JP6988781B2 - 帯電防止性シリコーンゴム組成物及び帯電防止キャリアプレート - Google Patents

帯電防止性シリコーンゴム組成物及び帯電防止キャリアプレート Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止性シリコーンゴム組成物に関し、特に室温だけでなく、高温においても十分な帯電防止性能を有し、かつブリード性にも優れ、黄変しにくいシリコーンゴム硬化物を与える帯電防止性シリコーンゴム組成物及び帯電防止キャリアプレートに関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を始めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサー、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるキーパッド、建築用ガスケット、オーディオ装置等の防振ゴム、コネクターシール、スパークプラグブーツ等の自動車部品、コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキン、或いはパンやケーキ等の型等の用途が挙げられる。現在シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
これらのシリコーンゴム(硬化物)は一般的には高重合度のオルガノポリシロキサンと補強性充填材とを含有する組成物の形で供給される。この組成物は、ドウミキサー、二本ロール等の混合装置を用いて原料ポリマーに補強性充填材や各種分散剤を混合することにより調整されている。オルガノポリシロキサンやシリカ等の補強性充填材は電気絶縁材料であり、それを配合して得られるシリコーンゴム組成物及びその硬化物であるシリコーンゴムは各種物質との接触により帯電してしまい、静電気が発生したり、空気中の塵を吸着してしまうなどの問題があった。
従来、帯電防止ゴムは、帯電防止剤としてポリエーテルエステルアミド等のポリエーテル系イオン伝導性ポリマー(特表2002−500237号公報(特許文献1))、カーボンブラック(特表2002−507240号公報(特許文献2))、ポリエーテルエステルアミド等の高分子固体電解質及び酸化亜鉛等の導電性材料(特開2002−327122号公報(特許文献3))が配合されている。
しかしながら、ポリエーテル系イオン伝導性ポリマー(高分子固体電解質)を配合した場合は、高温では高分子が分解してしまい、十分な帯電防止効果が発現しないという問題があった。特に、熱硬化型のシリコーンゴムで公知のポストキュアを行っただけでも帯電防止効果が殆どなくなってしまうのが実状であった。また、カーボンブラック(導電性材料)を配合した場合は、電気絶縁性を維持するのが困難であったり、黒色に限定されてしまったりする問題があった。
また、特開2003−82232号公報(特許文献4)には、リチウム塩を添加した半導電ローラ用シリコーンゴム組成物が提案されているが、半導電領域では、絶縁物質でなければ使用できない電線の被覆やキーパッドなどに適用できないという問題があった。
特許第5916457号公報(特許文献5)や特許第6177430号公報(特許文献6)には、アルコキシシリル基を有するイオン液体を含有したシリコーンゴムが提案されているが、硬化物を高温で放置するとイオン液体がブリードしてくるという問題があった。
特表2002−500237号公報 特表2002−507240号公報 特開2002−327122号公報 特開2003−82232号公報 特許第5916457号公報 特許第6177430号公報 特開2006−344826号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、室温だけでなく、高温に暴露されても優れた帯電防止特性を維持できるシリコーンゴム硬化物となる帯電防止性シリコーンゴム組成物及びその硬化物を用いた帯電防止キャリアプレートを提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、熱硬化型シリコーンゴム組成物をベースとし、これにイオン導電性帯電防止剤として特定のイオン液体を少量加えることにより上記課題を解決することができることを見出し、更に検討を加え本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の帯電防止性シリコーンゴム組成物及び帯電防止キャリアプレートを提供する。
1.
1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンを含むベースコンパウンド及び硬化剤を含み、熱硬化により絶縁性シリコーンゴム硬化物を与えるベース組成物に、1分子中に少なくとも1個の重合性反応基を有し、ホスホニウム型カチオンと含フッ素アニオンを含むものであって、該ホスホニウム型カチオンが重合性反応基を有するオルガノポリシロキサン構造を含むイオン液体を上記ベースコンパウンド100質量部に対して0.001〜5質量部配合したものである帯電防止性シリコーンゴム組成物。
2.
上記ベースコンパウンドが、(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部及び(B)BET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部を含有するものである1記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

上記含フッ素アニオンがトリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン又はヘキサフルオロホスフェートアニオンである1又は2記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

上記イオン液体が下記式(3)で表されるイオン液体である1〜のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
Figure 0006988781
(式中、Yは重合性反応基であり、Zは単結合又はオルガノポリシロキサン構造を含む2〜20価の基であり、R3は互いに独立して単結合、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、R4、R5及びR6はそれぞれ互いに独立して非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基である。また、rは1〜10の整数、sは1〜10の整数であり、かつr+sがZの価数に対応する2〜20の整数である。)

上記重合性反応基が、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基又はスチリルオキシ基である1〜のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

上記硬化剤がオルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせからなる1のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

上記硬化剤が有機過酸化物からなる1のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

6kVの静電気をチャージした後、その帯電圧が3kVになる半減期が2分以内の帯電防止能を有するシリコーンゴム硬化物を与えるものである1〜のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。

1〜のいずれかに記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物を硬化してなるシリコーンゴム硬化物を使用した帯電防止キャリアプレート。
本発明によれば、絶縁性が維持されると共に帯電防止性に優れ、高温に暴露されてもブリードが少ないシリコーンゴム硬化物が得られる。また、高温での黄変が抑えられるため着色も自由にできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る帯電防止性シリコーンゴム組成物は、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンを含むベースコンパウンド及び硬化剤を含み、熱硬化により絶縁性シリコーンゴム硬化物を与えるベース組成物に、1分子中に少なくとも1個の重合性反応基を有し、ホスホニウム型カチオンと含フッ素アニオンを含むイオン液体を上記ベースコンパウンド100質量部に対して0.001〜5質量部配合したものである。
ここで、上記ベースコンパウンドが、
(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部、及び
(B)BET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部
を含有するものであることが好ましい。
以下、本発明に係る帯電防止性シリコーンゴム組成物における各成分について説明する。
[(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、ベースコンパウンドに含まれる主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で表される、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに独立して、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.95〜2.04の正数である。ただし、1分子中のR1のうち2個以上はアルケニル基である。)
上記平均組成式(1)中、R1は、通常、炭素数1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8の1価炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子又はシアノ基等で置換されたクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、ビニル基、フェニル基及びトリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基及びビニル基がより好ましい。これらの中でも特に、分子中のR1で表される1価炭化水素基のうち、50モル%以上がメチル基であることが好ましく、80モル%以上がメチル基であることがより好ましく、アルケニル基以外のすべてのR1がメチル基であることが更に好ましい。
上記式(1)において、aは1.95〜2.04の正数であり、好ましくは1.98〜2.02の正数である。このa値が1.95〜2.04の範囲内でないと得られるシリコーンゴム硬化物が十分なゴム弾性を示さないことがある。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要であり、上記式(1)中、ケイ素原子に結合する基(即ち、上記平均組成式(1)におけるR1)のうち、0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%がアルケニル基であることが好ましい。このアルケニル基としては、好ましくはビニル基又はアリル基であり、特に好ましくはビニル基である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は、通常100〜50,000、好ましくは150〜20,000である。重合度が100未満であると、十分なゴム強度が得られない。なお、この重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算の重量平均重合度として求められる。
なお、本発明中で言及する重量平均重合度とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均重合度を指すこととする。
[測定条件]
・展開溶媒:トルエン
・流量:1mL/min
・検出器:示差屈折率検出器(RI)
・カラム:KF−805L×2本(Shodex社製)
・カラム温度:25℃
・試料注入量:30μL(濃度0.2質量%のトルエン溶液)
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、上記条件を満たしていれば特に限定されない。通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、分子鎖両末端が、トリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,ジメチルヒドロキシシロキシ基,メチルジビニルシロキシ基,トリビニルシロキシ基等で封鎖されたものが好ましい。特に、少なくとも1つのビニル基を有しているシロキシ基で、好ましくは分子鎖両末端が封鎖されたものが好適である。なお、オルガノポリシロキサンの分子構造は制限されるものでなく、基本的には直鎖状であるがゴム弾性を損なわない範囲において分岐していてもよい。
これらのオルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても、重合度や分子構造の異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンは、公知の方法、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサンをアルカリ性又は酸性触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
[(B)補強性シリカ]
(B)成分の補強性シリカは、上記ベースコンパウンドに含まれるものであり、得られるシリコーンゴム硬化物に対して優れた機械的特性を付与する成分として作用する。該補強性シリカは、沈降シリカ(湿式シリカ)でも、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)でもよく、表面に多数のシラノール基(SiOH)が存在しているものである。
本発明において(B)成分の補強性シリカのBET法による比表面積は、50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜400m2/gである。この比表面積が50m2/g未満であると(B)成分による補強効果が不十分となる場合がある。
(B)成分の補強性シリカは、未処理の状態で使用しても、必要に応じてオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の有機ケイ素化合物(シリカ表面処理剤)で表面処理(具体的には疎水化処理)されたものを使用してもよい。疎水化処理を施した補強性シリカを用いると(A)成分中への分散性や補強性の面で好ましい。このとき、予め粉体の状態で、シリカ表面処理剤により直接表面疎水化処理されたものを用いてもよいし、シリカ微粉末と(A)成分との混合時にシリカ表面処理剤を添加して、加熱混合することにより、表面が疎水化処理されるようにしてもよい。
このようなシリカ表面処理剤は、上記ベースコンパウンドに含まれるものであり、具体的に、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、及びメチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、あるいはヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンのようなシラザン類等の公知の処理剤が挙げられる。シリカ表面処理剤の使用量は、表面未処理のシリカ微粉末100質量部に対し、5〜75質量部、好ましくは5〜60質量部である。
上記補強性シリカは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部であり、好ましくは10〜80質量部であり、より好ましくは20〜70質量部である。この配合量が上記範囲を逸脱すると、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下するだけでなく、該シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム硬化物の引張り強度や引き裂き強度等の機械的特性が不十分なものとなるおそれがある。
[分散剤:オルガノシラン/オルガノシロキサン化合物]
上記ベースコンパウンドには、上記成分に加え、任意成分として、下記一般式で表されるオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含有することが好ましい。この成分は、(B)成分の補強性シリカの(A)成分中への分散性を向上させるための分散剤(ウェッター)として作用するものであり、この成分を配合することにより、本発明のシリコーンゴム組成物の作業性、押出特性等が向上する。
11O(Si(R122O)m11
(式中、R11は水素原子、又は同一又は異種の非置換又は置換のアルキル基であり、R12は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、mは1〜50の正数である。)
ここで、R11は水素原子、又は同一又は異種のアルキル基であり、上記一般式で表されるオルガノシラン又はシロキサンは、分子鎖末端にアルコキシ基又は水酸基を有している。R11としては、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が例示され、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。R12としては、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8の1価炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した基であり、例えば、クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。上記例示中では、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基が特に好ましい。
mは1〜50の正数であり、好ましくは1〜30の正数、より好ましくは1〜20の正数である。mが50以下であれば、大量に配合しなくとも十分な添加効果が得られるため、大量配合によるゴム物性の低下が発生するおそれがない。
本成分のオルガノシラン/シロキサンの添加量は、本成分を配合する場合には、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましい。0.1質量部以上であれば、本発明のシリコーンゴム組成物の作業性、押出特性等が十分に得られ、50質量部以下であれば、得られるシリコーンゴム組成物に粘着性が発生するおそれがないため、加工性が低下したり、得られるゴム物性が低下したりするおそれがない。
[(C)硬化剤]
(C)成分の硬化剤は、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば下記の(C−1)付加反応硬化剤、及び/又は(C−2)有機過酸化物硬化剤が挙げられる。即ち、これらの硬化剤は、本発明のシリコーンゴム組成物において、(A)成分のオルガノポリシロキサンと反応して架橋構造を形成し、シリコーンゴム硬化物を与えるものである。
(C−1)付加反応硬化剤
付加反応硬化剤としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒とを組み合わせて用いることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜100個程度のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有すれば、直鎖状、環状、分枝状のいずれであってもよく、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
2 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
上記平均組成式(2)中、R2は互いに独立して、非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、特に脂肪族不飽和結合を除いたものが好ましい。R2は、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
なお、上記平均組成式(2)中、c、dは0≦c<3、好ましくは1≦c≦2.2、0<d≦3、好ましくは0.002≦d≦1、0<c+d≦3、好ましくは1.002≦c+d≦3を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するが、これは分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中にあっても、その両方にあってもよい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である(以下、同様)。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体などや、上記例示化合物において、メチル基の一部又は全部を他のアルキル基や、フェニル基等に置換したものなどが挙げられる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 0006988781
(式中、fは2〜10の整数、g及びhは0〜10の整数である。)
これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対し0.1〜40質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量部である。
また、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基(アルケニル基)に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が好ましくは0.5〜10モル/モル、より好ましくは0.7〜5モル/モルとなるような量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満であると架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と圧縮永久歪性が悪くなる場合がある。
ヒドロシリル化触媒は、(A)成分のアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(SiH基)とを付加反応させる触媒である。
ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できればよく、通常、白金系金属量に換算して、(A)成分のオルガノポリシロキサンに対して1質量ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500質量ppmの範囲が好ましい。この添加量が1質量ppm未満であると、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合がある、一方、上記の添加量が1質量%を超えると、これより多く加えても反応性に対する影響が少なくなり、不経済となる場合がある。
これらのヒドロシリル化触媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C−2)有機過酸化物硬化剤
有機過酸化物硬化剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物硬化剤の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。この配合量が少なすぎると、シリコーンゴム組成物の硬化が不十分となる場合があり、逆に、上記配合量が多すぎると、有機過酸化物の分解残渣によりシリコーンゴム硬化物が黄変する場合がある。
なお、(A)成分に、(C−1)成分と(C−2)成分とを、それぞれ上記配合量の範囲内で組み合わせて配合した、付加反応硬化と有機過酸化物硬化とを併用した共加硫型のシリコーンゴム組成物とすることもできる。
[(D)イオン液体]
(D)成分のイオン液体は、1分子中に少なくとも1個の重合性反応基を有し、ホスホニウム型カチオンと含フッ素アニオンを含むイオン液体である。
ここで、上記ホスホニウム型カチオンは、重合性反応基を有するオルガノポリシロキサン構造を含むものであることが好ましい。
また、上記含フッ素アニオンは、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオン、テトラフルオロボレートアニオン又はヘキサフルオロホスフェートアニオンであることが好ましく、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオンであることがより好ましい。
(D)イオン液体は、下記式(3)で表される構造のイオン液体(以下、イオン液体(3)という)であることがより好ましい。
Figure 0006988781
(式中、Yは重合性反応基であり、Zは単結合又はオルガノポリシロキサン構造を含む2〜20価の基であり、R3は互いに独立して単結合、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、R4、R5及びR6はそれぞれ互いに独立して非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基である。また、rは1〜10の整数、sは1〜10の整数であり、かつr+sがZの価数に対応する2〜20の整数である。)
式(3)において、Yは重合性反応基であり、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基又はスチリルオキシ基であることが好ましく、ビニル基、アクリロキシ基、(メタ)アクリルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基であることがより好ましく、ビニル基、アクリロキシ基又は(メタ)アクリルオキシ基であることが更に好ましい。
Zは単結合又はオルガノポリシロキサン構造を含む2〜20価、好ましくは2〜10価、より好ましくは2〜6価の基である。これらのうち、オルガノポリシロキサン構造を含む2〜20価の基としては、2価の直鎖状ジオルガノポリシロキサンが好ましい。
2価の直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、具体的には、直鎖状ジオルガノポリシロキサンを構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したものなどが好適である。なお、上記ジオルガノシロキサン単位の繰り返し数は1〜50が好ましく、2〜30がより好ましい。
3は互いに独立して単結合、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、イソブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、へプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサデシレン基等のアルキレン基;シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基;フェニレン基、α−,β−ナフチレン基等のアリーレン基などが挙げられる。なお、これらの基の水素原子の一部又は全部は、アルキル基、アリール基、F,Cl,Br,I等のハロゲン原子やシアノ基等で置換されていてもよく、その具体例としては、2−クロロエチレン基、2−ブロモエチレン基、2−クロロプロピレン基、2−ブロモプロピレン基、1−クロロメチルエチレン基、1−ブロモメチルエチレン基、2−クロロオクタメチレン基、2−ブロモオクタメチレン基、1−クロロメチルヘプタメチレン基、1−ブロモメチルヘプタメチレン基等が挙げられる。
ここで、上記式(3)におけるY−R3−としては、ビニル基、アクリロキシメチル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基、ビニルオキシメチル基、3−ビニルオキシプロピル基、(メタ)アクリルオキシメチル基、3−(メタ)アクリルオキシプロピル基、11−(メタ)アクリルオキシウンデシル基、ビニルフェニル基(スチリル基)、イソプロペニルフェニル基(α−メチルスチリル基)、ビニルフェニルメチル基(ビニルベンジル基)を具体例として示すことができる。反応性、入手し易さから、ビニル基、アクリロキシメチル基、(メタ)アクリルオキシメチル基を使用することが好ましい。
4、R5及びR6はそれぞれ互いに独立して非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基である。
上記R4、R5及びR6において、炭素原子数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、イソボルニル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
また、炭素原子数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
なお、これらの基の水素原子の一部又は全部は、アルキル基、アリール基、F,Cl,Br等のハロゲン原子やシアノ基等で置換されていてもよく、その具体例としては、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、R4、R5及びR6としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、反応性や入手の容易さ、生産性、コストの面からメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(3)において、rは1〜10の整数、sは1〜10の整数であり、かつr+sがZの価数に対応する2〜20の整数であり、好ましくはrは1〜5の整数、sは1〜5の整数、かつr+sがZの価数に対応する2〜10の整数であり、より好ましくはrは1〜3の整数、sは1〜3の整数、かつr+sがZの価数に対応する2〜60の整数であり、更に好ましくは、r=s=1である。
(D)イオン液体は、具体的には次のものが例示される。
Figure 0006988781
これらのイオン液体は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分のイオン液体の配合量は、上記ベースコンパウンド100質量部(即ち、(A)成分のオルガノポリシロキサン、(B)成分の補強性シリカ、更には任意成分であるシリカ表面処理剤や分散剤の合計100質量部)に対して、0.001〜5質量部であり、好ましくは0.005〜0.1質量部である。
(D)成分の配合量が上記範囲より少ない場合には、帯電防止効果が発現せず、上記範囲を超える場合には、硬化物の物性低下が起こり、経済的にも好ましくない。
上記イオン液体(3)は、下記構造式(4)で表される、重合性反応基Y及びシラノール性水酸基を有するオルガノポリシロキサン化合物(以下、シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)という)と、式(5)で表される、シラノール性水酸基と反応し得る官能基(脱離基X)及びイオン性基を有する化合物(以下、イオン性化合物(5)という)とを反応させて得ることができる。より具体的には、シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)のシラノール性水酸基と、イオン性化合物(5)の脱離基Xとの間で、脱アルコール反応、脱ハロゲン化水素反応及び脱水反応のいずれかの反応形態によりシロキサン結合を形成する反応を行う。
Figure 0006988781
(式中、R3、R4、R5、R6、Y、r、s、Zは、上記と同じである。Aは含フッ素アニオンである。OHは、シラノール性水酸基を表し、Xは、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシル基(−OH基)から選ばれる脱離基を表す。)
含フッ素アニオンAは、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオン、テトラフルオロボレートアニオン又はヘキサフルオロホスフェートアニオンであることが好ましく、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオンであることがより好ましい。
脱離基Xのうち、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、その中のアルキル基が直鎖状、環状、分枝状のいずれのものであってもよく、その具体例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−へプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ基等が挙げられるが、反応性の観点から、炭素原子数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましく、メトキシ基がより一層好ましい。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるが、反応性の観点から、塩素原子が好ましい。
イオン性化合物(5)の具体例としては、トリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリヘキシル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリヘキシル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{(メトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{(メトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{(メトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{(メトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{(エトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{(エトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{(エトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{(エトキシジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{(ジメチルシラノール)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリブチル{(ジメチルシラノール)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{(ジメチルシラノール)メチル}ホスホニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリオクチル{(ジメチルシラノール)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、上記シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)との反応性と、得られるオルガノポリシロキサン化合物の帯電防止性及びその耐久性の観点から、トリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{3−(クロロジメチルシリル)プロピル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチル{8−(クロロジメチルシリル)オクチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
上記シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)のシラノール性水酸基と、上記イオン性化合物(5)の脱離基Xとのシロキサン結合形成反応は、従来公知の一般的な方法で行うことができる。より具体的には、塩基性化合物の存在下、シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)と、イオン性化合物(5)とを脱アルコール反応、脱ハロゲン化水素反応及び脱水反応のいずれかの反応形態によりシロキサン結合を形成する反応を行う。
上記塩基性化合物としては、通常、上記のシロキサン結合形成反応に用いられている各種の塩基性化合物を使用できる。
具体的には、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化セシウム等のアルカリ金属水素化物;水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水素化物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物及びその水溶液;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物及びその水溶液;カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属及びアルカリ土類アルコキシド;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類炭酸水素塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の3級アミンなどが挙げられる。これらの中でも、反応効率の観点から、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の3級アミンが好ましく、トリエチルアミン、トリブチルアミンがより好ましい。
シロキサン結合形成反応では、用いる原料を溶解し、かつ用いる原料と反応しない溶媒を用いることができる。その具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、反応効率の観点から、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが好ましく、アセトニトリルがより好ましい。
また、反応促進剤として、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)などのフェノール誘導体を添加してもよい。
シロキサン結合形成反応におけるイオン性化合物(5)の添加量は、シラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物(4)のシラノール性水酸基が完全に消費される量であることが好ましい。
シロキサン結合形成時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応速度を適切にすることを考慮すると、0〜100℃が好ましく、25〜80℃が好ましく、40〜70℃がより一層好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常10分〜24時間である。
[その他の任意成分]
本発明のシリコーンゴム組成物には、上述した成分に加え、必要に応じて、石英粉末、結晶性シリカ、珪藻土等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(ただし、絶縁性を維持できる配合量に限る)、着色剤、ベンガラ、酸化セリウム等の耐熱性向上剤、上記白金族金属触媒以外の白金化合物、酸化チタン、トリアゾール化合物等の難燃性向上剤、受酸剤、アルミナ、窒化ホウ素等の熱伝導率向上剤、離型剤、水等の分散剤、エチニルシクロヘキサノール等の反応制御剤等を添加してもよい。これらの任意成分は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の帯電防止性シリコーンゴム組成物は、上記の各成分を二本ロールミル、バンバリーミキサー、ダウミキサー(ニーダー)等の混合装置を用いて均一に混合することにより得ることができるが、(A)及び(B)成分(必要に応じて任意成分であるシリカ表面処理剤や分散剤、更には必要に応じて水)を混合してベースコンパウンドを調製した後、(C)及び(D)成分(必要に応じて(A)成分の一部)を配合してもよく、あるいは(A)、(B)及び(D)成分(更には必要に応じて任意成分であるシリカ表面処理剤や分散剤)を混合して調製した後、(C)成分を配合してもよい。なお、ベースコンパウンド調製時など(C)成分を配合する前の混合において、20〜250℃、特に50〜200℃にて、0.1〜10時間、特に0.1〜5時間加熱処理して調製することが好ましい。
本発明の帯電防止性シリコーンゴム組成物は、加熱硬化と同時に成形することにより、ゴム状の弾性体(シリコーンゴム硬化物)からなる成型物を得ることができる。
上記シリコーンゴム組成物を硬化させる方法については、特に制限はないが、上述した硬化剤の分解及びシリコーンゴム組成物の加硫に十分な熱をかける方法であればよい。硬化の温度条件については硬化方法にもよるが、通常80〜400℃、特に100〜200℃で3秒〜160分間、特に3秒〜20分間である。また、その成形方法については、特に制限はなく、例えば、押し出し成形による連続加硫、プレス成形(加圧成形)、インジェクション成形等の成形方法を採用することができる。更に、必要に応じて、150〜250℃で1〜10時間程度で二次加硫(ポストキュア)してもよい。
以上のように、本発明の帯電防止性シリコーンゴム組成物であれば、絶縁性が維持されると共に帯電防止性に優れ、高温に暴露されてもブリードが少ないシリコーンゴム硬化物を与えるシリコーンゴム組成物となる。
詳しくは、本発明のシリコーンゴム組成物を加熱硬化して得られた硬化物の体積抵抗率は、JIS K6249に基づいて測定し、1GΩ・m(1×109Ω・m)以上、特に2GΩ・m(2×109Ω・m)以上であることが好ましい。上記範囲であると、電線被覆、キーパッド用途などに十分使用可能な絶縁レベルとすることができる。
また、帯電防止性能としては、スタチックオネストメーター(シシド静電気(株)製)を用いて、シリコーンゴム硬化物の表面に、コロナ放電により静電気を6kVチャージした後、その帯電圧が3kV(半分)になる時間(半減期)が、2分以内、特に1分以内であることが好ましく、5秒以内であることがより好ましい。
上述した本発明に係る帯電防止性シリコーンゴム組成物を硬化してなるシリコーンゴム硬化物は、半導体関連分野、電子機器分野、精密機器分野などの静電気や空気中の塵の吸着が問題とされ帯電防止性能が要求される幅広い用途に用いることができ、例えばコンデンサーや抵抗器等の小型電子部品の両端に銀やパラジウム等のコーティングを施して接点を形成する際に小型電子部品を整列して保持するために用いる帯電防止キャリアプレートに好適に用いることができる。例えば、特開2006−344826号公報に記載されているキャリアプレートを構成するゴム状弾性体に本発明の帯電防止性シリコーンゴム組成物を硬化させたシリコーンゴム硬化物を適用するとよい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示す。各生成物中に含まれるシラノール基における水酸基(シラノール性水酸基)の含有量(質量%)は、各生成物にグリニャール試薬(メチルマグネシウムヨージド)を作用させた際のメタンガス発生量より定量した。室温とは、25±5℃を意味する。
下記の実施例中のイオン液体平均組成は、日本電子(株)製300MHz−NMR測定装置を用いて、1H−NMR及び29Si−NMRにおける検出スペクトルの積分値から算出した。
また、下記におけるイオン液体平均組成中のTFSI-はビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを表す。
[合成例1]イオン液体1の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、下記式(6)で表されるシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物4.8g、トルエン45g、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.03g及びトリエチルアミン3.2gを仕込み、40℃に加熱した。その中に、イオン性化合物としてトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液35.2gを滴下投入し、50℃にて2時間加熱撹拌した。シラノール性水酸基の含有量測定により、原料のシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物由来のシラノール性水酸基が完全に消費され0質量%となったことを確認し、反応終了とした。
反応終了後の混合物を、10質量%芒硝水30gを用いて2回の水洗及び分液操作を行った後、減圧留去(80℃、5mmHg)を1時間実施し、濾過することで、下記式(7)で表されるイオン液体1を17g得た。
Figure 0006988781
[合成例2]イオン液体2の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、下記式(8)で表されるシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物21g、トルエン10g、アセトニトリル40g、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.03g及びトリエチルアミン5.8gを仕込み、40℃に加熱した。その中に、イオン性化合物としてトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液64.8gを滴下投入し、50℃にて2時間加熱撹拌した。シラノール性水酸基の含有量測定により、原料のシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物由来のシラノール性水酸基が完全に消費され0質量%となったことを確認し、反応終了とした。
反応終了後の混合物を、10質量%芒硝水100gを用いて2回の水洗及び分液操作を行った後、減圧留去(80℃、5mmHg)を1時間実施し、濾過することで、下記式(9)で表されるイオン液体2を49g得た。
Figure 0006988781
[合成例3]イオン液体3の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、下記式(10)で表されるシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物33.2g、トルエン10g、アセトニトリル40g、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.04g及びトリエチルアミン5.8gを仕込み、40℃に加熱した。その中に、イオン性化合物としてトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液64.8gを滴下投入し、50℃にて2時間加熱撹拌した。シラノール性水酸基の含有量測定により、原料のシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物由来のシラノール性水酸基が完全に消費され0質量%となったことを確認し、反応終了とした。
反応終了後の混合物を、10質量%芒硝水100gを用いて2回の水洗及び分液操作を行った後、減圧留去(80℃、5mmHg)を1時間実施し、濾過することで、下記式(11)で表されるイオン液体3を60g得た。
Figure 0006988781
[合成例4]イオン液体4の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、下記式(12)で表されるシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物45.4g、トルエン6.5g、アセトニトリル50g、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.05g及びトリエチルアミン3.8gを仕込み、40℃に加熱した。その中に、イオン性化合物としてトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液42.1gを滴下投入し、50℃にて2時間加熱撹拌した。シラノール性水酸基の含有量測定により、原料のシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物由来のシラノール性水酸基が完全に消費され0質量%となったことを確認し、反応終了とした。
反応終了後の混合物を、10質量%芒硝水100gを用いて2回の水洗及び分液操作を行った後、減圧留去(80℃、5mmHg)を1時間実施し、濾過することで、下記式(13)で表されるイオン液体4を58g得た。
Figure 0006988781
[合成例5]イオン液体5の合成
合成例3において、イオン性化合物であるトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液を、トリオクチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液83.3gに変更した以外は、合成例3と同様の手順で合成し、下記式(14)で表されるイオン液体5を55g得た。
Figure 0006988781
[合成例6]イオン液体6の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、下記式(15)で表されるシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物18g、トルエン10g、アセトニトリル40g、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.05g及びトリエチルアミン5.8gを仕込み、40℃に加熱した。その中に、イオン性化合物としてトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液65.0gを滴下投入し、50℃にて2時間加熱撹拌した。シラノール性水酸基の含有量測定により、原料のシラノール性水酸基含有オルガノポリシロキサン化合物由来のシラノール性水酸基が完全に消費され0質量%となったことを確認し、反応終了とした。
反応終了後の混合物を、10質量%芒硝水100gを用いて2回の水洗及び分液操作を行った後、減圧留去(80℃、5mmHg)を1時間実施し、濾過することで、下記式(16)で表されるイオン液体6を50g得た。
Figure 0006988781
[合成例7]イオン液体7の合成
合成例3において、イオン性化合物であるトリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの50質量%トルエン溶液を、トリブチル{(クロロジメチルシリル)メチル}ホスホニウム=クロライドの72質量%アセトニトリル溶液26.4gに変更した以外は、合成例3と同様の手順で合成し、下記式(17)で表されるイオン液体7を45g得た。
Figure 0006988781
[合成例8]イオン液体8の合成
1,1,1−トリブチル−1−(トリメトキシシリルプロピル)ホスホニウム=クロライド96.5gをアセトン440gに溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム70.5gを混合して24時間室温で撹拌した。得られた反応液をエバポレーターにて濃縮し、濃縮残渣に酢酸エチル177.2gを加えて濾過することにより析出した結晶を除去して、再度エバポレーターにて濃縮し、下記式(18)で表されるイオン液体8を150g得た。
Figure 0006988781
[実施例1]
(A−1)主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)100質量部、(B−1)BET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(商品名「アエロジル200」、日本アエロジル(株)製)40質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン6質量部をニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してベースコンパウンド1を調製した。
上記「ベースコンパウンド1」100質量部に対し、(D−1)上記合成例1で得た式(7)に示すイオン液体1を0.01質量部、(C−1)架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部を添加し、均一に混合してシリコーンゴム組成物1を得た。
シリコーンゴム組成物1を170℃/10分のプレスキュア(一次加硫)後、オーブン内で200℃/4時間のポストキュア(二次加硫)を行って、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[実施例2]
実施例1において(D−1)イオン液体1を(D−2)合成例2で得た式(9)に示すイオン液体2に変更し、それ以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物2を得た。
得られたシリコーンゴム組成物2を実施例1と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[実施例3]
実施例1において(D−1)イオン液体1を(D−3)合成例3で得た式(11)に示すイオン液体3に変更し、それ以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物3を得た。
得られたシリコーンゴム組成物3を実施例1と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[比較例1]
実施例1において(D−1)イオン液体1を添加せず、それ以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物4を得た。
得られたシリコーンゴム組成物4を実施例1と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
得られたシリコーンゴム硬化物を用いて、以下のようにして帯電防止性、体積抵抗率、ブリード性、黄変の評価を行った。
(帯電防止性の測定(半減期測定法))
スタチックオネストメーター(シシド静電気(株)製)を用いて、ポストキュア後(初期)のシリコーンゴム硬化物の表面に、コロナ放電により静電気を6kVチャージした後、その帯電圧が半分(3kV)になる時間を測定した。
(体積抵抗率の測定)
JIS K6249に基づいて、ポストキュア後のシリコーンゴム硬化物の体積抵抗率を測定した。
ポストキュア後のシリコーンゴム硬化物を耐熱試験として200℃の乾燥機に3日間放置した後、この耐熱試験後のシリコーンゴム硬化物について上記帯電防止性の測定を行うと共に、次のブリード性及び黄変の評価を行った。
(ブリード性評価)
耐熱試験後のシリコーンゴム硬化物表面のイオン液体のブリードの有無を目視にて観察した。
(黄変の評価)
耐熱試験後のシリコーンゴム硬化物の黄変の有無を目視にて観察した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006988781
[実施例4]
(A−2)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750であるジメチルポリシロキサン60質量部、(B−2)BET法による比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(商品名「アエロジル300」、日本アエロジル(株)製)40質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、及び水2質量部を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続けた後、冷却してシリコーンゴムベース組成物を得た。
このシリコーンゴムベース組成物100質量部に、(A−2)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750であるジメチルポリシロキサン6質量部、(A−3)分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、主鎖のジオルガノシロキサン単位中にビニルメチルシロキサン単位を10モル%含有する平均重合度が150であるジメチルポリシロキサン5質量部、(D−3)合成例3で得た式(11)に示すイオン液体3を0.01質量部、(C−2)白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部と架橋剤として側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度38、SiH基が0.0074モル%の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)3質量部(SiH基/ビニル基合計量=1.75モル/モル)、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物5を得た。この場合、上記シリコーンゴムベース組成物100質量部と、これに追加した上記(A−2)成分6質量部及び(A−3)成分5質量部とを合わせたものがベースコンパウンドであり、(D−3)成分の配合量はこのベースコンパウンド100質量部に対して0.009質量部となる。
シリコーンゴム組成物5を120℃/10分のプレスキュア(一次加硫)後、オーブン内で150℃/1時間のポストキュア(二次加硫)を行って、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[実施例5]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−4)合成例4で得た式(13)に示すイオン液体4に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物6を得た。
得られたシリコーンゴム組成物6を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[実施例6]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−5)合成例5で得た式(14)に示すイオン液体5に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物7を得た。
得られたシリコーンゴム組成物7を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[実施例7]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−6)合成例6で得た式(16)に示すイオン液体6に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物8を得た。
得られたシリコーンゴム組成物8を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[比較例2]
実施例4において(D−3)イオン液体3を添加せず、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物9を得た。
得られたシリコーンゴム組成物9を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[比較例3]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−7)合成例7で得た式(17)に示すイオン液体7に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物10を得た。
得られたシリコーンゴム組成物10を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[比較例4]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−8)合成例8で得た式(18)に示すイオン液体8に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物11を得た。
得られたシリコーンゴム組成物11を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
[比較例5]
実施例4において(D−3)イオン液体3を(D−9)下記式(19)
N(CH3)(C8173 + TFSI- (19)
に示すメチルトリオクチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのイオン液体9に変更し、それ以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物12を得た。
得られたシリコーンゴム組成物12を実施例4と同じ条件で硬化させ、厚さ2mmのシート状のシリコーンゴム硬化物を得た。
得られたシリコーンゴム硬化物を用いて、上記帯電防止性、体積抵抗率、ブリード性、黄変の評価を行った。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0006988781
なお、これまで本発明を上記実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (9)

  1. 1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンを含むベースコンパウンド及び硬化剤を含み、熱硬化により絶縁性シリコーンゴム硬化物を与えるベース組成物に、1分子中に少なくとも1個の重合性反応基を有し、ホスホニウム型カチオンと含フッ素アニオンを含むものであって、該ホスホニウム型カチオンが重合性反応基を有するオルガノポリシロキサン構造を含むイオン液体を上記ベースコンパウンド100質量部に対して0.001〜5質量部配合したものである帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  2. 上記ベースコンパウンドが、(A)重合度が100以上であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部及び(B)BET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ:10〜100質量部を含有するものである請求項1記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  3. 上記含フッ素アニオンがトリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン又はヘキサフルオロホスフェートアニオンである請求項1又は2記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  4. 上記イオン液体が下記式(3)で表されるイオン液体である請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
    Figure 0006988781
    (式中、Yは重合性反応基であり、Zは単結合又はオルガノポリシロキサン構造を含む2〜20価の基であり、R3は互いに独立して単結合、又は非置換若しくは置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、R4、R5及びR6はそれぞれ互いに独立して非置換若しくは置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基である。また、rは1〜10の整数、sは1〜10の整数であり、かつr+sがZの価数に対応する2〜20の整数である。)
  5. 上記重合性反応基が、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基又はスチリルオキシ基である請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  6. 上記硬化剤がオルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせを含む請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  7. 上記硬化剤が有機過酸化物を含む請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  8. 6kVの静電気をチャージした後、その帯電圧が3kVになる半減期が2分以内の帯電防止能を有するシリコーンゴム硬化物を与えるものである請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性シリコーンゴム組成物を硬化してなるシリコーンゴム硬化物を使用した帯電防止キャリアプレート。
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