JPH10130828A - MgOターゲット及びその製造方法 - Google Patents

MgOターゲット及びその製造方法

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JPH10130828A
JPH10130828A JP8289857A JP28985796A JPH10130828A JP H10130828 A JPH10130828 A JP H10130828A JP 8289857 A JP8289857 A JP 8289857A JP 28985796 A JP28985796 A JP 28985796A JP H10130828 A JPH10130828 A JP H10130828A
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JP
Japan
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mgo
density
powder
film
obtd
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JP8289857A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Matsuki
竜一 松木
Akio Kawanobe
晃生 川野辺
Takeyoshi Takenouchi
武義 竹之内
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタ法により速い成膜速度で均一な膜厚
を有したMgO膜を成膜可能な、AC型PDPのMgO
保護膜の成膜に好適なMgOターゲットを提供する。 【解決手段】 Ar又はAr+O2 雰囲気中で、スパッ
タ法により500Å/min以上の成膜速度が得られる
高密度MgOターゲット。平均粒径0.1〜2μmの高
純度MgO粉末を、3t/cm2 以上の圧力でCIP成
形後、1450℃以上の温度で焼結する。 【効果】 高純度MgO粉末を高圧でCIP成形するた
め、高密度成形体を得ることができ、これを焼結するこ
とにより、焼結助剤を用いることなく著しく緻密な高密
度・高純度MgOターゲットを得ることができる。高い
成膜速度で成膜することができる上に、高密度化による
強度、耐パワー性の向上で、大出力成膜により、より一
層の高速化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はMgOターゲット及
びその製造方法に関わり、詳しくは、AC型PDP(Pla
sma Display Panel)のMgO保護膜のスパッタ成膜にお
いて、高成膜速度で大面積への均一成膜を可能とするM
gOターゲット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶(Liquid Crystal Disply:L
CD)をはじめとして、各種の平面ディスプレイに関す
る研究開発と実用化はめざましく、その生産量も急増し
ている。
【0003】カラープラズマディスプレイパネル(PD
P)についても、最近になって、その開発と実用化の動
きが活発になってきている。PDPは大型化しやすく、
ハイビジョン用大画面壁掛けテレビの最短距離にあり、
既に対角40インチクラスのPDPの試作が進められて
いる。
【0004】PDPは、電極構造の点で金属電極が誘電
体材料で覆われているAC型と、放電空間に金属電極が
露出しているDC型とに分類され、現在はAC型が主流
となっている。
【0005】AC型では、この誘電体層の上には更に保
護層が形成されている。AC型PDP開発の当初は、こ
の保護層は採用されていなかったために、誘電体層が直
接放電にさらされ、イオン衝撃のスパッタリングにより
誘電体層表面が変質して、放電開始電圧が上昇してい
た。従って、この問題を解決するために、高い昇華熱を
持つ種々の酸化物で保護層を形成する試みがなされ、現
在のAC型PDPは、誘電体層上に保護層が形成された
構造となっている。
【0006】AC型PDPにおいて、保護層は直接ガス
と接しているため、重要な役割を持っている。この保護
層に求められる特性は、 (a)低い放電電圧 (b)耐スパッタ性 (c)速い放電の応答性 (d)絶縁性 である。この条件を満たす保護層材料として、従来、一
般に、MgOが用いられている。MgO保護膜は、誘電
体層表面をスパッタリングの衝撃から守り、PDPの長
寿命化に重要な働きをしている。
【0007】現在、このMgO保護膜の成膜には、粒径
1〜5mm程度の塊状MgO粒子を成膜材としたEB蒸
着法が用いられている。
【0008】しかし、EB蒸着法は、成膜速度が高い反
面、成膜材が塊状粒子であるため成膜時に粒子の飛散
(スプラッシュ)が生じる;成膜材を局所的に励起して
成膜するために膜厚分布を生じやすい等の欠点を有す
る。特に、PDPは、大画面表示が可能な点が大きな特
徴であり、大型化に際しては大型基板への均一成膜が不
可欠な技術となるため、膜厚分布の生じやすいEB蒸着
法ではPDPのMgO保護膜への適用に問題があり、E
B蒸着法に替わる成膜技術が望まれている。
【0009】このようなEB蒸着法の問題を解決する成
膜方法としては、スパッタ法が挙げられる。即ち、スパ
ッタ法は成膜材が焼結体であるため飛散の問題はなく、
成膜材全体を励起して成膜することから、得られる膜に
厚さ分布が生じにくい。このため、このようなスパッタ
法の長所をPDP用MgO保護膜の成膜に応用するべ
く、各所で試験的にスパッタ法によるMgO膜の成膜が
検討されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来において、MgO
ターゲットは、高純度MgO粉末に緻密化のために種々
の焼結助剤を添加して製造されており、このため不純物
を含有している。また、焼結助剤を用いていても、十分
に高密度のMgO焼結体は得られていない。
【0011】このような従来のMgOターゲットを用い
てスパッタ法でMgO膜を成膜する場合、成膜速度がE
B蒸着法の場合の1/10程度と遅く、このため成膜コ
ストが高くつくという問題があった。また、形成される
MgO膜の結晶性も良くないという欠点もあった。
【0012】スパッタ法によるMgO膜の成膜におい
て、高い成膜速度が得られず、また、得られるMgO膜
の結晶性が劣る要因としては、電源容量の不足、成膜条
件の選定等の問題が挙げられるが、最も大きな因子は前
述したように、低密度で不純物を含有したMgOターゲ
ットを用いることにある。
【0013】即ち、一般にスパッタ法による成膜では、
ターゲットが高密度なほど高い成膜速度が得られるが、
従来のMgOターゲットは密度が十分に高くないため
に、高い成膜速度が得られない。また、従来のMgOタ
ーゲットは低密度のため強度的にも問題があり、大出力
での成膜は不可能であり、大電力での高速成膜で結晶性
の良好なMgO膜を成膜できない。
【0014】本発明は、上記従来の問題点を解決し、ス
パッタ法により速い成膜速度で均一な膜厚を有したMg
O膜を成膜することができる、AC型PDPのMgO保
護膜の成膜に好適なMgOターゲット及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のMgOターゲッ
トは、相対密度99%以上のMgO焼結体よりなり、A
r雰囲気或いはAr−O2 混合雰囲気中でのスパッタ成
膜において500Å/min以上の成膜速度が得られる
ことを特徴とする。
【0016】このような本発明のMgOターゲットは、
平均粒径0.1〜2μmの高純度MgO粉末を3t/c
2 以上の圧力でCIP成形し、得られた成形体を14
50℃以上の温度で焼結することを特徴とする本発明の
MgOターゲットの製造方法により製造することができ
る。
【0017】本発明では、高純度MgO粉末を3t/c
2 以上の高圧でCIP成形するため、高純度で相対密
度60%以上の高密度成形体を得ることができる。この
高密度成形体を1450℃以上で焼結することにより、
焼結助剤を用いることなく、従って、不純物の混入の問
題もなく、相対密度99%以上の著しく緻密な高密度か
つ高純度なMgOターゲットを得ることができる。
【0018】本発明の高密度MgOターゲットであれ
ば、スパッタ法により高い成膜速度で成膜することがで
きるが、特に、本発明のMgOターゲットでは高密度化
により強度、耐パワー性が向上しており、大出力での成
膜が可能である。このため、本発明のMgOターゲット
では、通常の出力で従来よりも高い成膜速度が得られ、
また、大出力での成膜も可能であるため、大出力成膜で
より一層成膜を高速化できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0020】本発明のMgOターゲットは、平均粒径
0.1〜2μmの高純度MgO粉末を用い、3t/cm
2 以上でCIP成形し、1450℃以上で焼結すること
により得られる、相対密度99%以上に緻密化された高
密度・高純度MgO焼結体よりなり、このようなMgO
ターゲットでスパッタ成膜することにより、500Å/
minという従来よりも著しく高い成膜速度で、結晶性
が良く均一な膜厚のMgO膜を成膜することができる。
【0021】次に、このような本発明のMgOターゲッ
トを製造する本発明のMgOターゲットの製造方法の好
適例について説明する。
【0022】まず、平均粒径0.1〜2μmの高純度M
gO粉末に、バインダーを所定割合で混合し、エタノー
ル等の分散媒を用いて濃度60%以上、好ましくは70
〜75%のスラリーを調製し、常法に従ってスプレード
ライヤで造粒する。そして、得られた造粒粉を3t/c
2 以上の圧力でCIP成形し、得られた成形体を、大
気中、真空中、又は不活性雰囲気中、1450℃以上の
温度で焼結する。
【0023】原料の高純度MgO粉末としては、MgO
純度99.5%以上、特に99.9%以上の高純度Mg
O粉末を用いるのが好ましい。この高純度MgO粉末の
平均粒径が0.1μm未満であると、粉末のハンドリン
グが悪く、高濃度(70%以上)スラリーの調製が困難
であり、良好な造粒粉が製造できず、結果として、高密
度の成形体及び焼結体が得られない。特に、大型品を製
造する場合には、密度の問題の他に反りが大きくなり、
後加工に時間がかかる。また、高純度MgO粉末の平均
粒径が2μmを超えると、微構造の制御が難しく、緻密
な焼結体が得られない。
【0024】なお、バインダーとしては、非水系用バイ
ンダーを用いることができ、その添加量は、高純度Mg
O粉末に対して0.5〜3.0重量%とするのが好まし
い。
【0025】CIP成形に当り、成形圧力が3t/cm
2 未満では、十分に密度の高い成形体を得ることはでき
ず、結果として、得られる焼結体の相対密度が99%よ
りも低いものとなる。3t/cm2 以上の圧力でCIP
成形することにより、密度60%以上の成形体を得るこ
とができ、この成形体によれば、相対密度99%以上の
焼結体を得ることが可能となる。
【0026】焼結温度が1450℃未満では、十分に緻
密化することができず、焼結温度1450℃以上であれ
ば、相対密度99%以上の高密度焼結体を得ることが可
能となる。焼結温度は特に1500〜1600℃とする
のが好ましい。
【0027】なお、本発明において、MgO粉末からの
原料調製は、前記のようにスプレードライ造粒でなく、
仮焼粉によるものでも構わない。
【0028】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】実施例1〜4、比較例1〜4 原料に宇部化学社製高純度MgO粉末(MgO純度9
9.9%、平均粒径0.2μm)を用い、この粉末にバ
インダー(三洋化成社製「PEG−200」)を3重量
%添加し、エタノールを分散媒としてボールミルにより
24時間湿式混合して造粒用スラリーを調製した。得ら
れたスラリーをスプレードライ造粒(乾燥塔温度70
℃)し、平均粒径80μmの造粒粉末を得た。この造粒
粉末を表1に示す圧力でCIP成形し、直径165mm
で厚さ10mmの成形体を作製した。この成形体の密度
は表1に示す通りである。この成形体を表1に示す温度
で大気中にて3時間焼結して焼結体を得た。得られた焼
結体について、密度及び曲げ強度を測定した。曲げ強度
の測定方法は、JIS R 1601に準拠した。
【0030】表1に焼結体密度と曲げ強度の測定結果を
示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、3t/cm2
上でCIP成形した成形体を焼結温度1450℃以上で
焼結することにより、相対密度99%以上のほぼ理論密
度に達した緻密な焼結体が得られる。また、これらの焼
結体のうち最も高い密度を有した実施例4の1650℃
焼結体は、従来のMgO焼結体の2〜3倍の曲げ強度を
示した。
【0033】この実施例4の1650℃焼結体を研削加
工で直径125mm、厚さ5mmのサイズとし、表面を
#400に仕上げた後、Cu製バックプレートをボンデ
ィングして成膜評価を行った。
【0034】成膜条件はRFスパッタ1500W、T/
S5cm、基板温度300℃、ガス圧10mmTorr
とし、雰囲気はAr又はAr+O2 (混合比1:1)の
2種類とした。得られた膜はHe−Xeレーザ(632
8Å)のエリプソにより膜厚測定を行い、成膜速度を求
めた。また同時に吸収係数を求めた。比較のため比較例
2で得られた焼結体についてもAr雰囲気で同様に成膜
評価を行った。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2より明らかなように、本発明のMgO
ターゲットの成膜速度は、いずれの雰囲気でも500Å
/min以上であり、従来のMgOターゲットの5〜7
倍の高い成膜速度となっている。また、得られたMgO
膜の吸収係数から、いずれの雰囲気で得られた膜も結晶
性は極めて良いことがわかる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、不
純物が少なく、高密度であることにより、スパッタ成膜
で従来の5倍以上の高速成膜で良好な膜質のMgO膜を
成膜可能なMgOターゲットが提供される。
【0038】スパッタ法はEB蒸着法に比べて大面積へ
の均一成膜が容易であることから、本発明は、PDPの
大型化に対応可能な基板成膜技術として工業的に極めて
有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対密度99%以上のMgO焼結体より
    なり、Ar雰囲気或いはAr−O2 混合雰囲気中でのス
    パッタ成膜において500Å/min以上の成膜速度が
    得られることを特徴とするMgOターゲット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のMgOターゲットを製
    造する方法であって、平均粒径0.1〜2μmの高純度
    MgO粉末を3t/cm2 以上の圧力でCIP成形し、
    得られた成形体を1450℃以上の温度で焼結すること
    を特徴とするMgOターゲットの製造方法。
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