JP5239222B2 - ZnO蒸着材の製造方法及びZnO膜の製造方法 - Google Patents

ZnO蒸着材の製造方法及びZnO膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電膜の成膜等に好適なZnO蒸着材の製造方法びZnO膜の製造方法に関するものである。
近年、太陽電池などの光電変換装置などを製造する場合には、透明導電膜が不可欠である。従来の透明導電膜としては、ITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物膜)が知られている。ITO膜は、透明性に優れ、低抵抗であるという利点を有する。
一方、太陽電池や液晶表示装置等にあっては、その低コスト化が求められている。しかし、インジウムが高価なことから、ITO膜を透明導電膜として用いると、その太陽電池等も必然的に高価なものになってしまう難点があった。
この点を解消するために、一層安価に作製することのできるAl、B、Siなどの導電活性元素をドープした酸化亜鉛系膜を太陽電池等の透明導電膜として使用することが提案され、この酸化亜鉛系膜を電子ビーム蒸着法や、イオンプレーティング法などでの真空蒸着により形成するための酸化亜鉛系ターゲットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この酸化亜鉛系ターゲットによると、上記導電活性元素を亜鉛に対して所定量含有させることにより極めて低抵抗な酸化亜鉛系焼結体が得られ、この焼結体は、原料粉末が微細で高分散性を有するほど焼結密度が向上し導電性が向上するとされている。
特開平6−2130号公報(特許請求の範囲の請求項2,請求項3及び請求項4)
しかし、電子ビーム蒸着法や、イオンプレーティング法などでの真空蒸着による成膜時、電子銃のフィラメントやアノードは所定期間で交換の必要があるが、このメンテナンス頻度を減じて生産性を向上し製造コストを低減したいという要求があった。このため、電子銃のフィラメントやアノード等にかかる負荷を低減して交換サイクルを長くすることが求められていた。このため、ZnO蒸着材の蒸発効率を向上するとともに、同時に、成膜効率を向上したいという要求もあった。
また、成膜速度を向上するとともに得られた膜の膜密度低下を防止したいという要求があった。このZnOの膜密度が低下した場合、屈折率の低下、耐スパッタ性の低下、放電特性、絶縁性の悪化、等の問題点が発生する可能性があった。
本発明の目的は、蒸着材における単位エネルギーあたりの蒸発量を増大し得るZnO蒸着材の製造方法及びZnO膜の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、蒸発速度を向上するとともに、成膜速度をも向上し得るZnO蒸着材の製造方法及びZnO膜の製造方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、成膜装置への負担を低減し、メンテナンス頻度及びその作業時間の低下を図るとともに、成膜にかかる製造コスト低減又は製造効率を向上し得るZnO蒸着材の製造方法及びZnO膜の製造方法を提供することにある。
求項に係る発明は、ZnOの多孔質焼結体からなり、焼結体が7.2〜14.8%の範囲の気孔率を有し、焼結体が5.3〜15.7μmの範囲の平均気孔径を有し、焼結体が42〜70μmの範囲の平均結晶粒径を有する粒子の焼結体であるZnO蒸着材を製造する方法であって、純度が99.0%以上あって平均粒径が0.1〜10μmであるZnO粉末とバインダと有機溶媒とを混合してZnO粉末の濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する工程と、焼成時に揮発・分解可能な添加剤をそのスラリーに混入して添加剤含有スラリーを得る工程と、その添加剤含有スラリーを添加剤含有スラリーを8〜24時間湿式混合した後、噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの造粒粉末を得る工程と、その造粒粉末を0.98〜9.8MPaの圧力で成形して成形体を得る工程と、添加剤を揮発・分解させつつその成形体を1000〜1300℃の温度で1〜5時間焼結してZnOの多孔質焼結体を得る工程とを有するZnO蒸着材の製造方法である。
この請求項1に記載されたZnO蒸着材の製造方法では、気孔率を7.2〜14.8%とするので、蒸着材内部の比表面積が増大して、蒸着材の蒸発速度を高くすることができる。具体的には、従来のZnO蒸着材に比較して1.1〜2.5倍程度の蒸発速度を得ることが可能となる。
ここで、電子ビームにて加熱し気相状態にすることにより基板に堆積させる電子ビーム法において、多くの場合、蒸着材を電子ビーム蒸着装置の坩堝に順次供給するため蒸着材を小さなペレット状に形成しているが、これはまた、飛散(スプラッシュ)といわれる電子ビーム蒸着法に特有の現象や成膜速度上の観点から蒸着時の最適なサイズ範囲としているためである。同時に、従来の多くの場合、スプラッシュ発生頻度を低減するために、ZnO蒸着材はできるだけ密度の高いものが好ましいとされてきたが、本願発明者らの知見によれば、スプラッシュ程度はペレットサイズに起因する影響がより大きく、気孔率が50%程度まではスプラッシュ程度はあまり変化しないため、実際のZnO膜製造に際しては、蒸発速度を高くして成膜速度を大きくした方が製造コストを低減することが可能となる。
これは、蒸着材の微細構造を、上記の多孔質体であって気孔率を7.2〜14.8%とすることで、蒸着材表面及び内部の比表面積を増大させることにより、電子ビーム等により蒸着材を加熱する際に、ある一定の電子ビーム照射エリアに対して、蒸着材に照射する電子ビームの照射面積が増大し、その結果として、加熱効率が向上したものと考える。しかも表面粗さを大きくしただけでは表面部分が蒸発してしまうとその効果が低下してしまうのに対して、内部状態を本発明の蒸着材のようにした場合には、蒸着材のどの部分であっても加熱効率を高めることのできる表面粗さを有しているのと同じ状態となっているため、高い蒸発速度を維持することができ、その結果、成膜速度を向上することが可能になると思われる。ここで、蒸着材内部の比表面積が大きいとは、蒸着材内部に球形や多角形の気孔が蒸着材全体に分散した構造をいう。
また、このZnO蒸着材の製造方法では、気孔の平均気孔径を5.3〜15.7μmとすることによって、蒸発速度を高くすることが可能となる。
ここで、気孔の形状は、丸みを帯びたものが好ましく、気孔の表面に更に細かい気孔が形成されている方が蒸発速度向上のためには好ましい。
また、本発明の製造方法で得られるZnO蒸着材は、気孔以外の部分(骨部分)はほぼ焼結している状態にあり、例えば、多孔質焼結体の骨部分の密度は98%以上であることが好ましい。
なお、気孔径(気孔の内径)とは、例えばTEM等の観察手段によって蒸着材断面部分を観察した際に、存在する気孔においてその内部寸法のうち最大のものを意味する。この気孔の評価方法としては、置換法による気孔率の測定、顕微鏡法による気孔率の測定、ガス吸着による表面積及び細孔分布の測定、水銀圧入法による表面積及び細孔分布の測定、ガス透過法による表面積測定、又はX線小角散乱法による細孔分布の測定等を採用することができる。
また、このZnO蒸着材の製造方法では、平均結晶粒径を42〜70μmとすることによって、蒸着材内部の比表面積が増大して、蒸着材の蒸発速度を高くすることができる。
また、ZnOの焼結体からなる多結晶ペレットの平均結晶粒径が42〜70μmであるので、焼結体ペレット内に5.3〜15.7μm程度の丸みを帯びた気孔を有することができる。このZnO蒸着材では、多結晶ZnOの焼結体ペレットが微細な結晶構造を有し、かつその結晶粒界に欠陥が生じるのを低減できるため、成膜されたZnO膜は優れた膜特性を有する。
ここで、膜特性としては、ZnOの膜密度、膜厚分布、屈折率、耐スパッタ性、放電特性(放電電圧、放電応答性等)、絶縁性等がある。
また、このZnO蒸着材の製造方法では、ZnO粉末と溶媒とを含むスラリーに加熱時にガスを発生する添加剤を混入して原料となし、この原料を造粒して成形し、更にその後焼成すると、その焼成時に添加剤が揮発・分解して所定の気孔率を有する多孔質焼結体が得られる。従って、この製造方法にあっては、多孔質焼結体からなるZnO蒸着材を比較的容易に製造することができる。なお、造粒粉末を得る工程は、一般的な転動造粒法であってもよい。
ここで、スラリーに混入する添加剤、即ち溶媒に溶解するものとしてはブチラール等を用いることができ、また、溶媒に溶解しないものとしては平均粒径が数μm〜500μm程度のスターチ・ポリエチレングリコール・ポリスチレン等の中・高分子等を用いることができる。ここで、スラリーに20重量%程度のブチラールを混入するか、又は、スラリーに20重量%程度のスターチを混入することが好ましい。
このような添加剤を添加した場合には、成形時に存在している添加剤が焼結時に揮発・分解することで気孔が形成されるため、この添加剤により形成される気孔の気孔径及び形状を容易に制御することが可能になる。
ここで、添加剤をブチラール系とした場合には、0.1μm〜10μmオーダーの気孔径を有する気孔を形成することができる。また、添加剤をスターチとした場合には、スターチの粒径と同程度の気孔径及び形状を有する気孔を形成することができるため、スターチは、形成される気孔の気孔径及び形状を容易に制御することが可能である
求項に係る発明は、請求項1記載の方法により製造されたZnO蒸着材を使用して成膜するZnO膜の製造方法である。
の請求項に記載された製造方法においては、所定の平均気孔径を有し蒸発速度の速いZnO蒸着材を使用して成膜されたことにより、電子ビーム蒸着法において製造する場合に、従来と同程度の成膜速度で製造する場合に電子ビームの出力を低減することが可能となり、電子銃のフィラメント交換時期を遅らせることが可能となり、フィラメント交換頻度を少なくすることができ、メンテナンスにかかる作業時間を短縮できる。また、従来と同程度の電子ビーム出力で製造する場合に成膜速度を上げて、製造時間を短縮できるため、製造効率を向上することができる。従って、これらにより製造コストを低減することが可能となる。
本発明のZnO蒸着材の製造方法では、気孔率が7.2〜14.8%とされ、気孔径が5.3〜15.7μm、平均結晶粒径が42〜70μmのZnO多孔質焼結体からなるZnO蒸着材が得られ、これを用いて製造する本発明のZnO膜の製造方法では、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法により透明導電膜を成膜した際には、蒸発速度、成膜速度を向上して製造コストを低減することが可能となるという効果を奏する。
次に、本発明に係るZnO蒸着材の製造方法を詳しく説明する。
本発明の製造方法により得られるZnO蒸着材は、気孔率が7.2〜14.8%の多結晶ZnOの焼結体ペレットからなる。この焼結体ペレットからなるZnO蒸着材は、円板状又は球状に形成される。この蒸着材が球状である場合には、その直径は5〜30mm、好ましくは5〜15mmに形成される。この直径を5〜30mmに限定したのは、直径が5mm未満では小さすぎてスプラッシュの発生原因となり、直径が30mmを越えると実際の製造工程において取り扱いが困難となるからである。この蒸着材が円板状である場合には、その直径は5〜20mm、好ましくは5〜10mmであって、高さが1〜10mm、好ましくは2〜5mmに形成される。この直径を5〜20mmに限定し、高さを1〜10mmに限定したのは、直径が5mm未満又は高さが1mm未満では小さすぎてスプラッシュの発生原因となり、直径が30mmを越えるか又は高さが10mmを越えると実際の製造工程において取り扱いが困難となるからである。
また、この焼結体ペレットの平均結晶粒径は42〜70μmであり、焼結体からなる多結晶ペレットの結晶粒内には平均気孔径42〜70μm程度の丸みを帯びた気孔を有する多孔質焼結体とされる。更に、得られるZnO蒸着材は、ZnO純度が99.0%以上、更に好ましくは99.5%以上、99.9%以上の多結晶ZnOの焼結体ペレットからなる。ここで、気孔率が7.2%未満である場合には、蒸発速度が所望の高さに維持できなくなる。また、気孔率が14.8%を越えた場合には、蒸着材の強度が低くなり、スプラッシュの発生が多くなってしまうため好ましくない。
また、気孔率が5%未満の多孔質焼結体の場合、蒸発速度向上の効果が小さいため好ましくない。また気孔率が40%を越えた多孔質焼結体の場合、十分な機械強度を得ることが難しいため好ましくない。
更に、気孔率が30%を越えた場合には、蒸着材強度が不十分なため好ましくなく、気孔率が5%未満である場合には、電子ビーム蒸着法や、イオンプレーティング法などでの成膜時に、蒸着材の蒸発速度が上がらず、その結果、成膜時速度が低下し、結果的に製造コストが増大してしまため好ましくない。また、気孔率を7.2〜14.8%とすることによって、蒸発速度の大幅な向上を得ることができる。更に、気孔率が30%を越えると、2.0〜3.0倍の蒸発速度を有する蒸着材を得ることが可能となるが、上述の通り、蒸着材強度が不十分となるため好ましくない。
本発明の製造方法により得られるZnO蒸着材では、気孔の平均気孔径が5.3〜15.7μmであり、かつ上記の気孔率とされることによって、より一層蒸発速度を高めることが可能となる。ここで、気孔径が5.3μm未満である場合には、気孔を有するメリットがないため好ましくなく、気孔径が15.7μmを越えた場合には、焼結体の強度が低下するため、EB(電子ビーム)照射による破損、即ちスプラッシュの原因となるため好ましくない。
なお、気孔の形状は、丸みを帯びたものが好ましく、気孔の表面に更に細かい気孔が形成されている方が蒸発速度向上のためには好ましい。また、気孔の評価方法として、表面積測定において、5〜40m2/g であることが、細孔分布の測定においては、1〜100μmの範囲に少なくとも一つの細孔分布のピークを持つことが好ましい。
また、気孔以外の部分(骨部分)はほぼ焼結している状態とされ、例えば、多孔質焼結体の骨部分の密度は98%以上であることが好ましく、更に、前記ZnOの焼結体からなる多結晶ペレットの平均結晶粒径が42〜70μmであって、焼結体ペレット内に5.3〜15.7μm程度の丸みを帯びた気孔を有することができる。このZnO蒸着材では、多結晶ZnOの焼結体ペレットが微細な結晶構造を有し、かつその結晶粒界に欠陥が生じるのを低減できるため、成膜されたZnO膜は、ZnOの膜密度、膜厚分布、屈折率、耐スパッタ性、放電特性(放電電圧、放電応答性等)、絶縁性等の膜特性が優れたものとなる。ここで、平均結晶粒径が42μm未満であると成膜速度を低下させる不具合があり、その平均結晶粒径が70μmを越えると添加元素の蒸着率が不均一になる不具合がある。
次に、このように構成されたZnO蒸着材の製造方法を説明する。
まず、純度が99.0%以上のZnO粉末とバインダと有機溶媒と添加剤とを混合して、濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する。スラリーの濃度を45〜75重量%に限定したのは、75重量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した造粒が難しい問題点があり、45重量%未満では均一な組織を有する緻密なZnO焼結体が得られいないからである。即ち、スラリー濃度を上記範囲に限定すると、スラリーの粘度が200〜1000cpsとなり、スプレードライヤによる粉末の造粒を安定して行うことができ、更には成形体の密度が高くなって緻密な焼結体の製造が可能になる。
添加剤として、溶媒に溶解するものとしてはブチラール、アルコール系溶媒に可溶な系として、セルロース系、ポリビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系等が考えられ、また、アルコール系溶媒に溶解しないものとしては平均粒径が数μm〜500μm程度のスターチ系、ポリスチレン系を用いることができる。ここで、スラリーに20重量%程度のブチラールを混入するか、又は、スラリーに20重量%程度のスターチを混入することが好ましい。
このような添加剤を添加した場合には、成形時に存在している添加剤が焼結時に揮発・分解することで気孔が形成されるため、この添加剤により形成される気孔の気孔径及び形状を容易に制御することが可能である。
ここで、添加剤をブチラール系とした場合には、0.1μm〜10μmオーダーの気孔径を有する気孔を形成することができる。また、添加剤をスターチとした場合には、スターチの粒径と同程度の気孔径及び形状を有する気孔を形成することができるため、スターチは、形成される気孔の気孔径及び形状をより一層容易に制御することが可能である。
また、ZnO粉末の平均粒径は0.1〜10μmの範囲内にあることが好ましい。ZnO粉末の平均粒径を0.1〜10μmと限定したのは、0.1μm未満では、粉末が細かすぎて凝集するため、粉末のハンドリングが悪くなり、45重量%以上の高濃度スラリーを調製することが困難となるためであり、10μmを越えると、微細構造の制御が難しく、緻密な焼結体ペレットが得られないからである。またZnO粉末の平均粒径を上記範囲に限定すると、焼結助剤を用いなくても所望の焼結体ペレットが得られる利点もある。バインダとしてはポリエチレングリコールやポリビニールブチラール等を、有機溶媒としてはエタノールやプロパノール等を用いることが好ましい。バインダは0.2〜2.5重量%添加することが好ましい。ここで、バインダと添加剤とが共通のブチラール系である場合、バインダを別に添加する必要がなくなる。
また、ZnO粉末とバインダと有機溶媒との湿式混合、特にZnO粉末と分散媒である有機溶媒との湿式混合は、湿式ボールミル又は撹拌ミルにより行われる。湿式ボールミルでは、ZrO2 製ボールを用いる場合には、直径5〜10mmの多数のZrO2 製ボールを用いて8〜24時間、好ましくは20〜24時間湿式混合される。ZrO2 製ボールの直径を5〜10mmと限定したのは、5mm未満では混合が不十分となることからであり、10mmを越えると不純物が増大する不具合があるからである。また混合時間が最長24時間と長いのは、長時間連続混合しても不純物の発生が少ないからである。一方、湿式ボールミルにおいて、鉄芯入りの樹脂製ボールを用いる場合には、直径10〜15mmのボールを用いることが好ましい。
撹拌ミルでは、直径1〜3mmのZrO2 製ボールを用いて0.5〜1時間湿式混合される。ZrO2 製ボールの直径を1〜3mmと限定したのは、1mm未満では混合が不十分となることからであり、3mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また、混合時間が最長1時間と短いのは、1時間を越えると原料の混合のみならず粉砕の仕事をするため、不純物の発生の原因となり、また1時間もあれば十分に混合できるからである。更に、粉末と添加剤の混合/造粒は、一般的な転動造粒法で行ってもよい。この場合、工程後のボール等との分離作業が必要なく、工程が簡略化される利点がある。
次に上記スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの造粒粉末を得た後、この造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形する。ここで、平均粒径を50〜300μmと限定したのは、50μm未満では成形性が悪い不具合があり、300μmを越えると成形体密度が低く強度も低い不具合があるからである。上記噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)が用いられる。一軸プレス装置では、造粒粉末を10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、造粒粉末を10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
次に成形体を焼結する。焼結する前に成形体を350〜620℃の温度で脱脂処理することが好ましい。この脱脂処理は成形体の焼結後の色むらを防止するために行われ、時間をかけて十分に行うことが好ましい。焼結は1000〜1300℃の温度で1〜5時間行う。そして、成形体の内部に存在している添加剤は、この焼結時に揮発・分解し、その内部に気孔を形成させる。このため、この添加剤により形成される気孔の気孔径及び形状を容易に制御することが可能である。
本発明の製造方法においては、気孔率が7.2〜14.8%で気孔径が5.3〜15.7μmの多結晶ペレットからなるZnO蒸着材を得ることができるので、このようなZnO蒸着材料を用いて、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法によりZnO透明導電膜を成膜した際には、蒸発速度を向上することが可能である。つまり、同じ電子ビームエネルギーで成膜した場合には、成膜速度を高くして作業時間を短縮して所定時間における製造数を増大することができ、また、同程度の成膜速度で成膜した場合には、電子ビームエネルギーを低減して、電子銃のフィラメント等の交換時期を遅くして、メンテナンス回数を低減して生産性を向上し、結果的に製造コストを低減することができる。
具体的には、従来のような相対密度98%程度以上のZnO蒸着材の蒸発速度に対して、本発明のブチラール系の添加剤を使用した蒸着材では1.3倍程度の蒸着速度を得ることが可能であり、更に、平均粒径0.1〜500μmのスターチを使用した蒸着材では、2.5倍程度の蒸発速度を得ることができる。従って、これらのように高い成膜速度を得ることが可能となる。
更に、本発明の製造方法では、添加剤により気孔率、気孔径及び気孔形状を容易に制御することができるため、より最適な気孔を有する蒸着材を製造することが可能となり、これによって、製造条件等によって要求される気孔状態が多々ある場合においても、それらに対応して最適な蒸着材を提供することが可能となる。
次に、ZnO蒸着材を製造する方法の第1の参考の形態を詳しく説明する
の参考の形態では、純度が99.0%以上あって平均粒径が0.1〜10μmであるZnO粉末とバインダと有機溶媒と発泡剤を混合してZnO粉末の濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する。ここで、このZnO粉末とバインダと有機溶媒に関しては上述した本発明の製造方法のものと同一であるので、繰り返しての説明を省略する。また、発泡剤としては有機発泡剤又は無機発泡剤が挙げられ、有機発泡剤としてはアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が考えられ、無機発泡剤としては、炭酸塩等が考えられる。そして、これらの湿式混合は、湿式ボールミル又は撹拌ミルにより行われることが好ましい。
次にこの発泡剤含有スラリーを噴霧乾燥させる。この噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、その乾燥は150〜250℃で3時間処理されることが好ましい。これにより、スラリーに含有された発泡剤はこの乾燥段階において発泡分解し、得られた造粒粉末を多孔質化させる。従って、この噴霧乾燥によって平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る。
その後、この多孔質造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形し多孔質成形体を得る。所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)を用いることが好ましい。一軸プレス装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2 (0.98〜19.6MPa)、好ましくは10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2(0.98〜19.6MPa) 、好ましくは10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、多孔質造粒粉末中における気孔を著しく減少させること無く成形する一方で成形体の密度を高め、それとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
このようにして得られた多孔質成形体を所定の温度で焼結してZnOの多孔質焼結体を得る。この焼結にあっては、焼結する前に多孔質成形体を350〜620℃の温度で脱脂処理することが好ましい。この脱脂処理は成形体の焼結後の色むらを防止するために行われ、時間をかけて十分に行うことが好ましい。焼結は1000〜1400℃の温度で1〜5時間行うことが好ましい。これにより、所望の気孔率気孔径を有する多結晶ペレットからなるZnO蒸着材を得ることができる。
この参考の形態における製造方法では、添加剤に代えて発泡剤をスラリーに混入し、この発泡剤を発泡させることにより気孔率、気孔径及び気孔形状を容易に制御することができるため、より最適な気孔を有する蒸着材を製造することが可能となり、これによって、製造条件等によって要求される気孔状態が多々ある場合においても、それらに対応して最適な蒸着材を提供することが可能となる。
次に、ZnO蒸着材及びその製造方法の第2の参考の形態を詳しく説明する。
この第2の参考の形態では、純度が99.0%以上であり平均粒径が10〜500μmであってかつ粒度分布が平均粒径の±10%の範囲内に含まれるZnO粉末を準備する。そして、この準備されたZnO粉末と、別に準備されたバインダと有機溶媒とを混合し、ZnO粉末の濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する。ZnO粉末の平均粒径を10〜500μmとするのは、ZnO粉末の平均粒径が10μm未満であると粒度分布の制御が困難になる不具合があり、その平均粒径が500μmを越えるとその焼結性を低下させる不具合がある。この平均粒径の更に好ましい範囲は20〜100μmである。また、ZnO粉末の粒度分布が平均粒径の±10%の範囲内に含まれることを要件とするのは、、高気孔率化の理由からであり、その粒度分布が平均粒径の±10%の範囲から外れると気孔率が低下してしまう不具合がある。この粒度分布の更に好ましい範囲は平均粒径の±5%の範囲内である。
次にこのスラリーを噴霧乾燥させ、平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る。この噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、その乾燥は150〜250℃で3時間処理されることが好ましい。噴霧乾燥されるスラリーは平均粒径が10〜500μmであってかつ粒度分布が平均粒径の±10%の範囲内に含まれるZnO粉末がふくまれるので、このZnO粒子の充填間隙の間には他の粒子が入り込まずに気孔となり、得られた造粒粉末を多孔質化させる。これにより、平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末が得られる。
その後、この多孔質造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形し多孔質成形体を得る。所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)を用いることが好ましい。一軸プレス装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2 (0.98〜19.6MPa)、好ましくは10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2(0.98〜19.6MPa) 、好ましくは10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、多孔質造粒粉末中における気孔を著しく減少させること無く成形する一方で成形体の密度を高め、それとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
このようにして得られた多孔質成形体を所定の温度で焼結してZnOの多孔質焼結体を得る。この焼結にあっては、焼結する前に多孔質成形体を350〜620℃の温度で脱脂処理することが好ましい。この脱脂処理は成形体の焼結後の色むらを防止するために行われ、時間をかけて十分に行うことが好ましい。焼結は1000〜1400℃の温度で1〜5時間行うことが好ましい。これにより、所望の気孔率気孔径を有する多結晶ペレットからなるZnO蒸着材を得ることができる。
この第2の参考の形態における製造方法では、添加剤や発泡剤を添加させずに、粒度分布が狭い範囲のZnO粉末を用いることにより気孔率、気孔径及び気孔形状を容易に制御することができるため、より最適な気孔を有する蒸着材を製造することが可能となり、これによって、製造条件等によって要求される気孔状態が多々ある場合においても、それらに対応して最適な蒸着材を提供することが可能となる。
次に、ZnO蒸着材の製造方法の第3の参考の形態を詳しく説明する。
この参考の形態では、添加剤や発泡剤に代えて気体をスラリーに吹込んで混入することを特徴とする。
即ち、この参考の形態では、純度が99.0%以上あって平均粒径が0.1〜10μmであるZnO粉末とバインダと有機溶媒を混合してZnO粉末の濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する。ここで、このZnO粉末とバインダと有機溶媒に関しては上述した本発明の製造方法のものと同一であるので、繰り返しての説明を省略する。そして得られたスラリーに気体を吹込んで混入することによりガス含有スラリーを得る。この気体の吹き込み及び混入は、機械式ポンプ、ガス圧による吹き込み等により行われることが好ましい。そして、気体としては空気、不溶性ガス、非水溶性ガス等が挙げられる。
次にこのガス含有スラリーを噴霧乾燥させる。この噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、その乾燥は150〜250℃で3時間処理されることが好ましい。スラリーには気体が吹き込まれているので、このスラリーを噴霧乾燥して得られた造粒粉末は多孔質となる。従って、この噴霧乾燥によって平均粒径が50〜300μmの多孔質造粒粉末を得る。
その後、この多孔質造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形し多孔質成形体を得る。所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)を用いることが好ましい。一軸プレス装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2 (0.98〜19.6MPa)、好ましくは10〜100kg/cm2(0.98〜9.8MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、多孔質造粒粉末を10〜200kg/cm2(0.98〜19.6MPa) 、好ましくは10〜100kg/cm2 (0.98〜9.8MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、多孔質造粒粉末中における気孔を著しく減少させること無く成形する一方で成形体の密度を高め、それとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
このようにして得られた多孔質成形体を所定の温度で焼結してZnOの多孔質焼結体を得る。この焼結にあっては、焼結する前に多孔質成形体を350〜620℃の温度で脱脂処理することが好ましい。この脱脂処理は成形体の焼結後の色むらを防止するために行われ、時間をかけて十分に行うことが好ましい。焼結は1000〜1400℃の温度で1〜5時間行うことが好ましい。これにより、所望の気孔率気孔径を有する多結晶ペレットからなるZnO蒸着材を得ることができる。
この第3の参考の形態における製造方法では、添加剤や発泡剤に代えて気体をスラリーに混入させることにより気孔率、気孔径及び気孔形状を容易に制御することができるため、より最適な気孔を有する蒸着材を製造することが可能となり、これによって、製造条件等によって要求される気孔状態が多々ある場合においても、それらに対応して最適な蒸着材を提供することが可能となる。
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明する。但し、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
市販のZnO粉末(平均粒径0.3μm)に対し、バインダとしてポリビニルブラチールを1重量%添加し、添加剤としてポリビニールブチラール20重量%添加し、メタノール変性アルコールを分散媒とするスラリーを濃度30重量%に調整した。次いでこのスラリーをボールミル(直径5〜20mmのナイロンコートスチールボール使用)にて24時間湿式混合した後、真空乾燥機にて80℃で分散媒を気化させ、引き続き乾式にて解砕することで、平均粒径200μmの造粒粉末を得た。次に得られた造粒粉末を一軸成形プレス装置にて、10kg/cm2 (0.98MPa)で外径6.7mmφ、厚さ2.0mmに成形した。更にこの成形体を電気炉に入れ、大気中1300℃で3時間焼成した。得られた焼結体のペレットを実施例1とした。
<実施例2>
市販のZnO粉末(平均粒径0.3μm)に対し、バインダとしてポリビニルブチラールを1重量%添加し、添加剤として粒径50μmのスターチを20重量%添加し、メタノール変性アルコールを分散媒とするスラリーを濃度30重量%に調整した。次いでこのスラリーをボールミル(直径5〜20mmのナイロンコートスチールボール使用)にて24時間湿式混合した。更に、混合と同時にスラリー中に空気を吹き込み、そのスラリーに気泡を含有させた。その後、真空乾燥機にて80℃で分散媒を気化させ、引き続き乾式にて解砕することで、平均粒径200μmの多孔質造粒粉末を得た。次に得られた多孔質造粒粉末を一軸成形プレス装置にて、10kg/cm2 (0.98MPa)で外径6.7mmφ、厚さ2.0mmに成形した。更にこの成形体を電気炉に入れ、大気中1300℃で3時間焼成した。この焼結体のペレットを実施例2とした。
<実施例3>
市販のZnO粉末(平均粒径0.3μm)に対し、メチルセルロース、有機発泡剤及び無機発泡剤を添加剤及びメタノール変性アルコールを加えて粘度200〜4000cpsとなるようにスラリーを得た。ここで、有機発泡剤としてアゾジカルボンアミド及びジニトロソペンタメチレンテトラミンを用い、無機発泡剤として炭酸塩を用いた。
このスラリーを実施例2と同一の条件及び手順によって噴霧乾燥し、発泡剤を発泡させることにより平均粒径200μmの多孔質造粒粉末を得た。次に得られた多孔質造粒粉末を一軸成形プレス装置にて、10kg/cm2 (0.98MPa)で外径6.7mmφ、厚さ2.0mmに成形した。更にこの成形体を電気炉に入れ、大気中1300℃で3時間焼成した。この焼結体のペレットを実施例3とした。
<実施例4>
市販のZnO粉末(平均粒径0.3μm)に対し、実施例1,2と同様に造粒粉末を得て、これを平均粒径が50〜300μmとなるように#200〜#440メッシュのものだけを篩い分けして、平均粒径が60μmであってかつ粒度分布が55〜65μmの範囲内に含まれるZnO粉末を得た。
このようにして得られたZnO粉末に対し、バインダとしてポリビニルブチラールを1重量%添加し、有機溶媒としてメタノール変性アルコールを30重量%添加し、それらを混合してZnO粉末の濃度が30重量%のスラリーを調整した。次いでこのスラリーを噴霧乾燥させて平均粒径200μmの多孔質造粒粉末を得た。次に得られた多孔質造粒粉末を一軸成形プレス装置にて、10kg/cm2 (0.98MPa)で外径6.7mmφ、厚さ2.0mmに成形した。更にこの成形体を電気炉に入れ、大気中1300℃で3時間焼成した。この焼結体のペレットを実施例4とした。
<比較例1>
添加剤を添加しないスラリーを調整して、実施例1及び2と同様に多結晶焼結体ペレットを得て、これを比較例1とした。
<比較試験と評価>
ZnO蒸着材の試験は、電子ビーム蒸着装置のハース(直径50mm、深さ25mm)に実施例及び比較例で得られた蒸着材を仕込み、到達真空度2.66×10-4Pa(2.0×10-6Torr)、O2 分圧1.33×10-2Pa(1.0×10-4Torr)の雰囲気にして、加速電圧10kV、ビームスキャンエリア約40mmφの電子ビームを照射することで、ZnO蒸着材を加熱した。なお、蒸発速度はハースの斜め上方向に設置した水晶子膜厚モニタにより測定した。この結果を表1に示す。
Figure 0005239222
表1の結果から、実施例1のZnO蒸着材を使用した場合には、比較例1に対して蒸発速度が約1.3倍となっており、実施例2の場合は比較例1に比較して約2.0倍となっていることが判る。また、実施例3のZnO蒸着材を使用した場合には、比較例1に対して蒸発速度が約1.4倍となっており、実施例4の場合は比較例1に比較して約1.2倍となっていることが判る。従って、本発明の蒸着材にあっては、従来の蒸着材に比較して蒸発速度が向上していることが判る。
また、実施例1〜4及び比較例1における蒸着材のそれぞれの気孔率、平均気孔径及び平均結晶粒径を測定した。気孔率の測定は置換法により行い、平均気孔径の測定及び平均結晶粒径の測定はSEM(走査電子顕微鏡)の観察により行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 0005239222
表2の結果から明らかなように、比較例1よりも気孔率の大きい実施例1〜4の蒸着材ほど蒸着速度が高いことが判る。従って、本発明の蒸着材にあっては、従来の蒸着材に比較して蒸発速度が向上していることが判る。

Claims (2)

  1. ZnOの多孔質焼結体からなり、前記焼結体が7.2〜14.8%の範囲の気孔率を有し、前記焼結体が5.3〜15.7μmの範囲の平均気孔径を有し、前記焼結体が42〜70μmの範囲の平均結晶粒径を有する粒子の焼結体であるZnO蒸着材を製造する方法であって、
    純度が99.0%以上あって平均粒径が0.1〜10μmであるZnO粉末とバインダと有機溶媒とを混合して前記ZnO粉末の濃度が45〜75重量%のスラリーを調製する工程と、
    焼成時に揮発・分解可能な添加剤を前記スラリーに混入して添加剤含有スラリーを得る工程と、
    前記添加剤含有スラリーを8〜24時間湿式混合した後、噴霧乾燥して平均粒径が50〜300μmの造粒粉末を得る工程と、
    前記造粒粉末を0.98〜9.8MPaの圧力で成形して成形体を得る工程と、
    前記添加剤を揮発・分解させつつ前記成形体を1000〜1300℃の温度で1〜5時間焼結してZnOの多孔質焼結体を得る工程と
    を有するZnO蒸着材の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法により製造されたZnO蒸着材を使用して成膜するZnO膜の製造方法。
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