JP2013209517A - カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
(B)三次元網状オルガノポリシロキサンレジン、
(C)シリカ微粉末、
(D)シリカ表面処理剤、
(E)水、
(F)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(G)付加反応触媒、
(H)接着性付与官能基含有有機ケイ素化合物
を必須成分としてなるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法であって、
(A)の一部、(B)の一部又は全部、(C)、(D)及び(E)の全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
この混合物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、
この熱処理後の混合物に、(A)及び(B)の残部と上記(F)〜(H)の全量とを混練する第三の工程
を有するカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。
【効果】本発明によれば、低燃焼速度性に優れる硬化皮膜(コーティング層)を与える液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が得られる。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は第一に、
(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)三次元網状オルガノポリシロキサンレジン(但し、該オルガノポリシロキサンレジンはケイ素原子結合水素原子を含まない):0.1〜50質量部、
(C)BET法比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(D)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(E)水:0.5〜5質量部、
(F)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計1個当たり、1〜10個となる量、
(G)付加反応触媒:有効量、
(H)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分としてなり、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部と、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
〔iii〕この熱処理後の混合物に、(A)成分及び(B)成分の残部と上記(F)〜(H)成分の全量とを混練する第三の工程
を経て製造されてなるものであるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を提供する。
(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)三次元網状オルガノポリシロキサンレジン(但し、該オルガノポリシロキサンレジンはケイ素原子結合水素原子を含まない):0.1〜50質量部、
(C)BET法比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(D)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(E)水:0.5〜5質量部、
(F)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計1個当たり、1〜10個となる量、
(G)付加反応触媒:有効量、
(H)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分としてなるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法であって、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部と、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
〔iii〕この熱処理後の混合物に、(A)成分及び(B)成分の残部と上記(F)〜(H)成分の全量とを混練する第三の工程
を有するカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法を提供する。
この場合、更に、(I)有機チタニウム化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の縮合触媒を(A)成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有し、上記〔iii〕の第三の工程で添加、混練することが好ましい。
本発明のカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(H)成分を含有してなるものであって、室温(25℃)で液状のものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するものであり、本発明組成物のベースポリマー(主剤)である。
(B)成分は三次元網状(樹脂状)構造のオルガノポリシロキサンレジンであり、好適には、3官能性のRSiO3/2単位(Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の1価炭化水素基)及び4官能性のSiO2単位から選ばれる少なくとも1種の分岐状シロキサン単位から基本的に構成され、必要に応じて、単官能性のRSiO1/2単位及び/又は2官能性のRSiO2/2単位を任意に含有してもよい、三次元網状構造のオルガノシロキサンレジン(なお、ここでのオルガノ基はアルケニル基も包含し得る。)である。但し、このオルガノポリシロキサンレジンはケイ素原子結合水素原子(SiH基)を含まない。
(F)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分及び(B)成分中のアルケニル基とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤(硬化剤)として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば直鎖状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiHで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、また実質的に分子中にケイ素原子に結合した水酸基(即ち、シラノール基)を含有しないものであり、通常、2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のSiH基を有することが望ましい。(F)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、(F)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、後述するエポキシ基を有する有機ケイ素化合物[(H)成分]を除く。
R2 aHbSiO(4-a-b)/2 (2)
(G)成分の付加反応触媒としては、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(F)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよいが、通常は、白金族金属触媒を好適に使用できる。(G)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(G)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
(H)成分は、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物としては、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有するものであれば、いかなる有機ケイ素化合物でも使用できるが、接着発現性の観点からは、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個のケイ素原子結合アルコキシ基(例えば、トリアルコキシシリル基、オルガノジアルコキシシリル基等)とを有する有機ケイ素化合物、例えば、オルガノシラン、又はケイ素原子数が2〜30個、好ましくは4〜20個程度の環状もしくは直鎖状のオルガノシロキサンであって、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個のケイ素原子結合アルコキシ基とを有するものであることが好ましい。(H)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、前記(A)〜(H)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(I)成分の縮合触媒は、有機チタニウム化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であり、接着促進のための縮合助触媒として作用するものである。(I)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(I)成分の具体例としては、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド等の有機チタン酸エステル、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラアセチルアセトネート等の有機チタンキレート化合物等のチタン系縮合助触媒(チタニウム化合物)、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド等の有機ジルコニウムエステル、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート化合物等のジルコニウム系縮合助触媒(ジルコニウム化合物)が挙げられる。
(J)成分の有機ホスファゼン化合物は、エアーバッグ用基布のシリコーンゴムコーティング剤組成物に所定量使用した場合、該コーティング布(即ち、本発明組成物の硬化皮膜(コーティング層)を少なくとも一方の表面に有する基布)が、FMVSS−302に規定される低燃焼速度性に優れるばかりでなく、なおかつ、驚くべきことに耐ブロッキング性に優れた低表面粘着性の硬化皮膜(コーティング層)を与えることができる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が得られるため、難燃剤かつ耐ブロッキング剤として有効である。有機ホスファゼン化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
反応制御剤は、上記(G)成分の付加反応触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
(C)成分のシリカ微粉末以外の無機質充填剤としては、例えば、結晶性シリカ(例えば、BET法比表面積が50m2/g未満の石英粉)、有機樹脂製中空フィラー、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(いわゆるシリコーンレジンパウダー)、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤;これらの無機質充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した充填剤;シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダーなどが挙げられる。
その他にも、例えば、1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子を含有し、他の官能性基を含有しないオルガノポリシロキサン、1分子中に1個のケイ素原子結合アルケニル基を含有し、他の官能性基を含有しないオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子もケイ素原子結合アルケニル基も他の官能性基も含有しない無官能性のオルガノポリシロキサン(いわゆるジメチルシリコーンオイル)、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チキソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤などを配合することができる。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより調製することができるが、カーテンエアーバッグ用途に使用した際にFMVSS−302に規定される低燃焼速度性に優れる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を得るためには、特に(A)成分と(C)成分とのマトリックス中での(B)成分の均一で微細な分散性を確保することが必須であり、この観点から下記〔i〕〜〔iii〕の工程を経て組成物を製造することが必要である。
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部と、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の全部を130℃未満の温度、好ましくは10〜125℃、より好ましくは25〜120℃、更に好ましくは25〜100℃、通常、室温(25℃)で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物を130〜200℃、好ましくは140〜190℃、より好ましくは145〜180℃で熱処理する第二の工程、及び
〔iii〕この熱処理後の混合物に、(A)成分及び(B)成分の残部と上記(F)〜(J)成分の全量とを10〜120℃、通常、室温(25℃)において混練する第三の工程。
なお、(C)成分以外の無機質充填剤をはじめとする他の任意成分は、第三の工程(〔iii〕)において配合、混練されるものである。
このようにして得られる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、エアーバッグ用基布に対する接着性に優れるため、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐために一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに好適なものである。
上記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を、繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面、特には一方の表面に塗布し、例えば、熱風乾燥炉に入れて加熱して硬化させることにより、シリコーンゴムコーティング層を形成させることができる。このようにして得たカーテンエアーバッグ用シリコーンゴムコーティング基布を用いて、カーテンエアーバッグを製造することができる。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン43質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約5,000mPa・sのジメチルポリシロキサン8.5質量部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン8.5質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるシリカ微粉末(Aerosil 300、日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温にて1時間混合した。その後温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、主鎖を構成する2官能性ジオルガノシロキサン単位のうちビニルメチルシロキサン単位を5モル%、ジメチルシロキサン単位を95モル%含有し、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加して均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(I)を得た。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン43質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約1,000mPa・sのジメチルポリシロキサン17質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるシリカ微粉末(Aerosil 300、日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温にて1時間混合した。その後温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、主鎖を構成する2官能性ジオルガノシロキサン単位のうちビニルメチルシロキサン単位を5モル%、ジメチルシロキサン単位を95モル%含有し、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加して均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(II)を得た。
調製例1で得たベースコンパウンド(I)76.5質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン10質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約1,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン45.5質量部、25℃における粘度が45mPa・sであり、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.08質量%)6.4質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.38質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3質量部、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド0.2質量部を混合して、組成物A((A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(F)成分中のSiH基のモル比;SiH/SiVi=5)を調製した。
組成物Aを150℃で5分プレスキュアーし、次に150℃で1時間ポストキュアーすることで、JIS K 6249に準拠したシートを作製し、このシートについてJIS K 6249に従って硬さ、切断時伸び、引張り強さ、引裂き強さを測定した。結果を表1に示す。
スコット揉み試験は、スコット揉み試験機を用いて行った。上記のシリコーンゴム被覆ナイロン基布について、押し圧力5kgfで500回の揉み試験を行った後、コーティング部分の破壊状況を目視で確認し、シリコーンゴムコーティング層がコーティング面から剥離していない場合を合格と評価し、剥離している場合を不合格と評価した。結果を表1に示す。
上記のシリコーンゴム被覆ナイロン基布の燃焼性をFMVSS−302に規定の方法により評価した。FMVSS−302による炎の燃焼速度は、20mm/min以下であることが好ましい。結果を表1に示す。
調製例1で得たベースコンパウンド(I)76.5質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン10質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約1,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン45.5質量部、25℃における粘度が45mPa・sであり、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.08質量%)6.4質量部、下記式(3)で示される有機ホスファゼン化合物0.5質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.38質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3質量部、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド0.2質量部を混合して、組成物B((A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(F)成分中のSiH基のモル比;SiH/SiVi=5)を調製した。
調製例2で得たベースコンパウンド(II)76.5質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン10質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約1,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン35.5質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約5,000mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン5質量部、25℃における粘度が45mPa・sであり、分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.08質量%)6.4質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.38質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3質量部、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド0.2質量部を混合して、組成物C((A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(F)成分中のSiH基のモル比;SiH/SiVi=5)を調製した。
Claims (8)
- (A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)三次元網状オルガノポリシロキサンレジン(但し、該オルガノポリシロキサンレジンはケイ素原子結合水素原子を含まない):0.1〜50質量部、
(C)BET法比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(D)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(E)水:0.5〜5質量部、
(F)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計1個当たり、1〜10個となる量、
(G)付加反応触媒:有効量、
(H)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分としてなるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法であって、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部と、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
〔iii〕この熱処理後の混合物に、(A)成分及び(B)成分の残部と上記(F)〜(H)成分の全量とを混練する第三の工程
を有することを特徴とするカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。 - 更に、(I)有機チタニウム化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の縮合触媒を(A)成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有し、上記〔iii〕の第三の工程で添加、混練する請求項1記載のカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。
- シリカ表面処理剤がヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。
- (A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)三次元網状オルガノポリシロキサンレジン(但し、該オルガノポリシロキサンレジンはケイ素原子結合水素原子を含まない):0.1〜50質量部、
(C)BET法比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(D)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(E)水:0.5〜5質量部、
(F)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計1個当たり、1〜10個となる量、
(G)付加反応触媒:有効量、
(H)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分としてなり、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部と、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
〔iii〕この熱処理後の混合物に、(A)成分及び(B)成分の残部と上記(F)〜(H)成分の全量とを混練する第三の工程
を経て製造されてなるものであることを特徴とするカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。 - 更に、(I)有機チタニウム化合物及び有機ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の縮合触媒を(A)成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有する請求項5記載のカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
- シリカ表面処理剤がヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
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