JP4190460B2 - 自己接着性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
自己接着性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDFInfo
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下記一般式(1):
(A)前記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 0.01〜5質量部、
(B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも二個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.5〜5.0モルとなる量、および
(D)白金族金属系触媒 有効量、
を含むことを特徴とする前記自己接着性オルガノポリシロキサン組成物が提供される。
(A)成分は、下記一般式(1):
(式中、R1およびR2は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であり、R3は好ましくは炭素原子数2〜8、より好ましくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、nは0〜10、好ましくは0〜5の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンである。(A)成分は一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子と、ケイ素原子に結合したアルケニル基とを有することが特徴である。(A)成分は、シリコーン硬化物に対する良好な自己接着性を本発明のオルガノポリシロキサン組成物に与える。
(B)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状でも環状でもよく、どちらの場合にもその分子内に分枝状の構造を含んでいてよい。硬化物の機械的強度等の物性面から、実質的に主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。該アルケニル基の位置には特に制限はない。(B)成分が直鎖状の場合、該アルケニル基は分子鎖の末端および末端でない部分のどちらか一方にのみ存在していてもよいし、その両方に存在していてもよい。直鎖状ジオルガノポリシロキサンの両末端はトリオルガノシロキシ基で封鎖されているのが通常である。
R5-Si(R4)2O-[Si(R4)2O]n-[Si(R4)(X)O]m-Si(R4)2-R5 (2)
(式中、R4は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であり、Xは好ましくは炭素原子数2〜8、より好ましくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、R5は独立にR4またはXを表し、nは0以上の整数であり、mは0以上であって、かつ、分子中のケイ素に結合したアルケニル基の数が2以上となる整数である。ただし、n+mは好ましくは10〜10,000、より好ましくは50〜2,000の整数であり、かつ、m/(n+m)は好ましくは0〜0.2の数である。なお、mの値は、具体的には、R5の一方がR4でもう一方がXの場合、1以上の整数であり、R5の両方がR4の場合、2以上の整数である。)で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも二個(通常、2〜150個程度)、好ましくは三個以上(通常、3〜100個、特に3〜60個程度)含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。(C)成分は、後述する(D)成分の白金族金属系触媒の存在下に、組成物中のアルケニル基、特に(B)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と反応して、三次元網目構造を与える架橋剤として作用する。(C)成分の分子構造は特に制限されず、直鎖状、分岐状、環状および網状のいずれであってもよい。また、一分子中のケイ素原子数(または重合度)が、通常、2〜300個、特に4〜150個程度のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが(C)成分として好ましく使用できる。
HaR6 bSiO(4-a-b)/2 (3)
(式中、R6は独立に、脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜7の一価炭化水素基であり、aおよびbは、0<a <2、0.8 ≦b≦2かつ0.8<a+b≦3を満たす数であり、好ましくは0.05≦a≦1、0.9≦b≦2および1≦a+b≦2.7を満たす数である。)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(D)成分の白金族金属系触媒は、(B)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進させる作用を有する。(D)成分としては、従来から公知のヒドロシリル化反応触媒を使用することができる。その具体例としては、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0または6である。)等の塩化白金、塩化白金酸および塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号参照);塩化白金酸とオレフィンとの錯体(米国特許第3,159,601号、3,159,662号、3,775,452号参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィン錯体;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとの錯体などが挙げられる。
更に、必要に応じて配合される任意成分として、(E)成分の水酸化アルミニウム(すなわち、Al(OH)3またはAl2O3・3H2O)粉末を本発明の組成物に添加することにより、該組成物の流動性を維持しつつ、該組成物から得られる硬化物の機械的強度を向上させることができる。その結果、(A)成分の添加により得られた、シリコーン硬化物に対する自己接着性がより強固に維持されやすくなる。
前記(A)〜(D)成分と任意の(E)成分以外に、必要に応じて、例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填剤;補強性のシリコーンレジン(アルケニル基含有または非含有の三次元網状構造オルガノポリシロキサン樹脂);ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック等の非補強性無機充填剤などを本発明の組成物に添加することができる。これらの成分の使用量は合計で、本発明組成物の効果を妨げない限り特に制限されず、前記(A)〜(E)成分の合計量100質量部当たり、通常、0〜200質量部、好ましくは5〜25質量部である。
本発明の組成物は用途に応じて所定の基材に塗布した後、硬化させることができる。硬化条件は、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物のものと同様でよい。本発明の組成物は、例えば、常温(25℃)でも十分に硬化するが、必要に応じて加熱して硬化させてもよい。加熱する場合、温度は、例えば、80〜150℃とすることができる。
(A-1)オルガノポリシロキサン:
(B-1)オルガノポリシロキサン:
Vi-Si(Me)2O-[Si(Me)2O]n-Si(Me)2-Vi
(式中、nは該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が10,000mm2/secとなるような数である)
(B-2)オルガノポリシロキサン:
Vi-Si(Me)2O-[Si(Me)2O]n-Si(Me)2-Vi
(式中、nは該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が100,000mm2/secとなるような数である)
(C-1)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:
(D)白金族金属系触媒:
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液(白金元素含有量:0.5質量%)
(E)水酸化アルミニウム粉末(表面処理していない):
昭和電工(株)製、商品名:H42-I(平均粒径:1.1μm)
(F)接着助剤:
トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、および下記の化合物(重量比は1:4)
(G)補強性レジン:
Vi(Me)2SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる三次元網状構造のビニル基含有メチルポリシロキサンレジン
(H)補強性無機充填剤:
ジメチルポリシロキサンとヘキサメチルジシラザンとで処理された煙霧状シリカ
(I)硬化制御剤:
エチニル-シクロヘキサノール/50%トルエン溶液
トルエンでアルミニウム板の表面を、エタノールでPBT板の表面をそれぞれ拭き、十分に乾燥させた。その後、上記で調製した組成物をそれぞれの板に塗布し、室温(25℃)で硬化させた。硬化後、組成物がアルミニウム板およびPBT板に接着しているかどうかを確認した。表1で、「良」は組成物が接着していた場合を、「不良」は組成物が接着していなかった場合を示す。
シリコーンゴムでコートした布に上記で調製した組成物を0.5 mmの厚みで塗布し、この布同士を張り合わせた。組成物が硬化した後に、ストログラフ(東洋精機(株)製、商品名:STROGRAPH VE1D)を用いて、張り合わせた布を引き剥がす実験を行った。引き剥がすのに要した強度(N/m)と接着界面の凝集破壊率(%)とを表1に示した。
実施例の組成物には(A)成分を添加したが、比較例の組成物には(A)成分を添加しなかった。ピール試験において実施例の組成物は比較例の組成物よりも良好な接着性を示した。
で表されるオルガノポリシロキサンのnの値を変化させて(n=0、3、6、10)、ピール試験を行った。いずれの組成物も、比較例より高い強度と100%の凝集破壊率とを示し、良好な接着性を有することが確認された。
Claims (7)
- (A)請求項1に記載の一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 0.01〜5質量部、
(B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも二個含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも二個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の量が0.5〜5.0モルとなる量、および
(D)白金族金属系触媒 有効量、
を含むことを特徴とする請求項1に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。 - (E)水酸化アルミニウム粉末 (B)成分100質量部に対して、0.1〜100質量部
を更に含むことを特徴とする請求項2に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。 - 前記水酸化アルミニウム粉末が表面処理されていない、またはチタネート系カップリング剤、脂肪酸、樹脂酸もしくは有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項3に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 前記水酸化アルミニウム粉末の平均粒径が0.05〜50μmであることを特徴とする請求項3または4に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- シリコーン硬化物に対して接着性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に係る自己接着性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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