JP2004322628A - 透明導電性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、面抵抗のばらつきが少なく、耐酸性、密着性の優れたスズ濃度の異なる酸化インジウム多層積層体及びその工業的製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ膜であり、該最外層と基板の間にスズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも1層有し、スズを含む酸化インジウム各層中のスズ濃度が、各層の深さ方向に一定であることを特徴とする透明導電性積層体。

Description

本発明は、透明導電性積層体に関し、より詳しくは有機EL用等の透明電極に好適に使用できる、低抵抗で耐薬品性に優れた透明導電性積層体に関する。
低抵抗で耐薬品性に優れた透明導電性積層体として、例えば、透明高分子フィルム(A)の一方の主面に、少なくとも、スズを3〜8重量%含有するインジウム酸化物からなる透明導電層(B)と、スズを10〜50重量%含有するインジウム酸化物からなる透明導電層(C)とを、ABCなる構成で形成してなる透明導電性フィルムをスパッタリング法で成膜できることが知られている。(特許文献1を参照)
特開平8−174747号公報
しかし、スパッタリング法で、スズ濃度の異なる多層積層体を工業的に製造するのは、技術的に困難であるという問題があった。また、スパッタリング法では、層内のスズ濃度が深さ方向に一定にならないため、多層構造とした場合に、面抵抗のばらつきが大きいという問題があった。さらに、表面に異常突起があったり、表面平滑性が高いため、層間で剥離しやすいという問題もあった。
本発明は、面抵抗のばらつきが少なく、耐酸性、密着性の優れたスズ濃度の異なる酸化インジウム多層積層体及びその工業的製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、パイロゾルプロセスに代表されるスプレー熱分解法を用いた成膜すれば、溶液中のスズ濃度を適宜変更するだけ、スズ濃度の異なる酸化インジウム多層積層体を、容易にしかも大量に製造でき、しかも、面抵抗のばらつきも少なく、耐酸性にも優れていいることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ膜であり、該最外層と基板の間にスズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも1層有し、スズを含む酸化インジウム各層中のスズ濃度が、各層の深さ方向に一定であることを特徴とする透明導電性積層体に関し
、(2)透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層であり、該最外層と基板の間にスズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも1層有し、該酸化インジウム各層が、スプレー熱分解法で製造されていること特徴とする透明導電性積層体に関し、
(3)最外層と基板にの間の層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層と、スズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層が交互に積層した層であることを特徴とする(1)または(2)に記載の透明導電性積層体、
(4)スプレー熱分解法が、パイロゾルプロセスであることを特徴とする(2)または(3)に記載の透明導電性積層体、
(5)透明な基板が、ガラス基板であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の透明導電性積層体、
(6)透明導電性積層体の仕事関数が5eV以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の透明導電性積層体、
(7)透明導電性積層体の比抵抗が、10-3Ω・cm以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の透明導電性積層体に関する。
さらに
(8)透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ膜であり、仕事関数が5eV以上であることを特徴とする透明導電性積層体に関し、
(9)透明導電性積層体の比抵抗が、10-3Ω・cm以下であることを特徴とする(8)に記載の透明導電性積層体に関する。
パイロゾルプロセス等を用いて本発明の透明導電性積層体を製造することにより、
(i)ドープするスズの含有量を、用いる溶液の組成比を変化させることにより、容易に設定できる、
(ii)ドープするスズの含有量の異なるITO層を任意にその順番を設定して積層することができ、シート抵抗値等の物性を任意に制御することができる、
(iii)層中の深さ方向のスズ濃度を一定に保てることにより、面内のシート抵抗値のばらつきを小さくすることができる、
(iv)層間の密着性を向上させることができる、
等の利点があり、所望の物性、及び耐酸性を有する透明導電性積層体を、工業的に大量に製造することができる。耐酸性を有する透明導電性積層体は、有機EL素子等の電極として有用であり、本発明の産業上の利用価値は高いといえる。
本発明の透明導電性積層体は、透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも二層の金属酸化物層が形成され、外界と接触する最外層が、インジウムに対してスズを20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ層であり、該最外層と基板の間にインジウムに対してスズを3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも一層有し、スズを含む酸化インジウム各層中のスズ濃度が、各層の深さ方向に一定であることを特徴とする。
最外層のスズ含有量は、インジウムに対して20重量%以上であれば、特に限定されず酸化スズ層であってもよい。20重量%未満では、充分な耐酸性が得られない。また、層の厚みは、特に限定はされないが、20〜100nmの範囲が好ましい。
最外層と基板間に形成される層は、その内の少なくとも1層が、スズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層であれば、全体として一定の比抵抗値と透明性を有する膜を形成できる層であれば特に制限されず、金属層、フッ素をドープした酸化スズ層、アンチモンをドープした酸化スズ層、ガリウムをドープした酸化亜鉛層、アルミニウムをドープした酸化亜鉛層、インジウムをドープした酸化亜鉛層等であってもよい。
また、スズをドープした酸化インジウム層を複数層積層する場合には、各層は上記条件を満たせば、各層のスズの含有量は特に制限されず、徐々にスズの含有量を増やした、または減らした酸化インジウム層を基板から最外層に向けて積層する、異なるスズ含有量の酸化インジウム層をランダムに積層する、または2種の異なるスズ含有量の酸化インジウム層を交互に積層する、いずれの態様であっても構わない。また、層の厚みは、特に限定はされないが、20〜200nmの範囲が好ましい。
本発明の積層体を構成するスズがドープされた各層は、スズ原子が、層の深さ方向に一定の値で分布することを特徴とする。この場合、一定とは、インジウム・スズ原子比が、深さ方向に傾斜せず、各深さにおけるインジウム・スズ原子比が10%以内の誤差範囲に納まっている状態を表す。スズ原子濃度が一定となることにより、比抵抗値のばらつきが減り、層間の密着性が向上する。
本発明の積層体の製造方法としては、基板上に薄膜を成膜する方法であれば特に制限されず、具体的には、スパッター法、電子ビーム法、イオンプレーテイング法または化学的気相成長法(CVD法)、スプレー熱分解法等を例示することができるが、特にスプレー熱分解法を好ましく、なかでもパイロゾルプロセスを特に好ましく例示することができる。
スプレー熱分解法等に用いるインジウム化合物としては、熱分解して酸化インジウムになる物質が好ましく、具体的には、インジウムトリスアセチルアセトナート(In(CH3COCHCOCH33)、インジウムトリスベンゾイルメタネート(In(C65COCHCOC653)、三塩化インジウム(InCl3)、硝酸インジウム(In(NO33)、インジウムトリイソプロポキシド(In(OPr−i)3)等を例示することができる。これらのうち、特にインジウムトリスアセチルアセトナートを好ましく使用することができる。
また、スズ化合物としては、熱分解して酸化第2スズになるものを好ましく用いることができ、具体的には、塩化第2スズ、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、テトラブチルスズ、スタニアスオクトエート(Sn(OCOC7152)、ジブチルスズマレエート、ジブチルズズジアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナート等を挙げることができる。
なお、前記インジウム化合物及びスズ化合物に加えて、第3成分として、Mg、Ca、Sr、Ba等の周期律表第2族元素、Sc、Y等の第3族元素、La、Ce、Nd、Sm、Gd等のランタノイド、Ti、Zr、Hf等の第4族元素、V、Nb、Ta等の第5族元素、Cr、Mo、W等の第6族元素、Mn等の第7族元素、Co等の第9族元素、Ni、Pd、Pt等の第10族元素、Cu、Ag等の第11族元素、Zn、Cd等の第12族元素、B、Al、Ga等の第13族元素、Si、Ge、Pb等の第14族元素、P、As、Sb等の第15族元素、Se、Te等の第16族元素等の単体若しくはこれらの化合物を添加してITO膜を形成することも好ましい。
これらの元素の添加割合は、インジウムに対して、0.05〜20原子%程度が好ましく、添加元素によって添加割合は異なり、目的とする抵抗値にあった元素及び添加量を適宜選定することができる。
スプレー熱分解法によりガラス基板上にITO膜を成膜する方法としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルブチルケトン、アセチルアセトン等ケトン類等の有機溶媒に上位例示したインジウム化合物及びスズ化合物を溶解させて混合溶液とした後、該混合溶液をキャリアガス中に微粒子化して分散させ、予め400〜750℃、好ましくは、400〜550℃に加熱したガラス基板と常圧下接触させる方法により製造することができる。該混合溶液の微粒子化は、超音波霧化法、スプレー法等によって行うことができ、均一な粒径の微粒子を安定して発生させることができる超音波霧化法が好ましい。キャリアガスとしては、酸化性ガス、通常、空気が使用される。
微粒子化した溶液をガラス基板に接触させる工程を複数連続させ、各工程において、ドープするスズの含有量を変化させることにより、異なるスズ含有量の酸化インジウム層を連続して大量に製造することができる。
上記スプレー熱分解法を用いた場合、該混合溶液の微粒子と加熱されたガラス基板との接触により、ガラス基板上にITO膜組成を有する結晶核が生成し、その核が成長するにつれて隣接する核と接触し、その接触核は相互に拘束されるため成長は基板面に対して垂直方向が主流となり、その結果配向した柱状単結晶の複合体であるITO膜が得られやすくなる。
膜成膜後に所望により加熱処理を行うことができる。加熱処理の温度としては、好ましくは100〜550℃、より好ましくは150〜300℃の範囲が好ましく、その処理時間は、好ましくは0.1〜3時間、より好ましくは0.3〜1時間が好ましい。処理雰囲気としては、大気、窒素、酸素、水素添加窒素雰囲気、有機溶媒添加大気もしくは窒素雰囲気等が好ましい。
また、本発明の積層体は、θ/2θ法によるX線回折で(400)/(222)の回折強度比が1.0以上である結晶質導電膜であるのが好ましい。
本発明の結晶質導電膜からなる積層体は、X線回折で主配向面として(400)が検出されればよく、この他の配向として(222)、(211)、(411)等が前記主配向より少ないレベルで検出されてもよい。主配向率をθ/2θ法によるX線回折強度で(400)/(222)比で表すと、その比が1.0以上のものが好ましい。1.0未満では、1.0以上の本発明のEL素子に比して駆動電圧が高くなり、同じ駆動電圧において輝度が低くなる。1.0以上であれば、特に制限されず、(222)面の回折強度は0でも構わない。
また、本発明の積層体を構成する各層の表面は、微細な凹凸がある方が好ましく、さらに凹凸が均一に分布している表面であるのが好ましい。表面凹凸の均一性を評価する指標として、例えば表面の突起数を用いた場合、1μm角領域内に存在する5〜30nmの突起数が100個以上であることが好ましい。この場合の突起数は、1μm角領域内に存在する5〜30nmの突起の数の平均値を意味する。尚、この場合、突起とは、AFC(原子間力顕微鏡)、STM(走査型透過方顕微鏡)、SEM(走査型電子顕微鏡)等を用いて表面を測定した場合にその得られる画像上で明らかに隆起して突起と認められるものを突起といい、突起の長さは、結晶質導電膜表面の表面粗さの断面曲線の谷における最も低い標高の所から測定した値のことである。突起の形状は、特に限定されないが、突起最上部が鋭角でない形状が好ましい。
膜の透過率は、光全線透過率で80%以上、さらに、光直線透過率で80%以上であるのが好ましい。
基板材料としては、ガラスや石英、樹脂、セラミック、金属等の材料を用いることが好ましい。なかでも、安価で、入手しやすく、光透過性やその他の物性面で優れたガラス基板、または樹脂基板が好ましく、特にガラス基板が好ましい。
ガラス基板は、アルカリガラスと、無アルカリガラスとに大別できる。アルカリガラスは、安価であり、入手が容易なためコスト的メリットが大きいが、アルカリ金属酸化物を13〜14%程度含有し、これらのアルカリ金属からの汚染を防止する対策が必要であること、耐熱性に劣る等の欠点を有する。一方、無アルカリガラスは、アルカリ金属の汚染の心配がなく、ある程度の耐熱性を有するが、比較的高価である。
アルカリガラスとしては、例えばSiO2:72重量%、Al23:2重量%、CaO:8重量%、MgO:4重量%、Na2O:13.5重量%の組成のソーダ石灰ガラス等を例示でき、無アルカリガラスとしては、例えばSiO2:49重量%、Al23:10重量%、B23:15重量%、BaO:25重量%の組成のホウケイ酸(7059)ガラスや、SiO2:53重量%、Al23:11重量%、B23:11重量%、CaO:2重量%、MgO:2重量%、BaO:15重量%、ZnO:6重量%の組成のホウケイ酸(AN)ガラス、SiO2:54重量%、Al23:14重量%、B23:15重量%、MgO:25重量%の組成のホウケイ酸(NA−40)ガラス等を例示することができる。
これらのガラス等の基板の表面粗さとしては、平均表面粗さRa≦10nm、最大表面粗さRmax≦50nmが好ましい。特に、アルカリガラスを用いた基板では、平均表面粗さRa≦10nm、最大表面粗さRmax≦50nm、無アルカリガラスを用いた基板では、平均表面粗さRa≦5、最大表面粗さRmax≦20nmが好ましい。その下限値としては特に規制されるものではないが、通常、平均表面粗さRa≧0.1nm、最大表面粗さRmax≧0.5nm程度である。
ガラス基板の表面粗さを上記範囲内に調整する方法としては、ダイヤモンド、酸化セリウム等を用いた鏡面研磨等すればよい。
なお、アルカリガラスを用いる場合、基板からのアルカリ金属成分等による汚染を防止するため、基板上にSiO2等のバリア層を形成した後、ITO等の導電膜を形成するようにするとよい。バリア層は蒸着法、スパッタ法等で形成することができ、その膜厚としては、5〜50nm程度が好ましい。なお、バリア層を形成する場合、アルカリガラスは、平均表面粗さRa≦10nm、最大表面粗さRmax≦50nm程度でよい。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
パイロゾル法によりガラス基板にITO膜を作成した。重量比でインジウムに対して5%、25%、及び35%のスズ原子を含む塩化第2スズ−インジウムアセチルアセトンのアセチルアセトン溶液をインジウム化合物の濃度が0.2モル/lになるようにぞれぞれ調製した(5%:溶液(I)、25%:溶液(II)、35%:溶液(III))。また、塩化第2スズの0.05モル/lの溶液を調製した(溶液(IV))。膜を形成する基板として、表1に示す所定の膜厚を有するSiO2膜(膜厚50nm)をプレコートしたアルカリガラス基板(400×400×1.1mm)を用いた。500℃に加熱したコンベアー炉を5基(炉(I)〜(V))連結し、該基板をその中にベルトコンベアーで投入し、各調製した溶液を表1示す各炉に用い、超音波で霧滴状にして空気をキャリアガスとしてコンベアー炉の中に吹き込み、ガラス基板の表面に接触させて熱分解させることにより、濃度の異なるインジウム−スズ酸化物(ITO)層の積層体を連続的に形成した。(サンプル1〜5)
サンプル1〜4につき、ESCAを用いて積層体中のスズ濃度を測定した。その結果を図1に示す。
各サンプル1〜5を、5N塩酸溶液、または5N硫酸溶液に浸漬し、表面が導通しなくなるまでの時間を測定した。その結果をまとめて表1に示す。
(比較例1)
溶液(I)のみを用い、実施例1と同様に積層体を形成し、同様に耐酸性を測定した。その結果を表1に示す。
尚、シート抵抗値は、4端子法により、面内の25点を測定しその平均値より求めた。また、可視光透過率(550nm)は、U4000(日立社製)を用い、膜厚は、エリプソメータ(アイメックス社製SE800)を用いてそれぞれ測定した。
Figure 2004322628
表1より、本発明のサンプル1〜4は、比較例に比して、耐酸性が向上してし
ていることがわかった。
パイロゾル法によりガラス基板にITO膜を作成した。重量比でインジウムに対して5%のスズ原子を含む塩化第2スズ−インジウムアセチルアセトンのアセチルアセトン溶液をインジウム化合物の濃度が0.2モル/lになるように調製した。また、塩化第2スズの0.05モル/lの溶液を調製した。膜を形成する基板として、SiO2膜(膜厚50nm)をプレコートしたアルカリガラス基板(400×400×1.1mm)を用いた。500℃に加熱したコンベアー炉5基を連結し、該基板をその中に50cm/分の速度のベルトコンベアーで投入し、第1基〜第4基において、塩化第2スズ−インジウムアセチルアセトンのアセチルアセトン溶液を、第5基において塩化第2スズ溶液を、超音波で霧滴状にして空気をキャリアガスとしてコンベアー炉の中に吹き込み、ガラス基板の表面に接触させて熱分解させることにより、インジウム−スズ酸化物(ITO)層及び酸化スズの積層体を形成した。
シート抵抗値、可視光透過率、膜厚は、実施例1と同様にして測定した。また、仕事関数は、大気中紫外光表面分析装置(理研計器社製、AC−2)を用いて測定し、ホール移動度、キャリア密度は、ホール効果測定装置を用いて測定し、表面の最大高低差(Rmax)は、AFM(セイコーインスツルメント社製Nonpics)を用いて測定した。その結果をまとめて表2に示す。尚、仕事関数測定において、積層体成膜後、表面処理を行わずに測定した。
Figure 2004322628
また、得られた積層体に、50℃の水:塩酸:硝酸=1:1:008(容量)の溶液を滴下し、エッチングを行おうとしたが、エッチングすることができなかった。積層体上に亜鉛粉末を塗布した後に同様の処理を行うことでエッチングすることができた。
また、得られた上記積層体を、PEDOT(ポリ(エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(スルホン酸スチレン))をモル比1:6で含む固形分1.5重量%の溶液(Baytoron AI4083)に、4時間、室温で浸漬したのち、溶液中のインジウム金属をICP−AESで分析したところ、インジウム原子は、検出限界以下であった。このことより、本発明の積層体は、酸性度の高い層を上層に設けたとしても、インジウム金属が溶出しない特徴を有していることが判った。
<耐熱試験>
上記得られた積層体を、150℃で240時間加熱した前後、及び300℃で1時間加熱した前後で比抵抗値を測定したところ、ほとんど変化は見られなかった。また、350℃で1時間加熱した前後で可視光透過率を測定したところ、変化は見られなかった。
<耐湿熱試験>
上記得られた積層体を、120℃、湿度100%の環境下に72時間放置した前後で比抵抗値を測定したところ、ほとんど変化は見られなかった。
実施例1におけるサンプル1〜4のESCAスペクトルを表す。

Claims (9)

  1. 透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ膜であり、該最外層と基板の間にスズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも1層有し、スズを含む酸化インジウム各層中のスズ濃度が、各層の深さ方向に一定であることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層であり、該最外層と基板の間にスズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層を少なくとも1層有し、該酸化インジウム各層が、スプレー熱分解法で製造されていること特徴とする透明導電性積層体。
  3. 最外層と基板にの間の層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層と、スズをインジウムに対して3〜10重量%の範囲で含む酸化インジウム層が交互に積層した層であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性積層体。
  4. スプレー熱分解法が、パイロゾルプロセスであることを特徴とする請求項2または3に記載の透明導電性積層体。
  5. 透明な基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性積層体。
  6. 透明導電性積層体の仕事関数が5eV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性積層体。
  7. 透明導電性積層体の比抵抗が、10-3Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明導電性積層体。
  8. 透明な基板の少なくとも一方の面に、少なくとも2層の金属酸化物層が形成されている透明導電性積層体において、外界と接触する最外層が、スズをインジウムに対して20重量%以上含む酸化インジウム層または酸化スズ膜であり、仕事関数が5eV以上であることを特徴とする透明導電性積層体。
  9. 透明導電性積層体の比抵抗が、10-3Ω・cm以下であることを特徴とする請求項8に記載の透明導電性積層体。
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