JP2002050231A - 透明導電膜およびその製造方法並びにその用途 - Google Patents

透明導電膜およびその製造方法並びにその用途

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JP2002050231A
JP2002050231A JP2000237398A JP2000237398A JP2002050231A JP 2002050231 A JP2002050231 A JP 2002050231A JP 2000237398 A JP2000237398 A JP 2000237398A JP 2000237398 A JP2000237398 A JP 2000237398A JP 2002050231 A JP2002050231 A JP 2002050231A
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transparent conductive
conductive film
film
sputtering
resistivity
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JP2000237398A
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English (en)
Inventor
Hiromi Nakazawa
弘実 中澤
Kentaro Uchiumi
健太郎 内海
Yuichi Nagasaki
裕一 長崎
Satoshi Kurosawa
聡 黒澤
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Tosoh Corp
Geomatec Co Ltd
Original Assignee
Tosoh Corp
Geomatec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜表面が平坦で抵抗率の低い結晶質の酸化イ
ンジウム系透明導電膜を提供する。 【解決手段】 実質的にIn、Ge及びOからなり、抵
抗率が250μΩ・cm以下、かつZ−max/tが1
0%以下(但し、Z−max:表面凹凸の最大高低差、
t:膜厚)の透明導電膜であり、Ge/(In+Ge)
は原子比で4.0〜9.0%が好ましく、このような導
電膜は、焼結密度90%以上のIn−Ge−Oスパッタ
リングターゲットを用い、dcにrfを重畳させた電力
を印加してスパッタリングすることにより得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面平坦性が改善
された低抵抗透明導電膜に関し、特に結晶化した透明導
電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium Tin Oxi
de)に代表される透明導電膜はその高導電性、高透過
率といった特徴から、フラットパネルディスプレイ用表
示電極、抵抗膜方式のタッチパネル、太陽電池用窓材、
帯電防止膜、電磁波防止膜、防曇膜、センサ等の広範囲
な分野に渡って用いられている。このような透明導電膜
の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成
膜法と電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、ス
パッタリング法等の物理的成膜法に大別することができ
る。これら中でもスパッタリング法は、大面積への均一
成膜が容易でかつ高性能の膜が得られる成膜法であるこ
とから、様々な分野で使用されている。
【0003】一方、近年の情報化社会の発展にともな
い、前記フラットパネルディスプレイ等に要求される技
術レベルが高まっている。無機Electro Lum
inescence(EL)パネルは、図1に示すよう
な絶縁層2によって挟持された発光層3に透明電極1と
金属製の背面電極4を通して108V/cmという強電
界を発光層に印加して発光させる構造となっている。自
発光のため視認性が高く、全固体であるため振動に強い
といった優れた特徴を有している。パネル構造は、帯状
の直交させた透明電極と背面電極からなるX−Yのマト
リクス構造となっている。このため、パネルの大型化お
よび高精細化にともない、特に透明電極に使用される透
明導電膜の低抵抗率化が要求されている。
【0004】また、発光層を発光させる際に108V/
cmという強電界が印加されることから、透明電極1の
表面に大きな凸凹の部分があると、この部分で電界集中
が起こり、絶縁破壊を発生しやすくなる。絶縁破壊が生
じると当該画素部での表示が不可能となりディスプレイ
としての表示品質の劣化を招くため、電極の表面の凸凹
を低下させる必要がある。
【0005】ところで、ITO薄膜を室温で成膜する
と、特別な条件を除きアモルファスな膜が得られる。し
かし、薄膜の抵抗率を低下させるには、薄膜を結晶化さ
せることが好ましい。ITOの結晶化温度は150℃前
後(成膜条件により異なる)であり、結晶化膜を得るに
はこの温度以上の成膜温度で成膜する必要がある。しか
し、スパッタリング法を用いて結晶性ITO薄膜を形成
した場合、ITO薄膜に特徴的な膜の突起およびドメイ
ン構造が形成される。
【0006】一般にITO膜をスパッタリング法で形成
する場合には、スパッタリングガスとしてアルゴンと酸
素が用いられる。ガス中の酸素量を変化させることによ
り得られる薄膜の抵抗率は変化し、ある酸素分圧値で最
小の値を示す。そして、このような薄膜の抵抗率が最小
の値を示すような酸素分圧値で形成した場合、上述の薄
膜表面の突起およびドメイン構造が顕著となり、平坦性
の悪い表面状態となる。このような膜の場合、膜厚20
0nmでの表面凹凸の最大高低差(Z−max)は、1
00nmにも達する場合がある。
【0007】一方、薄膜の平坦性を追求するには、上記
最適酸素分圧値からはずれたところで成膜するか、成膜
時の基板温度を低下させてアモルファス化する手法が考
えられる。しかし、いずれの手法を用いた場合において
も、薄膜の平坦性は確保されるものの抵抗率が増加して
しまう。
【0008】これまでに透明導電膜の抵抗率、透過率の
改善を目的として、例えば、特開昭62−202425
号公報には、酸化スズを含んでいてもよい酸化インジウ
ム透明導電膜に酸化ゲルマニウムを含有する低抵抗率の
酸化インジウム系透明導電膜が開示されている。特開平
11−322333号公報には、インジウムの酸化物を
主成分とする透明導電膜にゲルマニウムを含有させる方
法が提案され、500〜700[μΩ・cm]の抵抗率
をもつ透明導電膜が開示されている。また、エッチング
特性の向上を目的として、例えば、特開平11−323
531号のようにインジウムの酸化物が主成分であっ
て、ゲルマニウムを含有させた非晶質な膜構造を得る方
法が提案され、表面平坦性が良好であり、370[μΩ
・cm]の抵抗率をもつ透明導電膜が開示されている。
【0009】しかしながら、大型ELパネル用の透明導
電膜としては、更に良好な平坦性と低抵抗率の両特性を
満足する結晶質透明導電膜の開発が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、大型
高精細ELパネルに好適な、膜表面が平坦で抵抗率の低
い結晶質の透明導電膜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはITOに異
種元素をドープした導電性金属酸化物に関して鋭意検討
を重ねた結果、抵抗率を250μΩ・cm以下、かつZ
−max/tを10%以下とすることにより、パネルの
大型化および高精細化に対応し強電界が印加されるEL
パネルにおいても高い信頼性が得られる透明導電膜が得
られることを見いだした。また、このような薄膜はゲル
マニウムをドーパントとして含有する酸化インジウム系
薄膜において達成できることを見いだし、本発明を完成
した。
【0012】即ち、本発明は、抵抗率が250μΩ・c
m以下、かつZ−max/tが10%以下(但し、Z−
max:表面凹凸の最大高低差、t:膜厚)を満足する
透明導電膜に関し、実質的にインジウム、ゲルマニウム
および酸素からなる透明導電膜により達成される。ここ
で、「実質的に」とは、「不可避不純物を除いて」との
意味であり、この不可避不純物は一般的には100pp
m以下とされるのが好ましい。
【0013】本発明で言うZ−maxとは、物質表面の
凹凸の度合いを数値的に表すパラメ−タであり、表面の
あるエリア内で最も高い山の頂上と最も低い谷の底との
高さの差を意味する。その測定方法としては、原子間力
顕微鏡(AFM:Atomic Force Micr
oscopy)による測定が一般的である。原子間顕微
鏡は微小なてこを物質表面に近づけ、縦横方向にあるエ
リア内で走査し、その際生じるてこのたわみを試料面垂
直方向の高さに換算して表面の凹凸を測定する装置であ
る。本発明では、セイコ−電子工業株式会社製の原子間
力顕微鏡(商品名「SPI3700」を用いて、てこを
3μm×3μmのエリア内を走査させて測定した。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明に関する薄膜およびこの薄膜を含ん
でなる機器は、例えば、以下の方法で製造することがで
きる。
【0016】始めに、薄膜形成用の、実質的にインジウ
ム、ゲルマニウムおよび酸素からなるスパッタリングタ
ーゲット、例えば、酸化インジウム−酸化ゲルマニウム
系複合酸化物(In−Ge−O系)スパッタリングター
ゲットを製造する。スパッタリングターゲットに用いる
ための焼結体としては、得られる焼結体の焼結密度が9
0%以上、好ましくは、91%以上であることが好まし
い。焼結密度が上記密度未満となると、スパッタリング
中に異常放電が発生しやすくなり、この時発生するスプ
ラッツを核とした異常成長粒子が形成されるため、平坦
な膜を得にくくなるからである。
【0017】一般に、セラミックスの焼結密度を高めよ
うとした場合、焼結温度を高くすることが有効である。
しかし、酸化インジウム−酸化ゲルマニウム複合酸化物
の焼結体を1400℃を超える温度で焼結させた場合、
焼結体に「膨れ」が発生し、焼結体内部に空洞ができて
しまう。このような膨れを形成させないためには、焼結
条件を適切に設定する必要がある。
【0018】以下に、焼結密度90%以上の酸化インジ
ウム−酸化ゲルマニウム複合酸化物の焼結体の製造方法
の一例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0019】始めに、酸化インジウム粉末と酸化ゲルマ
ニウム粉末とを混合する。この際、使用する粉末の平均
粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上昇しない場合が
あるので、使用する粉末の平均粒径は、酸化インジウム
粉末、酸化ゲルマニウム粉末共に1.5μm以下とす
る。好ましくは0.1〜1.5μm、更に好ましくは、
0.3〜1.0μmとすればよい。こうすることによ
り、より焼結密度の高い焼結体を得ることが可能とな
る。また、酸化ゲルマニウムの混合量は、Ge/(In
+Ge)の原子比で4.0〜9.0%とすることが好ま
しい。より好ましくは、5.0〜7.0%、更に好まし
くは、5.5〜6.5%である。
【0020】酸化ゲルマニウムの添加量が前記範囲より
少ないと、薄膜の平坦化の効果が薄れ凸凹の大きな膜と
なり、また前記範囲を超えると、抵抗率が高くなりすぎ
るため適切でない。粉末の混合は、ボールミルなどによ
り乾式混合あるいは湿式混合して行えばよい。
【0021】次に、得られた酸化インジウムと酸化ゲル
マニウムとの混合粉末にバインダー等を加え、プレス法
或いは鋳込法等の成形方法により成形して成形体を製造
する。プレス法により成形体を製造する場合には、所定
の金型に混合粉末を充填した後、粉末プレス機を用いて
100〜1000kg/cm2の圧力でプレスを行う。
好ましくは、200〜500kg/cm2である。粉末
の成形性が悪い場合には、必要に応じてパラフィンやポ
リビニルアルコール等のバインダーを添加してもよい。
【0022】鋳込法により成形体を製造する場合には、
混合粉末にバインダー、分散剤、イオン交換水を添加
し、ボールミル等により混合することにより鋳込成形体
製造用スラリーを製造する。続いて、得られたスラリー
を用いて鋳込を行う。鋳型にスラリーを注入する前に、
スラリーの脱泡を行うことが好ましい。脱泡は、例えば
ポリアルキレングリコール系の消泡剤をスラリーに添加
して真空中で脱泡処理を行えばよい。続いて、鋳込み成
形体の乾燥処理を行う。
【0023】次に、得られた成形体を必要に応じて、冷
間静水圧プレス(CIP)処理を行う。この際、CIP
圧力は充分な圧密効果を得るため1ton/cm2
上、好ましくは2〜5ton/cm2であることが望ま
しい。ここで始めの成形を鋳込法により行った場合に
は、CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダ
ー等の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を施し
てもよい。また、始めの成形をプレス法により行った場
合でも、成形時にバインダーを使用したときには、同様
の脱バインダー処理を行うことが望ましい。
【0024】このようにして得られた成形体を焼結炉内
に投入して焼結を行う。焼結時の温度制御と雰囲気制御
が、焼結時に発生する焼結体の膨れによる空洞の形成防
止に対して重要となる。
【0025】まず、300℃/時間以下の昇温速度で昇
温する。好ましくは50〜100℃/時間である。30
0℃/時間を越える昇温速度とした場合、焼結体に割れ
が発生しやすくなる場合がある。次に、1200℃〜1
400℃で保持する。1200℃未満の温度の場合、焼
結密度が増加しにくくなり、得られる焼結体がスパッタ
リングターゲットしては不適当なものとなることがあ
る。また、1400℃を越える温度した場合、焼結体の
膨れによる空洞が発生するおそれがある。好ましくは、
1300〜1400℃、さらに好ましくは1350〜1
400℃である。保持時間は、3時間〜20時間とする
のが好ましい。こうすることにより、焼結体の膨れを防
止しながら焼結密度の増加を達成することが可能とな
る。
【0026】次に、降温速度としては、50〜300℃
/時間とするのが好ましい。こうすることにより、焼結
体の割れを効果的に防止することが可能となる。好まし
くは、50〜100℃/時間である。
【0027】また、焼結時の雰囲気は、少なくとも昇温
時の800℃に達した時点から焼結温度での保持時間が
終了するまでの間の雰囲気が、実質的に純酸素ガス雰囲
気とし、この時焼結炉内に導入する酸素流量(L/mi
n)と成形体仕込量(kg)の比(仕込重量/酸素流
量)を、1.0以下とする。こうすることにより、焼結
体の膨れを防止しながら焼結密度の増加を達成すること
が可能となるからである。
【0028】このようにして、焼結密度90%以上の酸
化インジウム−酸化ゲルマニウム複合酸化物系(In−
Ge−O系)焼結体を製造することができる。
【0029】なお、本発明でいう焼結密度(D)とは、
In23とGeO2の真密度の相加平均から求められる
理論密度(d)に対する相対値を示している。相加平均
から求められる理論密度(d)とは、ターゲット組成に
おいて、In23とGeO2粉末の混合量をa,b
(g)、とした時、それぞれの真密度7.18,6.2
4(g/cm3)を用いて、 d=(a+b)/((a/7.18)+(b/6.2
4)) により求められる。焼結体の測定密度をd1とすると、
その焼結密度は、 式:D=d1/d×100(%) で求められる。
【0030】次に、得られた焼結体を所望の形状に加工
し、必要に応じて無酸素銅からなるバッキングプレート
にインジウム半だ等を用いて接合することにより、本願
発明の焼結密度90%以上のIn−Ge−O系スパッタ
リングターゲットが製造される。
【0031】得られたスパッタリングターゲットを用い
て、ガラス基板やフィルム基板等の基板上に本発明の透
明導電性薄膜を製膜する。製膜手段としては、薄膜の低
抵抗率化および平坦化のためには、dcにrfを重畳さ
せたスパッタリング法等をあげることができるが、薄膜
の低抵抗率化および平坦化のためには、dcにrfを重
畳させた、50〜500Wの電力(但し、カソードのサ
イズにより異なる)を使用したスパッタリング法を採用
することが好ましい。この際、dcに重畳させるrfの
割合は、印加電力のrf/dcで50〜100%とする
ことが好ましい。また、rfとしては13.56MHz
±0.05%の高周波が好ましい。
【0032】成膜時の基板温度は、薄膜を結晶化させる
ため200℃以上とすることが好ましく、より好ましく
は300℃以上である。
【0033】また、酸化インジウムおよび酸化ゲルマニ
ウムの2種類のターゲットを用いて、2元同時スパッタ
リングにより成膜しても良い。さらに、個々のスパッタ
リングターゲットの一部あるいは全部を金属ターゲット
に置き換えても良い。
【0034】成膜時は、スパッタリングガスとしてアル
ゴンと酸素とを真空装置内に導入してスパッタリングを
行う。膜の低抵抗率化を達成するためには、これら導入
ガスの流量を制御して抵抗率が低下する値に適宜設定す
る。
【0035】また、形成する膜の厚さは100〜500
nmとするのが好ましい。
【0036】このようにして得られた薄膜は、抵抗率が
250μΩ・cm以下、好ましくは200μΩ・cm以
下であり、かつZ−max/tが10%以下、好ましく
は8%以下、更に好ましくは7%以下となり、極めて平
坦で低抵抗率となる。
【0037】また、基板上に形成された薄膜は、必要に
応じて所望のパターンにエッチングされた後、本願請求
項4の発明である機器、例えば、無機ELパネル、有機
ELパネル等を構成することができる。
【0038】本発明による薄膜にエッチング特性、耐熱
性、耐湿性等の向上を目的として第3の元素を添加して
も有効である。第3元素としては、例えば、Mg,A
l,Si,Ti,Zn,Ga,Y,Zr,Nb,Hf,
Ta等を例示することができる。これら元素の添加量
は、特に限定されるものではないが、本発明による薄膜
の優れた電気特性および平坦性を劣化させないため、
(第3元素の酸化物の総和)/(In23+GeO2
第3元素の酸化物の総和)/100で0%を超え20%
以下(重量比)とすることが好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】(実施例1)平均粒径0.5μmの酸化イ
ンジウムおよび酸化ゲルマニウム粉末を所定量ポリエチ
レン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより72時間
混合し、混合粉末を製造した。
【0041】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。この成形体を3t
on/cm2の圧力でCIPによる緻密化処理を行っ
た。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置し
て、以下の条件で焼結した。 (焼結条件) 焼結温度:1400℃、昇温速度:100℃/時間、焼
結時間:6時間、降温速度:100℃/時間、雰囲気:
昇温時800℃から降温時400℃まで純酸素ガスを炉
内に、(仕込重量/酸素流量)=0.8で導入 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定し
た。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】この焼結体を湿式加工法により直径4イン
チ厚さ6mmの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。
【0044】このターゲットを以下のスパッタリング条
件でスパッタリングして薄膜の評価を行った。 (スパッタリング条件) 基板:ガラス基板、印加電力:dc150W+rf10
0W、ガス圧:1.1mTorr、スパッタリングガ
ス:Ar+O2、O2/Ar:X%(抵抗率が最小となる
値に制御)、基板温度:200℃、膜厚:200nm。
【0045】得られた膜の組成をEPMA(Elect
ron Probe MicroAnalysis)で
分析するとともに、薄膜の抵抗率およびZ−max/t
を測定した。得られた結果を図2に示す。Ge/(In
+Ge)含有量4〜9%で良好な結果が得られた。
【0046】Ge/(In+Ge)が6%の時の薄膜の
結晶性をXRDを用いて調べた。結果を図3に示す。
(100)面に配向した膜であった。
【0047】(実施例2)実施例1で製造したターゲッ
トの内、薄膜のGe組成が6原子%となったターゲット
を用いて、下記膜厚となるようにスパッタリング時間を
変えた以外は実施例1と同じ条件でスパッタリングを行
い、膜厚500nmの薄膜を製造した。得られた膜の抵
抗率およびZ−max/tを測定したところ、抵抗率=
175μΩ・cm、Z−max/t=8.8%であっ
た。
【0048】(実施例3)実施例1で製造したターゲッ
トの内、薄膜のGe組成が6原子%となったターゲット
を用いて、基板温度を300℃とした以外は実施例1と
同じ条件でスパッタリングを行い、膜厚200nmの薄
膜を製造した。得られた膜の抵抗率およびZ−max/
tを測定したところ、抵抗率=173μΩ・cm、Z−
max/t=8.7%であった。
【0049】(比較例1)実施例1で製造したターゲッ
トの内、薄膜のGe組成が6原子%となったターゲット
を用いて、以下のスパッタリング条件でスパッタリング
して薄膜の評価を行った。 (スパッタリング条件) 基板:ガラス基板、印加電力:dc200W、ガス圧:
1.1mTorr、スパッタリングガス:Ar+O2
2/Ar:X%(抵抗率が最小となる値に制御)、基
板温度:200℃、膜厚:200nm。
【0050】得られた膜の抵抗室およびZ−max/t
を測定したところ、抵抗率=236μΩ・cm、Z−m
ax/t=22.5%であった。
【0051】(実施例4)図1に示すような構造の薄膜
無機EL素子を作製した。パネル仕様は以下の通りであ
る。 (パネル仕様) 基板サイズ:236mm×166mm、画素数:640
×400(256000)、ライン幅:220μm、ス
ペース幅80:μmガラス基板上に、以下の製膜条件で
In−Ge−O系透明電極1を形成した。 (成膜条件) ターゲット:In−Ge−O(実施例1でGe/(In
+Ge)=6%のターゲットを使用)、印加電力:dc
150W+rf100W、ガス圧:1.1mTorr、
スパッタリングガス:Ar+O2、基板温度:200
℃、膜厚:140nm 得られた膜の抵抗率は、191μΩ・cmで、Z−ma
x/tは、7.0%であった。
【0052】得られた膜に対し、通常行われているウエ
ットエッチング法により、上記のラインアンドスペース
に透明電極のパターニングを行った。
【0053】次に、rfスパッタリング法によりAl2
3からなる絶縁層2を200nm、真空蒸着法により
ZnS:Mn(5wt.%)からなる発光層700nm
を形成した後、Ar雰囲気中、580℃で1時間熱処理
を行った。その後、rfスパッタリング法によりAl2
3からなる絶縁層2を200nmを形成した。
【0054】その後、Al背面電極を形成し、上記のラ
インアンドスペースにパターニングを行い薄膜EL素子
を完成させた。
【0055】得られたパネルに対して、下記条件で連続
発光試験を実施した。 (試験条件) 試験波:40μsec−100Hz−パルス波、印加電
圧:210V(0−p)、試験温度:室温、試験雰囲
気:窒素気流中、試験時間:50時間 試験後の画素破壊状況を目視にて調べた。画素破壊点は
0個で、ライン破壊数も0本であり、極めて良好な結果
が得られた。
【0056】(比較例2)透明電極の形成方法を以下の
ように変更した以外は、実施例4と同じ方法でELパネ
ルを作製した。 (成膜条件) ターゲット:In−Ge−O(実施例4と同じ)、印加
電力:dc200W、ガス圧:1.1mTorr、スパ
ッタリングガス:Ar+O2、基板温度:200℃、膜
厚:140nm 得られた膜の抵抗率は、230μΩ・cmで、Z−ma
x/tは、22.5%であった。
【0057】得られたパネルに対して、実施例4と同じ
連続発光試験を実施した。
【0058】試験後の画素破壊状況を目視にて調べたと
ころ、15個の画素破壊点と3本のライン破壊が観察さ
れた。
【0059】(比較例3)透明電極の形成方法を以下の
ように変更した以外は、実施例4と同じ方法でELパネ
ルを作製した。 (成膜条件) ターゲット:ITO(SnO2=10wt.%)、印加
電力:dc150W+rf100W、ガス圧:1.1m
Torr、スパッタリングガス:Ar+O2、基板温
度:200℃、膜厚:140nm 得られた膜の抵抗率は、152μΩ・cmで、Z−ma
x/tは、21.8%であった。
【0060】得られたパネルに対して、実施例4と同じ
連続発光試験を実施した。
【0061】試験後の画素破壊状況を目視にて調べたと
ころ、14個の画素破壊点と2本のライン破壊が観察さ
れた。
【0062】
【発明の効果】本発明により、大型高精細ELパネルに
好適な、膜表面が平坦で抵抗率の低い透明導電膜を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ELパネルの構造の一例を示す図である。
【図2】実施例1で得られた薄膜の抵抗率およびZ−m
ax/tの値を示す図である。
【図3】実施例1で得られた薄膜のX線粉末回折スペク
トルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 健太郎 神奈川県大和市中央林間5―7―8 (72)発明者 長崎 裕一 神奈川県横浜市神奈川区六角橋5−21−33 (72)発明者 黒澤 聡 神奈川県厚木市長谷1540−21 Fターム(参考) 4G030 AA34 AA38 BA16 CA01 CA08 4K029 AA09 BA50 BB07 BC05 BC09 BD00 CA05 DC05 DC09 5G307 FA01 FA02 FB01 FC10 5G323 BA02 BB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にインジウム、ゲルマニウムおよ
    び酸素からなり、抵抗率が250μΩ・cm以下、かつ
    Z−max/tが10%以下(但し、Z−max:表面
    凹凸の最大高低差、t:膜厚)であることを特徴とする
    透明導電膜。
  2. 【請求項2】 実質的にインジウム、ゲルマニウムおよ
    び酸素からなり、ゲルマニウムがGe/(In+Ge)
    の原子比で4.0%〜9.0%の割合で含有されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
  3. 【請求項3】 透明導電膜が結晶膜であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】 請求項第1〜3項のいずれか1項に記載
    の透明導電性膜を含んでなる機器。
  5. 【請求項5】 実質的にインジウム、ゲルマニウムおよ
    び酸素からなる透明導電膜をスパッタリング法により製
    造する方法において、スパッタリングターゲットとして
    実質的にインジウム、ゲルマニウムおよび酸素からなる
    焼結密度90%以上のスパッタリングターゲットを用
    い、dcにrfを重畳させた電力を印加してスパッタリ
    ングすることを特徴とする、抵抗率が250μΩ・cm
    以下、かつZ−max/tが10%以下である透明導電
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 透明導電膜中に、ゲルマニウムがGe/
    (In+Ge)の原子比で4.0%〜9.0%の割合で
    含有されていることを特徴とする請求項5に記載の透明
    導電膜の製造方法。
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