JP4190460B2 - 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

自己接着性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4190460B2
JP4190460B2 JP2004156997A JP2004156997A JP4190460B2 JP 4190460 B2 JP4190460 B2 JP 4190460B2 JP 2004156997 A JP2004156997 A JP 2004156997A JP 2004156997 A JP2004156997 A JP 2004156997A JP 4190460 B2 JP4190460 B2 JP 4190460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
self
component
composition
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004156997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005336327A (ja
Inventor
隆 明田
寛保 原
良文 原田
正行 池野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2004156997A priority Critical patent/JP4190460B2/ja
Publication of JP2005336327A publication Critical patent/JP2005336327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4190460B2 publication Critical patent/JP4190460B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、付加反応硬化型の自己接着性オルガノポリシロキサン組成物に関し、特にシリコーン硬化物に対して強固な接着性を有する自己接着性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
種々の工業分野では一度硬化したシリコーンに未硬化のシリコーンを接着させることが要求されることが多い。しかし、従来の技術ではこのような接着を行うことは非常に困難である。すなわち、従来のシリコーン接着剤では、金属やプラスチックに対する接着性を得ることはできても、シリコーン硬化物に対しては満足の行く接着性を得ることが難しい。従来、シリコーン硬化物に対する接着性を有するシリコーン組成物としては特許文献1に記載の組成物が知られている。
特開2003−253121号公報
そこで、本発明は、付加反応硬化型の自己接着性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。特に、金属やプラスチックだけでなく、シリコーン硬化物に対しても強固な接着性を有する自己接着性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決する手段として、
下記一般式(1):
Figure 0004190460
(1)

(式中、R1およびR2は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の一価炭化水素基であり、R3はアルケニル基であり、nは0〜10の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン
を含んでなることを特徴とする付加反応硬化型の自己接着性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
本発明の自己接着性オルガノポリシロキサン組成物は、金属やプラスチックに対してだけでなく、シリコーン硬化物に対しても優れた接着性を有する。この接着性はシリコーン硬化物の表面状態に左右されない。よって、自動車・電機産業などの多方面への利用が期待できる。例えば、エアバッグには表面がシリコーン硬化物でコートされたナイロン布が用いられることが多いが、本発明の組成物はこのようなナイロン布のコート面に対して強固に接着することができる。その結果、エアバックが実際に作動してふくらんだ際に接着部分のシール性を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の付加反応硬化型自己接着性オルガノポリシロキサン組成物は、前記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンを含有することにより優れた自己接着性、特にシリコーン硬化物に対しても有効な自己接着性を発現する。換言すると、従来公知のまたは新規ないずれの付加反応硬化型シリコーン組成物であっても、該オルガノポリシロキサンを添加することによってこのような自己接着性を発現させることができる。
本発明の組成物において、一般式(1)のオルガノポリシロキサンの配合量は、自己接着性が発現する有効量でよく、通常、該組成物中のベースポリマー成分(通常、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサン)100質量部に対して、0.01〜5質量部、好ましくは0.01〜1.0質量部である。
以下、本発明の組成物を代表的な好ましい一実施形態に即して説明する。
該実施形態によれば、
(A)前記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 0.01〜5質量部、
(B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも二個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.5〜5.0モルとなる量、および
(D)白金族金属系触媒 有効量、
を含むことを特徴とする前記自己接着性オルガノポリシロキサン組成物が提供される。
以下、各成分ごとに順次説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1):
Figure 0004190460
(1)

(式中、R1およびR2は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であり、R3は好ましくは炭素原子数2〜8、より好ましくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、nは0〜10、好ましくは0〜5の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンである。(A)成分は一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子と、ケイ素原子に結合したアルケニル基とを有することが特徴である。(A)成分は、シリコーン硬化物に対する良好な自己接着性を本発明のオルガノポリシロキサン組成物に与える。
前記R1およびR2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基;およびこれらの炭化水素基の一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基などが挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の非置換または置換の炭素原子数1〜3のアルキル基およびフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換または置換のフェニル基が特に好ましい。
前記R3としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が特に好ましい。
(A)成分の具体例としては以下の化合物が挙げられる(なお、下記式においてViはビニル基を示す)。
Figure 0004190460
Figure 0004190460
Figure 0004190460
Figure 0004190460
Figure 0004190460
Figure 0004190460
Figure 0004190460
(A)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(A)成分の添加量は、シリコーン硬化物に対する良好な自己接着性を本発明の組成物に与えることができる限り、特に制限されない。本発明の組成物に(B)成分が含まれる場合、(A)成分の添加量は(B)成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜1.0質量部である。添加量がこの範囲内だと、本発明の組成物はシリコーン硬化物に対する十分な接着力を得やすくなる。
[(B)成分]
(B)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状でも環状でもよく、どちらの場合にもその分子内に分枝状の構造を含んでいてよい。硬化物の機械的強度等の物性面から、実質的に主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。該アルケニル基の位置には特に制限はない。(B)成分が直鎖状の場合、該アルケニル基は分子鎖の末端および末端でない部分のどちらか一方にのみ存在していてもよいし、その両方に存在していてもよい。直鎖状ジオルガノポリシロキサンの両末端はトリオルガノシロキシ基で封鎖されているのが通常である。
(B)成分の好ましい例としては下記一般式(2):
R5-Si(R4)2O-[Si(R4)2O]n-[Si(R4)(X)O]m-Si(R4)2-R5 (2)
(式中、R4は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であり、Xは好ましくは炭素原子数2〜8、より好ましくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、R5は独立にR4またはXを表し、nは0以上の整数であり、mは0以上であって、かつ、分子中のケイ素に結合したアルケニル基の数が2以上となる整数である。ただし、n+mは好ましくは10〜10,000、より好ましくは50〜2,000の整数であり、かつ、m/(n+m)は好ましくは0〜0.2の数である。なお、mの値は、具体的には、R5の一方がR4でもう一方がXの場合、1以上の整数であり、R5の両方がR4の場合、2以上の整数である。)で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
前記R4としては、例えば、前記一般式(1)のR1およびR2について例示した一価炭化水素基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の非置換または置換の炭素原子数1〜3のアルキル基およびフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換または置換のフェニル基が特に好ましい。
前記Xとしては、例えば、前記一般式(1)のR3について例示したアルケニル基が挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が特に好ましい。
(B)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は10〜1,000,000mm2/secであることが好ましく、100〜500,000mm2/secであることがより好ましい。
[(C)成分]
(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも二個(通常、2〜150個程度)、好ましくは三個以上(通常、3〜100個、特に3〜60個程度)含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。(C)成分は、後述する(D)成分の白金族金属系触媒の存在下に、組成物中のアルケニル基、特に(B)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と反応して、三次元網目構造を与える架橋剤として作用する。(C)成分の分子構造は特に制限されず、直鎖状、分岐状、環状および網状のいずれであってもよい。また、一分子中のケイ素原子数(または重合度)が、通常、2〜300個、特に4〜150個程度のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが(C)成分として好ましく使用できる。
このような(C)成分としては、例えば、下記平均組成式(3):
a6 bSiO(4-a-b)/2 (3)
(式中、R6は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜7の一価炭化水素基であり、aおよびbは、0<a <2、0.8 ≦b≦2かつ0.8<a+b≦3を満たす数であり、好ましくは0.05≦a≦1、0.9≦b≦2および1≦a+b≦2.7を満たす数である。)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
式中、R6としては、例えば、前記一般式(1)のR1およびR2について例示した一価炭化水素基が挙げられる。中でも、メチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基が特に好ましい。
(C)成分の具体例としては、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R6 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、更にR6 3SiO1/2単位、R6 2SiO2/2単位、R6(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位またはR6SiO3/2単位を含んでいてもよい三次元網状構造のシリコーンレジン(式中、R6は前記と同じである)等で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができる。例えば、一般式:R6SiHCl2およびR6 2SiHCl(式中、R6は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解することにより、または該クロロシランと一般式:R6 3SiClおよびR6 2SiCl2(式中、R6は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランとを組み合わせて共加水分解することにより得ることができる。また、(C)成分は、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
(B)成分および(C)成分の使用量は、全組成物中のアルケニル基(特に、(A)成分および(B)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基)1モル当たり、(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)の量が、好ましくは0.5〜5.0モル、より好ましくは0.8〜2.5モルとなるような量である。このとき、全組成物中に存在するアルケニル基に対する(B)成分中のアルケニル基の割合は80モル%以上(通常、80〜99.99モル%)が好ましく、特に90モル%以上(90〜99.9モル%)が好ましい。ケイ素原子に結合した水素原子の量がこの範囲内だと、組成物の硬化が十分となりやすく、必要な強度を有する硬化物が得やすい。また、組成物が硬化時に発泡したり、硬化物の物性が経時的に変化したりすることが起きにくい。
[(D)成分]
(D)成分の白金族金属系触媒は、(B)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進させる作用を有する。(D)成分としては、従来から公知のヒドロシリル化反応触媒を使用することができる。その具体例としては、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0または6である。)等の塩化白金、塩化白金酸および塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号参照);塩化白金酸とオレフィンとの錯体(米国特許第3,159,601号、3,159,662号、3,775,452号参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィン錯体;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとの錯体などが挙げられる。
(D)成分の添加量は、ヒドロシリル化反応触媒として有効量でよいが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。好ましくは(B)成分および(C)成分の合計量に対して白金族金属元素換算で質量基準で0.1〜1000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、より好ましくは0.5〜200ppmの範囲内となる量である。
[(E)成分]
更に、必要に応じて配合される任意成分として、(E)成分の水酸化アルミニウム(すなわち、Al(OH)またはAl・3HO)粉末を本発明の組成物に添加することにより、該組成物の流動性を維持しつつ、該組成物から得られる硬化物の機械的強度を向上させることができる。その結果、(A)成分の添加により得られた、シリコーン硬化物に対する自己接着性がより強固に維持されやすくなる。
(E)成分として用いられる水酸化アルミニウム粉末は、表面処理されていなくてもよいし、シランカップリング剤等の有機ケイ素化合物、有機チタン酸エステル等のチタネート系カップリング剤、樹脂酸または脂肪酸で表面処理されていてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基を有するシランカップリング剤およびその部分加水分解縮合物(すなわち、ビニルシロキサンオリゴマー)、ビニル基を有さないシランカップリング剤およびその部分加水分解縮合物(すなわち、ビニル基を有さないオルガノシロキサンオリゴマー)、(メタ)アクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基等の官能性基を含有するアルコキシシランおよびその部分加水分解縮合物(すなわち、官能性基含有オルガノシロキサンオリゴマー)などが挙げられる。ビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラザン系シランカップリング剤、ビニルシラン系シランカップリング剤等が挙げられ、具体的には、ジビニルテトラメチルジシラザン、テトラビニルジメチルジシラザン、ヘキサメチルジビニルトリシラザン、ビニルメチルシラザン環状体などのビニルシラザン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどのビニルアルコキシシラン類、ビニルトリクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランなどのビニルクロロシラン類などが挙げられる。ビニル基を有さないシランカップリング剤としては、例えば、オルガノシラザン系シランカップリング剤、オルガノシラン系シランカップリング剤等が挙げられ、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザンなどのオルガノシラザン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン類、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどのオルガノクロロシラン類などが挙げられる。官能性基を含有するアルコキシシランとしては、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、バルミオン酸、オレイン酸、リノール酸、マレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
(E)成分に水分が含まれると、(E)成分を本発明の組成物に添加することにより該組成物に水が混入し、(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンがその水で変質することがある。よって、(E)成分の水酸化アルミニウム粉末に含まれる水分の量を大きく減少させることが好ましい。
水分を含む水酸化アルミニウム粉末をジメチルポリシロキサンと混合し、通常は50℃以上、好ましくは80〜200℃で加熱することで、水酸化アルミニウム粉末から水分を除去することができる。この際、減圧処理を同時に行うことで水分の除去を促進することができる。
(E)成分の平均粒径は、本発明組成物の流動性および該組成物の硬化物の強度を考慮すると、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.05〜10μmである。
(E)成分の添加量は、(B)成分100質量部当たり、通常、100質量部以下(すなわち、0〜100質量部)、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは10〜100質量部である。添加量が100質量部を超えると、該組成物の流動性を維持しにくくなる場合がある。
[その他の成分]
前記(A)〜(D)成分と任意の(E)成分以外に、必要に応じて、例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤;補強性のシリコーンレジン(アルケニル基含有または非含有の三次元網状構造オルガノポリシロキサン樹脂);ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤などを本発明の組成物に添加することができる。これらの成分の使用量は合計で、本発明組成物の効果を妨げない限り特に制限されず、前記(A)〜(E)成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜200質量部、好ましくは5〜25質量部である。
更に、接着性を向上させるための接着助剤として、チタンキレート、有機チタン酸エステル等の有機チタン化合物などを本発明の組成物に添加することができる。その使用量は、本発明組成物の効果を妨げない限り特に制限されず、前記(A)〜(E)成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。
また、その他の接着助剤として、エポキシ基、アルコキシシリル基、カルボニル基、およびフェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するシランまたはオルガノハイドロジェンポリシロキサン、エポキシ基含有ポリシロキサン化合物、エステルシロキサン化合物(すなわち、分子中に炭素−ケイ素結合を実質的に有さない、アルコキシシランの部分加水分解縮合物)等の有機ケイ素化合物を本発明の組成物に添加してもよい。さらに、接着助剤として、トリアリルイソシアヌレートやその1〜3個のアリル基がアルコキシシリル変性されたアルコキシシリル変性トリアリルイソシアヌレートやその加水分解縮合物(シロキサン変性トリアリルイソシアヌレート)などのイソシアヌレート化合物を添加してもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されず、例えば、一液型でも二液型でもよい。二液型の場合、通常の硬化性シリコーンゴム組成物と同様に、本発明の組成物は二液に分けて保存され、使用時にこの二液を混合することにより硬化させることができる。
[組成物の用途]
本発明の組成物は用途に応じて所定の基材に塗布した後、硬化させることができる。硬化条件は、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物のものと同様でよい。本発明の組成物は、例えば、常温(25℃)でも十分に硬化するが、必要に応じて加熱して硬化させてもよい。加熱する場合、温度は、例えば、80〜150℃とすることができる。
本発明の組成物は接着剤として用いることができる。本発明の組成物を含む接着剤の被着体には特に制限はなく、例えば、シリコーン硬化物、金属、有機樹脂等が挙げられる。特に好ましくはシリコーン硬化物を被着体として用いることができる。
以下に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例および比較例には下記の化合物を使用した。なお、以下、「Me」はメチル基を、「Vi」はビニル基を意味する。
(A-1)オルガノポリシロキサン:
Figure 0004190460

(A-2)オルガノポリシロキサン:
Figure 0004190460

(A-3)オルガノポリシロキサン:
Figure 0004190460
(A-4)オルガノポリシロキサン:
Figure 0004190460

(B-1)オルガノポリシロキサン:
Vi-Si(Me)2O-[Si(Me)2O]n-Si(Me)2-Vi
(式中、nは該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が10,000mm2/secとなるような数である)
(B-2)オルガノポリシロキサン:
Vi-Si(Me)2O-[Si(Me)2O]n-Si(Me)2-Vi
(式中、nは該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が100,000mm2/secとなるような数である)
(C-1)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:
Figure 0004190460

(C-2)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:
Figure 0004190460

(D)白金族金属系触媒:
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液(白金元素含有量:0.5質量%)
(E)水酸化アルミニウム粉末(表面処理していない):
昭和電工(株)製、商品名:H42-I(平均粒径:1.1μm)
(F)接着助剤:
トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、および下記の化合物(重量比は1:4)
Figure 0004190460

(G)補強性レジン:
Vi(Me)2SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる三次元網状構造のビニル基含有メチルポリシロキサンレジン
(H)補強性無機充填剤:
ジメチルポリシロキサンとヘキサメチルジシラザンとで処理された煙霧状シリカ
(I)硬化制御剤:
エチニル-シクロヘキサノール/50%トルエン溶液
(B)および(E)の各成分を表1に従って混合し、得られた混合物に対して減圧下、150℃で2時間熱処理を行った。ついで、該混合物の温度を室温まで下げ、(A)、(C)、(D)、(F)、(G)、(H)および(I)の各成分を表1に従って添加した。減圧下で混合を行い、組成物を得た。
Figure 0004190460
[アルミニウム板およびポリブチレンテレフタレート(PBT)板への接着]
トルエンでアルミニウム板の表面を、エタノールでPBT板の表面をそれぞれ拭き、十分に乾燥させた。その後、上記で調製した組成物をそれぞれの板に塗布し、室温(25℃)で硬化させた。硬化後、組成物がアルミニウム板およびPBT板に接着しているかどうかを確認した。表1で、「良」は組成物が接着していた場合を、「不良」は組成物が接着していなかった場合を示す。
[ピール試験]
シリコーンゴムでコートした布に上記で調製した組成物を0.5 mmの厚みで塗布し、この布同士を張り合わせた。組成物が硬化した後に、ストログラフ(東洋精機(株)製、商品名:STROGRAPH VE1D)を用いて、張り合わせた布を引き剥がす実験を行った。引き剥がすのに要した強度(N/m)と接着界面の凝集破壊率(%)とを表1に示した。
[評価]
実施例の組成物には(A)成分を添加したが、比較例の組成物には(A)成分を添加しなかった。ピール試験において実施例の組成物は比較例の組成物よりも良好な接着性を示した。
実施例1〜4では、下記一般式(4):
Figure 0004190460
(4)

で表されるオルガノポリシロキサンのnの値を変化させて(n=0、3、6、10)、ピール試験を行った。いずれの組成物も、比較例より高い強度と100%の凝集破壊率とを示し、良好な接着性を有することが確認された。
実施例5〜7では、(A)成分として上記(A−1)成分を用い、その添加量を変化させてピール試験を行った。添加量が0.01〜5質量部のとき、安定して良好な接着性を示すことが確認された。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0004190460
    (1)

    (式中、R1およびR2は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の一価炭化水素基であり、R3はアルケニル基であり、nは0〜10の整数である。)
    で示されるオルガノポリシロキサン
    を含んでなることを特徴とする付加反応硬化型の自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A)請求項1に記載の一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 0.01〜5質量部、
    (B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (C)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも二個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.5〜5.0モルとなる量、および
    (D)白金族金属系触媒 有効量、
    を含むことを特徴とする請求項1に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. (E)水酸化アルミニウム粉末 (B)成分100質量部に対して、0.1〜100質量部
    を更に含むことを特徴とする請求項2に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 前記水酸化アルミニウム粉末が表面処理されていない、またはチタネート系カップリング剤、脂肪酸、樹脂酸もしくは有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項3に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 前記水酸化アルミニウム粉末の平均粒径が0.05〜50μmであることを特徴とする請求項3または4に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. シリコーン硬化物に対して接着性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
JP2004156997A 2004-05-27 2004-05-27 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物 Expired - Fee Related JP4190460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004156997A JP4190460B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004156997A JP4190460B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005336327A JP2005336327A (ja) 2005-12-08
JP4190460B2 true JP4190460B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=35490240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004156997A Expired - Fee Related JP4190460B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4190460B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7423108B2 (en) * 2005-12-16 2008-09-09 Bausch & Lomb Incorporated High refractive-index siloxy-containing monomers and polymers, and ophthalmic devices comprising such polymers
JP5019036B2 (ja) * 2006-04-03 2012-09-05 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム用接着剤
JP5120776B2 (ja) * 2008-02-08 2013-01-16 信越化学工業株式会社 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP5594991B2 (ja) * 2009-07-29 2014-09-24 旭化成ワッカーシリコーン株式会社 接着性シリコーンゴム組成物
US8952118B2 (en) * 2011-08-12 2015-02-10 Gelest Technologies, Inc. Dual functional linear siloxanes, step-growth polymers derived therefrom, and methods of preparation thereof
US9145474B2 (en) * 2013-03-14 2015-09-29 Gelest Technologies, Inc. Method for producing silicone step-growth elastomers from dual functional siloxanes
JP6831038B2 (ja) * 2018-11-28 2021-02-17 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 硬化性ポリオルガノシロキサン組成物、およびポリオルガノシロキサン硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005336327A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7635508B2 (en) Air bag sealer silicone rubber composition
US7641980B2 (en) Liquid silicone rubber coating composition, curtain airbag and making method
JP4952882B2 (ja) 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法
JP4634866B2 (ja) 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP2007119974A (ja) 縫製エアバッグ目止め材用シリコーンゴム組成物
EP2028233B1 (en) Liquid silicone rubber coating composition, curtain air bag, and method of producing same
JP2004067948A (ja) 付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物
JP4231996B2 (ja) エアバッグ目止め材用シリコーンゴム組成物
WO2019012863A1 (ja) 付加硬化型シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ
JP5142071B2 (ja) 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法
JP5397326B2 (ja) 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法
JP2013209517A (ja) カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法
JP4190460B2 (ja) 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物
JP5206999B2 (ja) カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法
TWI829907B (zh) 安全氣囊用加成硬化型液狀聚矽氧橡膠組成物及安全氣囊
JP4088778B2 (ja) エアバック目止め材用シリコーンゴム組成物、エアバック及び接着性向上方法
JP5673402B2 (ja) 付加硬化型シリコーン接着剤組成物及び接着方法
JP2009269968A (ja) シリコーン接着剤
JP5120776B2 (ja) 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP5359415B2 (ja) オイルブリード性シリコーンゴム接着剤組成物及び該組成物の硬化物と熱可塑性樹脂との一体成型体
JP4310620B2 (ja) シリコーンゴム接着剤組成物
JP7047901B2 (ja) エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ
JP5019036B2 (ja) シリコーンゴム用接着剤
CN114341272B (zh) 气囊用加成固化型液体硅橡胶组合物及气囊
TW202045645A (zh) 安全氣囊塗佈用聚矽氧橡膠組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4190460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140926

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees