JP5673402B2 - 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室温においても良好に硬化して接着発現するエラストマー状硬化物(シリコーンゴム硬化物)を与える付加硬化型シリコーン接着剤組成物、及びその接着方法に関する。
従来の付加硬化型シリコーン接着剤組成物は、良好に硬化させる際に加熱を必要とし、その温度も100℃以上である。この条件では温度条件を管理した装置の導入、維持管理などが発生する。また温度を一定に保つためにエネルギーも必要とする。
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
特開平5−112769号公報 特開平7−70542号公報 特開平8−231939号公報 特開平11−335564号公報 特開2004−292777号公報 特開2006−22284号公報 特開2007−9189号公報 特開2008−169386号公報 特開2009−221312号公報 特開2009−292901号公報 特開2010−242087号公報 特表2010−539308号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、室温硬化させても接着発現を可能とし、更により短時間での接着発現を可能とする付加硬化型シリコーン接着剤組成物、及びその接着方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記組成の付加硬化型シリコーン接着剤組成物が、室温により短時間で硬化して、接着性を発現することを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法を提供する。
〔請求項1〕
(A)下記平均組成式(1):
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は独立にアルケニル基、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a≦2、0.5≦b<3かつ0.8<a+b≦3となる数である。)
で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記平均組成式(2):
c3 dSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数である。)
で表されるケイ素原子に結合する水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、
(A)成分、(C)成分、(E)成分のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和基
の合計に対して、0.2〜5.0個となる量、
(C)下記式から選ばれる1分子中に芳香族環とアルケニル基を有するシラン化合物
0.05〜5質量部、
Figure 0005673402

Figure 0005673402
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量、
(E)1分子中に1個以上のアルケニル基及び/又は(メタ)アクリル基を有し、更にアルコキシ基、カルボニル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基からなる群のうち少なくとも1個を含む化合物(但し、芳香族環を有するシラン化合物は除く)
0.05〜5質量部
を含有することを特徴とする付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
〔請求項
請求項記載の接着剤組成物を室温にて硬化・接着させることを特徴とする接着方法。
本発明の付加硬化型シリコーン接着剤組成物は、特に加熱をしなくとも室温で良好に硬化して接着性を発現する。
本発明の付加硬化型シリコーン接着剤組成物は、加熱する必要のない室温、例えば10〜40℃程度により硬化させても短時間で良好な接着性を発現する。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1):
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は独立にアルケニル基、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a≦2、0.5≦b<3かつ0.8<a+b≦3となる数である。)
で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンである。
上記式において、R1としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の炭素原子数2〜8のものが挙げられ、特に、ビニル基が好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。アルケニル基の含有量としては0<a≦2、好ましくは0.001<a≦1を満たす量である。
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などの炭素原子数1〜12、特に炭素原子数1〜10の脂肪族不飽和結合を除く非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐状が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。好ましくは、直鎖状、分岐状、直鎖状と分岐状の組み合わせであり、特に好ましくは直鎖状と分岐状の組み合わせである。この場合、直鎖状と分岐状の比率は、質量比で99〜1:50〜50、特に98〜2:80〜20である。
(A)成分の25℃における粘度(混合物の場合は、混合物の粘度)は、得られるシリコーンゴム硬化物の物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定したものである。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と少量の式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体(但し、式中、R1、R2は前記と同様である。)、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)で表されるものであり、分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
c3 dSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数であり、好ましくは0.05≦c≦1、1.5≦d≦2かつ1.8≦c+d≦2.7となる数である。)
式中、R3の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基としては、前記一般式(1)のR1として例示したものと同様のものが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R3 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR3 3SiO1/2単位、R3 2SiO2/2単位、R3(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR3SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R3は前記と同様である。)などが挙げられ、特には下記式:
Figure 0005673402

(但し、R3は前記と同じであり、e,f,gはそれぞれ0又は1以上の整数であり、hは2以上の整数である。)
等で表されるものが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R3SiHCl2及びR3 2SiHCl(式中、R3は前記と同様である。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解縮合し、或いは該クロロシランと一般式:R3 3SiCl及びR3 2SiCl2(式中、R3は前記と同様である。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解縮合して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解縮合して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分、(C)成分、(E)成分のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和基1モル当たり、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)が、通常0.2〜5.0モルとなるような量、好ましくは0.5〜3.0モルとなるような量である。SiH基が少なすぎると硬化が不十分となり、接着性が低下することがあり、多すぎても未反応の架橋剤により接着性が不安定となることがある。
(C)芳香族環とアルケニル基を含むシラン化合物
(C)成分は1個以上、好ましくは1個又は2個、より好ましくは1個の芳香族環、好ましくはベンゼン環と、1個以上、好ましくは1〜3個のアルケニル基を同1分子内に有するシラン化合物であり、この(C)成分と、後述する(E)成分とを組み合わせてシリコーン接着剤組成物に配合することで、室温硬化における各種被着体への接着性が向上し、従来は室温にて24時間以上を要するところが12時間以内に短縮することが可能となる。
(C)成分のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の炭素原子数2〜8のものが挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。
シラン化合物中のアルケニル基は、ケイ素原子に直接結合していてもよく、芳香族環に結合していてもよい。
また、シラン化合物中の芳香族環は、ケイ素原子に直接結合していてもよく、アルキレン基を介して結合していてもよい。ここで、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)等の炭素原子数1〜4のものが挙げられる。
また、(C)成分のシラン化合物において、アルケニル基と芳香族環以外のケイ素原子に結合するその他の基としては、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素原子数1〜8のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基などが挙げられる。
このような(C)成分として、具体的な構造の一例を以下に示す。
Figure 0005673402
Figure 0005673402
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜5質量部であり、好ましくは0.1〜3質量部である。(C)成分が少なすぎても多すぎても接着性が不十分となることがある。
(D)ヒドロシリル化反応触媒
本発明に用いられるヒドロシリル化反応触媒は、前記の(A)成分、(C)成分及び後述する(E)成分のアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合する水素原子との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、白金族金属系触媒が例示でき、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
(D)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)成分に対する白金族金属の質量換算で、0.1〜500ppm、特には0.5〜200ppm程度でよい。
(E)接着助剤
本発明に用いられる接着助剤は、1分子中に1個以上のアルケニル基及び/又は(メタ)アクリル基を有し、更にアルコキシ基、カルボニル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基からなる群のうち少なくとも1個を含む化合物である。但し、シラン化合物の場合は芳香族環を有さない。即ち、上記(C)成分である1個以上の芳香族環と1個以上のアルケニル基を同1分子内に有するシラン化合物を含まない。
(E)成分の具体的な例は以下の通りである。
KBM1003(商品名、ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
KBE1003(商品名、ビニルトリエトキシシラン、信越化学工業(株)製)
アリルグリシジルエーテル
ビニルシクロヘキセンモノオキサイド
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート
KBM503(商品名、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)及びその加水分解物
KBM502(商品名、γ−(メタクリロキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、信越化学工業(株)製)及びその加水分解物
4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
フェノキシ酢酸アリル
2−アリルマロン酸ジエチル
イソフタル酸アリル
酢酸ビニル
安息香酸ビニル
アクリル酸フェニル
フェニル酢酸アリル
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜5質量部であり、好ましくは0.5〜3質量部である。(E)成分の配合量が少なすぎても多すぎても接着性が不十分となることがある。
また、本発明においては、(C)成分1モル当り0.3〜3モル、特に0.5〜2モルの割合で配合することが好ましい。
その他の成分
本発明の組成物には、その他の成分として、補強性のある微粉末状のシリカを配合することが好ましい。この微粉末シリカは硬化物の機械的強度を補強するためのもので、従来シリコーンゴム組成物に使用されている公知のものでよく、例えば、煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ、石英粉末、珪藻土などがある。これらは1種単独で使用しても2種以上併用してもよい。
これらのシリカは、通常BET法による比表面積が50m2/g以上、特に50〜500m2/g程度のものが一般的である。このような微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、本発明組成物に良好な流動性を付与させるため、メチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機ケイ素化合物で処理したものを使用することが好ましい。
シリカの配合量は、(A)成分100質量部に対して通常0〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。配合量が少なすぎると補強効果が不十分となることがあり、多すぎると作業性が低下したり、硬化物の弾性が低下することがある。
また、接着性を更に向上させるために、一般的に接着付与成分として用いられるエポキシ基やアルコキシ基を含有する上記成分以外の有機ケイ素化合物、ベンゼン環にエステル基が結合している化合物など、本組成物の(C)成分、(E)成分以外の接着性を向上させるものであれば添加しても構わない。これらの中でも、特に下記式で表されるテトラメチルテトラシクロシロキサンにアリルグリシジルエーテルを付加させた化合物を用いることができる。
Figure 0005673402

(式中、Meはメチル基である。)
更に、本発明の組成物には、必要に応じて、例えば、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤;補強性のシリコーンレジン;ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック、アルミナ等の非補強性無機充填剤などを添加することができる。これらの無機充填剤の使用量は、通常、上記(A)〜(E)成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜200質量部である。
本発明の付加硬化型シリコーン接着剤組成物は、上記各成分の所定量を常法に準じて混合することにより得ることができる。なお、この組成物は、上記成分を全て混合した1成分系の組成物としてだけではなく、使用直前に混合してから用いる2成分系以上の組成物としてもよい。
このようにして得られた本発明のシリコーン接着剤組成物は、付加硬化型の組成物でありながら、特別の加熱の必要のない室温、例えば10〜40℃程度、特に20〜30℃で通常30分〜24時間程度硬化させることができる。本発明のシリコーン接着剤組成物は、室温硬化させても良好な接着性を発現し、更により短時間で接着発現を可能とするものである。
本発明のシリコーン接着剤組成物は、金属やゴム、プラスチック等の基材との接着に用いられ、特に加熱すると部品が壊れてしまったり、性能が低下してしまうような精密部品の接着や自動車、鉄道、船舶、航空機等の輸送機器に使用される部品の固定や接着等に好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示す。また、下記例において、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
[実施例1〜9、比較例1〜3]
原料として下記のものを使用した。
(A−1)下記式で表されるビニル基含有の直鎖状オルガノポリシロキサン
Figure 0005673402

(式中、mは該シロキサンの25℃における粘度が10,000mPa・sとなるような数である。)
(A−2)下記シロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体
Vi(Me)2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるビニル基含有メチルポリシロキサンレジン(VMQ85、信越化学工業(株)製)
(B)下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0005673402
(C−1)下記式で表されるシラン化合物
Figure 0005673402
(C−2)下記式で表されるシラン化合物
Figure 0005673402
(C−3)下記式で表されるシラン化合物
Figure 0005673402
(C−4)下記式で表されるシラン化合物
Figure 0005673402
(C−5)下記式で表されるシラン化合物
Figure 0005673402
(D)ヒドロシリル化反応触媒
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液
(白金元素含有量0.5質量%)
(E)接着助剤
(E−1)下記式で表されるアリルグリシジルエーテル
Figure 0005673402
(E−2)下記式で表されるビニルシクロヘキセンモノオキサイド
Figure 0005673402
(E−3)下記式で表される4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
Figure 0005673402
(E−4)KBM1003(商品名、下記式で表されるビニルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
Figure 0005673402
(E−5)KBM503(商品名、下記式で表されるメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
Figure 0005673402
(F)充填剤 Musil 130A(商品名、ヒュームドシリカ、信越化学工業(株)製)
(G)制御剤 アセチレンアルコール
(H)(C)成分、(E)成分以外の接着助剤
(H−1)KBM403(商品名、下記式で表される3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
Figure 0005673402
(H−2)下記式で表される、テトラメチルテトラシクロシロキサンにアリルグリシジルエーテルを付加させた化合物、信越化学工業(株)製
Figure 0005673402
実験方法
下記表1に示されるシリコーン接着剤組成物を作製した。具体的には、上記(A−1)、(A−2)、(D)、(F)成分を予め混合させ、その後上記(G)、(B)、(C)、(E)、(H−1)、(H−2)成分の順で添加し、十分に攪拌を行ってから脱泡工程を加えてシリコーン接着剤組成物を調製した。
得られたシリコーン接着剤組成物を用いて接着試験片を作製した。接着試験片には、被着体としてアルミニウムとPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂の100mm×25mm(厚さ1mm)の板を用いた。各種被着体2枚をそれぞれの端部が重なるようにして上記シリコーン接着剤組成物を挟んで重ね合わせ、該組成物を硬化させて接着試験片とした。シリコーン接着剤組成物による接着面積は25mm×10mmとし、接着厚みは2mmとした。シリコーン接着剤組成物の硬化温度は23±2℃とし、硬化時間は12時間とした。
得られた接着試験片を引っぱり試験機(島津製作所製AG−IS)を使って50mm/minの速さで引っぱった時の剪断接着力の測定と、接着剤の破壊状態を確認した。接着剤の破壊状態は凝集破壊、薄層凝集破壊、界面剥離の3種類に分けられる。理想的な破壊状態は、凝集破壊である。破壊状態に付随させた数値は、接着面積のうち凝集破壊の面積の割合を示した。結果を表1に併記する。
Figure 0005673402
上記結果から明らかなように、(C)成分を添加することで、室温でも著しく接着性が向上することが確認された。

Claims (2)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、R1は独立にアルケニル基、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0<a≦2、0.5≦b<3かつ0.8<a+b≦3となる数である。)
    で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)下記平均組成式(2):
    c3 dSiO(4-c-d)/2 (2)
    (式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数である。)
    で表されるケイ素原子に結合する水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、
    (A)成分、(C)成分、(E)成分のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和基
    の合計に対して、0.2〜5.0個となる量、
    (C)下記式から選ばれる1分子中に芳香族環とアルケニル基を有するシラン化合物
    0.05〜5質量部、
    Figure 0005673402

    Figure 0005673402
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量、
    (E)1分子中に1個以上のアルケニル基及び/又は(メタ)アクリル基を有し、更にアルコキシ基、カルボニル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基からなる群のうち少なくとも1個を含む化合物(但し、芳香族環を有するシラン化合物は除く)
    0.05〜5質量部
    を含有することを特徴とする付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
  2. 請求項記載の接着剤組成物を室温にて硬化・接着させることを特徴とする接着方法。
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