JP5516838B2 - ZnO蒸着材の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕透明導電膜の成膜に用いられるZnO蒸着材であって、ZnO純度が98%以上のZnO焼結体からなり、該焼結体がY、La、Sc、Ce、Pr、Nd、PmおよびSmの群から選ばれた1種または2種以上の添加元素を含有し、上記添加元素の含有量が2〜20質量%であり、かつ該焼結体が3〜50%の気孔率を有し、平均気孔径0.1〜500μmの気孔を有する多孔質焼結体からなるZnO蒸着材を製造する方法であって、(I)純度98%以上であって平均粒径は0.1〜10μmのZnO粉末と、平均粒径が0.01〜1μmの上記添加元素の酸化物粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度30〜75質量%のスラリーを調製する工程と、(II)該スラリーに気体を吹込んでガス含有スラリーを得る工程と、(III)該ガス含有スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る工程と、(IV)該多孔質造粒粉末を成形して多孔質成形体を得る工程と、(V)該多孔質成形体を所定温度で焼結してZnO多孔質焼結体を得る工程とを有することを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。
〔2〕上記[1]に記載する製造方法において、上記(II)(III)の工程に代え、(II-2)原料粉末またはスラリーに発泡剤を混入して発泡剤含有スラリーを得る工程と、(III-2)該発泡剤含有スラリーを噴霧乾燥しつつ発泡させて平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る工程を有するZnO蒸着材の製造方法。
〔3〕上記[1]に記載する製造方法において、上記(II)〜(V)の工程に代え、(II-3)原料粉末またはスラリーに焼成時に揮発分解する添加剤を混入して添加剤含有スラリーを得る工程と、(III-3)該添加剤含有スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの造粒粉末を得る工程と、(IV-3)該造粒粉末を成形して成形体を得る工程と、(V-3)上記添加剤を揮発分解させつつ焼結してZnO多孔質焼結体を得る工程を有するZnO蒸着材の製造方法。
上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する方法によって製造されたZnO蒸着材をターゲット材として、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、またはプラズマ蒸着法によってZnO膜を形成する方法。
〔ZnO蒸着材〕
本発明のZnO蒸着材は、透明導電膜の成膜に用いられるZnO蒸着材であって、ZnO純度が98%以上のZnO焼結体からなり、該焼結体がY、La、Sc、Ce、Pr、Nd、PmおよびSmの群から選ばれた1種または2種以上の添加元素を含有し、上記添加元素の含有量が2〜20質量%であり、かつ該焼結体が3〜50%の気孔率を有し、平均気孔径0.1〜500μmの気孔を有する多孔質焼結体であることを特徴とする。
〔製造方法〕
本発明に係るZnO蒸着材は、純度98%以上のZnO粉末と、上記添加元素の酸化物粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度30〜75質量%のスラリーを調製する工程と、該スラリーに気体を吹込んでガス含有スラリーを得る工程と、該ガス含有スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る工程と、該多孔質造粒粉末を成形して多孔質成形体を得る工程と、該多孔質成形体を所定温度で焼結してZnO多孔質焼結体を得る工程とによって製造することができる。
ZnO粉末93.8g、CeO2粉末6.2gからなる原料粉末100gに、バインダとしてポリビニルブチラールを1質量%添加し、さらに分散媒としてメタノール変性アルコールを加えて、濃度30質量%のスラリーとした。次いで、このスラリーをボールミルに入れ、空気を吹き込んで湿式混合し、ガス含有スラリーとした。このスラリーを真空乾燥機にて80℃で分散媒を気化させ、引き続き乾式解砕して、平均粒径200μmの多孔質造粒粉末を得た。この造粒粉末を加圧成形し、この成形体を焼成して多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてSc2O3粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて発泡剤を添加した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてY2O3粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて発泡剤を添加した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてLa2O3粉末5.8gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて焼成時に揮発分解する添加剤を加えた以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてPr6O11粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて焼成時に揮発分解する添加剤としてスターチを用いた焼成時に揮発分解する添加剤を加えた以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてNd2O3粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて焼成時に揮発分解する添加剤を用いた以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてPm2O3粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代えて発泡剤を添加した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
CeO2粉末に代えてSm2O3粉末5.0gを用い、スラリーへの空気吹き込みに代え、ZnO粉末を篩い分けし、平均粒径60μmおよび粒度分布が55〜65μmの範囲内に含まれるZnO粉末とした。このZnO粉末と酸化Sm粉末の混合原料粉末に、バインダとしてポリビニルブチラールを1質量%添加し、有機溶媒としてメタノール変性アルコールを30質量%添加し、それらを混合してZnO粉末の濃度が30質量%のスラリーを調整した。次いでこのスラリーを噴霧乾燥させて平均粒径200μmの多孔質造粒粉末を得た。この造粒粉末を加圧成形し、この成形体を焼成して多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
実施例1と同様の原料粉末を用い、スラリーへの空気導入、発泡剤の添加、焼成時に揮発分解する添加剤の使用の何れも行わない以外は実施例1と同様にしてスラリーを調製し、このスラリーを噴霧乾燥させて平均粒径200μmの造粒粉末を得た。この造粒粉末を加圧成形し、この成形体を焼成して焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
ZnO粉末100gを用い、添加元素の酸化物粉末を加えない以外は実施例1と同様にしてスラリーを調製し、このスラリーを噴霧乾燥させて平均粒径200μmの造粒粉末を得た。この造粒粉末を加圧成形し、この成形体を焼成して焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。このZnO蒸着材を用い、ZnO膜を形成した。
実施例1〜5のZnO蒸着材、比較例1〜3のZnO蒸着材を用い、蒸着試験を行った。電子ビーム蒸着装置のハース(直径50mm、深さ25mm)にサンプルの蒸着材を仕込み、到達真空度2.66×10-4Pa(2.0×10-6Torr)、O2分圧1.33×10-2Pa(1.0×10-4Torr)の雰囲気に調整し、加速電圧10kV、ビームスキャンエリア約40mmφの電子ビームを照射してZnO蒸着材を加熱し、ZnO膜を形成した。なお、蒸発速度はハースの斜め上方向に設置した水晶子膜厚モニタにより測定した。この結果を表2に示す。
実施例1〜5、比較例1、2の試料について、耐湿試験を行った。耐湿性試験は、湿度60%、温度90℃の雰囲気で2000時間まで測定した。各時間における膜の比抵抗を測定した。この結果を表3に示した。
Ce含有量0.2質量%、Nd含有量0.1質量%、気孔率10〜29%になるように調整した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。
Ce含有量14.9質量%、Pm含有量10質量%、気孔率10〜31%になるように調整した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。
気孔率が2%になるように調整した以外は実施例6〜8と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。
気孔率が2%になるように調整した以外は実施例9〜11と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。
Ce含有量20質量%、Sm含有量15質量%、気孔率8〜30%になるように調整した以外は実施例1と同様にして多孔質焼結体ペレット(ZnO蒸着材)を製造した。
Claims (3)
- 透明導電膜の成膜に用いられるZnO蒸着材であって、ZnO純度が98%以上のZnO焼結体からなり、該焼結体がY、La、Sc、Ce、Pr、Nd、PmおよびSmの群から選ばれた1種または2種以上の添加元素を含有し、上記添加元素の含有量が2〜20質量%であり、かつ該焼結体が3〜50%の気孔率を有し、平均気孔径0.1〜500μmの気孔を有する多孔質焼結体からなるZnO蒸着材を製造する方法であって、(I)純度98%以上であって平均粒径は0.1〜10μmのZnO粉末と、平均粒径が0.01〜1μmの上記添加元素の酸化物粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度30〜75質量%のスラリーを調製する工程と、(II)該スラリーに気体を吹込んでガス含有スラリーを得る工程と、(III)該ガス含有スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る工程と、(IV)該多孔質造粒粉末を成形して多孔質成形体を得る工程と、(V)該多孔質成形体を所定温度で焼結してZnO多孔質焼結体を得る工程とを有することを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。
- 請求項1に記載する製造方法において、上記(II)(III)の工程に代え、(II-2)原料粉末またはスラリーに発泡剤を混入して発泡剤含有スラリーを得る工程と、(III-2)該発泡剤含有スラリーを噴霧乾燥しつつ発泡させて平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る工程を有するZnO蒸着材の製造方法。
- 請求項1に記載する製造方法において、上記(II)〜(V)の工程に代え、(II-3)原料粉末またはスラリーに焼成時に揮発分解する添加剤を混入して添加剤含有スラリーを得る工程と、(III-3)該添加剤含有スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの造粒粉末を得る工程と、(IV-3)該造粒粉末を成形して成形体を得る工程と、(V-3)上記添加剤を揮発分解させつつ焼結してZnO多孔質焼結体を得る工程を有するZnO蒸着材の製造方法。
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