JP5993700B2 - 酸化亜鉛系焼結体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法などにより酸化亜鉛系透明導電膜を安定して形成することができるターゲット等として有用な酸化亜鉛系焼結体の製造方法およびこの製造方法で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたターゲットに関する。
導電性と光透過性とを兼ね備えた透明導電膜は、これまでから、太陽電池、液晶表示素子、その他各種受光素子などの電極;自動車窓、建築用などの熱線反射膜;帯電防止膜;冷凍ショーケース等における防曇用透明発熱体など、幅広い用途に利用されている。特に、低抵抗で導電性に優れた透明導電膜は、太陽電池、液晶表示装置(液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンスなど)、タッチパネルなどに好適であることが知られている。
従来、透明導電膜としては、例えば、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)膜;フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜などの酸化スズ(SnO2)系の薄膜;アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)膜、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)膜などの酸化亜鉛(ZnO)系の薄膜;スズドープ酸化インジウム(ITO;Indium Tin Oxide)膜などの酸化インジウム(In23)系の薄膜が知られている。中でも、最も工業的に利用されているのは酸化インジウム系の透明導電膜であり、とりわけITO膜は、低抵抗で導電性に優れることから、幅広く実用化されている。
このような透明導電膜を形成する際には、従来から、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法、EB蒸着法などが工業的に汎用されている。これらの成膜方法において膜原料として用いられるターゲットは、成膜しようとする膜を構成する金属元素を含む固体からなり、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などの焼結体や混合体、場合によっては単結晶で形成される。
例えば、ITOのような酸化物の膜をスパッタリング法で形成する際には、ターゲットとしては、一般に、膜を構成する金属元素からなる合金ターゲット(ITO膜を形成する場合にはIn−Sn合金)、または膜を構成する金属元素を含む酸化物を焼結もしくは混合してなる酸化物ターゲット(ITO膜を形成する場合にはIn−Sn−Oからなる焼結体や混合体)が用いられる。
合金ターゲットを用いると、形成される膜中の酸素は全て雰囲気中の酸素ガスから供給されることになるので、雰囲気中の酸素ガス量が変動しやすくなり、その結果、雰囲気中の酸素ガス量に依存する成膜速度や得られる膜の特性(比抵抗、透過率)を一定に保つことが困難になる場合がある。
他方、酸化物ターゲットを用いると、膜に供給される酸素の一部は、ターゲット自体から供給され、不足分のみが雰囲気中の酸素ガスから供給されることになるので、雰囲気中の酸素ガス量の変動は、合金ターゲットを用いる場合に比べ抑えることができ、その結果、一定の膜厚を有し一定の膜特性を有する透明導電膜を容易に製造することが可能となる。
したがって、これまで、工業的に用いるターゲットとしている。
ところで、ITO膜などの酸化インジウム系の透明導電膜は、その必須原料であるIn(インジウム)が、希少金属であるため高価で且つ資源枯渇のおそれがあり、しかも毒性を有し環境や人体に対して悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、近年、ITO膜に代替し得る工業的に汎用可能な透明導電膜が要望されている。そのような中、スパッタリング法による工業的製造も可能である酸化亜鉛系透明導電膜が注目されており、その導電性能を高めるべく研究が進められている。
具体的には、非特許文献1では、導電性を高めるべくZnOに種々のドーパントをドープさせる試みが報告されている。その中で、現在、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜が優れた導電性を示すため実用的に使用されている。しかし、AZO膜やGZO膜は、化学的耐久性が乏しく、特に近赤外領域の透過性が低い為、例えば、CIS/CIGS太陽電池の透明電極としての用途など太陽電池用途に適していない。
また、本発明者らは、ドーパントであるチタン源として4価の酸化チタン(TiO2(IV))でなく、低原子価酸化チタンを用いれば、化学的耐久性の改良に有用なチタンの含有量を増やし得ることを見出している(特許文献1参照)。さらに、低抵抗であり、太陽電池などの透明導電膜に有望な近赤外の透過性にも優れることを見出している。
ここで、低原子価酸化チタンとは、TiO(II)、Ti23(III)という整数の原子価を有するものばかりでなく、Ti35、Ti47、Ti611、Ti59、Ti815等も含む、一般式:TiO2-X(X=0.1〜1)で表される酸化チタンをいう。
ところで、TiO(II)に代表される低原子価酸化チタンは、光触媒、顔料などに使用されるTiO2(IV)と異なり汎用とされておらず、用いるとコストが高くなる。そのため、透明導電膜がコスト面で問題とならないような特殊な用途に用いられる場合には問題にならないが、透明導電膜が汎用の用途に用いられる場合には、コスト面で不利になる場合がある。
チタン源として、既に本発明者らが見出している低原子価酸化チタン以外にも、硼化チタン、特許文献2に記載のように金属チタンも同様の特性が発現できる可能性があると考えられる。
しかし、硼化チタンを用いると、焼結中に酸化硼素が生成する。この酸化硼素は融点および沸点が低く(融点:約450℃、沸点:約1860℃)、求められる最低限の密度を有する焼結体を得るために必要な焼結温度(少なくとも1000℃)では、溶融して蒸発しやすくなる。そのため、組成が不均一かつ低密度な焼結体となり、透明導電膜形成材料として用いるには不適切である。
一方、金属チタンについては、均一かつ高密度な焼結体を得るために必要な平均粒径が1μm以下の1次粒子が存在しない。すなわち、市販されている金属チタンについて、1次粒子の最小粒径は約20μmであり、これを数μm程度の粒径に粉砕することは、粉じん爆発を起こし発火するおそれがあるが、できないことはない。しかし、より微細な粒径(1μm以下)となるように粉砕を試みると、ほぼ確実に粉じん爆発を起こし発火するため、平均粒径が1μm以下の1次粒子を入手することができない。
さらに、金属亜鉛または金属アルミニウムを導入することにより、酸素欠損を多量に導入することが可能である。しかし、金属亜鉛(融点:419℃、沸点:930℃)および金属アルミニウム(融点:660℃、沸点:2060℃)は融点および沸点が低く、溶融して蒸発しやすい。そのため、焼結密度が低い多孔質性の焼結体が得られたり、溶融金属が流動して偏析(組成ムラ)したりする。
特開2011−190528号公報 特開2009−263709号公報
月刊ディスプレイ、1999年9月号、p10〜「ZnO系透明導電膜の動向」
本発明者らは、チタン源として、低原子価酸化チタン粉より大幅にコスト低減でき、保存安定性に優れて、低原子価酸化チタン粉を用いて形成された酸化亜鉛系透明導電膜と同等の特性(化学的耐久性、近赤外領域の透過性及び比抵抗)を発現できるドーパントとして炭化チタンがあることを見出している。
一方で、上述した酸化亜鉛系透明導電膜を形成するには、酸化物ターゲット、すなわち炭化チタンドープ酸化亜鉛系焼結体を用いる。
この炭化チタンドープ酸化亜鉛系焼結体を無加圧焼結により作製するのに、炭化チタンが酸化されて4価の酸化チタン(TiO2(IV))となるのを抑制するため、不活性雰囲気や還元雰囲気などの非酸化性雰囲気中にて焼結する必要がある。
さらに、亜鉛の揮散のしやすさは、焼結する際の雰囲気によって異なり、例えば、焼結体の原料に酸化亜鉛粉を用いた場合、大気雰囲気や酸化雰囲気などの酸化性雰囲気では焼結体の製造過程で酸化亜鉛粉自体の揮散しか起こらないが、非酸化性雰囲気で焼結すると、酸化亜鉛が還元されて、酸化亜鉛よりもさらに揮散しやすい金属亜鉛となるので、非酸化性雰囲気で焼結体を製造する場合は、酸化性雰囲気下で製造する場合よりも、亜鉛の消失量が増すことになる。そのため、炭化チタンドープ酸化亜鉛系焼結体を無加圧焼結により作製するには、予め焼結体の目的組成に対して、その原料粉末である酸化亜鉛粉の仕込み量を増やしておく必要がある。
しかし、亜鉛の揮散量を正確に計算するのは極めて困難であったため、目的の組成である焼結体が得られにくいという問題があった。
亜鉛が揮散する際、焼結体が反るという問題があり、特に焼結体のサイズが大きく、円盤状や板状のように厚みが薄い場合には顕著である。焼結体をターゲットに切削加工する際、焼結体が反っていると、加工性が悪く、生産効率が低下するという問題があった。
さらに、亜鉛が揮散する部分には当然空孔が生じやすく、焼結体の密度低下に繋がり、このような低密度の焼結体を用いてスパッタリングにて成膜すると、異常放電が発生しやすくなり安定に成膜できないという問題があった。すなわち、亜鉛の揮散を抑制することは無加圧焼結にて物理的に実現できない。加圧焼結方法であれば、亜鉛の揮散を抑制できる可能性はあるが、固体圧縮法による一般的なホットプレス法では、原料粉末を成型加圧して焼結させるが、黒鉛からなるダイスとパンチ間にクリアランス(隙間)があるため、亜鉛の揮散を避けることができない。
なお、高密度の焼結体は、相対密度が98%以上であるものをいう。
一方、ガス圧縮法による加圧焼結法の一つとして、圧力媒体として気体を用い、目的とすべき焼結体にガスが貫入しないように焼結すべき粉体を金属製の容器(カプセル)に充填し、金属製の容器内を気密封止した後、高温高圧下で金属製の容器ごと熱処理して高密度焼結体を作製するカプセルHIP法が知られている。
しかしながら、カプセルHIP法では、焼結すべき粉体を金属製の容器内に気密封止するので、亜鉛の揮散をほとんどゼロに抑えることができるが、金属製の容器を使用し、金属製の容器内を真空脱気する工程が必要になり製造コストが高くなる要因があった。
本発明の課題は、亜鉛の揮散及び焼結体の反りを抑制して、高密度の酸化亜鉛系焼結体を製造する方法、およびターゲットを提供することにある。特に、本発明は、金属製容器を使用しないカプセルフリーの熱間静水圧プレス法(HIP法)により、亜鉛の揮散を抑制して、高密度(相対密度98%以上)の酸化亜鉛系焼結体を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)下記プロセスAないしCを含み、プロセスBの一次焼成およびプロセスCの二次焼成がカプセルフリー熱間静水圧プレスにより行なわれることを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
プロセスA:実質的に、亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下である原料粉末を、成形して成型体を得る工程
プロセスB:前記プロセスAで得られた成型体を、圧力1〜30MPaの不活性ガス雰囲気下、焼成温度900〜1200℃で一次焼成を行い、相対密度が92%以上98%未満で、かつ欠陥が閉気孔である一次焼結体を得る工程
プロセスC:前記プロセスBで得られた一次焼結体を、圧力90MPa以上の不活性ガス雰囲気下、800〜1400℃で二次焼成を行い、相対密度が98%以上である酸化亜鉛系焼結体を得る工程
(2)下記プロセスDないしFを含み、プロセスEの一次焼成およびプロセスFの二次焼成がカプセルフリー熱間静水圧プレスにより行なわれることを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
プロセスD:実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン、炭素並びに酸素からなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であり、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.1〜2.5%である原料粉末を成形して成型体を得る工程
プロセスE:前記プロセスDで得られた成型体を、圧力1〜30MPaの不活性ガス雰囲気下、焼成温度900〜1200℃で一次焼成を行い、相対密度が92%以上98%未満であり、かつ欠陥が閉気孔である一次焼結体を得る工程
プロセスF:前記プロセスEで得られた一次焼結体を、圧力90MPa以上の不活性ガス雰囲気下、800〜1400℃で二次焼成を行い、相対密度が98%以上である酸化亜鉛系焼結体を得る工程
(3)前記原料粉末は、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉を含む前記(1)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(4)前記原料粉末は、酸化ガリウム粉、酸化アルミニウム粉および炭化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉を含む前記(2)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(5)スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化亜鉛系焼結体を加工してなることを特徴とするターゲット。
本発明によれば、亜鉛の揮散及び焼結体の反りが抑制され、目的組成からほとんどずれることなく、高密度の酸化亜鉛系焼結体を作製できる。この酸化亜鉛系焼結体を加工してなるターゲットを用いることにより、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法などによって、成膜中にほとんど異常放電が発生することなく、安定的に再現性よく優れた導電性を発現する酸化亜鉛系透明導電膜を形成することができる。しかも、このようにして形成された透明導電膜は、希少金属であり毒性を有するインジウムを必須としないという利点も有するので、工業的に極めて有用である。
(酸化亜鉛系焼結体の製造方法)
本発明の製造方法(以下、製造方法(a)という場合がある)は、カプセルフリー熱間静水圧プレスにより酸化亜鉛系焼結体を製造する方法であって、実質的に、亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなり、チタンを所定割合で含有する原料粉末(以下、原料粉末(a)という場合がある)を成形して成型体を得、HIP処理装置内にこの成型体を設置し、成型体の欠陥が閉気孔となる焼成温度、酸化亜鉛の揮散を抑制できるレベルの比較的低圧(通常のHIPの圧力に較べれば、比較的低圧)の不活性ガス(Ar、窒素等)雰囲気下で開気孔がなくなるレベルまで一次焼成することにより、閉気孔からなる相対密度92%以上98%未満(通常92%〜95%)の一次焼結体を作製し、この一次焼結体をHIP処理装置内に導入し、不活性ガスからなる高圧ガス雰囲気下にて二次焼結することで、相対密度98%以上の高密度の酸化亜鉛系焼結体を作製する方法である。この方法であれば、金属製容器(カプセル)を用いなくても、亜鉛の揮散を抑制して組成むらがほとんどない、高密度の焼結体を作製できる。なお、低圧焼結(一次焼結)と高圧焼結(二次焼結)とは同一の装置で行ってもよいし、別の装置にてそれぞれ実施しても構わない。
本発明におけるカプセルフリー熱間静水圧プレスとは、原料粉末を充填する金属製容器などのカプセルを用いずに熱間静水圧プレス(HIP)を行なうことをいう。カプセルフリー熱間静水圧プレスでは金属製の容器を使用しないので、カプセルフリー熱間静水圧プレスにより酸化亜鉛系焼結体を製造すれば、カプセル熱間静水圧プレスにより酸化亜鉛系焼結体を製造する場合よりも製造コストを掛けずに酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。
原料粉末(a)は、実質的に亜鉛、チタン、炭素および酸素からなる。ここで、「実質的」とは、原料粉末を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなることを意味する。
さらに、原料粉末中のチタン原子数の割合は、全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜4%であり、さらに好ましくは0.5〜3.5%である。
原料粉末中のチタン原子数の割合が上記範囲内となるように炭化チタン粉が混合されると、カプセルフリーHIP法により、亜鉛を揮発することなく、チタン原子数の割合がこの範囲内である組成の酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。この酸化亜鉛系焼結体におけるチタンの含有量が上述の範囲で上限に近い場合(すなわち、5%に近い場合)、得られる酸化亜鉛系透明導電膜は、優れた化学的耐久性を有するが、チタンの含有量が上述の範囲で下限に近い場合(すなわち、0.2%に近い場合)よりも、屈折率が若干高くなり、近赤外域の高透過性は維持できるものの近紫外域および可視光域の透過性が若干低下する傾向にある。用途によっては全く問題ないが、例えば、化学的耐久性よりも透過率が要求されるCIS/CIGS太陽電池における透明電極などの太陽電池の部材に用いる場合、太陽電池の変換効率がチタンの含有量が下限に近い場合に比べて少し低下する傾向にある。一方、チタンの含有量が下限に近い場合、チタンの含有量が上限に近い場合よりも、化学的耐久性が問題のない範囲で若干低下するものの、得られる酸化亜鉛系透明導電膜の屈折率が若干低くなり、近赤外域の高透過性を維持しながら、近紫外域および可視光域の透過性も向上させることができる。
このように、化学的耐久性が要求される用途や透過率が要求される用途によって、チタンの含有量を増減させることができる。
ここで、全金属原子数とは、原料粉末に含まれる金属原子の総数であり、亜鉛が全金属原子数の約95〜99.8%を占める。そのため、原料粉末において、亜鉛が主成分となる。
このような原料粉末を構成する粉末としては、例えば、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉との混合粉を含む粉末などが挙げられる。
酸化亜鉛粉としては、通常、ウルツ鉱構造のZnO等の粉末が用いられ、さらにこのZnOを予め還元雰囲気で焼成して酸素欠損を含有させたものを用いてもよい。なお、酸化亜鉛粉としては、純度が99重量%以上であるものを用いるのがよい。なお、酸化亜鉛粉は焼成履歴があってもよい。
酸化亜鉛粉の平均粒径は、それぞれ0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。また、そのBET比表面積は、特に限定されない。
また、一次焼結する際、酸化亜鉛粉の粒径が小さいと、比表面積が大きくなり、表面が活性となるので、粒径が大きい酸化亜鉛粉の一次焼結よりも低い焼結温度で一次焼結できるため、低い焼成温度にて一次焼結させる場合は、酸化亜鉛粉の平均粒径が小さい方が好ましい。
水酸化亜鉛粉としては、アモルファスのZn(OH)2粉、結晶構造を有するZn(OH)2粉などが挙げられる。
炭化チタン粉としては、例えば、TiC粉が好ましい。
TiC粉は、チタンが低原子価状態である不安定な副原子価である金属酸化物ではないので、粒子自身の保存安定性に優れており、1次粒子サイズそのものが約1μmである。さらにTiCそのものの原料費が、本願出願時において低原子価酸化チタンの約1/10である。したがって、予め微粒化されているTiC粉を容易に入手可能であり、粉砕費用も必要でないので、例えば、低原子価酸化チタン粉を用いる場合よりも大幅なコスト低減でき、ドーパント原料の保存安定性に優れる。
また、ドーパントとして炭化チタン粉を用いて形成した酸化亜鉛系透明導電膜は、低原子価酸化チタン粉を用いて形成した酸化亜鉛系透明導電膜と同等の特性(化学的耐久性、近赤外領域の透過性及び比抵抗)を引き出すことができる。その要因として、低原子価酸化チタン粉をドーパントとして用いて作製された焼結体は、酸素欠損を安定的に多量に導入することができ、それを用いて作製された透明導電膜にも、安定して酸素欠損が多量導入される。この酸素欠損がキャリア電子として機能するため、低抵抗が実現されると考えられる。一方で炭化チタン(TiC)粉を用いた場合、炭素が酸化亜鉛の酸素成分と結びついてCOあるいはCO2となり放出されることにより、多量の酸素欠損が導入され、低原子価酸化チタンと同様の効果が得られると推定している。
原料粉末として各々用いる化合物(粉)の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
酸化亜鉛系焼結体は、上述の炭化チタン粉と酸化亜鉛粉とを少なくとも含有する原料粉末を一軸プレス成形あるいはCIP成形などを行い成型体とし、この成型体をHIP処理装置内に設置した後、一次焼結および二次焼結の2段階プロセスにより製造される。
本発明における成型体は、原料粉末を一軸プレスや冷間静水圧プレス(CIP)などの成形法により作製される。
原料粉末を成形する際のプレス圧力は、一軸プレスの場合は、少なくとも10MPa以上50MPa未満であり、より好ましくは20MPa以上することが好ましい。10MPa未満であると、安定なプレス成型体ができないおそれがある。50MPa以上であると、成型体がもろくわれやすくなる。
冷間静水圧プレス(CIP)の場合は、少なくとも50MPa以上300MPa未満であり、より好ましくは100MPa以上することが好ましい。50MPa未満であると、安定なプレス成型体ができないおそれがある。300MPa以上であると、成型体がもろくわれやすくなる。
成型体の形状や寸法は、特に限定されず、例えば、円筒状、直方体などであればよい。
得られる成型体の密度をより均一化するなどのために、原料粉末を成形する前に、原料粉末を造粒して造粒物とし、この造粒物を成形して成型体としてもよい。
原料粉末を造粒物とする方法としては、特に限定されず、例えば、原料粉末と水系溶媒とを混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合により混合した後、固液分離・乾燥・造粒する湿式造粒;原料粉末に強制的に外力や熱を加えて顆粒化する乾式造粒などが挙げられる。
湿式混合は、例えば、硬質ZrO2ボール等を用いた湿式ボールミルや振動ミルにより行なえばよく、湿式ボールミルや振動ミルを用いた場合の混合時間は、12〜78時間程度が好ましい。なお、原料粉末をそのまま乾式混合してもよいが、湿式混合の方がより好ましい。固液分離・乾燥・造粒については、それぞれ公知の方法を採用すればよい。
水系溶媒は、水を主成分とし、水単独であってもよいし、水とメタノール、エタノール等のアルコールなどとの混合物であってもよい。
なお、造粒物を得る際には、乾燥後、公知の方法で造粒すればよいが、その場合、原料粉末とともにバインダーも混合することが好ましい。バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、エチルセルロース等を用いることができる。
なお、造粒物を得るためにバインダーを用いた際は、低圧HIPにて一次焼結する前に脱脂により脱バインダー処理を行う。
一次焼結体を作製する条件は、1MPa〜30MPa、好ましくは3MPa〜30MPa、より好ましくは4MPa〜20MPaの不活性ガス雰囲気下で焼成温度は900℃〜1200℃、好ましくは950℃〜1150℃、より好ましくは1000℃〜1100℃である。この条件であれば、亜鉛の揮散及び焼結体の反りを抑制して開気孔の焼結も常圧と同等レベルにて進捗させることができ、開気孔がなく、欠陥が閉気孔である状態で、相対密度が92%以上98%未満(通常、92%〜95%)とすることができ、この条件での焼結は、二次焼結する前の一次焼結に最適である。また、圧力が上記範囲内の不活性ガス雰囲気下であっても焼成温度が1200℃を超えると、亜鉛が揮散し始め、焼成温度が900℃未満であると、焼結が十分に進まず、一次焼結体の開気孔はすべてなくならず、得られる一次焼結体の相対密度は92%未満となるおそれがある。
また、一次焼結体を作製する条件の保持時間は1〜48時間であるのが好ましい。
なお、一般に、900℃以上で圧力が0.1013MPa(常圧)以下の不活性雰囲気もしくは還元雰囲気などの非酸化性雰囲気中では、酸化亜鉛が金属亜鉛に還元され、金属亜鉛の形態にて揮散してしまい、焼結体も亜鉛の揮散により反ってしまう。一方、1MPa〜30MPaの非酸化性雰囲気にすることにより、900℃〜1200℃の範囲内であれば亜鉛の揮散を抑制及び焼結体の反りも抑制できる。
このようにして得られた一次焼結体は、後述する二次焼結が施されることにより、亜鉛の揮散が抑制され、相対密度が98%以上である酸化亜鉛系焼結体となる。
不活性雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、真空、二酸化炭素などが挙げられる。
還元性雰囲気としては、例えば、水素、一酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄などが挙げられる。
一次焼結体は、相対密度が92%以上98%未満で、かつ欠陥はすべて閉気孔のみである。相対密度が92%以上98%未満であるので、二次焼結により、相対密度が98%以上の酸化亜鉛系焼結体とすることができる。
ここで、相対密度とは、焼結体の原料である各金属酸化物の単体密度に各金属酸化物粉末の混合重量比をかけ、和をとった理論密度に対する、実際に得られた焼結体の密度の割合であり、例えば、焼結体が酸化亜鉛および炭化チタンからなる場合は、下記式から求められる。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+炭化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例に記載の評価方法によって測定することができる。
本発明では、一次焼結体の欠陥はすべて閉気孔のみであることが重要である。これは下記理由による。
一般に、焼結体の欠陥は、外界と通じている開気孔、外界と通じていない閉気孔の2種類に分類される。開気孔を有する焼結体は、高い圧力がかけられても開気孔をつぶすような体積収縮が進行しにくい。そのため、高圧高温でカプセルフリーHIP焼結を実施しても、開気孔をつぶすような焼結は進行しにくく、焼結体を高密度化しにくい。これに対して、閉気孔のみからなる焼結体は、高い圧力がかけられると、閉気孔をつぶすなどして体積収縮しやすい。そのため、高圧高温でカプセルフリーHIP焼結を行えば、閉気孔をつぶすような焼結を進行させて、焼結体を高密度化することができる。このため、高圧高温でカプセルフリーHIP焼結する前に、あらかじめ成型体を低圧高温下で時間を掛けて焼結させて、すなわち成型体の開気孔をつぶすような焼結を進行させて、得られる一次焼結体の欠陥をすべて閉気孔のみとする。
なお、通常の常圧焼結では、試料の開気孔、閉気孔とも焼結が進行し、焼結密度が向上するに従って、反応してつぶれる方向にある。
二次焼結は、高温高圧下の不活性ガスを圧力媒体として一次焼結体自体を焼結する。
この時のHIP処理条件は、圧力90MPa以上の不活性ガス雰囲気下、焼成温度800〜1400℃の条件で通常1時間以上保持して行う。HIP処理条件がこの条件であれば、一次焼結体の閉気孔を焼結させて高密度化させることができる。二次焼結における圧力は90MPa以上と高圧なので、亜鉛の揮散は抑制され組成ずれもほとんどおこることはない。保持時間は、通常1時間以上であるが、これに限定されず、得られる酸化亜鉛系焼結体の相対密度が98%以上となるようにすればよい。圧力媒体としての不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等を用いることができる。
(他の酸化亜鉛系焼結体の製造方法)
本発明の他の酸化亜鉛系焼結体の製造方法(以下、製造方法(b)という場合がある)は、実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン、炭素並びに酸素からなり、チタンを所定の割合で含有し、かつガリウムまたはアルミニウムを所定の割合で含有する原料粉末(以下、原料粉末(b)という場合がある)を、上述した製造方法(a)における原料粉末に代えて用いる他は、上述した製造方法(a)と同様にして、酸化亜鉛系焼結体を製造する方法である。
原料粉末(b)は、実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン、炭素並びに酸素からなる。ここで、「実質的」とは、原料粉末(b)を構成する全原子の99%以上が、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方と、亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなることを意味する。
原料粉末(b)は、第二ドーパントとしてガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方を含有するので、得られる酸化亜鉛系焼結体を用いて形成される酸化亜鉛系透明導電膜をより低抵抗化することができる。
原料粉末(b)中のチタン原子数の割合は、全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜4%であり、さらに好ましくは0.5〜3.6%である。
原料粉末(b)中のチタン原子数の割合が上記範囲内となるように炭化チタン粉が混合されると、カプセルフリーHIP法により、亜鉛を揮発することなく、チタン原子数の割合がこの範囲内である組成の酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。チタン原子数の割合は、原料粉末(a)と同様に、化学的耐久性が要求される用途や透過率が要求される用途によって、チタンの含有量を増減させることができる。
ここで、全金属原子数とは、原料粉末(b)に含まれる金属原子の総数であり、亜鉛が全金属原子数の約92.5〜99.7%を占める。そのため、原料粉末(b)において、亜鉛が主成分となる。
原料粉末(b)中のガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合は、全金属原子数に対して0.1%以上2.5%以下、好ましくは0.5%以上1.9%以下である。ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%未満であると、導電性の向上効果が不十分となるおそれがある。一方、2.5%を超えると、ガリウムまたはアルミニウムが亜鉛サイトに置換固溶しきれなくなり、結晶粒界に析出し、導電性の低下、透過率の低下を招くおそれがある。
原料粉末(b)にはガリウムおよびアルミニウムが含まれていてもよく、係る場合、原料粉末(b)中のガリウムおよびアルミニウムの原子数の割合は、全金属原子数に対して0.1%以上2.5%以下、好ましくは0.5%以上1.9%以下であればよい。
このような原料粉末(b)を構成する粉末としては、例えば、酸化ガリウム粉、酸化アルミニウム粉および炭化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉との混合粉などが挙げられる。
酸化アルミニウム粉としては、例えば、Al23粉などが挙げられ、酸化ガリウム粉としては、例えば、Ga23などが挙げられる。
炭化アルミニウム粉としては、例えば、Al43粉などが挙げられる。
炭化チタン粉、酸化亜鉛粉および水酸化亜鉛粉などは、製造方法(a)で例示したものと同様のものを用いることができる。
原料粉末(b)として各々用いる化合物(粉)の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
(酸化亜鉛系焼結体)
このようにして得られる酸化亜鉛系焼結体は、相対密度が98%以上である。このため、例えば、該焼結体を用いてスパッタリングにて成膜する際、異常放電が発生しにくく安定に成膜することができる。
酸化亜鉛系焼結体が、製造方法(a)により製造された場合は、実質的に亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなる焼結体である。
また、製造方法(b)により製造された場合は、実質的に亜鉛と、チタンと、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも一方と、炭素と、酸素とからなる。
ここで、「実質的」とは、前者の場合は、酸化亜鉛系焼結体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなることを意味し、後者の場合は、酸化亜鉛系焼結体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、ガリウムおよびアルミニウムからなる一方と、炭素と、酸素とからなることを意味する。
酸化亜鉛系焼結体においては、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下で含有されていることが好ましい。このチタンの原子数の割合が0.2%未満であると、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の耐薬品性など化学的耐久性が不充分となる。一方、チタンの原子数の割合が5%を超えると、炭化チタンが亜鉛サイトに十分置換固溶できなくなり、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の導電性や透明性が低下する。好ましくは、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.3%以上4%以下となる量であり、より好ましくは0.5%以上3.5%以下となる量である。
酸化亜鉛系焼結体は、特に、チタンが原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.002以上0.05以下となるよう含有されていることが好ましい。
このTi/(Zn+Ti)の値が0.002より小さいと、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の耐薬品性など化学的耐久性が不充分となり、比抵抗も高くなる。しかも、酸化亜鉛系焼結体中にチタン酸亜鉛化合物が形成されにくくなるため焼結体の強度が低下し、ターゲットへの加工が困難になるおそれがある。一方、Ti/(Zn+Ti)の値が0.05を超えるチタン含有量であると、後述するように酸化亜鉛系焼結体中に含まれないことが望まれる炭化チタン結晶相の形成が避けられなくなり、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の導電性や透明性が低下するおそれがある。好ましくは、チタンの含有量は、原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.004〜0.04となる量であり、より好ましくは、原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.005〜0.035となる量である。
特にTi/(Zn+Ti)=0.002以上0.02以下であると、形成された膜の化学的耐久性はTi/(Zn+Ti)=0.02超0.1以下の場合よりも低下する傾向にあるが、少なくとも現在使用されているAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜やGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜よりはるかに化学的耐久性は優れ、チタンの含有量が少なくなることにより、形成された膜の屈折率が小さくなり、特に可視域から近紫外域の透過率が高くなる傾向にある。膜の近紫外域〜可視域の透過性が向上すると、この透明導電膜を例えば、CIS/CIGS太陽電池におけるZnO窓層などの太陽電池の部材に用いた太陽電池の変換効率を高くすることができる。さらに、形成された膜の低抵抗化は、チタンだけでは十分に達成しにくいため、アルミニウムおよびガリウムの少なくとも1つを含むことが好ましい。
一方、Ti/(Zn+Ti)=0.02超0.1以下では、形成された膜の化学的耐久性に極めて優れ、チタンのみでも低抵抗化することは可能であるが、さらなる低抵抗化するために、ガリウムおよびアルミニウムの少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の製造方法によって製造された酸化亜鉛系焼結体を用いて形成された透明導電膜はいずれもAZO膜,GZO膜より化学的耐久性、近赤外高透過性に優れているが、上述したようにチタンの含有量により近紫外域領域〜可視域領域の高透過性重視、すなわち太陽電池の変換効率向上重視か、極めて高い化学的耐久性重視か、自由に特性を調整することができる。
製造方法(a)により得られた酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相とチタン酸亜鉛化合物相とから構成されることが好ましい。このように酸化亜鉛系焼結体中にチタン酸亜鉛化合物相が含まれていると、焼結体自体の強度が増すので、例えばターゲットとして過酷な条件(高電力など)で成膜してもクラックを生じることがない。
なお、チタン酸亜鉛化合物相とは、具体的には、ZnTiO3、Zn2TiO4のほか、これらの亜鉛サイトにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、Zn/Ti比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むものとする。
また、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
製造方法(b)により得られた酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相と、チタン酸亜鉛化合物相と、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方の酸化物相とから構成される焼結体であるのが好ましい。
ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方の酸化物相とは、Al23およびGa23から選ばれる少なくとも一方である。
なお、チタン酸亜鉛化合物相とは、具体的には、ZnTiO3、Zn2TiO4のほか、これらの亜鉛サイトおよびチタンサイトから選ばれる少なくとも一方に、チタン元素、ガリウム元素およびアルミニウム元素から選ばれる少なくとも1つが固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、Zn/Ti比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むものとする。
また、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これの亜鉛サイトにチタン元素、ガリウム元素およびアルミニウム元素から選ばれる少なくとも1つが固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
酸化亜鉛系焼結体は、実質的に炭化チタンの結晶相を含有しないことが好ましい。酸化亜鉛系焼結体に炭化チタンの結晶相が含まれていると、得られる膜が、比抵抗などの物性にムラがあり均一性に欠けるものとなるおそれがある。酸化亜鉛系焼結体は、上述したTi/(Zn+Ti)の値が0.05以下であるので、通常、チタンが酸化亜鉛に完全に反応し、酸化亜鉛系焼結体中に炭化チタン結晶相は生成されにくい。なお、炭化チタンの結晶相とは、具体的には、TiCのほか、これらの結晶にZnなど他の元素が固溶された物質も含むものとする。
酸化亜鉛系焼結体は、錫、シリコン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、これらを「添加元素」と称することもある)をも含有することが好ましい。このような添加元素を含有することによって、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成される膜の比抵抗に加え、酸化亜鉛系焼結体自体の比抵抗も低下させることができる。例えば直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化亜鉛系焼結体の比抵抗に依存し、酸化亜鉛系焼結体自体の比抵抗を下げることにより、成膜時の生産性を向上させることができる。添加元素を含有する場合、その全含有量は、原子比で、酸化亜鉛系焼結体を構成する全金属元素の総量に対して0.05%以下であることが好ましい。添加元素の含有量が前記範囲よりも多いと、酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成される膜の比抵抗が増大するおそれがある。
酸化亜鉛系焼結体に添加元素を含有させるには、例えば、上述した原料粉末に添加元素の酸化物の粉末を混合させるなどすればよい。
添加元素は、酸化物の形態で酸化亜鉛系焼結体中に存在していてもよいし、酸化亜鉛相の亜鉛サイトに置換した(固溶した)形態で存在していてもよいし、チタン酸亜鉛化合物相のチタンサイトおよび亜鉛サイトから選ばれる少なくとも一方に置換した(固溶した)形態で存在していてもよい。
酸化亜鉛系焼結体は、添加元素のほかに、例えば、インジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウムなどの他の元素を、不純物として含有していてもよい。不純物として含有される元素の合計含有量は、原子数比で、酸化亜鉛系焼結体を構成する全金属元素の総量に対して0.1%以下であることが好ましい。
酸化亜鉛系焼結体に不純物を含有させるには、例えば、上述した原料粉末に不純物の粉末を混合させるなどすればよい。
酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は、5kΩ・cm以下であることが好ましい。例えば直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化亜鉛系焼結体の比抵抗に依存するので、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗が5kΩ・cmを超えると、直流スパッタで安定的な成膜を行えないおそれがある。成膜時の生産性を考慮すると、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低いほど好ましく、具体的には100Ω・cm以下であるのがよい。
通常、酸化亜鉛系焼結体を還元雰囲気にて焼結した場合は、酸素欠損の導入により、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低くなり、酸化雰囲気にて焼結した場合は、比抵抗は高くなる。
(ターゲット)
本発明のターゲットは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜に用いられるターゲットである。なお、このような成膜の際に用いる固形材料のことを「タブレット」と称する場合もあるが、本発明においてはこれらを含め「ターゲット」と称することとする。
本発明のターゲットは、上述した酸化亜鉛系焼結体を所定の形状および所定の寸法に加工してなる。
加工方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を採用すればよい。例えば、酸化亜鉛系焼結体に平面研削等を施した後、所定の寸法に切断してから、支持台に貼着することにより、本発明のターゲットを得ることができる。また、必要に応じて、複数枚の酸化亜鉛系焼結体を分割形状にならべて、大面積のターゲット(複合ターゲット)としてもよい。
酸化亜鉛系焼結体または本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、再現性よく安定に優れた導電性と化学的耐久性(耐熱性、耐湿性など)とを兼ね備えたものであるので、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ・有機ELディスプレイ・電子ペーパーなどの透明電極、太陽電池の光電変換素子の窓電極、透明タッチパネル等の入力装置の電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜等の用途に好適に用いられる。さらに、酸化亜鉛系焼結体または本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、透明電波吸収体、紫外線吸収体、さらには透明半導体デバイスとして、他の金属膜や金属酸化膜と組み合わせて活用することもできる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径0.05μm、ハクスイテック(株)製)および炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Tiの原子数比が97:3となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:3%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミル混合法により湿式混合した。湿式混合は、ボールとして硬質ZrO2ボールを用い、混合時間を18時間として行った。
次いで、混合後の原料粉末スラリーを取り出し、ボールを篩いにより除き、エバポレーターにて溶媒を揮散させ、その後、熱風乾燥機にて100℃で3時間乾燥処理をし、乾燥させた後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて成形し、切削加工を行なって、直径80mm、厚さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度500℃/時間にて室温から950℃まで上げて、圧力10MPaのAr雰囲気下、温度950℃で24時間保持し、低圧HIP処理を行い、一次焼結体を得た。低圧HIP焼結中に亜鉛の揮散はなく、一次焼結体の相対密度は92.4%であった。また、電子顕微鏡にて一次焼結体を観察したところ、明らかな空孔は観察されず開気孔の欠陥はほとんどなかった。
なお、一次焼結体の相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、炭化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+炭化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、アルキメデス法により測定した。
次いで、高圧のガス(Arガス)をHIP処理装置内に導入し、一次焼結体を圧力100MPaのAr雰囲気下、温度1100℃で1時間保持し、高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(1)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(1)の相対密度は、一次焼結体の相対密度と同様にして求めたところ、99.6%であった。また、焼結体(1)に反りはなかった。
得られた焼結体の反りの有無は、目視により判断した。
得られた酸化亜鉛系焼結体(1)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(1)をエネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析したところ、ZnとTiの原子数比はZn:Ti=97:3であった(Ti/(Zn+Ti)=0.03)。この酸化亜鉛系焼結体(1)のZnとTiの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti=97:3とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(1)の結晶構造をX線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)により調べたところ、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(1)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。これを用いてDCスパッタリング法により透明基材(石英ガラス基板)上に透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。すなわち、スパッタリング装置(キャノンアネルバエンジニアリング(株)製「E−200」)内に、ターゲットと透明基材(石英ガラス基板)とをそれぞれ設置し、Arガス(純度99.9995%以上、Ar純ガス=5N)を12sccmで導入して、圧力0.5Pa、電力75W、基板温度250℃の条件下でスパッタリングを行い、基板上に膜厚500nmの透明導電膜を形成した。
成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり3回以内であり、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(1)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(1)の金属原子の割合とはまったくずれがなく、極めて高密度の反りのない酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(1)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に製膜できた。
(実施例2)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径0.05μm、ハクスイテック(株)製)、酸化ガリウム粉(Ga23粉;純度99.9%、平均粒径1μm以下、住友化学(株)製)および炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Ga:Tiの原子数比が98.2:0.8:1.0となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:1%、ガリウムの全金属原子数に対する割合:0.8%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして湿式混合、乾燥した後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて成形し、切削加工を行って、直径80mm、厚さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度500℃/時間にて室温から950℃まで上げて、8MPaのAr雰囲気下、温度950℃で24時間保持し、低圧HIP焼結を行い、一次焼結体を得た。
低圧HIP焼結中に亜鉛の揮散はなく、相対密度は93.0%であった。また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、明らかな空孔は観察されず開気孔の欠陥はほとんどなかった。
なお、一次焼結体の相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、炭化チタン、酸化ガリウムの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+炭化チタンの単体密度×混合重量比+酸化ガリウムの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例1と同様にして測定した。
次いで、実施例1と同様にして一次焼結体に高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(2)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(2)の相対密度は、一次焼結体の相対密度と同様にして求めたところ、99.6%であった。また、焼結体(2)の反りを実施例1と同様にして判断したところ、焼結体(2)に反りはなかった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(2)を実施例1と同様に加工して、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(2)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとGaとTiとの原子数比はZn:Ga:Ti=98.2:0.8:1.0であった。酸化亜鉛系焼結体(2)のZnとGaとTiとの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ga:Ti=98.2:0.8:1.0とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、この酸化亜鉛系焼結体(2)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化ガリウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(2)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして、透明導電基板を得たところ、成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり3回以内であり、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(2)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(2)の金属原子の割合とはまったくずれがなく、極めて高密度の反りのない酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(2)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に製膜できた。
(実施例3)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径0.05μm、ハクスイテック(株)製)、酸化アルミニウム粉(Al23、純度99.99%、平均粒径0.5μm、住友化学(株)製)および炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Al:Tiの原子数比が98.2:0.8:1.0となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:1%、アルミニウムの全金属原子数に対する割合:0.8%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして湿式混合、乾燥した後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて成形し、切削加工を行って、直径80mm、厚さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度500℃/時間にて室温から950℃まで上げて、8MPaのAr雰囲気下、温度950℃で24時間保持し、低圧HIP焼結を行い、一次焼結体を得た。
低圧HIP焼結中に亜鉛の揮散はなく、相対密度は92.9%であった。また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、明らかな空孔は観察されず開気孔の欠陥はほとんどなかった。
なお、一次焼結体の相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、炭化チタン、酸化アルミニウムの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+炭化チタンの単体密度×混合重量比+酸化アルミニウムの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例1と同様にして測定した。
次いで、実施例1と同様にして一次焼結体に高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(3)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(3)の相対密度は、一次焼結体の相対密度と同様にして求めたところ、99.6%であった。また、焼結体(3)の反りを実施例1と同様にして判断したところ、焼結体(3)に反りはなかった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(3)を実施例1と同様に加工して、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(3)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Al:Ti=98.2:0.8:1.0であった。酸化亜鉛系焼結体(3)のZnとAlとTiとの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Al:Ti=98.2:0.8:1.0とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、この酸化亜鉛系焼結体(3)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(3)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして、透明導電基板を得たところ、成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり3回以内であり、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(3)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(3)の金属原子の割合とはまったくずれがなく、極めて高密度の反りのない酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(3)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に製膜できた。
(実施例4)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径0.05μm、ハクスイテック(株)製)、炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Tiの原子数比が99.0:1.0となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:1%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして湿式混合、乾燥した後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて成形し、切削加工を行って、直径80mm、厚さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度500℃/時間にて室温から950℃まで上げて、8MPaのAr雰囲気下、温度950℃で24時間保持し、低圧HIP焼結を行い、一次焼結体を得た。
低圧HIP焼結中に亜鉛の揮散はなく、相対密度は93.3%であった。また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、明らかな空孔は観察されず開気孔の欠陥はほとんどなかった。
なお、一次焼結体の相対密度は、実施例1と同様にして求めた。
次いで、実施例1と同様にして一次焼結体に高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(4)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(4)の相対密度は、一次焼結体の相対密度と同様にして求めたところ、99.6%であった。また、焼結体(4)の反りを実施例1と同様にして判断したところ、焼結体(4)に反りはなかった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(4)を実施例1と同様に加工して、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(4)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Ti=99.0:1.0であった。酸化亜鉛系焼結体(4)のZnとTiとの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti=99.0:1.0とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、この酸化亜鉛系焼結体(4)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。
酸化亜鉛系焼結体(4)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして、透明導電基板を得たところ、成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり3回以内であり、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(4)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(4)の金属原子の割合とはまったくずれがなく、極めて高密度の反りのない酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(4)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に製膜できた。
(比較例1)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径1μm以下、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム粉(Ga23粉;純度99.9%、平均粒径1μm以下、住友化学(株)製)および炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Ga:Tiの原子数比が96.5:0.5:3.0(チタンの全金属原子数に対する割合:3%、ガリウムの全金属原子数に対する割合:0.5%)となる割合で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例2と同様にして湿式混合、乾燥した後、加圧成形し、切削加工を行い、直径80mm、高さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度500℃/時間にて室温から1150℃まで上げて、常圧(0.1013MPa)のAr雰囲気下、温度1150℃で24時間保持し、常圧一次焼結を行い、一次焼結体を得た。また、一次焼結体の反りを実施例1と同様にして判断したところ、一次焼結体は反りが生じた。
常圧一次焼結中に亜鉛の揮散があり、一次焼結体の相対密度は、焼結体の体積を測長により求め、重量測定から密度を計算して求めたところ、87.0%であった。
また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、明らかな空孔が観察され開気孔の欠陥が見つかった。
次いで、実施例1と同様にして一次焼結体に高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(C1)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(C1)の相対密度は、一次焼結体の相対密度と同様にして求めたところ、87.0%であった。また、焼結体(C1)の反りを実施例1と同様にして判断したところ、焼結体(C1)は反りが生じた。
酸化亜鉛系焼結体(C1)を実施例1と同様にして加工し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(C1)の組成および結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとGaとTiとの原子数比はZn:Ga:Ti=95.8:0.7:3.5であった。酸化亜鉛系焼結体(C1)のZnとGaとTiとの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ga:Ti=96.5:0.5:3.0と組成ずれが生じており、亜鉛の揮散はあった。
また、酸化亜鉛系焼結体(C1)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化ガリウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(C1)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり20回以上であり、成膜中にArプラズマが不安定で異常放電が多発した。
以上より、亜鉛の揮散が発生し、酸化亜鉛系焼結体(C1)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(C1)の金属原子の割合とは組成ずれをおこし、低密度の反りのある酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(C1)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングすると異常放電が多発して安定に製膜することができなかった。
(比較例2)
酸化亜鉛粉(ZnO粉;純度99.9%、平均粒径1μm以下、キシダ化学(株)製)、炭化アルミニウム粉(Al23粉;純度99.99%、平均粒径0.5μm、住友化学(株)製)および炭化チタン粉(TiC粉;純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5μm、日本新金属(株)製)をZn:Al:Tiの原子数比が96.5:0.5:3.0(チタンの全金属原子数に対する割合:3%、アルミニウムの全金属原子数に対する割合:0.5%)となる割合で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例2と同様にして湿式混合、乾燥した後、加圧成形し、切削加工を行い直径80mm、厚さ78mmの円柱状成型体を得た。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、昇温速度100℃/時間にて室温から1100℃まで上げて、圧力100MPaのAr雰囲気下、温度1100℃で1時間保持し、高圧HIP処理を行い、酸化亜鉛系焼結体(C2)を得た。高圧HIP処理後の酸化亜鉛系焼結体(C2)の相対密度は、焼結体の体積を測長により求め、重量測定から密度を計算して求めたところ、66%であった。また、高圧HIP処理中に亜鉛の揮散はまったくなかった。さらに、焼結体(C2)の反りを実施例1と同様にして判断したところ、焼結体(C2)に反りはなかった。
また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(C2)を観察したところ、明らかな空孔が観察され開気孔の欠陥が多数見つかった。
酸化亜鉛系焼結体(C2)を実施例1と同様にして加工し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
この酸化亜鉛系焼結体(C2)の組成および結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Al:Ti=96.5:0.5:3.0であった。酸化亜鉛系焼結体(C2)のZnとAlとTiとの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Al:Ti=96.5:0.5:3.0とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、酸化亜鉛系焼結体(C2)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(C2)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして、透明導電基板を得たところ、成膜中に発生した異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は、約1時間あたり30回以上であり、成膜中にArプラズマが不安定で異常放電が多発した。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(C2)の原料である原料粉末の金属原子の割合と、得られた酸化亜鉛系焼結体(C2)の金属原子の割合とはまったくずれがなく、焼結体の反りも生じなかったが、低密度の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(C2)を加工してなるターゲットを用いてスパッタリングすると異常放電が多発して安定に製膜することができなかった。

Claims (4)

  1. 下記プロセスAないしCを含み、プロセスBの一次焼成およびプロセスCの二次焼成がカプセルフリー熱間静水圧プレスにより行なわれることを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
    プロセスA:実質的に、亜鉛と、チタンと、炭素と、酸素とからなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下である原料粉末を、成形して成型体を得る工程
    プロセスB:前記プロセスAで得られた成型体を、圧力1〜30MPaの不活性ガス雰囲気下、焼成温度900〜1200℃で一次焼成を行い、相対密度が92%以上98%未満で、かつ欠陥が閉気孔である一次焼結体を得る工程
    プロセスC:前記プロセスBで得られた一次焼結体を、圧力90MPa以上の不活性ガス雰囲気下、800〜1400℃で二次焼成を行い、相対密度が98%以上である酸化亜鉛系焼結体を得る工程
  2. 下記プロセスDないしFを含み、プロセスEの一次焼成およびプロセスFの二次焼成がカプセルフリー熱間静水圧プレスにより行なわれることを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
    プロセスD:実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン、炭素並びに酸素からなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であり、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.1〜2.5%である原料粉末を成形して成型体を得る工程
    プロセスE:前記プロセスDで得られた成型体を、圧力1〜30MPaの不活性ガス雰囲気下、焼成温度900〜1200℃で一次焼成を行い、相対密度が92%以上98%未満であり、かつ欠陥が閉気孔である一次焼結体を得る工程
    プロセスF:前記プロセスEで得られた一次焼結体を、圧力90MPa以上の不活性ガス雰囲気下、800〜1400℃で二次焼成を行い、相対密度が98%以上である酸化亜鉛系焼結体を得る工程
  3. 前記原料粉末は、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉を含む請求項1に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  4. 前記原料粉末は、酸化ガリウム粉、酸化アルミニウム粉および炭化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、炭化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉を含む請求項2に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
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