JP2019001885A - 自己接着性シリコーンゲル組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の封止材料の特性を維持しつつ、電子基板に存在する銅、アルミニウムなどの金属や、セラミックなどの無機物等の基材に対して良好な接着性を有する硬化物を与える自己接着性シリコーンゲル組成物、及びその硬化物からなる自己接着性シリコーンゲルを提供する。【解決手段】付加反応硬化型のシリコーンゲル組成物に、下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物を特定量添加した自己接着性シリコーンゲル組成物。(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3(3)(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3(4)(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、自己接着性に優れた硬化物を与えるシリコーンゲル組成物に関し、特に銅、アルミニウムなどの金属や、セラミックなどの無機物等の基材に対して接着性が良好な硬化物を与える自己接着性シリコーンゲル組成物、及びその硬化物からなる自己接着性シリコーンゲルに関する。
シリコーンゲル組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及び白金系触媒を含有し、前記ケイ素原子に結合した水素原子のアルケニル基への付加反応により硬化物を得る付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物として調製される。このシリコーンゲル組成物を加熱することにより硬化したシリコーンゲル硬化物は、耐熱性、耐候性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、低弾性率かつ低応力であることにより、車載電子部品、民生用電子部品等の電子部品の保護に用いられている。シリコーンゲル硬化物の特徴である低弾性率かつ低応力であることは、他のエラストマー製品には見られない。また、近年では、車載電子部品や民生用電子部品の高信頼性化などの要求から、封止に用いられるシリコーンゲル材料に対しては、基材との高い接着性が要求されている。
このような要求が高まっていることから、近年では様々な接着性向上技術が研究されている。その中でも、特公平07−098902号公報、特許第5025917号公報、特許第5179302号公報、特許第5587148号公報、特許第5602385号公報、特許第5631964号公報、特開2002−338833号公報(特許文献1〜7)などは、高接着性を発現するような接着成分、即ち分子内にメトキシ基、エトキシ基等の加水分解性基と、エポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌル基等の官能性基を有するシランカップリング剤を用いて接着性の向上を達成している。しかし、上記のようなシランカップリング剤を使用しても、あらゆる基材に対し万能に接着させることは困難であった。また、使用するシランカップリング剤によっては、硬化触媒として使用する白金触媒の触媒能を低下させるため、経時で柔軟性が変化したり、未硬化となったりしてしまうという問題もあった。また、特公平04−078655号公報、特公平05−067673号公報、特許第2741460号公報(特許文献8〜10)では、有機過酸化物の添加による接着性向上技術が紹介されているが、こちらも副生成物として発生する酸素が基材との接着性を低下させ、剥離が生じる問題がある。
更に、特開2000−309711号公報、特開2005−350582号公報、特許第4960620号公報(特許文献11〜13)では、用いるオルガノポリシロキサンの構造やヒドロシリル基(SiH基)などの構造等を変えることで、接着性を向上する技術が紹介されているが、本手法では確かに基材との密着性は高まるものの、接着までは至っていないため、長期間の使用により接着性が低下するという問題を生じていた。
特公平07−098902号公報 特許第5025917号公報 特許第5179302号公報 特許第5587148号公報 特許第5602385号公報 特許第5631964号公報 特開2002−338833号公報 特公平04−078655号公報 特公平05−067673号公報 特許第2741460号公報 特開2000−309711号公報 特開2005−350582号公報 特許第4960620号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来の封止材料の特性を維持しつつ、電子基板に存在する銅、アルミニウムなどの金属や、セラミックなどの無機物等の基材に対して良好な接着性を有する硬化物を与える自己接着性シリコーンゲル組成物、及びその硬化物からなる自己接着性シリコーンゲルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、付加反応硬化型のシリコーンゲル組成物に、下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物を特定量添加することで、銅、アルミニウムなどの金属や、セラミックなどの無機物等の基材に対して接着性が向上したシリコーンゲル硬化物を与える自己接着性シリコーンゲル組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
従って、本発明は、下記の自己接着性シリコーンゲル組成物及びその硬化物からなる自己接着性シリコーンゲルを提供するものである。
[1]
(A)下記平均組成式(1)
a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)下記平均組成式(2)
2 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物全体中のアルケニル基1個あたり(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜3個となる量、
(C)白金系触媒: 有効量、及び
(D)下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.01〜10質量部
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
を含有する自己接着性シリコーンゲル組成物。
[2]
硬化してJIS K2220で規定される針入度が10〜100であるシリコーンゲル硬化物を与えるものである[1]に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物。
[3]
[1]又は[2]に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物からなる自己接着性シリコーンゲル。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物は、金属や無機物などの基材に対して接着性が良好であるシリコーンゲル硬化物を与えるものである。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物は、下記の(A)〜(D)成分を必須成分として含有してなるものである。なお、本発明において、シリコーンゲル硬化物(自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物からなる自己接着性シリコーンゲル)とは、オルガノポリシロキサンを主成分とする架橋密度の低い硬化物であって、JIS K2220(1/4コーン)による針入度が10〜100のものを意味する。これは、JIS K6253によるゴム硬度測定では測定値(ゴム硬度値)が0となり、有効なゴム硬度値を示さない程低硬度(即ち、軟らか)、かつ低弾性であるものに相当し、この点において、いわゆるシリコーンゴム硬化物(ゴム状弾性体)とは別異のものである。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、粘度は25℃における値である。
〔(A)オルガノポリシロキサン〕
本発明の(A)成分は、自己接着性シリコーンゲル組成物の主剤(ベースポリマー)である。該(A)成分は、下記平均組成式(1)で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基(本明細書中において「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を、平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンである。
a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
上記式(1)中、Rは独立に、通常炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4、より好ましくは2又は3のアルケニル基である。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
また、aは0.0001〜0.2の正数であることが必要であり、好ましくは0.0005〜0.1の正数である。bは1.7〜2.2の正数であることが必要であり、好ましくは1.9〜2.02の正数である。但し、a+bは1.9〜2.4の範囲を満たすことが必要であり、好ましくは1.95〜2.05の範囲である。
(A)成分は、一分子中にケイ素原子結合アルケニル基を、(A)成分全体として平均して、少なくとも1個有することが必要であり、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜10個有する。このケイ素原子結合アルケニル基の条件を満たすように前記a及びbの値を選択すればよい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されず、直鎖状であっても、例えば、RSiO3/2単位、R1SiO3/2単位(R、R1は上記と同じ)、SiO2単位等を含む分岐鎖状であってもよいが、下記一般式(1a):
Figure 2019001885
(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R7は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又はアルケニル基であり、但し少なくとも1個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜10個のR7はアルケニル基であり、分子鎖両末端のR7のいずれかがアルケニル基である場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは0〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、分子鎖両末端のR7のいずれもがアルケニル基でない場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは1〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、但しm+nは1以上である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、即ち主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
上記式(1a)中、R6で表される脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基は、通常炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、R1で例示したものが挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
また、R7で表される基のうち、脂肪族不飽和結合を含まない非置換もしくは置換の1価炭化水素基は、通常炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、R1で例示したものが挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。R7で表される基のうち、アルケニル基は、通常炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4、より好ましくは2又は3のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
上記式(1a)中、分子鎖両末端のR7のいずれかがアルケニル基である場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは0〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、好ましくは、kは100〜1,000の整数であり、mは0〜40の整数であり、nは0である。また、分子鎖両末端のR7のいずれもがアルケニル基でない場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは1〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、但しm+nは1以上であり、好ましくは、kは100〜1,000の整数であり、mは2〜40の整数であり、nは0である。
上記式(1a)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ビニルメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの粘度は特に限定されないが、組成物の取扱作業性、得られる硬化物の強度、及び流動性が良好となる点から、25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであることが好ましく、100〜10,000mPa・sであることがより好ましい。なお、この粘度範囲は、(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度(又は分子中のケイ素原子数)が、通常、30〜1,500、好ましくは50〜1,000、より好ましくは100〜600程度に相当するものである。なお、本発明において、粘度は、回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができる(以下、同じ)。また、重合度(又は分子量)は、例えば、トルエン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として測定することができる(以下、同じ)。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、(A)成分全体として一分子中にケイ素原子結合アルケニル基を平均して少なくとも1個有するという条件を満足する限りにおいて、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明においては、一分子中、特には分子鎖両末端にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンと、一分子中、特には分子鎖片末端にケイ素原子に結合したアルケニル基を1個有するオルガノポリシロキサン又は1個未満有するオルガノポリシロキサン(例えば、平均重合度や重合度分布が同一で、分子鎖片末端にケイ素原子に結合したアルケニル基を1個有するオルガノポリシロキサンと一分子中にアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサンとの均一な混合物等)とを、100:0〜40:60、特には100:0〜60:40程度の質量割合で混合して用いることが、組成物の硬化性が良好で、かつ柔軟な(針入度の大きい)シリコーンゲル硬化物を安定的に得ることができる点から好ましい。
〔(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン〕
次に、本発明の(B)成分は、上記(A)成分と反応し、架橋剤(硬化剤)として作用するものである。該(B)成分は、下記平均組成式(2)
2 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(本明細書中において「ケイ素原子結合水素原子」という)を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンが一分子中に有するケイ素原子結合水素原子(即ち、SiHで表されるヒドロシリル基)は、好ましくは3〜500個、より好ましくは5〜100個、特に好ましくは10〜80個である。このSiH基は分子鎖末端のケイ素原子に結合するものであっても、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合するものであってもよく、これらの両者であってもよい。
上記式(2)中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
また、cは0.7〜2.2の正数であり、1.0〜2.1の正数であることが好ましい。dは0.001〜1.0の正数であり、0.005〜0.5の正数であることが好ましく、0.01〜0.1の正数であることがより好ましい。また、c+dは0.8〜3.0であり、1.0〜2.5であることが好ましく、1.5〜2.2であることがより好ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は特に制限されず、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状(樹脂状)構造のいずれであってもよく、また、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は、通常10〜1,000個であるが、組成物の取扱作業性及び得られる硬化物の特性(低弾性率、低応力)が良好となる点から、好ましくは20〜500個、より好ましくは20〜100個である。
上記式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン環状重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、分子鎖途中(側鎖)にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上、特には3個以上80個以下有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水素原子を2個(だけ)有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、100:0〜5:95、特には100:0〜8:92程度の質量割合で混合して用いることが、組成物の硬化性が良好で、かつ柔軟な(針入度の大きい)シリコーンゲル硬化物を安定的に得ることができる点から好ましい。
(B)成分の添加量は、組成物全体中のアルケニル基(特には、上記(A)成分及び(D)成分中のアルケニル基、とりわけ上記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基)1個に対して(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜3個、好ましくは0.05〜2個、より好ましくは0.2〜1.5個となる量である。この(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子が、組成物全体のアルケニル基1個に対して、0.01個より少なくなると、硬化物が得られなくなる。また、3個より多い場合は、得られる硬化物の耐熱性が低下する。
〔(C)白金系触媒〕
本発明の(C)成分は、前記(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子との付加反応を促進させるための触媒(ヒドロシリル化触媒)として使用されるものである。該(C)成分は白金系触媒(白金又は白金系化合物)であり、公知のものを使用することができる。その具体例としては、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸等のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。
(C)成分の配合量は有効量でよく、所望の硬化速度により適宜増減することができるが、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、白金原子の質量換算で、通常0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜300ppmの範囲である。この配合量が多すぎると得られる硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
〔(D)ケテンシリルアセタール型化合物、その部分加水分解縮合物〕
本発明の(D)成分は、下記一般式(3)又は(4)で示される、分子中に2個又は3個のアルコキシシリル基を含有するケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、アルコキシシリル基を部分的に加水分解・縮合して生成する残存アルコキシシリル基を有するケテンシリルアセタール型化合物)であり、本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物に優れた接着性を付与するための必須成分である。
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
上記一般式(3)、(4)において、R3、R4の炭素原子数1〜4のアルキル基は、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。また、R5の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基は、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基、及びtert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換1価炭化水素基等を挙げることができる。これらの基は同一であっても異なっていてもよい。本発明において、R3は、メチル基、エチル基が好ましく、その中でもよりメチル基が好ましい。R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもよりメチル基が好ましい。またR5は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、その中でもより2−エチルヘキシル基が好ましい。
(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
上記アルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の範囲で使用される。(D)成分のケテンシリルアセタール型化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の添加量が0.01質量部未満である場合、得られるシリコーンゲル硬化物が基材に対して期待する接着性を発現させることができない。また、(D)成分のケテンシリルアセタール型化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の添加量が10質量部を超える場合、得られるシリコーンゲル硬化物の柔軟性が損なわれたり、機械的特性が低下したりする。
〔その他の任意成分〕
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、例えば、反応抑制剤、無機質充填剤、ケイ素原子結合水素原子及びケイ素原子結合アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料等が挙げられる。
反応抑制剤は、上記自己接着性シリコーンゲル組成物の反応を抑制するための成分であって、具体的には、例えば、アセチレン系、アミン系、カルボン酸エステル系、亜リン酸エステル系等の反応抑制剤が挙げられる。
無機質充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、沈降性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤;これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物で表面疎水化処理した充填剤等が挙げられる。また、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等を配合してもよい。
ケイ素原子結合水素原子及びケイ素原子結合アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサンとしては、例えば、末端がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンが代表例として挙げられる。また、末端がエポキシ基やカルビノール基、アラルキル基、シラノール基、ポリエーテル基、カルボキシル基、フェノール基等にて変性されたオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
〔自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化〕
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物は、上記(A)〜(D)成分(任意成分が配合される場合には、任意成分も含む)を常法に準じて混合することにより、1液型の組成物として調製することができる。また、本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物を調製する際に、混合される成分を必要に応じて2パート又はそれ以上のパートに分割して混合して、いわゆる2液(以上)型の組成物として調製してもよく、例えば、(A)成分の一部及び(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)、(D)成分からなるパートとに分割して混合することも可能である。2液(以上)型の組成物として常温にて未硬化組成物を保管する際は、(C)成分の存在下で(A)成分と(B)成分が共存しない環境、即ち(A)成分の一部及び(C)、(D)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)成分からなるパート、もしくは(A)成分の一部及び(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)、(D)成分からなるパートとに分割することがより好ましい。
その後、本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物を常温(25℃±10℃)もしくは用途に応じた加熱温度条件下(例えば、35〜150℃、特には50〜130℃程度)で、10〜120分、特には30〜60分程度硬化させることによりシリコーンゲル硬化物が得られる。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物は、得られる硬化物が、特に銅、アルミニウムなどの金属や、セラミックなどの無機物等の基材に対して良好な接着性を示すことから、電気・電子部品の封止もしくは充填に用いることが好適である。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物(自己接着性シリコーンゲル又はシリコーンゲル硬化物)は、JIS K2220で規定される1/4コーンによる針入度が10〜100であることが好ましく、より好ましくは15〜90、更に好ましくは20〜80である。針入度が10未満になると、自己接着性シリコーンゲル組成物が硬化する際の応力に耐えきれず、電子回路の一部が破断したり、シリコーンゲル硬化物内部にクラックが生成したりする場合がある。また、針入度が100を超えると、柔らかすぎるためシリコーンゲル硬化物に大変形を与えた場合、剥離しやすくなったり基材との接着性が低下する場合がある。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中、「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表し、「Vi」は「ビニル基」を表す。また、針入度は、JIS K2220で規定される1/4コーンによる針入度であり、離合社製自動針入度計RPM−101を用いて測定した。
[実施例1]
(A)成分である下記平均分子式(5)
Figure 2019001885
で示され、25℃での粘度が1,000mPa・sの両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体を60部、及び下記平均分子式(6)
Figure 2019001885
で示され、25℃での粘度が700mPa・sのトリメチルシロキシ基・ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体を40部、(B)成分である下記平均分子式(7)
Figure 2019001885
で示され、25℃での粘度が100mPa・sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体を0.55部、及び下記平均分子式(8)
Figure 2019001885
で示され、25℃での粘度が18mPa・sの両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを5.6部、及び(C)成分である白金原子を1%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液を0.05部、任意成分であるエチニルシクロヘキサノールを0.02部、及び(D)成分として、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部均一に混合した組成物1を得た(このとき、組成物全体中のアルケニル基1個あたりの(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の個数(以下、H/Viという)は1.19であった。)。得られた組成物1を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度45のシリコーンゲル硬化物を得た。
[実施例2]
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる以外は同様にして、組成物2を得た。この組成物2を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度43のシリコーンゲル硬化物を得た。
[実施例3]
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物の部分加水分解縮合物を0.24部用いる以外は同様にして、組成物3を得た。この組成物3を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度40のシリコーンゲル硬化物を得た。
[比較例1]
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を用いない以外は同様にして、組成物4を得た。この組成物4を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度45のシリコーンゲル硬化物を得た。
[比較例2]
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、アクリル酸2−エチルヘキシルを0.24部添加する以外は同様にして、組成物5を得た。この組成物5を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度44のシリコーンゲル硬化物を得た。
[比較例3]
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、ジメトキシメチルシランを0.24部添加する以外は同様にして、組成物6を得た。この組成物6を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度68のシリコーンゲル硬化物を得た。
[比較例4]
実施例2において、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる代わりに、アクリル酸エチルを0.12部添加する以外は同様にして、組成物7を得た。この組成物7を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度46のシリコーンゲル硬化物を得た。
[比較例5]
実施例2において、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる代わりに、トリメトキシシランを0.12部添加する以外は同様にして、組成物8を得た。この組成物8を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度64のシリコーンゲル硬化物を得た。
[試験]
上記実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた組成物を用いて、以下の試験を実施した。これらの結果を表1に示す。
接着性の評価;
幅25mm、長さ100mmの各種被着体(無酸素銅、アルミニウム、セラミック(AlAl23))を用いて接着面積2.5mm2、接着厚さ2mmの剪断接着試験体が作製できるように上記により得られた組成物を流し込み、80℃にて60分間加熱して硬化させた。その後、JIS K6249に準ずる方法にて測定を行い剪断接着力と凝集破壊率を確認し、凝集破壊率の合格値を80%とした。
保存安定性加速試験の評価;
実施例及び比較例の組成物を2成分化し、未硬化液を40℃環境下にて1か月放置し、その後両者を実施例同様の混合比になるように調合・混合したのち80℃で60分間加熱硬化し、針入度及び接着性の評価を行った。なお、2成分化する際、下記のように分割し、湿気を遮断できる容器にて保管した。
(第1成分)(A)成分及び(C)成分
(第2成分)(B)成分、(D)成分及び任意成分
Figure 2019001885
[評価]
実施例1〜3の組成物は、本発明の要件を満たすものであり、無酸素銅、アルミニウム(金属類)、セラミック(無機物)に対しても良好な接着性を有していることがわかる。また成分を分割して保存安定性を評価したところ、針入度及び接着性の変化がないことを確認した。
これに対し、比較例1の組成物は、本発明の(D)成分を含まないため、各種被着体に対する接着性が悪いことがわかる。また、比較例2〜5の組成物は、本発明の(D)成分の条件である、ケテンシリルアセタール型化合物やその部分加水分解縮合物を含まないため、各種被着体に対する接着性が悪い。このことより、本発明の有効性が確認できる。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物を硬化することにより得られるシリコーンゲル硬化物(自己接着性シリコーンゲル)は、電子基板に用いられるあらゆる基材(銅、アルミニウムのような金属、セラミックのような無機物)に対して良好に接着するため、長期信頼性が向上した電子部品を製造することが可能となる。上記のようなことから、ICやハイブリッドIC等の電子部品の保護用途で信頼性の向上が今後期待される。

Claims (3)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
    で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)下記平均組成式(2)
    2 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
    (式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
    で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物全体中のアルケニル基1個あたり(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜3個となる量、
    (C)白金系触媒: 有効量、及び
    (D)下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.01〜10質量部
    (R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
    (R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
    (式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
    を含有する自己接着性シリコーンゲル組成物。
  2. 硬化してJIS K2220で規定される針入度が10〜100であるシリコーンゲル硬化物を与えるものである請求項1に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物からなる自己接着性シリコーンゲル。
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