JP5967016B2 - 蒸着用タブレットとその製造方法 - Google Patents
蒸着用タブレットとその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5967016B2 JP5967016B2 JP2013112633A JP2013112633A JP5967016B2 JP 5967016 B2 JP5967016 B2 JP 5967016B2 JP 2013112633 A JP2013112633 A JP 2013112633A JP 2013112633 A JP2013112633 A JP 2013112633A JP 5967016 B2 JP5967016 B2 JP 5967016B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- indium oxide
- tablet
- powder
- sintered body
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
(第一工程)酸化インジウム粉末と酸化セリウム粉末とを1300℃以上1550℃以下で熱処理しかつ粉砕して仮焼粉末を得る工程と、
(第二工程)得られた仮焼粉末に、未仮焼の酸化インジウム粉末および/または酸化セリウム粉末を上記仮焼粉末の割合が50質量%以上80質量%以下となるように混合し、かつ、造粒して造粒粉末を得る工程と、
(第三工程)得られた造粒粉末を成形して成形体とし、この成形体を、1100℃以上1350℃以下でかつ上記第一工程における仮焼粉末の熱処理温度より200℃以上低い温度で焼結してセリウムをドーパントとして含む酸化インジウムの焼結体を得る工程。
すなわち、酸化インジウム粉末を1200℃以上1300℃以下の仮焼温度で熱処理した後、解砕して平均粒径が1μm以上4μm以下の仮焼された第一原料粉末を得る。
すなわち、未仮焼の第二原料粉末(酸化インジウム粉末)を、上記第一原料粉末に対して、第一原料粉末の混合割合が50質量%以上70質量%以下となるように混合し、かつ、造粒して造粒粉末を得る。
すなわち、上記造粒粉末を成形して成形体とし、この成形体を、1000℃以上かつ仮焼温度より150℃以上低い温度で焼結してノンドープの酸化インジウム焼結体を得る。
すなわち、ノンドープの酸化インジウム焼結体を、真空度が1×10-3Pa以下の雰囲気中において、700℃以上880℃以下の温度で熱処理して還元処理されたノンドープの酸化インジウム焼結体を得る。
相対密度が50%以上70%以下である酸化インジウム焼結体により構成される蒸着用タブレットにおいて、
上記酸化インジウム焼結体を構成しかつ仮焼された第一原料粉末に由来する第一焼結粒の平均粒径をD1とし、上記酸化インジウム焼結体を構成しかつ未仮焼の第二原料粉末に由来する第二焼結粒の平均粒径をD2としたとき、第一焼結粒の平均粒径D1に対する第二焼結粒の平均粒径D2の粒径比率[すなわち(D2/D1)×100(%)]が3%以上15%以下であり、かつ、上記酸化インジウム焼結体の比抵抗値が9.0×10-1Ω・cm以下であることを特徴とする。
請求項1に記載の蒸着用タブレットの製造方法において、
酸化インジウム粉末を1200℃以上1300℃以下の仮焼温度で熱処理した後、解砕して、平均粒径が1μm以上4μm以下の仮焼された第一原料粉末を得る第一工程と、
得られた上記第一原料粉末に対し、未仮焼の酸化インジウム粉末から成る第二原料粉末を、仮焼された第一原料粉末の混合割合が50質量%以上70質量%以下となるように混合し、かつ、造粒して造粒粉末を得る第二工程と、
得られた上記造粒粉末を成形して成形体を得る第三工程と、
得られた上記成形体を1000℃以上かつ第一工程における仮焼温度より150℃以上低い温度で焼結して、相対密度が50%以上70%以下の酸化インジウム焼結体を得る第四工程と、
得られた上記酸化インジウム焼結体を、真空度が1×10-3Pa以下の雰囲気中において700℃以上880℃以下の温度で熱処理する第五工程、
の各工程を具備することを特徴とするものである。
仮焼された第一原料粉末に由来する第一焼結粒の平均粒径をD1とし、未仮焼の第二原料粉末に由来する第二焼結粒の平均粒径をD2としたとき、
第一焼結粒の平均粒径D1に対する第二焼結粒の平均粒径D2の粒径比率[すなわち(D2/D1)×100(%)]が3%以上15%以下であり、かつ、蒸着用タブレットを構成する上記酸化インジウム焼結体の比抵抗値が9.0×10−1Ω・cm以下になっているため、いきなり高いパワーの電子ビーム(EB)や高出力プラズマを蒸着用タブレットへ照射しても破損することがない。
本発明の蒸着用タブレットは、以下の「第一工程」〜「第五工程」を経て製造されたものである。
「第一工程」
酸化インジウム粉末を1200℃以上1300℃以下の仮焼温度で熱処理した後、解砕して、平均粒径が1μm以上4μm以下の仮焼された第一原料粉末を得る工程。
「第二工程」
得られた上記第一原料粉末に対し、未仮焼の酸化インジウム粉末から成る第二原料粉末を、仮焼された第一原料粉末の混合割合が50質量%以上70質量%以下となるように混合し、かつ、造粒して造粒粉末を得る工程。
「第三工程」
得られた上記造粒粉末を成形して成形体を得る工程。
「第四工程」
得られた上記成形体を1000℃以上かつ第一工程における仮焼温度より150℃以上低い温度で焼結して、相対密度が50%以上70%以下の酸化インジウム焼結体を得る工程。
「第五工程」
得られた上記酸化インジウム焼結体を、真空度が1×10-3Pa以下の雰囲気中において700℃以上880℃以下の温度で熱処理する工程。
d=L/n/m (1)
[数式(1)中、dは1本の直線から求めた平均粒径、Lは1本の直線の長さ、nは1本の直線上に存在する粒界の個数、mは電子顕微鏡の倍率を示す]
「第一工程:仮焼された酸化インジウム粉末(第一原料粉末)を得る工程」
酸化インジウム粉末を1200℃以上1300℃以下の仮焼温度で熱処理した後、解砕して、平均粒径が1μm以上4μm以下の仮焼された酸化インジウム粉末(第一原料粉末)を得る。
次に、上記「第一工程」で調製した酸化インジウム粉末(第一原料粉末)に対して、未仮焼の酸化インジウム粉末(第二原料粉末)を、仮焼した酸化インジウム粉末(第一原料粉末)の混合割合が50質量%以上70質量%以下となるように混合し、かつ、スプレードライヤー等を用いて造粒し、造粒粉末を得る。
次に、「第二工程」で得られた造粒粉末を成形して成形体とする。造粒粉末の成形は金型プレスにて行う。この際、仮焼された酸化インジウム粉末(第一原料粉末)の配合割合、後工程の焼結温度の設定条件により焼結による収縮がコントロールされているため、タブレットの寸法はこの成形時にほぼ決定される。仮焼された酸化インジウム粉末(第一原料粉末)の割合が多いと寸法制御が困難になり、少ない場合でも同様である。そして、仮焼された酸化インジウム粉末(第一原料粉末)の混合割合は、上述したように50質量%以上70質量%以下、好ましくは55質量%以上65質量%以下である。
上記成形体の焼結時における雰囲気は、酸素、大気、真空中のいずれでもよいが、大気中での焼結が安価にできて最も好ましい。
次に、上記酸化インジウム焼結体を、真空度が1×10-3Pa以下の雰囲気中において、700℃以上880℃以下の温度で熱処理することにより、本発明に係る蒸着用タブレットは完成される。
平均粒径が0.1〜0.4μmの酸化インジウム粉末を、大気中にて1250℃で15時間、仮焼を行い、その後、ポットミルにより5時間解砕することで、平均粒径4μmの酸化インジウム仮焼粉(仮焼された第一原料粉末)を得た。
仮焼温度(T1)が1300℃である点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る実施例2に係る蒸着用タブレットを得た。
焼結温度(T2)を1100℃とし、仮焼温度(T1)との差を150℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る実施例3に係る蒸着用タブレットを得た。
仮焼温度(T1)が1200℃である点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る実施例4に係る蒸着用タブレットを得た。
第五工程における熱処理(還元処理)温度が700℃である点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る実施例5に係る蒸着用タブレットを得た。
第五工程における熱処理(還元処理)温度が870℃である点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る実施例6に係る蒸着用タブレットを得た。
実施例1と同様、平均粒径が0.1〜0.4μmの酸化インジウム粉末を用い、大気中、仮焼温度(T1)1550℃にて15時間仮焼を行った。
焼結温度(T2)を1250℃とし、仮焼温度(T1)との差を0℃とした点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る比較例2に係る蒸着用タブレットを得た。
第五工程における熱処理(還元処理)温度が660℃である点を除き、実施例1と同様にして、ノンドープの酸化インジウム焼結体から成る比較例3に係る蒸着用タブレットを得た。
Claims (2)
- 相対密度が50%以上70%以下である酸化インジウム焼結体により構成される蒸着用タブレットにおいて、
上記酸化インジウム焼結体を構成しかつ仮焼された第一原料粉末に由来する第一焼結粒の平均粒径をD1とし、上記酸化インジウム焼結体を構成しかつ未仮焼の第二原料粉末に由来する第二焼結粒の平均粒径をD2としたとき、第一焼結粒の平均粒径D1に対する第二焼結粒の平均粒径D2の粒径比率[すなわち(D2/D1)×100(%)]が3%以上15%以下であり、かつ、上記酸化インジウム焼結体の比抵抗値が9.0×10-1Ω・cm以下であることを特徴とする蒸着用タブレット。 - 請求項1に記載の蒸着用タブレットの製造方法において、
酸化インジウム粉末を1200℃以上1300℃以下の仮焼温度で熱処理した後、解砕して、平均粒径が1μm以上4μm以下の仮焼された第一原料粉末を得る第一工程と、
得られた上記第一原料粉末に対し、未仮焼の酸化インジウム粉末から成る第二原料粉末を、仮焼された第一原料粉末の混合割合が50質量%以上70質量%以下となるように混合し、かつ、造粒して造粒粉末を得る第二工程と、
得られた上記造粒粉末を成形して成形体を得る第三工程と、
得られた上記成形体を1000℃以上かつ第一工程における仮焼温度より150℃以上低い温度で焼結して、相対密度が50%以上70%以下の酸化インジウム焼結体を得る第四工程と、
得られた上記酸化インジウム焼結体を、真空度が1×10-3Pa以下の雰囲気中において700℃以上880℃以下の温度で熱処理する第五工程、
の各工程を具備することを特徴とする蒸着用タブレットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013112633A JP5967016B2 (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 蒸着用タブレットとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013112633A JP5967016B2 (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 蒸着用タブレットとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014231625A JP2014231625A (ja) | 2014-12-11 |
JP5967016B2 true JP5967016B2 (ja) | 2016-08-10 |
Family
ID=52125203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013112633A Expired - Fee Related JP5967016B2 (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 蒸着用タブレットとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5967016B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6468158B2 (ja) * | 2015-10-15 | 2019-02-13 | 住友金属鉱山株式会社 | 蒸着用ZnO−Ga2O3系酸化物焼結体タブレットとその製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3906766B2 (ja) * | 2002-08-30 | 2007-04-18 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化物焼結体 |
JP2008214169A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法 |
KR101568215B1 (ko) * | 2009-08-07 | 2015-11-11 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 증착용 타블렛의 제조 방법 |
CN102906050B (zh) * | 2010-05-21 | 2014-07-09 | 住友金属矿山株式会社 | 氧化锌烧结体料片及其制造方法 |
JP5505642B2 (ja) * | 2010-07-29 | 2014-05-28 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化物蒸着材 |
-
2013
- 2013-05-29 JP JP2013112633A patent/JP5967016B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014231625A (ja) | 2014-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102322184B1 (ko) | 산화인듐-산화아연계 (izo) 스퍼터링 타깃 및 그 제조 방법 | |
TWI644866B (zh) | Izo燒結體濺鍍靶及其製造方法 | |
JP2012126937A (ja) | Itoスパッタリングターゲットとその製造方法 | |
JP6646686B2 (ja) | 酸化物焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
TWI452027B (zh) | 氧化鋅燒結體錠及其製造方法 | |
JP5472655B2 (ja) | 蒸着用タブレットとその製造方法 | |
JP2014040348A (ja) | Igzo焼結体、その製造方法及びスパッタリングターゲット | |
JP6024545B2 (ja) | 酸化亜鉛系焼結体とその製造方法およびスパッタリングターゲット | |
JP6677058B2 (ja) | Sn−Zn−O系酸化物焼結体とその製造方法 | |
JP5772667B2 (ja) | 蒸着用タブレットとその製造方法 | |
JP5979082B2 (ja) | 蒸着用タブレットとその製造方法 | |
JP2008214169A (ja) | 真空蒸着用ITiO焼結体およびその製造方法 | |
JP5967016B2 (ja) | 蒸着用タブレットとその製造方法 | |
JP6468158B2 (ja) | 蒸着用ZnO−Ga2O3系酸化物焼結体タブレットとその製造方法 | |
JP6414527B2 (ja) | Sn−Zn−O系酸化物焼結体とその製造方法 | |
JP2017186655A (ja) | 酸化インジウム−酸化亜鉛系(izo)スパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
JP2016117610A (ja) | 酸化錫系焼結体タブレットと酸化物透明導電膜 | |
TWI748971B (zh) | Sn-Zn-O系氧化物燒結體及其製造方法 | |
JP4483470B2 (ja) | 酸化インジウムを含有するスパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP2008255481A (ja) | 蒸着材 | |
JP2006200000A (ja) | 酸化インジウムを含有するスパッタリングターゲットの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150724 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160308 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160620 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5967016 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |