JP5120522B2 - 電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、固体電解質組成物、電極及び全固体型電池 - Google Patents

電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、固体電解質組成物、電極及び全固体型電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、固体電解質組成物、電極及び全固体型電池に関する。
電池をはじめとする電気化学素子は、イオンの移動が起こる電解質と、移動したイオンへの電子の授受が行われる電極とから構成される。従来の電池のように、電解質が溶媒に支持塩を溶解させた液体であると、この液体を格納する容器が必要となることから、電気化学素子を小型化・薄型化することが困難になる。上記電気化学素子として、特にリチウム電池は、リチウムが原子量が小さく、かつイオン化エネルギーが大きな物質であることから、高エネルギー密度を得ることができる電池として盛んに研究が行われ、現在ではポータブル機器の電源として広範囲に用いられるに至っている。その一方、リチウム電池の汎用化に伴って、活物質の含有量増加により内部エネルギーが増大し、また電解質液体に用いられている可燃性の有機溶媒の含有量が増大しているため、電池の安全性に対する関心が近年クローズアップされてきている。今日では、小型化、薄型化及び安全性の観点から、不燃性の物質である固体電解質材料を用いる全固体型電池の開発が行われている。
かかる全固体型電池に用いられる電極は、例えば電極活物質と、重合体を有機液状媒体中に溶解した電池用バインダー組成物とを含有する電池電極用スラリーを集電体の表面に塗布して乾燥し、得られた塗膜をプレス加工することにより、集電体上に電極層を積層させる等の工程で製造される。
上述の全固体型電池において、上記電池電極用スラリーにより形成される電極層は、集電体に対する密着性だけでなく、一対の電極間に配設される固体電解質層に対しても高い密着性が要求される。加えてこの固体電解質層の導電性を向上させるため、固体電解質層における固体電解質材料に対するバインダーの使用量を抑制することも求められ、ひいては密着性のさらなる向上が要求されている。この密着性の向上のため、上記バインダーとして、比較的高い極性を有する重合体を用いることが検討されている(特許文献1〜8参照)。このような重合体を溶解させるためには、N−メチルピロリドン等の高極性有機液状媒体を用いる必要がある。
しかしながら、このような高極性有機液状媒体は、電極活物質を変質劣化させ、その結果、電極やそれを用いた電池の電気的性能が低下するという不都合がある。一方、電極活物質に対する影響が小さい非極性有機液状媒体に重合体を分散させたものを用いた場合は電極製造において、特にドクターブレード法及びスピンコート法等の手法によって集電体表面に電池電極用スラリーを塗布する際、均一な電極層を形成することが困難となり、作業性が低くなる。
これに対し、上記不都合を回避するために、バインダーを形成する重合体として、非極性又は低極性の有機液状媒体に可溶な極性の低いものを採用し、その重合体の構造等を種々改良して密着性等を向上させることが検討されているが(特許文献8〜11参照)、現在までの技術では、密着性の改善はそれほど大きくない。
特開2000−256616号公報 特開2000−200608号公報 国際公開第99/8335号 特開平11−21455号公報 特開平11−102709号公報 特開平10−279608号公報 特開平10−3943号公報 特開平9−63590号公報 特開2009−80999号公報 特開2000−123874号公報 特開平11−86899号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、電極製造における作業性を高めつつ、固体電解質材料及び集電体への密着性に優れ、電気的特性に優れる電極等を形成することができる電池用バインダー組成物、この電池用バインダー組成物を含有する電池電極用スラリー及び固体電解質組成物、電極並びに全固体型電池を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]下記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む官能基(f)とを有し、かつ25℃、1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度が5g/100g以上である重合体、並びに
[B]液状媒体
を含有し、
上記官能基(f)が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である電池用バインダー組成物である。
Figure 0005120522

(式(a1)〜(a5)中、RA1〜RF5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基である。)
本発明の電池用バインダー組成物は、上記特定の構造単位及び上記特定の官能基(f)を有する[A]重合体を含有することで固体電解質材料及び集電体への密着性に優れる。従って、当該電池用バインダー組成物は、電池を構成する部位、例えば、電極層、この電極層と集電体からなる電極、固体電解質層等の形成に好適である。また、当該電池バインダー組成物は、[A]重合体のシクロヘキサンに対する溶解度が所定値以上であることから、非極性又は低極性の有機液状媒体を用いることができる。従って、当該電池用バインダー組成物によれば、バインダー量を低減し、かつ電極活物質の劣化を抑制させることができるので、電気的特性に優れる電極等を製造することができる。
[A]重合体は、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体の活性末端に、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む変性剤(m)を反応させて結合生成することにより得られることが好ましい。
[A]重合体は、上記反応により簡便に得ることができる。
上記変性剤(m)は、下記式(x)で表されることが好ましい。
Figure 0005120522
(式(x)中、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Xは、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。n1は、2〜4の整数である。R及びXがそれぞれ複数の場合、複数のR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記変性剤(m)を上記特定の変性剤とすることで、官能基(f)としてケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子を有する[A]重合体を簡便に得ることができる。
[A]重合体は、下記式(P)で表される重合体であることが好ましい。
Figure 0005120522
(式(P)中、Lは、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体鎖である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Yは、水素原子、1価の炭化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。aは、2〜4の整数である。L及びYがそれぞれ複数の場合、複数のL及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
[A]重合体は、上記特定構造の重合体とすることで種々の構造を有することが可能となるので、当該電池用バインダー組成物に種々の性質を持たせることが可能となる。
[A]重合体が、上記式(a1)及び(a2)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、上記式(a1)から(a5)で表される構造単位の合計含有量に対する上記式(a1)及び(a2)で表される構造単位の合計含有量の割合が60モル%以上であることが好ましい。当該電池用バインダー組成物によれば、[A]重合体における二重結合の含有割合を所定値未満に抑えることで、得られるバインダーの密着性をより向上させることができる。また、当該電池用バインダー組成物から得られる電極等において、電極活物質等の作用による[A]重合体の劣化が抑制されるため、電極等の耐久性が向上する。
[A]重合体中の官能基(f)の含有量は、0.0005モル/kg以上0.2モル/kg以下であることが好ましい。[A]重合体中の官能基(f)の含有量を上記特定範囲とすることで、得られるバインダーの固体電解質材料等への密着性と、非極性有機液状媒体への溶解性とを高いレベルで両立させることができる。
[A]重合体における官能基(f)は、アミノ基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。当該電池用バインダー組成物によれば、官能基(f)として上記特定の基を採用することで、得られるバインダーの固体電解質材料等への密着性の向上と、非極性有機液状媒体への高い溶解性による電極層製造時の作業性の向上とをさらに高いレベルで両立させることができる。
[A]重合体の数平均分子量に対する重量平均分子量の比は3以下であることが好ましい。当該電池用バインダー組成物によれば、比較的分子量分布の狭い[A]重合体を用いることで、得られるバインダーの密着性がさらに向上する。加えて、非極性有機液状媒体への微量な不溶分が抑制されるため、形成される電極層の均一性を高めることができ、作業性及び得られる電極等の性能がより向上する。
[A]重合体は、リビングアニオン重合により得られるとよい。[A]重合体がリビングアニオン重合により得られるものであることにより、分子量分布をさらに狭くすることができるので、バインダーの密着性がさらに向上する。また、リビングアニオン重合を用いることにより、重合体中に官能基(f)を簡便な操作で導入することができる。
当該電池用バインダー組成物は、[B]液状媒体が、非極性有機液状媒体であることが好ましい。当該電池用バインダー組成物が、[A]重合体を溶解させる媒体としての[B]液状媒体が非極性有機液状媒体であることで、バインダー組成物が液状となるため作業性をさらに向上させることができる。
従って、当該電池用バインダー組成物は、電極の集電体に対してだけでなく、固体電解質材料に対しても高い密着性を有するバインダーを形成することができ、使用量を低減して、固体電解質層の導電性を向上させることができるので、全固体型電池用として好適に用いることができる。
本発明の電池電極用スラリーは、電極活物質と、当該電池用バインダー組成物とを含有する。当該電池電極用スラリーは、上記特性を有する電池用バインダー組成物を含有することで、電極活物質の変質等を抑えることができ、保存安定性に優れ、結果として、当該電池電極用スラリーから形成される電極や電池の性能を向上させることができる。また、当該電池電極用スラリーによれば、均一な電極層を形成できるので、電極製造時の作業性に優れる。
本発明の固体電解質組成物は、固体電解質材料と、当該電池用バインダー組成物とを含有する。上述のように、当該電池バインダー組成物は固体電解質材料に対して高い密着性を有するバインダーを形成することができるので、これを含有する当該固体電解質組成物によれば、耐久性の高い固体電解質層を形成することができる。また、当該固体電解質組成物によれば、固体電解質層における固体電解質材料に対するバインダーの量を低減することが可能となるので、導電性の高い固体電解質層を形成することができる。
本発明の電極は、集電体と、この集電体の少なくとも一部に積層される電極層とを備え、上記電極層が、当該電池電極用スラリーから形成されている。当該電極においては、集電体に積層される電極層が、上記特性を有する電池電極用スラリーから形成されている。つまり、集電体と電極活物質等とがバインダーによって強く結着されるので耐久性に優れている。また、当該電極は、上述のように、バインダー量を低減することができると共に、変質や劣化が抑制された電極活物質を用いることができるので、電気的特性に優れている。
本発明の全固体型電池は、電極層が対向するよう配設される一対の当該電極と、これらの一対の電極間に配設される固体電解質層とを備える。当該全固体型電池は、上記特性を有する電極及び固体電解質層を備えるので耐久性に優れ、かつ、固体電解質層における導電性等の電気的特性にも優れている。
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
以上説明したように、本発明の電池用バインダー組成物によれば、電極製造における作業性を高めつつ、固体電解質材料及び集電体への密着性に優れ、電気的特性に優れる電極等を形成することができる。
実施例において用いた電気特性測定装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<電池用バインダー組成物>
本発明の電池用バインダー組成物は、[A]重合体及び[B]液状媒体を含有する。当該電池用バインダー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、任意成分をさらに含有していてもよい。
<[A]重合体>
当該電池用バインダー組成物に用いられる[A]重合体は、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、窒素原子、酸素原子又はケイ素原子を含む官能基(f)とを有し、かつ25℃、1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度が5g/100g以上である重合体である。
[構造単位(a1)〜(a5)]
[A]重合体は、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する。
上記式(a1)〜(a5)中、RA1〜RF5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基である。
上記炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルケニル基、炭素数6〜18のシクロアルキニル基が挙げられる。
上記炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、直鎖状又は分岐状のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基及びヘキサデシル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜18のアルケニル基としては、エテニル基、直鎖状又は分岐状のプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基及びヘキサデセニル基等が挙げられる。
上記炭素数2〜18のアルキニル基としては、エチニル基、直鎖状又は分岐状のプロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、テトラデシニル基及びヘキサデシニル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜18のシクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式基、ジシクロペンチル基、ジシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル等の多環式基が挙げられる。
上記炭素数3〜18のシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロドデセニル基等の単環式基;ジシクロペンテニル基、ジシクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、トリシクロデシニル基、テトラシクロドデカニル基等の多環式基が挙げられる。
上記炭素数8〜18のシクロアルキニル基としては、シクロオクチニル基、シクロデシニル基等の単環式基;テトラシクロドデシニル基等の多環式基が挙げられる。
これらの基の中で、得られるバインダーの耐久性が向上する観点から、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、及びブチル基がより好ましく、水素原子及びメチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
上記構造単位を与える単量体としては、例えば、脂肪族共役二重結合を有する直鎖状又は分岐状の化合物が挙げられる。具体的には、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、特にブタジエンとしては1,3−ブタジエンが好ましい。また、構造単位(a1)及び(a2)を与える構造単位としては、脂肪族単独二重結合を有する直鎖状又は分岐状の化合物が挙げられる。具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、4−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[A]重合体における上記構造単位(a−1)〜(a−5)の全てが、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレン由来であることが好ましく、1,3−ブタジエン由来であることがさらに好ましい。
[A]重合体は、その溶解度が上記範囲である限り、上記構造単位(a1)〜(a5)以外の他の構造単位を有していてもよい。このような他の構造単位を与える単量体としては、芳香族ビニル化合物が挙げられ、具体的には、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中では、スチレンが好ましい。上記芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有率としては、[A]重合体中の芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の総量が、50モル%未満が好ましく、30モル%未満がより好ましく、10モル%未満がさらに好ましく、0モル%、すなわち芳香族ビニル化合物由来の構造単位を有しないことが特に好ましい。芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有率を上記範囲とすることで、[A]重合体の硬度が適度となり、バインダーの密着性が向上する。また、[A]重合体の酸化耐性が向上し、バインダーの耐久性が向上する。さらに、当該電池用バインダー組成物から形成される電極層の柔軟性が向上するので、電極層の耐久性が向上する。上記芳香族ビニル化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、[A]重合体において、上記他の構造単位を与える単量体として、芳香族ビニル化合物以外に、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル等を用いてもよい。
上記他の構造単位の含有率としては、[A]重合体中の他の構造単位の総量が40モル%未満が好ましく、20モル%未満がより好ましく、10モル%未満がさらに好ましい。
[A]重合体において、1,2−ビニル結合の含有量、すなわち[A]重合体の構造単位(a1)〜(a5)の総量に対する上記構造単位(a2)及び(a5)の総量の割合としては、80モル%以下が好ましく、10モル%以上75モル%以下がさらに好ましく、10モル%以上70モル%以下が特に好ましい。1,2−ビニル結合の含有量を上記範囲とすることで、得られるバインダーの密着性を向上させることができる。なお、[A]重合体中の1,2−ビニル結合の含有量は、赤外分光法による測定を行い、ハンプトン法によって求めることができる。
[A]重合体が上記構造単位(a1)及び/又は(a2)を有する場合、上記構造単位(a1)〜(a5)の合計含有量に対する上記構造単位(a1)及び(a2)の合計含有量の割合、すなわち、[A]重合体を共役ジエン化合物等から合成する場合の二重結合の水素添加率としては、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上が特に好ましい。上記構造単位(a1)及び(a2)の割合を上記範囲とすることで、得られるバインダーの密着性が向上させることができる。なお、上記構造単位の含有量の割合は、プロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により測定することができる。
[官能基(f)]
[A]重合体は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子(以下、「特定原子」ともいう)を含む官能基(f)を有している。[A]重合体が、官能基(f)を有していることで、当該電池用バインダー組成物から形成されるバインダーが、集電体及び固体電解質材料等に対して優れた密着性を発揮することができる。
官能基(f)は、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む官能基である限り、特に限定されない。
官能基(f)の具体例を以下に示す。窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子のうち複数種の原子を有する官能基(f)は、そのうちの1種の原子を含む官能基の例にのみ例示する。
窒素原子を含む官能基の具体例としては、無置換アミノ基、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、環状アミノ基、ビス(トリアルキルシリル)アミノ基等のアミノ基、シアノ基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、イミノ基、ピリジル基、イミダゾリル基等が挙げられる。この中で、得られるバインダーの密着性の観点から、アミノ基が好ましく、その中でも、無置換アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、環状アミノ基及びビス(トリアルキルシリル)アミノ基が好ましく、無置換アミノ基、ジアルキルアミノ基及び環状アミノ基がさらに好ましく、無置換アミノ基、ジメチルアミノ基及びN−ピペリジニル基が特に好ましい。
酸素原子を含む官能基の具体例としては、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、エーテル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、酸無水物基、ラクトン基が挙げられる。この中で、得られるバインダーの密着性の観点から、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基及び酸無水物基が好ましく、水酸基及びカルボキシル基がさらに好ましい。
ケイ素原子を含む官能基の具体例としては、例えば、無置換シリル基、アルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基等のアルコキシシリル基、アリールオキシシリル基、ジアリールオキシシリル基、トリアリールオキシシリル基等のアリールオキシシリル基等が挙げられる。この中で、得られるバインダーの密着性の観点から、アルコキシシリル基が好ましく、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基がより好ましく、その中でも、モノメトキシシリル基、モノエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、及びトリエトキシシリル基がさらに好ましい。
ゲルマニウム原子を含む官能基の具体例としては、例えば無置換ゲルミル基、アルコキシゲルミル基、ジアルコキシゲルミル基、トリアルコキシゲルミル基等のアルコキシゲルミル基、アリールオキシゲルミル基、ジアリールオキシゲルミル基、トリアリールオキシゲルミル基等のアリールオキシゲルミル基等が挙げられる。この中で、得られるバインダーの密着性の観点から、アルコキシゲルミル基が好ましく、モノアルコキシゲルミル基、ジアルコキシゲルミル基、及びトリアルコキシゲルミル基がより好ましく、その中でも、モノメトキシゲルミル基、モノエトキシゲルミル基、ジメトキシゲルミル基、ジエトキシゲルミル基、トリメトキシゲルミル基、及びトリエトキシゲルミル基がさらに好ましい。
スズ原子を含む官能基の具体例としては、例えば、無置換スタニル基、アルコキシスタニル基、ジアルコキシスタニル基、トリアルコキシスタニル基等のアルコキシスタニル基、アリールオキシスタニル基、ジアリールオキシスタニル基、トリアリールオキシスタニル基等のアリールオキシスタニル基等が挙げられる。この中で、得られるバインダーの密着性の観点から、アルコキシスタニル基が好ましく、モノアルコキシスタニル基、ジアルコキシスタニル基、及びトリアルコキシスタニル基がより好ましく、その中でも、モノメトキシスタニル基、モノエトキシスタニル基、ジメトキシスタニル基、ジエトキシスタニル基、トリメトキシスタニル基、及びトリエトキシスタニル基がさらに好ましい。
重合体中に上記官能基(f)を導入する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、(i)特定原子を含む変性剤(m)を、重合反応後の重合体の活性末端に反応させて結合生成する方法、(ii)特定原子を含む重合開始剤(以下、「重合開始剤(m)」ともいう。)を用いて、重合反応を行う方法、(iii)特定原子を含む単量体(以下、「単量体(m)」ともいう。)を共重合させる方法、(iv)特定原子を含む化合物(以下、「化合物(m)」ともいう。)を、重合体の一部と反応させる方法等が挙げられる。これらの特定原子を含む変性剤(m)、重合開始剤(m)、単量体(m)及び化合物(m)は、官能基(f)を有するか、又は官能基(f)に変換され得る基を有する。
上記変性剤(m)及び化合物(m)としては、下記式(z1)〜(z4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を好ましく用いることができる。
Figure 0005120522
上記式(z1)〜(z4)中、R、Rb1〜Rb4、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基である。但し、Rb1とRb3、又はRc1とRc2とが互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に環構造を形成していてもよい。Xは、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。Zは、酸素原子又はNR’である。R’は1価の有機基である。kは、2〜4の整数である。R及びXがそれぞれ複数の場合、複数のR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記方法(i)における変性剤(m)としては、例えば、シラン化合物、ゲルマン化合物、スタンナン化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物、アミド化合物、イソシアネート化合物、エポキシド化合物、炭酸ガス等が挙げられる。変性剤(m)としては、これらの化合物を1種又は2種以上用いてもよく、これらの化合物はそれぞれ1種又は2種以上用いてもよい。
上記シラン化合物としては上記式(z1)で表される化合物を使用することができ、モノアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物、テトラアルコキシシラン化合物等のアルコキシシラン化合物、モノハロゲン化ケイ素化合物、ジハロゲン化ケイ素化合物、トリハロゲン化ケイ素化合物及びテトラハロゲン化ケイ素化合物等が挙げられる。
ハロゲン原子を導入するためのシラン化合物としては、ハロゲン原子含有シラン化合物が挙げられる。具体例としては、
ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素等が特に好ましい。
アルコキシ基を導入するためのシラン化合物としては、アルコキシ基含有シラン化合物が挙げられる。具体的には、
エトキシトリメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、テトラエトキシシラン等が特に好ましい。
アミノ基を導入するためのシラン化合物としては、窒素原子にケイ素原子が2個結合した構造を有するアルコキシシラン化合物等が挙げられる。具体例としては、
N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシランおよびN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。この中で、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、及び1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましく、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、及び1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンが特に好ましい。
水酸基を導入するためのシラン化合物としては、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。具体例としては、
2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。この中で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが特に好ましい。
イソシアネート基を導入するためのシラン化合物としては、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。具体例としては、
イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリイソプロポキシシラン等が挙げられる。この中で、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
上記シラン化合物としては、上記のアルコキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
上記ゲルマン化合物としては、例えば、モノアルコキシゲルマン化合物、ジアルコキシゲルマン化合物、トリアルコキシゲルマン化合物、テトラアルコキシゲルマン化合物等のアルコキシゲルマン化合物が挙げられる。また、上記ゲルマン化合物としては、上記シラン化合物として例示した化合物と同様であって、ケイ素原子の代わりにゲルマニウム原子を有する化合物等も挙げられる。
上記スタンナン化合物としては、例えば、モノアルコキシスタンナン化合物、ジアルコキシスタンナン化合物、トリアルコキシスタンナン化合物、テトラアルコキシスタンナン化合物等のアルコキシスタンナン化合物が挙げられる。また、上記スタンナン化合物としては、上記シラン化合物として例示した化合物と同様であって、ケイ素原子の代わりにスズ原子を有する化合物等も挙げられる。
また、変性剤(m)としては、シラン化合物、ゲルマン化合物及びスタンナン化合物として、後述の変性剤(x)を用いることもできる。
上記アルデヒド化合物としては上記式(z3)で表される化合物を使用することができ、例えば、ジアルキルアミノベンズアルデヒド、ジアルキルアミノプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
上記ケトン化合物としては上記式(z3)で表される化合物を使用することができ、ベンゾフェノン、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては上記式(z3)で表される化合物を使用することができ、N−メチルオキサゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物としては上記式(z4)で表される化合物を使用することができ、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
上記エポキシ化合物としては上記式(z2)で表される化合物を使用することができ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エポキシシクロヘキセン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジル−3−グリシジルオキシアニリン、N,N−ジグリシジル−2−グリシジルオキシアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジルブチルアミン、トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
上記方法(ii)における重合開始剤(m)としては、例えば、第2級アミン等のアミン化合物などが挙げられる。特に、下記式(w1)〜(w3)でそれぞれ表される化合物を好ましく使用することができる。
Figure 0005120522
上記式(w1)〜(w3)中、Rd1、Rd2、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基である。R、Rg1及びRg2は、それぞれ独立して、炭素数2〜12の炭化水素基である。Eは、酸素原子又はNR”である。R”は、水素原子又は1価の有機基である。
上記アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジn−オクチルアミン、ジ2−エチルへキシルアミン等のジアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジアリルアミン等;モルホリン、ピペラジン、2,6−ジメチルモルホリン、2,6−ジメチルピペラジン、1−エチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1−ベンジルピペラジン、ピペリジン、3,3−ジメチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、1−メチル−4−(メチルアミノ)ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、アゼチジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、5−ベンジルオキシインドール、3−アザスピロ[5.5]ウンデカン、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、カルバゾール、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−2−エチルヘキシルピペラジン等の環状アミン等が挙げられる。これらの中で、環状第2級アミン、ジアルキルアミンが好ましく、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミンがより好ましく、ピペリジンが特に好ましい。
上記アミン化合物は、有機アルカリ金属化合物と反応させることにより、開始剤として使用される。重合開始剤として、有機アルカリ金属とアミン化合物との反応生成物を用いることにより、得られる重合体の末端に、アミノ基を導入することができる。
上記方法(iii)における単量体(m)としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子の少なくとも1種を有する(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアリール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記方法(iv)における化合物(m)としては、例えば、重合体がハロゲン原子を有する場合の、アンモニア、アルキルアミン、水等が挙げられる。
[A]重合体は、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体の活性末端に、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む変性剤(m)を反応させて結合生成することにより得られることが好ましい。
上記変性剤(m)は、上記式(x)で表されることが好ましい。(この変性剤(m)を「変性剤(x)」ともいう。)上記変性剤(m)を上記変性剤(x)とすることで、官能基(f)としてケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子を有する[A]重合体を簡便に得ることができる。
上記式(x)中、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Xは、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。n1は、2〜4の整数である。R及びXがそれぞれ複数の場合、複数のR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R1で表される1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
1で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
1で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
変性剤(x)としては、としては、具体的にはハロゲン原子含有シラン化合物、ハロゲン原子含有ゲルマニウム化合物、ハロゲン原子含有スズ化合物、アルコキシ基含有シラン化合物、アルコキシ基含有ゲルマニウム化合物、アルコキシ基含有スズ化合物が好ましく、その中でも、塩素原子含有シラン化合物、塩素原子含有ゲルマニウム化合物、塩素原子含有スズ化合物が特に好ましい。
塩素原子含有シラン化合物としては、例えば、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素等が挙げられる。
塩素原子含有ゲルマニウム化合物としては、例えばジメチルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド、四塩化ゲルマニウム等が挙げられる。
塩素原子含有スズ化合物としては、例えば、ジメチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド、四塩化スズ等が挙げられる。
上記変性剤(x)を、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合反応後の重合体の活性末端に反応させて結合生成することにより、例えば上記式(P)等で表される重合体が形成される。
上記式(P)中、Lは、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体鎖である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Yは、水素原子、1価の炭化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。aは、2〜4の整数である。L及びYがそれぞれ複数の場合、複数のL及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Yとしては、上記変性剤(x)において、Rとして例示した1価の炭化水素基、Xとして例示したハロゲン原子又はアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
[A]重合体は、このような重合体とすることにより、種々の構造を持たせることが可能となり、当該電池用バインダー組成物に種々の性質を持たせることが可能となる。
なお、官能基(f)を導入する上記手法は単独または併用してもよく、さらにこのような重合体を形成するための変性剤として、下記(a)及び/又は(b)を用いることもできる。
(a)下記式(y)で表わされる化合物(以下、「ハロゲン化炭化水素化合物」ともいう。)
Figure 0005120522
上記式(y)中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基である。Xはハロゲン原子又はアルコキシ基である。n2は2〜4の整数である。
(b)分子内に2個以上のビニル基を有するビニル基含有化合物
上記式(y)においてR2で表される1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1〜12のアルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
2で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子である。上記X2で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
上記ハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば四塩化炭素、四臭化炭素、四ヨウ化炭素、クロロホルム、三臭化メタン、三ヨードメタン、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、トリクロロエタン、ジクロロエタン等が挙げられる。
分子内に2個以上のビニル基を有するビニル基含有化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン等の芳香族化合物、及びこれらの芳香族化合物の混合物が好ましい。
[A]重合体が共重合体である場合、[A]重合体中の構造単位の配列順については、特に限定されない。すなわち、[A]重合体はブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
[A]重合体においては、カップリング率は80質量%以下であることが好ましく、10〜80質量以下であることがより好ましく、20〜70質量%であることがさらに好ましい。カップリング率が上記下限より小さいと形成されるバインダーと集電体等との密着性が低下する傾向にある。
なお、本明細書における「カップリング率」とは、変性剤の結合反応剤としての作用によって結合された重合体(変性剤による変性反応によりカップリングされた重合体)の重合体全体に対する存在率(質量%)である。このような「カップリング率」は、得られた重合体の分岐構造の量を見積もる指標である。
[A]重合体のカップリング率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によって得られた[A]重合体の全ピーク面積(S0)と、変性剤によりカップリングされていない部分に対応するピークの面積(S1)とに基づいて、下記式(CR)を用いて算出される。
カップリング率(質量%)=(S0−S1)×100/S0 ・・・(CR)
上記官能基(f)の[A]重合体における結合位置としては、特に限定されない。重合体分子鎖に直接結合していてもよく、重合体を構成する構造単位中に存在していてもよく、重合体の末端に結合していてもよい。また、これらの結合様式が複数種含まれていてもよい。この中で、バインダーの密着性を効果的に高める観点から、重合体の末端に結合していることが好ましい。
上記官能基(f)の[A]重合体中の含有量の下限としては、0.0005モル/kgが好ましく、0.001モル/kgがより好ましく、0.002モル/kgがさらに好ましく、0.005モル/kgが特に好ましい。一方、この含有量の上限としては、0.2モル/kgが好ましく、0.15モル/kgがより好ましく、0.10モル/kgがさらに好ましく、0.05モル/kgが特に好ましい。[A]重合体中の官能基(f)の含有量を上記範囲とすることで、当該電池用バインダー組成物の保存安定性及び得られるバインダーの密着性を向上させることができる。
[溶解度]
本発明において、[A]重合体は、25℃、1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度が5g/100g以上であることを要する。[A]重合体の溶解度としては、7g/100g以上が好ましく、9g/100g以上がより好ましく、10g/100g以上がさらに好ましい。[A]重合体の溶解度が上記範囲であることで、非極性又は低極性の有機液状媒体等に溶解させることができ、その結果当該電池用バインダー組成物は、電極形成において共に配合する電極活物質の変質や劣化を抑制することができる。また、[A]重合体を有機液状媒体等に均一に溶解できるので、電極製造時の作業性が向上すると共に、バインダーが均一に形成されるため、得られる電極等の性能が向上する。
[A]重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)としては、50,000〜1,700,000が好ましく、60,000〜1,600,000がさらに好ましく、70,000〜1,500,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該電池用バインダー組成物と電極活物質とを含有する電池電極用スラリーの粘度が適度になり電極製造の際の作業性を向上させることができる。
[A]重合体の数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn比)としては、3以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。Mw/Mn比を上記範囲とすることで、得られるバインダーの密着性を向上させることができる。
[A]重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう。)としては、−120℃〜50℃が好ましく、−110℃〜30℃がさらに好ましく、−100℃〜−10℃が特に好ましい。[A]重合体のTgが上記範囲であることで、形成されるバインダーの密着性がさらに向上する。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、共役ジエン化合物等を含む単量体を重合反応させ、必要に応じて、カップリング反応及び/又は水素添加反応を行うことによって合成することができる。官能基(f)の重合体への導入方法としては、上述した方法が挙げられる。
[重合反応]
上記重合反応は、共役ジエン化合物、必要に応じて、芳香族ビニル化合物及びその他の単量体を用い、通常、炭化水素溶媒中、重合開始剤の存在下において行われる。重合体への官能基(f)の導入を、上述した単量体(m)の共重合によって行う場合には、上記単量体(m)が重合反応系に添加される。
上記重合反応に用いられる炭化水素溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサン、ヘプタンが好ましい。
上記炭化水素溶媒の使用量は、重合反応液中の単量体化合物の合計濃度が、5〜30質量%となる量が好ましく、7〜20質量%となる量がさらに好ましい。
重合開始剤としては、有機アルカリ金属または有機アルカリ土類金属が好適に用いられる。具体的には、上述の特定原子を含む重合開始剤(m)の他、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム;1,4−ジリチオブタン等のアルキレンジリチウム;フェニルリチウム、スチルベンリチウム、リチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルマグネシウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム等が挙げられる。
また、重合開始剤としては、有機アルカリ金属とアミン化合物との反応生成物を用いることもできる。重合開始剤として、有機アルカリ金属とアミン化合物との反応生成物を用いることにより、得られる重合体の末端に、アミノ基を導入することができる。上記有機アルカリ金属としては、有機リチウム化合物が好ましく、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。また、アミン化合物としては、第2級アミン化合物が好ましく、得られるバインダーの密着性に優れる観点から、ジアルキルアミン及び環状アミンが好ましく、上記式(w1)〜(w3)で表されるアミン化合物がより好ましいが、ピペリジンが最も好ましい。なお、重合開始剤として用いられる有機アルカリ金属とアミン化合物との反応生成物は、リチウムアミド化合物であってもよいが、その他の化合物であってもよい。
上記重合反応において、重合開始剤として有機アルカリ金属または有機アルカリ土類金属を用いることにより、反応性の高い末端を備えた重合体を作製することができるため、得られる重合体の変性剤による変性が容易になる。
上記重合開始剤の使用量は、目的とする重合体の分子量に応じて決定すればよく、特に限定されない。
官能基(f)の導入を、上述した官能基(f)含有重合開始剤を用いて行う場合には、重合反応系に、重合開始剤として、上記官能基(f)含有重合開始剤を含む化合物を添加する。
上記重合反応においては、反応系にビニル制御剤を添加することにより、得られる重合体中における1,2−ビニル結合の含有量を制御することができる。
ビニル制御剤としては、具体的に、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル化合物、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン第三級アミン化合物等を用いることができる。
上記重合反応の方法としては、リビングアニオン重合が好ましい。リビングアニオン重合により重合反応を行うことにより、得られる重合体の分子量分布(Mw/Mn比)を小さくすることができるので、得られるバインダーの密着性を向上させることができる。加えて、得られる重合体の非極性有機液状媒体への微量な不溶分が抑制されるため、形成される電極層の均一性を高めることができ、作業性及び得られる電極等の作業性がより向上する。また、リビングアニオン重合によれば、下記に示す変性反応により重合体に末端基を導入する方法によって、重合体のシクロヘキサンへの溶解度を保持しつつ簡便に末端に官能基(f)を導入することができる。リビングアニオン重合は、上記で示した使用する重合開始剤、溶媒、温度等の条件において、所定の組み合わせを選択することにより、公知の方法によって実施することができる。
[変性反応]
官能基(f)の導入を上述した重合反応後の重合体の活性末端への反応(この反応を以下、「変性反応」ともいう)による結合生成によって行うこともできる。変性剤(m)による重合体の活性末端への変性反応は、通常、以下の操作により行われる。なお、変性反応は、通常、重合反応後、脱溶媒処理、水処理、熱処理等、重合体の単離に必要な諸操作等を行う前に実施される。
変性反応は、溶液反応(重合反応で使用した未反応の単量体を含んだ溶液でも良い)で行うことが好ましい。また、変性反応の形式については特に制限されるものではなく、バッチ式反応器を用いて行っても良く、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行っても良い。なお、変性反応を行う重合体は、少なくとも10モル%の重合体鎖がリビング性を有するものが好ましい。
変性反応の温度としては、重合反応と同様の温度を適用することができる。具体的には、20〜100℃が好ましく、40〜90℃がさらに好ましい。変性反応の温度を上記範囲とすることで、変性反応を効率よく進行させることができ、変性剤(m)の重合体末端に対する付加率を高くすることができる。また変性反応の反応時間は、通常、5分〜5時間であり、15分〜1時間であることが好ましい。
変性剤(m)の使用量は、重合体1モルに対して、0.000001〜0.01モルであることが好ましく、0.00001〜0.001モルであることがさらに好ましい。変性剤(m)の使用量を上記範囲とすることで、変性反応を効率よく進行させることができる。
変性剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、一括して添加する方法、分割して添加する方法、連続的に添加する方法等がある。これらの中でも、一括して添加する方法が好ましい。
[カップリング反応]
重合反応によって得られた重合体を変性剤によってカップリングするための手法としては、公知の方法を用いることができる。
[水素添加反応]
上記重合によって得られる二重結合を有する重合体に対して水素添加するための方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、二重結合を有する重合体を適当な溶媒に溶解し、水素化触媒の存在下で、水素ガスで処理することによって行う方法等が挙げられる。
水素ガスで処理するための条件としては、特に限定されるものではなく、通常、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下である。なお、水素添加率は触媒の量、水素圧力、反応時間等の条件を変更することで任意に変えることができる。
上記水素添加反応の溶媒としては、例えば、上記重合に用いた溶媒と同様の炭化水素溶媒を用いることができる。
水素化触媒としては、例えばTi、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含有する化合物が用いられる。
具体的には、Ti、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt等のメタロセン化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた不均一系触媒;Co、Ni等の金属元素の有機塩またはアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物または錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等が挙げられる。
これらの中でも、不活性有機溶媒(具体的には、例えばアルカン、シクロアルカン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等の極性溶媒)中においても均一系で水添反応を行うことができることから、Ti、Co、Ni、Zr、Hfのメタロセン化合物を用いることが好ましく、Ti、Zr、Hfのメタロセン化合物を用いることがさらに好ましく、安価で工業的に有用なため、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させることで調製した触媒を用いることが特に好ましい。
ここに、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させることで調製した触媒としては、例えば、特開平1−275605号公報、特開平5−271326号公報、特開平5−271325号公報、特開平5−222115号公報、特開平11−292924号公報、特開2000−37632号公報、特開昭59−133203号公報、特公昭63−5401号公報、特開昭62−218403号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−19960号公報、特公昭47−40473号公報等に記載の触媒が挙げられる。なお、これらの触媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<[B]液状媒体>
本発明の電池用バインダー組成物は、[B]液状媒体を含有する。当該電池用バインダー組成物に用いられる[B]液状媒体としては、特に限定されないが、電池電極形成時に当該電池用バインダー組成物と共に配合される電極活物質の変質等を抑制する観点から、非極性有機液状媒体が好適に用いられる。
[非極性有機液状媒体]
当該電池用バインダー用組成物に用いることのできる非極性有機液状媒体は、特に限定されるものではなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、シクロドデカン等の脂環式炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、クメン等の芳香族炭化水素系溶媒等を用いることができる。これらの溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
[B]液状媒体の含有量は、[A]重合体100質量部に対して2〜10,000質量部が好ましく、10〜2,000質量部がより好ましく、20〜500質量部がさらに好ましく、30〜200質量部が特に好ましい。[B]液状媒体の含有量を上記範囲とすることで、得られる電池用バインダー組成物及びそれから得られる電池電極用スラリーを用いる際の作業性を向上させることができる。
<電池用バインダー組成物の調製方法>
当該電池用バインダー組成物は、[A]重合体に、[B]液状媒体、好適には、非極性有機液状媒体を加え、必要に応じてその他の任意成分を添加し、適宜攪拌を行って、[A]重合体を溶解させることにより調製することができる。
当該電池用バインダー組成物は、上述したように、電極の集電体に対してだけでなく、固体電解質材料に対しても高い密着性を有するバインダーを形成することができ、使用量を低減して、固体電解質層の導電性を向上させることができるので、全固体型電池用として好適に用いることができる。
<電池電極用スラリー>
本発明の電池電極用スラリーは、電極活物質と、当該電池用バインダー組成物とを含有する。当該電池電極用スラリーは、上記電池用バインダー組成物を含有させることで、電極活物質の変質等を抑えることができ、保存安定性に優れ、結果として、当該電池電極用スラリーから形成される電極や電池の性能を向上させることができる。また、当該電池電極用スラリーによれば、均一な電極層を形成できるので、電極製造時の作業性に優れる。当該電池電極用スラリーは、正極および負極のいずれの電極の形成材料としても用いることができる。
正極用の電極活物質としては、例えばMnO、MoO、V、V13、Fe、Fe、Li(1−x)CoO、Li(1−x)・NiO、LixCoSn、Li(1−x)Co(1−y)Ni、TiS、TiS、MoS、FeS、CuF、NiF等の無機化合物;フッ化カーボン、グラファイト、気相成長炭素繊維および/またはその粉砕物、PAN系炭素繊維および/またはその粉砕物、ピッチ系炭素繊維および/またはその粉砕物等の炭素材料;ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子等を用いることができる。
負極用の電極活物質としては、例えばフッ化カーボン、グラファイト、気相成長炭素繊維及び/又はその粉砕物、PAN系炭素繊維及び/又はその粉砕物、ピッチ系炭素繊維及び/又はその粉砕物等の炭素材料;ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子;スズ酸化物やフッ素等の化合物からなるアモルファス化合物等を用いることができる。
当該電池電極用スラリーにおける電極活物質の含有量は、電池用バインダー組成物中の[A]重合体100質量部に対して100〜50,000質量部が好ましく、1,000〜20,000質量部がより好ましく、3,000〜10,000質量部がさらに好ましい。電極活物質の含有量を上記範囲とすることで、バインダーが電極活物質の表面を適度に被覆するため、得られる電池の内部インピーダンスやホスト性能を向上させることができる。
当該電池電極用スラリーには、必要に応じて、液状媒体に可溶な粘度調整用ポリマー、グラファイト等の導電性カーボン、金属粉末等の添加剤が含有されていてもよい。また、当該電池電極用スラリーには、全固体型電池等において、形成される電極層と固体電解質層との親和性の向上を図る観点から、固体電解質材料が含有されていてもよい。このように固体電解質材料を含有したスラリーによって形成された電極層においては、電極活物質と固体電解質材料との間に十分な密着性が得られることから、電極層自体が脆い場合に起こる電極活物質や固体電解質材料の脱落、あるいはクラック等が生じるおそれが少ない。
<電池電極用スラリーの調製方法>
本発明の電池電極用スラリーは、当該電池用バインダー組成物と、電極活物質と、必要に応じて用いられる添加剤とを、例えばボールミル、リボンミキサー、ピンミキサー等によって混合することにより、調製することができる。それ以外の調製方法としては、当該電池用バインダー組成物に用いられる[A]重合体と、[B]液状媒体等の液状媒体と、電極活物質とを混合してもよい。当該電池電極用スラリーの調製は、減圧下で行うことができ、これにより、得られる電極層内に気泡が生じることを防止することができる。
<固体電解質組成物>
本発明の固体電解質組成物は、固体電解質材料と、当該電池用バインダーとを含有する。当該固体電解質組成物は、例えば、全固体型電池を構成する固体電解質層の形成等に用いることができる。当該固体電解質組成物は、含有される電池用バインダー組成物が固体電解質材料と高い密着性を有するバインダーを形成することができるので、耐久性の高い固体電解質層を形成することができる。また、固体電解質層における固体電解質材料に対するバインダーの量を低減することが可能となるので、導電性の高い固体電解質層を形成することができる。
上記固体電解質材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えば、特開平11−86899号公報[0004]〜[0008]、[0024]〜[0025]段落に記載のものを用いることができる。また、例えばリチウムイオン伝導性の無機粉体等の固体電解質材料を含むグリーンシートを焼成してなるものを挙げることもできる。リチウムイオン伝導性の無機粉体としては、特開2007−134305号公報に記載されているようなリチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを粉砕したものを用いることができる。
<固体電解質組成物の調製方法>
本発明の固体電解質組成物は、当該電池用バインダー組成物と、固体電解質材料とを、例えばボールミル、リボンミキサー、ピンミキサー等によって混合することにより、調製することができる。それ以外の調製方法としては、当該電池用バインダー組成物に用いられる[A]重合体と、[B]液状媒体等の液状媒体と、固体電解質材料とを混合してもよい。当該固体電解質組成物の調製は、減圧下で行うことができ、これにより、得られる固体電解質層内に気泡が生じることを防止することができる。
<電極>
本発明の電極は、
集電体と、この集電体の少なくとも一部に積層される電極層とを備え、
上記電極層が、当該電池電極用スラリーから形成されている。
当該電極は、上記特性を有する電池電極用スラリーから形成されているので、バインダーと集電体との間の密着性が高く、耐久性に優れている。また、当該電極は、上述のように、変質や劣化が抑制された電極活物質を用いているので、電気的特性に優れている。
当該電極は、例えば、上述の当該電池電極用スラリーを、集電体の表面に塗布して乾燥処理し、得られる塗膜をプレス加工することにより、集電体の表面に電極層を積層して形成することができる。
集電体としては、金属箔、エッチング金属箔、エキスパンドメタル等からなるものを用いることができ、集電体を構成する材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、タンタル、ステンレス、チタン等の金属材料から目的とするエネルギーデバイスの種類に応じて適宜選択して用いることができる。
また、集電体の厚みは、例えばリチウム二次電池用の電極を構成する場合には、5〜30μm、好ましくは8〜25μmである。
当該電池電極用スラリーを塗布する手段としては、ドクターブレード法、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等を利用することができる。
当該電池電極用スラリーの塗布膜の乾燥処理の条件としては、処理温度は20〜250℃であることが好ましく、さらに好ましくは50〜150℃であり、処理時間は1〜120分間であることが好ましく、さらに好ましくは5〜60分間である。
また、プレス加工する手段としては、高圧スーパープレス、ソフトカレンダー、1トンプレス機等を利用することができる。プレス加工の条件は、用いる加工機に応じて適宜設定される。
このようにして集電体上に形成される電極層としては、例えば厚みが40〜100μmであり、密度が1.3〜2.0g/cm2 である。
このように当該電極は、上述のように、バインダーと集電体との間だけでなく、バインダーと固体電解質材料との間の密着性にも優れるため、全固体型電池用として好適に用いることができる。また、この高い密着性により、バインダーの使用量を低減することができ、その結果、固体電解質部分における導電性を向上させることができる。全固体型電池用電極の具体例としては、例えば、全固体型リチウム二次電池用の正極及び/又は負極等が挙げられる。
<全固体型電池>
本発明の全固体型電池は、電極層が対向するよう配設される一対の当該電極と、これらの一対の電極間に配設される固体電解質層とを備える。
当該全固体型電池は、上記電極及び固体電解質層を備えるので耐久性に優れ、かつ、固体電解質層における導電性、すなわち内部インピーダンスが低い等電気的特性にも優れている。全固体型電池の例としては、例えば、全固体型リチウム二次電池等が挙げられる。
当該全固体型電池は、公知の方法によって、一対の上記電極間に、固体電解質層を両電極に隣接させて配設して得られる。固体電解質層を形成する固体電解質材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述の固体電解質組成物を構成する固体電解質材料の例が挙げられる。また、上記固体電解質層としては、全固体型電池の耐久性及び電気的性能をさらに向上させる観点から、当該固体電解質組成物から形成されていることが好ましい。
以下、合成例及び実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、各種物性値の測定法は以下の通りである。
<1,2−ビニル結合含有量の測定>
重合体中の1.2−ビニル結合含有量(以下、「ビニル結合含量」ともいう。単位:モル%)は、赤外分光法により測定し、ハンプトン法より求めた。
<官能基含量>
[A]重合体が有するアミノ基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基の含有量について、下記方法にて測定した。
[アミノ基含量(モル/kg)]
まず、重合体をトルエンに溶解した後、大量のメタノール中で沈殿させることにより、重合体に結合していないアミノ基含有化合物を分離した後、乾燥した。次いで、本試料を用いて、JIS−K7237に記載された「全アミン価試験方法」により全アミノ基含有量を定量した。
[水酸基含量(モル/kg)]
上記「アミノ基含量」の場合と同様にして、重合体に結合していない水酸基含有化合物を分離して得た試料について、JIS−K1557−1に記載された方法に準じて全水酸基含量を定量した。
[カルボキシル基含量(モル/kg)]
上記「アミノ基含量」の場合と同様にして、重合体に結合していないカルボキシル基含有化合物を分離して得た試料について、JIS−K1557−5に記載された方法に準じて全カルボキシル基含量を定量した。
[アルコキシシリル基含量(モル/kg)]
上記「アミノ基含量」の場合と同様にして、重合体に結合していないアルコキシシリル基含有化合物を分離して得た試料について、二硫化炭素で溶解させた後、溶液セルを用いて測定した赤外線吸収スペクトルにおけるSi−O−C結合に起因する1,150cm−1付近の吸収強度を測定し、重合体の変性に使用した変性剤の二硫化炭素溶液を用いて作成した検量線に基づいて、アルコキシシリル基含量を定量した。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)>
温度条件50℃において、カラムとして、東ソー株式会社製「GMHHR−H」を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定を行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求め、またこれらの値から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
<水素添加率>
重合体における二重結合の水素添加率は、四塩化炭素を溶媒として用い、500MHzのH−NMRを測定し、得られたスペクトルのピーク面積から算出した。
<シクロヘキサンに対する溶解性>
25℃、1気圧の条件において、[A]重合体20gをフラスコ内に秤量し、シクロヘキサン(和光純薬工業株式会社製、特級)を100g加えて25℃で1日攪拌した。得られた溶液を100メッシュの金網でろ過した。金網を乾燥し質量測定し、ろ過前後の質量差から不溶分(X、単位:g)を測定した。下記式により、[A]重合体のシクロヘキサン100gに対する溶解度を算出した。
[A]重合体の溶解度(g/100g)=20−X
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
(重合体(A−1)の合成)
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、炭化水素溶媒としてのシクロヘキサン25kg、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフラン50g、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム1.76g(27.4mmol)と共に、単量体として1,3−ブタジエン2,500gを仕込み、重合開始温度50℃の条件で断熱重合を行うことにより、共役ジエン系重合体を得た。
その後、この反応容器内に、変性剤(m)としてのN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(BTADS)27.4mmolを添加して30分間反応を行った。この変性剤(m)の重合体末端に対する付加率は81%であった。
その後水素ガス供給圧力を0.7MPa(ゲージ圧)、反応溶液を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする水素化触媒を添加することによって水素添加反応を開始し、変性共役ジエン系重合体における水素の吸収が、目標水添率(95モル%)となる積算量に達した時点において反応容器内を窒素置換することにより、水素添加された共役ジエン系重合体を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加し、その後、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールで乾燥することにより、ゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−1)」ともいう。)を得た。重合体(A−1)の重量平均分子量は、286×10であり、分子量分布(Mw/Mn比)は1.2であり、1,2−ビニル結合含有量は、42モル%であり、水素添加率は、96モル%であった。また、重合体(A−1)の25℃、1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度は、19g/100gであり、官能基(f)含量は、0.0178モル/kgであった。
[合成例2]
(重合体(A−2)の合成)
合成例1において、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフランの仕込み量を50gから25gに変更した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−2)」ともいう。)を得た。
[合成例3]
(重合体(A−3)の合成)
合成例1において、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフランの仕込み量を50gから200gに変更した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−3)」ともいう。)を得た。
[合成例4]
(重合体(A−4)の合成)
合成例1において、目標水添率を65モル%に変更した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−4)」ともいう。)を得た。
[合成例5]
(重合体(A−5)の合成)
合成例1において、使用する単量体を表1に示す種類と仕込み量に変えた以外は合成例1と同様の手法によって、水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−5)」ともいう。)を得た。
[合成例6]
(重合体(A−6)の合成)
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、炭化水素溶媒としてのシクロヘキサン25kg、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフラン50g、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム1.76g(27.4mmol)、アミン化合物としてのピペリジン1.81g(21.2mmol)と共に、単量体として1,3−ブタジエン2,500gを仕込み、重合開始温度50℃の条件で断熱重合を行うことにより、共役ジエン系重合体を得た。得られた重合体の開始末端に結合したピペリジンの付加率は71%であった。
その後水素ガス供給圧力を0.7MPa(ゲージ圧)、反応溶液を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする水素化触媒を添加することによって水素添加反応を開始し、変性共役ジエン系重合体における水素の吸収が、目標水添率(95モル%)となる積算量に達した時点において反応容器内を窒素置換することにより、水素添加された共役ジエン系重合体を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加し、その後、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールで乾燥することにより、ゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−6)」ともいう。)を得た。
[合成例7]
(重合体(A−7)の合成)
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、炭化水素溶媒としてのシクロヘキサン25kg、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフラン50g、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム1.76g(27.4mmol)、アミン化合物としてのピペリジン1.81g(21.2mmol)と共に、単量体として1,3−ブタジエン2,500gを仕込み、重合開始温度50℃の条件で断熱重合を行うことにより、共役ジエン系重合体を得た。得られた重合体の開始末端に結合したピペリジンの付加率は71%であった。
その後、この反応容器内に、変性剤(m)としてのN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(BTADS)28.3mmolを添加して30分間反応を行った。この変性剤(m)の重合体末端に対する付加率は81%であった。
その後水素ガス供給圧力を0.7MPa(ゲージ圧)、反応溶液を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする水素化触媒を添加することによって水素添加反応を開始し、変性共役ジエン系重合体における水素の吸収が、目標水添率(95モル%)となる積算量に達した時点において反応容器内を窒素置換することにより、水素添加された共役ジエン系重合体を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加し、その後、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールで乾燥することにより、ゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−7)」ともいう。)を得た。
[合成例8]
(重合体(A−8)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPMOS)27.4mmolを添加した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−8)」ともいう。)を得た。
[合成例9]
(重合体(A−9)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、エチレングリコールジグリシジルエーテル27.4mmolを添加した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−9)」ともいう。)を得た。
[合成例10]
(重合体(A−10)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン27.4mmolを添加した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−10)」ともいう。)を得た。
[合成例11]
(重合体(A−11)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、テトラエトキシシラン9.1mmolを添加した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−11)」ともいう。)を得た。
[合成例12]
(重合体(A−12)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、エチレンオキシド27.4mmolを添加して末端変性した後、メタノール性塩酸で中和し、メタノール凝固を行い、60℃で真空乾燥を行った以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−12)」ともいう。)を得た。
[合成例13]
(重合体(A−13)の合成)
合成例1において、変性剤(m)として、BTADSの代わりに、二酸化炭素を吹き込んで末端変性した後、メタノール性塩酸で中和し、メタノール凝固を行い、60℃で真空乾燥を行った以外は、合成例6と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−13)」ともいう。)を得た。
[合成例14]
(重合体(A−14)の合成)
合成例6において、重合反応により共役ジエン系重合体を得た後、この重合反応容器内に、変性剤(m)として四塩化ケイ素5mmolを添加し、80℃で60分間、変性剤(m)による共役ジエン系重合体の変性反応を行った以外は合成例6と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−14)」ともいう。)を得た。重合体(A−14)のカップリング率を測定したところ52(%)であった。
[合成例15]
(重合体(A−15)の合成)
合成例6において、重合反応により共役ジエン系重合体を得た後、この重合反応容器内に、変性剤(m)としてジメチルジクロロシラン18.4mmolを添加し、80℃で60分間、変性剤(m)による共役ジエン系重合体の変性反応を行った以外は合成例6と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−15)」ともいう。)を得た。重合体(A−15)のカップリング率を測定したところ65(%)であった。
[合成例16]
(重合体(A−16)の合成)
合成例6において、重合反応により共役ジエン系重合体を得た後、この重合反応容器内に、変性剤(m)としてビスフェノールAジグリシジルエーテル13.8mmolを添加し、80℃で60分間、変性剤(m)による共役ジエン系重合体の変性反応を行った以外は合成例6と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−16)」ともいう。)を得た。重合体(A−16)のカップリング率を測定したところ95(%)であった。
[合成例17]
(重合体(A−17)の合成)
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、炭化水素溶媒としてのシクロヘキサン25kg、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフラン1.2g(表1における(1))、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム1.76g(27.4mmol)と共に、単量体として、1,3−ブタジエン750g(表1における(1))を仕込み、重合開始温度50℃の条件で断熱重合を行うことによって共役ジエン系重合体を得た。重合転化率が100%に達したことを確認した後、反応容器から少量の重合反応液を抜き出してメタノール中に投入し、共役ジエン系重合体における1,2−ビニル結合含有量を測定したところ、15モル%であった。
その後、上記反応容器に、さらに1,3−ブタジエン1,750g(表1における(2))とビニル制御剤としてのテトラヒドロフラン35g(表1における(2))を添加して重合を行うことにより、共役ジエン系重合体を得た。
その後、この反応容器内に、変性剤(m)としてのN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(BTADS)27.4mmolを添加して30分間反応を行った。次いで、合成例1と同様の手法によって、水素添加反応を行うことにより、ゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(A−17)」ともいう。)を得た。
[合成例18]
(重合体(a−1)の合成)
窒素置換された内容積5Lの反応容器に、水2,000g、ロジン酸石鹸45g、ブタジエン960g、ジエチルアミノエチルメタクリレート40g、及びt−ドデシルメルカプタン3.5gを仕込み、重合容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤として、p−メンタンハイドロパーオキサイド1g、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.7g、硫酸第一鉄7水和物0.5g、及びソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート1.5gを添加して12時間重合させ、重合体を含むエマルジョンを得た。このエマルジョンをメタノール性塩酸で凝固させ、トルエン溶解を繰り返し、60℃で真空乾燥を行った。次いで、合成例1と同様に水素添加を行うことにより、ゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(a−1)」ともいう。)を得た。
[合成例19]
(重合体(a−2)の合成)
合成例1において、BTADSによる末端変性を行わず、反応容器内に水素ガスを0.4MPa(ゲージ圧)の圧力で供給し、20分間撹拌した後、共役ジエン系重合体の末端におけるリチウムを水素と反応させた以外は合成例1と同様にして、水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(a−2)」ともいう。)を得た。
[合成例20]
(重合体(a−3)の合成)
合成例19において、目標水添率を50モル%とした以外は、合成例19と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(a−3)」ともいう。)を得た。
[合成例21]
(重合体(a−4)の合成)
合成例1において、ビニル制御剤としてのテトラヒドロフランの仕込み量を50gから5gに変更した以外は、合成例1と同様の手法によってゴム状の水素添加共役ジエン系重合体(以下、「重合体(a−4)」ともいう。)を得た。
合成例1〜21において[A]重合体の原料として用いた重合開始剤、ビニル制御剤、単量体及び変性剤について下記表1に示す。なお、表1中の「−」は、該当する成分を用いなかったことを示す。また、上記得られた重合体(A−1)〜(A−17)及び重合体(a−1)〜(a−4)について、それぞれ、1,2−ビニル結合含有量、官能基(f)含量、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、25℃、及び1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度の測定値を表1に合わせて示す。
Figure 0005120522
<電池用バインダー組成物(B)の調製>
[実施例1]
重合体(A−1)100質量部を、[B]液状媒体としてのトルエン40質量部に溶解させることにより、実施例1の電池用バインダー組成物(B−1)を得た。
[実施例2〜17及び比較例1〜4]
実施例1において、それぞれ表2に示す[A]成分の重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、各実施例及び比較例の電池用バインダー組成物を得た。
<電池電極用スラリー(S)の調製>
[実施例18]
実施例1で調製した電池用バインダー組成物(B−1)に、正極用の電極活物質としてのLiCoOを、組成物(B−1)中の[A]重合体1質量部に対して49質量部混合し、十分に混練りしてスラリー状とすることにより、実施例18の電池電極用スラリー(S−1)を得た。
[実施例19〜34及び比較例5〜8]
実施例18において、それぞれ表2に示す電池用バインダー組成物を用いたこと以外は実施例18と同様にして、各実施例及び比較例の電池電極用スラリーを得た。
<電極(E)の作製>
[実施例35]
実施例18で調製した電池電極用スラリー(S−1)を、ドクターブレード法によりアルミニウム箔上に塗布し、100℃、減圧下でトルエンを蒸発させて3時間かけて乾燥することにより、アルミニウム箔上に厚み0.1mmの電極層が形成された電極(E−1)を作製した。
[実施例36〜51及び比較例9〜12]
実施例35において、それぞれ表2に示す電池電極用スラリーを用いたこと以外は実施例35と同様にして、各実施例及び比較例の電極を作製した。
<評価>
[作業性]
上記得られた電極(E)における電極層の形成過程中における作業性について、下記の基準により評価した。
「A」:アルミニウム箔の表面全面に均一に塗膜が形成されていることを目視にて確認することができる。
「B」:アルミニウム箔の表面上において塗膜によって覆われていない部分があることが目視によって確認される。
「C」:塗布することが困難である。
[剥離強度]
上記得られた電極(E)について、電極層上に幅20mmのテープを貼り、これを剥離角度90°、剥離速度50mm/minの条件で、アルミニウム箔から電極層が剥離するときの剥離強度を測定した。
上記得られた作業性及び剥離強度の評価結果を下記表2に示す。なお、表2中、「−」は測定しなかったことを示す。
Figure 0005120522
<固体電解質材料を含有する電池電極用スラリー(T)の調製>
[実施例52]
実施例1で調製した電池用バインダー用組成物(B−1)に、正極用の電極活物質としてLiCoOを及び固体電解質材料として、リチウムイオン伝導性無機固体電解質材料である0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiSを加えて混合し、十分に混練りしてスラリー状とすることにより、電池電極用スラリー(T−1)を得た。0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiS、及びLiCoOの配合量は、電池用バインダー組成物(B−1)中の[A]重合体と、0.01LiPO−0.63LiS−0.36SiSと、LiCoOの質量比が2/32/66となる量とした。
[実施例53〜68及び比較例13〜16]
実施例52において、それぞれ表3に示す電池用バインダー組成物を用いたこと以外は実施例52と同様にして、各実施例及び比較例の電池電極用スラリーを得た。
<電極(F)の作製>
[実施例69]
実施例52で調製した電池電極用スラリー(T−1)を、ドクターブレード法により、アルミニウム箔上に塗布し、100℃、減圧下でトルエンを蒸発させて3時間かけて乾燥することにより、アルミニウム箔上に厚み0.1mmの電極層が形成された電極(F−1)を作製した。
[実施例70〜85及び比較例17〜20]
実施例69において、それぞれ表3に示す電池電極用スラリーを用いたこと以外は実施例69と同様にして、各実施例及び比較例の電池電極用スラリーを得た。
<評価>
[作業性]
上記得られた電極(F)における電極層の形成過程中における作業性について、上述した方法及び基準により評価した。
[剥離強度]
上記得られた電極(F)について、電極層上に幅20mmのテープを貼り、これを剥離角度90°、剥離速度50mm/minの条件でアルミニウム箔から電極層が剥離するときの剥離強度を測定した。
[電極層の電気的特性]
上記得られた電極(F)の作製の場合と同じ方法で、アルミニウム箔上の代わりにフッ素樹脂板上に、電池電極用スラリー(T)を塗布することにより、フッ素樹脂板上に電極層を形成させた。このフッ素樹脂板上に形成した電極層をフッ素樹脂板から剥離し、直径10mmの大きさに切り抜くことにより、電極層成形体(G)を得た。
それぞれの電池電極用スラリー(T)を用いて得られた各電極層成形体(G)について、交流インピーダンス法によって電気化学的特性を確認した。
具体的には、図1に示すようなポリエチレンテレフタレート製の中空試料ホルダー2を備える測定装置1を用い、この中空試料ホルダー2内において、電極層成形体(G)3と、電極層成形体(G)3の作製に用いたものと同じリチウムイオン伝導性固体電解質材料から形成される固体電解質層7と、金属リチウム箔6とがこの順に積層され、電極層成形体(G)3に対してリード端子4が圧接され、金属リチウム箔6に対してリード端子5が圧接され、これにより、電極層成形体(G)3、固体電解質層7及び金属リチウム箔6が一体に成型された測定セルを得、この測定セルに電極層成形体(G)3を試験極、金属リチウム箔6を対極としてインピーダンスアナライザにより、10mVの交流電圧を印加し、100kHz〜1mHzの周波数範囲で交流インピーダンス測定を行った。
上記得られた作業性、剥離強度及び電極層の電気的特性の評価結果を下記表3に示す。なお、表3中の「−」は、測定しなかったことを示す。
Figure 0005120522
表2及び表3の結果から、本発明の電池用バインダー組成物によれば、この組成物から得られる電池電極用スラリーは、電極作製時の作業性に優れ、また、バインダーを含む電極層と集電体との密着性に優れていることが示された。さらに、バインダー、電極活物質及び固体電解質材料を含む電極層が、高い密着性と共に、優れた電気的特性を有することも示された。
1 電気化学的特性測定装置
2 中空試料ホルダー
3 電極層成形体
4、5 リード端子
6 金属リチウム箔
7 固体電解質層
本発明の電池用バインダー組成物によれば、電極層形成等の作業性を高めることができ、電極活物質及び固体電解質材料への影響を抑制しつつ、固体電解質材料及び集電体への密着性に優れるバインダーを形成することができる。

Claims (14)

  1. [A]下記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む官能基(f)とを有し、かつ25℃、1気圧におけるシクロヘキサンに対する溶解度が5g/100g以上である重合体、並びに
    [B]液状媒体
    を含有し、
    上記官能基(f)が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である電池用バインダー組成物。
    Figure 0005120522
    (式(a1)〜(a5)中、RA1〜RF5は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基である。)
  2. [A]重合体が、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体の活性末端に、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む変性剤(m)を反応させて結合生成することにより得られる請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  3. 上記変性剤(m)が、下記式(x)で表される請求項2に記載の電池用バインダー組成物。
    Figure 0005120522
    (式(x)中、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Xは、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。n1は、2〜4の整数である。R及びXがそれぞれ複数の場合、複数のR及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  4. [A]重合体が、下記式(P)で表される重合体である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
    Figure 0005120522
    (式(P)中、Lは、上記式(a1)〜(a5)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体鎖である。Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子である。Yは、水素原子、1価の炭化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。aは、2〜4の整数である。L及びYがそれぞれ複数の場合、複数のL及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  5. [A]重合体が、上記式(a1)及び(a2)でそれぞれ表される複数の構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、
    上記式(a1)から(a5)で表される構造単位の合計含有量に対する上記式(a1)及び(a2)で表される構造単位の合計含有量の割合が60モル%以上である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  6. [A]重合体中の官能基(f)の含有量が、0.0005モル/kg以上0.2モル/kg以下である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  7. [A]重合体の数平均分子量に対する重量平均分子量の比が3以下である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  8. [A]重合体が、リビングアニオン重合により得られたものである請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  9. [B]液状媒体が、非極性有機液状媒体である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  10. 全固体型電池用である請求項1に記載の電池用バインダー組成物。
  11. 電極活物質と、
    請求項10に記載の電池用バインダー組成物と
    を含有する電池電極用スラリー。
  12. 固体電解質材料と、
    請求項10に記載の電池用バインダー組成物と
    を含有する固体電解質組成物。
  13. 集電体と、この集電体の少なくとも一部に積層される電極層とを備え、
    上記電極層が請求項11に記載の電池電極用スラリーから形成されている電極。
  14. 電極層が対向するよう配設される一対の請求項13に記載の電極と、
    これらの一対の電極間に配設される固体電解質層と
    を備える全固体型電池。
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