JPH115902A - 硬化性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

硬化性シリコーンゴム組成物

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JPH115902A
JPH115902A JP17640097A JP17640097A JPH115902A JP H115902 A JPH115902 A JP H115902A JP 17640097 A JP17640097 A JP 17640097A JP 17640097 A JP17640097 A JP 17640097A JP H115902 A JPH115902 A JP H115902A
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alkenyl
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JP17640097A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sato
伸一 佐藤
Takashi Matsuda
高至 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (a)1分子中にけい素原子に結合した
アルケニル基を少なくとも2個有し、かつ、1分子中に
パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルエー
テル基を有する含フッ素置換基を少なくとも1個含有す
るアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
99.9〜0.1重量部 (b)1分子中にアルケニル基を少なくとも1個有する
パーフルオロポリエーテル
0.1〜99.9重量部 (c)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノヒドロポリシロキサン、及
び、 (d)アルケニル基とけい素原子に結合した水素原子と
の付加反応に対する触媒を含み、しかも(a)成分と
(b)成分中の合計のアルケニル基に対する(c)成分
中のけい素原子に結合した水素原子の比率が少なくとも
0.5であることを特徴とする硬化性シリコーンゴム組
成物。 【効果】 本発明のシリコーンゴム組成物は、耐溶剤膨
潤性に優れ、しかも優れた耐熱性、透湿性を有する硬化
物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温で放置あるい
は加熱することにより容易に硬化する硬化性シリコーン
ゴム組成物に関するものであり、特にはその硬化物が種
々の溶剤に対して低膨潤性の硬化性シリコーンゴム組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐寒性及び耐候性等
の性質に優れており、種々の分野で使用されている。し
かし、シリコーンゴムは耐溶剤性に劣るという欠点を有
しており、例えば溶剤に接触したり、あるいは溶剤中に
浸漬したりすると、膨潤し、その形状が著しく変形する
と共に、ゴム強度も低下するという問題がある。
【0003】かかるシリコーンゴムの耐溶剤性を改善す
るために、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のフ
ルオロアルキル基を有するフロロシリコーンゴムが開発
された。しかしながら、このフロロシリコーンゴムはト
ルエン等の非極性溶剤に対しては優れた耐溶剤性を示す
が、ケトン、エステル等の極性溶剤に対しては極めて膨
潤しやすく、極性溶剤に対する耐溶剤性は劣っている。
【0004】この欠点を改良するために、特公平8−1
3928号公報においては、パーフルオロアルキルエー
テル基を側鎖に有するオルガノポリシロキサンを用いる
ことにより、極性溶剤に対する膨潤性も改良されたが、
膨潤率は20%より大きく、まだ不十分なものであっ
た。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
低膨潤性の硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記目的を達成するため、 (a)1分子中にけい素原子に結合したアルケニル基を
少なくとも2個有し、かつ、1分子中にパーフルオロア
ルキル基又はパーフルオロアルキルエーテル基を有する
含フッ素置換基を少なくとも1個含有するアルケニル基
含有オルガノポリシロキサン
99.9〜0.1重量部 (b)1分子中にアルケニル基を少なくとも1個有する
パーフルオロポリエーテル
0.1〜99.9重量部 (c)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノヒドロポリシロキサン、及
び、 (d)アルケニル基とけい素原子に結合した水素原子と
の付加反応に対する触媒を含み、しかも(a)成分と
(b)成分中の合計のアルケニル基に対する(c)成分
中のけい素原子に結合した水素原子の比率が少なくとも
0.5であることを特徴とする硬化性シリコーンゴム組
成物を提供する。
【0007】本発明のシリコーンゴム組成物は、非極性
溶剤及び極性溶剤に対して優れた耐溶剤性を示し、また
耐熱性、耐透湿性に優れたシリコーンゴムに硬化し得
る。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のシリコーンゴム組成物は、(a)アルケニ
ル基含有オルガノポリシロキサン、(b)アルケニル基
含有パーフルオロポリエーテル、(c)オルガノヒドロ
ポリシロキサン、(d)付加反応用触媒を含有する。
【0009】(a)アルケニル基含有オルガノポリシロ
キサン 本発明の組成物に用いられる(a)成分のアルケニル基
含有オルガノポリシロキサンにおいて、アルケニル基は
実用上からビニル基又はアリル基が好ましく、1分子中
に少なくとも2個必要である。このオルガノポリシロキ
サンは直鎖状のものが好ましく、例えば下記一般式
(1)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0010】
【化5】 (式中、R1はアルケニル基、R2は同一でも異なってい
てもよい炭素数1〜8の置換又は非置換一価炭化水素
基、Rf1はパーフルオロアルキル基又はパーフルオロ
アルキルエーテル基を有する含フッ素置換基から選ばれ
る少なくとも1種の基、aは1〜3の整数、x,y,z
は、それぞれx≧0、y≧1、z≧0の整数である。)
【0011】一般式(1)において、R1はビニル基、
アリル基、エチニル基などの炭素数2〜10、特に2〜
6のアルケニル基が例示される。R2はメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロ
ヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル
基、フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール
基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル
基、クロロメチル基、クロロプロピル基、クロロシクロ
ヘキシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など
のハロゲン化炭化水素基、2−シアノエチル基などのシ
アン化炭化水素基などが例示される。本発明において特
に好ましいのは、メチル基、エチル基、フェニル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0012】また、Rf1としては下記式のものが例示
される。
【0013】
【化6】
【0014】また、前記一般式(1)において、xは0
以上の整数であり、好ましくは0〜50の整数、yは1
以上の整数であり、好ましくは50〜5,000の整数
である。zは0以上の整数、好ましくは100〜10,
000の整数である。また、y/(x+y+z)の値は
1/50〜1/3の範囲であることが好適である。この
xの値から理解されるように、本発明において使用され
るオルガノポリシロキサンは、下記式で表される構成単
位を必須の構成単位とするものではない。
【0015】
【化7】 (式中、R1及びR2は前記の通り。)
【0016】また、上述したオルガノポリシロキサン
は、25℃における粘度が100〜10,000,00
0cStの範囲にあるものが好適であり、これらのオル
ガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上の組み合
わせでも使用することができる。
【0017】上述したオルガノポリシロキサンは、それ
自体公知の方法で製造することができる。例えば、下記
一般式(i)で表されるシクロトリシロキサンと下記一
般式(ii)で表されるシクロトリシロキサンと下記一
般式(iii)で表されるオルガノシロキサン、及び必
要により下記一般式(iv)で表されるシクロトリシロ
キサンとをアルカリ又は酸触媒存在下で共重合させるこ
とによって得ることができる。
【0018】
【化8】 (式中、R1、R2、Rf1、aは前記の通り。)
【0019】(b)アルケニル基含有パーフルオロポリ
エーテル 本発明の組成物に用いられる(b)成分のアルケニル基
含有パーフルオロポリエーテルにおいて、アルケニル基
は実用上からビニル基又はアリル基が好ましく、1分子
中に少なくとも1個必要である。このパーフルオロポリ
エーテルは直鎖状のものが好ましく、例えば下記式
(2)で表されるものが好ましい。
【0020】
【化9】
【0021】かかる一般式(2)において、アルケニル
基含有置換又は非置換一価炭化水素基R3としては、ビ
ニル基、アリル基などの炭素数2〜10、特に2〜6の
アルケニル基、シクロヘキセニル基などの炭素数5〜1
0、特に5〜8のシクロアルケニル基又は下記一般式の
けい素原子に結合したビニル基を有する置換基が例示さ
れる。
【0022】
【化10】 (式中、R2は前記の通り、Zは置換又は非置換二価炭
化水素基であり、好適には炭素数1〜10、特に2〜8
のアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、エチレン
基、プロピレン基、フェニレン基、トリレン基などが例
示される。)
【0023】また、R4としては、水素原子又は炭素数
1〜10、特に1〜8の置換又は非置換一価炭化水素基
が挙げられ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基などの
アルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール
基、あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン
原子などで置換された基、例えば3,3,3−トリフル
オロプロピル基、6,6,6,5,5,4,4,3,3
−ノナフルオロヘキシル基などのフッ素置換アルキル基
などが例示される。
【0024】また、置換又は非置換二価炭化水素基R5
としては、炭素数1〜10、特に2〜8のものが好まし
く、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメ
チレン基などのアルキレン基、シクロヘキシレン基など
のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基など
のアリーレン基あるいはこれらの基の水素原子が部分的
にハロゲン原子などで置換された基が挙げられ、また、
結合の途中に酸素原子、窒素原子、けい素原子の1種又
は2種以上を含んだ基としては、酸素原子は−O−、窒
素原子は−NR’−(R’は水素原子又は炭素数1〜
8、特に1〜6のアルキル基又はアリール基である)と
して介在することができ、またけい素原子は下記の基と
して介在することができる。
【0025】
【化11】 (R’’は炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基、
R’’’は炭素数1〜6のアルキレン基又はアリーレン
基であり、n=0〜10、特に0〜5の整数である。)
【0026】このようなR5 の基としては、下記の基を
例示することができる。
【0027】
【化12】 (Meはメチル基を示す。)
【0028】また、置換又は非置換二価アルキレン基R
6及びR7としては、炭素数1〜10、特に2〜8のもの
が好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ヘキサメチレン基などのアルキレン基、シクロヘキシレ
ン基などのシクロアルキレン基あるいはこれらの基の水
素原子が部分的にハロゲン原子などで置換された基が例
示される。
【0029】更に、bは0以上の整数であるが、好まし
くは0〜10、より好ましくは0〜6である。
【0030】次に、(b)成分の含フッ素アミド化合物
のQ及びRf2を例示するが、これらは代表例であり、
これらに限定されるものではない。以下の化学式におい
てメチル基はMe、フェニル基はPhと略記する。
【0031】Qの代表例としては、下記に示すものなど
が例示される。
【0032】
【化13】
【0033】また、二価パーフルオロアルキレン基又は
二価パーフルオロポリエーテル基Rf2として、具体的
には、下記のものを例示することができる。
【0034】
【化14】
【0035】本発明の式(2)で示される含フッ素アミ
ド化合物は、例えば下記式(A)で示される両末端に酸
フロライド基を有する化合物と、例えば下記式(B)で
示されるアミンとをトリエチルアミン等の受酸剤存在下
で反応させることにより合成することができる。
【0036】
【化15】 (式中、Rf2、R3、R4は前記と同様。)
【0037】また、Rf2基を鎖長延長した化合物は、
上記式(A)の両末端に酸フロライド基を有する化合物
と、例えば下記式(C) H−Q−H …(C) (Qは前記と同様。) とを受酸剤存在下反応させ、更に上記式(B)の二級ア
ミンを反応させることにより、合成することができる。
この反応で(A)と(C)との仕込み量はモル換算で
(A)の仕込み量を(C)より多くしなくてはならな
い。なお、(A)と(C)との比率(A)/(C)を大
きくすれば比較的分子量の小さなポリマーが合成される
が、(A)/(C)の値を1に近づければ分子量の大き
なポリマーが合成される。この反応は20〜100℃、
好ましくは20〜50℃で行わせればよい。
【0038】また、本発明の中でけい素を含有した含フ
ッ素有機けい素化合物は、(A)と(B)との反応で合
成した下記一般式(D)で示される両末端にビニル基を
有する化合物と、例えば下記式(E)とを付加反応触媒
の存在下にて反応させることにより合成することができ
る。
【0039】
【化16】
【0040】この反応で、(D)と(E)との仕込み量
はモル換算で(D)の仕込み量を(E)より多くしなく
てはならないが、その値は最大で2である。即ち、 1<(D)のモル量/(E)のモル量≦2 である。なお、(D)と(E)との比率(D)/(E)
を大きくすれば比較的分子量の小さなポリマーが合成さ
れるが、(D)/(E)の値を1に近づければ分子量の
大きなポリマーが合成される。この反応は50〜150
℃、好ましくは80〜120℃で行わせればよく、この
触媒としては周期表第VIII族元素又はその化合物、
例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸(米国
特許第3220972号参照)、塩化白金酸とオレフィ
ンとのコンプレックス(米国特許第3159601号、
同第3159662号、同第3775452号参照)、
白金黒又はパラジウムなどをアルミナ、シリカ、カーボ
ンなどの担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィン
コンプレックス、クロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)などが挙げられる
が、これらのコンプレックスはアルコール系、ケトン
系、エーテル系、炭化水素系の溶剤に溶解したものとす
ることが好ましい。
【0041】本発明においては、この(b)成分のアル
ケニル基含有パーフルオロポリエーテルは、数十cSt
(25℃)の低粘度ポリマーから固形の生ゴム状のポリ
マーまで使用可能である。取り扱い易さの点からは、例
えば熱加硫ゴム用には生ゴム状のポリマーが、また液状
ゴム用には100〜100,000cSt(25℃)程
度のポリマーが適切である。低粘度すぎると、得られた
硬化物がエラストマーとしての伸びが小さくなり、バラ
ンスのとれた物性が得られない。
【0042】上記(a)成分と(b)成分との併用割合
は、重量比として0.1:99.9〜99.9:0.
1、好ましくは0.1:99.9〜80:20、更に好
ましくは0.1:99.9〜50:50である。
【0043】(c)オルガノヒドロポリシロキサン また、本発明の組成物を構成する(c)成分としてのオ
ルガノヒドロポリシロキサンは、架橋剤、鎖長延長剤と
して働くもので、1分子中にけい素原子に結合した水素
原子(SiH基)を少なくとも2個含有するもので、付
加反応硬化型シリコーンゴム組成物に用いられる公知の
オルガノヒドロポリシロキサンを使用することができ、
以下のものが例示される。また、これら化合物は併用し
てもよい。
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】なお、この(c)成分の(a)成分及び
(b)成分に対する配合量は、(a)成分と(b)成分
の合計100重量部に対し0.1〜50重量部で十分で
あるが、好ましくは(a),(b)成分中に含まれるビ
ニル基、アリル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽
和基1モルに対してSiH基を0.5モル以上、好まし
くは0.5〜5.0モル供給する量である。少な過ぎる
と架橋度合いが不十分になるし、多過ぎると鎖長延長が
優先して硬化が不十分であったり、発泡したり、耐熱
性、圧縮永久歪特性等を悪化させる。また、この架橋剤
は均一な硬化物を得るために(a)成分と相溶するもの
を使用するのがよい。
【0047】(d)付加反応用触媒 また、本発明の組成物を構成する(d)成分としての付
加反応用触媒としては、白金族化合物が好ましく、これ
は(a)成分及び(b)成分と(c)成分の付加反応
(ヒドロシリル化)をすすめるための触媒として働くも
のである。一般に貴金属の化合物のため高価であること
から、比較的入手しやすい白金化合物がよく用いられ
る。例えば塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオ
レフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの
錯体、白金/シリカ又はアルミナ又はカーボン等の固体
触媒も使用可能であるが、より均一な硬化物を得るため
には、塩化白金酸や錯体を適切な溶剤に溶解したものを
(a)成分と相溶させて使用するのがよい。白金以外の
触媒としてはロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラ
ジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PP
33、RhCl(CO)(PPh32、RhCl(C
242、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh
32、Pd(PPh34等がある。これら触媒の使用量
は特に制限されるものではないが、高価なこともあり、
一般には白金族金属として(a),(b)成分の合計量
に対し1〜1,000ppm、望ましくは10〜500
ppm程度でよい。
【0048】本組成物は、(a)成分及び(b)成分の
官能基の種類、(d)成分の触媒の種類により室温硬化
も可能であるが、100〜150℃で数分〜数時間の短
時間で硬化させることも可能である。
【0049】なお、本組成物の実用化にあたっては、必
要に応じて更に種々の添加剤を添加してもよい。具体的
には組成物の硬化速度を制御する目的で加えるCH2
CH(R)SiO単位(式中、Rは前記R2と同様な基
である)を含むポリシロキサン(特公昭48−1094
7号公報参照)及びアセチレン化合物(米国特許第34
45420号及び特公昭54−3774号公報参照)、
更に重金属のイオン性化合物(米国特許第353264
9号参照)などがある。
【0050】これらの添加剤を添加した場合も、やはり
全組成物中のけい素原子に直接結合するアルケニル基の
合計量の不飽和結合1個に対して、けい素原子に直接結
合する水素原子を0.5〜5個存在させる必要がある。
【0051】更に本発明の組成物には、硬化時における
熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率の低
下、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性あるいは機械
的強度を向上させたりガス透過率を下げる目的で、充填
剤を添加してもよく、例えばフュームドシリカ、石英粉
末、ガラス繊維、カーボン、酸化鉄、酸化チタン及び酸
化セリウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の金属炭酸塩が挙げられる。また必要に応
じて適当な顔料、染料あるいは酸化防止剤を添加するこ
とも可能である。
【0052】本組成物の実用にあたっては、用途、目的
に応じて適当なフッ素系溶剤、例えばメタキシレンヘキ
サフロライド、フロリナート等に該組成物を所望の濃度
に溶解して使用してもよい。
【0053】本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は種
々の用途に利用することができる。即ち、その硬化物
は、フッ素含有率が高いため耐溶剤性、耐薬品性に優
れ、また、透湿性も低く、耐油性を有するので、これら
の性能が要求される自動車用ゴム材料、テント膜材料、
シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロー
ル材料、電気用防湿コーティング材などに有用である。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0055】〔実施例1〕下記式で表されるポリマー1
(粘度15,600cSt、平均分子量65,200、
ビニル基量0.0031モル/100g)50重量部と
下記式で表されるポリマー2(粘度9,500cSt、
平均分子量5,720、ビニル基量0.035モル/1
00g)50重量部に、トリメチルシロキシ基で処理さ
れた比表面積200m2/gの煙霧質シリカ10重量部
を加え、混合、熱処理の後、三本ロール上にて混合し、
更に、下記式で表される含フッ素水素シロキサン3.3
重量部、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe
2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度
1.0重量%)0.2重量部を加え、混合し、組成物I
を作成した。
【0056】
【化19】
【0057】これを減圧下で脱泡し、2mm厚の長方形
の枠に置き、再び空気抜きをし、120kg/cm2
150℃で10分間プレス硬化した。試験片を硬化した
試料から切り取り、JIS K6301に準じて物性を
測定し、次の結果を得た。 硬さ(JIS−A* ) 36 伸び(%) 220 引張強さ(kgf/cm2) 29 (*JIS K6301に規定のA型スプリング式硬さ
試験機を使用して測定)
【0058】次に、この試験片を用い、耐熱性、耐薬品
性、低温特性、透湿性を測定したところ、表1〜4に示
す結果になった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】 ( )内はポイント数の増減 劣化条件:20℃,3日間浸漬
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】〔実施例2〕実施例1で使用したポリマー
2の代わりに下記式で表されるポリマー3(粘度21,
000cSt、平均分子量16,000、ビニル基量
0.013モル/100g)を使用し、実施例1で使用
した含フッ素水素シロキサン1.4重量部を使用した以
外は、実施例1と同様に組成物IIを調製し、硬化シー
トを作成した。試験片を切り取り、JIS K6301
に準じて物性を測定した結果、以下に示す値となった。
【0064】
【化20】 硬さ(JIS−A ) 33 伸び(%) 250 引張強さ(kgf/cm2) 28
【0065】〔実施例3〕実施例1で使用したポリマー
2の代わりに下記式で表されるポリマー4(粘度12
8,600cSt、平均分子量23,000、ビニル基
量0.009モル/100g)を使用し、実施例1で使
用した含フッ素水素シロキサン1.1重量部を使用した
以外は、実施例1と同様に組成物IIIを調製し、硬化
シートを作成した。試験片を切り取り、JIS K63
01に準じて物性を測定した結果、以下に示す値となっ
た。
【0066】
【化21】 硬さ(JIS−A ) 26 伸び(%) 390 引張強さ(kgf/cm2) 25
【0067】〔実施例4〕実施例1で使用したポリマー
1の代わりに下記式で表されるポリマー5(粘度11,
200cSt、平均分子量48,200、ビニル基量
0.0041モル/100g)を使用し、実施例1で使
用した含フッ素水素シロキサン3.3重量部を使用した
以外は、実施例1と同様に組成物IVを調製し、硬化シ
ートを作成した。試験片を切り取り、JIS K630
1に準じて物性を測定した結果、以下に示す値となっ
た。
【0068】
【化22】 硬さ(JIS−A ) 38 伸び(%) 200 引張強さ(kgf/cm2) 29
【0069】実施例1〜4の組成物I,II,III,
IVの溶剤膨潤性を測定したところ、表5の結果になっ
た。
【0070】
【表5】
【0071】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム組成物は、耐溶
剤膨潤性に優れ、しかも優れた耐熱性、透湿性を有する
硬化物を与える。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1分子中にけい素原子に結合した
    アルケニル基を少なくとも2個有し、かつ、1分子中に
    パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルエー
    テル基を有する含フッ素置換基を少なくとも1個含有す
    るアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
    99.9〜0.1重量部 (b)1分子中にアルケニル基を少なくとも1個有する
    パーフルオロポリエーテル
    0.1〜99.9重量部 (c)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少な
    くとも2個有するオルガノヒドロポリシロキサン、及
    び、 (d)アルケニル基とけい素原子に結合した水素原子と
    の付加反応に対する触媒を含み、しかも(a)成分と
    (b)成分中の合計のアルケニル基に対する(c)成分
    中のけい素原子に結合した水素原子の比率が少なくとも
    0.5であることを特徴とする硬化性シリコーンゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記(a)成分が下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1はアルケニル基、R2は同一でも異なってい
    てもよい炭素数1〜8の置換又は非置換一価炭化水素
    基、Rf1はパーフルオロアルキル基又はパーフルオロ
    アルキルエーテル基を有する含フッ素置換基から選ばれ
    る少なくとも1種の基、aは1〜3の整数、x,y,z
    は、それぞれx≧0、y≧1、z≧0の整数である。)
    で表されるものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)のRf1が 【化2】 より選ばれた基である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記(b)成分が下記一般式(2) 【化3】 で表されるものである請求項1,2又は3記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(2)のR3が 【化4】 より選ばれた基である請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記(d)成分の触媒が白金族金属系化
    合物である請求項1乃至5のいずれか1項記載の組成
    物。
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