JP4605342B2 - 耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及びシリコーン接着剤 - Google Patents

耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及びシリコーン接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、200℃以上の高温下でもゴム物性を保持し、かつ接着力を維持することが可能となる耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及び耐熱用付加反応硬化型シリコーン接着剤に関するものである。
従来の技術では、シリコーン組成物中に、いわゆるベンガラと呼ばれる酸化鉄を添加することにより耐熱性向上を行っている。また、接着を有利にするために、エポキシ基を含む有機珪素化合物を添加している。しかしながら、このような組成物では、長期間高温状態に放置するとゴム物性が固くなり、弾性体としての能力が著しく低下する。
なお、本発明に関連する先行技術としては下記のものが挙げられる。
特開平11−106659号公報
従って、本発明の目的は、耐熱試験を行っても長期に亘って安定したゴム物性を維持することが可能な耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及びシリコーン接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化反応触媒を含む付加反応硬化型シリコーンゴム組成物にγ−Fe23(マグヘマイト)を配合することにより、200℃以上の高温下でも良好なゴム物性を保持し得るシリコーンゴム硬化物が得られること、更に、接着付与成分である有機珪素化合物を配合することにより、200℃以上の高温下でも良好な接着力を有するシリコーンゴム硬化物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれる珪素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基1モル当たり、0.1〜5.0モルとなる量、
(C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒、
(D)耐熱向上剤として磁性酸化鉄である嵩密度が0.1〜0.6g/cm3であるγ−Fe23(マグヘマイト):15質量部以上100質量部未満
を必須成分とすることを特徴とする耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物、及び上記(A)〜(D)成分に加えて、
(E)接着付与成分である有機珪素化合物:0.1〜10質量部
を配合することを特徴とする耐熱用付加反応硬化型シリコーン接着剤を提供する。
本発明は、耐久試験を行っても長期に亘って安定した接着を維持することが可能な耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物及びシリコーン接着剤を提供でき、電気・電子関連の分野で特に性能向上が期待できる。
本発明の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)ヒドロシリル化反応触媒と、(D)耐熱向上剤として磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)を含有し、更にこれをシリコーン接着剤として用いる場合は、上記(A)〜(D)成分に加えて(E)接着付与成分を含有する。
(A)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン
本発明に用いるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するもので、通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のものであるのが一般的であるが、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等の物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。アルケニル基は、分子鎖の両末端のみに存在していても、あるいは分子鎖の両末端及び分子鎖の途中に存在していてもよい。このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記一般式(1)
Figure 0004605342
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基であり、nは0又は1以上の整数であり、mは0又は1以上の整数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
上記一般式(1)中、R1の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基などが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、フェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。
上記一般式(1)中、Xのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜4の低級アルケニル基が好ましい。
上記一般式(1)中、nは0又は1以上の整数であり、mは0又は1以上の整数である。また、n及びmは、10≦n+m≦10,000を満たす整数であるのが好ましく、より好ましくは50≦n+m≦2,000であり、かつ0≦m/(n+m)≦0.2を満足する整数であるが、アルケニル基は珪素原子に結合する全有機基(全R1及びX)中0.01〜20モル%、特に0.05〜10モル%であることが好ましい。
また、このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、オストワルド粘度計又は回転粘度計による測定値で25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・s、特に100〜500,000mPa・s程度のものが好ましい。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の珪素原子に結合する水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状あるいは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(2):
a2 bSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.8≦b≦2かつ0.8<a+b≦3となる正数であり、好ましくは0.05≦a≦1、0.9≦b≦2かつ1≦a+b≦2.7となる正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
上記平均組成式(2)中、R2の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、前記一般式(1)のR1として例示したものと同様のものが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等、R2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR3SiO1/2単位、R2SiO2/2単位、R(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はRSiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、Rは前記のR2として例示した非置換又は置換の1価炭化水素基と同様のものである)などが挙げられる。
本発明に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R2SiHCl2及びR2 2SiHCl(式中、R2は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、あるいは該クロロシランと一般式:R2 3SiCl及びR2 2SiCl2(式中、R2は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)が、通常0.1〜5モルとなるような量、好ましくは0.5〜2.5モル、より好ましくは1.0〜2.0モルとなるような量である。
(C)ヒドロシリル化反応触媒
本発明に用いるヒドロシリル化反応触媒としては、白金族金属系触媒が好適に使用される。白金族金属系触媒は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)成分の珪素原子に結合する水素原子との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、白金化合物として、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
(C)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する白金族金属の重量換算で、通常0.1〜1,000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、特には0.5〜200ppm程度でよい。
(D)耐熱向上剤
耐熱向上剤としては、三二酸化鉄と呼ばれるいわゆるベンガラではなく、磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)を用いる。これは従来、音楽やデータを保存するための磁気テープに使用されているものである。しかしながら、これをベンガラの代替品として用いると、驚くべきことに、ベンガラを配合した場合に比べて極めて耐熱性に優れたシリコーンゴム硬化物が得られることを確認したものである。磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)の平均粒径は、通常0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは0.3〜2.0μm程度が望ましく、平均粒径が小さすぎても大きすぎても分散不良となるため作業性に劣る場合がある。また、嵩密度は0.1〜0.6g/cm3、比表面積(BET法)は5〜40m2/gであることが望ましい。添加量としては、(A)成分100質量部に対して、5〜300質量部であり、最も望ましい添加量は20質量部以上100質量部未満である。この磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)を用いることで、高温放置後でもゴム物性を著しく向上させることが可能となる。なお、平均粒径は、例えばレーザー光回折法による粘度分布測定における累積重量平均値(D50)又はメジアン径等として測定することができる。
(E)接着付与成分
必要に応じて配合し得る任意成分としての接着付与成分としては、有機珪素化合物を使用するもので、好ましくは一分子中に珪素原子に結合した水素原子を1個以上有し、かつ珪素原子に直結したアルコキシ基及び/又は炭素原子を介して珪素原子に結合するエポキシ基を有する、通常、珪素原子数2〜30個、好ましくは4〜20個程度の、直鎖状又は環状構造等のオルガノシロキサンオリゴマーなどの有機珪素化合物である。具体例としては下記のものが挙げられる。なお、下記例でMeはメチル基を示す。
Figure 0004605342
上記(E)成分の接着付与成分の配合量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、通常10質量部以下(即ち、0〜10質量部)、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5.0質量部程度とすることができる。
その他の成分として、補強性のある微粉末状のシリカを配合することが推奨される。この微粉末シリカは硬化物の機械的強度を補強するためのもので、従来シリコーンゴムに使用されている公知のものでよく、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ、石英粉末、珪藻土などがある。これらは1種又は2種以上併用してもよい。これらのシリカ粒子は通常BET法による比表面積が50m2/g以上、特に50〜500m2/g程度のものが一般的である。このような微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、本発明の組成物に良好な流動性を付与させるため、メチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機珪素化合物で処理したものを使用することが好ましい。その配合量は、(A)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、通常、50質量部以下(即ち、0〜50質量部)配合することができ、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは3〜15質量部である。
更に、本発明には、前記(A)〜(E)成分以外に、必要に応じて、例えば、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤、補強性のシリコーンレジン、珪酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤などを添加することができる。これらの無機充填剤の使用量は、通常、該無機充填剤を除く成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜200質量部である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において粘度は回転粘度計による測定値である。
[実施例、比較例]
下記の原料を使用し、検討を行った。
(A−1)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン
Figure 0004605342
(式中、Meはメチルであり、Viはビニル基であり、nは該シロキサンの25℃における粘度が30,000mPa・sとなるような数である。)
で表されるビニル基含有の直鎖状オルガノポリシオキサン
(A−2)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン
Figure 0004605342
(式中、Meはメチルであり、Viはビニル基であり、nは該シロキサンの25℃における粘度が600mPa・sとなるような数である。)
で表されるビニル基含有の直鎖状オルガノポリシオキサン
(B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0004605342
(C)ヒドロシリル化反応触媒
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液(白金元素含有量0.5質量%)
(D)耐熱向上剤
(D−1)磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)(MX−450、戸田工業(株)製)
(D−2)ベンガラ粉末(130ED、戸田工業(株)製)
(E)接着付与成分(有機珪素化合物)
Figure 0004605342
(F)無機充填剤(ヒュームドシリカ、信越化学工業(株)製)
(G)反応制御剤(エチニル−シクロヘキサノール/50%トルエン溶液)
Figure 0004605342
上記表1の成分を用いてシリコーンゴム組成物を調製した。組成物化の方法は、以下の通りである。まず、(A)と(D)を十分に混合させ、必要に応じてロールを用いて粉末を潰し、均一に混ざるようにする。その後、(B)、(C)、(E)、(F)、(G)を添加、十分に撹拌後、減圧脱泡を行う。
得られたシリコーンゴム組成物を120℃、60分の条件で硬化させ、この初期硬化物の物性を評価すると共に、これを300℃で1週間、4週間保持させた後の硬化物の物性を評価した。物性は硬さ、切断時伸び、引っ張り強さについて行ったが、この場合、硬さは「デュロメータタイプA」、「切断時伸び」と「引っ張り強さ」はJIS K6249に準じた。結果を表2〜4に示す。
Figure 0004605342
Figure 0004605342
Figure 0004605342
上記のように、[比較例1]では従来のベンガラ粉末を用い、[比較例2]では耐熱向上剤を添加しなかった。耐熱向上剤を添加しない組成では、300℃×1週間後で既に組成物が測定前破壊した。[比較例1]と[実施例1]を比較すると、同じ部数の耐熱向上剤の添加であるにもかかわらず、磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)を用いたほうが硬さ上昇並びに切断時伸びの低下の抑制に寄与することが分かった。また、磁性酸化鉄であるγ−Fe23(マグヘマイト)の添加部数を増やすと、更に耐熱時の物性低下を抑制できることが分かった。
従って、本発明のシリコーンゴム組成物を用いると300℃×4週間という過酷な条件でもゴム物性を保持することが可能となる。

Claims (5)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン:100質量部
    (B)珪素原子に結合する水素原子を一分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれる珪素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基1モル当たり、0.1〜5.0モルとなる量
    (C)触媒量のヒドロシリル化反応触媒
    (D)耐熱向上剤として磁性酸化鉄である嵩密度が0.1〜0.6g/cm3であるγ−Fe23(マグヘマイト):15質量部以上100質量部未満
    を必須成分とすることを特徴とする耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
  2. (D)γ−Fe23(マグヘマイト)の粒径が0.05〜5.0μmであることを特徴とする請求項1記載の耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
  3. (D)γ−Fe23(マグヘマイト)の比表面積が5〜40m2/gであることを特徴とする請求項1又は2記載の耐熱用付加反応硬化型シリコーンゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の耐熱用シリコーンゴム組成物に、更に(E)接着付与成分である有機珪素化合物を0.1〜10質量部配合してなる耐熱用付加反応硬化型シリコーン接着剤。
  5. (E)接着付与成分である有機珪素化合物が、一分子中に珪素原子に結合した水素原子を1個以上有し、かつ珪素原子に直結したアルコキシ基及び/又は炭素原子を介して珪素原子に結合するエポキシ基を有することを特徴とする請求項4記載の耐熱用付加反応硬化型シリコーン接着剤。
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