JP3298413B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
強度、高伸長の特性を有する含フッ素エラストマーを与
える硬化性組成物に関する。
り、含フッ素ポリマーと架橋剤とを主成分とする硬化性
含フッ素エラストマー組成物は、各種分野で使用されて
いる。
ッ素エラストマー組成物より得られるエラストマーは、
その引張強度、引裂強度の点でなお十分でなく、また伸
び率も不十分で、フッ素含有の特徴を有しているにも拘
らず、用途に制限があり、このため高強度、高伸長の特
性を有するゴム物性を与える含フッ素エラストマー組成
物が望まれていた。
で、高強度、高伸長の特性を有する含フッ素エラストマ
ーを与える硬化性組成物を提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、
かつ主鎖にパーフルオロ構造を有する直鎖状パーフルオ
ロ化合物、特に後述する一般式(1)で示されるパーフ
ルオロ化合物に対し、1分子中に3個のヒドロシリル基
を有する有機ケイ素化合物を架橋剤として配合すると共
に、触媒として白金族化合物を添加することにより、耐
溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性、低透湿性に優
れ、しかも、ゴム強度、伸び率に優れた含フッ素エラス
トマーを与える硬化性組成物が得られることを見出し、
本発明をなすに至ったものである。
くとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖にパーフル
オロ構造を有する直鎖状パーフルオロ化合物、 (B)1分子中に3個のヒドロシリル基を有する有機ケ
イ素化合物、 (C)触媒量の白金族化合物を含有することを特徴とす
る硬化性組成物を提供する。
明の第一成分[(A)成分]は分子中に少なくとも2個
のアルケニル基を有し、かつ主鎖にパーフルオロ構造を
有する直鎖状パーフルオロ化合物である。このパーフル
オロ化合物としては、下記一般式(1)で示されるもの
が用いられる。
て、Rfは二価パーフルオロアルキレン基又は二価パー
フルオロポリエーテル基であり、特に二価パーフルオロ
アルキレン基としては −CmF2m− (但し、m=1〜10、好ましくは2〜6である。)で
示されるものが好ましく、二価パーフルオロポリエーテ
ル基としては下記式で示されるものが好ましい。
般式(2)、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で
示される基である。
に0又は1である。
あるが、置換又は非置換の一価炭化水素基としては炭素
数1〜12のものが好ましく、これらの基として具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等
のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニル
エチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ある
いはこれらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素、塩
素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル
基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロ
プロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノ
ナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
(6)で示される二価の基である。
はそれぞれ独立に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子の1
種又は2種以上を主鎖構造中に含んでもよい二価炭化水
素基である。)
10の一価炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基
等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニ
ル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等
のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、
ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、あるいは
これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等
で置換したクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモ
エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、6,
6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシ
ル基等のフッ素置換アルキル基などが挙げられる。
価炭化水素基が挙げられるが、炭素数1〜20、特に1
〜10の二価炭化水素基が好適であり、具体的には、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン
基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、
シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレ
ン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフ
ェニレン基等のアリーレン基、あるいはこれらの基の水
素原子の一部をハロゲン原子等で置換した基、あるいは
これらの置換又は非置換のアルキレン基、アリーレン基
の組み合わせなどが例示される。
原子、ケイ素原子の1種又は2種以上を主鎖構造中に含
む二価の基が挙げられる。
−NR”−(R”は水素原子又は炭素数1〜8、特に1
〜6のアルキル基又はアリール基である)として介在す
ることができ、またケイ素原子は、オルガノシロキサン
を含有する基あるいはオルガノシリレン基として介在す
ることができる。このような基としては下記の基を例示
することができる。
しては、炭素数1〜10、特に2〜6の置換又は非置換
の二価炭化水素基が好適であり、具体的には、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブ
チレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、シクロ
ヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、
トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフェニレ
ン基等のアリーレン基、あるいはこれらの基の水素原子
の一部をハロゲン原子等で置換した基などが例示され
る。
される式(1)中のQとして具体的には下記の基が例示
される。なお、以下の化学式において、Meはメチル
基、Phはフェニル基を示す(以下、同様)。
整数であり、従って、式(1)の含フッ素化合物は1分
子中に二価パーフルオロアルキレン基又は二価パーフル
オロポリエーテル基を1個以上含むものであるが、aは
好ましくは0〜10、特に0〜6の整数である。
としては、例えば末端に−CH=CH2構造を有するビ
ニル基、アリル基等が好ましい。このアルケニル基は、
主鎖の両端部に直接結合していてもよいし、上記式中X
である二価の連結基を介して結合していてもよい。
ッ素化合物として粘度(25℃、以下同様)が数十cs
の低粘度ポリマーから固形の生ゴム状のポリマーまで使
用することができるが、取り扱い易さの点からは、例え
ば熱加硫ゴム用としては生ゴム状のポリマーが、また液
状ゴム用には粘度が100〜100000cs程度のポ
リマーが好適に使用される。なお、低粘度すぎると得ら
れる硬化物がエラストマーとしての伸びが小さくなり、
バランスのとれた物性が得られない場合が生じる。
分]は有機ケイ素化合物であり、上記含フッ素化合物の
架橋剤として働くものである。この(B)成分の有機ケ
イ素化合物は、1分子中に3個のヒドロシリル基(Si
H基)を有しているものであればよい。
は、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロオキシア
ルキル基又は一価のパーフルオロアルキル基を有し、か
つ3個のヒドロシリル基を有するものがより好ましい。
この一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパー
フルオロアルキル基としては、特に下記一般式で示され
るものを挙げることができる。
鎖状でもよく、更に三次元網状でもよく、特にケイ素原
子に結合した一価の置換基として下記一般式で示される
パーフルオロアルキル基あるいはパーフルオロアルキル
エーテル基を含有する一価の有機基を1分子中に0又は
1個以上有するものを挙げることができる。
における一価の含フッ素置換基、即ちパーフルオロアル
キル基あるいはパーフルオロオキシアルキル基を含有す
る一価の有機基以外のケイ素原子に結合した一価の置換
基としては、好ましくは脂肪族不飽和結合を含まない炭
素数1〜10、特に1〜8の一価炭化水素基が挙げられ
る。
ロシリル基、つまりSiH基は、1分子中に必ず3個必
要である。しかしながら、その目的に応じては他の数の
SiH基を持った化合物を併用することも制限されるも
のではない。
えば下記の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物
は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等の脂
肪族不飽和基1モルに対し(B)成分中のヒドロシリル
基、即ちSiH基を、好ましくは0.5〜5モル、より
好ましくは1〜2モル供給する量である。0.5モル未
満では架橋度合いが不十分になり、5モル以上では鎖長
延長が優先し硬化が不十分となったり、発泡したり、耐
熱性、圧縮永久歪特性等を悪化させる場合がある。な
お、この(B)成分の(A)成分に対する配合量は、通
常、(A)成分100部に対して0.1〜50部の範囲
とすることができる。
分]である白金族化合物は、上記含フッ素化合物と上記
有機ケイ素化合物との付加反応(ヒドロシリル化)用触
媒であり、硬化促進剤として作用する。この白金族化合
物は一般に貴金属の化合物であり、高価格であることか
ら、比較的入手しやすい白金化合物がよく用いられる。
は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アル
コールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ又は
アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。白金化合物以外の白金
族化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウ
ム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhC
l(PPh3)3,RhCl(CO)(PPh3)2,[R
hCl(C2H4)2]2,Ru3(CO)12,IrCl
(CO)(PPh3)2,Pd(PPh3)4等を例示する
ことができる。
のではなく、触媒量で所望とする硬化速度を得ることが
できるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るために
は、硬化性組成物全量に対して0.1〜1000ppm
(白金族換算)、より好ましくは0.1〜500ppm
(同上)程度の範囲とするのがよい。
用性を高めるために種々の添加剤を必要に応じて添加す
ることができる。具体的には、硬化性組成物の硬化速度
を制御する目的で加えるCH2=CH(R)SiO単位
(式中、Rは水素原子又は置換又は非置換の一価炭化水
素基である。)を含むポリシロキサン(特公昭48−1
0947号公報参照)及びアセチレン化合物(米国特許
第3445420号及び特公昭54−3774号公報参
照)、さらに重金属のイオン性化合物(米国特許第35
32649号参照)等を例示することができる。
における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨
張率の低下、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性ある
いは機械的強度を向上させたり、ガス透過率を下げる目
的で充填剤を添加しても良く、例えばヒュームドシリ
カ、石英粉末、ガラス繊維、カーボン、酸化鉄、酸化チ
タン及び酸化セリウム等の金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩を挙げることがで
き、更に必要に応じて適当な顔料、染料あるいは酸化防
止剤を添加することも可能である。
限されず、上記成分を練り合わせることにより製造する
ことができる。また第一成分と第二成分、第一成分と第
三成分というように2組成物とし、使用時に混合する方
法でもよい。製造された硬化性組成物は、第一必須成分
の含フッ素化合物の官能基、第三必須成分の触媒の種類
により室温硬化も可能であるが、100〜200℃にて
数分から数時間程度の時間で硬化させることが好まし
い。
あたり、その用途、目的に応じて該組成物を適当なフッ
素系溶剤、例えばメタキシレンヘキサフロライド、フロ
リナート等に所望の濃度に溶解して使用してもよい。
物性が高強度、高伸長の特性を有し、ゴム材料として耐
溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低透湿性を有し、しかもゴ
ム強度、伸び率が大幅に向上したことにより、O−リン
グ等の高強度材料として有用である。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例中の部は全て重量部を示
す。
マー(粘度4400cs、平均分子量16500、ビニ
ル基量0.013モル/100g)100部に下記式
(i)で処理された比表面積300m2/gの煙霧質シ
リカ20部を加え、混合、熱処理した後、三本ロールミ
ル上にて混合し、更に、エチニルシクロヘキサノールの
50%トルエン溶液を0.3部、塩化白金酸を下記式
(B)の化合物で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃
度0.5重量%)0.2部、下記式(C)で示される多
官能の含フッ素水素シロキサン2.4部を加え、混合し
た。
1hrにて硬化させた硬化物について物理的性質を調べ
たところ、硬度(JIS−A)55、引張強度42kg
f/cm2、伸び率250%、引裂強度7kgf/cm
であった。
シロキサンの代わりに下記式(D)の含フッ素水素シロ
キサン3.3部を添加した以外は比較例1と同様に組成
物を調製し、同条件にて得た硬化物について物理的性質
を調べたところ、硬度(JIS−A)50、引張強度9
3kgf/cm2、伸び率460%、引裂強度31kg
f/cm であった。
わりにジメチルジクロルシランで処理された比表面積3
00m2/gの煙霧質シリカ20部を加え、更に上記式
(C)の含フッ素水素シロキサンの代わりに下記式
(E)の含フッ素水素シロキサン3.1部を添加した以
外は比較例1と同様に組成物を調製し、同条件にて得た
硬化物について物理的性質を調べたところ、硬度(JI
S−A)43、引張強度97kgf/cm2、伸び率7
50%、引裂強度41kgf/cm であった。
マー(ビニル基量0.008モル/100g)100部
に上記式(i)で処理された比表面積300m2/gの
煙霧質シリカ10部を加え、混合、熱処理した後、三本
ロールミル上にて混合し、更に、エチニルシクロヘキサ
ノールの50%トルエン溶液を0.3部、比較例1と同
様の白金触媒を0.2部、下記式(G)で示される多官
能の含フッ素シロキサン1.6部を加え、混合した。
にて硬化させた硬化物について物理的性質を調べたとこ
ろ、硬度(JIS−A)26、引張強度38kgf/c
m2、伸び率510%、引裂強度7kgf/cm であっ
た。
ッ素水素シロキサンの代わりに下記式(H)で示される
化合物2.3部を添加した以外は比較例2と同様に組成
物を調製し、同条件にて得た硬化物について物理的性質
を調べたところ、硬度(JIS−A)20、引張強度8
3kgf/cm2、伸び率1300%、引裂強度25k
gf/cm であった。
わりに下記式(I)で示されるポリマー(ビニル基量
0.013モル/100g)100部を用い、上記式
(G)の架橋剤を2.7部に代えた以外は比較例2と同
様に組成物を調製し、同条件にて得た硬化物について物
理的性質を調べたところ、硬度(JIS−A)45、引
張強度22kgf/cm2、伸び率180%、引裂強度
5kgf/cm であった。
りに下記式(J)で示される化合物4.0部を添加した
以外は比較例3と同様に組成物を調製し、同条件にて得
た硬化物について物理的性質を調べたところ、硬度(J
IS−A)40、引張強度74kgf/cm2、伸び率
400%、引裂強度20kgf/cm であった。
45.6g(0.2モル)を200mlの撹拌機つきフ
ラスコに仕込み、110℃に加熱した。これに白金濃度
2%のエチニルヘキサノール変性触媒0.4gを添加し
た。更に、C8F17CH2CH=CH2を46.0g
(0.1モル)滴下して反応を行った。反応物を減圧蒸
留することにより、上記式(J)の化合物40.7gを
得た。単離収率は52%であった。
Me2H)3を有するオルガノハイドロジェンシロキサン
は、Rf’−R’(Rf’はパーフルオロアルキル基又
はパーフルオロオキシアルキル基、R’はアルケニル
基)と(HMe2SiO)3−Si−R”(R”は1価炭
化水素基)とを後者を前者の1.2倍モル以上、特に
1.5〜5倍モルの過剰量を用いて白金触媒の存在下で
部分付加反応を行うことにより得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 で示される1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を
有し、かつ主鎖にパーフルオロ構造を有する直鎖状パー
フルオロ化合物、 (B)1分子中に3個のヒドロシリル基を有する有機ケ
イ素化合物、 (C)触媒量の白金族化合物を含有することを特徴とす
る硬化性組成物。 - 【請求項2】 上記(B)成分のヒドロシリル基含有有
機ケイ素化合物が1分子中に3個のヒドロシリル基を有
し、かつ1個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル
基又は一価のパーフルオロアルキル基を有する有機ケイ
素化合物である請求項1記載の硬化性組成物。
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