JP2008214169A - 真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法 - Google Patents

真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いパワーの電子ビームを照射しても、破損の起こらない真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化In粉末と酸化Ti粉末とを混合し、1300℃以上1500℃以下の温度で熱処理し、仮焼粉末を得て、該仮焼粉末に、酸化In粉末、酸化Ti粉末、または、酸化Inと酸化Tiとの混合粉末の未仮焼粉末を、前記仮焼粉末の割合が、65質量%以上95質量%以下となるように添加し、混合し、粉砕し、造粒粉末を得て、該造粒粉末を成形し、1300℃以上1500℃以下の温度で焼結させることにより、焼結密度が4.2g/cm3以上5.6g/cm3以下である真空蒸着用ITiO焼結体を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、低抵抗透明導電膜を真空蒸着法で製造する際に使用される酸化物焼結体およびその製造方法に係り、特に、赤外線領域の透過特性が良好な低抵抗透明導電膜を、真空蒸着法により成膜するために用いられる真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法に関する。
透明導電膜は、高い導電性と可視光領域における高い光透過性とを有している。かかる特性により、透明導電膜は、太陽電池や液晶表示素子、その他各種受光素子の電極などに利用されているほか、自動車窓や建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、冷凍ショーケースなどのための各種の防曇用の透明発熱体としても利用されている。
透明導電膜には、アンチモンやフッ素をドーパントとして含む酸化錫(SnO2)、アルミニウムやガリウムをドーパントとして含む酸化亜鉛(ZnO)、および、錫をドーパントとして含む酸化インジウム(In23)などが利用されている。特に、錫をドーパントとして含む酸化インジウム膜、すなわちIn23−SnO2系膜は、ITO(Indium tin oxide)膜と称され、特に低抵抗の透明導電膜が容易に得られることから、広範に用いられている。
低抵抗の透明導電膜は、特に、太陽電池、液晶、有機エレクトロルミネッセンスおよび無機エレクトロルミネッセンスなどの表示素子や、タッチパネルなどの電極に好適に用いることができる。
このような透明導電膜の製造方法は、スプレー熱分解法、CVD法などの化学的成膜法と、真空蒸着法(電子ビーム蒸着法)、スパッタリング法などの物理的成膜法に大別することができる。このうち、真空蒸着法は、電子ビームなどにより蒸着材料を加熱溶解させ、蒸発した蒸着材料の気体分子が基板に衝突、付着することにより成膜がなされる。真空蒸着法は、スプレー熱分解法などと比べて、得られる膜が高い透過性および導電性を有すること、フィルム上への成膜に有利なことからよく利用されている。
透明導電膜を真空蒸着法によって成膜する際に用いられる蒸着材料は、大きく2種類に分類される。1つは、1粒子の大きさが直径5mm以下の粒からなる粒状の蒸着材料であり、もう1つは、例えば、直径30mm、高さ10mm程度のペレット状の蒸着材料である。粒状の蒸着材料を使用する場合は、例えばロート状の貯蔵用容器を有する給粉機に蒸着材料を充填し、蒸着材料を適量ずつ蒸発源に供給して電子ビーム加熱することにより、基板上に透明導電膜を形成することができる。一方、ペレット状の蒸着材料を使用する場合は、坩堝にペレットを設置した状態で、電子ビーム加熱することにより、基板上に透明導電膜を形成することができる。
このうち、ペレット状の蒸着材料を使用する真空蒸着法においては、ペレットの焼結密度が低いと、電子ビームを照射した際に、材料が表面から蒸発していくと同時に、ペレットの焼結が急激に起こり、部分的なペレットの収縮が生じ、ペレットが破損するという問題がある。一方、ペレットの焼結密度が高い場合には、電子ビームを照射した際に、ペレットの表面と内部に温度差が生じ、熱膨張の違いによる破損(熱衝撃による破損)が発生するという問題がある。
さらに、ペレット状の蒸着材料を製作するには、原料粉末を成形して得た成形体を焼結させるが、焼結の際に収縮する収縮率の変動が大きく、焼結後に機械加工により成形を施す工程が必要となる場合がある。
近年、ITO薄膜の生産性を向上することを目的として、短時間に所望の膜厚を有する薄膜を得るために、ペレットに照射される電子ビームのパワーが増加する傾向にあり、このような問題が顕著となっている。
ITOペレットの場合、前述の問題が発生する因子の一つに密度があり、蒸着用のITOペレットの相対密度が90%以下の場合、上述した部分的なペレットの収縮による破損が発生しやすく、その相対密度が90%を超える場合、上述した熱衝撃による破損が発生しやすいといわれている。
このような破損の生じない真空蒸着用ITOペレットを得るために、特開平11−100660号公報(特許文献1)では、原料粉末を90%以上の相対密度に焼結させ、得られた焼結体を直径0.5mm以下の顆粒に粉砕し、該顆粒を再度焼結することにより、60%以上80%以下の焼結密度を有するITO焼結体を得ている。
ところで、最近、太陽電池の用途に対して、チタンを含む酸化インジウム(ITiO)膜を用いるという提案が、例えば、特開2004−168636号公報(特許文献2)、特開2004−207221号公報(特許文献3)などに記載されている。ITiO膜は、低抵抗で、可視光領域における光透過性能に優れているだけでなく、ITO膜や酸化亜鉛系膜と比べて、赤外光領域における光透過性能にも優れているという特質を有する。このような透明導電膜を太陽電池の表側電極に用いると、赤外光エネルギも有効に利用することが可能となる。
特許文献2および3において、ITiO膜の成膜には、スパッタリング法が用いられている。ITiO膜をスパッタリング法で成膜する場合、真空蒸着法で成膜する場合と比較して高い電力を投入するため、蒸着粒子のエネルギが大きくなる。よって、スパッタリング法では、高速成膜が可能となるが、同時に、粒子による照射損傷が大きくなるため、照射損傷が問題となる薄膜には、スパッタリング法よりも真空蒸着法による成膜が適しているといえる。
しかしながら、ITiO膜を真空蒸着法により得るための蒸着材料であるITiOペレットを製造するに際して、特許文献1の製法をそのまま適用した場合、酸化チタンの硬度が酸化スズの硬度と比較して高いため、相対密度90%以上のITiO焼結体を得た後、その焼結体を粉砕することが、きわめて困難である。また、相対密度90%以上のITiO焼結体を粉砕して顆粒粉末を得ることができて、この粉末をプレス法により成形しようとしても、粉砕後の粉末の収縮性(つぶれ性)が悪いため、成形をすることができないという問題がある。
特開平11−100660号公報 特開2004−168636号公報 特開2004−207221号公報
本発明の目的は、高いパワーの電子ビームを照射しても、破損の起こらない真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法を提供することにある。
また、焼結後の機械加工を必要とせずに、所望の寸法の蒸着用ITiOペレットを得るための蒸着用ITiO焼結体の製造方法を提供することにある。
本発明に係る真空蒸着用ITiO焼結体は、酸化インジウム粉末と酸化チタン粉末とを混合し、1300℃以上1500℃以下の温度で熱処理することにより、仮焼粉末を得て、該仮焼粉末に、酸化インジウム粉末、酸化チタン粉末、または、酸化インジウムと酸化チタンとの混合粉末の未仮焼粉末を、前記仮焼粉末の割合が、65質量%以上95質量%以下となるように添加し、混合し、粉砕することにより、造粒粉末を得て、該造粒粉末を成形し、1300℃以上1500℃以下の温度で焼結させることにより得られる。
得られた真空蒸着用ITiO焼結体の焼結密度は、4.2g/cm3以上5.6g/cm3以下である。
なお、本発明により得られた焼結体は、主に真空蒸着用ペレットとして利用される。
本発明により、可視光領域だけでなく赤外線領域においても光透過性に優れ、かつ、低抵抗値を有するITiO膜を、真空蒸着法により、生産性よく成膜することが可能となる。
本発明では、適切な温度で熱処理をすることにより得られた仮焼粉末を、適量用いることにより、焼結時の収縮、および、焼結体の密度が適切に制御され、焼結後に機械加工を行わなくても、蒸着用として好適なITiOペレットが得られる。
本発明により得られる蒸着用ITiOペレットは、実質的にインジウム、チタンおよび酸素からなり、焼結密度が4.2g/cm3以上5.6g/cm3以下であり、このため、真空蒸着法において、ペレットに破損を生じることなく、高いパワーの電子ビームを照射して、成膜することが可能となる。
(仮焼粉末)
酸化インジウム粉末中に、酸化チタン粉末を所望の組成に配合し、分散剤と水を加え、攪拌した後、乾燥し、得られた粉末を、ガスフロー型加熱炉もしくは真空加熱炉により、大気中、酸素雰囲気中もしくは真空中にて、1300℃以上1500℃以下の温度で、15時間以上の熱処理を施して、仮焼粉末を得る。
熱処理温度が1300℃未満の場合、後で行う焼結時の収縮が大きくなり、焼結体の密度や寸法のばらつきが大きくなるという不都合がある。また、1500℃を超えると、仮焼粉末が強固に焼結してしまい、その後の手粉砕やボールミルを用いた粉砕などが難しくなる。得られた仮焼粉末の焼結密度が6.4g/cm3程度となることが好ましい。
熱処理時間が15時間未満の場合、熱処理が不十分となり、焼結の時に収縮の制御が困難となる。一方、15時間以上では、熱処理の進行具合に大きな違いがなくなるため、適切かつ任意の時間を設定すればよい。
なお、酸化インジウム粉末と酸化チタン粉末の配合に際しては、後述する未仮焼粉末との混合に際して、造粒粉末において所望の組成となるように配合する。
(未仮焼粉末)
本発明においては、原料粉末として、仮焼粉末のほかに未仮焼粉末を用いることに特徴がある。未仮焼粉末として用いる粉末は、酸化インジウム粉末、酸化チタン粉末、または、酸化インジウムと酸化チタンとの混合粉末を用いることができる。
(造粒粉末)
前述のようにして得た仮焼粉末と未仮焼粉末を配合した後、混合および粉砕を行い、造粒粉末を得る。ただし、仮焼粉末の割合が、65質量%以上95質量%以下となるように、好ましくは70質量%以上80質量%以下とする。
仮焼により充分収縮させた仮焼粉末を、65質量%以上95質量%以下添加することで、焼結時の収縮を制御し、かつ、所望の密度の焼結体を得ることができる。仮焼粉末の割合が65質量%未満であると、焼結時の収縮が大きくなるため、焼結体の密度や寸法のばらつきが大きくなるという不都合がある。また、95質量%を超えると、焼結性が悪化し、焼結が進行しないという不都合がある。
焼結時の収縮には、仮焼粉末と未仮焼粉末の割合以外にも、前述の仮焼温度や、後述する焼結温度が影響するが、焼結時の収縮率を1%〜4%の範囲に収めるのが、所望の密度および寸法の焼結体を得る上で好ましい。
混合および粉砕を行う方法としては、たとえばボールミル混合がある。ボールミル混合を行う場合、混合時間は、好ましくは2時間以上、さらに好ましくは4時間以上である。2時間未満では、粗大粒子が存在するため、焼結体密度が4.2g/cm3未満となりやすい。
また、バインダーと分散剤、および金型プレス時に潤滑材として機能させるステアリン酸を、混合時および粉砕時などに、0.1質量%〜2質量%添加してもよい。
(成形)
造粒粉末の成形は、金型プレスにより、5MPa(51kg/cm2)以上の圧力で行う。本発明では、焼結による収縮は、仮焼粉末と未仮焼粉末の割合、および焼結温度により制御されるため、ITiOペレットの寸法は、成形時にほぼ決定される。
(焼結−昇温速度)
成形体の焼結は、ガスフロー型大気炉もしくは真空加熱炉により、大気中、真空中もしくは酸素雰囲気中にて行うが、大気中による方法が、安価なため最も好ましい。昇温速度は、有機成分の脱離(脱有機成分)が容易に行える範囲とし、たとえば室温から脱有機成分の終了温度である500℃までの昇温時間は、15時間程度が好ましい。
(焼結−焼結温度)
焼結温度は、1300℃以上1500℃以下とする。1300℃未満では、焼結が進行せずに、機械的な強度の弱い焼結体となったり、焼結が始まったとしても収縮が完了しなかったりするために、焼結体の密度や寸法のばらつきが大きくなり、好ましくない。1500℃を超えると、それ以上の密度増加および収縮が進まなくなるため、温度を上げる意味がなくなる。
なお、焼結温度が仮焼温度より、非常に高くなると、焼結時の収縮が大きくなるため、密度や寸法のばらつきが大きくなり易い。好ましくは、仮焼温度と焼結温度は、同一とする。
(焼結−保持時間)
焼結温度に達した際に保持する時間を制御することも、重要である。焼結温度に達した際に保持する時間は、15時間以上25時間以下が好ましい。15時間未満であると、焼結炉内の均熱に不具合が生じて生産が安定し難い。25時間を超えても、より高い効果を得ることはできない。
(焼結体)
上述の製造方法により得られる焼結体は、実質的にインジウム、チタンおよび酸素からなり、焼結密度が4.2g/cm3以上5.6g/cm3以下である。かかる焼結密度は、造粒粉末における仮焼粉末と未仮焼粉末の割合、成形条件、焼結条件により制御される。焼結密度が4.2g/cm3未満では、焼結が進行せずに、得られる焼結体が非常に脆く、真空蒸着用ペレットとして用いることができない。一方、5.6g/cm3を超えると、真空蒸着中に熱衝撃によってペレットが破損するという問題がある。
ここで、焼結密度とは、焼結体の単位体積あたりの質量であり、焼結体を加工した後の質量と寸法から求められる。なお、ITiOの理論密度(真密度)は、7.13g/cm3(TiO2を1質量%含む場合)である。
本発明の焼結体は、焼結時の収縮率が1%〜4%の範囲内に制御されているため、その後、機械加工を施すことなく、真空蒸着用ペレットとして用いることができる。ただし、適宜、機械加工を施すことは可能であり、また、ペレット状の蒸着材料のみならず、粒状のペレット材料の原料としても適している。
(実施例1)
酸化インジウム粉末中に酸化チタン粉末を、酸化チタン組成が1質量%となるように配合し、0.5質量%の分散剤を添加した後、ビーズミル中で混合および粉砕した。その後、大気中にて1400℃で20時間の仮焼を行い、平均粒径50μmの仮焼粉末を得た。
また、酸化インジウム粉末中に酸化チタン粉末を、酸化チタン組成が1質量%となるように配合し、未仮焼粉末を得た。
得られた未仮焼粉末に、仮焼粉末を、仮焼粉末の割合が75質量%となるように加え、1.25質量%のバインダーと、0.5質量%の分散剤と、0.5質量%のステアリン酸を添加した後、湿式ボールミル中で4時間、混合して粉砕し、その後、スプレードライヤを用いて、平均粒径50μm程度の造粒粉末を得た。
さらに、一軸プレス機を用いて、6.0MPaの圧力で成形することにより、密度4.32g/cm3の成形体を得た。
焼結工程は、室温から350℃までを21時間かけて昇温し、750℃までを17時間かけて昇温させた。そして、1400℃にて20時間、保持することにより、ITiO焼結体を得た。
このようにして得られたITiO焼結体の密度は4.52g/cm3、焼結時の収縮率は2.5%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(実施例2)
仮焼温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得て、成形体を得た。成形体の密度は4.29g/cm3であった。
その後、焼結温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、4.47g/cm3、焼結時の収縮率は2.0%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(実施例3)
仮焼温度を1500℃とした以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得て、成形体を得た。成形体の密度は4.34g/cm3であった。
その後、焼結温度を1500℃とした以外は、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、4.58g/cm3、焼結時の収縮率は2.9%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(実施例4)
未仮焼粉末に、仮焼粉末を、仮焼粉末の割合が65質量%となるように加えた以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得て、成形体を得た。成形体の密度は4.33g/cm3であった。
その後、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、4.73g/cm3、焼結時の収縮率は3.8%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(実施例5)
未仮焼粉末に、仮焼粉末を、仮焼粉末の割合が95質量%となるように加えたことと、成形時の圧力を9.0MPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得て、成形体を得た。成形体の密度は4.29g/cm3であった。
その後、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、4.38g/cm3、焼結時の収縮率は1.2%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(実施例6)
酸化インジウム粉末中に酸化チタン粉末を、酸化チタン組成が1.33質量%となるように配合して仮焼粉末を得たこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得た。上記仮焼粉末に未仮焼の酸化インジウム粉末を酸化チタンの組成が1質量%となるように配合し、実施例1と同様にして、成形体を得た。成形体の密度は4.40g/cm3であった。
その後、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、4.55g/cm3、焼結時の収縮率は2.2%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
(比較例1)
仮焼温度を1200℃とした以外は、実施例1と同様にして、平均粒径50μmの仮焼粉末を得て、成形体を得た。成形体の密度は4.33g/cm3であった。
その後、実施例1と同様にして焼結した。得られたITiO焼結体の密度は、5.63g/cm3、焼結時の収縮率は9.3%であった。製造条件および特性値を、表1に示す。
本比較例では、仮焼温度が1200℃と低いため、焼結時の収縮が大きく、また、密度が5.6g/cm3以上となり、高くなり過ぎてしまった。
(比較例2)
仮焼温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、熱処理をしたところ、仮焼の段階で焼き締まり、粉砕が困難であった。
(比較例3)
酸化インジウム粉末中に酸化チタン粉末を、酸化チタン組成が1質量%となるように配合し、0.5質量%の分散剤を添加した後、ビーズミル中で混合した。その後、大気中にて1400℃で20時間の仮焼を行い、平均粒径50μmの仮焼粉末を得た。
得られた仮焼粉末を、1.25質量%のバインダーと、0.5質量%の分散剤と、0.5質量%のステアリン酸を添加した後、湿式ボールミル中で4時間、混合して粉砕し、その後、スプレードライヤを用いて、平均粒径50μm程度の造粒粉末を得た。
さらに、一軸プレス機を用いて、9.0MPaの圧力で成形することにより、密度4.13g/cm3の成形体を得た。
焼結工程は、室温から350℃までを21時間かけて昇温させ、750℃までを17時間かけて昇温させた。そして、1400℃にて20時間、保持することにより、ITiO焼結体を得た。
このようにして得られたITiO焼結体の密度は、成形体とほとんど変わらず、4.13g/cm3であった。本比較例では、収縮がさほど進行していないため、得られた焼結体は非常に脆かった。製造条件および特性値を、表1に示す。
Figure 2008214169

Claims (2)

  1. 酸化インジウム粉末と酸化チタン粉末とを混合し、1300℃以上1500℃以下の温度で熱処理することにより、仮焼粉末を得て、該仮焼粉末に、酸化インジウム粉末、酸化チタン粉末、または、酸化インジウムと酸化チタンとの混合粉末の未仮焼粉末を、前記仮焼粉末の割合が、65質量%以上95質量%以下となるように添加し、混合し、粉砕することにより、造粒粉末を得て、該造粒粉末を成形し、1300℃以上1500℃以下の温度で焼結させることを特徴とする真空蒸着用ITiO焼結体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のITiO焼結体の製造方法により製造され、焼結密度が4.2g/cm3以上5.6g/cm3以下であることを特徴とする真空蒸着用ITiO焼結体。
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