JP5091165B2 - 透明導電性積層体およびそれよりなるタッチパネル - Google Patents
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Description
近年、液晶表示体などで狭額縁化が進み、これと同様に透明タッチパネルにも狭額縁化が進んできた。この狭額縁化に伴い従来透明タッチパネルに要求されていた筆記耐久性以外に、透明タッチパネル端部での筆記耐久性である端押し耐久性が要求される傾向が強くなった。
透明タッチパネルに要求される筆記耐久性を改善するために、特許文献1、特許文献2、特許文献3では、2枚の透明高分子フィルム基材の間に硬さ(またはヤング率)を規定した粘着剤または透明樹脂層を介して透明高分子フィルム基材を積層した透明導電性積層体が提案されている。いずれの方法でも筆記耐久性を改善することは知られているが、2枚の透明高分子フィルムを粘着剤または透明樹脂層を介して積層させるため生産工程が複雑となり生産効率が悪く、更に10インチを超える大型透明タッチパネルを作製すると構成上の観点から剛性が弱いため透明導電性積層体が撓む問題がある。
また、特許文献4では、製造コストの低減化、量産化が可能な抵抗膜方式のタッチパネルとして、透明電極層の少なくとも一方が、チオフェン系導電ポリマーやポリアニリン系導電ポリマー等の透明導電ポリマーより形成されることを特徴としたタッチパネルが提案されている。更にITO(酸化インジウムスズ)層と透明導電ポリマー層との積層体についても提案されている。しかし導電性ポリマー材を透明電極として使用した透明導電性積層体では、透明タッチパネルを構成する対向して配置された透明導電層同士が接触した時の接触抵抗が大きく透明タッチパネルが動作しない問題や透過率、環境信頼性が確保できない問題がある。
特許文献5では、透明基板の透明電極表面上に、導電性微粒子を含んだ高分子層が形成されているタッチパネルが提案されている。特許文献6では、真空蒸着法、イオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法にて形成した金属及び/又は金属酸化物の薄層を導電層として形成した後、導電性を有する塗料を積層することが提案されている。しかしながら、これら特許文献4、5、6で提案されている透明導電性積層体を使用した透明タッチパネルでは、透明導電層と高分子フィルムの間に硬化樹脂層を有していないため、一般的に透明タッチパネルの可動電極基板として使用されるポリエチレンテレフタレートを高分子フィルムとして使用した場合には加熱処理などを実施した後、高分子フィルムからオリゴマー成分が析出する問題となる。また透明導電層の層質(膜質)を特定していないためこれら透明導電性積層体を透明タッチパネルとして使用した場合、透明タッチパネルに必要とされる筆記耐久性を確保することが出来ない問題がある。
第2図は、本願の実施例2、3、4、5、6並びに比較例5、6の操作で得られた透明タッチパネルの構成を模式的に示した断面図である。
第3図は、本願の比較例1の操作で得られた透明タッチパネルの構成を模式的に示した断面図である。
第4図は、本願の比較例2の操作で得られた透明タッチパネルの構成を模式的に示した断面図である。
第5図は、本願の実施例8並びに比較例10の操作で得られた透明タッチパネルの構成を模式的に示した断面図である。
第6図は、本願の比較例12の操作で得られた透明タッチパネルの構成を模式的に示した断面図である。
高分子フィルム
本発明における透明導電性積層体は、高分子フィルムの少なくとも一方の面上に、硬化物樹脂層、透明導電層−1、透明導電層−2が順次積層されてなる。
高分子フィルムを構成する有機高分子としては、耐熱性に優れた透明な有機高分子であれば特に限定されない。有機高分子としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリジアリルフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、セルロースアセテート樹脂、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。もちろんこれらはホモポリマー、コポリマーとして使用しても良い。また、上記有機高分子を単独で使用しても良いし、ブレンドしても使用し得る。
これらの高分子フィルムは一般的な溶融押し出し法もしくは溶液流延法等により好適に成形されるが、必要に応じて成形した高分子フィルムに一軸延伸もしくは二軸延伸を実施して、機械的強度を高めたり、光学的機能を高めたりすることも好ましく行われる。
本発明の透明導電積層体を透明タッチパネルの可動電極基板として用いる場合には、透明タッチパネルをスイッチとして動作させるための可撓性と平坦性を保つ為の強度の点から、高分子フィルムとして、厚みが75〜400μmのものが好ましい。固定電極基板として用いる場合は平坦性を保つ為の強度の点から高分子フィルムとして、厚みが0.4〜4.0mmのシート状のものが好ましいが、厚み50〜400μmのフィルム状のものを他のプラスチックシートと貼り合わせ、全体の厚みを0.4〜4.0mmになるような構成にして用いても良い。
本発明の透明導電積層体を透明タッチパネルの可動電極基板として用いた場合には、固定電極基板には前記プラスチックシート、ガラス基板あるいは高分子フィルムとガラス基板との積層体または高分子フィルムとプラスチックシートとの積層体上に透明導電層を形成したものを用いても良い。透明タッチパネルの強度、重量の点から、単層又は積層体よりなる固定電極基板の厚みは0.1〜4.0mmが好ましい。
また、最近では透明タッチパネルの入力側の面、すなわち使用者側の面上に、偏光板または偏光板と位相差フィルムとを積層した構成の新しいタイプの透明タッチパネルが開発されている。この構成の利点は主として偏光板または、偏光板と位相差フィルムの光学的作用によって、透明タッチパネル内部における外来光の反射率を半分以下に低減し、透明タッチパネルを設置した状態でのディスプレイのコントラストを向上させることにある。
このようなタイプの透明タッチパネルでは、偏光が透明導電積層体を通過することから、高分子フィルムとして光学等方性に優れたものを用いる事が好ましく、具体的にはフィルムの遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、フィルムの厚みをd(nm)とした場合にRe=(nx−ny)×d(nm)で表される面内リターデーション値Reが少なくとも30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。なお、ここで基板の面内リターデーション値は分光エリプソメータ(日本分光株式会社製M−150)を用いて測定した波長590nmでの値で代表している。
この様に例示した透明導電性積層体を偏光が通過するタイプの透明タッチパネルの用途においては、透明電極基板の面内リターデーション値が非常に重要であるが、これに加えて透明電極基板の三次元屈折率特性、すなわち基板の厚み方向の屈折率をnzとしたときにK={(nx+ny)/2−nz}×dで表されるK値が−250〜+150nmであることが好ましく、−200〜+100nmの範囲にあることが透明タッチパネルの優れた視野角特性を得る上でより好ましい。
これらの光学等方性に優れた高分子フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーおよびこれらの変性物もしくは別種材料との共重合物等の成型基板、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂の成形基板やアクリル樹脂等の電離放射線硬化性樹脂の成形基板等が挙げられる。成形性や製造コスト、熱的安定性等の観点から、例えばポリカーボネート、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、シクロオレフィンポリマーおよびこれらの変性物もしくは別種材料との共重合物等の成型基板が最も好ましく挙げられる。
より具体的には、ポリカーボネートとしては例えば、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチル−1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデン、フルオレン−9,9−ジ(4−フェノール)、フルオレン−9,9−ジ(3−メチル−4−フェノール)等からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分をモノマー単位とする重合体や共重合体であるか、または上記群から選ばれる少なくとも一つの成分をモノマー単位とする重合体または共重合体の混合物であり、平均分子量がおよそ15000〜100000の範囲のポリカーボネート(商品としては、例えば帝人化成株式会社製「パンライト」、「ピュアエース」やバイエル社製「Apec HT」等が例示される。)の成型基板が好ましく用いられる。
また非晶性ポリアリレートとしては、商品として株式会社カネカ製「エルメック」、ユニチカ株式会社製「Uポリマー」、イソノバ社製「イサリル」等の成型基板が例示される。
またシクロオレフィンポリマーとしては、商品として日本ゼオン株式会社製「ゼオノア」やJSR株式会社製「アートン」等の成型基板が例示される。
またこれらの高分子材料の成形方法としては、溶融押出法や溶液流延法、射出成型法等の方法が例示されるが、優れた光学等方性を得る観点からは、特に溶液流延法や溶融押し出し法を用いて成形を行うことが好ましい。
透明導電層−1
本発明における透明導電層−1は、有機成分を含有しない結晶質の導電層であり、例えば、結晶質の金属層あるいは結晶質の金属化合物層を挙げることができる。
なお、本発明において、“有機成分を含有しない”とは有機成分を0.5重量%以上含まないことを意味し、透明導電層−1を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。これらのうち酸化インジウム及び/又は酸化錫の金属酸化物層が特に好ましい。
更に、透明導電層−1は、酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITOからなる層が好ましく用いられる。ITOの酸化錫の含有量は、2wt%以上20wt%以下が好ましく、更に好ましく2wt%以上15wt%以下が好ましい。また結晶粒径は、特に上限を設ける必要はないが3000nm以下であることが好ましい。結晶粒径が3000nmを超えると筆記耐久性が悪くなるため好ましくない。ここで結晶粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察される多角形状または長円状の各領域における対角線または直径の中で最大のものと定義される。
本発明において“酸化インジウムを主成分とした”とは、ドーパントとして錫、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、フッ素、亜鉛等を含有する酸化インジウム、或いはドーパントとして錫の他に更に、珪素、チタン、亜鉛等を含有する酸化インジウムを意味する。
また、“結晶質の導電層”とは、ドーパントを含有する酸化インジウムからなる層の50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくはほぼ100%が結晶相で占められていることを意味する。
透明導電層−1が結晶質の導電層であることにより、基板である高分子フィルム、硬化樹脂層、金属酸化物層などと透明導電層−1との密着性や環境信頼性が他の透明導電層、例えば非晶質層の透明導電層より優れたものとなる。その結果、本発明の透明導電性積層体をタッチパネルに用いた際、タッチパネルに必要とされる環境信頼性やタッチパネルの筆記耐久性、端押し耐久性が著しく改善される。
更に結晶質の導電層である透明導電層を用いた場合には、非晶質の導電層である透明導電層を用いた場合よりも光学特性、特に全光線透過率や色目(b*値)・着色が改善される。
透明導電層−1は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法(Physical Vapor Deposition、以下、PVD)等を用いることができるが、大面積に対して均一な厚みの金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、Chemical Vapor Deposition(以下、CVD)、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、厚み制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
透明導電層−1の厚みは、透明性と導電性の点から5〜50nmであることが好ましい。更に好ましくは5〜30nmである。透明導電層−1の厚みが5nm未満では抵抗値の経時安定性・環境信頼性が劣る傾向が有り好ましくない、また透明導電層−1の厚みが50nmを超えると表面抵抗値が低下するためタッチパネルとして好ましくない。更に透明導電層−1の厚みが30nmを超える場合では30nm以下の透明導電層と比較して曲げ特性が劣化する傾向にあるためタッチパネルに要求される端押し耐久性を確保することが困難になり好ましくない。
本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルに用いる場合、透明タッチパネルの消費電力の低減と回路処理上の必要等から、厚み10〜30mにおいて透明導電層−1の表面抵抗値が100〜2000Ω/□(Ω/sq)、より好ましくは140〜1000Ω/□(Ω/sq)の範囲を示す透明導電層を用いることが好ましい。
透明導電層−2
本発明における透明導電層−2は、アルコキシシランと少なくとも1種類の平均1次粒子径が100nm以下の導電性金属酸化物または金属微粒子からなる微粒子Aとを含有する。
透明導電層−2中の微粒子Aの含有量はアルコキシシラン100重量部に対して、0.1重量部以上400重量部以下であることが好ましい。更に好ましくは、0.5重量部以上200重量部以下、より好ましくは、0.5重量部以上100重量部以下である。微粒子Aの含有量がアルコキシシラン100重量部に対して0.1重量部より少ない場合は、透明タッチパネルにおいて対向して配置する両透明導電層表面同士が接触した際の接触抵抗が著しく大きくなり透明タッチパネルとして動作しにくくなる。更に微粒子Aの含有量が0.5重量部未満になると透明導電層を酸を用いてパターニングする際のエッチング工程で残像が残り、エッチング不良になることがあり好ましくない。
また微粒子Aの含有量がアルコキシシラン100重量部に対して400重量部より多い場合には、透明導電層−2の層強度を充分に確保することが困難になり、透明タッチパネルに要求される筆記耐久性などを確保することが困難になる。
透明導電層−2の厚みは、10nm以上1500nm以下であることが好ましい。更に好ましくは、50nm以上1000nm以下、より好ましくは、100nm以上1000nm以下である。厚みが10nm未満であると、本発明の透明導電性積層体をタッチパネル用の透明導電層として用いた際に、端押し耐久性の向上効果が得られ難い。また、厚みが1500nmを超えると、透明タッチパネルの対向して配置する透明導電層同士が接触した際の接触抵抗が著しく大きくなり透明タッチパネルとして動作しにくくなる。
アルコキシシラン
透明導電層−2に用いるアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアルコキシシランは、層の機械的強度や密着性及び耐溶剤性等の観点から二種類以上を混合して用いることが好ましく、特に耐溶剤性の観点から、アルコキシシランの全組成中に重量比率0.5〜40%の範囲で、分子内にアミノ基を有するアルコキシシランが含有されていることが好ましい。
アルコキシシランは、モノマーで用いてもあらかじめ加水分解と脱水縮合を行って適度にオリゴマー化して用いても良いが、通常、適当な有機溶剤に溶解、希釈した塗工液を透明導電層−1上に塗工する。透明導電層−1上に形成された塗工層は、空気中の水分等により加水分解が進行し、続いて、脱水縮合により架橋が進行する。
一般に、架橋の促進には適当な加熱処理が必要であり、塗工工程において100℃以上の温度で数分間以上の熱処理を施すことが好ましい。また場合によっては、前記熱処理と並行して、紫外線等の活性光線を塗工層に照射することにより、架橋度をより高めることが出来る。
有機溶剤としては、アルコール系、炭化水素系の溶剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン等が好ましい。この他に、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソブチル等の極性溶媒も使用可能である。これらのものは単独あるいは2種類以上の混合溶剤として用いることが出来る。
また塗工には、ドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコーター等の公知の塗工機械を用いる方法、スプレー法、浸漬法等が用いられる。
アルコキシシラン以外に放射線硬化樹脂などと微粒子Aを組み合わせて用いて透明導電層−2を形成することも可能である。しかし放射線硬化樹脂を使用した場合には、透明導電層−2の厚みが薄いため放射線硬化樹脂が酸素阻害により硬化不足となり、放射線硬化樹脂を用いた透明導電性積層体を用いたタッチパネルでは摺動耐久性が劣化する問題がある。
更にアルコキシシラン以外の硬化性樹脂と微粒子Aとを組み合わせて用いる事も可能である。しかしアルコキシシラン以外の硬化性樹脂を用いた場合には、透明導電層−1との密着性を確保することが困難であるため、アルコキシシラン以外の硬化性樹脂を用いた透明導電性積層体を用いたタッチパネルでは摺動耐久性が劣化する問題がある。
更に可塑性樹脂と微粒子Aとを組み合わせて用いる事も可能である。しかし可塑性樹脂を用いた場合には、可塑性樹脂の耐薬品が不足しているため、タッチパネル作成時に問題がある。
微粒子A
本発明における透明導電層−2には、アルコキシシランと、少なくとも1種類の平均1次粒子径が100nm以下の導電性金属酸化物または金属微粒子からなる微粒子Aが成分として必要である。
微粒子Aが金属酸化物の場合、例えば、酸化インジウム、二酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、インジウム酸化カドミウム(Cd/In2O4)、酸化スズカドミウム(Cd2SnO4)、酸化スズ亜鉛(Zn2SnO4)、酸化インジウムなどが挙げられる。これらのうち酸化インジウム及び/または酸化錫の金属酸化物が特に好ましい。
特に酸化インジウム及び/または酸化錫の金属酸化物微粒子を透明導電層−2中に含有される微粒子Aとして用いる場合には、他の金属酸化物微粒子と比較して環境信頼性に優れている。その中でも結晶質のITO微粒子が特に優れている。更にITO微粒子中の酸化錫含有量が2wt%以上20wt%以下であることが好ましく、更に好ましくは2wt%以上15wt%以下である。
微粒子Aが金属微粒子の場合、金属微粒子及び合金微粒子の少なくともいずれかの金属系粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
金属微粒子を構成する金属は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。金属そのものであってもよいし、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物などであってもよい。前記金属としては、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が挙げられる。
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属として例示したものと、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選択したものとの合金、などが挙げられる。
上記微粒子Aの平均一次粒子径は100nm以下であることが必要であり、好ましくは75nm以下、更には50nmであることが好ましい。微粒子Aの平均一次粒子径が100nmより大きい場合は、形成した透明導電層が白化し、透明タッチパネルの透明性が損なわれる問題がある。
微粒子B
透明タッチパネルにおいて対向して配置された透明導電層の両層の表面が実質的に平坦である場合、対向して配置された両透明導電層表面同士が接触した際に、両透明導電層表面同士がくっつく現象により、透明導電層が劣化し透明タッチパネルが誤動作する問題がある。この両透明導電層表面同士のくっつき現象を防止するために、透明導電層−2中に微粒子Bを含有させることができる。
また透明導電層の表面が実質的に平坦でなくても、透明導電層表面の滑り性を改善することを目的として、透明導電層−2中に微粒子Bを含有させることもできる。
微粒子Bの平均1次粒子径は、透明導電層−2の厚みを基準としてその1.2倍以上であることが好ましい。微粒子Bの平均一次粒子径が透明導電層−2の厚みの1.2倍未満である場合、透明導電層−2の表面を粗面化することは困難となり、透明タッチパネルを構成する両透明導電層表面同士のくっつき現象を防止することが困難になる。
微粒子Bの平均1次粒子径に特に上限を設けないが、透明導電層−2の厚みを基準として1.5倍以下であることが好ましい。微粒子Bの平均1次粒子径が透明導電層−2の厚みを基準にして1.5倍を越える場合微粒子Bが透明導電層−2から脱落しやすくなるため、タッチパネルに要求される摺動耐久性がなどの信頼性を確保することが困難になる。更に微粒子Bの平均1次粒子径が透明導電層−2を基準として1.5倍を超える場合、タッチパネルと表示体を組み合わせた場合の見栄え(ちらつき発生による)を損ねることもあり好ましくない。
透明導電層−2中の微粒子Bの含有量としては、透明導電層−2を形成するアルコキシシラン成分と微粒子Aの合計を100重量部とした場合、2.5重量部以下が好ましい、更に好ましくは1.5重量部以下である。微粒子Bの含有量を2.5重量部以下にすることによって、透明タッチパネルにおいて、対向して配置されている両透明導電層表面同士のひっつき現象による透明タッチパネルの誤動作抑制効果を損なわず、更に白濁のない良好な透明導電層を形成することが可能である。微粒子Bを過剰に透明導電層中に含有させた場合、微粒子Bが透明導電層より脱落しやすくなることや透明導電層−1との密着性が低下し透明タッチパネルに要求される筆記耐久性の信頼性を損なうことがある。
微粒子Bは、平均一次粒子径が上記範囲の微粒子であれば、特にその成分に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。例えば、無機化合物、有機化合物、金属酸化物、金属微粒子等を挙げることができる。
微粒子Bは導電性金属酸化物または金属微粒子であることが好ましく、透明タッチパネルを構成する対向して配置した両透明導電層表面同士のくっつき現象の防止だけでなく、両透明導電層表面が接触した際の接触抵抗劣化も防止することができる。この場合、微粒子Bの平均一次粒子径は、前記、透明導電層−2の導電性を良好なものとするために配合した平均1次粒子径が100nm以下の微粒子Aの平均一次粒子径よりも明確に大きいことが必要である。
微粒子Bが導電性金属酸化物の場合、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の微粒子が挙げられる。これらのうち酸化インジウム及び/又は酸化錫の金属酸化物微粒子が特に好ましい。
また、微粒子Bが金属微粒子の場合、例えば、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が好ましい。
金属酸化物層
本発明の透明導電性積層体は、高分子フィルムと透明導電層−1の間に厚みが0.5nm以上5.0nm未満の金属酸化物層を更に有していてもよい。
高分子フィルム、厚みが制御された金属酸化物層、透明導電層−1を順次積層することにより各層間の密着性が大幅に改善される。このような透明導電性積層体を用いた透明タッチパネルは、金属酸化物層がない場合と比較して、近年透明タッチパネルに要求される筆記耐久性が更に向上する。金属酸化物層の厚みが5.0nm以上では、金属酸化物層が連続体としての機械物性を示し始めることにより、透明タッチパネルに要求される端押し耐久性の向上は望めない。一方、0.5nm未満の厚みでは厚みの制御が困難なことに加え、高分子フィルムと透明導電層−1との密着性を十分発現させることが困難になり、透明タッチパネルに要求される筆記耐久性の向上は不十分となることがある。
金属酸化物層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。
これらの金属酸化物層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法(Physical Vapor Deposition、以下、PVD)等を用いることができるが、大面積に対して均一な厚みの金属酸化物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、Chemical Vapor Deposition(以下、CVD)、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、厚み制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
スパッタリングに用いるターゲットは金属ターゲットを用いることが望ましく、反応性スパッタリング法を用いることが広く採用されている。これは、金属酸化物層として用いる元素の酸化物が絶縁体であることが多く、金属化合物ターゲットの場合DCマグネトロンスパッタリング法が適応できないことが多いからである。また、近年では、2つのカソードを同時に放電させ、ターゲットへの絶縁体の形成を抑制するような電源が開発されており、擬似的なRFマグネトロンスパッタリング法を適応できるようになってきている。
本発明では、金属ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により上記金属酸化物層を形成する場合は、該金属酸化物層を形成する真空槽中の圧力(背圧)を一旦1.3×10−4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。金属酸化物層を形成する真空槽中の圧力を一旦1.3×10−4Pa以下にすることが、真空槽中に残留し、且つ金属酸化物層の形成過程に影響を与えることが懸念される分子種の影響を低減できるので望ましい。より望ましくは、5×10−5Pa以下、更に望ましくは2×10−5Pa以下である。
次いで導入される不活性ガスとしては、例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子量の大きな不活性ガスほど形成される金属酸化物層へのダメージが少なく表面平坦性が向上すると言われている。しかし、コスト面を考えるとArが望ましい。この不活性ガスには層中に取り込まれる酸素濃度を調整するために、分圧に換算して1.3×10−3〜7×10−2Pa台の酸素を添加しても構わない。更に、酸素の他にO3、N2、N2O、H2O、NH3等を目的に応じて用いることができる。
また、本発明では、金属酸化物層を形成する真空槽中の水の分圧を1.3×10−4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。水の分圧は、より望ましくは、4×10−5Pa以下、更に望ましくは2×10−5Pa以下に制御できる。金属酸化物層中に水素を取り込ませることで金属酸化物層内部の応力を緩和することを目的として、水を意図的に1.3×10−4〜3×10−2Paの範囲で導入しても構わない。この調整は、一旦真空を形成した後に、バリアブルリークバルブやマスフローコントローラーを用いて水を導入することで行っても良い。また、真空槽の背圧を制御することによっても実施することができる。
本発明における水分圧を決定するときには、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Pa台の圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用いても良い。また、一般的に、1.3×10−5Pa程度の真空度においては、その圧力を形成しているのは水である。よって、真空計によって計測された値をそのまま水分圧と考えても構わない。
本発明においては、基板として高分子フィルムを用いるため、金属酸化物層を形成させる際の基板温度を高分子フィルムの軟化点温度より上昇させることはできない。よって、金属酸化物層を形成するためには、基板温度は室温以下程度から軟化点温度以下とする必要がある。
代表的な高分子フィルムであるポリエチレンテレフタレートの場合、特別な処理を行わないときは基板温度を80℃以下の温度に保ったまま金属酸化物層を形成することが望ましい。より望ましくは50℃以下の基板温度にて、更に望ましくは20℃以下である。また、高分子フィルム基板の上であっても、該高分子フィルム基板からのアウトガスの制御という観点より80℃以下、より望ましくは50℃以下、更に望ましくは20℃以下に設定した基板温度で形成することが望ましい。
硬化樹脂層
本発明の透明導電性積層体は、高分子フィルムと透明導電層−1との間に、或は高分子フィルムと前記金属酸化物層との間に、硬化樹脂層を設ける必要がある。
硬化樹脂層に用いられる硬化樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂を与えるモノマーとしては、例えばポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、変性スチレンアクリレート、メラミンアクリレート、シリコン含有アクリレート等の単官能及び多官能アクリレートを挙げることができる。
具体的なモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性アクリレート、イソシアヌール酸アルキレンオキサイド変性アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エポキシ変性アクリレート、ウレタン変性アクリレート、エポキシ変性アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。これらを単独で用いても、数種類を混合して用いてよく、また場合によっては、各種アルコキシシランの加水分解物を適量添加してもよい。なお、電離放射線によって樹脂層の重合を行う場合には公知の光重合開始剤が適量添加される。また必要に応じ光増感剤を適量添加してもよい
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾイルベンゾエート、チオキサンソン類等が挙げられ、光増感剤としては、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のシラン化合物をモノマーとしたオルガノシラン系の熱硬化性樹脂やエーテル化メチロールメラミン等をモノマーとしたメラミン系熱硬化性樹脂、イソシアネート系熱硬化性樹脂、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂を単独又は複数組み合わせて使用することも可能である。また必要に応じ熱可塑性樹脂を混合することも可能である。なお、熱によって樹脂層の架橋を行う場合には公知の反応促進剤、硬化剤を適量添加される
反応促進剤としては、例えばトリエチレンジアミン、ジブチル錫ジラウレート、ベンジルメチルアミン、ピリジン等が挙げられる。硬化剤としては、例えばメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
硬化樹脂層の厚みは、特に下限値を設けないが可撓性、耐摩擦性の点から10μm以下であることが好まく、更に好ましくは5μm以下である。
硬化樹脂層と透明導電層−1または硬化樹脂層と金属酸化物層との密着性を更に強化するため、硬化樹脂層中に、平均1次粒子径が100nm以下の酸化珪素微粒子を含有させることできる。更に、珪素原子を含有する有機化合物と平均一次粒子径が100nm以下の酸化珪素微粒子とを併用すると、該酸化珪素微粒子の金属酸化物微粒子が表面に偏析した硬化樹脂層となるため、上記密着性の改善効果が向上する。珪素原子を含有する有機化合物としては、一般的なSi原子を含有する界面活性剤やUV硬化樹脂成分である。この際の酸化珪素微粒子の含有量は、硬化樹脂成分100重量部に対して1重量部以上400重量部以下が好ましく、更に好ましくは1重量部以上200重量部以下、より好ましくは5重量部以上100重量部以下である。
透明タッチパネルを構成する対向して配置した透明導電層表面がいずれも平坦である場合、作製した透明タッチパネルの可動電極基板(上部電極基板)からの反射光と固定電極基板(下部電極基板)からの反射光の干渉によるニュートンリングが観察されることがある。
この反射光を光学的に散乱させることによりニュートンリングを防止するため、透明導電層の表面に凹凸を形成する方法がある。透明導電層表面に凹凸を形成する方法として硬化樹脂層の表面を粗面化することができ、硬化樹脂層を粗面化する方法としては、下記の4通りの方法を例示することができる。
(1)硬化樹脂層中に表面を粗面化するための微粒子を含有せずに、二種の成分が相分離して凹凸を形成し、硬化樹脂層のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上0.5μm未満、JIS B0601−1982による十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以上2μm未満の範囲とする方法。
硬化樹脂層を形成する成分が、第1成分は重合体であり、第2成分はモノマーであることが好ましい。硬化樹脂層を形成する第1成分と第2成分とのSP値の差が0.5以上であることが好ましい。硬化樹脂層を形成する第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、第2成分は多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることが好ましい。硬化樹脂層を形成する成分が、シリコーンアクリルブロック共重合体とアクリル共重合体とであることが好ましい。
この方法で粗面化した際の本発明の透明導電性積層体は、JIS K7136で定義されるヘーズが1%以上20%未満を達成することができる。
(2)硬化樹脂層中に硬化樹脂成分と平均一次粒子径が0.1μmより大きい微粒子Cを1種類または平均一次粒子径が異なる微粒子Cを2種類以上含有し、且つ少なくとも1種類の微粒子Cの平均一次粒子径が硬化樹脂層厚みの1.2倍以上である微粒子Cを含有させることによって硬化樹脂層を粗面化する方法。
この際硬化樹脂層に含有される微粒子Cの含有量は、硬化樹脂成分に100重量部に対して、0.1重量部以上30重量部以下、好ましくは1重量部以上20重量部以下、更に好ましくは3重量部以上15重量部以下である。微粒子Cの含有量が0.1重量部より少ない場合では、硬化樹脂層を充分に粗面化することが出来ないためニュートンリングの発現を防止する効果がない。また微粒子Cの含有量が30重量部より多い場合は、硬化樹脂層のヘーズが極端に大きくなるため透明性を確保することが困難になり、透明タッチパネルを介して透明タッチパネル下に設置される画面を鮮明に見ることが困難になる。
(3)硬化樹脂層中に硬化樹脂成分と1種類または2種類以上の平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物微粒子からなる微粒子Dを含有させることによって硬化樹脂層を粗面化する方法。
この際硬化樹脂層に含有される微粒子Dの含有量は、硬化樹脂成分に100重量部に対して、0.1重量部以上100重量部以下、好ましくは0.5重量部以上50重量部以下、更に好ましくは1重量部以上30重量部以下である。微粒子Dの含有量が0.1重量部以下では硬化樹脂層を充分に粗面化することが出来ないためニュートンリングの発現を防止する効果がない。また微粒子Dの含有量が100重量部より多い場合は、硬化樹脂層のヘーズが極端に大きくなるため透明性を確保することが困難になり、透明タッチパネルを介して透明タッチパネル下に設置される画面を鮮明にみることが困難になる。
(4)硬化樹脂層中に硬化樹脂成分と、平均1次粒子径が0.1μmより大きい微粒子Cを1種類または2種類以上、および1種類または2種類以上の平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物微粒子からなる微粒子Dとを含有し、少なくとも1種類の微粒子Cの平均1次粒子径が硬化樹脂層厚みの1.2倍以上とすることによって硬化樹脂層を粗面化する方法。
この際、硬化樹脂層に含有される微粒子Cの含有量と微粒子Dの含有量は、先に記載した含有量と同じである。
前記(2)〜(4)の手法により硬化樹脂層の表面を粗面化した場合、JIS B0601−1982で定義される十点平均粗さ(Rz)は、好ましくは100nm以上1500nm未満であり、より好ましくは200nm以上1300nm未満であり、更に好ましくは350nm以上1000nm未満である。十点平均粗さ(Rz)が100nm未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがあり、十点平均粗さ(Rz)が1000nm以上となった場合には、ヘーズが大きくなり高精細ディスプレイ上に透明タッチパネルを設置すると、画素の色分離が生じてチラツキを起こすなどの理由から好ましくない。また、JIS B0601−1994準拠で定義される算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは30nm以上500nm未満であり、より好ましくは40nm以上400nm未満であり、更に好ましくは50nm以上300nm未満である。算術平均粗さ(Ra)が30nm未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがある。算術平均粗さ(Ra)が500nm以上となった場合には、ヘーズが大きくなり高精細ディスプレイ上に透明タッチパネルを設置すると、画素の色分離が生じてチラツキを起こすなどの理由から好ましくない。
前記(2)〜(4)の手法で粗面化された硬化樹脂層と高分子フィルムに基づくJIS K7105で定義されるヘーズは、1%以上10%未満であり、好ましくは1%以上8%未満であり、更に好ましくは1%以上6%未満である。ヘーズが1%未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがあり好ましくない。一方、ヘーズが10%以上の場合には透明タッチパネルをディスプレイ上に設置した際に映像や文字などの情報がぼやけるため好ましくない。
なお、前記の(1)の硬化樹脂層表面の粗面化手法については以下、具体的に説明する。
前記(1)の粗面化手法では、二種の成分が相分離して形成された凹凸を有する。硬化樹脂層は、凹凸を付与するための微粒子を含有しない。この凹凸は、第1成分および第2成分を含む組成物を基材上に塗布すると、第1成分および第2成分の物性の差により、両者が相分離し表面にランダムな凹凸が生じることにより形成される。硬化樹脂層は、組成物を基材上に塗布し凹凸を形成させた後、硬化することにより形成することができる。硬化樹脂層を形成する二種の成分のうち、第1成分は重合体であり、第2成分はモノマーであることが好ましい。
前記第1成分は、透明性に優れた硬化性の重合体が好ましく、熱硬化性重合体、電離放射線硬化性重合体がより好ましい。重合体は公知のものを用いることができ、例えば国際公開第2005/073763号パンフレットに記載の重合体を挙げることができる。第1成分として、不飽和二重結合含有アクリル共重合体(以下、共重合体(1)と呼ぶことがある)が好ましい。共重合体(1)としては、例えば、(メタ)アクリルモノマーなどの酸基を有する重合性不飽和モノマーを重合または共重合した樹脂またはこの酸基を有する重合性不飽和モノマーを重合または共重合した樹脂と他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂に、エチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーを反応させた共重合体、この酸基を有する重合性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた共重合体などが挙げられる。
不飽和二重結合含有アクリル共重合体の具体的な調整方法の一例として、例えば、酸基を有する重合性不飽和モノマーと、他の重合性不飽和モノマーとを共重合し、次いで得られた共重合体の酸基とエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーのエポキシ基とを反応させる方法が挙げられる。
酸基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸および2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸のようなモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびイタコン酸のようなジカルボン酸、無水マレイン酸および無水イタコン酸のような酸無水物およびマレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチルおよびイタコン酸モノエチルのようなジカルボン酸のモノエステル、またはこれらのα−位のハロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロもしくはシアノにより置換された置換誘導体、o−、m−、p−ビニル安息香酸またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミドもしくはエステルにより置換された置換誘導体などを挙げることができる。こられは一種のみを用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
他の重合体不飽和モノマーとして、例えば、スチレンまたはスチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルにより置換された置換誘導体、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等のオレフィン類、o−、m−、p−ヒドロキシスチレンまたはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルもしくはカルボキシにより置換された置換誘導体、ビニルヒドロキノン、5−ビニルピロガノール、6−ビニルピロガロール、1−ビニルフロログリシノール等のポリヒドロキシビニルフェノール類、メタクリル酸またはアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソアミルヘキシル、シクロヘキシル、アダマンチル、アリル、プロパギル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アントラキノニル、ピペロニル、サリチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネシル、クレシル、グリシジル、イソボロニル、トリフェニルメチル、ジシクロペンタニル、クミル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、フリルもしくはフルフリルエステル、メタクリル酸またはアクリル酸のアニリドもしくはアミド、またはN,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピル、N,N−ジイソプロピルもしくはアントラニルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、N−フェニルマレインイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミド、N−メタクリロイルフタルイミド、N−アクリロイルフタルイミド等を用いることができる。
エポキシ含有エチレン性不飽和モノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4−エポキシシクロヘキサニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。バランスのとれた硬化性と貯蔵安定性を示す組成物であることから、グリシジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
また、不飽和二重結合含有アクリル共重合体の具体的な調整方法としては、例えば、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーと、他の重合性不飽和モノマーとを共重合し、次いで得られた共重合体のエポキシ基と、酸基を有する重合性不飽和モノマーの酸基とを反応させる方法を挙げることができる。
本発明において、第1成分として使用される不飽和二重結合含有アクリル共重合体の重量平均分子量は、500〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましい。本明細書における重量平均分子量は、ポリスチレン換算による重量平均分子量を意味する。また、不飽和二重結合含有アクリル共重合体は1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
前記第2成分は、共重合体(1)と混合した際に相分離するモノマーであればよい。モノマーは公知のものを用いることができ、例えば国際公開第2005/073763号パンフレットに記載のモノマーを挙げることができる。
第2成分として、多官能性不飽和二重結合含有モノマー(以下、モノマー(2)と呼ぶことがある)が好ましい。モノマー(2)として、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物が挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この他にも、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート(共栄社化学株式会社製)などの、ポリエチレングリコール骨格を有するアクリレートモノマーを使用することもできる。これらの多官能性不飽和二重結合含有モノマーは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
硬化樹脂層を形成する二種の成分のうち、第1成分が不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、第2成分が多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることが好ましい。
硬化樹脂層を形成する成分が、シリコーンアクリルブロック共重合体とアクリル共重合体とであることが好ましい。
また、第1成分および第2成分は、それぞれの成分の溶解度パラメーター値(SP値)の差があることが好ましく、上記のように、第1成分が共重合体(1)であり、第2成分がモノマー(2)である場合、第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)が、SP1<SP2を満たすことが好ましい。第1成分および第2成分とのSP値の差が0.5以上であることが好ましい。
特に、第1成分が共重合体(1)であり、第2成分がモノマー(2)であると、本発明の透明導電性積層体をタッチパネルに用いた場合、チラツキがなく、ヘーズが低く、その摺動耐久性、端押し耐久性が飛躍的に向上するので好ましい。
本発明の透明導電性積層体は、その硬化樹脂層のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上0.5μm未満である。また、硬化樹脂層のJIS B0601−1982による十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以上2μm未満である。
RaおよびRzがこの範囲であると、透明導電性積層体を、タッチパネルに用いた際に、防眩性、アンチニュートンリング性、指紋拭取り性が特に良好となり、チラツキの低減も著しい。上記特性を更に良好なものとするため、Raの範囲は0.1μm以上0.4μm未満が好ましく、0.1μm以上0.35μm未満が特に好ましい。また、Rzの範囲は0.7μm以上1.5μm未満が好ましく、0.7μm以上1.3μm未満が特に好ましい。
硬化樹脂層の厚さは10μm以下であることが好ましい。厚さが10μmを超えると柔軟性が不足し、タッチパネルに用いた際の摺動耐久性、端押し耐久性が不良となることがある。上記特性を更に良好なものとするため、硬化樹脂層の厚さは8μm以下であることが好ましく、6μm以下であることが特に好ましい。
前記の硬化樹脂層は、第1成分および第2成分を含有する塗工液を高分子フィルムに塗工し、必要に応じ乾燥させた後に、電離放射線照射や加熱処理等により硬化させることにより形成することができる。塗工液は有機溶剤を含有することが好ましい。
塗工方法としては、ドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコーター等の公知の塗工機械を用いる方法、スプレー法、浸漬法等が挙げられる。
尚、高分子フィルムの両面に硬化樹脂層を形成する場合、該硬化樹脂層は、同一の組成でも良く、相互に異なったものであっても良い。
また、前記(1)の粗面化手法を採らない場合の硬化樹脂層の形成方法としては、ドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコーター等の公知の塗工機械を用いる方法、スプレー法、浸漬法等が用いられる。実際の塗工法としては、前記の硬化性樹脂成分を各種有機溶剤に溶解して、濃度や粘度を調節した塗工液を用いて、透明有機高分子基板上に塗工後、放射線照射や加熱処理等により層を形成する方法が挙げられる。
有機溶剤としては、アルコール系、炭化水素系の溶剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン等が好ましい。特に、キシレン、トルエン、ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を使用するのが好ましい。この他に、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の極性溶媒も使用可能である。これらのものは単独で用いるか、あるいは2種類以上の混合溶剤として用いることが出来る。
硬化樹脂層の熱や光劣化を防止するために、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤等を添加することも可能である。
硬化樹脂層の厚みや屈折率を調整することにより、透明導電性積層体の光学特性(透過率や色調)を調整することも可能である。その際の硬化樹脂層の厚みは0.05μm以上、0.5μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以上、0.3μm以下である。硬化樹脂層の屈折率を調整するために平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物の微粒子Dまたは/及びフッ素系樹脂を単独または複数組み合わせて硬化樹脂層中に添加しても良い。この時の硬化樹脂層の屈折率は、高分子フィルムの屈折率より小さく、且つ屈折率が1.20以上1.55以下であることが好ましく、更に好ましくは1.20以上1.45以下である。
硬化樹脂層は必要に応じ、材質や硬さの異なる2種類以上の硬化樹脂層を積層することも可能である。例えば、(A)高分子フィルム上に厚みが2.0μmの微粒子Cと微粒子Dを含有する凹凸を有する硬化樹脂層を積層した後、該硬化樹脂層上に屈折率が1.4、厚みが0.1μmの低屈折硬化樹脂層を積層する、(B)高分子フィルム上に厚みが10μmのゴム状ラテックスを混合した硬化樹脂層を積層した後、ゴム状ラテックス層上に厚みが2μmの2〜4官能の紫外線硬化樹脂で構成された紫外線硬化樹脂層を積層するような硬化樹脂層を積層することが出来る。
微粒子C
硬化樹脂層に含有させる微粒子Cの平均一次粒子径は0.1μmより大きく、微粒子Cとしては具体的には、例えば、シリカ微粒子等の無機微粒子、架橋アクリル微粒子、架橋ポリスチレン等の有機微粒子を挙げることができる。
微粒子D
微粒子Dの平均1次粒子径は100nm以下が好ましく、更に好ましくは75nm以下、更に好ましくは50nm以下である。微粒子Dの1次粒子径を100nm以下に制御すれば、塗工層が白化することがない。
該微粒子Dとしては、例えばBi2O3、CeO2、In2O3、(In2O3・SnO2)、HfO2、La2O3、MgF2、Sb2O5、(Sb2O5・SnO2)、SiO2、SnO2、TiO2、Y2O3、ZnO、ZrO2などの金属酸化物または金属フッ化物の超微粒子が例示される。
光学干渉層
本発明の透明導電性積層体は、高分子フィルムまたは硬化樹脂層と透明導電層−1または金属酸化物層の間に少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層からなり、低屈折率層が金属酸化物層または透明導電層−1と接する光学干渉層を有することができる。
上記のように、光学干渉層は、少なくとも一層の高屈折率層と少なくとも一層の低屈折率層より構成される。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ単位を二つ以上とすることも出来る。光学干渉層が一層の高屈折率層と一層の低屈折率層から構成される場合、光学干渉層の厚みは30nm〜300nmが好ましく、更に好ましくは50nm〜200nmである。光学干渉層は、上記層間の密着性及び透明導電性積層体の光学特性、特に透過率と色調を改良する。
高屈折率層は、例えば金属アルコキシドを加水分解ならびに縮合重合して形成された層、または金属アルコキシドを加水分解ならびに縮合重合してなる成分または/及び熱硬化性樹脂成分または/及び電離放射線硬化性樹脂成分のうちの少なくとも1種類と少なくとも平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物からなる微粒子Dとからなる層である。
金属アルコキシドとしては、例えばチタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、アルコキシシランを挙げることができる。
チタニウムアルコキシドとしては、例えばチタニウムテトライソプロポキシド、テトラ−n−プロピルオルトチタネート、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタネート等が挙げられる。
ジルコニウムアルコキシドとしては、例えばジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、前記透明導電層−2の記載において例示したものと同じものを使用することができる。
高屈折率層中には、前記記載の平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物の微粒子Dを単独または2種類以上適当量添加することができる。微粒子Dを添加することにより高屈折率層の屈折率を調整することが可能である。
高屈折率層中に微粒子Dを添加する場合、微粒子Dと金属アルコキシドまたは/及び熱硬化性樹脂または/及び電離放射線硬化性樹脂の重量比率は、0:100〜66.6:33.3であることが好ましく、更に好ましくは0:100〜60:40である。微粒子Dと金属アルコキシドまたは/及び熱硬化性樹脂または/及び電離放射線硬化性樹脂の重量比率が66.6:33.3を超える場合は光学干渉層に必要な強度や密着性が不足することがあり、好ましくない。
高屈折率層の厚みは、好ましくは15〜250nm、より好ましくは30〜150nmである。また高屈折率層の屈折率は、後述する低屈折率層及び硬化樹脂層の屈折率より大きく、その差が0.2以上であることが好ましい。
本発明の光学干渉層を構成する低屈折率層は、前記透明導電層−2に用いるアルコキシシランとして例示した樹脂アルコキシシランや硬化樹脂層の記載において例示した電離放射線硬化型樹脂や熱硬化樹脂を用いて形成することが出来る。
透明導電層−1または金属酸化物層との密着性を強化することや屈折率を調整することを目的として平均一次粒子径が100nm以下である金属酸化物または金属フッ化物からなる微粒子Dを単独または2種類以上適当量添加して用いることが出来る。この時に用いる微粒子Dとしては屈折率が低い、SiO2やMgF2などが適切である。低屈折率層の厚みは、好ましくは15〜250nm、より好ましくは30〜150nmである。
ハードコート層
本発明の透明導電性積層体を可動電極基板として用いた場合は、タッチパネルに使うときに外力が加わる面、すなわち透明導電層とは反対側の高分子フィルム面には、ハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層を形成するための材料としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノシラン系熱硬化性樹脂、エーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化性樹脂、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。また、必要に応じて、これらに、SiO2やMgF2等の微粒子等を混合したものを用いることができる。その際微粒子はハードコート層内に均一に分散している。またハードコート層の厚みは、可撓性、耐摩擦性の点から2〜5μmが好ましい。
ハードコート層は塗工法により形成することができる。実際の塗工法としては、前記の化合物を各種有機溶剤に溶解して、濃度や粘度を調節した塗工液を用いて、透明有機高分子フィルム上に塗工後、放射線照射や加熱処理等により層を硬化させる。塗工方式としては、例えばマイクログラビヤコート法、マイヤーバーコート法、ダイレクトグラビヤコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、コンマコート法、ダイコート法、ナイフコート法、スピンコート法等の各種塗工方法が用いられる。
なお、ハードコート層は高分子フィルム上に直接、もしくは適切なアンカー層を介して積層される。アンカー層としては例えば、該ハードコート層と高分子フィルムとの密着性を向上させる機能を有する層や、K値が負の値となる三次元屈折率特性を有する層等の各種の位相補償層、水分や空気の透過を防止する機能もしくは水分や空気を吸収する機能を有する層、紫外線や赤外線を吸収する機能を有する層あるいはフィルムの帯電性を低下させる機能を有する層等が好ましく挙げられる。
タッチパネル
透明導電層同士が向き合うように配置されて構成されたタッチパネルにおいて、少なくとも透明電極基板として本発明の透明導電性積層体を用いることにより筆記耐久性の向上した、特に端部領域での筆記耐久性(摺動耐久性・端押し耐久性)の向上した透明タッチパネルを得ることができる。
なお、本実施例における、各種測定・評価は以下の方法を用いた。
リニアリティー測定方法
可動電極基板上又は固定電極基板上の平行電極間に直流電圧5Vを印加する。平行電極と垂直の方向に5mm間隔で電圧を測定した。測定開始位置Aの電圧をEA、測定終了位置Bの電圧をEB、Aからの距離Xにおける電圧実測値EX、理論値をET、リニアリティーをLとし、下記式により求めた。
作製した透明タッチパネルの可動電極基板の周囲の絶縁層から2.0mm及び1.5mmの位置を絶縁層と平行して先端が0.8Rのポリアセタール製のペンを用いて450g荷重で直線10万回往復の筆記耐久性試験を行った。端押し耐久性試験前後のリニアリティー変化量が1.5%以上となったものをNGと評価した。
ヘーズ・全光線透過率の測定
日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH200を用いて測定した。全光線透過率は、JIS K7316−1に準じて測定した。
環境信頼性評価(高温高湿信頼性)
透明導電性積層体の透明導電層面の表面抵抗値R1を室温にて測定した。次いで透明導電性積層体を、60℃90%RHの環境下に240hr放置した後、室内に取り出し、室温にて透明導電層面の表面抵抗値R2を測定した。得られたR2、R1の値から表面抵抗値変化率(R2/R1)を求めた。表面抵抗値変化率が0.8から1.2の範囲内であれば、高温高湿信頼性が良好であると評価した。
環境信頼性評価(高温信頼性)
透明導電性積層体の透明導電層面の表面抵抗値R1を室温にて測定した。次いで透明導電性積層体を、80℃Dry(絶乾)の環境下に240hr放置した後、室内に取り出し、室温にて透明導電層面の表面抵抗値R2を測定した。得られたR2、R1の値から表面抵抗値変化率(R2/R1)を求めた。表面抵抗値変化率が0.8から1.2の範囲内であれば、高温信頼性が良好であると評価した。
微粒子の平均一次粒子径
微粒子の平均一次粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を使用して測定した。
SP(溶解度パラメーター)
“Properties of Polymers”(Elsevier,Amsterdam(1976))に記載のVan Klevinの方法に従って算出した。
Ra(算術平均粗さ)
Sloan社製 触針段差計 DEKTAK3を用いて測定した。測定はJIS B0601−1994年版に準拠して行なった。
Rz(十点平均粗さ)
(株)小坂研究所製 Surfcorder SE−3400を用いて測定した。測定はJIS B0601−1982年版に準拠して行なった。
接触角
平板状の試料片を水平に置き、硬化樹脂層の面を上にして、JIS R3257の静滴法に従い、容量1mlの注射器により水を1滴滴下して、試料片上に1μl以上4μl以下の水滴を静置した。次いで角度測定器がついた顕微鏡により、1分間静置後の水接触角θを読み取った。
厚さ
ケーエルケー・テンコー社製、触針式膜厚計 アルファステックを使用し測定を行った。
防眩性
作成した透明導電性積層体の透明導電層が形成された面と反対面の硬化樹脂層表面に蛍光灯を映りこませる。その時、硬化樹脂層表面に映りこんだ蛍光灯端部の見え方により防眩性を評価した。評価は、良好(○)、やや良好(△)、不良(×)で示した。
アンチニュートンリング性
3波長蛍光灯の下で、タッチパネルの表面(垂直方向0度)に対して斜め60度の方向から、可動電極基板と固定電極基板を接触させた領域でのニュートンリングの有無を目視で観察した。ニュートンリングが観測できないものを良好(○)、かすかに観測できるものをやや良好(△)、明確に観測できるものを不良(×)とした。
チラツキ性
約123dpi(対角10.4インチ、XGA(1024×768ドット))の液晶ディスプレイ上にタッチパネルを設置しチラツキの有無を目視で確認した。チラツキが確認できないものを良好(○)、かすかに確認できるものをやや良好(△)、明確に確認できるものを不良(×)とした。
摺動耐久性
作成したタッチパネルの中央部を先端が0.8Rのポリアセタール製のペンを用いて450g荷重で直線往復10万回ずつ最大30万回まで摺動を行い、摺動耐久性試験前後のタッチパネルのリニアリティー変化量を測定した。リニアリティー変化量が1.5%未満を良好(OK)、リニアリティー変化量が1.5%以上を不良(NG)とした。電気特性がNGとなった摺動回数を測定した。
端押し耐久性B
作製したタッチパネルの絶縁層から約2.0mmの位置を絶縁層と平行して可動電極側から先端が0.8Rのポリアセタール製のペンを用いて450g荷重で直線往復1万回ずつ10万回まで摺動を行い、端押し耐久性試験前後のタッチパネルのリニアリティー変化量を測定した。リニアリティー変化量が1.5%未満を良好(OK)、リニアリティー変化量が1.5%以上となった場合を不良(NG)とした。電気特性がNGとなった摺動回数を測定した。
指紋拭取り性
測定サンプルの硬化樹脂層表面が上になるように黒色板上に置き、指紋をサンプル表面に押し付け、市販のティッシュペーパーを用いて拭き取り、その後、サンプル表面に残存する指紋の程度を目視で確認した。
指紋が観測されないものを良好(○)、かすかに観測されるものをやや良好(△)、明確に観測されるものを不良(×)とした。
表面張力
ビックケミー社製ダイノメーターを用いて輪環法(デュヌイ法)で測定した。
参考例1(塗工液Aの作製)
4官能アクリレート「アロニックス」M400(東亞合成株式会社製)100重量部、「イルガキュア」184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部、宇部日東化成株式会社製(「ハイプレシカ」3.0μm品 グレードN3N)0.7重量部をイソプロビルアルコールと1−メトキシ−2−プロパノールの1:1混合溶媒に溶解した後、平均一次粒子径が30nmであるMgF2超微粒子(シーアイ化成株式会社製 20重量% エチルアルコール・n−ブチルアルコール混合溶媒分散液)を硬化樹脂成分100重量部に対して固形分として5重量部となるように混合し塗工液Aを作製した。
参考例2(塗工液Bの作製)
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−403)とメチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−13)を1:1のモル比で混合し、酢酸水溶液(pH=3.0)により公知の方法で前記アルコキシシランの加水分解を行い、アルコキシシラン加水分解物1を得た。アルコキシシラン加水分解物1の固形分20重量部に対して、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−603)を固形分1重量部の比率で添加し、更にイソプロピルアルコールとn−ブタノールとの混合溶液で希釈を行った。この混合液に平均一次粒子径が20nmの結晶質ITOナノ粒子をイソプロピルアルコールに分散させた15%分散液(シーアイ化成株式会社製)を固形分換算で50重量部となるよう混合してアルコキシシラン塗工液Bを作製した。
参考例3(塗工液Cの作製)
4官能アクリレート「アロニックス」M400(東亞合成株式会社製)100重量部、「イルガキュア」184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部をイソプロビルアルコールと1−メトキシ−2−プロパノールの1:1混合溶媒に溶解し塗工液Cを作製した。
参考例4(塗工液Dの作製)
参考例3で作成した塗工液Cの樹脂100重量部に対して、平均1次粒子径が20nmのSiO2ナノ粒子をイソプロピルアルコールに分散させた12.5wt%分散液(シーアイ化成株式会社製)を固形分換算で20重量部、界面活性剤SH28PA(東レ・ダウコーニング株式会社製)0.3重量部となるように混合して塗工液Dを作成した。
参考例5(塗工液Eの作製)
参考例2で作製した塗工液B中に平均1次粒子径が1.0μmの酸化珪素微粒子をアルコキシシラン成分100重量部に対して1.0重量部を混合させて塗工液Eを作製した。
参考例6(塗工液Fの作製)
第1の成分として不飽和二重結合含有アクリル共重合体(SP値:10.0、Tg:92℃)4重量部、第2の成分としてペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値:12.7)100重量部、光重合開始剤「イルガキュア」184(チバスペシャリティーケミカル社製)7重量部を、イソブチルアルコール溶媒に固形分が40重量%となるように溶解して作製した。
なお、不飽和二重結合含有アクリル共重合体(SP値:10.0、Tg:92℃)は、以下のとおりに調製を行なった。
イソボロニルメタクリレート171.6g、メチルメタクリレート2.6g、メチルアクリル酸9.2gからなる混合物を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1,000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル330.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。
その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル17.0gの溶液を滴下してテトラブチルアンモニウムブロマイド1.4gとハイドロキノン0.1gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル22.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。数平均分子量5,500、重量平均分子量18,000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値:10.0、Tg:92℃、表面張力:31×10−3N/m(31dyn/cm)であった。
実施例1
厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に紫外線硬化型多官能アクリレート樹脂塗料を用いて厚みが4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に、参考例1で調整した塗工液Aを厚みが2.0μmとなるようにバーコート法によりコーティングし、50℃で1分間乾燥させた後、紫外線を照射し凹凸を有する硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは2.4%であった。
硬化樹脂層上に酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法によりITO層を形成した。形成されたITO層の厚みは約20nm、ITO形成後の表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。
次いで、参考例2の操作で作製した塗工液Bを透明導電層−1の表面に厚みが約200nmとなるようにバーコート法によりコーティングし、130℃2分間の焼成後、透明導電層−2を形成し可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。透明導電層−1と透明導電層−2を積層後の表面抵抗値は約270Ω/□(Ω/sq)であった。作製した可動電極基板を150℃90分の熱処理を行い、透明導電層−1(ITO層)を結晶化させた。ITO層が結晶化した後の表面抵抗値は約210Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表1に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径はいずれも50nm〜200nmの範囲であった。
他方、厚み1.1mmのガラス板の両面にSiO2ディップコートを行った後、スパッタリング法により、同様な方法で厚み18nmのITO層を形成した。次にITO層上に高さ7μm、直径70μm、ピッチ1.5mmのドットスペーサーを形成することにより、固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板とを用いて第1図の透明タッチパネルを作製した。なお、第1図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様に厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に層厚が4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に実施例1と同様にして塗工液Aを層厚が2.0μmとなるようにバーコート法によるコーティングし、50℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射し凹凸を有する硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは2.3%であった。
凹凸を有する硬化樹脂層上にSiターゲットを用いてスパッタリング法によりSiOx層を形成した。形成されたSiOx層の厚みは約2.0nmであった。
次いで実施例1と同様にして透明導電層−1と透明導電層−2を形成し、可動電極基板を作製した。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表1に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径はいずれも50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第2図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表1に示す。
実施例3
実施例2と同様に厚み188μmのポリエステルテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に厚みが4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に実施例1と同様にして塗工液Aを厚みが2.0μmとなるようにハーコート法によるコーティングし、50℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射し凹凸を有する硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは2.3%であった。
凹凸を有する硬化樹脂層上にSiターゲットを用いてスパッタリング法によりSiOx層を形成した。形成されたSiOx層の厚みは約2.0nmであった。
次いで実施例1と同様にして透明導電層−1と透明導電層−2を形成し、可動電極基板を作製したが、透明導電層−1の膜厚を20nmから33nmへ変更して可動電極基板を作成した。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表1に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径はいずれも50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第2図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表1に示す。
実施例4
実施例2と同様に厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に厚みが4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に実施例1と同様にして塗工液Aを厚みが2.0μmとなるようにバーコート法によるコーティングし、50℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射し凹凸を有する硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは2.3%であった。
凹凸を有する硬化樹脂層上にSiターゲットを用いてスパッタリング法によりSiOx層を形成した。形成されたSiOx層の厚みは約2.0nmであった。
次いで実施例1と同様にして透明導電層−1を形成した。実施例1で使用した結晶質のITOナノ粒子を非晶質のITOナノ粒子(平均1次粒子径が20nm、シーアイ化成株式会社製)に置き換えたこと以外は実施例1と同様にして透明導電層−2を透明導電層−1上に形成し、可動電極基板を作製した。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表2に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径はいずれも50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第2図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表2に示す。
実施例5
実施例1と同様に厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に厚みが4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に、参考例3の操作で作製した塗工液Cを厚みが3.5μmとなるようにバーコート法によりコーティングし、50℃で1分間乾燥させた後、紫外線を照射し硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは1.0%であった。
この硬化樹脂層上に、Siターゲットを用いてスパッタリング法によりSiOx層を形成した。形成されたSiOx層の厚みは約2.0nmであった。
次いで、このSiOx層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比97:3の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法によりITO層を形成した。形成されたITO層の厚みは約20nm、ITO層形成後の表面抵抗値は約550Ω/□(Ω/sq)であった。
参考例5の操作で作製した塗工液Eを実施例1と同様にして透明導電層−2を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。作製した可動電極基板を150℃60分熱処理行い、ITO層を結晶化させた。ITO層が結晶化した後の表面抵抗値は約370Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表2に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第2図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表2に示す。
実施例6
実施例1と同様に厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の片面に厚みが4μmのクリアハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面上に、参考例4の操作で作製した塗工液Dを厚みが2.5μmとなるようにバーコート法によりコーティングし、50℃で1分間乾燥させた後、紫外線を照射し硬化樹脂層を形成した。硬化樹脂層形成後のフィルムヘーズは0.7%であった。
この硬化樹脂層上に、Siターゲットを用いてスパッタリング法によりSiOx層を形成した。形成されたSiOx層の厚みは約2.0nmであった。
次いで、このSiOx層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比97:3の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法によりITO層を形成した。形成されたITO層の厚みは約20nm、ITO層形成後の表面抵抗値は約550Ω/□(Ω/sq)であった。
参考例5の操作で作製した塗工液Eを実施例1と同様にして透明導電層−2を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。作製した可動電極基板を150℃60分熱処理行い、ITO層を結晶化させた。ITO層が結晶化した後の表面抵抗値は約370Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表2に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板とを用いて第2図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表2に示す。
透明導電層−2を積層しない以外は実施例1と同様に可動電極基板として透明導電性積層体を作製した。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表3に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第3図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第3図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表3に示す。
比較例2
実施例1と同様に厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社 OFW)の片面に厚みが4μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した反対面に参考例1で作成した塗工液Aを使用して凹凸を有する硬化樹脂層を形成した。形成した硬化樹脂層上に透明導電層としてポリチオフェン系導電性ポリマーを透明導電層形成後の表面抵抗値が約500Ω/□(Ω/sq)となるように透明導電層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成した透明導電層の厚みは約150nmであった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表3に示す。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第4図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第4図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、6はガラス基板、8は導電性ポリマー層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表3に示す。
比較例3
透明導電層−2としてポリチオフェン系導電性ポリマーを積層した以外は実施例1と同様に可動電極基板としての透明導電性積層体を作製した。透明導電層−1と透明導電層−2を積層後の表面抵抗値は約310Ω/□(Ω/sq)であった。作製した可動電極基板を150℃90分の熱処理を行い、透明導電層−1(ITO層)を結晶化させた。ITO層が結晶化した後の表面抵抗値は約240Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表3に示す。なお、TEMにより観察された結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第1図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第1図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表3に示す。
透明導電層−1として非晶質透明導電層IZOを使用したこと以外は、実施例1〜3と同様にして可動電極基板としての透明導電性積層体を作製した。IZO層を形成後の表面抵抗値は約230Ω/□(Ω/sq)、厚みは約20nmであった。透明導電層−2を積層後の表面抵抗値は約170Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表4に示す。なお、TEMによる観察で結晶は確認されなかった。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板を用いて第1図(比較例4)または第2図(比較例5、6)に示す構成の透明タッチパネルを作製した。なお、第1図、第2図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、7は金属酸化物層、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。作製した透明タッチパネルの摺動耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティー変化量を表4に示す。
硬化樹脂層を積層しないこと以外は実施例1〜3と同様にして可動電極基板として透明導電性積層体を作製した。作製したいずれの透明導電性積層体でもITO層を結晶化させるための熱処理後にポリエチレンテレフタレートフィルムからオリゴマー成分が析出し、フィルムが白化したため、透明導電性積層体として使用が出来ないことから、これ以上の評価を行わなかった。
実施例7
透明導電層−2の厚みを1.1μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして可動電極基板としての透明導電性積層体を作製した。作製した透明導電性積層体の環境信頼性特性を表5に示す。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板用いて第1図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第1図において、1はハードコート層、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製した透明タッチパネルの筆記耐久性試験と端押し耐久性試験を行った。試験前後のリニアリティーを表5に示す。
実施例8
厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の両面に参考例6の操作で作製した塗工液Fを用いてバーコート法によりコーティングし、70℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ3.5μmの硬化樹脂層を形成した。
次いで硬化樹脂層を形成した一方の面上に、酸化インジウムと酸化錫の重量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法により透明導電層−1(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。
更に、参考例2の操作で作製した塗工液Bを用いて透明導電層−1上にバーコート法によりコーティングし、130℃2分間焼成して、厚さ約200nmの透明導電層−2を形成した。
透明導電層−1と透明導電層−2からなる透明導電層の表面抵抗値は約270Ω/□(Ω/sq)であった。引き続いて150℃90分の熱処理を行い、透明導電層−1(ITO層)を結晶化させることにより可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。ITO層が結晶化した後の透明導電層−1と透明導電層−2からなる透明導電層の表面抵抗値は約210Ω/□(Ω/sq)であった。なお、TEMにより観察された透明導電層−1の結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。作製した透明導電性積層体の特性を表6に示す。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板とを用いて第5図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第5図において、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製したタッチパネルの特性を表6に示す。表6から明らかなように、本例の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、防眩性、アンチニュートンリング性、チラツキ、摺動耐久性、端押し耐久性Bおよび指紋拭取り性が何れも良好であった。
比較例10
実施例8と同様にして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の両面に厚さ3.5μmの硬化樹脂層を形成した。
次いで硬化樹脂層を形成した一方の面上に、酸化インジウムと酸化錫の重量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法により非晶質の透明導電層−1(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。
更に、実施例8と同様にして、透明導電層−1上に、厚さ約200nmの透明導電層−2を形成することにより可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。透明導電層−1と透明導電層−2からなる透明導電層の表面抵抗値は約270Ω/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の特性を表6に示す。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板とを用いて第5図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第5図において、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、5は透明導電層−2、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製したタッチパネルの特性を表6に示す。表6から明らかなように、透明導電層−1が非晶質ITO層である本例の透明導電性積層体を用いたタッチパネルは、摺動耐久性、端押し耐久性Bが不良である。
比較例11
実施例8と同様にして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の両面に厚さ3.5μmの硬化樹脂層を形成した。次いで硬化樹脂層を形成した一方の面上に直接、実施例8と同様にして、厚さ約200nmの透明導電層−2を形成し、透明導電性積層体を作製した。作製した透明導電性積層体には導電性がなく、透明導電性積層体として機能しなかった。
比較例12
実施例8と同様にして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 OFW)の両面に厚さ3.5μmの硬化樹脂層を形成した。
次いで硬化樹脂層を形成した一方の面上に、実施例1と同様にして透明導電層−1(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。引き続いて150℃90分の熱処理を行い、透明導電層−1(ITO層)を結晶化させることにより可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。
ITO層が結晶化した後の透明導電層−1の表面抵抗値は約260/□(Ω/sq)であった。作製した透明導電性積層体の特性を表6に示す。
実施例1と同様にして固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と可動電極基板とを用いて第6図の透明タッチパネルを作製した。
なお、第6図において、2は高分子フィルム、3は硬化樹脂層、4は透明導電層−1、6はガラス基板、9はドットスペーサーをそれぞれ示す。
作製したタッチパネルの特性を表6に示す。表6から明らかなように、透明導電層−2を積層していない本例のタッチパネルは、摺動耐久性、端押し耐久性Bが不良である。
Claims (24)
- 高分子フィルムの少なくとも一方の面上に、硬化樹脂層、透明導電層−1と透明導電層−2が順次積層されてなる透明導電性積層体であって、該透明導電層−1が有機成分を含有しない結晶質の透明導電層であり、該透明導電層−2がアルコキシシランと少なくとも1種類の平均1次粒子径が100nm以下の導電性金属酸化物または金属微粒子からなる微粒子Aとを含有することを特徴とする透明導電性積層体。
- 微粒子Aの含有量がアルコキシシラン100重量部に対して、0.1重量部以上400重量部以下である、請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 透明導電層−1の厚みが5nm以上50nm以下である、請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 透明導電層−2の厚みが10nm以上1500nm以下である、請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 透明導電層−2中に、平均1次粒子径が該透明導電層−2の厚みを基準として1.2倍以上の微粒子Bを含有する、請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 微粒子Bが導電性金属酸化物または金属微粒子である、請求項5に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層と透明導電層−1との間に、更に、厚みが0.5nm以上5.0nm未満の金属酸化物層を有する請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層が、その表面に二種の成分が相分離して形成された凹凸を有し、かつ凹凸を付与するための微粒子を含有せず、硬化樹脂層のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上0.5μm未満、JIS B0601−1982による十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以上2μm未満の範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層を形成する成分が、第1成分は重合体であり、第2成分はモノマーである請求項8に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層を形成する第1成分と第2成分とのSP値の差が0.5以上である請求項8に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層を形成する第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、第2成分は多官能性不飽和二重結合含有モノマーである請求項8に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層を形成する成分が、シリコーンアクリルブロック共重合体とアクリル共重合体とである、請求項9に記載の透明導電性積層体。
- JIS K 7136で定義されるヘーズが1%以上20%未満である請求項8に記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層が、その表面に凹凸を有し、硬化樹脂成分と平均1次粒子径が0.1μmより大きい微粒子Cを1種類または2種類以上を含有し、少なくとも1種類の微粒子Cの平均1次粒子径が硬化樹脂層厚みの1.2倍以上である請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層が、その表面に凹凸を有し、硬化樹脂成分と1種類または2種類以上の平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物微粒子からなる微粒子Dとを含有する請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層が、その表面に凹凸を有し、硬化樹脂成分、平均1次粒子径が0.1μmより大きい微粒子Cを1種類または2種類以上、および1種類または2種類以上の平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物微粒子からなる微粒子Dとを含有し、少なくとも1種類の微粒子Cの平均1次粒子径が硬化樹脂層厚みの1.2倍以上である請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性積層体。
- 硬化樹脂層の屈折率が1.20〜1.55、厚みが0.05μm以上0.5μm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと透明導電層−1との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が透明導電層−1と接する、請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと金属酸化物層との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が金属酸化物層と接する、請求項7に記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと金属酸化物層との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が金属酸化物層と接する、請求項8に記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと金属酸化物層との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が金属酸化物層と接する、請求項14に記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと金属酸化物層との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が金属酸化物層と接する、請求項15に記載の透明導電性積層体。
- 高分子フィルムと金属酸化物層との間に、少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層とからなる光学干渉層を有し、低屈折率層が金属酸化物層と接する、請求項16に記載の透明導電性積層体。
- 少なくとも片面に透明導電層が設けられた2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成されたタッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明電極基板として請求項1に記載の透明導電性積層体を用いたことを特徴とするタッチパネル。
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