JP4528651B2 - 透明導電性フィルムおよびタッチパネル - Google Patents
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Description
従来、このような透明導電性薄膜として、ガラス上に酸化インジウム薄膜を形成した、いわゆる導電性ガラスがよく知られているが、基材がガラスであるために可撓性、加工性に劣り、用途によっては使用できない場合がある。
しかし、このような透明導電性薄膜は、薄膜表面の光線反射率が大きいために、透明性に劣るという問題があるほか、導電性薄膜の耐擦傷性や耐屈曲性に劣り、使用中に傷がついて電気抵抗が増大する、断線を生じるという問題があった。
また、上記の透明導電性薄膜は、耐環境性能にも劣り、特に高温高湿雰囲気下で表面抵抗が変化しやすく、高温高湿信頼性に劣る問題があった。近年、屋外で用いられるスマートフォンやカーナビゲーション等に搭載されるタッチパネルの市場が伸びてきており、タッチパネルの高温高湿信頼性の向上が強く望まれている。
例えば、フィルム基材上に結晶粒径の小さい第1の透明導電性薄膜とこの上に結晶粒径の大きい第2の透明導電性薄膜を形成して、透明性を改善したり、耐圧性、耐久性、カール特性等を改善することが提案されている(特許文献1参照)。また、フィルム基材上に酸素含有量と窒素含有量の異なる第1および第2の透明導電性薄膜を設けることにより、ペン入力耐久性を向上することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、これらの提案には、高温高湿信頼性についての言及は一切なされていない。
しかし、この透明導電性薄膜をタッチパネル用の透明電極とする場合、その機械的強度を高めてペン入力耐久性を維持させるため、結晶膜とする必要があるが、上記提案には、この結晶膜とする必要性についてなんら言及していない。
一方、上記提案の実施例には、SnO2 含有量の大きい第2の透明導電性薄膜の厚さを30Å(つまり3nm)とした例が数多く示されているが、この場合、タッチパネル用として望まれる高温高湿信頼性はほとんど期待できない。
(1)t1 =10〜30nm
(2)t2 = 5〜20nm
(3)t1 +t2 =20〜35nm
の関係を有すると共に、上記第1の透明導電性薄膜と第2の透明導電性薄膜とがいずれも結晶膜であることを特徴とする透明導電性フィルムに係るものである。
また、本発明は、透明なフィルム基材の厚さが2〜120μmであり、このフィルム基材の第1および第2の透明導電性薄膜の形成面とは反対側の面に、透明な接着剤層を介して、透明基体が貼り合わされている上記構成の透明導電性フィルム、透明基体における透明な接着剤層とは反対側の面にハードコート層が形成されている上記構成の透明導電性フィルム、透明なフィルム基材と第1の透明導電性薄膜との間にアンダーコート層が1〜3層形成されている上記構成の透明導電性フィルムを提供できるものである。
さらに、本発明は、上記各構成の透明導電性フィルムの製造方法において、第1および第2の透明導電性薄膜の形成後、150℃で2時間以内の熱処理工程に供して上記両薄膜を結晶化することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法を提供できるものである。また、本発明は、上記各構成の透明導電性フィルムを用いることを特徴とするタッチパネルを提供できるものである。
これらの中で、特に好ましいのは、透明性、可撓性、強度等の観点より、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂である。
このフィルム基材は、表面にあらかじめスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理を施したり、下塗り処理として、適宜のアンダーコート層を1〜3層形成して、この上に設けられるインジウム・スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜のフィルム基材に対する密着性を向上させてもよい。
また、上記の透明導電性薄膜を設ける前に、必要に応じて、溶剤洗浄や超音波洗浄等により、基材表面を除塵、清浄化しておいてもよい。
このような薄膜を形成するための材料としては、上記の薄膜形成法に応じて、適宜選択されるが、通常は、酸化インジウムと酸化スズとの焼結体材料が好ましく用いられる。また、反応性スパッタリング法等の薄膜形成法では、金属インジウムと金属スズとを用い、両金属を酸化させながら薄膜形成することもできる。
すなわち、本発明においては、第1の透明導電性薄膜では、SnO2 /(SnO2 +In2 O3 )が2〜6重量%、特に好ましくは3〜5重量%であるインジウム・スズ複合酸化物を形成し、また、第2の透明導電性薄膜では、SnO2 /(SnO2 +In2 O3 )が6重量%を超え、20重量%以下である、特に好ましくは10〜15重量%であるインジウム・スズ複合酸化物を形成する。
これに対し、上記のSnO2 含有量が第1の透明導電性薄膜で2重量未満となったり、第2の透明導電性薄膜で6重量以下となると、高温高湿度信頼性が十分に得られず、また第1の透明導電性薄膜で6重量%を超えたり、第2の透明導電性薄膜で20重量%を超えると、結晶化のための熱処理工程に時間がかかったり、結晶化自体が難しくなる。
すなわち、第1の透明導電性薄膜の厚さt1 と第2の透明導電性薄膜の厚さt2 とが、つぎの(1)〜(3);
(1)t1 =10〜30nm、好ましくは10〜20nm
(2)t2 = 5〜20nm、好ましくは 5〜15nm
(3)t1 +t2 =20〜35nm、好ましくは25〜30nm
の関係を有する必要があり、このような厚さ関係としたときにのみ、低温短時間の熱処理による結晶化が可能で透明性およびペン入力耐久性に優れ、高温高湿度信頼性にも優れた透明導電性薄膜を形成することができる。
熱処理の方法は、公知の方法に準じて、例えば、赤外線ヒーター、熱風循環式オーブン等の加熱方式を用いて行うことができる。その際、熱処理温度は、フィルム基材に許容される温度として、150℃以下の温度とされるが、本発明ではこのような低温で短時間の熱処理にて十分に結晶化させることが可能である。具体的には、150℃で2時間以内の熱処理を施すことにより、良好な結晶膜を形成することかできる。
このような透明導電性フィルムは、これをそのままタッチパネルの透明電極として利用してもよいが、フィルム基材が前記した2〜120μmという薄層であると機械的強度に劣るため、透明導電性薄膜が形成されたフィルム基材の他方の面に、透明な接着剤層を介して透明基体を貼り合わせた構成とするのが望ましい。
後者の方法では、接着剤層の形成をフィルム基材をロール状にして連続的に行うことができるから、生産性の面でより有利である。
このような機能をより良く発揮させる観点から、接着剤層の弾性係数を1×105 〜1×107 dyn/cm2 (1〜100N/cm2 )の範囲、厚さを通常1μm以上、好ましくは5〜100μmの範囲に設定するのがよい。
さらに、接着剤層の厚さが1μm未満となると、そのクッション効果をやはり期待できないため、透明導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネル用としての打点特性の向上を望めない。逆に、厚くしすぎると、透明性が損なわれたり、接着剤層の形成や透明基体の貼り合わせ作業性さらにコストの面で好結果を得にくい。
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)からなるフィルム基材の一方の面に、アンダーコート層として、メラミン樹脂:アルキド樹脂:有機シラン縮合物の重量比2:2:1の熱硬化型樹脂(光の屈折率n=1.54)を厚さが30nmとなるように形成した。
このアンダーコート層上に、アルゴンガス80体積%と酸素ガス20体積%とからなる4×10-3Torrの雰囲気中で、酸化インジウム95%−酸化スズ5%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さが20nmのインジウム・スズ複合酸化物からなる第1の透明導電性薄膜(光の屈折率2.00)を形成した。
また、この第1の透明導電性薄膜上に、さらに酸化インジウム90%−酸化スズ10%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さが5nmのインジウム・スズ複合酸化物からなる第2の透明導電性薄膜を形成した。
このように第1および第2の透明導電性薄膜を形成したのち、熱風循環式オーブンにて150℃での熱処理を施して上記両薄膜を結晶化させ、フィルム基材の片面に結晶膜からなる第1および第2の透明導電性薄膜を有する構成とした。
厚さが125μmのPETフィルムからなる透明基体の一方の面に、アクリル・ウレタン系樹脂〔大日本インキ化学(株)製の「ユニディック17−806」〕100部に光重合開始割としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔チバスペシャルティケミカルズ社製の「イルガキュア184」〕5部を加え、50%の濃度に希釈したトルエン溶液を塗布し、100℃で3分間乾燥後、直ちにオゾンタイプ高圧水銀灯(80W/cm、15cm集光型)で紫外線照射を行い、厚さが5μmのハードコート層を形成した。
上記の透明基体のハードコート層とは他方の面に、弾性係数が1×106 dyn/cm2 (10N/cm2 )に調整されたアクリル系の透明な粘着剤層(アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸ビニルとの重量比が100:2:5のアクリル系共重合体100部にイソシアネート系架橋剤を1部配合したもの)を約20μmの厚さに形成した。
この粘着剤層面に、前記の片面に第1および第2の透明導電性薄膜を有する構成としたフィルム基材の他面側を貼り合わせ、透明導電性フィルムを作製した。
上記の透明導電性フィルムを一方のパネル板とした。他方のパネル板には、ガラス板上に厚さが20nmのインジウム・スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を前記と同様の方法で形成したものを使用した。
この両パネル板を、透明導電性薄膜同志が対向するように、厚さが10μmのスペーサを介して対向配置させることにより、スイッチ構体としてのタッチパネルを作製した。なお、両パネル板の各透明導電性薄膜は、上記の対向配置に先立って、あらかじめ互いに直交するように銀電極を形成した。
第1の透明導電性薄膜の形成にあたり、酸化インジウム99%−酸化スズ1%の焼結体材料を使用するようにした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第2の透明導電性薄膜の厚さを3nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜の厚さを3nmに変更し、かつ第2の透明導電性薄膜の厚さを25nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜の厚さを25nmに変更し、かつ第2の透明導電性薄膜の厚さを3nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜の形成にあたり、酸化インジウム92%−酸化スズ8%の焼結体材料を使用し、薄膜の厚さを15nmとし、かつかつ第2の透明導電性薄膜の厚さを10nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜を形成せず、第2の透明導電性薄膜の厚さを25nmに変更して単層構造の透明導電性薄膜とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第2の透明導電性薄膜を形成せず、第1の透明導電性薄膜の厚さを25nmに変更して単層構造の透明導電性薄膜とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜の厚さを10nmに変更し、かつ第2の透明導電性薄膜の形成にあたり、酸化インジウム70%−酸化スズ30%の焼結体材料を使用し、薄膜の厚さを15nmとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
第1の透明導電性薄膜の厚さを10nmに変更し、かつ第2の透明導電性薄膜の厚さを3nmに変更した以外は、実施例3と同様にして、透明導電性フィルムの作製およびタッチパネルの作製を行った。
なお、表1には、参考のために、形成した第1および第2の透明導電性薄膜について、SnO2 組成〔=SnO2 /(SnO2 +In2 O3 )〕および厚さを併記した。
表1
┌────┬──────┬────────────┬────────────┐
│ │ 熱処理 │ 第1の透明導電性薄膜 │ 第2の透明導電性薄膜 │
│ │ ├──────┬─────┼──────┬─────┤
│ │(150℃)│SnO2 組成│ 厚 さ │SnO2 組成│ 厚 さ │
├────┼──────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │
│実施例1│ 1時間 │ 5% │ 20nm│ 10% │ 5nm│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例2│1.5時間 │ 6% │ 20nm│ 10% │ 5nm│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例3│ 1時間 │ 3% │ 20nm│ 10% │ 5nm│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例4│ 2時間 │ 5% │ 15nm│ 10% │ 20nm│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例5│ 2時間 │ 5% │ 10nm│ 10% │ 15nm│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例6│1.5時間 │ 5% │ 20nm│ 20% │ 5nm│
│ │ │ │ │ │ │
├────┼──────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │
│比較例1│0.5時間 │ 1% │ 20nm│ 10% │ 5nm│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例2│ 1時間 │ 5% │ 20nm│ 10% │ 3nm│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例3│2.5時間 │ 5% │ 3nm│ 10% │ 25nm│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例4│ 1時間 │ 5% │ 25nm│ 10% │ 3nm│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例5│ 3時間 │ 8% │ 15nm│ 10% │ 10nm│
│ │ │ │ │ │ │
├────┼──────┼──────┴─────┴──────┴─────┤
│ │ │ │
│比較例6│ 3時間 │ SnO2 組成10%,厚さ25nmの単層 │
│ │ │ │
│比較例7│ 1時間 │ SnO2 組成 5%,厚さ25nmの単層 │
│ │ │ │
├────┼──────┼──────┬─────┬──────┬─────┤
│ │ │ │ │ │ │
│比較例8│結晶化しない│ 5% │ 10nm│ 30% │ 15nm│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例9│結晶化しない│ 3% │ 10nm│ 10% │ 3nm│
│ │ │ │ │ │ │
└────┴──────┴──────┴─────┴──────┴─────┘
二端子法を用いて、透明導電性フィルムの表面電気抵抗(Ω/□)を測定した。
島津製作所製の分光分析装置UV−240を用いて、光波長550nmにおける可視光線透過率を測定した。
高温高湿信頼性として、85℃,85%RHの雰囲気下で500時間、放置する試験を行った。試験前の表面抵抗値(R0 )に対する試験後の表面抵抗値(R)の変化率〔つまり、R/R0 〕を求めて、高温高湿信頼性を評価した。
透明導電性フィルムで構成したパネル板側からポリアセタールからなるペン(R=0.8mm)を用いて、荷重250gで5万回の摺動を行った。その際、両パネル板のギャップを150μmとした。摺動後、フィルムのリニアリティを測定して、ペン入力耐久性を評価した。リニアリティの測定は、以下のように行った。
《リニアリティの測定方法》
透明導電性フィルムにおいて、5Vの電圧を印加し、図2に示されるように、測定開始位置Aの出力電圧をEA 、測定終了位置Bの出力電圧をEB 、測定点の出力電圧をEX 、理論値をEXXとすると、リニアリティは以下の計算から得られる。
EXX(理論値)=X・(EB −EA )/(B−A)+EA
リニアリテイ(%)={(EXX−EX )/(EB −EA )}×100
表2
┌────┬─────┬─────┬──────┬────────────┐
│ │表面抵抗値│光の透過率│ 信頼性 │ペン摺動後のリニアリティ│
│ │(Ω/□)│ (%) │〔R/R0 〕│ (%) │
├────┼─────┼─────┼──────┼────────────┤
│ │ │ │ │ │
│実施例1│ 300 │ 90 │ 1.1 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ 300 │ 89.5│ 1.1 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ 350 │ 90 │ 1.1 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ 250 │ 88 │ 1.0 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ 250 │ 88 │ 1.0 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ 250 │ 89 │ 1.1 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
├────┼─────┼─────┼──────┼────────────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例1│ 450 │ 90 │ 1.7 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ 300 │ 90 │ 1.6 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│比較例3│ 200 │ 87 │ 1.0 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│比較例4│ 250 │ 88 │ 1.5 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│比較例5│ 200 │ 88 │ 1.0 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
├────┼─────┼─────┼──────┼────────────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例6│ 200 │ 87 │ 1.0 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
│比較例7│ 250 │ 90 │ 1.5 │ 1.0 │
│ │ │ │ │ │
├────┼─────┼─────┼──────┼────────────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例8│ 350 │ 87 │ 1.2 │ 50 │
│ │ │ │ │ │
│比較例9│ 400 │ 91 │ 1.8 │ 50 │
│ │ │ │ │ │
└────┴─────┴─────┴──────┴────────────┘
これに対し、比較例1,2,4,7では、透明導電性薄膜を低温短時間に結晶化させてペン入力耐久性も満足させ得ても、高温高湿信頼性に劣っており、結晶化ができなかった比較例8,9では、ペン入力耐久性にも著しく劣っている。
既述のとおり、比較例3,5,6では、低温短時間の熱処理による結晶化が難しいことより、比較例1〜9によっては、上記本発明のように低温短時間の熱処理で結晶化させて透明性およびペン入力耐久性を満足し、かつ高温高湿信頼性に優れた透明導電性フィルムとこれを用いたタッチパネルを得ることは難しかった。
2 第2の透明導電性薄膜
3 アンダーコート層
4 透明なフィルム基材
5 透明な接着剤層
6 透明基体
7 ハードコート層
Claims (6)
- 透明なフィルム基材の上に、SnO2 /(SnO2 +In2 O3 )が2〜6重量%であるインジウム・スズ複合酸化物からなる第1の透明導電性薄膜と、SnO2 /(SnO2 +In2 O3 )が6重量%を超え、20重量%以下であるインジウム・スズ複合酸化物からなる第2の透明導電性薄膜とが、この順に形成されてなり、上記第1の透明導電性薄膜の厚さt1 と第2の透明導電性薄膜の厚さt2 とが、つぎの(1)〜(3);
(1)t1 =10〜30nm
(2)t2 = 5〜20nm
(3)t1 +t2 =20〜35nm
の関係を有すると共に、上記第1の透明導電性薄膜と第2の透明導電性薄膜とがいずれも結晶膜であることを特徴とする透明導電性フィルム。
- 透明なフィルム基材の厚さが2〜120μmであり、このフィルム基材の第1および第2の透明導電性薄膜の形成面とは反対側の面に、透明な接着剤層を介して、透明基体が貼り合わされている請求項1に記載の透明導電性フィルム。
- 透明基体における透明な接着剤層とは反対側の面にハードコート層が形成されている請求項2に記載の透明導電性フィルム。
- 透明なフィルム基材と第1の透明導電性薄膜との間にアンダーコート層が1〜3層形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法において、第1および第2の透明導電性薄膜の形成後、150℃で2時間以内の熱処理工程に供して上記両薄膜を結晶化することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いることを特徴とするタッチパネル。
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