JP2003100154A - 透明導電膜およびその製造方法並びにその用途 - Google Patents

透明導電膜およびその製造方法並びにその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ELパネルに好適な、膜表面が平坦で抵
抗率が低く、仕事関数の大きな透明導電膜を提供し、ま
た、この透明導電膜を成膜するに際して有用なスパッタ
リングターゲットを提供する。 【解決手段】 抵抗率が250μΩ・cm以下、表面凹
凸の最大高低差(Z−max)/膜厚(t)が10%以
下で仕事関数が4.9eV以上の特性を有する透明導電
膜であり、このような透明導電膜は、実質的にIn,S
n,Ge,Gaおよび酸素からなる焼結体であって、G
eとGaの含有量の和(Ge/(In+Sn+Ge)の
原子比)+(Ga/(In+Sn+Ga)の原子比)が
1〜6%以下であるスパッタリングターゲットをスパッ
タすることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕事関数が高く、
表面平坦性が改善された低抵抗透明導電膜、およびその
製造方法並びにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium Tin Oxi
de)薄膜は、高導電性、高透過率といった特徴を有
し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパ
ネルディスプレイ用表示電極、抵抗膜方式のタッチパネ
ル、太陽電池用窓材、帯電防止膜、電磁波防止膜、防曇
膜、センサ等の広範囲な分野に渡って用いられている。
【0003】このようなITO薄膜の製造方法は、スプ
レー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等
の物理的成膜法に大別することができる。これら中でも
スパッタリング法は、大面積への均一成膜が容易でかつ
高性能の膜が得られる成膜法であることから、様々な分
野で使用されている。
【0004】スパッタリング法で薄膜を形成する際の放
電安定性を高めるため、またノジュール(ITOターゲ
ットをアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中で
連続してスパッタリングした時にターゲット表面に形成
される黒色の異物)発生量を低減させるために、ITO
焼結体に第3元素を添加させる試みが行われてきた。例
えば、特開昭62−202415号のようにITO焼結
体に酸化珪素および/または酸化ゲルマニウムを含有さ
せる方法、特開平5−98436号のようにITO焼結
体に1〜15wt%の酸化ゲルマニウムを含有させる方
法などが提案されている。
【0005】近年の情報化社会の発展にともない、前記
フラットパネルディスプレイ等に要求される技術レベル
が高まっている。有機Electro Lumines
cence(EL)パネルの構造の一例を、図1に示
す。図1は模式断面図であり、有機ELパネルは、ガラ
ス基板1の表面に透明導電膜の透明陽極2を積層し、順
次その上にホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5お
よび金属陰極6を形成したものである。
【0006】そして3〜15Vの直流電圧を印加するこ
とによりガラス基板1を通して発光が得られるものであ
る。 自発光のため視認性が高く、さらに視野角も広い
といった特徴を有している。 パネル構造は、帯状の直
交させた透明電極と背面電極からなるX−Yのマトリク
ス構造のもの(パッシブタイプ)と薄膜トランジスタ
(TFT)を用いた構造のもの(アクティブタイプ)に
大別される。いずれの場合も、高精細化や高速応答化に
対応するため、透明陽極には低い抵抗率が求められてい
る。また、前記透明陽極の表面に大きな凹凸が存在した
場合、表示画面上に黒点を発生させ表示品質の劣化を招
くため、電極の表面の凸凹を低下させる必要がある。
【0007】ところで、ITO薄膜を室温で成膜する
と、特別な条件を除きアモルファスな膜が得られる。し
かし、薄膜の抵抗率を低下させるには、膜を結晶化させ
ることが好ましい。ITOの結晶化温度は150℃前後
(成膜条件により異なる)であり、結晶膜を得るにはこ
の温度以上の成膜温度で成膜する必要がある。しかし、
スパッタリング法を用いて結晶性ITO薄膜を形成した
場合、ITO薄膜に特徴的な膜の突起およびドメイン構
造が形成される。
【0008】一般にITO膜をスパッタリング法で形成
する場合には、スパッタリングガスとしてアルゴンと酸
素が用いられる。ガス中の酸素量を変化させることによ
り得られる薄膜の抵抗率は変化し、ある酸素分圧値で最
小の値を示す。そして、このような薄膜の抵抗率が最小
の値を示すような酸素分圧値で形成した場合、上述の薄
膜表面の突起およびドメイン構造が顕著となり、平坦性
の悪い表面状態となる。このような膜の場合、膜厚20
0nmでの表面凹凸の最大高低差(Z−max)は、1
00nmにも達する場合がある。
【0009】一方、薄膜の平坦性を追求するには、上記
最適酸素分圧値からはずれたところで成膜するか、成膜
時の基板温度を低下させてアモルファス化する手法が考
えられる。しかし、いずれの手法を用いた場合において
も、薄膜の平坦性は確保されるものの抵抗率が増加して
しまう。このようなことから平坦性と低抵抗率との両特
性を満足する透明導電膜の開発が望まれていた。
【0010】さらに有機EL素子の発光効率を増加させ
るため、透明陽極の仕事関数を大きくして透明陽極から
ホール輸送層へのキャリアの注入効率を高めることが必
要とされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有機
ELパネルに好適な、仕事関数が大きくかつ膜表面が平
坦で抵抗率の低い結晶性の透明導電膜を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはITOに異
種元素をドープした導電性金属酸化物に関して鋭意検討
を重ねた結果、抵抗率を250μΩ・cm以下、かつ
(Z−max)/tを10%以下とすることにより、パ
ネルの大型化および高精細化に対応し強電界が印加され
る有機ELパネルにおいても高い信頼性が得られる透明
導電膜が得られることを見いだした。また、このような
薄膜はゲルマニウムをドーパントとして含有するITO
薄膜において達成できることを見いだした。そして、さ
らに研究を進め、上記薄膜にさらにガリウムを添加する
ことにより平坦製性と低抵抗性を併せ持ち、さらに有機
EL用透明陽極として好適な4.9eV以上の仕事関数
を有する薄膜を得るにいたり本発明を完成した。
【0013】即ち、本発明は抵抗率が250μΩ・cm
以下、かつ表面凹凸の最大高低差(Z−max)/膜厚
(t)が10%以下、かつ仕事関数が4.9eV以上の
特性を有する透明導電膜に関し、前記特性を有する実質
的にインジウム、スズ、ゲルマニウム、ガリウムおよび
酸素からなる透明導電膜、該薄膜を含んでなる機器、該
薄膜形成用スパッタリングターゲットおよび該薄膜の形
成方法に関するものである。ここで、「実質的に」と
は、「不可避不純物を除いて」との意味である。
【0014】本発明でいうZ−maxとは、物質表面の
凹凸の度合いを数値的に表すパラメ-タであり、表面の
あるエリア内で最も高い山の頂上と最も低い谷の底との
高さの差を意味する。その測定方法としては、原子間力
顕微鏡(AFM:Atomic Force Micr
oscope)による測定が一般的である。原子間力顕
微鏡は微小なてこを物質表面に近づけ、縦横方向にある
エリア内で走査し、その際生じるてこのたわみを試料面
垂直方向の高さに換算して表面の凹凸を測定する装置で
ある。本発明では、セイコ−電子工業株式会社製の原子
間力顕微鏡(商品名「SPI3700」)を用いて、て
こを3μm×3μmのエリア内を走査させて測定した。
また、抵抗率は四探針法により測定した。
【0015】なお、本発明でいう仕事関数とは、電子を
物質表面から放出させるのに必要な最低のエネルギーを
意味し、理研計器製光電子分光装置を用いて測定した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明に関わる薄膜およびこの薄膜を含ん
でなる機器は、例えば、以下の方法で製造する。
【0018】始めに、薄膜形成用のスパッタリングター
ゲットを製造する。スパッタリングターゲットに用いる
ための焼結体としては、得られる焼結体の焼結密度が9
5%以上であることが好ましく、より好ましくは98%
以上である。
【0019】焼結密度が上記密度未満となると、スパッ
タリング中に異常放電が発生しやすくなり、この時発生
するスプラッツを核とした異常成長粒子が形成されるた
め、平坦な膜を得にくくなるからである。
【0020】なお、本発明でいう相対密度(D)とは、
In23、SnO2、GeO2およびGa23の真密度の
相加平均から求められる理論密度(d)に対する相対値
を示している。相加平均から求められる理論密度(d)
とは、ターゲット組成において、In23、SnO2
GeO2およびGa23粉末の混合量をそれぞれa,
b,cおよびd(g)、とした時、それぞれの真密度
7.18,6.95,6.24,5.95(g/c
3)を用いて、d=(a+b+c+d)/((a/
7.18)+(b/6.95)+(c/6.24)+
(d/5.95))により求められる。焼結体の測定密
度をd1とすると、その相対密度は、式:D=d1/d
×100(%)で求められる。
【0021】焼結密度が95%以上となるような焼結体
は、例えば、以下のような方法で製造することができ
る。
【0022】原料粉末としては、例えば、酸化インジウ
ム粉末、酸化スズ粉末、酸化ゲルマニウム粉末および酸
化ガリウム粉末とを混合する。 この際、使用する粉末
の平均粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上がらず相
対密度95%以上の焼結体を得難くなることがあるの
で、使用する粉末の平均粒径は1.5μm以下であるこ
とが望ましく、更に好ましくは0.1〜1.3μmであ
る。粉末の混合は、ボールミルなどにより乾式混合ある
いは湿式混合して行えばよい。
【0023】ここで、酸化スズの混合量は、Sn/(S
n+In)の原子比で3〜20%とすることが好まし
い。 より好ましくは5〜17%、さらに好ましくは7
〜14%である。 これは、本発明のターゲットを用い
て透明導電膜を製造した際に、膜の抵抗率が最も低下す
る組成であるからである。
【0024】酸化ゲルマニウムの混合量は、Ge/(I
n+Sn+Ge)の原子比で0.5〜5%が好ましい。
より好ましくは1〜4%、特に好ましくは1〜3%であ
る。酸化ゲルマニウムの添加量が前記範囲より少ない
と、薄膜の平坦化の効果が薄れ凸凹の大きな膜となるこ
とがあり、また前記範囲を超えると、抵抗率が高くなり
すぎる場合がある。
【0025】酸化ガリウムの混合量は、Ga/(In+
Sn+Ga)の原子比で0.5〜5%が好ましい。より
好ましくは1〜4%、特に好ましくは1〜3%である。
酸化ガリウムの添加量が前記範囲より少ないと、仕事関
数増加の効果が得られにくくなり、また前記範囲を超え
ると、抵抗率が高くなりすぎる場合がある。
【0026】また、酸化ゲルマニウムと酸化ガリウムの
総量(Ge/(In+Sn+Ge)の原子比+Ga/
(In+Sn+Ga)の原子比)で1%以上6%以下と
するのが好ましい。6%を超えると、抵抗率が高くなり
すぎるからである。
【0027】前述のようにして得られた混合粉末にバイ
ンダー等を加え、プレス法或いは鋳込法等の成形方法に
より成形して成形体を製造する。プレス法により成形体
を製造する場合には、所定の金型に混合粉末を充填した
後、粉末プレス機を用いて9.8〜29.4MPa(1
00〜300kg/cm2)の圧力でプレスを行う。粉
末の成形性が悪い場合には、必要に応じてパラフィンや
ポリビニルアルコール等のバインダーを添加してもよ
い。
【0028】鋳込法により成形体を製造する場合には、
混合粉末にバインダー、分散剤、イオン交換水を添加
し、ボールミル等により混合することにより鋳込成形体
製造用スラリーを作製する。続いて、得られたスラリー
を用いて鋳込を行う。鋳型にスラリーを注入する前に、
スラリーの脱泡を行うことが好ましい。脱泡は、例えば
ポリアルキレングリコール系の消泡剤をスラリーに添加
して真空中で脱泡処理を行えばよい。 続いて、鋳込み
成形体の乾燥処理を行う。
【0029】次に、得られた成形体に必要に応じて、冷
間静水圧プレス(CIP)等の圧密化処理を行う。この
際CIP圧力は充分な圧密効果を得るため98MPa
(1ton/cm2)以上、好ましくは196〜490
MPa(2〜5ton/cm2)であることが望まし
い。ここで始めの成形を鋳込法により行った場合には、
CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダー等
の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を施しても
よい。また、始めの成形をプレス法により行った場合で
も、バインダーを使用したときには、同様の脱バインダ
ー処理を行うことが望ましい。
【0030】このようにして得られた成形体を焼結炉内
に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方
法でも適応可能であるが、生産設備のコスト等を考慮す
ると大気中焼結が望ましい。しかしこの他ホットプレス
(HP)法、熱間静水圧プレス(HIP)法および酸素
加圧焼結法等の従来知られている他の焼結法を用いるこ
とができることは言うまでもない。
【0031】また焼結条件についても適宜選択すること
ができるが、充分な密度上昇効果を得るため、また酸化
スズの蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜16
50℃であることが望ましい。また焼結時の雰囲気とし
ては大気或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。ま
た焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るために
5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望ま
しい。 このようにしてゲルマニウムおよびガリウムを
含有したITO焼結体を製造することができる。
【0032】次に、得られた焼結体を所望の形状に加工
した後、必要に応じて無酸素銅からなるバッキングプレ
ートにインジウム半田等を用いて接合することにより、
スパッタリングターゲットが製造される。
【0033】得られたスパッタリングターゲットを用い
て、ガラス基板やフィルム基板等の基板上に本発明の透
明導電性薄膜を得ることができる。成膜手段としては、
薄膜の低抵抗率化および平坦化のために、dcにrfを
重畳させた、50〜500Wの電力(但し、カソードの
サイズによっても異なる)を使用したスパッタリング方
を採用することが好ましい。この際、dcに重畳させる
rfの割合は、印加電力でrf/dcで25〜200%
とすることが好ましい。また、rfとしては、13.5
6MHz±0.05%の高周波が好ましい。
【0034】成膜時の基板温度としては、薄膜を結晶化
させるために、200℃以上とすることが好ましく、よ
り好ましくは300℃以上である。
【0035】また、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ゲ
ルマニウムおよび酸化ガリウムの4種類、あるいは前記
の4種の内の3種の混合酸化物と残りの酸化物の2種類
のスパッタリングターゲットを用いて多元同時スパッタ
リングにより成膜してもよいし、前記の4種の内の2種
の混合酸化物と残りの酸化物の2種類のスパッタリング
ターゲットを用いて多元同時スパッタリングにより成膜
してもよい。さらに、個々のスパッタリングターゲット
の一部あるいは全部を金属あるいは合金に置き換えて用
いてもよい。
【0036】成膜時は、スパッタリングガスとしてアル
ゴンと酸素を真空装置内に導入してスパッタリングを行
う。膜の低抵抗率化を達成するためには、これら導入ガ
スの流量を制御して抵抗率が低下する値に適宜設定す
る。
【0037】このようにして得られた薄膜は、仕事関数
が4.9eV以上、好ましくは4.95〜5.3eV、
抵抗率が250μΩ・cm以下、好ましくは、240μ
Ω・cm以下であり、かつZ−max/tが10%以
下、好ましくは、8%以下となる。また、形成する膜の
厚さは100〜500nmとするのが好ましい。
【0038】また、基板上に形成された薄膜は、必要に
応じて所望のパターンにエッチングされた後、有機EL
ディスプレイ等の機器を構成することができる。
【0039】なお、本発明でいう仕事関数とは成膜直後
の値を意味する。具体的には成膜後のチャンバー内や、
チャンバーから取り出した後に、表面酸化処理やUV処
理などの仕事関数を増大させる処理を施していない状態
で測定した値を意味する。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】実施例1〜6、比較例1〜7 酸化インジウム粉末450g、酸化スズ粉末50g、お
よび表1に準じて所定量の酸化ゲルマニウム、所定量の
酸化ガリウム粉末をポリエチレン製のポットに入れ、乾
式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を製造し
た。
【0042】この粉末を金型に入れ、29.4MPa
(300kg/cm2)の圧力でプレスして成形体とし
た。この成形体を294MPa(3ton/cm2)の
圧力でCIPによる緻密化処理を行った。次にこの成形
体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、以下の条件で焼
結した。 (焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/時間、焼結
時間:6時間、酸素圧:490Pa(50mmH2O、
ゲージ圧)、酸素線速:2.7cm/分 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定し
た。結果を表1に記す。この焼結体を湿式加工法により
直径4インチ厚さ6mmの焼結体に加工し、インジウム
半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレートにボンデ
ィングしてターゲットとした。
【0043】このターゲットを以下のスパッタリング条
件でスパッタリングして薄膜の評価を行った。 (スパッタリング条件) 基板:ガラス基板、印加電力:dc150W+rf10
0W、ガス圧:1.1mTorr、スパッタリングガ
ス:Ar+O2、O2/Ar:抵抗率が最小となる値に制
御、基板温度:200℃、膜厚:200nm。
【0044】得られた膜の組成をEPMA(Elect
ron Prove MicroAnalysis)で
分析するとともに、薄膜の抵抗率、Z−max/tおよ
び仕事関数を測定した。得られた結果を表1にまとめ
る。Ge1〜5原子%、Ga1〜5原子%において低抵
抗かつ平坦で仕事関数の大きな膜が得られている。
【0045】得られた膜の結晶性をXRDを用いて調べ
たところ、全ての膜が結晶化していた。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1〜6の膜は、低抵抗率(250μ
Ω・cm以下)、良好な表面状態(Zmax/tが10
%以下)、高仕事関数(4.9eV以上)の全てを満足
したものであったのに対し、比較例1〜7の膜は、抵抗
率、表面状態、仕事関数の評価項目のうち、1つあるい
は2つは満足できるものの、3つ全てを満足できる膜を
得ることはできなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明により、有機ELパネルに好適
な、膜表面が平坦で抵抗率の低く、仕事関数の大きな透
明導電膜を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機ELパネルの構造の一例を示した模式断面
図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明陽極 3 ホール輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 金属陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/34 H01B 13/00 503B 5G323 H01B 13/00 503 H05B 33/14 A H05B 33/14 33/28 33/28 C04B 35/00 R (72)発明者 内海 健太郎 神奈川県大和市中央林間5−7−8 (72)発明者 長崎 裕一 神奈川県横浜市神奈川区六角橋5−21−33 (72)発明者 黒澤 聡 神奈川県厚木市長谷1540−21 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB05 AB17 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03 4F100 AA17B AA26B AA28B AG00A AR00B AT00A BA02 BA07 DD01B EH662 GB41 JG01 JG01B JG04 JG04B JN01 YY00B 4G030 AA34 AA39 BA02 BA14 BA15 BA16 GA09 4K029 BA45 BA50 BC09 BD00 CA05 DC05 DC09 DC34 DC35 5G307 FA00 FA01 FB01 FC10 5G323 BA02 BB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗率が250μΩ・cm以下、かつ表
    面凹凸の最大高低差(Z−max)/膜厚(t)が10
    %以下、かつ仕事関数が4.9eV以上の特性を有する
    ことを特徴とする透明導電膜。
  2. 【請求項2】 実質的にインジウム、スズ、ゲルマニウ
    ム、ガリウムおよび酸素からなる請求項1に記載の透明
    導電膜。
  3. 【請求項3】 ゲルマニウムとガリウムの含有量の和
    が、(Ge/(In+Sn+Ge)の原子比)+(Ga
    /(In+Sn+Ga)の原子比)で1%以上6%以下
    であることを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の透
    明導電膜を含んでなる機器。
  5. 【請求項5】 前記機器が有機ELパネルであることを
    特徴とする請求項4に記載の機器。
  6. 【請求項6】 実質的にインジウム、スズ、ゲルマニウ
    ム、ガリウムおよび酸素からなる焼結体であって、ゲル
    マニウムとガリウムの含有量の和(Ge/(In+Sn
    +Ge)の原子比)+(Ga/(In+Sn+Ga)の
    原子比)が1%以上6%以下であることを特徴とするス
    パッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】 前記焼結体の相対密度が95%以上であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のスパッタリングタ
    ーゲット。
  8. 【請求項8】 実質的にインジウム、スズ、ゲルマニウ
    ム、ガリウムおよび酸素からなる焼結体であって、ゲル
    マニウムとガリウムの含有量の和(Ge/(In+Sn
    +Ge)の原子比)+(Ga/(In+Sn+Ga)の
    原子比)が1%以上6%以下であるスパッタリングター
    ゲットを、dcにrfを重畳した電力でスパッタリング
    することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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Cited By (8)

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