JP6014454B2 - 酸化亜鉛系焼結体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法などにより酸化亜鉛系透明導電膜を安定して形成することができるターゲット等として有用な酸化亜鉛系焼結体の製造方法、およびターゲットに関する。
導電性と光透過性とを兼ね備えた透明導電膜は、これまでから、太陽電池、液晶表示素子、その他各種受光素子における電極などとして利用されているほか、自動車窓や建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、冷凍ショーケース等における防曇用透明発熱体など、幅広い用途に利用されている。特に、低抵抗で導電性に優れた透明導電膜は、太陽電池や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンスなどの液晶表示素子や、タッチパネルなどに好適であることが知られている。
従来、透明導電膜としては、例えば、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)膜、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜などの酸化スズ(SnO2)系の薄膜;アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)膜、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)膜などの酸化亜鉛(ZnO)系の薄膜;スズドープ酸化インジウム(ITO;Indium Tin Oxide)膜などの酸化インジウム(In23)系の薄膜が知られている。中でも、最も工業的に利用されているのは酸化インジウム系の透明導電膜であり、とりわけITO膜は、低抵抗で導電性に優れることから、幅広く実用化されている。
このような透明導電膜を形成する際には、従来から、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法、EB蒸着法などが工業的に汎用されている。これらの成膜方法において膜原料として用いられるターゲットは、成膜しようとする膜を構成する金属元素を含む固体からなり、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などの焼結体や混合体、場合によっては単結晶で形成される。
例えば、ITOのような酸化物の膜をスパッタリング法で形成する際には、ターゲットとしては、一般に、膜を構成する金属元素からなる合金ターゲット(ITO膜を形成する場合にはIn−Sn合金)か、もしくは膜を構成する金属元素を含む酸化物を焼結もしくは混合してなる酸化物ターゲット(ITO膜を形成する場合にはIn−Sn−Oからなる焼結体や混合体)が用いられる。
ただし、合金ターゲットを用いると、形成される膜中の酸素は全て雰囲気中の酸素ガスから供給されることになるので、雰囲気中の酸素ガス量が変動しやすくなり、その結果、雰囲気中の酸素ガス量に依存する成膜速度や得られる膜の特性(比抵抗、透過率)を一定に保つことが困難になる場合がある。
他方、酸化物ターゲットを用いると、膜に供給される酸素の一部はターゲット自体から供給され、不足分のみが雰囲気中の酸素ガスから供給されることになるので、雰囲気中の酸素ガス量の変動は、合金ターゲットを用いる場合に比べ抑えることができ、その結果、一定の膜厚を有し一定の膜特性を有する透明導電膜を容易に製造することが可能となる。
したがって、これまで、酸化物ターゲットが工業的に用いられている。
ところで、ITO膜などの酸化インジウム系の透明導電膜は、その必須原料であるIn(インジウム)が、希少金属であるため高価で且つ資源枯渇のおそれがあり、しかも毒性を有し環境や人体に対して悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、近年、ITO膜に代替し得る工業的に汎用可能な透明導電膜が要望されている。そのような中、スパッタリング法による工業的製造も可能である酸化亜鉛系透明導電膜が注目されており、その導電性能を高めるべく研究が進められている。
具体的には、非特許文献1では、導電性を高めるべくZnOに種々のドーパントをドープさせる試みが報告されている。その中で、現在、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜が優れた導電性を示すため実用的に使用されている。しかし、AZO膜やGZO膜は、化学的耐久性が乏しく、特に近赤外領域の透過性が低い為、例えば、CIS/CIGS太陽電池の透明電極としての用途など太陽電池用途に適していない。
また、本発明者らは、亜鉛に比べ化学的耐久性に優れ、ドーパントであるチタン源として4価の酸化チタン(TiO2(IV))でなく、低原子価酸化チタンを含有し、この低原子価酸化チタンの含有量を従来最適とされていた含有量よりもさらに増やした酸化物ターゲットを用いれば、優れた導電性と化学的耐久性とを兼ね備えた酸化亜鉛系透明導電膜とすることができることを見出している(特許文献1参照)。
上述した酸化物ターゲット、すなわち低原子価酸化チタンドープ酸化亜鉛系焼結体を無加圧焼結により作製するのに、低原子価酸化チタンが酸化されて4価の酸化チタン(TiO2(IV))となるのを抑制するため、不活性雰囲気や還元性雰囲気などの非酸化性雰囲気中にて焼結する必要があるが、酸化亜鉛が亜鉛の揮散のしやすさは、焼結する際の雰囲気によって異なり、例えば、焼結体の原料に酸化亜鉛粉を用いた場合、大気雰囲気や酸化雰囲気などの酸化性雰囲気では焼結体の製造過程で酸化亜鉛粉自体の揮散しか起こらないが、非酸化性雰囲気で焼結すると、酸化亜鉛が還元されて、酸化亜鉛よりもさらに揮散しやすい金属亜鉛となるので、非酸化性雰囲気下で焼結体を製造する場合は、酸化性雰囲気下で製造する場合よりも、亜鉛の消失量が増すことになる。
そのため、低原子価酸化チタンドープ酸化亜鉛系焼結体を無加圧焼結により作製するには、予め焼結体の目的組成に対して、その原料粉末である酸化亜鉛粉の仕込み量を増やしておく必要がある。
しかし、正確に亜鉛の揮散量を計算するのは極めて困難であったため、目的の組成である焼結体が得られにくいという問題があった。なお、焼結方法が不活性常圧焼結法では一般的に亜鉛の揮散を避けられない。
さらに、亜鉛が揮散する部分には当然空孔が生じやすく、焼結体の密度低下に繋がり、このような低密度の焼結体を用いてスパッタリングにて成膜すると、異常放電が発生しやすくなり安定に成膜できないという問題があった。すなわち、亜鉛の揮散を抑制することは無加圧焼結にて物理的に実現できない。一方、加圧焼結方法であれば、亜鉛の揮散を抑制できる可能性はあるが、固体圧縮法による一般的なホットプレス法では、原料粉末を成型加圧して焼結させるが、黒鉛からなるダイスとパンチ間にクリアランス(隙間)があるため、亜鉛の揮散を避けることができない。また、ガス圧縮法による通常のカプセルフリーHIP(熱間等方加圧焼結)法では、バルク焼結体をさらに高密度化させることができるが、HIPするには、処理品がある程度の高密度化(相対密度:90%〜95%)されている焼結体(欠陥が外観と遮断されている閉気孔しか存在しない)でなければ、さらに閉気孔をつぶして緻密化して、処理品を高密度の焼結体とすることができない。従って、カプセルフリーHIP法により加圧焼結する前に、別法(不活性常圧焼結などの無加圧焼結)にて、ある程度の高密度化(90%〜95%)の焼結体を作製する必要があるが、その焼結体を作製する段階にて、亜鉛が揮散してしまう。
なお、ここでいう高密度の焼結体とは、相対密度が98%以上であるものをいう。
そこで、低製造コストにて亜鉛の揮発を抑制して高密度の焼結体とすることができる焼結方法として、原料粉末を金属製の容器(カプセル)に充填し、気密封止して加圧焼結する、カプセル熱間等方加圧焼結(カプセルHIP)法がある。
しかしながら、焼結すべき粉体を金属製の容器内に気密封止するので、亜鉛の揮散をほぼゼロに抑えることができる唯一の方法であるが、金属製容器ごとに加圧されるので、加圧による金属製容器の収縮率が大きいと、金属製容器が破裂してしまい、原料粉末が揮散し、加えた圧力をかけることができない。そのため、一般に、金属製容器の収縮率を体積レベルで少なくとも50%以下とすればよいことが知られており、そのためには、金属製容器に充填した原料粉末の充填率を少なくとも50%以上にすればよいことが知られている。
しかし、市販の酸化亜鉛粉の充填率は20%弱である。
ここでいう原料粉末の充填率とは、すなわち原料粉末を加圧成形せずに原料粉末を金属製容器に充填した場合の原料粉末の充填率とは、理論的にカプセルHIP後に焼結体が理論密度に到達したとし、得られた焼結体の理論密度に対する、焼結体の原料である原料粉末のタップ密度の割合である。
特開2011‐190528号公報
月刊ディスプレイ、1999年9月号、p10〜「ZnO系透明導電膜の動向」
本発明の課題は、亜鉛の揮散を抑制して、高密度の酸化亜鉛系焼結体を製造する方法およびターゲットを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、酸化亜鉛とドーパントである酸化チタンとからなる混合粉、あるいは酸化亜鉛と第一ドーパントである酸化チタンと第二ドーパントである酸化ガリウムまたは酸化アルミニウムとからなる混合粉を予めプレス成形を行い、密度を2.8g/cm3以上とした成型体を金属製容器に充填して、混合粉の充填率を50%以上とし、真空封止した金属製容器をHIP装置に配置して、カプセルHIP処理を行うことにより亜鉛の揮散が抑制され、焼結体の原料である原料粉末の組成と焼結体の目的組成とのずれがほとんどなく、相対密度が98%以上の焼結体を作製することが可能であることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
また、混合粉作製の際にバインダーを含有させることにより、300mmφあるいは300mm角以上の大型焼結体を脱脂工程が増えることなく、上記と同様のプロセスにて作製できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)実質的に亜鉛と、チタンと、酸素とからなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上10%以下である原料粉末を、加圧成形し、成型体とする工程と、前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とし、熱間等方加圧焼結を行う工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(2)実質的にガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン並びに酸素からなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上10%以下であり、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.1〜6%である原料粉末を、加圧成形し、成型体とする工程と、前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とし、熱間等方加圧焼結を行う工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(3)前記原料粉末は、酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉からなる前記(1)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(4)前記原料粉末は、酸化ガリウム粉および酸化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉からなる前記(2)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(5)前記酸化チタン粉が、一般式:TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンの粉末である前記(3)または(4)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(6)前記原料粉末は、バインダーを含有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(7)前記熱間等方加圧焼結を行う工程において、前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とした後、脱バインダー処理と金属製容器の真空脱気処理を同時に行い、次いで熱間等方加圧焼結を行う前記(6)に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(8)前記成型体の密度が、2.8g/cm3以上である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(9)前記熱間等方加圧焼結は、焼結温度が800〜1100℃であり、得られる酸化亜鉛系焼結体の相対密度が98%以上となるように成型体を焼結することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(10)熱間等方加圧焼結における圧力は30MPa以上であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(11)スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化亜鉛系焼結体を加工してなることを特徴とするターゲット。
本発明によれば、原料粉末を加圧成形して、成型体とし、この成型体を金属製容器に充填するので、原料粉末の充填率を50%以上とすることができ、熱間等方加圧焼結(HIP)を行っても、金属製容器の破裂もなく、亜鉛の揮散が抑制され、焼結体の原料である原料粉末の組成と焼結体の目的組成とがほとんどずれることなく、高密度の酸化亜鉛系焼結体を作製できる。この酸化亜鉛系焼結体を用いることにより、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法によって、成膜中にほとんど異常放電が発生することなく、安定的に再現性よく優れた導電性を発現する酸化亜鉛系透明導電膜を形成することができる。しかも、このようにして形成された透明導電膜は、希少金属であり毒性を有するインジウムを必須としないという利点も有するので、工業的に極めて有用である。
(酸化亜鉛系焼結体の製造方法)
本発明の酸化亜鉛系焼結体の製造方法(以下、製造方法(a)という場合がある)は、原料粉末(以下、原料粉末(a)という場合がある)を、加圧成形し、成型体とする工程と、成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を所定範囲内とし、熱間等方加圧焼結を行う工程とを含む。
原料粉末(a)は、実質的に亜鉛、チタンおよび酸素からなる。ここで、「実質的」とは、原料粉末を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、酸素とからなることを意味する。
さらに、原料粉末(a)中のチタン原子数の割合は、全金属原子数に対して0.2%以上10%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜9%であり、さらに好ましくは0.8〜8%である。
原料粉末(a)中のチタン原子数の割合が上記範囲内となるように酸化チタン粉が混合されると、カプセルHIP法により、亜鉛を揮発することなく、チタン原子数の割合がこの範囲内である組成の酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。この酸化亜鉛系焼結体におけるチタンの含有量が上述の範囲で上限に近い場合(すなわち、10%に近い場合)、得られる酸化亜鉛系透明導電膜は、優れた化学的耐久性を有するが、チタンの含有量が上述の範囲で下限に近い場合(すなわち、0.2%に近い場合)よりも、屈折率が若干高くなり、近赤外域の高透過性は維持できるものの近紫外域および可視光域の透過性が若干低下する傾向にある。用途によっては全く問題ないが、例えば、化学的耐久性よりも透過率が要求されるCIS/CIGS太陽電池における透明電極などの太陽電池の部材に用いる場合、太陽電池の変換効率がチタンの含有量が下限に近い場合に比べて少し低下する傾向にある。一方、チタンの含有量が下限に近い場合、チタンの含有量が上限に近い場合よりも、化学的耐久性が問題のない範囲で若干低下するものの、得られる酸化亜鉛系透明導電膜の屈折率が若干低くなり、近赤外域の高透過性を維持しながら、近紫外域および可視光域の透過性も向上させることができる。
このように、化学的耐久性が要求される用途や透過率が要求される用途によって、チタンの含有量を増減させることができる。
特にチタン原子数の割合が、全金属原子数に対して、2%超10%以下であれば、この酸化亜鉛系焼結体を用いて、耐湿性、耐熱性など化学的耐久性、導電性などに優れた膜を形成することができる。
ここで、全金属原子数とは、原料粉末に含まれる金属原子の総数であり、亜鉛が全金属原子数の約90〜99.8%を占める。そのため、原料粉末において、亜鉛が主成分となる。
このような原料粉末(a)を構成する粉末としては、例えば、(A1)酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉との混合粉及び(B1)チタン酸亜鉛化合物粉から選ばれる少なくとも一方を含む粉末などが挙げられる。
酸化亜鉛粉としては、通常、ウルツ鉱構造のZnO等の粉末が用いられ、さらにこのZnOを予め還元雰囲気で焼成して酸素欠損を含有させたものを用いてもよい。なお、酸化亜鉛粉としては、純度が99重量%以上であるものを用いるのがよい。酸化亜鉛粉の平均粒径は、それぞれ0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。また、そのBET比表面積は、特に限定されない。成形前の酸化亜鉛粉のタップ密度は、粒子サイズ、粒度分布より異なるが、1.12g/cm3以下であることが多い。酸化亜鉛粉は、焼成履歴がないのが好ましい。
ここで、タップ密度とは、JIS K5101に基づき、一定容積の容器に粉末を自然落下により目一杯充填した後、さらに該容器に一定の振動(タッピング)による衝撃を加え、粉末の体積変化がなくなったときの単位体積当たりの粉末の質量と定義する。なお、一定容積の容器に粉末を自然落下により目一杯充填し、その内容積を体積としたときの単位体積当たりの粉末の質量をかさ密度といい、一般的にタップ密度は、かさ密度の1.1〜1.3倍程度の値となる。
水酸化亜鉛粉としては、アモルファスのZn(OH)2粉、結晶構造を有するZn(OH)2粉などが挙げられる。
酸化チタン粉としては、TiO2(IV)粉;TiO(II)、Ti23(III)という整数の原子価を有するものばかりでなく、Ti35、Ti47、Ti611、Ti59、Ti815等も含む、一般式 TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタン粉末等の粉末が挙げられ、なかでも、酸化亜鉛系焼結体は、2価のチタンからなる酸化チタン(TiO)、3価のチタンからなる酸化チタン(Ti23)をチタン源として得られたものであることが好ましく、その点で、酸化チタン粉としてはTiOまたはTi23の粉末を用いるのが好ましい。ここで、Ti23をチタン源とすることが好ましい理由は、Ti23の結晶構造は三方晶であり、これと混合する酸化亜鉛は六方晶のウルツ鉱であるため、結晶構造の対称性が一致し、固相焼結する際に置換固溶しやすいからである。なお、酸化チタン粉としては、純度が99重量%以上であるものを用いるのがよい。
この低原子価酸化チタンの構造は、X線回折装置(X‐Ray Diffraction、XRD)、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)などの機器分析の結果によって確認することができる。
チタン酸亜鉛化合物粉としては、ZnTiO3、Zn2TiO4等の粉末を用いることができ、特に、Zn2TiO4の粉末を用いるのが好ましい。
原料粉末(a)として各々用いる化合物(粉)の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
原料粉末を成形する前に、例えば、原料粉末と水系溶媒とを混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合により混合した後、固液分離・乾燥・造粒してもよい。
水系溶媒は、水を主成分とし、水単独であってもよいし、水とメタノール、エタノール等のアルコールなどとの混合物であってもよい。
湿式混合は、例えば、硬質ZrO2ボール等を用いた湿式ボールミルや振動ミルにより行なえばよく、湿式ボールミルや振動ミルを用いた場合の混合時間は、12〜78時間程度が好ましい。なお、原料粉末をそのまま乾式混合してもよいが、湿式混合の方がより好ましい。固液分離・乾燥・造粒については、それぞれ公知の方法を採用すればよい。
酸化亜鉛系焼結体は、上述の原料粉末を加圧成形して成型体とし、この成型体を金属製容器に充填した後、金属製容器を気密封止して熱間等方加圧焼結(HIP)することにより製造される。
加圧成形する方法としては、例えば、一軸プレスや冷間静水圧プレス(CIP)などが挙げられる。なお、本発明では、有機バインダーを用いてもよい。有機バインダーはハンドリング性を向上させるために用いられ、特に、300mm角、300mmφ以上の大型焼結体を作製する場合に必要になる。
有機バインダーを用いる場合は、原料粉末と有機バインダーを混合した後、加圧成形して加圧成型体を得、この加圧成型体をHIPする前に、脱バインダー処理(脱脂)を行う。この脱バインダー処理は、例えば、加圧成型体を金属製容器に充填した後、金属製容器の真空脱気処理する前に行ってもよいし、加圧成型体を金属製容器に充填した後に金属製容器の真空脱気処理と同時に行ってもよいが、酸化亜鉛系焼結体を製造するにあたり、脱脂するためだけの工程を必要としないため、後者が好ましい。なお、有機バインダーを用いた場合であっても、原料粉末と有機バインダーとを混合すること、脱バインダー処理を行うことを除き、有機バインダーを用いない場合と同様にして、酸化亜鉛焼結体を製造することができる。
有機バインダーとして、公知のバインダーを用いることができる。
公知のバインダーとしては、例えば、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリα-メチルスチレン、エチルセルロース、ポリ乳酸メチル、(ポリ)ビニルブチラール、(ポリ)ビニルアセテート、(ポリ)ビニルアルコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、(ポリ)ビニルピロリドン、ポリアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレートおよび種々のアクリルポリマーとそれらのコポリマーやターポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロースとその誘導体である樹脂などが挙げられる。
原料粉末と有機バインダーを混合する方法は、特に制限されるものではないが、例えば、原料粉末と、有機バインダーと、有機バインダーを溶解可能な溶媒と、スラリー状にする溶媒とを混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合により混合し、その後の公知の乾燥処理を行う方法などが挙げられる。
原料粉末と有機バインダーを混合した粉末を加圧成形するには、有機バインダーを用いないで成型体を作製する場合と同様にして行えばよい。
有機バインダーとして、これらの公知のバインダーを用いた加圧成型体を金属製容器に充填した後、金属製容器の真空脱気処理する前に脱バインダー処理を行う場合は、例えば、不活性雰囲気下にて少なくとも450℃以上、500〜700℃程度の加熱をすればよい。
有機バインダーを用いた成型体を金属製容器に充填した後、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行う場合は、成型体を金属製容器に充填した後、金属製容器に排気管を有する上蓋を溶接し、吸着水分を除去する目的で450〜700℃程度に加熱すると同時に、金属製容器内の真空度が1.33×10-2Pa以下になるまで真空脱気を行えばよい。これにより、加熱脱気プロセスと脱バインダー処理を同時に行うことができ、脱脂するためだけの工程を必要としないため製造プロセスを増やさずにコストアップにならずに脱バインダー処理をすることができ、大型焼結体(300mm角、300mmφ以上)を特にプロセスを増やさずに作製することができる。
原料粉末を成形する際のプレス圧力は、一軸プレスの場合は、少なくとも10MPa以上50MPa未満であり、より好ましくは20MPa以上にすることが好ましく、例えば、成型体の密度を2.8g/cm3以上にするには、好ましくは25〜45MPa、より好ましくは30〜40MPaである。10MPa未満であると、安定なプレス成型体ができないおそれがある。50MPa以上であると、成型体がもろくわれやすくなるおそれがある。
冷間静水圧プレス(CIP)の場合は、少なくとも50MPa以上300MPa未満であり、より好ましくは100MPa以上することが好ましく、例えば、成型体の密度を2.8g/cm3以上にするには、好ましくは80〜170MPa、より好ましくは100〜140MPaである。50MPa未満であると、安定なプレス成型体ができないおそれがある。300MPa以上であると、成型体がもろくわれやすくなるおそれがある。
成型体の形状は、特に限定されず、例えば、具体的には金属製容器はHIP時に、均等に圧力が加わり、対称に収縮させるために円柱形状が好ましく、成型体のサイズは、例えば、金属製容器内のサイズに対応したサイズであるのが好ましい。
成型体の密度は、好ましくは2.8g/cm3以上であり、より好ましくは3.3〜5.6g/cm3である。成型体の密度が2.8g/cm3以上であれば、この成型体を金属製容器内に型崩れすることなく一杯に詰めることで、原料粉末の充填率を50%以上にすることができ、熱間等方加圧焼結(HIP)による金属製容器の収縮率を50%以下にすることができる。なお、成型体の理論密度は、成型体(原料粉末)は酸化亜鉛を主成分とするため、酸化亜鉛の理論密度と同程度であり、具体的には5.55〜5.60g/cm3である。
なお、成型体の密度の測定方法は、直接成型体の測長を行い、この測定値から算出した体積と、測定した成型体の重量とから求めることができる。例えば、成型体の形状が円柱形状である場合は、成型体の直径と高さを直接測長することにより、円柱形状の成型体の体積を求め、重量を測定して、重量と体積から密度を計算することができる。
ここで、原料粉末を加圧成形した成型体を金属製容器に充填した場合の原料粉末の充填率とは、理論的にカプセルHIP後に焼結体が理論密度に到達したとし、得られた焼結体の理論密度に対する、金属製容器に充填した原料粉末の充填密度の割合をいう。
なお、原料粉末の充填密度とは、成型体を金属製容器に充填した際、金属製容器の内容積に対する成型体の質量であり、原料粉末の充填密度の値は、成型体のサイズと金属製容器内のサイズとの差が小さければ小さいほど、その成型体の密度の値に近づく。成型体のサイズが金属製容器のサイズよりも大きいなど成型体が金属製容器に収まらない場合、原料粉末の充填密度は、上述の測定した成型体の重量から成型体が金属製容器に収まらなかった分を差し引いて求めればよい。
また、理論密度とは、原料粉末に含まれる各金属酸化物の単体密度に各金属酸化物粉末の混合重量比をかけ、和をとったものであり、例えば、原料粉末が酸化亜鉛および酸化チタンからなる場合は、下記式から求められる。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
HIPを行う際に、成型体をHIP用金属製容器内に充填し、真空引きを行う。この真空引きにて酸化亜鉛粉等に付着しているガス、吸着水分の除去することができる。
成型体を金属製容器に充填するとは、CIPや一軸プレス等により加圧成型体を作製し、この成型体を、金属製容器に成型体が崩れないように移し(具体的には慎重にヘラ形状のものを利用する)、金属製容器内に一杯に詰めることをいう。また、成型体を金属製容器に移す際に、成型体が崩れやすいので、直接金属製容器に充填すべき粉末を入れ一軸プレス成形を行い、充填率50%以上の成型体を作製してもよい。
金属製容器は充分真空封止ができて、HIP焼結温度にて充分変形するが破裂するおそれがない材料であればかまわない。通常、鉄、アルミニウム、ステンレス等が用いられる。
金属製容器の形状は、例えば、HIP時に等方的に対称収縮しやすいように円筒形状であることが好ましく、金属製容器のサイズは、金属製容器内に成型体を充填した際に、原料粉末の充填率を50%以上とすることができるサイズであれば、成型体のサイズよりも大きくても小さくてもよい。円筒形状であれば、HIP焼結体の均一性(相対密度、組成)が維持される。
金属製容器の壁厚は、1.5mm〜5mmが好ましい。この範囲内であれば、金属製容器が容易に軟化し、変形することができ、焼結反応が進むに従い、焼結体に追随して収縮することができる。
金属製容器の真空引きは、金属製容器を加熱しながら、金属製容器内の圧力を1.33×10-2Pa以下となるまで減圧する。
真空引きする際の金属製容器の加熱温度は100℃以上600℃以下であることが好ましい。なお、成型体が有機バインダーを含む場合には、真空引きする際の金属製容器の加熱温度は上述したように、450〜700℃程度である。
真空引き後の金属製容器内の圧力が1.33×10-2Paを超えたままであると、酸化亜鉛粉に付着しているガス、吸着水分の除去が充分に行われないため、高密度の焼結体が得られないおそれがある。
カプセルHIPを行う際は、金属製容器に排気管を接続し、上記のようにして、加熱、真空引きを実施し、金属製容器内の圧力が1.33×10-2Pa以下になれば、金属製容器に接続された排気管を閉じ、金属製容器を封止する。この真空封止した金属製容器をHIP装置に配置してHIP処理を行う。
HIP処理は、高温高圧下の不活性ガスを圧力媒体として金属製容器内部の原料粉末(成型体)の焼結を行うものである。カプセルHIP処理が酸化性雰囲気下で行われると、金属製容器自体が酸化されるため、金属製容器自身の機械的強度が大幅に低下し、HIP処理中に金属製容器が破裂してしまう可能性があり、その結果、高密度の酸化亜鉛系焼結体とすることができないおそれがある。
HIP処理条件は、HIPにおける焼結温度が800〜1100℃、より好ましくは900〜1050℃であり、焼結体の相対密度を98%以上とする条件が好ましい。HIPにおける焼結温度が上記範囲内であれば、金属製容器の材料が軟化、変形する温度領域であり、HIP処理に際して、金属製容器が成型体に負荷する圧力の抵抗となることなく、焼結体に圧力を100%かけることができる。相対密度が98%以上である焼結体であれば、例えば、該焼結体を用いてスパッタリングにて成膜する際、異常放電が発生しにくく安定に成膜することができる。
ここで、相対密度とは、原料粉末に含まれる各金属酸化物の単体密度に各金属酸化物粉末の混合重量比をかけ、和をとった理論密度に対する、実際に得られた焼結体の密度の割合であり、例えば、焼結体が酸化亜鉛および酸化チタンからなる場合は、下記式から求められる。なお、本発明では、焼結体の理論密度は、焼結体は酸化亜鉛を主成分とするため、酸化亜鉛の理論密度と同程度であり、具体的には5.55〜5.60g/cm3である。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例に記載の評価方法によって測定することができる。
焼結体の相対密度を98%以上とするには、例えば、後述するHIP条件でHIP処理すればよい。
HIPにおける圧力は、好ましくは30MPa以上、より好ましくは50MPa以上であり、HIP条件は、焼結温度が800℃〜1100℃で、圧力30MPa以上の条件で1時間以上行うことが好ましい。HIP処理条件で温度が800℃未満、圧力30MPa未満では、得られる焼結体の相対密度が90%未満と低くなる。
なお、原料粉末は金属製容器内に真空封止にて閉じこめられている閉鎖空間なので、亜鉛の揮散もなく組成ずれもおこることはない。
圧力媒体としてのガスとしては、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いる。
(他の酸化亜鉛系焼結体の製造方法)
本発明の他の酸化亜鉛系焼結体の製造方法(以下、製造方法(b)という場合がある)は、実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン並びに酸素からなり、チタンを所定の割合で含有し、かつガリウムまたはアルミニウムを所定の割合で含有する原料粉末(以下、原料粉末(b)という場合がある)を、上述した製造方法(a)における原料粉末に代えて用いる他は、上述した製造方法(a)と同様にして、酸化亜鉛系焼結体を製造する方法である。
原料粉末(b)は、実質的に、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン並び酸素からなる。ここで、「実質的」とは、原料粉末(b)を構成する全原子の99%以上が、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方と、亜鉛と、チタンと、酸素とからなることを意味する。
原料粉末(b)は、第二ドーパントとしてガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方を含有するので、得られる酸化亜鉛系焼結体を用いて形成される酸化亜鉛系透明導電膜をより低抵抗化することができる。
原料粉末(b)中のチタン原子数の割合は、全金属原子数に対して0.2%以上10%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜9%であり、さらに好ましくは0.8〜8%である。
原料粉末(b)中のチタン原子数の割合が上記範囲内となるように酸化チタン粉が混合されると、カプセルHIP法により、亜鉛を揮発することなく、チタン原子数の割合がこの範囲内である組成の酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。チタン原子数の割合は、原料粉末(a)と同様に、化学的耐久性が要求される用途や透過率が要求される用途によって、チタンの含有量を増減させることができる。
特にチタン原子数の割合が、全金属原子数に対して、2%超10%以下であれば、この酸化亜鉛系焼結体を用いて、耐湿性、耐熱性など化学的耐久性、導電性などに優れた膜を形成することができる。
ここで、全金属原子数とは、原料粉末(b)に含まれる金属原子の総数であり、亜鉛が全金属原子数の約84〜99.7%を占める。そのため、原料粉末(b)において、亜鉛が主成分となる。
原料粉末(b)中のガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合は、全金属原子数に対して0.1%以上6%以下、好ましくは0.5%以上6%以下である。ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%未満であると、導電性の向上効果が不十分となるおそれがある。一方、6%を超えると、ガリウムまたはアルミニウムが亜鉛サイトに置換固溶しきれなくなり、結晶粒界に析出し、導電性の低下、透過率の低下を招くおそれがある。
原料粉末(b)にはガリウムおよびアルミニウムが含まれていてもよく、係る場合、原料粉末(b)中のガリウムおよびアルミニウムの原子数の割合は、全金属原子数に対して0.1%以上6%以下であればよい。
このような原料粉末(b)を構成する粉末としては、例えば、酸化ガリウム粉および酸化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、(A2)酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉との混合粉および(B2)チタン酸亜鉛化合物粉から選ばれる少なくとも一方とを含む粉末などが挙げられる。
酸化アルミニウム粉としては、例えば、Al23粉などが挙げられ、酸化ガリウム粉としては、例えば、Ga23などが挙げられる。
酸化チタン粉、酸化亜鉛粉、水酸化亜鉛粉およびチタン酸亜鉛化合物粉などは、製造方法(a)で例示したものと同様のものを用いることができる。
原料粉末(b)として各々用いる化合物(粉)の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
(酸化亜鉛系焼結体)
酸化亜鉛系焼結体が、製造方法(a)により製造された場合は、実質的に亜鉛と、チタンと、酸素とからなる焼結体である。
また、製造方法(b)により製造された場合は、実質的に亜鉛と、チタンと、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも一方と、酸素とからなる焼結体である。
ここで、「実質的」とは、前者の場合は、酸化亜鉛系焼結体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、酸素とからなることを意味し、後者の場合は、酸化亜鉛系焼結体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方と、酸素とからなることを意味する。
酸化亜鉛系焼結体においては、チタンが原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.002以上0.1以下となるよう含有されていることが重要である。
このTi/(Zn+Ti)の値が0.002より小さいと、この酸化亜鉛系焼結体を用いて形成された膜の耐薬品性など化学的耐久性が不充分となり、比抵抗も高くなる。しかも、酸化亜鉛系焼結体中にチタン酸亜鉛化合物が形成されにくくなるため焼結体の強度が低下し、ターゲットへの加工が困難になるおそれがある。一方、Ti/(Zn+Ti)の値が0.1を超えるチタン含有量であると、後述するように酸化亜鉛系焼結体中に含まれないことが望まれる酸化チタン結晶相の形成が避けられなくなり、この酸化亜鉛系焼結体を用いて形成された膜の導電性や透明性が低下するおそれがある。好ましくは、チタンの含有量は、原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.005〜0.09となる量であり、より好ましくは、原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.008〜0.08となる量である。
特にTi/(Zn+Ti)=0.002以上0.02以下では、形成された膜の化学的耐久性はTi/(Zn+Ti)=0.02超0.1以下の場合よりも低下する傾向にあるが、少なくとも現在使用されているAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜やGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜よりはるかに化学的耐久性は優れ、チタンの含有量が少なくなることにより、形成された膜の屈折率が小さくなり、特に可視域から近紫外域の透過率が高くなる傾向にある。膜の近紫外域〜可視域の透過性が向上すると、この透明導電膜を例えば、CIS/CIGS太陽電池における透明電極などの太陽電池の部材に用いた場合、太陽電池の変換効率を高くすることができる。さらに、形成された膜の低抵抗化は、チタンだけでは十分に達成しにくいため、アルミニウムおよびガリウムの少なくとも1つを含むことが好ましい。
一方、チタンが原子数比でTi/(Zn+Ti)=0.02超0.1以下では、この酸化亜鉛系焼結体を用いて形成された膜の化学的耐久性に極めて優れ、チタンのみでも低抵抗化することは可能であるが、さらなる低抵抗化するために、ガリウムおよびアルミニウムの少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の製造方法によって製造された酸化亜鉛系焼結体を用いて形成された透明導電膜はいずれもAZO膜,GZO膜より化学的耐久性、近赤外高透過性に優れているが、上述したようにチタンの含有量により近紫外域領域〜可視域領域の高透過性重視、すなわち太陽電池の変換効率向上重視か、極めて高い化学的耐久性重視か、自由に特性を調整することができる。
酸化亜鉛系焼結体においては、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.2%以上10%以下で含有されていることが重要である。このチタンの原子数の割合が0.2%未満であると、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の耐薬品性など化学的耐久性が不充分となるおそれがある。一方、チタンの原子数の割合が10%を超えると、酸化チタンが亜鉛サイトに十分置換固溶できなくなり、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成された膜の導電性や透明性が低下するおそれがある。好ましくは、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.5%以上9%以下となる量であり、より好ましくは0.8%以上8%以下となる量である。
製造方法(a)により得られた酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相とチタン酸亜鉛化合物相とから構成される焼結体であるのが好ましい。このように酸化亜鉛系焼結体中にチタン酸亜鉛化合物相が含まれていると、焼結体自体の強度が増すので、例えば酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして過酷な条件(高電力など)で成膜してもクラックを生じることがない。
なお、チタン酸亜鉛化合物相とは、具体的には、ZnTiO3、Zn2TiO4のほか、これらの亜鉛サイトにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、Zn/Ti比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むものとする。
また、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
製造方法(b)により得られた酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相と、チタン酸亜鉛化合物相と、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方の酸化物相とから構成される焼結体;酸化亜鉛相と、チタン酸亜鉛化合物相とから構成される焼結体であるのが好ましい。
ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方の酸化物相とは、Al23およびGa23から選ばれる少なくとも一方である。
なお、チタン酸亜鉛化合物相とは、具体的には、ZnTiO3、Zn2TiO4のほか、これらの亜鉛サイトおよびチタンサイトから選ばれる少なくとも一方に、チタン元素、ガリウム元素およびアルミニウム元素から選ばれる少なくとも1つが固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、Zn/Ti比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むものとする。
また、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これの亜鉛サイトにチタン元素、ガリウム元素およびアルミニウム元素から選ばれる少なくとも1つが固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
酸化亜鉛系焼結体は、実質的に酸化チタンの結晶相を含有しないことが好ましい。
酸化亜鉛系焼結体に酸化チタンの結晶相が含まれていると、得られる膜が、比抵抗などの物性にムラがあり均一性に欠けるものとなるおそれがある。酸化亜鉛系焼結体は、上述したTi/(Zn+Ti)の値が0.1以下であるので、通常、チタンが酸化亜鉛に完全に反応し、酸化亜鉛系焼結体中に酸化チタン結晶相は生成されにくい。なお、酸化チタンの結晶相とは、具体的には、Ti23、TiOのほか、これらの結晶にZnなど他の元素が固溶された物質も含むものとする。なかでも、酸化チタンの結晶相は、Ti23、TiOを含むのが好ましい。
酸化亜鉛系焼結体は、錫、シリコン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、これらを「添加元素」と称することもある)をも含有することが好ましい。このような添加元素を含有することによって、この酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成される膜の比抵抗に加え、酸化亜鉛系焼結体自体の比抵抗も低下させることができる。例えば直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化亜鉛系焼結体の比抵抗に依存し、酸化亜鉛系焼結体自体の比抵抗を下げることにより、成膜時の生産性を向上させることができる。添加元素を含有する場合、その全含有量は、原子数比で、酸化亜鉛系焼結体を構成する全金属元素の総量に対して0.05%以下であることが好ましい。添加元素の含有量が前記範囲よりも多いと、酸化亜鉛系焼結体をターゲットとして形成される膜の比抵抗が増大するおそれがある。
酸化亜鉛系焼結体に添加元素を含有させるには、例えば、上述した原料粉末に添加元素の酸化物の粉末を混合させるなどすればよい。
添加元素は、酸化物の形態で酸化亜鉛系焼結体中に存在していてもよいし、酸化亜鉛相の亜鉛サイトに置換した(固溶した)形態で存在していてもよいし、チタン酸亜鉛化合物相のチタンサイトおよび亜鉛サイトから選ばれる一方に置換した(固溶した)形態で存在していてもよい。
酸化亜鉛系焼結体は、必須元素である亜鉛およびチタンや添加元素のほかに、例えば、インジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウムなどの他の元素を、不純物として含有していてもよい。不純物として含有される元素の合計含有量は、原子数比で、酸化亜鉛系焼結体を構成する全金属元素の総量に対して0.1%以下であることが好ましい。
酸化亜鉛系焼結体に不純物を含有させるには、例えば、上述した原料粉末に不純物の粉末を混合させるなどすればよい。
酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は、5kΩ・cm以下であることが好ましい。例えば直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化亜鉛系焼結体の比抵抗に依存するので、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗が5kΩ・cmを超えると、直流スパッタで安定的な成膜を行えないおそれがある。成膜時の生産性を考慮すると、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低いほど好ましく、具体的には100Ω・cm以下であるのがよい。
通常、酸化亜鉛系焼結体を還元雰囲気にて焼結した場合は、酸素欠損の導入により、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低くなり、酸化雰囲気にて焼結した場合は、比抵抗は高くなる。
(ターゲット)
本発明のターゲットは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜に用いられるターゲットである。なお、このような成膜の際に用いる固形材料のことを「タブレット」と称する場合もあるが、本発明においてはこれらを含め「ターゲット」と称することとする。
本発明のターゲットは、上述した酸化亜鉛系焼結体を所定の形状および所定の寸法に加工してなる。
加工方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を採用すればよい。例えば、酸化物焼結体に平面研削等を施した後、所定の寸法に切断してから、支持台に貼着することにより、本発明のターゲットを得ることができる。また、必要に応じて、複数枚の酸化亜鉛系焼結体を分割形状にならべて、大面積のターゲット(複合ターゲット)としてもよい。
酸化亜鉛系焼結体または本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、再現性よく安定に優れた導電性と化学的耐久性(耐熱性、耐湿性など)とを兼ね備えたものであるので、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ・有機ELディスプレイ・電子ペーパーなどの透明電極、太陽電池の光電変換素子の窓電極、透明タッチパネル等の入力装置の電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜等の用途に好適に用いられる。さらに、酸化亜鉛系焼結体または本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、透明電波吸収体、紫外線吸収体、さらには透明半導体デバイスとして、他の金属膜や金属酸化膜と組み合わせて活用することもできる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、キシダ化学(株)製)および一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学品研究所製)をZn:Tiの原子数比が97:3となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:3%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミル混合法により湿式混合して、原料粉末スラリーを得た。湿式混合は、ボールとして硬質ZrO2ボールを用い、混合時間を18時間として行った。
次いで、混合後の原料粉末スラリーを取り出し、ボールを篩いにより、エバポレーターにて溶媒を揮散させ、その後、熱風乾燥機にて、100℃で3時間乾燥処理を行った後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて加圧成形し、切削加工を行い、直径80mmφ、高さ78mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は3.19g/cm3であった。
なお、成型体の密度は、直接成型体の測長を行い、測長した直径と高さから算出した体積と、測定した成型体の重量とから求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を、該成形体が崩れないようにステンレス(SUS304)でできた金属製容器(外径:83mm、内径:80mm、容器内部の高さ:78mm)に挿入(充填)した。下記式により算出した原料粉末の充填密度は3.19g/cm3、理論密度は5.6g/cm3であり、これより算出した金属製容器への原料粉末の充填率は約57%であった。
なお、充填密度および理論密度は、下記式より求めた。
充填密度=成型体の重量/金属製容器の内容積
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、550℃で7時間、金属製容器内の真空引きを行った後、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所(株)製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、1時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(1)を得た。この焼結体(1)のサイズを、直接測長して求めたところ、直径66.5mmφ、高さ64.9mmであった。
この酸化亜鉛系焼結体(1)の相対密度は98.8%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(1)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
なお、相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、一酸化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、アルキメデス法により測定した。
得られた酸化亜鉛系焼結体(1)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(1)を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析したところ、ZnとTiの原子数比はZn:Ti=97:3であった(Ti/(Zn+Ti)=0.03)。この酸化亜鉛系焼結体(1)のZnとTiの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti=97:3とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(1)の結晶構造をX線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)により調べたところ、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。
酸化亜鉛系焼結体(1)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。これを用いてスパッタリング法により透明基材(石英ガラス基板)上に透明導電膜を成膜し、透明導電基板を得た。すなわち、スパッタリング装置(キャノンアネルバエンジニアリング(株)製「E−200」)内に、上記ターゲットと透明基材(石英ガラス基板)とをそれぞれ設置し、Arガス(純度99.9995%以上、Ar純ガス=5N)を12sccmで導入して、圧力0.5Pa、電力75W、基板温度250℃の条件下でスパッタリングを行い、基板上に膜厚500nmの透明導電膜を形成した。
成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(1)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(1)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(1)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。
(実施例2)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム粉(Ga23粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、住友化学(株)製)および一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学品研究所製)をZn:Ga:Tiの原子数比が94.5:0.5:5.0となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:5%、ガリウムの全金属原子数に対する割合:0.5%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして湿式混合、乾燥した後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて成形し、切削加工を行い、直径80mmφ、高さ78mmの円柱状成型体を得た。
円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.38g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例1で用いたのと同様の金属製容器に充填し、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、充填密度は3.38g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約60%となった。
なお、理論密度は下記式から求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化ガリウムの単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
その後、実施例1と同様にして円柱型の酸化亜鉛系焼結体(2)を得た。この焼結体(2)のサイズを、直接測長して求めたところ、直径67.5mmφ、高さ65.8mmであった。
この焼結体(2)の相対密度は98.8%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(2)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
なお、相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、酸化ガリウム、一酸化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化ガリウムの単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例1と同様にして測定した。
酸化亜鉛系焼結体(2)を実施例1と同様にして加工し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(2)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとGaとTiとの原子数比はZn:Ga:Ti=94.5:0.5:5.0であった。酸化亜鉛系焼結体(2)のZnとGaとTiとの原子数比は、仕込み組成である原料粉末の原子数比からまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、酸化亜鉛系焼結体(2)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化ガリウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(2)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(2)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(2)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(2)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。
(実施例3)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」)および一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学品研究所製)をZn:Al:Tiの原子数比が94.5:0.5:5.0となる割合(チタンの全金属原子数に対する割合:5%、アルミニウムの全金属原子数に対する割合:0.5%)で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例2と同様にして、直径80mmφ、高さ78mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.02g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例1で用いたのと同様の金属製容器に充填し、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、充填密度は3.02g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約54%となった。
なお、理論密度は下記式から求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化アルミニウムの単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
その後、実施例1と同様にして円柱型の酸化亜鉛系焼結体(3)を得た。この焼結体(3)のサイズを、直接測長して求めたところ、直径65.4mmφ、高さ63.8mmであった。この酸化亜鉛系焼結体(3)の相対密度は、98.9%であった。
また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(3)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
なお、相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、一酸化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化アルミニウムの単体密度×混合重量比+一酸化チタンの単体密度×混合重量比)
なお、焼結体の密度は、実施例1と同様にして測定した。
酸化亜鉛系焼結体(3)を実施例1と同様にして加工し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
得られた酸化亜鉛系焼結体(3)の組成および結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Al:Ti=94.5:0.5:5.0であった。酸化亜鉛系焼結体(3)のZnとAlとTiの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比からまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、この酸化亜鉛系焼結体(3)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(3)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(3)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(3)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(3)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。
(実施例4)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、キシダ化学(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学品研究所製)、酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」)をZn:Ti:Alの原子数比が98.2:1.0:0.8となる割合で含有した原料粉末を樹脂製ポットに入れ、実施例2と同様にして、直径80mmφ、高さ78mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.02g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例1で用いたのと同様の金属製容器に充填し、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、充填密度は3.02g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約54%となった。なお、理論密度は実施例3と同様にして求めた。
その後、実施例1と同様にして円柱型の酸化亜鉛系焼結体(4)を得た。この焼結体(4)のサイズを、直接測長して求めたところ、直径65.4mmφ、高さ63.8mmであった。この酸化亜鉛系焼結体(4)の相対密度は、実施例3と同様にして求めたところ、98.9%であった。
また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(4)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
酸化亜鉛系焼結体(4)を実施例1と同様にして加工し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
得られた酸化亜鉛系焼結体(4)の組成および結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Ti:Al=98.2:1.0:0.8であった。酸化亜鉛系焼結体(4)のZnとAlとTiの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比からまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
また、この酸化亜鉛系焼結体(4)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(4)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(4)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(4)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(4)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。
(実施例5)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、和光純薬工業(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学研究所製)および酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」)からなる原料粉末と、エチルセルロース(和光純薬製)と、水とを、全体の組成としてZn:Ti:Alの原子数比が98.2:1.0:0.8となる割合、原料粉末(酸化亜鉛粉と酸化チタン粉と酸化アルミニウム粉の合計):有機バインダー(エチルセルロース)=98.5:1.5(重量比)となる割合となるように混合し、スラリーを得た。
このように調整したスラリーを樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミル混合法により湿式混合した。この湿式混合は、ボールとして硬質ZrO2ボールを用い、混合時間を18時間として行った。
次いで、混合後の原料粉末スラリーを取り出し、ボールを篩いにより、エバポレーターにて水を揮散させ、その後、熱風乾燥機にて、100℃で3時間乾燥処理を行った後、冷間静水圧プレスにて137MPaの圧力をかけて加圧成形し、切削加工を行い、直径150mmφ、高さ150mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、3.17g/cm3であった。
なお、成型体の密度は、直接成型体の測長を行い、測長した直径と高さから算出した体積と、測定した成型体の重量とから求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を、該成形体が崩れないようにステンレス(SUS304)でできた金属製容器(外径:158mm、内径:150mm、容器内部の高さ:150mm)に挿入(充填)した。実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、原料粉末の充填密度は3.17g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約57%となった。なお、理論密度は、実施例3と同様にして求めた。
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、600℃で7時間にて金属製容器内の真空引きを行い、バインダーの脱脂と成型体の吸着水を完全に取り去り、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、2時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(5)を得た。この焼結体(5)のサイズは、実施例1と同様にして求めたところ、直径124.8mmφ、高さ124.8mmであり、この酸化亜鉛系焼結体(5)の相対密度は、実施例3と同様にして求めたところ、98.9%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(5)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(5)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(5)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとTiとAlの原子数比はZn:Ti:Al=98.2:1.0:0.8であった。この酸化亜鉛系焼結体(1)のZnとTiとAlの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti:Al=98.2:1.0:0.8とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(5)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(5)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(5)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(5)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度で大型の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(5)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。さらに、極めて高密度で大型の焼結体(5)を、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行い(脱脂するためだけの工程を経ずに)、作製することができた。
(実施例6)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、和光純薬工業(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学研究所製)からなる原料粉末と、エチルセルロース(和光純薬製)と、水とを、全体の組成としてZn:Tiの原子数比が99.0:1.0となる割合、原料粉末(酸化亜鉛粉と一酸化チタン粉の合計):有機バインダー(エチルセルロース)=98.5:1.5(重量比)となる割合となるように調整したスラリーを樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして、直径300mmφ、高さ150mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.22g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を、該成形体が崩れないようにステンレス(SUS304)でできた金属製容器(外径:308mm、内径:300mm、容器内部の高さ:150mm)に挿入(充填)した。実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、原料粉末の充填密度は3.22g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約58%となった。なお、理論密度は、実施例1と同様にして求めた。
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、600℃で7時間にて金属製容器内の真空引きを行い、バインダーの脱脂と成型体の吸着水を完全に取り去り、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、2時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(6)を得た。この焼結体(6)のサイズは、実施例1と同様にして求めたところ、直径251.1mmφ、高さ125.6mmであり、この酸化亜鉛系焼結体(6)の相対密度は、実施例1と同様にして求めたところ、98.9%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(6)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(6)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(6)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとTiの原子数比はZn:Ti=99.0:1.0であった。この酸化亜鉛系焼結体(6)のZnとTiの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti=99.0:1.0とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(6)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。
酸化亜鉛系焼結体(6)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(6)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(6)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度で大型の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(6)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。さらに、極めて高密度で大型の焼結体(6)を、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行い(脱脂するためだけの工程を経ずに)、作製することができた。
(実施例7)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、和光純薬工業(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学研究所製)および酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」)からなる原料粉末と、エチルセルロース(和光純薬製)と、水とを、全体の組成としてZn:Ti:Alの原子数比が99.0:0.5:0.5となる割合、原料粉末(酸化亜鉛粉と一酸化チタン粉と酸化アルミニウム粉の合計):有機バインダー(エチルセルロース)=98.5:1.5(重量比)となる割合となるように調整したスラリーを樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして、直径300mmφ、高さ150mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.22g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例6で用いたのと同様の金属製容器に成型体が崩れないように金属製容器に移し、金属製容器内に一杯に詰め(充填し)、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、原料粉末の充填密度は3.22g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約58%となった。なお、理論密度は、実施例3と同様にして求めた。
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、600℃で7時間にて金属製容器内の真空引きを行い、バインダーの脱脂と成型体の吸着水を完全に取り去り、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、2時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(7)を得た。この焼結体(7)のサイズは、実施例1と同様にして求めたところ、研削および表面研磨を施す前の焼結体(6)のサイズと同等であり、この酸化亜鉛系焼結体(7)の相対密度は、実施例3と同様にして求めたところ、98.9%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(7)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(7)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(7)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとTiとAlの原子数比はZn:Ti:Al=99.0:0.5:0.5であった。この酸化亜鉛系焼結体(7)のZnとTiとAlの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti:Al=99.0:0.5:0.5とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(7)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(7)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(7)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(7)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度で大型の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(7)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。さらに、極めて高密度で大型の焼結体(7)を、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行い(脱脂するためだけの工程を経ずに)、作製することができた。
(実施例8)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、和光純薬工業(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学研究所製)および酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」からなる原料粉末と、エチルセルロース(和光純薬製)と、水とを、全体の組成としてZn:Ti:Alの原子数比が98.7:1.0:0.3となる割合、原料粉末(酸化亜鉛粉と一酸化チタン粉と酸化アルミニウム粉の合計):有機バインダー(エチルセルロース)=98.5:1.5(重量比)となる割合となるように調整したスラリーを樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして、直径300mmφ、高さ150mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.22g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例6で用いたのと同様の金属製容器に成型体が崩れないように金属製容器に移し、金属製容器内に一杯に詰め(充填し)、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、原料粉末の充填密度は3.22g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約58%となった。なお、理論密度は、実施例3と同様にして求めた。
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、600℃で7時間にて金属製容器内の真空引きを行い、バインダーの脱脂と成型体の吸着水を完全に取り去り、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、2時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(8)を得た。この焼結体(8)のサイズは、実施例1と同様にして求めたところ、研削および表面研磨を施す前の焼結体(6)のサイズと同等であり、この酸化亜鉛系焼結体(8)の相対密度は、実施例3と同様にして求めたところ、98.9%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(8)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(8)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(8)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとTiとAlの原子数比はZn:Ti:Al=98.7:1.0:0.3であった。この酸化亜鉛系焼結体(8)のZnとTiとAlの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti:Al=98.7:1.0:0.3とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(8)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(8)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(8)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(8)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度で大型の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(8)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。さらに、極めて高密度で大型の焼結体(8)を、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行い(脱脂するためだけの工程を経ずに)、作製することができた。
(実施例9)
酸化亜鉛粉(ZnO粉末;純度99.9%、平均粒径1μm以下、和光純薬工業(株)製)、一酸化チタン粉(TiO粉末;純度99.9%、平均粒径5μm以下、(株)高純度化学研究所製)および酸化アルミニウム粉(Al23粉末;純度99.9%、平均粒径0.5μm以下、住友化学(株)製の「AKP-3000」)からなる原料粉末と、エチルセルロース(和光純薬製)と、水とを、全体の組成としてZn:Ti:Alの原子数比が99.3:0.5:0.2となる割合、原料粉末(酸化亜鉛粉と一酸化チタン粉と酸化アルミニウム粉の合計):有機バインダー(エチルセルロース)=98.5:1.5(重量比)となる割合となるように調整したスラリーを樹脂製ポットに入れ、実施例1と同様にして、直径300mmφ、高さ150mmの円柱状成型体を得た。円柱状成型体の密度は、実施例1と同様にして求めたところ、3.22g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
円柱状の成型体を実施例6で用いたのと同様の金属製容器に成型体が崩れないように金属製容器に移し、金属製容器内に一杯に詰め(充填し)、実施例1と同様にして充填密度を求めたところ、原料粉末の充填密度は3.22g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約58%となった。なお、理論密度は、実施例3と同様にして求めた。
金属製容器に原料粉末を充填した後に、排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器を溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/sec以下とした。その後、600℃で7時間にて金属製容器内の真空引きを行い、バインダーの脱脂と成型体の吸着水を完全に取り去り、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認し、排気管を閉じ、金属製容器の封止を行った。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に挿入し、HIP処理を行った。HIP処理条件は、温度1000℃、圧力100MPaのArガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、2時間の処理を行った。
HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体(9)を得た。この焼結体(9)のサイズは、実施例1と同様にして求めたところ、研削および表面研磨を施す前の焼結体(6)のサイズと同等であり、この酸化亜鉛系焼結体(9)の相対密度は、実施例3と同様にして求めたところ、98.9%であった。また、電子顕微鏡にて酸化亜鉛系焼結体(9)を観察したところ、空孔もほとんどなく緻密な焼結体であった。
得られた酸化亜鉛系焼結体(9)に研削ついで表面研磨を施し、直径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体とした。
酸化亜鉛系焼結体(9)の組成と結晶構造を実施例1と同様にして分析したところ、ZnとTiとAlの原子数比はZn:Ti:Al=99.3:0.5:0.2であった。この酸化亜鉛系焼結体(9)のZnとTiとAlの原子数比は、仕込み組成である、原料粉末の原子数比Zn:Ti:Al=99.3:0.5:0.2とまったくずれていないことから、亜鉛の揮散はなかった。
この酸化亜鉛系焼結体(9)の結晶構造は、酸化亜鉛(ZnO)とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、酸化チタンの結晶相は全く存在していなかった。また、酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
酸化亜鉛系焼結体(9)を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得、実施例1と同様にして透明導電基板を得たところ、成膜中にほとんど異常放電は発生しなかった。具体的には、異常放電は1時間あたり3回以内であった。
以上より、亜鉛の揮散がない為、酸化亜鉛系焼結体(9)の原料である原料粉末の組成と、得られた酸化亜鉛系焼結体(9)の組成とはまったくずれがなく、極めて高密度で大型の酸化亜鉛系焼結体であり、その結果、酸化亜鉛系焼結体(9)からなるターゲットを用いてスパッタリングしても異常放電がなく安定に成膜できた。さらに、極めて高密度で大型の焼結体(9)を、金属製容器の真空脱気処理と脱バインダー処理を同時に行い(脱脂するためだけの工程を経ずに)、作製することができた。
(比較例1)
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
酸化亜鉛粉(ZnO;和光純薬工業(株)製、特級)と一酸化チタン粉(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とチタン元素の原子数比が97.0:3.0(チタンの全金属原子数に対する割合:5%)となるように秤量した原料粉末を、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、原料粉末スラリーを得た。
混合操作後、原料粉末スラリーからボールを篩いにより、エタノールをエバポレーターにより除去して得られた原料粉末を実施例1で用いたのと同様の金属製容器に原料粉末の体積変化がなくなるまで振動を付与しながら充填したところ、タップ密度は1.01g/cm3となり、理論密度が約5.6g/cm3であることから原料粉末の充填率は約18%となった。なお、理論密度は、実施例1と同様にして求めた。
その後、実施例1と同様にしてHIP処理を行ったところ、HIP処理中に金属製容器が破裂し、原料粉末がHIP処理装置内に飛散し、酸化亜鉛系焼結体を作製することが出来なかった。
原料粉末の充填率が約18%と極めて低く、金属製容器の収縮率が約82%となるため、原料粉末の収縮に金属製容器の収縮が追随できず、金属製容器が破裂してしまった。

Claims (10)

  1. 実質的に亜鉛と、チタンと、酸素とからなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上10%以下である原料粉末を、加圧成形し、成型体とする工程と、
    前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とし、熱間等方加圧焼結を行う工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  2. 実質的にガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方、亜鉛、チタン並びに酸素からなり、チタンの割合が全金属原子数に対して0.2%以上10%以下であり、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.1〜6%である原料粉末を、加圧成形し、成型体とする工程と、
    前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とし、熱間等方加圧焼結を行う工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  3. 前記原料粉末は、酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉からなる請求項1に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  4. 前記原料粉末は、酸化ガリウム粉および酸化アルミニウム粉から選ばれる少なくとも一方と、酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉との混合粉からなる請求項2に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  5. 前記酸化チタン粉が、一般式:TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンの粉末である請求項3または4に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  6. 前記原料粉末は、バインダーを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  7. 前記熱間等方加圧焼結を行う工程において、前記成型体を金属製容器に充填して、原料粉末の充填率を50%以上とした後、脱バインダー処理と金属製容器の真空脱気処理を同時に行い、次いで熱間等方加圧焼結を行う請求項6に記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  8. 前記成型体の密度が、2.8g/cm3以上である請求項1〜7のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  9. 前記熱間等方加圧焼結は、焼結温度が800〜1100℃であり、得られる酸化亜鉛系焼結体の相対密度が98%以上となるように成型体を焼結することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  10. 熱間等方加圧焼結における圧力は30MPa以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
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