JP3983333B2 - 付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物に関し、特に電子部材の封止剤又は接着剤として有用な該組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の実装されたデバイスに不良の電子部品が発見された場合に、製造コスト等の面から不良部品の交換が要求されている。特に、今日のデバイスは電子部品の高密度化又は高集積化が進んでいるため、上記の要求が一層増している。
ところで、実装された電子部品の多くは、封止剤又は接着剤が被着されている。したがって、検査等の中間工程で不良の電子部品を発見して交換する際には、該封止剤又は接着剤を容易に除去できる必要がある。そのため、剥がしやすい接着剤として、熱可塑性樹脂をベースとしたものが市販されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、該接着剤は、デバイス等から剥離しやすいために信頼性に欠け、また、耐熱性にも劣るという欠点を有する。
そこで、本発明の課題は、検査工程等の中間段階では電子部品等から容易に除去でき(即ち、リペア性に優れ)、製品に接着された段階では容易には脱落せず、耐久性にも優れる封止剤又は接着剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、常温又は低温硬化時には剥離性を有し、さらなる高温加熱により優れた接着性を発現する硬化物により、解決できることを見出した。
本発明は、
(A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン、(B) SiO2単位(以下、「a単位」と呼ぶ)、
Vi(R1)2SiO0.5単位(以下、「b単位」と呼ぶ)、及び
(R1)3SiO0.5単位(以下、「c単位」と呼ぶ)
(ここで、Viはビニル基、R1は脂肪族不飽和二重結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基を表す)
からなるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
(C) 1分子中に、少なくとも1個の≡SiOR2基(ここで、R2は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基を表す)、及び少なくとも2個の−Si(R3)2H基(ここで、R3は一価炭化水素基を表す)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに
(D) 白金族金属系触媒
を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物である。
該組成物を低温(例えば100℃未満、特に80℃以下)で硬化させると、充分な強度を有し、かつ接着力が小さくて剥離しやすい硬化物が得られる。この硬化物を、さらに高温(例えば100℃以上、特に110℃以上)で加熱すると、接着力の大きい硬化物が得られる。
以下、本発明の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物を詳述する。
【0005】
【発明の実施の形態】
〔付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物〕
成分 (A)
成分(A)は、1分子中に少なくとも2個のビニル基を有するジオルガノポリシロキサンであり、本発明の組成物のベース成分である。
成分(A)の構造は、直鎖状、環状、あるいは一部分岐状を含んだ構造でよいが、通常は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンが一般的である。
【0006】
また、1分子中に少なくとも2個含有されるビニル基は、分子鎖末端のケイ素原子、又は分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したものでもよく、また、両方に結合したものでもよい。硬化物の強度等の物性の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したビニル基が好ましい。
【0007】
このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば一般式(1):
【0008】
【化1】
〔式中、R1は脂肪族不飽和二重結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、nは正の整数、mは0又は正の整数、かつ25℃の粘度が10〜20,000cStの範囲となる数である〕
で示される、分子鎖両末端がビニルジオルガノシリル基で封鎖された、基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサン化合物が挙げられる。
n及びmは、一般的には、1≦n+m≦10,000を満足する整数、好ましくは、4≦n+m≦2,000 かつ0≦m/(n+m)≦0.2 、特に0≦m/(n+m)≦0.01 を満足する整数である。
【0009】
一般式(1) において、R1で示される脂肪族不飽和二重結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;並びにこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した基(例えばクロロメチル基、シアノエチル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基)を例示することができる。これらの中では、炭素原子数が1〜10、特に1〜6のものが好適である。
【0010】
一般式(1)で示されるビニル基含有ジオルガノポリシロキサンの代表例としては、以下の式群で表されるものが挙げられる。以下の式中、L及びnは、それぞれ、正の整数であり、mは0又は正の整数であり、n+L又はn+L+mは、それぞれ25℃における粘度が前述した範囲となるような数とする。
【0011】
【化2】
【0012】
成分 (B)
成分(B)は、基本的に、a単位(SiO2単位)単位、b単位〔Vi(R1)2SiO0.5単位〕及びc単位〔(R1)3SiO0.5単位〕からなるレジン構造(即ち、三次元網状構造)のオルガノポリシロキサン樹脂であり、得られる硬化物の物理的強度を改善するために配合される。b単位及びc単位中の一価炭化水素基 R1としては、前記一般式(1)中のR1と同様のものを例示することができ、好ましくはメチル基及びフェニル基である。
【0013】
このオルガノポリシロキサン樹脂には、必要に応じて(R1)2SiO単位、Vi(R1)SiO単位、R1SiO1.5単位及びViSiO1.5単位〔ここで、Viはビニル基であり、R1は一般式(1)中のR1と同様である〕の一種又は二種以上を、本発明の目的を損わない程度、例えばa単位、b単位及びc単位の合計に対して、10モル%以下まで配合することは差し支えない。
【0014】
この成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂は、例えば下記の一般組成式(2):
[SiO2]a[Vi(R1)2SiO0.5]b[(R1)3SiO0.5]c (2)
〔式中、a、b及びcは、a+b+c=1、かつ0.5≦(b+c)/a≦1.5、好ましくは0.65≦(b+c)/a≦1.3を満足する正の数である〕
で表される。ここで、(b+c)/aの値が0.5より小さいと、得られる硬化物が脆くなり、1.5より大きいと硬化物に粘着感が生じる。
【0015】
成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂は、通常、0.00001〜0.005mol/g〔即ち、(B)のオルガノポリシロキサン樹脂1gに対して0.00001〜0.005mol〕、好ましくは0.00005〜0.002mol/gのビニル基量を含有し、一般組成式(2)中の正の数bも、このビニル基量を満足するように適宜設定される。オルガノポリシロキサン樹脂中のビニル基量が0.00001mol/gより少ないと、補強効果が得られず、0.005mol/gより多いと硬化物が脆くなる場合がある。
【0016】
成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂は、各単位に由来する化合物を上記含有割合となるように混合し、例えば酸の存在下で共加水分解を行なうことによって容易に合成することができる。
a単位に由来する化合物としては、ケイ酸ソーダ、アルキルシリケート、ポリアルキルシリケート及び四塩化ケイ素を例示することができる。
また、b単位に由来する化合物としては、下記式:
Vi(R1)2SiOSi(R1)2Vi、 Vi(R1)2SiOCH3、 Vi(R1)2SiOC2H5 及び
Vi(R1)2SiCl
〔式中、Viはビニル基であり、R1は前記と同じ意味である〕
で示されるものが挙げられる。
さらに、c単位に由来する化合物としては、下記式:
(R1)3SiOSi(R1)3、 (R1)3SiOCH3、 (R1)3SiOC2H5 及び
(R1)3SiCl
〔式中、R1は前記と同じ意味である〕
で示されるものが挙げられる。
【0017】
本発明の組成物において、成分(B)の配合量は、成分(A)及び成分(B)の合計に対して、通常、5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%になる量である。
【0018】
成分 (C)
成分(C) は、少なくとも1個、好ましくは2個以上の≡SiOR2で表されるアルコキシシリル基、及び少なくとも2個、好ましくは3個以上の−Si(R3)2Hで表されるヒドロジオルガノシリル基を同一分子内に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
上記の≡SiOR2基により、低温加熱により得られる硬化物をさらに高温で加熱したときに、優れた接着性が発現するようになる。
また、前記の−Si(R3)2H基におけるケイ素原子に結合した水素原子、即ち≡SiH 基により、成分(A)及び成分(B)の架橋反応が行われる。≡SiH 基は、低温硬化性に優れる組成物の得られる点、更には低温で硬化させた場合に基材に対して接着性の弱い(剥離性に優れた)硬化物を与えるが、これを更に高温で硬化させると基材に対して優れた接着性を発現する硬化物が得られる点で、−Si(R3)2H基(ここで、R3は一価炭化水素基である)であること、即ち、シロキサン構造を形成するケイ素原子のうちで、分子鎖末端(シロキサン鎖末端)のケイ素原子に結合した水素原子であることが必要である。
【0019】
上記アルコキシシリル基が有するR2で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル、メトキシエチル基等の炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の低級アルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基及びエチル基である。
【0020】
また、この≡SiOR2基におけるアルコキシ基(−OR2基)は、分子中のシロキサン(≡SiOSi≡)構造を形成するケイ素原子に直接結合したものであっても、あるいは例えば下記式(3):
【0021】
【化3】
〔式中、dは1〜4の整数であり、eは0、1又は2であり、R3は一価炭化水素基である〕
で示されるアルコキシシリルアルキル基の形で結合したものであってもよいが、高温接着性の点から、アルコキシシリルアルキル基としてケイ素原子に結合したものが望ましい。
【0022】
前記ヒドロジオルガノシリル基が有するR3で示される一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基等の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基、フェニル基等のアリール基等の、脂肪族不飽和結合を含有しないものが挙げられ、これらの中ではメチル基が好ましい。
【0023】
成分(C)の分子中のシロキサン構造を形成するケイ素原子に結合した一価の置換基としては、前述したケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)、アルコキシ基〔≡SiOR2基又は一般式(3)のアルコキシシリルアルキル基〕以外にも、前記したR3で例示したものと同様のものが挙げられ、好ましくは脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基である。
【0024】
成分(C)の構造は、線状、分岐状、樹脂状のいずれでもよいが、分子鎖末端(シロキサン鎖末端)のケイ素原子に結合した水素原子、即ち−Si(R3)2H基を2個以上、特に3個以上有する点で、分岐状構造、即ち、分子中に少なくとも1個のR3SiO1.5及び/又はSiO2を有する構造が好ましい。
【0025】
成分(C)の1分子中におけるケイ素原子の数は、通常、3〜30個程度でよく、好ましくは4〜10個程度(即ち、成分(C)がオリゴマーとなる程度)である。
【0026】
また、この成分(C)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが低温硬化の際の剥離性、高温硬化の際の接着性をともに発揮するためには、分子中のケイ素原子の数に対する≡SiH基〔特に−Si(R3)2H基〕の数の比率〔即ち、≡SiH/Si、特に−Si(R3)2H/Si〕が0.4〜0.8、特に0.5〜0.8であることが好ましく、また、分子中のケイ素原子の数に対するアルコキシ基(−OR2基)の数の比率が0.1〜0.6、特には0.3〜0.6であることが好ましい。
【0027】
以下に、成分(C) のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを例示する。
【0028】
【化4】
【0029】
〔ここで、Phはフェニル基、Meはメチル基である〕。
【0030】
本発明の組成物において、成分(C)の配合量は、成分(A)及び(B)中のビニル基1モル当り、成分(C)の≡SiH基が、通常、0.5〜4.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルとなる量である。
【0031】
成分 (D)
成分(D)の白金族金属系触媒は、成分(A)及び成分(B)中のビニル基と、成分(C)中のケイ素原子に結合する水素原子(即ち、≡SiH 基の水素原子)との付加反応を促進するための触媒である。
該触媒としては、ヒドロシリル化反応に公知の触媒が挙げられ、例えば白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(ただし、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照):塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;ウィルキンソン触媒と呼ばれているクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
【0032】
本発明の組成物において、成分(D) の配合量は、いわゆる触媒量でよく、具体的には、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量に対して、白金族金属の重量換算で、通常、0.1 〜500ppmでよく、好ましくは0.5 〜200ppmである。
【0033】
その他の成分
本発明の組成物には、前記成分(A) 、成分(B) 、成分(C) 及び成分(D) 以外に、必要に応じて、例えばヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤;けい酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤等を添加することができる。無機充填剤の使用量は、該無機充填剤を除く成分の合計量 100重量部当たり、通常、0〜200 重量部である。
また、組成物の接着性を向上させるために、エポキシ基含有オルガノポリシロキサン化合物や分子中のシロキサン骨格を形成するケイ素原子に結合する一価の基又は原子が、全てアルコキシ基、あるいは水酸基及び/又は水素原子であり、分子中にSi-C結合を有さない、いわゆるエステルシロキサン化合物を配合することができる。
【0034】
組成物の調製
本発明の組成物は、一般の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と同様の方法で調製される。例えば、成分(A)の一部、成分(C)及び成分(D)を一液とし、成分(A)の残部及び成分(B) を他の一液とする、いわゆる二液型の組成物として調製して保存し、使用時にこの二液を混合して硬化させる方法、また、成分(A) 〜成分(D) にさらに硬化抑制剤(例えばアセチレンアルコール)を添加した、いわゆる一液型の組成物とする方法が挙げられる。
【0035】
硬化物の調製
上記で得られた組成物は、例えば二液型の場合には二液の混合より容易に硬化させることができる。硬化させる温度は、室温(例えば25℃)でもよいが、加熱により硬化反応を速めることができる。具体的には、通常、40〜90℃、好ましくは接着性をいまだ示さない、即ち、剥離性を有する硬化物を得る点で、60〜80℃である。この硬化物を、通常、100〜180℃、好ましくは110〜160℃で加熱処理すると、ニッケル、アルミニウム、シリコン等の金属、ガラス等の無機質材、ガラスエポキシ等の有機樹脂等の各種基板に対して接着性を示すようになる。
【0036】
用途
本発明の組成物は、特に電子部材の封止剤又は接着剤、例えば半導体素子のダイボンディング剤、ベアチップコーティング剤、ハイブリッドICのポッティング剤等として有用である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を具体的に説明する。なお、以下に示す粘度は25℃の測定値であり、部は重量部を表し、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
〔実施例1〕
分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度5,000cSt) 67.5 部、SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位42.5モル%及びVi(CH3)2SiO0.5単位 7.5モル%からなるレジン構造のビニルメチルポリシロキサン樹脂(ビニル基含有量:0.001mol/g) 32.5部、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金2重量%)0.05部、下記式(4):
【0038】
【化5】
で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物 10.6部を混合攪拌し、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、両末端ビニルジメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン及びビニルメチルポリシロキサン樹脂中のビニル基の合計に対するメチルハイドロジェンポリシロキサン化合物中のSiH基のモル比(SiH/Vi)は1.6であった。
【0039】
この組成物を表1に示す4種類の温度条件で加熱硬化させ、それぞれ、硬化物を得た。これらの硬化物の硬度を、JIS K 6301に従ってスプリング式A型試験機を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
また、前記組成物を、Niメッキ、アルミニウム、シリコン及びガラスの各基板に塗布した後、表2に示す4種類の温度条件で硬化させた。得られた硬化物をピンセットを用いて引き剥がすことを試み、接着性を評価した。表2に示すように、いずれの硬化物も、80℃の加熱硬化では剥離性を有するが、さらなる120℃の加熱で接着性を示すようになる。
【0041】
〔実施例2〕
実施例1において、式(4)のハイドロジェンポリシロキサン化合物の配合量を10.6部から 9.3部に変えた以外は、実施例1と同様の操作で、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモル比は1.4)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0042】
〔実施例3〕
実施例1において、式(4)のハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記式:
【0043】
【化6】
で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 8.0部配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモル比は1.2)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0044】
〔比較例1〕
実施例1において、式(4)のハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記式:
【0045】
【化7】
で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 5.8部を配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモル比は1.6)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0046】
〔比較例2〕
実施例1において、式(4)のハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記式:
【0047】
【化8】
で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 7.8部を配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモル比は1.6)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0048】
〔比較例3〕
分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度5,000cSt) 100 部、式(4)で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物 1.6部、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金2重量%)0.05部を混合攪拌し、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモル比は1.6)を調製した。
得られた組成物を、実施例1と同様の操作で硬化させ、得られた硬化物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明の組成物は、低温硬化により十分な強度と剥離性を有する硬化物となり、さらに高温の加熱により接着性に優れる硬化物となる。
したがって、本発明の組成物を、例えば封止剤又は接着剤として電子部品に塗布し、次いで低温硬化させた後に、電子部品の不良箇所を発見した場合には、物理的な方法で該硬化物を容易に剥離することができる。そして、不良品の交換及び再塗布後又は検査後、さらに高温で加熱処理することにより接着性に優れ、そのため信頼性の高い硬化物を得ることができる。
Claims (5)
- (A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン、
(B) SiO2単位、Vi(R1)2SiO0.5単位及び(R1)3SiO0.5単位
(ここで、Viはビニル基、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基を表す)からなるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
(C) 1分子中に、少なくとも1個の≡SiOR2基(ここで、R2は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基を表す)、少なくとも2個の−Si(R3)2H基(ここで、R3は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基を表す)、及び少なくとも1個の R 3 SiO 1.5 単位( R 3 は前記の通りである)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに
(D) 白金族金属系触媒
を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物。 - (A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン、
(B) SiO2単位、Vi(R1)2SiO0.5単位及び(R1)3SiO0.5単位
(ここで、Viはビニル基、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基を表す)からなるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
(C) 1分子中に、少なくとも1個のケイ素原子に結合した -(CH 2 ) d -Si(R 3 ) e (OR 2 ) 3-e (式中、 R 2 は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基を表し、dは1〜4の整数であり、eは0、1又は2であり、 R 3 は一価炭化水素基である)で示されるアルコキシシリルアルキル基、及び少なくとも2個の−Si(R3)2H基(ここで、R3は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基を表す)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに
(D) 白金族金属系触媒
を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物。 - 成分 (C) が1分子中に少なくとも1個の R 3 SiO 1.5 単位(ここで、 R 3 は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基を表す)を有する、請求項2記載の組成物。
- 成分 (C) の1分子中のケイ素原子数が3〜30個である、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 請求項1又は2に記載の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させて得られる硬化物。
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