JP6863109B2 - 自己接着性シリコーンゲル組成物及びその硬化物 - Google Patents
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(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
[1]
(A)下記平均組成式(1)
RaR1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)下記平均組成式(2)
R2 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物全体中のアルケニル基1個あたり(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜3個となる量、
(C)白金系触媒: 有効量、及び
(D)下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又は該アルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物のアルコキシシリル基を部分的に加水分解・縮合してなる、残存アルコキシシリル基を有するケテンシリルアセタール型化合物: 0.01〜10質量部
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
を含有する自己接着性シリコーンゲル組成物。
[2]
[1]に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物からなる自己接着性シリコーンゲル。
本発明の(A)成分は、自己接着性シリコーンゲル組成物の主剤(ベースポリマー)である。該(A)成分は、下記平均組成式(1)で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基(本明細書中において「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を、平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンである。
RaR1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、即ち主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
次に、本発明の(B)成分は、上記(A)成分と反応し、架橋剤(硬化剤)として作用するものである。該(B)成分は、下記平均組成式(2)
R2 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(本明細書中において「ケイ素原子結合水素原子」という)を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンが一分子中に有するケイ素原子結合水素原子(即ち、SiHで表されるヒドロシリル基)は、好ましくは3〜500個、より好ましくは5〜100個、特に好ましくは10〜80個である。このSiH基は分子鎖末端のケイ素原子に結合するものであっても、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合するものであってもよく、これらの両者であってもよい。
本発明の(C)成分は、前記(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子との付加反応を促進させるための触媒(ヒドロシリル化触媒)として使用されるものである。該(C)成分は白金系触媒(白金又は白金系化合物)であり、公知のものを使用することができる。その具体例としては、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸等のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。
本発明の(D)成分は、下記一般式(3)又は(4)で示される、分子中に2個又は3個のアルコキシシリル基を含有するケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、アルコキシシリル基を部分的に加水分解・縮合して生成する残存アルコキシシリル基を有するケテンシリルアセタール型化合物)であり、本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物に優れた接着性を付与するための必須成分である。
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、例えば、反応抑制剤、無機質充填剤、ケイ素原子結合水素原子及びケイ素原子結合アルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料等が挙げられる。
本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物は、上記(A)〜(D)成分(任意成分が配合される場合には、任意成分も含む)を常法に準じて混合することにより、1液型の組成物として調製することができる。また、本発明の自己接着性シリコーンゲル組成物を調製する際に、混合される成分を必要に応じて2パート又はそれ以上のパートに分割して混合して、いわゆる2液(以上)型の組成物として調製してもよく、例えば、(A)成分の一部及び(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)、(D)成分からなるパートとに分割して混合することも可能である。2液(以上)型の組成物として常温にて未硬化組成物を保管する際は、(C)成分の存在下で(A)成分と(B)成分が共存しない環境、即ち(A)成分の一部及び(C)、(D)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)成分からなるパート、もしくは(A)成分の一部及び(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)、(D)成分からなるパートとに分割することがより好ましい。
(A)成分である下記平均分子式(5)
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる以外は同様にして、組成物2を得た。この組成物2を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度43のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物の部分加水分解縮合物を0.24部用いる以外は同様にして、組成物3を得た。この組成物3を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度40のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を用いない以外は同様にして、組成物4を得た。この組成物4を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度45のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、アクリル酸2−エチルヘキシルを0.24部添加する以外は同様にして、組成物5を得た。この組成物5を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度44のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例1において、一般式(3)において、R3、R4=メチル基、R5=2−エチルヘキシル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.24部用いる代わりに、ジメトキシメチルシランを0.24部添加する以外は同様にして、組成物6を得た。この組成物6を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度68のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例2において、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる代わりに、アクリル酸エチルを0.12部添加する以外は同様にして、組成物7を得た。この組成物7を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度46のシリコーンゲル硬化物を得た。
実施例2において、一般式(4)において、R3=メチル基、R5=エチル基であるケテンシリルアセタール型化合物を0.12部用いる代わりに、トリメトキシシランを0.12部添加する以外は同様にして、組成物8を得た。この組成物8を80℃で60分間加熱硬化したところ、針入度64のシリコーンゲル硬化物を得た。
上記実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた組成物を用いて、以下の試験を実施した。これらの結果を表1に示す。
幅25mm、長さ100mmの各種被着体(無酸素銅、アルミニウム、セラミック(Al 2 O 3 ))を用いて接着面積2.5mm2、接着厚さ2mmの剪断接着試験体が作製できるように上記により得られた組成物を流し込み、80℃にて60分間加熱して硬化させた。その後、JIS K6249に準ずる方法にて測定を行い剪断接着力と凝集破壊率を確認し、凝集破壊率の合格値を80%とした。
実施例及び比較例の組成物を2成分化し、未硬化液を40℃環境下にて1か月放置し、その後両者を実施例同様の混合比になるように調合・混合したのち80℃で60分間加熱硬化し、針入度及び接着性の評価を行った。なお、2成分化する際、下記のように分割し、湿気を遮断できる容器にて保管した。
(第1成分)(A)成分及び(C)成分
(第2成分)(B)成分、(D)成分及び任意成分
実施例1〜3の組成物は、本発明の要件を満たすものであり、無酸素銅、アルミニウム(金属類)、セラミック(無機物)に対しても良好な接着性を有していることがわかる。また成分を分割して保存安定性を評価したところ、針入度及び接着性の変化がないことを確認した。
これに対し、比較例1の組成物は、本発明の(D)成分を含まないため、各種被着体に対する接着性が悪いことがわかる。また、比較例2〜5の組成物は、本発明の(D)成分の条件である、ケテンシリルアセタール型化合物やその部分加水分解縮合物を含まないため、各種被着体に対する接着性が悪い。このことより、本発明の有効性が確認できる。
Claims (2)
- (A)下記平均組成式(1)
RaR1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均して少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)下記平均組成式(2)
R2 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但しc+dは0.8〜3.0である。)
で表される、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物全体中のアルケニル基1個あたり(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.01〜3個となる量、
(C)白金系触媒: 有効量、及び
(D)下記一般式(3)又は(4)で示されるアルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物の1種又は2種以上、及び/又は該アルコキシシリル基含有ケテンシリルアセタール型化合物のアルコキシシリル基を部分的に加水分解・縮合してなる、残存アルコキシシリル基を有するケテンシリルアセタール型化合物: 0.01〜10質量部
(R3O)2Si(R4)OC(OR5)=CHCH3 (3)
(R3O)3SiOC(OR5)=CHCH3 (4)
(式中、R3、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R3、R4、R5は互いに同一であっても異種の基であってもよい。)
を含有する自己接着性シリコーンゲル組成物。 - 請求項1に記載の自己接着性シリコーンゲル組成物の硬化物からなる自己接着性シリコーンゲル。
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