JP2005264246A - 蒸着材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた耐熱衝撃性を有する蒸着材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の蒸着材は、多孔質酸化物系セラミック焼結体(安定化ジルコニア等)からなり、気孔率が20%以上(好ましくは30〜60%)であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上(特に30〜95%)であることを特徴とする。また、本発明の蒸着材の製造方法は、酸化物系セラミック粉末(ジルコニア粉末等)と造孔剤(ポリスチレンビーズ、炭素粉末等)とを含有する原料混合物を所定形状(円柱形等)に成形し、その後、焼成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の蒸着材は、多孔質酸化物系セラミック焼結体(安定化ジルコニア等)からなり、気孔率が20%以上(好ましくは30〜60%)であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上(特に30〜95%)であることを特徴とする。また、本発明の蒸着材の製造方法は、酸化物系セラミック粉末(ジルコニア粉末等)と造孔剤(ポリスチレンビーズ、炭素粉末等)とを含有する原料混合物を所定形状(円柱形等)に成形し、その後、焼成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は蒸着材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、優れた耐熱衝撃性を有し、蒸着源として用いられる蒸着材に高い耐熱衝撃性が要求される蒸着法、特に、電子ビーム物理蒸着法(以下、「EB−PVD法」という。)において用いることができる蒸着材及びその製造方法に関する。
近年、電子ビームを用いることにより、高融点の酸化物を溶融させ、物理蒸着させるEB−PVD法による各種のコーティング材料の開発がなされている。このEB−PVD法は、蒸着材に強力な電子ビームを照射し、蒸着材を溶融させ、気化させて、基材に蒸着膜を形成する方法である。均質な蒸着膜を形成するには、電子ビームの照射により溶融する蒸着材の溶融面を均一な状態に保持し、溶融面からの酸化物の蒸発を安定させる必要がある。しかし、電子ビームの照射により溶融する際に蒸着材に割れが生じることがあり、このような割れが発生した場合、融液が割れた部分に流れ込み、均一な溶融プールを保持することができなくなり、均質な蒸着膜を形成することができず問題となっている。
蒸着材の割れは、電子ビームが照射された部分が急激に昇温し、焼結が進行して焼結収縮し、電子ビームが照射されない部分、即ち、急激に昇温しない部分との収縮差のため発生するものである。このような電子ビーム照射時に発生する割れを防止するため、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)。特許文献1には、平均粒子径0.1〜10μmの酸化ジルコニウムに、酸化イットリウム及び/又は酸化セリウムを加えた混合粉末を、全体の70%以上が45〜300μmの粒径となるように造粒し、熱処理を行い、球状集合粉粒体全体の50%以上が45〜300μmとなるジルコニア粉粒を焼結してなる焼結体であり、気孔率は25〜50%で、且つ0.1〜5.0μmの気孔径が全気孔の70%以上を占めるジルコニア質多孔焼結体からなる蒸着材が開示されている。
また、特許文献2には、単斜晶の含有率が25〜70%でかつ正方晶の含有率が3%以下であり、残部が立方晶であり、また嵩密度が3.0〜5.0g/cm3で、気孔率が15〜50%、気孔のモード径が0.5〜3μmでありかつ0.1〜5μmの気孔体積が全気孔体積の90%以上を占める安定化剤を含むジルコニア焼結体からなる蒸着材が開示されている。更に、特許文献3には、安定化剤とジルコニア粉末からなる成形体であり、造粒体と、造粒体を形成しない粒子との混合物で、造粒体の粒径は20μm以上300μm以下でその割合が20%以上90%以下で、かつ、その結晶系は70%以上の単斜晶と立方晶で、造粒体を形成する粒子の平均粒径が0.5μm以上15μm以下である成形体からなる蒸着材が開示されている。
電子ビーム照射時に発生する割れを防止するための上記の方法によれば、蒸着材の耐熱衝撃性が向上し、割れの発生を抑えることができる。しかし、いずれの方法も安定化ジルコニアからなる蒸着材に関するものであり、それ以外の材質からなる蒸着材には全く応用することができない。また、上記の従来の方法では、蒸着材を作製する際の粉粒体等の粒径及び単斜晶率等の制御が煩雑であり、数度の熱処理が必要なときもあり、その場合は多くの操作、工程が必要である。
本発明は上記の従来の問題を解決するものであり、複酸化物を含む各種の酸化物系セラミック焼結体からなり、特に、優れた耐熱衝撃性が必要とされるEB−PVD法においても用いることができる蒸着材、及びこの蒸着材の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の従来の問題を解決するものであり、複酸化物を含む各種の酸化物系セラミック焼結体からなり、特に、優れた耐熱衝撃性が必要とされるEB−PVD法においても用いることができる蒸着材、及びこの蒸着材の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.多孔質酸化物系セラミック焼結体からなり、気孔率が20%以上であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上であることを特徴とする蒸着材。
2.上記断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2である上記1.に記載の蒸着材。
3.上記1.又は2.に記載の蒸着材の製造方法であって、酸化物系セラミック粉末と造孔剤とを含有する原料混合物を所定形状に成形し、その後、焼成することを特徴とする蒸着材の製造方法。
4.上記造孔剤の平均粒径が5〜50μmであり、且つ上記酸化物系セラミック粉末と該造孔剤との合計を100体積%とした場合に、該造孔剤は30〜70体積%である上記3.に記載の蒸着材の製造方法。
5.上記酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下である上記3.又は4.に記載の蒸着材の製造方法。
1.多孔質酸化物系セラミック焼結体からなり、気孔率が20%以上であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上であることを特徴とする蒸着材。
2.上記断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2である上記1.に記載の蒸着材。
3.上記1.又は2.に記載の蒸着材の製造方法であって、酸化物系セラミック粉末と造孔剤とを含有する原料混合物を所定形状に成形し、その後、焼成することを特徴とする蒸着材の製造方法。
4.上記造孔剤の平均粒径が5〜50μmであり、且つ上記酸化物系セラミック粉末と該造孔剤との合計を100体積%とした場合に、該造孔剤は30〜70体積%である上記3.に記載の蒸着材の製造方法。
5.上記酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下である上記3.又は4.に記載の蒸着材の製造方法。
本発明の蒸着材は、優れた耐熱衝撃性を有し、特に、蒸着材に高い耐熱衝撃性が要求されるEB−PVD法において用いることができる。
また、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2である場合は、優れた耐熱衝撃性とともに強度の大きい蒸着材とすることができる。
本発明の蒸着材の製造方法によれば、優れた耐熱衝撃性を有する蒸着材を、簡易な操作、工程で容易に製造することができる。
更に、造孔剤の平均粒径が5〜50μmであり、且つ酸化物系セラミック粉末と造孔剤との合計を100体積%とした場合に、造孔剤は30〜70体積%である場合は、断面積20μm2以上の気孔が所定の割合で形成された蒸着材を容易に製造することができる。
また、酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下である場合は、優れた耐熱衝撃性を有するとともに強度の大きい蒸着材とすることができる。
また、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2である場合は、優れた耐熱衝撃性とともに強度の大きい蒸着材とすることができる。
本発明の蒸着材の製造方法によれば、優れた耐熱衝撃性を有する蒸着材を、簡易な操作、工程で容易に製造することができる。
更に、造孔剤の平均粒径が5〜50μmであり、且つ酸化物系セラミック粉末と造孔剤との合計を100体積%とした場合に、造孔剤は30〜70体積%である場合は、断面積20μm2以上の気孔が所定の割合で形成された蒸着材を容易に製造することができる。
また、酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下である場合は、優れた耐熱衝撃性を有するとともに強度の大きい蒸着材とすることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
上記「多孔質酸化物系セラミック焼結体」を形成する酸化物系セラミックは特に限定されない。この酸化物系セラミックとしては、マグネシア、カルシア、及びイットリア、スカンジア、酸化ランタン等の希土類酸化物などの安定化剤により立方晶構造が常温付近まで安定して維持される完全安定化ジルコニア、安定化剤を減量することで安定相である立方晶の比率が減少し常温付近では単斜晶が生成する部分安定化ジルコニア、アルミナ、セリア、チタニア、イットリア、シリカ及び酸化亜鉛等が挙げられる。また、La2Zr2O7、(Ce,Sm)O2、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、Pb(Zr,Ti)O3、BaTiO3、Y3Al5O12、Y3Fe5O12、(La,Sr)(Ga,Mg)O3及びITO(インジウム錫酸化物)等の複酸化物が挙げられる。
上記「多孔質酸化物系セラミック焼結体」を形成する酸化物系セラミックは特に限定されない。この酸化物系セラミックとしては、マグネシア、カルシア、及びイットリア、スカンジア、酸化ランタン等の希土類酸化物などの安定化剤により立方晶構造が常温付近まで安定して維持される完全安定化ジルコニア、安定化剤を減量することで安定相である立方晶の比率が減少し常温付近では単斜晶が生成する部分安定化ジルコニア、アルミナ、セリア、チタニア、イットリア、シリカ及び酸化亜鉛等が挙げられる。また、La2Zr2O7、(Ce,Sm)O2、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、Pb(Zr,Ti)O3、BaTiO3、Y3Al5O12、Y3Fe5O12、(La,Sr)(Ga,Mg)O3及びITO(インジウム錫酸化物)等の複酸化物が挙げられる。
この多孔質酸化物系セラミック焼結体の上記「気孔率」は20%以上である。この気孔率は、30〜60%、特に35〜55%であることが好ましい。気孔率が20%未満であると、形成された気孔による割れ防止の作用が得られず、蒸着材に電子ビームを照射した際に割れが発生し、均一な溶融プールを保持することができない。また、気孔率が60%以下であれば、強度の大きい蒸着材とすることができ、その取り扱いも容易である。更に、気孔率が60%以下であれば、蒸着材の単位体積に多孔質酸化物系セラミック焼結体が十分に含有され、長時間の蒸着に用いることができるため好ましい。
また、多孔質酸化物系セラミック焼結体に形成された気孔のうちで、断面積が20μm2以上の上記「気孔」の合計断面積は、全気孔の合計断面積の30%以上である。この断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積は、35%以上、特に40%以上、更に50%以上(通常、95%以下である。)とすることができる。径の小さい気孔、即ち、断面積の小さい気孔は、電子ビームを照射した際の温度上昇によって消失し易い。そのため、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が30%未満であると、言い換えれば、径の小さい気孔が多いと、電子ビーム照射により多くの気孔が焼失する。その結果、多孔質酸化物系セラミック焼結体における気孔数が過少となり、即ち、気孔率が低下し、電子ビームが照射され、焼結が進んで焼結収縮を生じる部分が多くなり、電子ビームが照射されていない部分との収縮差により蒸着材に割れが発生し易くなる。一方、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30〜95%、特に50〜90%であれば、十分な強度を有し、且つ電子ビームを照射した際の割れの発生も防止され、均一な溶融プールが保持される。
断面積が20μm2以上の気孔の断面積は特に限定されないが、20〜2000μm2であることが好ましく、50〜1500μm2、特に100〜1000μm2であることがより好ましい。断面積が20μm2以上の気孔の断面積が20〜2000μm2であれば、蒸着材に電子ビームを照射した際の割れの発生を十分に防止することができ、均一な溶融プールを保持することができる。更に、十分な強度を有する蒸着材とすることができ、取り扱いも容易である。また、断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積も特に限定されないが、50〜1800μm2であることが好ましく、100〜1400μm2、特に150〜1000μm2であることがより好ましい。断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2であれば、十分な強度を有し、蒸着材に電子ビームを照射した際の割れの発生を十分に防止することができる。
気孔率及び各々の気孔の断面積は、蒸着材を切断又は破砕等して、断面を観察することができる試片を作製し、この断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡等を用いて観察することにより測定することができる。本発明では、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積の、全気孔の合計断面積に対する割合は、円板状の蒸着材を円心を通る直線に沿って径方向に切断し、露出された方形の断面において径方向に等間隔に10点の視野(各々の視野の面積は150×200μmとする。)を顕微鏡により観察し、それぞれの視野におけるすべての気孔の面積を画像解析等の方法によって測定し、その後、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積の、全気孔の合計断面積に対する割合を算出し、次いで、10点の各々の視野における割合を算術平均することにより求める。また、断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積は、それぞれの視野における断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積を個数によって除して平均断面積を算出し、その後、10点の各々の視野における平均断面積を算術平均することにより求める。更に、気孔率は、焼結体の重量と体積とを測定し、この重量と体積とから焼結体の密度を算出し、この密度をX線密度で除して相対密度(%)を求め、この相対密度の値を100から減じて算出する。
気孔の断面は種々の形状を有しているが、通常、円、楕円に近似した形状、扁平な形状、及び複数の気孔が連なった帯状の形状等が多い。気孔の断面積という場合、この複数の気孔が連なった帯状の形状の気孔も1個の気孔として断面積を測定する。また、本発明の蒸着材では、このように複雑な形状の気孔があり、且つ大径の気孔も多いが、上記の方法によれば気孔の断面積をより正確に測定することができる。
本発明の蒸着材の製造方法は特に限定されないが、酸化物系セラミック粉末と造孔剤とを含有する原料混合物を成形し、焼成して製造することができる。
上記「造孔剤」は、多孔質酸化物系セラミック焼結体に断面積が20μm2以上の気孔を形成することができるものであればよく、特に限定されない。この造孔剤としては、ポリスチレンビーズ、アクリル粉末、樟脳、ポリエチレン等の有機物、及び炭素粉末などの、焼成時に、燃焼、気化又は昇華等により逸散する物質、並びにモリブデン及びタングステン等の焼成により酸化物となって揮散する金属粉末等が挙げられる。これらは焼結体中に残留しない。この造孔剤の形状は特に限定されず、球形、楕円形、平板状(この場合、平面形状としては、円形、楕円形、不定形等が挙げられる。)、針状等のいずれであってもよい。
上記「造孔剤」は、多孔質酸化物系セラミック焼結体に断面積が20μm2以上の気孔を形成することができるものであればよく、特に限定されない。この造孔剤としては、ポリスチレンビーズ、アクリル粉末、樟脳、ポリエチレン等の有機物、及び炭素粉末などの、焼成時に、燃焼、気化又は昇華等により逸散する物質、並びにモリブデン及びタングステン等の焼成により酸化物となって揮散する金属粉末等が挙げられる。これらは焼結体中に残留しない。この造孔剤の形状は特に限定されず、球形、楕円形、平板状(この場合、平面形状としては、円形、楕円形、不定形等が挙げられる。)、針状等のいずれであってもよい。
造孔剤の平均粒径も特に限定されないが、平均粒径が5〜50μm、特に10〜45μm、更に15〜40μmの造孔剤を用いることが好ましい。造孔剤の平均粒径が5〜50μmであれば、断面積が20μm2以上、特に20〜2000μm2の気孔を容易に形成することができる。尚、この平均粒径は、造孔剤が球形であるときは直径、その他の形状であるときは、最大径と最小径との平均値であるとする。更に、原料混合における造孔剤の含有量も特に限定されないが、酸化物系セラミック粉末と造孔剤との合計を100体積%とした場合に、造孔剤は30〜70体積%であることが好ましい、造孔剤の含有量が30〜70体積%であれば、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上である酸化物系セラミック焼結体を安定して製造することができる。尚、酸化物系セラミック粉末及び造孔剤の各々の体積は、それぞれの重量を各々のX線密度で除することにより求めることができる。
また、酸化物系セラミック粉末の一次粒子径は10μm以下であることが好ましい。この一次粒子径は、7μm以下、特に5μm以下、更に3μmであることがより好ましく、2μm以下、特に1μm以下、更に0.5μm以下とすることもできる。酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下であれば、強度が大きく、電子ビームを照射しても形状が保持され、取り扱い易い蒸着材とすることができる。
以下、本発明の蒸着材の製造方法について説明する。
酸化物系セラミック粉末、造孔剤及びその他の原料をボールミル等の混合機に投入し、混合する。その他の原料は特に限定されないが、例えば、有機バインダ、分散剤及び脱泡剤等を配合することができる。有機バインダを配合することにより所定形状の成形体とする際の成形性を向上させることができる。更に、混合方法は乾式でも湿式でもよいが、水及びエタノール等の溶媒を用いた湿式法により混合されることが多い。尚、湿式法により混合した場合は、混合後に乾燥し、溶媒を除去する。乾燥方法としては、スプレードライ法、振動流動乾燥法、湯煎乾燥法等が挙げられる。この乾燥により粒状体が形成されるが、その形状、寸法は特に限定されず、粒状体が十分に乾燥されておればよい。
酸化物系セラミック粉末、造孔剤及びその他の原料をボールミル等の混合機に投入し、混合する。その他の原料は特に限定されないが、例えば、有機バインダ、分散剤及び脱泡剤等を配合することができる。有機バインダを配合することにより所定形状の成形体とする際の成形性を向上させることができる。更に、混合方法は乾式でも湿式でもよいが、水及びエタノール等の溶媒を用いた湿式法により混合されることが多い。尚、湿式法により混合した場合は、混合後に乾燥し、溶媒を除去する。乾燥方法としては、スプレードライ法、振動流動乾燥法、湯煎乾燥法等が挙げられる。この乾燥により粒状体が形成されるが、その形状、寸法は特に限定されず、粒状体が十分に乾燥されておればよい。
この乾燥後の粒状体を用いて所定形状の成形体に成形する。この際、粒状体の最大寸法が数mm以上と過大であるときは、成形し易い寸法となるように粉砕し後、成形することが好ましい。成形方法は特に限定されず、金型を用いた圧縮成形法、冷間静水圧加圧法等により成形することができる。この成形の後、成形体を焼成し、焼結体とする。焼成温度は酸化物系セラミックの種類によっても異なるが、所定の気孔率及び気孔断面積を有する蒸着材とすることができる範囲において、できる限り高温で焼成することが好ましい。高温で焼成することにより、緻密で強度が大きく、より割れが発生し難い蒸着材とすることができる。また、焼成前にバインダの除去が必要な場合は、焼成温度より低い温度で加熱する脱脂工程を備えていてもよい。
本発明の蒸着材の製造方法によれば、部分安定化ジルコニアからなる蒸着材の場合でも、単斜晶率の制御等の煩雑な操作を必要とせず、簡便な操作、工程で、強度が大きく、電子ビームを照射した際に割れが発生し難い蒸着材を容易に製造することができる。更に、部分安定化ジルコニアに比較して強度が小さく、且つ焼結し易いため、電子ビームの照射による収縮差によって割れが発生し、蒸着材とすることが容易ではないとされている立方晶系の完全安定化ジルコニアの場合でも、電子ビームを照射した際に割れが発生し難い蒸着材を容易に製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmのポリスチレンビーズ(造孔剤)59gと、ポリビニルブチラール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒としてエタノールを配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーを振動乾燥により乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1500℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の前記の方法により算出した気孔率は40%であった。また、前記の方法により走査型電子顕微鏡を用いて測定した断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の70%であり、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は460μm2であった。この焼結体を蒸着材としてEB−PVD法により基材である金属板及びセラミック板の表面に蒸着したところ(装置;アルデンヌ社製、型式「TUBA 150」、出力;25kW)、金属板及びセラミック板のいずれの場合も、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例1
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmのポリスチレンビーズ(造孔剤)59gと、ポリビニルブチラール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒としてエタノールを配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーを振動乾燥により乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1500℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の前記の方法により算出した気孔率は40%であった。また、前記の方法により走査型電子顕微鏡を用いて測定した断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の70%であり、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は460μm2であった。この焼結体を蒸着材としてEB−PVD法により基材である金属板及びセラミック板の表面に蒸着したところ(装置;アルデンヌ社製、型式「TUBA 150」、出力;25kW)、金属板及びセラミック板のいずれの場合も、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
尚、この実施例1の円板状の蒸着材を円心を通る直線に沿って径方向に切断し、露出された方形の断面において径方向に等間隔に観察した10点の視野(各々の視野の面積は150×200μmである。)のうちの径方向の一端側の視野を観察した結果を出力したものが図1の説明図である。また、この一端側から5個目の中央部の視野を観察した結果を出力したものが図2の説明図である。
実施例2
ポリスチレンビーズの配合量を39gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が25%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の50%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が180μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
ポリスチレンビーズの配合量を39gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が25%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の50%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が180μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例3
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmの炭素粉末(造孔剤)109gと、ポリビニルアルコール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒として水を配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーをスプレードライヤにより乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を1500℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は40%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は400μm2であった。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmの炭素粉末(造孔剤)109gと、ポリビニルアルコール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒として水を配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーをスプレードライヤにより乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を1500℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は40%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は400μm2であった。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例4
造孔剤としてアクリル粉末を使用し、その配合量を45gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が38%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の68%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が380μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
造孔剤としてアクリル粉末を使用し、その配合量を45gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が38%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の68%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が380μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例5
造孔剤として平均粒径30μmのポリスチレンビーズを使用した他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が40%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の75%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が800μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
造孔剤として平均粒径30μmのポリスチレンビーズを使用した他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が40%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の75%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が800μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例6
酸化物系セラミック粉末として、8モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が46%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が450μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末として、8モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が46%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が450μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例7
酸化物系セラミック粉末としてAl2O3からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を90gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が630μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を10kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末としてAl2O3からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を90gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が630μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を10kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例8
酸化物系セラミック粉末として、4モル%のY2O3及び5モル%のLa2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が45%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が590μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末として、4モル%のY2O3及び5モル%のLa2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が45%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が590μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例9
酸化物系セラミック粉末として、La2Zr2O7からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の50%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が720μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末として、La2Zr2O7からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用いた他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の50%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が720μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例10
酸化物系セラミック粉末として、CeO2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を50gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が600μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末として、CeO2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を50gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が48%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が600μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例11
酸化物系セラミック粉末として、(Ce,Sm)O2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を50gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が45%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の66%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が530μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
酸化物系セラミック粉末として、(Ce,Sm)O2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を50gとした他は、実施例1と同様にしてスラリーを調製し、実施例1と同様にして成形し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が45%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の66%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が530μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生は見られず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例12
(La,Sr)MnO3からなり、平均一次粒子径が3.0μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmのポリスチレンビーズ(造孔剤)37gと、ポリビニルブチラール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒としてエタノールを配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーを振動乾燥により乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を550℃で2時間加熱して脱脂し、次いで、1300℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は49%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は580μm2であった。この焼結体を蒸着材として、出力を16kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
(La,Sr)MnO3からなり、平均一次粒子径が3.0μmであるセラミック粉末300gと、平均粒径20μmのポリスチレンビーズ(造孔剤)37gと、ポリビニルブチラール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒としてエタノールを配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーを振動乾燥により乾燥して造粒し、次いで、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を550℃で2時間加熱して脱脂し、次いで、1300℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は49%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の65%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は580μm2であった。この焼結体を蒸着材として、出力を16kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例13
(La,Sr)CoO3からなり、平均一次粒子径が2.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を54gとした他は、実施例10と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が700μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
(La,Sr)CoO3からなり、平均一次粒子径が2.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を54gとした他は、実施例10と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が700μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例14
Pb(Zr,Ti)O3からなり、平均一次粒子径が0.5μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を49gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の75%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が490μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
Pb(Zr,Ti)O3からなり、平均一次粒子径が0.5μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を49gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の75%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が490μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例15
BaTiO3からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を59gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が400μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
BaTiO3からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を59gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の70%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が400μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を12kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例16
TiO2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を84gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の80%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が560μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を10kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
TiO2からなり、平均一次粒子径が1.0μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を84gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の80%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が560μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を10kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
実施例17
Y3Al5O12からなり、平均一次粒子径が0.5μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を78gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の80%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が620μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を18kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
Y3Al5O12からなり、平均一次粒子径が0.5μmであるセラミック粉末を用い、また、ポリスチレンビーズの配合量を78gとした他は、実施例12と同様にして成形し、脱脂し、焼成して、実施例1と同様にして測定した気孔率が50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の80%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積が620μm2である焼結体を得た。この焼結体を蒸着材として、出力を18kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
比較例1
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1250℃で3時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は37%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は6μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
尚、この比較例1の円板状の蒸着材を円心を通る直線に沿って径方向に切断し、露出された方形の断面において径方向に等間隔に観察した10点の視野(各々の視野の面積は150×200μmである。)のうちの径方向の一端側から5個目の中央部の視野を観察した結果を出力したものが図4の説明図である。
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1250℃で3時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は37%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は6μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
尚、この比較例1の円板状の蒸着材を円心を通る直線に沿って径方向に切断し、露出された方形の断面において径方向に等間隔に観察した10点の視野(各々の視野の面積は150×200μmである。)のうちの径方向の一端側から5個目の中央部の視野を観察した結果を出力したものが図4の説明図である。
比較例2
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、ポリビニルアルコール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒として水を配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーをスプレードライヤにより乾燥して造粒し、その後、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。次いで、この成形体を大気雰囲気において1300℃で3時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は24%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の20%であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
4モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gと、ポリビニルアルコール(バインダ)3gと、をボールミルに投入し、更に溶媒として水を配合し、12時間湿式混合してスラリーを調製した。その後、スラリーをスプレードライヤにより乾燥して造粒し、その後、この粒状体を用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。次いで、この成形体を大気雰囲気において1300℃で3時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は24%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の20%であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
比較例3
8モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で2時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は39%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は5μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
8モル%のY2O3が配合されたZrO2からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で2時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は39%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は5μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
比較例4
Al2O3からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は30%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は3μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
Al2O3からなり、平均一次粒子径が0.1μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は30%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は3μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
比較例5
(La,Sr)MnO3からなり、平均一次粒子径が2.0μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は24%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は4μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
以上、実施例1〜15及び比較例1〜5の結果を表1に示す。
(La,Sr)MnO3からなり、平均一次粒子径が2.0μmであるセラミック粉末300gを用いて圧縮成形により直径40mm、厚さ20mmの円板状に成形した。その後、この成形体を大気雰囲気において1200℃で1時間保持して焼成した。得られた焼結体の実施例1と同様にして測定した気孔率は24%であり、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されなかった。尚、気孔の平均断面積は4μm2であり、微小な気孔であった。この焼結体を蒸着材として、出力を5kWとした他は実施例1と同様にしてEB−PVD法により蒸着しようとしたところ、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
以上、実施例1〜15及び比較例1〜5の結果を表1に示す。
表1の結果によれば、実施例1〜17の蒸着材では、酸化物系セラミックの種類及びその平均粒径によらず、また、造孔剤の種類及びPSビーズの配合量によらず、酸化物系セラミック焼結体の気孔率は25〜50%であり、断面積20μm2以上の気孔の合計断面積は、全気孔の合計断面積の50〜80%であって、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積は180〜800μm2である。その結果、実施例1〜17のいずれの酸化物系セラミック焼結体からなる蒸着材の場合も、EB−PVD法により蒸着したところ、電子ビームの照射による割れの発生はみられず、均一な溶融プールを保持することができた。
一方、酸化物系セラミック粉末のみを用いて成形し、焼成してなる比較例1及び3〜5の蒸着材では、気孔率は24〜39%と特に過小ではないが、断面積20μm2以上の気孔はまったく観察されず、気孔の平均断面積は3〜6μm2と微小な気孔であった。また、酸化物系セラミック粉末と、バインダ及び溶媒とを混合し、これを用いて成形し、焼成してなる比較例2の蒸着材では、断面積20μm2以上の気孔が形成されるものの、その合計断面積は、全気孔の合計断面積の20%と少なく、また、断面積20μm2以上の気孔の平均断面積も30μm2と実施例に比べて小さかった。その結果、比較例1〜5のいずれの酸化物系セラミック焼結体からなる蒸着材の場合も、電子ビームの照射直後に割れが発生し、均一な溶融プールを形成することができなかった。
Claims (5)
- 多孔質酸化物系セラミック焼結体からなり、気孔率が20%以上であり、断面積が20μm2以上の気孔の合計断面積が、全気孔の合計断面積の30%以上であることを特徴とする蒸着材。
- 上記断面積が20μm2以上の気孔の平均断面積が50〜1800μm2である請求項1に記載の蒸着材。
- 請求項1又は2に記載の蒸着材の製造方法であって、酸化物系セラミック粉末と造孔剤とを含有する原料混合物を所定形状に成形し、その後、焼成することを特徴とする蒸着材の製造方法。
- 上記造孔剤の平均粒径が5〜50μmであり、且つ上記酸化物系セラミック粉末と該造孔剤との合計を100体積%とした場合に、該造孔剤は30〜70体積%である請求項3に記載の蒸着材の製造方法。
- 上記酸化物系セラミック粉末の一次粒子径が10μm以下である請求項3又は4に記載の蒸着材の製造方法。
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