接着助剤が、エポキシ基、芳香族基、ケイ素結合水素原子(Si−H基)、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シラノール基のいずれか2つ以上を一分子中に有する化合物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  6. (D)成分の接着助剤が、一分子中に芳香族基及びケイ素結合水素原子(Si−H基)を有する化合物である請求項5記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  7. (E)成分の平均粒子径が10μm以下である請求項1乃至6のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物の硬化物からなる固体高分子型燃料電池セパレータシール。
  9. 属板又は導電性粉末とバインダーとを含む基材の少なくとも片面の周縁部に、シール部として請求項1乃至7のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用接着性シール組成物を圧縮成型、注入成型、射出成型、トランスファー成型、ディッピング、コーティング又はスクリーン印刷し硬化させてなる固体高分子型燃料電池セパレータ。
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