JPH1049306A - タッチパネル用透明導電性フィルム - Google Patents

タッチパネル用透明導電性フィルム

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JPH1049306A
JPH1049306A JP21909296A JP21909296A JPH1049306A JP H1049306 A JPH1049306 A JP H1049306A JP 21909296 A JP21909296 A JP 21909296A JP 21909296 A JP21909296 A JP 21909296A JP H1049306 A JPH1049306 A JP H1049306A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive layer
sno
thickness
surface resistance
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Katsutaka Tateno
克孝 舘野
Hiroyuki Yamada
博之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の表面抵抗を有し、加熱工程での表面抵
抗変化が小さく、かつ波長550nmの光線透過率にす
ぐれたタッチパネル用透明導電性フィルム。 【解決手段】 透明高分子フィルムと、その一面上に、
酸化スズ(SnO2 )を3〜8重量%含有する酸化イン
ジウム(In2 3 )−酸化スズ(SnO2 )の焼結体
からなる透明導電層(1)、酸化スズ(SnO2 )を1
0〜30重量%含有する酸化インジウム(In2 3
−酸化スズ(SnO2 )の焼結体からなる透明導電層
(2)を順次積層してなり、波長550nmでの光線透
過率が80%以上であり、表面抵抗が300〜1000
Ω/□であり、かつ加熱後の表面抵抗の変化率が0.9
〜1.1であることを特徴とするタッチパネル用透明導
電性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタッチパネル用透明
導電性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タッチパネルに使用する透明導電
性フィルムは、透明高分子フィルムの一面上に透明導電
層を形成したものが広く使用されている。この透明高分
子フィルム上に形成する透明導電層については、金(A
u)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等の金属薄膜タ
イプ、酸化インジウム(In2 3 )、酸化スズ(Sn
2 )およびこれらの焼結体(以下、ITO焼結体とい
う)、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化物薄膜タイ
プ、さらに酸化チタン(TiO2 )/Ag/TiO 2
どの金属/金属酸化物の多層薄膜タイプ等の各種のもの
が知られている。これらの中でもITO焼結体等の金属
酸化物薄膜は、透光性、導電性がともに非常に良好で、
その上エッチング特性にも優れており、電極のパターン
化が容易であるという特徴を有しているものである。
【0003】このような金属酸化物薄膜は、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ある
いはCVD法等の各種成膜法により作成されている。
【0004】タッチパネルの方式としては、アナログ型
タッチパネルとデジタル型タッチパネルの2種類に大き
く分けることができる。
【0005】アナログ型タッチパネルは、上記の成膜方
法により形成した透明導電性フィルムの透明導電層両端
部に引出し電極を設け、2枚の透明導電性フィルムの透
明導電層側をスペーサーを介して対向配置した後、引出
し電極部に電圧を印加し、押した部分の電圧をA−D変
換して位置検出する方式が取られている。またデジタル
型タッチパネルは、透明導電性フィルムを短冊状にエッ
チングした後、2枚の透明導電性フィルムの透明導電層
側をスペーサーを介し縦方向および、横方向に対向配置
し、押した部分の接触によりスイッチ動作を行う方式が
取られている。
【0006】しかしながら、タッチパネルに使用される
透明導電性フィルムは、透明導電層の膜厚が薄いため、
表面抵抗が変化しやすく、タッチパネル加工時のアニー
ル工程(120℃、30分間)および銀電極やスペーサ
ー印刷時の乾燥工程(120℃、20分間)の熱処理に
より、表面抵抗が高くなってしまう問題があった。
【0007】タッチパネル加工時のアニール工程および
銀電極やスペーサー印刷時の乾燥工程による表面抵抗の
変化を抑えるためには、特開昭58−169707号公
報に示されるように透明導電層の厚み方向に連続的にS
nO2 の含有率を変える方法が有効である。しかし、こ
の方法による場合、真空蒸着法を用いて金属インジウム
と金属スズのそれぞれから蒸発をおこなっているため、
成膜後に熱処理をおこなって酸化を制御しなければなら
ないが、酸化反応性が悪いため表面抵抗を低くしようと
すると、透明導電層の膜厚を厚くする必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
抵抗が所定の範囲にあり、加熱工程で表面抵抗の変化が
小さく、かつ波長550nmの光線透過率が80%以上
のタッチパネル用透明導電性フィルムを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、透明高分子フィルムの一面上に設け
る透明導電層を2層化し、各層のITO焼結体中のSn
2 の含有率を変え、表層の透明導電層(2)に加熱時
の表面抵抗の変化を抑える働きをさせ、下層の透明導電
層(1)に表面抵抗を小さくする働きをさせることによ
り、透明導電層全体の膜厚を薄くすることができ、加熱
工程で表面抵抗の変化が小さく、かつ波長550nmの
光線透過率が80%以上となることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】本発明に係るタッチパネル用透明導電性フ
ィルムは、透明高分子フィルムと、その一面上に、酸化
スズ(SnO2 )を3〜8重量%含有する酸化インジウ
ム(In2 3 )−酸化スズ(SnO2 )の焼結体(以
下、ITO焼結体Iという)からなる透明導電層
(1)、酸化スズ(SnO2 )を10〜30重量%含有
する酸化インジウム(In2 3 )−酸化スズ(SnO
2 )の焼結体(以下、ITO焼結体IIという)からなる
透明導電層(2)を順次積層してなり、波長550nm
での光線透過率が80%以上であり、表面抵抗が300
〜1000Ω/□であり、かつ加熱後の表面抵抗の変化
率が0.9〜1.1であることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の透明導電性フィルムに使
用される透明高分子フィルムの材料としては、耐熱性を
有する透明な高分子フィルムであれば特に制限はなく、
100℃以上においても耐熱性を有するものが好まし
く、たとえばポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リパラバン酸等が例示できる。また透明高分子フィルム
の厚みとしては、25〜250μmが好ましく、より好
ましくは50〜200μmである。上記の透明高分子フ
ィルム上に密着性向上のため、予めコロナ放電処理、表
面改質を行うプラズマ処理やサンドブラストを用いた粗
面化処理等の表面処理、または有機系樹脂による公知の
アンカーコート処理を施してもよい。
【0012】上記の透明高分子フィルム上に形成する透
明導電層(1)の材料は、SnO2の含有率が3〜8重
量%のITO焼結体Iであり、さらに前記透明導電層
(1)上に形成する透明導電層(2)は、SnO2 の含
有率が10〜30重量%のITO焼結体IIである。透明
導電層(1)のSnO2 の含有率が3重量%未満または
8重量%より大の場合には、積層化後の表面抵抗が高く
なってしまう問題がある。また透明導電層(2)のSn
2 の含有率が10重量%未満の場合には、充分な加熱
時の安定性が得られず、30重量%より大の場合には、
表面抵抗が高くなってしまうなどの問題を生ずる。
【0013】透明導電層の形成法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ある
いはCVD法等既知の各種成膜法が上げられる。なかで
も陰極側の真空度と陽極側の真空度との間に圧力勾配を
もたせて行う圧力勾配型放電によるイオンプレーティン
グ法を用いた場合、成膜材料の蒸発量が多く、イオン化
率が高いため100〜200Å/sec程度の成膜速度
が得られ、従来の真空蒸着やスパッタリング法に比べて
大面積での加工で数十倍から数百倍にも及ぶ成膜速度が
低温で達成できる。また、得られる透明導電層は高平滑
でかつ非晶質であるなどの利点を有している。
【0014】透明導電性フィルムの表面抵抗は、50〜
2000Ω/□が好ましく、より好ましくは300〜1
000Ω/□である。表面抵抗を50Ω/□未満にしよ
うとすると、生産性が低くなり、コストが高くなる。一
方2000Ω/□より大きい場合には、透明導電層の膜
厚が薄くなるため、加熱時の表面抵抗の変化が大きくな
る問題が生じる。また波長550nmの光線透過率は、
80%以上が好ましく、加熱工程での表面抵抗の変化率
は、0.9〜1.1以内が好ましい。上記の性能を有す
る透明導電性フィルムは、透明導電層を二層化し、各透
明導電層のITO焼結体中のSnO2 の含有率を変える
ことにより得られる。透明導電層を組成の異なる二層構
造とするためには、各層毎に一定組成のITO焼結体を
用いて蒸発を行うことから、各層のそれぞれが均一組成
の導電層となり、各透明導電層の透明性、表面抵抗及び
加熱による表面抵抗変化等についての特性を充分に生か
すことができる利点がある。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0016】なお実施例および比較例で得られた透明導
電性フィルムの評価は以下のようにして行った。 a.光線透過率 分光光度計(日立製作所社製:U−3500型)を用い
て波長550nmでの光線透過率(%)を測定した。8
0%以上であれば、透明性良好と判定した。 b.表面抵抗 表面抵抗計(三菱油化社製:ロレスタ型)を用いて表面
抵抗(Ω/□)を測定した。300〜1000Ω/□で
あれば、導電性良好と判定した。 c.耐熱性 透明導電性フィルムを120℃の雰囲気下に1時間放置
し、加熱前の表面抵抗(R0 )と加熱後の表面抵抗
(R)の変化率(R/R0 )を測定した。表面抵抗の変
化率が0.9〜1.1であれば、耐熱性良好と判定し
た。
【0017】実施例1 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し圧力勾配型放電に
よるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透明
導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)の
上にSnO2 を10重量%含むITO焼結体IIを使用し
圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法により厚
さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0018】圧力勾配型放電は、7.0×10-4Tor
rで行い、放電電流は200A、放電電圧は60Vとし
た、また反応ガスとして酸素ガスを分圧で1×10-4
orr導入した。
【0019】実施例2 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し圧力勾配型放電に
よるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透明
導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)の
上にSnO2 を30重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ150Åの透明導電層(2)を形成した。
【0020】実施例3 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ300Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åに透明導電層(2)を形成した。
【0021】実施例4 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ300Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を30重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ150Åの透明導電層(2)を形成した。
【0022】実施例5 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
8重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0023】実施例6 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
8重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を30重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ150Åの透明導電層(2)を形成した。
【0024】実施例7 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
8重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ300Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åに透明導電層(2)を形成した。
【0025】実施例8 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
8重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ300Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を30重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ150Åの透明導電層(2)を形成した。
【0026】比較例1 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を8重量%含むITO焼結体Iを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0027】比較例2 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
10重量%含むITO焼結体IIを使用し、圧力勾配型放
電によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの
透明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層
(1)の上にSnO2 を30重量%含むITO焼結体II
を使用し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング
法により厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0028】比較例3 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
10重量%含むITO焼結体IIを使用し、圧力勾配型放
電によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの
透明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層
(1)の上にSnO2 を8重量%含むITO焼結体Iを
使用し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法
により厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0029】比較例4 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ50Åの透明
導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)の
上にSnO2 を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。
【0030】比較例5 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ100Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ10Åの透明導電層(2)を形成した。
【0031】比較例6 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ300Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を30重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ200Åの透明導電層(2)を形成した。
【0032】比較例7 厚さ125μmのポリエステルフィルム上にSnO2
3重量%含むITO焼結体Iを使用し、圧力勾配型放電
によるイオンプレーティング法により厚さ400Åの透
明導電層(1)を形成し、さらに前記透明導電層(1)
の上にSnO2を10重量%含むITO焼結体IIを使用
し、圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法によ
り厚さ30Åの透明導電層(2)を形成した。各実施例
及び比較例で製造された透明導電性フィルムの表面抵
抗、抵抗変化率及び光線透過率を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、実施例1〜8は
下層の透明導電層(1)のSnO2の含有率が3〜8重
量%で、膜厚が100〜300Åの範囲にあり、かつ表
層の透明導電層(2)のSnO2 の含有率が10〜30
重量%で膜厚が30〜150Åの範囲にあって、表面抵
抗が所定の範囲にあり、加熱工程で表面抵抗の変化が小
さく、かつ波長550nmの光線透過率が80%以上の
特性が得られる。
【0035】一方、比較例1のように透明導電層(2)
のSnO2 含有量が10重量%に達しないと加熱後の表
面抵抗の変化率が大きくなるし、比較例2及び3のよう
に透明導電層(1)のSnO2 含有量が8重量%を越え
ると表面抵抗値が大きくなるばかりでなく、抵抗変化率
も1.1を越える大きな値を示すので好ましくない。さ
らに、透明導電層(1)のSnO2 含有量が3〜8重量
%で透明導電層(2)のSnO2 含有量が10〜30重
量%の範囲内であっても、透明導電層(1)の膜厚が薄
過ぎると比較例4のように表面抵抗値を低くすることが
できないし、透明導電層(2)の膜厚が薄過ぎると比較
例5のように抵抗変化率の値は大きくなる。逆に両層の
いずれかの膜厚が厚過ぎると比較例6,比較例7のよう
に所定の光線透過率を得ることができない。それ故、両
層の膜厚は、所望の表面抵抗値、光線透過率及び抵抗変
化率を達成するために所定の範囲、例えば透明導電層
(1)については100Å以上300Å以下、透明導電
層(2)については30Å以上150Å以下というよう
な好適範囲がある。
【0036】
【発明の効果】本発明によるタッチパネル用透明導電性
フィルムは、透明高分子フィルム表面上の透明導電層を
二層化し、両層に使用するITO焼結体中のSnO2
含有率を変えることにより、80%以上の光線透過率を
有し、かつ加熱後の表面抵抗の変化率が0.9〜1.1
以内の、実用上極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子フィルムと、その一面上に、
    酸化スズ(SnO2)を3〜8重量%含有する酸化イン
    ジウム(In2 3 )−酸化スズ(SnO2)の焼結体
    からなる透明導電層(1)、酸化スズ(SnO2 )を1
    0〜30重量%含有する酸化インジウム(In2 3
    −酸化スズ(SnO2 )の焼結体からなる透明導電層
    (2)を順次積層してなり、波長550nmでの光線透
    過率が80%以上であり、表面抵抗が300〜1000
    Ω/□であり、かつ加熱後の表面抵抗の変化率が0.9
    〜1.1であることを特徴とするタッチパネル用透明導
    電性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記透明導電層(1)の厚みが100〜
    300Åであり、かつ透明導電層(2)の厚みが30〜
    150Åのものである請求項1記載のタッチパネル用透
    明導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記透明導電層(1)および透明導電層
    (2)が圧力勾配型放電によるイオンプレーティング法
    によって形成されたものである請求項1または2記載の
    タッチパネル用透明導電性フィルム
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