JPH10231428A - 付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物

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JPH10231428A
JPH10231428A JP5233797A JP5233797A JPH10231428A JP H10231428 A JPH10231428 A JP H10231428A JP 5233797 A JP5233797 A JP 5233797A JP 5233797 A JP5233797 A JP 5233797A JP H10231428 A JPH10231428 A JP H10231428A
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Tsutomu Kashiwagi
努 柏木
Michihisa Hara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検査工程等の中間段階では電子部品等から容易
に除去でき(即ち、リペア性に優れ)、製品に接着され
た段階では容易には脱落せず、耐久性にも優れる封止剤
又は接着剤の提供。 【解決手段】(A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基
を有するジオルガノポリシロキサン、(B) SiO2単位、Vi
(R1)2SiO0.5単位及び(R1)3SiO0.5単位(ここで、Viはビ
ニル基、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置
換の一価炭化水素基を表す)からなるレジン構造のオル
ガノポリシロキサン、(C) 1分子中に、少なくとも1個
の≡SiOR2基(ここで、R2は非置換又はアルコキシ置換
のアルキル基を表す)、及び少なくとも2個の−Si(R3)
2H基(ここで、R3は一価炭化水素基を表す)を有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに(D) 白金
族金属系触媒を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキ
サン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付加反応硬化型オ
ルガノポリシロキサン組成物に関し、特に電子部材の封
止剤又は接着剤として有用な該組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品の実装されたデバイスに
不良の電子部品が発見された場合に、製造コスト等の面
から不良部品の交換が要求されている。特に、今日のデ
バイスは電子部品の高密度化又は高集積化が進んでいる
ため、上記の要求が一層増している。ところで、実装さ
れた電子部品の多くは、封止剤又は接着剤が被着されて
いる。したがって、検査等の中間工程で不良の電子部品
を発見して交換する際には、該封止剤又は接着剤を容易
に除去できる必要がある。そのため、剥がしやすい接着
剤として、熱可塑性樹脂をベースとしたものが市販され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該接着剤は、
デバイス等から剥離しやすいために信頼性に欠け、ま
た、耐熱性にも劣るという欠点を有する。そこで、本発
明の課題は、検査工程等の中間段階では電子部品等から
容易に除去でき(即ち、リペア性に優れ)、製品に接着
された段階では容易には脱落せず、耐久性にも優れる封
止剤又は接着剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意検討した結果、常温又は低温硬化時には剥離性を
有し、さらなる高温加熱により優れた接着性を発現する
硬化物により、解決できることを見出した。本発明は、
(A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基を有するジオ
ルガノポリシロキサン、(B) SiO2単位(以下、「a単位」
と呼ぶ)、Vi(R1)2SiO0.5単位(以下、「b単位」と呼
ぶ)、及び(R1)3SiO0.5単位(以下、「c単位」と呼ぶ)
(ここで、Viはビニル基、R1は脂肪族不飽和二重結合を
含まない置換又は非置換の一価炭化水素基を表す)から
なるレジン構造のオルガノポリシロキサン、(C) 1分子
中に、少なくとも1個の≡SiOR2基(ここで、R2は非置
換又はアルコキシ置換のアルキル基を表す)、及び少な
くとも2個の−Si(R3)2H基(ここで、R3は一価炭化水素
基を表す)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン、並びに(D) 白金族金属系触媒を含む付加反応硬化
型オルガノポリシロキサン組成物である。該組成物を低
温(例えば100℃未満、特に80℃以下)で硬化させる
と、充分な強度を有し、かつ接着力が小さくて剥離しや
すい硬化物が得られる。この硬化物を、さらに高温(例
えば100℃以上、特に110℃以上)で加熱すると、接着力
の大きい硬化物が得られる。以下、本発明の付加反応硬
化型オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物を詳
述する。
【0005】
【発明の実施の形態】
〔付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物〕 成分(A) 成分(A)は、1分子中に少なくとも2個のビニル基を有
するジオルガノポリシロキサンであり、本発明の組成物
のベース成分である。成分(A)の構造は、直鎖状、環
状、あるいは一部分岐状を含んだ構造でよいが、通常
は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰
り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ
基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンが一
般的である。
【0006】また、1分子中に少なくとも2個含有され
るビニル基は、分子鎖末端のケイ素原子、又は分子鎖途
中のケイ素原子のいずれに結合したものでもよく、ま
た、両方に結合したものでもよい。硬化物の強度等の物
性の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結
合したビニル基が好ましい。
【0007】このようなオルガノポリシロキサンとして
は、例えば一般式(1):
【0008】
【化1】 〔式中、R1は脂肪族不飽和二重結合を有しない非置換又
は置換の一価炭化水素基であり、nは正の整数、mは0
又は正の整数、かつ25℃の粘度が10〜20,000cStの範囲
となる数である〕で示される、分子鎖両末端がビニルジ
オルガノシリル基で封鎖された、基本的に直鎖状のジオ
ルガノポリシロキサン化合物が挙げられる。n及びm
は、一般的には、1≦n+m≦10,000を満足する整数、
好ましくは、4≦n+m≦2,000 かつ0≦m/(n+
m)≦0.2 、特に0≦m/(n+m)≦0.01 を満足す
る整数である。
【0009】一般式(1) において、R1で示される脂肪族
不飽和二重結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水
素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等の低級アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロ
アルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のア
リール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基;並びにこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロ
ゲン原子、シアノ基等で置換した基(例えばクロロメチ
ル基、シアノエチル基及び3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基)を例示することができる。これらの中では、
炭素原子数が1〜10、特に1〜6のものが好適である。
【0010】一般式(1)で示されるビニル基含有ジオル
ガノポリシロキサンの代表例としては、以下の式群で表
されるものが挙げられる。以下の式中、L及びnは、そ
れぞれ、正の整数であり、mは0又は正の整数であり、
n+L又はn+L+mは、それぞれ25℃における粘度が
前述した範囲となるような数とする。
【0011】
【化2】
【0012】成分(B) 成分(B)は、基本的に、a単位(SiO2単位)単位、b単
位〔Vi(R1)2SiO0.5単位〕及びc単位〔(R1)3SiO0.5
位〕からなるレジン構造(即ち、三次元網状構造)のオ
ルガノポリシロキサン樹脂であり、得られる硬化物の物
理的強度を改善するために配合される。b単位及びc単
位中の一価炭化水素基 R1としては、前記一般式(1)中の
R1と同様のものを例示することができ、好ましくはメチ
ル基及びフェニル基である。
【0013】このオルガノポリシロキサン樹脂には、必
要に応じて(R1)2SiO単位、Vi(R1)SiO単位、R1SiO1.5
位及びViSiO1.5単位〔ここで、Viはビニル基であり、R1
は一般式(1)中のR1と同様である〕の一種又は二種以上
を、本発明の目的を損わない程度、例えばa単位、b単
位及びc単位の合計に対して、10モル%以下まで配合す
ることは差し支えない。
【0014】この成分(B)のオルガノポリシロキサン樹
脂は、例えば下記の一般組成式(2): [SiO2a[Vi(R1)2SiO0.5b[(R1)3SiO0.5]c (2) 〔式中、a、b及びcは、a+b+c=1、かつ0.5≦
(b+c)/a≦1.5、好ましくは0.65≦(b+c)/
a≦1.3を満足する正の数である〕で表される。ここ
で、(b+c)/aの値が0.5より小さいと、得られる
硬化物が脆くなり、1.5より大きいと硬化物に粘着感が
生じる。
【0015】成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂
は、通常、0.00001〜0.005mol/g〔即ち、(B)のオルガノ
ポリシロキサン樹脂1gに対して0.00001〜0.005mo
l〕、好ましくは0.00005〜0.002mol/gのビニル基量を含
有し、一般組成式(2)中の正の数bも、このビニル基量
を満足するように適宜設定される。オルガノポリシロキ
サン樹脂中のビニル基量が0.00001mol/gより少ないと、
補強効果が得られず、0.005mol/gより多いと硬化物が脆
くなる場合がある。
【0016】成分(B)のオルガノポリシロキサン樹脂
は、各単位に由来する化合物を上記含有割合となるよう
に混合し、例えば酸の存在下で共加水分解を行なうこと
によって容易に合成することができる。a単位に由来す
る化合物としては、ケイ酸ソーダ、アルキルシリケー
ト、ポリアルキルシリケート及び四塩化ケイ素を例示す
ることができる。また、b単位に由来する化合物として
は、下記式: Vi(R1)2SiOSi(R1)2Vi、 Vi(R1)2SiOCH3、 Vi(R1)2SiO
C2H5 及びVi(R1)2SiCl 〔式中、Viはビニル基であり、R1は前記と同じ意味であ
る〕で示されるものが挙げられる。さらに、c単位に由
来する化合物としては、下記式: (R1)3SiOSi(R1)3、 (R1)3SiOCH3、 (R1)3SiOC2H5
び(R1)3SiCl 〔式中、R1は前記と同じ意味である〕で示されるものが
挙げられる。
【0017】本発明の組成物において、成分(B)の配
合量は、成分(A)及び成分(B)の合計に対して、通常、5
〜60重量%、好ましくは10〜40重量%になる量である。
【0018】成分(C) 成分(C) は、少なくとも1個、好ましくは2個以上の≡
SiOR2で表されるアルコキシシリル基、及び少なくとも
2個、好ましくは3個以上の−Si(R3)2Hで表されるヒド
ロジオルガノシリル基を同一分子内に含有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンである。上記の≡SiOR2
基により、低温加熱により得られる硬化物をさらに高温
で加熱したときに、優れた接着性が発現するようにな
る。また、前記の−Si(R3)2H基におけるケイ素原子に結
合した水素原子、即ち≡SiH 基により、成分(A)及び成
分(B)の架橋反応が行われる。≡SiH 基は、低温硬化性
に優れる組成物の得られる点、更には低温で硬化させた
場合に基材に対して接着性の弱い(剥離性に優れた)硬
化物を与えるが、これを更に高温で硬化させると基材に
対して優れた接着性を発現する硬化物が得られる点で、
−Si(R3)2H基(ここで、R3は一価炭化水素基である)で
あること、即ち、シロキサン構造を形成するケイ素原子
のうちで、分子鎖末端(シロキサン鎖末端)のケイ素原
子に結合した水素原子であることが必要である。
【0019】上記アルコキシシリル基が有するR2で示さ
れるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert
−ブチル、メトキシエチル基等の炭素原子数1〜4の非
置換又はアルコキシ置換の低級アルキル基が挙げられ、
好ましくはメチル基及びエチル基である。
【0020】また、この≡SiOR2基におけるアルコキシ
基(−OR2基)は、分子中のシロキサン(≡SiO≡)構造を
形成するケイ素原子に直接結合したものであっても、あ
るいは例えば下記式(3):
【0021】
【化3】 〔式中、dは1〜4の整数であり、eは0、1又は2で
あり、R3は一価炭化水素基である〕で示されるアルコキ
シシリルアルキル基の形で結合したものであってもよい
が、高温接着性の点から、アルコキシシリルアルキル基
としてケイ素原子に結合したものが望ましい。
【0022】前記ヒドロジオルガノシリル基が有するR3
で示される一価炭化水素基としては、メチル基、エチル
基等の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル
基、フェニル基等のアリール基等の、脂肪族不飽和結合
を含有しないものが挙げられ、これらの中ではメチル基
が好ましい。
【0023】成分(C)の分子中のシロキサン構造を形成
するケイ素原子に結合した一価の置換基としては、前述
したケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)、アル
コキシ基〔≡SiOR2基又は一般式(3)のアルコキシシリル
アルキル基〕以外にも、前記したR3で例示したものと同
様のものが挙げられ、好ましくは脂肪族不飽和結合を含
有しない一価炭化水素基である。
【0024】成分(C)の構造は、線状、分岐状、樹脂状
のいずれでもよいが、分子鎖末端(シロキサン鎖末端)
のケイ素原子に結合した水素原子、即ち−Si(R3)2H基を
2個以上、特に3個以上有する点で、分岐状構造、即
ち、分子中に少なくとも1個のR3SiO1.5及び/又はSiO2
を有する構造が好ましい。
【0025】成分(C)の1分子中におけるケイ素原子の
数は、通常、3〜30個程度でよく、好ましくは4〜10個
程度(即ち、成分(C)がオリゴマーとなる程度)であ
る。
【0026】また、この成分(C)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンが低温硬化の際の剥離性、高温硬化
の際の接着性をともに発揮するためには、分子中のケイ
素原子の数に対する≡SiH基〔特に−Si(R3)2H基〕の数
の比率〔即ち、≡SiH/Si、特に−Si(R3)2H/Si〕が0.4
〜1、特に0.5〜0.8であることが好ましく、また、分子
中のケイ素原子の数に対するアルコキシ基(−OR2基)の
数の比率が0.1〜1、特には0.3〜0.6であることが好ま
しい。
【0027】以下に、成分(C) のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンを例示する。
【0028】
【化4】
【0029】〔ここで、Phはフェニル基、Meはメチ
ル基である〕。
【0030】本発明の組成物において、成分(C)の配合
量は、成分(A)及び(B)中のビニル基1モル当り、成分
(C)の≡SiH基が、通常、0.5〜4.0モル、好ましくは1.0
〜2.0モルとなる量である。
【0031】成分(D) 成分(D)の白金族金属系触媒は、成分(A)及び成分(B)中
のビニル基と、成分(C)中のケイ素原子に結合する水素
原子(即ち、≡SiH 基の水素原子)との付加反応を促進
するための触媒である。該触媒としては、ヒドロシリル
化反応に公知の触媒が挙げられ、例えば白金(白金黒を
含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2
PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl
6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2
O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(ただし、式中、nは0〜
6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化
白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩
化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照):塩化
白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,
159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,
452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金
属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させた
もの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;ウィルキ
ンソン触媒と呼ばれているクロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ロジウム(I);塩化白金、塩化白金酸又
は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル
基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられ
る。
【0032】本発明の組成物において、成分(D) の配合
量は、いわゆる触媒量でよく、具体的には、成分(A)、
成分(B)及び成分(C)の合計量に対して、白金族金属の重
量換算で、通常、0.1 〜500ppmでよく、好ましくは0.5
〜200ppmである。
【0033】その他の成分 本発明の組成物には、前記成分(A) 、成分(B) 、成分
(C) 及び成分(D) 以外に、必要に応じて、例えばヒュー
ムドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充
填剤;けい酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、
カーボンブラック等の非補強性無機充填剤等を添加する
ことができる。無機充填剤の使用量は、該無機充填剤を
除く成分の合計量 100重量部当たり、通常、0〜200 重
量部である。また、組成物の接着性を向上させるため
に、エポキシ基含有オルガノポリシロキサン化合物や分
子中のシロキサン骨格を形成するケイ素原子に結合する
一価の基又は原子が、全てアルコキシ基、あるいは水酸
基及び/又は水素原子であり、分子中にSi-C結合を有さ
ない、いわゆるエステルシロキサン化合物を配合するこ
とができる。
【0034】組成物の調製 本発明の組成物は、一般の付加反応硬化型シリコーンゴ
ム組成物と同様の方法で調製される。例えば、成分(A)
の一部、成分(C)及び成分(D)を一液とし、成分(A)の残
部及び成分(B) を他の一液とする、いわゆる二液型の組
成物として調製して保存し、使用時にこの二液を混合し
て硬化させる方法、また、成分(A) 〜成分(D) にさらに
硬化抑制剤(例えばアセチレンアルコール)を添加し
た、いわゆる一液型の組成物とする方法が挙げられる。
【0035】硬化物の調製 上記で得られた組成物は、例えば二液型の場合には二液
の混合より容易に硬化させることができる。硬化させる
温度は、室温(例えば25℃)でもよいが、加熱により
硬化反応を速めることができる。具体的には、通常、40
〜90℃、好ましくは接着性をいまだ示さない、即ち、剥
離性を有する硬化物を得る点で、60〜80℃である。この
硬化物を、通常、100〜180℃、好ましくは110〜160℃で
加熱処理すると、ニッケル、アルミニウム、シリコン等
の金属、ガラス等の無機質材、ガラスエポキシ等の有機
樹脂等の各種基板に対して接着性を示すようになる。
【0036】用途 本発明の組成物は、特に電子部材の封止剤又は接着剤、
例えば半導体素子のダイボンディング剤、ベアチップコ
ーティング剤、ハイブリッドICのポッティング剤等と
して有用である。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を具体
的に説明する。なお、以下に示す粘度は25℃の測定値で
あり、部は重量部を表し、Meはメチル基、Viはビニル基
を示す。 〔実施例1〕分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で
封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度5,000cSt) 6
7.5 部、SiO2単位50モル%、(CH3)3SiO0.5単位42.5モル
%及びVi(CH3)2SiO0.5単位 7.5モル%からなるレジン構
造のビニルメチルポリシロキサン樹脂(ビニル基含有
量:0.001mol/g) 32.5部、塩化白金酸のオクチルアルコ
ール変性溶液(白金2重量%)0.05部、下記式(4):
【0038】
【化5】 で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物 10.6
部を混合攪拌し、付加反応硬化型オルガノポリシロキサ
ン組成物を調製した。なお、両末端ビニルジメチルシリ
ル基封鎖ジメチルポリシロキサン及びビニルメチルポリ
シロキサン樹脂中のビニル基の合計に対するメチルハイ
ドロジェンポリシロキサン化合物中のSiH基のモル比(S
iH/Vi)は1.6であった。
【0039】この組成物を表1に示す4種類の温度条件
で加熱硬化させ、それぞれ、硬化物を得た。これらの硬
化物の硬度を、JIS K 6301に従ってスプリング式A型
試験機を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0040】また、前記組成物を、Niメッキ、アルミニ
ウム、シリコン及びガラスの各基板に塗布した後、表2
に示す4種類の温度条件で硬化させた。得られた硬化物
をピンセットを用いて引き剥がすことを試み、接着性を
評価した。表2に示すように、いずれの硬化物も、80℃
の加熱硬化では剥離性を有するが、さらなる120℃の
加熱で接着性を示すようになる。
【0041】〔実施例2〕実施例1において、式(4)の
ハイドロジェンポリシロキサン化合物の配合量を10.6部
から 9.3部に変えた以外は、実施例1と同様の操作で、
付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記の
SiH/Viモル比は1.4)の調製、硬化物の調製、及び硬化
物の評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0042】〔実施例3〕実施例1において、式(4)の
ハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記
式:
【0043】
【化6】 で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 8.0
部配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反応
硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Viモ
ル比は1.2)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評価
を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0044】〔比較例1〕実施例1において、式(4)の
ハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記
式:
【0045】
【化7】 で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 5.8
部を配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反
応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Vi
モル比は1.6)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評
価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0046】〔比較例2〕実施例1において、式(4)の
ハイドロジェンポリシロキサン化合物に替えて、下記
式:
【0047】
【化8】 で示されるハイドロジェンポリシロキサン化合物を 7.8
部を配合した以外は、実施例1と同様の操作で、付加反
応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記のSiH/Vi
モル比は1.6)の調製、硬化物の調製、及び硬化物の評
価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0048】〔比較例3〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(粘度
5,000cSt) 100 部、式(4)で示されるハイドロジェンポ
リシロキサン化合物 1.6部、塩化白金酸のオクチルアル
コール変性溶液(白金2重量%)0.05部を混合攪拌し、
付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(上記の
SiH/Viモル比は1.6)を調製した。得られた組成物を、
実施例1と同様の操作で硬化させ、得られた硬化物の評
価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の組成物は、低温硬化により十分
な強度と剥離性を有する硬化物となり、さらに高温の加
熱により接着性に優れる硬化物となる。したがって、本
発明の組成物を、例えば封止剤又は接着剤として電子部
品に塗布し、次いで低温硬化させた後に、電子部品の不
良箇所を発見した場合には、物理的な方法で該硬化物を
容易に剥離することができる。そして、不良品の交換及
び再塗布後又は検査後、さらに高温で加熱処理すること
により接着性に優れ、そのため信頼性の高い硬化物を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 通久 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 1分子中に少なくとも2個のビニル基
    を有するジオルガノポリシロキサン、(B) SiO2単位、Vi
    (R1)2SiO0.5単位及び(R1)3SiO0.5単位(ここで、Viはビ
    ニル基、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置
    換の一価炭化水素基を表す)からなるレジン構造のオル
    ガノポリシロキサン、(C) 1分子中に、少なくとも1個
    の≡SiOR2基(ここで、R2は非置換又はアルコキシ置換
    のアルキル基を表す)、及び少なくとも2個の−Si(R3)
    2H基(ここで、R3は一価炭化水素基を表す)を有するオ
    ルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに(D) 白金
    族金属系触媒を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキ
    サン組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の付加反応硬化型オルガノ
    ポリシロキサン組成物を硬化させて得られる硬化物。
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