JP2014097921A - 酸化亜鉛系焼結体の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛系焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カプセル熱間等方加圧焼結により、亜鉛の揮散を抑制して高密度を有する酸化亜鉛系焼結体を、効率よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る酸化亜鉛系焼結体の製造方法は、実質的に亜鉛と、チタンと、酸素と、炭素とからなり、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下である原料粉末を、加圧成形して成形体を得る工程、前記成形体を、前記原料粉末としての充填率が50%以上となるように金属製容器に充填し、金属製容器内を真空脱気処理する工程、および前記真空脱気処理した金属製容器を熱間等方加圧焼結に供して、成形体を焼結させる工程を含み、前記チタン源が炭化チタンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、スパッタリング法などにより酸化亜鉛系透明導電膜を安定して形成するために有用な酸化亜鉛系焼結体の製造方法、およびその方法によって得られた酸化亜鉛系焼結体から得られるターゲットに関する。
透明導電膜は、可視光透過性と電気伝導性とを兼ね備えた膜であり、太陽電池、液晶表示素子、受光素子などの電極;自動車窓、建築用などの熱線反射膜;帯電防止膜;冷凍ショーケースにおける防曇用透明発熱体など、幅広い分野で利用されている。特に、低抵抗で導電性に優れた透明導電膜は、太陽電池、液晶表示素子(液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンスなど)、タッチパネルなどに好適であることが知られている。
従来、透明導電膜としては、酸化インジウムに酸化錫を添加したITO膜が、利用されている。しかし、原料となるインジウムがレアメタルであり、資源量、価格などに問題があるため、ITO膜に代わる膜が求められている。
例えば、スパッタリング法による工業的製造も可能である酸化亜鉛系透明導電膜が注目されており、その導電性能を高めるべく研究が進められている。具体的には、非特許文献1では、導電性を高めるべくZnOに種々のドーパントをドープさせる試みが報告されている。その中で、現在、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)が優れた導電性を示すため実用的に使用されている。しかし、化学的耐久性に劣り、主に現在使用されているのが太陽電池用透明導電膜であり、特に近赤外領域の透過性が低いため、太陽電池の変換効率が低下してしまう大きな問題点がある。
また、本発明者は、亜鉛に比べ化学的耐久性に優れ、ドーパントであるチタン源として4価の酸化チタン(TiO2(IV))でなく、低原子価酸化チタンを用いれば、化学的耐久性の改良に有用なチタンの含有量を増やし得ることを見出している。さらに、低抵抗であり、太陽電池などの透明導電膜に有望な近赤外の透過性にも優れることを見出している(特許文献1参照)。
ところで、TiO(II)に代表される低原子価酸化チタンは、光触媒、顔料などに使用されるTiO2(IV)と異なり汎用されておらず、用いるとコストが高くなる。そのため、透明導電膜がコスト面で問題とならないような特殊な用途に用いられる場合には問題にならないが、透明導電膜が汎用の用途に用いられる場合には、コスト面で不利になる場合がある。
チタン源として、既に本発明者が見出している低原子価酸化チタン以外にも、硼化チタン、特許文献2に記載のように金属チタンも同様の特性が発現できる可能性があると考えられる。また、チタン源ではないが、酸化亜鉛系透明導電膜の構成元素である亜鉛またはアルミニウムを金属亜鉛または金属アルミニウムの形態にて導入することにより、多量の酸素欠損を導入することができると考えられる。
しかし、硼化チタンを用いると、焼結中に酸化硼素が生成する。この酸化硼素は融点および沸点が低く(融点:約450℃、沸点:約1860℃)、求められる最低限の密度を有する焼結体を得るために必要な焼結温度(少なくとも1000℃)では、溶融して蒸発しやすくなる。そのため、組成が不均一かつ低密度な焼結体となり、透明導電膜形成材料として用いるには不適切である。
一方、金属チタンについては、均一かつ高密度な焼結体を得るために必要な平均粒径が1μm以下の1次粒子が存在しない。すなわち、市販されている金属チタンについて、1次粒子の最小粒径は約20μmであり、これを数μm程度の粒径に粉砕することは、粉じん爆発を起こし発火するおそれがある為か、工業的に使用する量の平均粒径が1μm以下の1次粒子を入手することができない。
また金属亜鉛または金属アルミニウムを導入する場合には、金属亜鉛(融点:419℃、沸点:930℃)および金属アルミニウム(融点:660℃、沸点:2060℃)は融点および沸点が低く、溶融して蒸発しやすい。そのため、焼結密度が低い多孔質性の焼結体が得られたり、溶融金属が流動して偏析(組成ムラ)したりする。
また、チタン源として炭化チタンを用いることも考えられる。この場合、炭化チタンが酸化チタン(TiO2)に酸化されることを抑制するため、無加圧焼結では非酸化性雰囲気(不活性雰囲気、還元雰囲気など)中で焼結する必要がある。しかし、非酸化性雰囲気中で焼結すると、酸化亜鉛は還元されやすくより揮散しやすい金属亜鉛となるので、非酸化性雰囲気下で焼結体を製造する場合は、酸化性雰囲気下で製造する場合よりも、亜鉛の消失量が増すことになる。このように、亜鉛揮散の抑制は、無加圧焼結では物理的に実現できない。
亜鉛が揮散した部分は空孔が生じやすく、焼結体の密度低下を招くことになる。このような低密度の焼結体を用いてスパッタリングにて成膜すると、異常放電が発生しやすくなり安定して成膜できないという問題がある。
加圧焼結の場合、亜鉛の揮散を抑制できる可能性はある。しかし、一般的なホットプレス法では、原料粉末を成型加圧して焼結させるが、黒鉛製のダイスとパンチとの間にクリアランス(隙間)が存在するため、そのクリアランスから若干亜鉛が揮散する。また、通常の熱間等方加圧焼結(HIP)法(いわゆるカプセルフリーHIP法)を採用すると、バルク焼結体のさらなる高密度化が可能となる。
しかし、カプセルフリーHIP法は、原料として、ある程度高密度化(相対密度が90〜95%)されている焼結体(欠陥が外観と遮断されている閉気孔しか存在しない)を用いなければ、さらに閉気孔をつぶして緻密化することができない。したがって、ある程度高密度化された焼結体を得るために、予め焼結工程が別途必要であり、この焼結工程で亜鉛が揮散することになる。
そこで、別途の焼結工程が不要であり、亜鉛の揮散を抑制して高密度の焼結体を得ることができる焼結方法として、原料粉末を金属製の容器(カプセル)に充填し、気密封止して加圧焼結するカプセル熱間等方加圧焼結(カプセルHIP)法がある。
カプセルHIPは、焼結すべき粉末(原料粉末)を金属製の容器内に気密封止するので、亜鉛の揮散をほぼ0に抑えることができる唯一の方法である。しかし、カプセルHIPは、金属製容器ごと加圧に供するため、加圧による金属製容器の収縮率が大きい場合(すなわち、原料粉末の充填率が低い場合)、金属製容器が破裂する。金属製容器が破裂すると、原料粉末が飛散して焼結体が得られなくなる。
ところで、市販の酸化亜鉛粉末を、原料粉末の主原料として用いる場合、充填率は高くても20%程度にしかならない。カプセルHIPを行う場合、一般に、金属製容器に充填した原料粉末の充填率を少なくとも50%にする必要があるため、市販の酸化亜鉛粉末を、そのまま原料粉末として使用することはできない。
特開2011−190528号公報 特許第4982423号
月刊ディスプレイ、1999年9月号、p10〜「ZnO系透明導電膜の動向」
本発明の課題は、カプセル熱間等方加圧焼結により、亜鉛の揮散を抑制して高密度を有する酸化亜鉛系焼結体を、効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)実質的に亜鉛と、チタンと、酸素と、炭素とからなり、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下である原料粉末を、加圧成形して成形体を得る工程、前記成形体を、前記原料粉末としての充填率が50%以上となるように金属製容器に充填し、金属製容器内を真空脱気処理する工程、および前記真空脱気処理した金属製容器を熱間等方加圧焼結に供して、成形体を焼結させる工程を含み、前記チタン源が炭化チタンであることを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
(2)前記亜鉛源が酸化亜鉛である、(1)に記載の製造方法。
(3)前記原料粉末が、酸化ガリウム粉末、酸化アルミニウム粉末および炭化アルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種を、全金属原子数に対して、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%以上2.5%以下となるように、さらに含有する、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記加圧成形を行う際に、前記原料粉末に、バインダーがさらに添加されて前記加圧成形が行われる、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記真空脱気処理する工程において、前記バインダーを除去するための脱バインダー処理が同時に行われる、(4)に記載の製造方法。
(6)前記成形体が、2.8g/cm3以上の密度を有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記熱間等方加圧焼結における焼結温度が800〜1100℃であり、焼結体の相対密度を98%以上とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記熱間等方加圧焼結が、30MPa以上の圧力条件下で行われる、(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲット。
本発明によれば、原料粉末を成形体に加圧成形して金属製容器に充填するため、原料粉末としての充填率を50%以上とすることができる。したがって、カプセルHIPを行っても、金属製容器が破裂せず、亜鉛の揮散が抑制され、焼結体の原料である原料粉末の金属組成と焼結体の金属組成とがほぼ同じ、高密度を有する酸化亜鉛系焼結体を効率よく得ることができる。
得られた酸化亜鉛系焼結体を用いることにより、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法によって、成膜中にほとんど異常放電が発生することなく、安定して再現性よく優れた導電性を発現する酸化亜鉛系透明導電膜を形成することができる。しかも、このようにして形成された透明導電膜は、希少金属であり毒性を有するインジウムを必須としないという利点も有するので、工業的に極めて有用である。
(酸化亜鉛系焼結体の製造方法)
本発明に係る酸化亜鉛系焼結体の製造方法(以下、単に本発明の製造方法と記載する場合がある)は、以下の工程を含む。
(A)実質的に亜鉛と、チタンと、酸素と、炭素とからなり、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下である原料粉末を、加圧成形して成形体を得る工程(成形工程)。
(B)前記成形体を、前記原料粉末としての充填率が50%以上となるように金属製容器に充填し、金属製容器内を真空脱気処理する工程(真空脱気工程)。
(C)前記真空脱気処理した金属製容器を熱間等方加圧焼結に供して、成形体を焼結させる工程(焼結工程)。
(成形工程)
成形工程は、原料粉末を加圧成形して成形体を得る工程である。原料粉末は、実質的に亜鉛と、チタンと、酸素と、炭素とからなる。亜鉛源としては、好ましくは、酸化亜鉛の粉末が挙げられる。なお、水酸化亜鉛などの粉末を用いてもよい。
酸化亜鉛粉末としては、通常、ウルツ鉱構造を有するZnOなどの粉末が挙げられる。さらにこのZnOを予め不活性雰囲気や還元雰囲気で焼成して酸素欠損を生じさせたものを用いてもよい。酸化亜鉛粉末の純度は特に限定されず、例えば99質量%以上の純度を有するものが好ましい。酸化亜鉛粉末の平均粒径は特に限定されず、例えば0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。BET比表面積は、特に限定されない。
酸化亜鉛は約5.6g/cm3の密度を有するが、市販の酸化亜鉛粉末は、粒子サイズおよび粒度分布によって多少の差があるものの、1.12g/cm3以下のタップ密度を有することが多い。そのため、カプセルHIPにおいて、市販の亜鉛粉末を金属製の容器に充填しても、充填率が20%以下にしかならない。
タップ密度とは、JIS K5101に基づき、一定容積の容器に粉末を自然落下により目一杯充填した後、さらに該容器に一定の振動(タッピング)による衝撃を加え、粉末の体積変化がなくなったときの単位体積当たりの粉末の質量と定義する。なお、一定容積の容器に粉末を自然落下により目一杯充填し、その内容積を体積としたときの単位体積当たりの粉末の質量を嵩密度といい、一般的にタップ密度は、嵩密度の1.1〜1.3倍程度の値となる。
また、充填率とは、理論的にカプセルHIP後に焼結体が理論密度に到達したとし、得られた焼結体の理論密度に対する、原料粉末のタップ密度の割合であり、下記の式で求められる。なお、理論密度は、例えば酸化亜鉛粉末単独の場合は、酸化亜鉛の密度(約5.6g/cm3)となり、粉末が混合物の場合は、混合物を構成する各粉末の単体密度に各粉末の混合質量比を乗じて、合計した値である。
充填率(%)=(原料粉末のタップ密度/理論密度)×100
水酸化亜鉛粉末としては、アモルファスのZn(OH)2粉末、結晶構造を有するZn(OH)2粉末などが挙げられる。水酸化亜鉛粉末の純度は特に限定されず、例えば99質量%以上の純度を有するものが好ましい。水酸化亜鉛粉末の平均粒径は特に限定されず、例えば0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。BET比表面積は、特に限定されない。
水酸化亜鉛は約3.05g/cm3の密度を有するが、市販の水酸化亜鉛粉末は、粒子サイズおよび粒度分布によって多少の差があるものの、0.6g/cm3以下のタップ密度を有することが多い。そのため、カプセルHIPにおいて、市販の水酸化亜鉛粉末を金属製の容器に充填しても、充填率が20%以下にしかならない。
本発明の製造方法において、チタン源としては炭化チタンの粉末が用いられる。炭化チタン粉末としては特に限定されず、市販の炭化チタン粉末が挙げられる。市販の炭化チタン粉末の中でも、99質量%以上の純度を有するものが好ましい。炭化チタン粉末の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.02μm以上5μm以下である。粒径が大きい炭化チタン粉末の場合、粉砕してから用いてもよい。BET比表面積については、特に限定されない。
炭化チタン粉末は、通常1.6〜1.8g/cm3程度のタップ密度を有している。炭化チタン粉末の含有量は後述のように少量であり、得られる酸化亜鉛系粉末のタップ密度にほとんど影響を及ぼさないため、炭化チタン粉末のタップ密度は特に限定されない。
上述のように、本発明者は、チタン源として低原子価酸化チタン(例えば、TiO(II)など)を用いると、低抵抗化に有効であることを見出している。低原子価酸化チタンを用いると、焼結体中に安定して多量に酸素欠損を導入でき、酸素欠損由来のキャリア電子が導電性に寄与すると推察される。炭化チタンは、分子内に炭素を有しており、この炭素が原料に存在する酸素を焼結中に捕捉し、COまたはCO2として系外に放出するため、焼結体中に多量の酸素欠損状態を導入することができる。
さらに、スパッタリングにおける成膜の際、チャンバー内の微量酸素は、プラズマ放電安定性に悪影響を及ぼす。炭化チタンは、分子内の炭素がチャンバー内の微量の吸着酸素などを補足し(吸着酸素を還元し)、COまたはCO2として系外に放出するため、チャンバー内の微量な酸素を除去する役割も果たす。
本発明の製造方法では、炭化チタン粉末が全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下となるように用いられる。すなわち、原料粉末に、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下となるように、炭化チタン粉末が含まれる。このような割合で炭化チタンを用いると、カプセルHIP法により焼成しても、亜鉛が揮発することなく、チタン原子数の割合がこの範囲内である組成の酸化亜鉛系焼結体を製造することができる。このような酸化亜鉛系焼結体を用いて成膜すると、優れた化学的耐久性、導電性および透明性を有する透明導電膜が得られる。
炭化チタンは、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が、好ましくは0.5〜4.0%、より好ましくは0.7〜3.5%となるように用いられる。
原料粉末には、さらに酸化ガリウム粉末、酸化アルミニウム粉末および炭化アルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「酸化ガリウム粉末など」と省略して記載する場合がある)を添加してもよい。酸化ガリウム粉末などを添加することによって、最終的に得られる透明導電膜のさらなる低抵抗化を図ることができる。
酸化ガリウム(Ga23)粉末、酸化アルミニウム(Al23)粉末、および炭化アルミニウム(Al43)粉末は、99質量%以上の純度を有するものが好ましく、例えば市販のものが使用される。酸化ガリウム粉末などの平均粒径は、特に限定されないが、5μm以下であることが好ましい。なお、酸化ガリウム粉末などの含有量は、後述のように少量であり、得られる酸化亜鉛系粉末のタップ密度にほとんど影響を及ぼさないため、酸化ガリウム粉末などのタップ密度は特に限定されない。
酸化ガリウム粉末、酸化アルミニウム粉末および炭化アルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種は、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%以上2.5%以下となるように含有される。好ましくは0.3〜2.3%であり、より好ましくは0.5〜2%である。
ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%未満の場合、導電性の向上効果が不十分となる。一方、2.5%を超える場合、ガリウムまたはアルミニウムが亜鉛サイトに置換固溶しきれなくなり、結晶粒界に析出して導電性の低下または透過率の低下を招くこととなる。なお、酸化ガリウム粉末、酸化アルミニウム粉末および炭化アルミニウム粉末は2種以上を併用してもよく、その場合、トータル量で0.1%以上2.5%以下となればよい。
酸化亜鉛などの亜鉛源となる粉末と、炭化チタン粉末と、必要に応じて用いられる酸化ガリウム粉末などとを混合する方法は、湿式混合であっても乾式混合であってもよく、湿式混合が好ましい。混合は、具体的には、パウミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、リボンミキサー、一軸撹拌機、二軸撹拌機などを用いて行われる。
例えば、湿式混合は、原料粉末と水系溶媒とを混合し、硬質ZrO2ボールなどを用いた湿式ボールミル、振動ミルなどにより行われる。混合時間は12〜78時間程度が好ましい。水系溶媒は、水を主成分とする溶媒であり、水単独でもよく、水とアルコールなど(メタノール、エタノールなど)との混合物でもよい。混合後、固液分離して得られた固体(粉末)を乾燥する。乾燥後、さらに造粒してもよい。なお、固液分離、乾燥および造粒は、それぞれ公知の方法が採用される。
このようにして得られた原料粉末は、加圧成形に供され、成形体に加工される。加圧成形する方法は、特に限定されず、例えば、一軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)などが挙げられる。
原料粉末を成形する際のプレス圧力は、一軸プレスの場合は、少なくとも10MPa以上50MPa未満であり、より好ましくは20MPa以上することが好ましく、例えば、成型体の密度を2.8g/cm3以上にするには、好ましくは25〜45MPa、より好ましくは30〜40MPaである。10MPa未満の場合、安定した成形体ができないおそれがある。50MPa以上の場合、脆くて割れやすい成形体になるおそれがある。
CIPの場合は、少なくとも50MPa以上200MPa未満であり、より好ましくは100MPa以上することが好ましく、例えば、成型体の密度を2.8g/cm3以上にするには、好ましくは80〜170MPa、より好ましくは100〜140MPaである。50MPa未満の場合、安定した成形体ができないおそれがある。200MPa以上の場合、脆くて割れやすい成形体になるおそれがある。
成形体の形状は特に限定されず、使用する金属製容器の形状に依存する。例えば、HIPにおいて均等に圧力が加わり、金属製容器を対称に収縮させることができる円柱形状が好ましい。成型体のサイズも、金属製容器内のサイズ依存するため、特に限定されない。
加圧成形は、原料粉末のみを用いて行ってもよいが、さらにバインダーを添加して行うのが好ましい。バインダーを添加することによって、ハンドリング性が向上し、特に大型の焼結体(例えば、断面が少なくとも300mmの直径を有する円柱状の焼結体、断面の短辺が少なくとも300mmの四角形を有する角柱状の焼結体など)を製造する場合に好ましい。
バインダーとしては有機バインダーが好ましく、例えば、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリα−メチルスチレン、エチルセルロース、ポリ乳酸メチル、(ポリ)ビニルブチラール、(ポリ)ビニルアセテート、(ポリ)ビニルアルコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、(ポリ)ビニルピロリドン、ポリアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、アクリル系モノマーの単独重合体(例えば、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレートなど)、アクリル系モノマーの共重合体、セルロース(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなど)およびその誘導体などが挙げられる。
原料粉末とバインダーとを混合する方法は、特に制限されるものではないが、例えば、原料粉末、バインダー、バインダーを溶解する溶媒、およびスラリー化させる溶媒を混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合する方法などが挙げられる。
バインダーを用いると、成形体を金属製容器に充填し真空封止する前に、脱脂工程が必要となる。脱脂は、通常、不活性雰囲気下にて少なくとも450℃、好ましくは500〜700℃程度加熱することにより行われる。なお、脱脂は、好ましくは後述する真空脱気工程の際に同時に行われる。
(真空脱気工程)
真空脱気工程は、成形体を金属製容器に充填して金属製容器内を真空脱気処理する工程である。
本発明の製造方法において、成形体は、原料粉末としての充填率が50%以上となるように金属製容器に充填される。充填率とは、原料粉末の理論密度に対する、金属製容器に充填した成形体(原料粉末)の充填密度の割合のことをいう。
また、充填密度とは、充填する成形体の質量を、金属製容器の内容積で除した値のことであり、成形体の体積と金属製容器の内容積との差が小さいほど、成形体の密度に近づく。成形体は、一般に、金属製容器内にきっちり詰まるように成形されるため(すなわち、金属製容器の内容積に合わせて加工されるため)、充填密度は、通常、成形体の密度にほぼ等しいと理解して差し支えない。
充填率が50%未満の場合、HIP時の加圧による金属製容器の収縮率が大きくなりすぎ、金属製容器が破裂する。成形体は、原料粉末としての充填率が、好ましくは約55%以上となるように金属製容器に充填される。
酸化亜鉛の密度(理論密度)は約5.6g/cm3である。したがって、酸化亜鉛粉末を用いた場合、成形体が約2.8g/cm3以上の密度を有するように、原料粉末を加圧成形すればよく、より好ましくは約3.1〜5.6g/cm3の密度を有するように、原料粉末を加圧成形すればよい。
成形体の密度は、実際に成形体の大きさ(高さ、幅など)と質量とを測定して求められる。例えば、成形体が円柱状を有する場合、成形体の高さおよび直径から成形体の体積を算出し、成形体の質量と体積とから密度が求められる。
成形体は、なるべく形状が崩れないように、例えばヘラなどを用いて慎重に金属製容器に移される。成形体は、金属製容器に移す際に崩れやすいので、直接金属製容器に原料粉末を入れて一軸プレス成形を行い、充填率50%以上の成形体を作製してもよい。
成形体を金属製容器に充填した後、真空脱気処理が行われる。真空脱気処理は、例えば、金属製容器に排気管を上蓋に溶接し、加熱しながら金属製容器内を減圧する(真空引き)ことによって行われる。減圧(真空引き)後、Heリーク検査を行い、溶接部の健全性(漏れがないか)を確認する。
加熱は、通常、100〜700℃程度で行われる。上述のように、加圧成形の際にバインダーが添加されている場合、真空脱気処理と同時に脱バインダー(脱脂)が行われると、脱脂工程を省略することができる。脱脂も同時に行う場合、真空脱気処理を450〜700℃程度で行うのが好ましい。
金属製容器は、その内部が通常1.33×10-2Pa以下となるまで減圧(真空引き)される。1.33×10-2Pa以下となるまで減圧しなければ、成形体(原料粉末)に付着しているガス、吸着水分などの除去が不十分となり、焼結時に金属製容器が膨れ、高密度の焼結体が得られないおそれがある。減圧(真空引き)後、排気管を閉じて金属製容器を封止する。その後、金属製容器はHIP装置に配置され、HIP処理に供される。
金属製容器は、このような加熱および減圧(真空引き)に耐えることができ、HIPの際に十分変形するものの破裂しないものであれば、特に限定されない。通常、鉄製、アルミニウム製、ステンレス製などの容器が用いられる。また、金属製容器の厚み(壁厚)は1.5〜5mm程度である。このような厚みの場合、容器が十分に変形するものの破裂しにくく、焼結が進むにつれて容器も追随して収縮する。
金属製容器の形状は、通常、成形体の形状に合わせられており、金属製容器を対称に収縮させることができる円柱形状が好ましい。
(焼結工程)
焼結工程は、真空脱気処理した金属製容器を熱間等方加圧焼結(HIP)に供して、成形体を焼結させる工程である。
HIP処理は、高温高圧の不活性ガスを圧力媒体として、金属製容器内の成形体(原料粉末)を焼結させる処理である。例えば、酸化性ガス(酸化性雰囲気下)を用いて行うと、金属製容器が酸化され、容器自体の強度が大幅に低下する。そのため、HIP処理中に金属製容器が破裂する可能性が高くなる。圧力媒体に用いられるガスは特に限定されず、例えば窒素、アルゴンなどの不活性ガスが挙げられる。
HIPにおいて、焼結は、好ましくは800〜1100℃、より好ましくは900〜1050℃の温度で行われる。このような温度範囲内であれば、金属製容器が軟化して変形する温度領域であるため、カプセルHIP処理に際して、金属カプセルが抵抗となることなく、金属製容器内の酸化亜鉛系粉末に圧力を100%かけることができる。
処理圧力は、好ましくは30MPa以上、より好ましくは50MPa以上であり、処理時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは1.5時間以上である。処理温度が低すぎたり、圧力が低すぎたり、時間が短すぎたりすると、低い相対密度(例えば90%未満)を有する焼結体が得られる傾向にある。
このような処理条件で処理を行うと、98%以上の相対密度を有する酸化亜鉛系焼結体が得られる。このような酸化亜鉛系焼結体を用いると、例えば、スパッタリングで成膜する際、異常放電が発生しにくく、安定して成膜することができる。
ここで、相対密度とは、以下の式で求められる。焼結体の密度は、得られた焼結体の質量および体積から求められる。なお、本発明において、焼結体の密度(理論密度)は、焼結体が酸化亜鉛を主成分とするため、酸化亜鉛と同程度の理論密度と同程度となり、約5.55〜5.6g/cm3である。また、理論密度は、上述のように、原料粉末を構成する各粉末の単体密度に各粉末の混合質量比を乗じて、合計した値である。
相対密度=[(焼結体の密度)/(理論密度)]×100
(酸化亜鉛系焼結体)
本発明の製造方法によって得られた酸化亜鉛系焼結体は、実質的に亜鉛と、酸素と、チタンと、炭素と、必要に応じてガリウムまたはアルミニウムとからなる。ここで、「実質的」とは、酸化物焼結体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、酸素と、チタンと、炭素と、必要に応じてガリウムまたはアルミニウムとからなることを意味する。
酸化亜鉛系焼結体は、実質的に亜鉛と、酸素と、チタンと、炭素と、必要に応じてアルミニウムまたはガリウムとからなれば、微量原子として錫、シリコン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ハフニウム、インジウム、イリジウム、ルテニウムおよびレニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
微量原子は、例えば、上記原料粉末に不純物とし混入しているものでもよく、微量元素の酸化物などを、さらに原料粉末として添加してもよい。
添加元素は、酸化物の形態で酸化亜鉛系焼結体中に存在していてもよいし、酸化亜鉛相の亜鉛サイトに置換した(固溶した)形態で存在していてもよいし、チタン酸亜鉛化合物相のチタンサイトおよび亜鉛サイトから選ばれる少なくとも一方に置換した(固溶した)形態で存在していてもよい。
なお、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
また、チタン酸亜鉛化合物相とは、具体的には、ZnTiO3、Zn2TiO4のほか、これらの亜鉛サイトにチタン元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、Zn/Ti比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むものとする。
酸化亜鉛系焼結体は、上述のカプセルHIP法によって得られるため、チタン、ガリウムなどの原子数の割合は、使用する本発明の酸化亜鉛系粉末と同じである。すなわち、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であり、必要に応じて用いられるガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.1%以上2.5%以下である。
このような酸化亜鉛系焼結体を用いると、現在使用されているAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)やGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)よりはるかに優れた化学的耐久性を有し、かつ導電性および透明性を有する透明導電膜が得られる。
特に、チタンの含有量が上記範囲内でより少ない場合(0.2%〜2%程度の場合)、形成された膜の屈折率が小さくなり、近赤外域の高透過性を維持しながら、近紫外光域から可視光域の透過率が高くなる傾向にある。膜の近紫外光域から可視光域の透過性が向上すると、この透明導電膜を用いた太陽電池の変換効率を高くすることができる。
このように、極めて高い化学的耐久性が要求される用途、近紫外光域から可視光域の高透過性重視が要求される用途などによって、特性を自由に調整することができる。
酸化亜鉛系焼結体は、実質的に炭化チタンの結晶相を含有しないことが好ましい。酸化亜鉛系焼結体にチタンの結晶相が含まれると、得られる膜が、比抵抗などの物性にムラがあり均一性に欠けるものとなるおそれがある。酸化亜鉛系焼結体は、チタンの原子数の割合が全金属原子数に対して0.2%以上5%以下であるので、通常、チタンが酸化亜鉛に完全に反応し、酸化亜鉛系焼結体中に炭化チタン結晶相は生成されにくい。
なお、炭化チタンの結晶相とは、具体的には、炭化チタンほか、これらの結晶に亜鉛など他の元素が固溶された物質も含むものとする。
炭化チタンと酸化亜鉛とを用いた酸化亜鉛系粉末から得られる酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相とチタン酸亜鉛化合物相とから構成される焼結体、またはチタン酸亜鉛化合物相から構成される焼結体が好ましい。このように酸化亜鉛系焼結体中にチタン酸亜鉛化合物相が含まれていると、焼結体自体の強度が増すため、例えば膜を形成する際、過酷な条件(高電力など)で成膜してもクラックを生じることがない。なお、チタン酸亜鉛化合物相および酸化亜鉛相は、上述の通りである。
酸化ガリウム粉末などを、さらに用いた酸化亜鉛系粉末から得られる酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛相と、チタン酸亜鉛化合物相と、ガリウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方の酸化物相とから構成される焼結体;酸化亜鉛相と、チタン酸亜鉛化合物相とから構成される焼結体;チタン酸亜鉛化合物相から構成される焼結体が好ましい。
酸化亜鉛系焼結体は、好ましくは5kΩ・cm以下の比抵抗を有する。例えば直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化亜鉛系焼結体の比抵抗に依存するので、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗が5kΩ・cmを超えると、直流スパッタで安定した成膜ができないおそれがある。成膜時の生産性を考慮すると、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低いほど好ましく、具体的には100Ω・cm以下であるのがよい。
酸化亜鉛系焼結体は、好ましくは本発明に係る酸化亜鉛系焼結体の製造方法によって得られる。しかし、この製造方法により得られたものに限定されるわけではない。通常、酸化亜鉛系焼結体を還元雰囲気にて焼結した場合は、酸素欠損の導入により、酸化亜鉛系焼結体の比抵抗は低くなり、酸化雰囲気にて焼結した場合は、比抵抗は高くなる。
(ターゲット)
本発明のターゲットは、各種成膜方法で用いられるターゲットであり、特に、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットである。なお、このような成膜の際に用いる固形材料のことを「タブレット」と称する場合もあるが、本発明においてはこれらを含め「ターゲット」と称することとする。本発明のターゲットは、上述した本発明の製造方法によって得られる酸化亜鉛系焼結体を、所定の形状および所定の寸法に加工して得られる。
加工方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を採用すればよい。例えば、酸化亜鉛系焼結体に平面研削などを施した後、所定の寸法に切断して支持台に貼着することにより、本発明のターゲットを得ることができる。必要に応じて、複数枚の酸化亜鉛系焼結体を分割形状に並べて、大面積のターゲット(複合ターゲット)としてもよい。
本発明のターゲットは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜に用いられる。その際の具体的手法や条件などについては、上述したターゲットを用いること以外、特に制限はなく、公知のスパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法の手法や条件を適宜採用すればよい。
本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、優れた導電性と可視領域だけでなく近赤外領域(800nm〜1400nm)の光透過性に優れ、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性など)を兼ね備えたものである。したがって、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの透明電極;太陽電池の光電変換素子の窓電極;透明タッチパネルなどの入力装置の電極;電磁シールドの電磁遮蔽膜;透明電波吸収体;紫外線吸収体;さらには透明半導体デバイスとして他の金属膜/金属酸化膜と組み合わせて利用することができる。
特に、太陽電池に用いることによって、従来技術では不十分であった近赤外領域の太陽光エネルギーを有効に利用することができ、光電変換効率の高い太陽電池を提供することが可能となる。なお、本明細書において太陽電池とは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池;CuInSe2、Cu(In、Ga)Se2、GaAs、CdTeなどの化合物系太陽電池;さらに色素増感型太陽電池などの酸化物透明導電膜を用いる太陽電池などのことをいう。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<成形体の製造>
酸化亜鉛粉末(ZnO:キシダ化学(株)製、純度99.9%、平均粒径1μm以下)および炭化チタン粉末(TiC:日本新金属(株)製、純度99.9%、平均粒径0.9〜1.5・m)を、亜鉛元素とチタン元素との原子数比がZn:Ti=97:3(全金属原子数に対するチタンの原子数の割合は3%)となるように合計で1400g秤量し、樹脂製ポットに入れた。次いで、混合溶媒としてエタノールを500g入れ、湿式ボールミル混合法により湿式混合した。この湿式混合は、ボールとして硬質ZrO2ボール(2mmφ)を用い、卓上型ボールミルを用いて18時間行った。湿式混合後のスラリーを取り出してボールを篩いで除去し、エタノールをエバポレーターによって除去し、得られた粉末を100℃で3時間乾燥(熱風乾燥機)して、原料粉末を得た。
得られた原料粉末を、冷間静水圧プレス機((株)神戸製鋼所製)に供して、137MPaの圧力をかけて加圧成形を行い、直径80mmおよび高さ78mmの円柱状となるように切削加工を施して成形体を得た。得られた成形体の体積と質量とから求めた密度は3.35g/cm3であった。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
得られた成形体を、ステンレス(SUS304)製の容器(外径:83mm、内径:80mm、容器内部の高さ:78mm)に、成形体が崩れないように入れた。成形体は、この容器の大きさに合わせているので、容器内は成形体が詰まった状態(充填された状態)である。原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.35g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。理論密度は以下の式により求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合質量比)+(炭化チタンの単体密度×混合質量比)
金属製容器に成形体を充填した後、金属製容器に排気管を上蓋に溶接し、その後上蓋と金属製容器とを溶接した。金属製容器の溶接部の健全性を確認するため、Heリーク検査を行った。この時の漏れ量を1×10-9Pa・m3/秒以下とした。次いで、550℃に加熱しながら7時間かけて金属製容器内を減圧し、金属製容器内が1.33×10-2Pa以下になったことを確認して排気管を閉じ、金属製容器を封止した。封止した金属製容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)内に設置し、HIP処理を行った。HIP処理は、圧力100MPaのアルゴン(Ar)ガス(純度99.9%)を圧力媒体とし、1000℃で1時間行った。HIP処理後、金属製容器を取り外し、円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。
この酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、以下の式で求めると98.7%であった。理論密度は上述の通りであり、焼結体の密度はアルキメデス法により求めた。
相対密度=[(焼結体の密度)/(理論密度)]×100
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとの原子数比はZn:Ti=97:3であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti=97:3と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
銅板をバッキングプレートとして用い、得られた酸化亜鉛系焼結体を、インジウム半田でボンディングして、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により透明導電膜を成膜し、透明導電基板を得た。すなわち、スパッタリング装置(キャノンアネルバエンジニアリング(株)製、E−200)内に、上記ターゲットと透明基材(石英ガラス基板)とをそれぞれ設置し、Arガス(純度99.9995%以上、Ar純ガス=5N)を12sccmで導入して、圧力0.5Pa、電力75W、基板温度250℃の条件下でスパッタリングを行い、基板上に膜厚500nmの透明導電膜を形成した。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例2)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末、および酸化ガリウム粉末(Ga23:住友化学(株)製、純度99.9%、平均粒径1μm以下)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素との原子数比がZn:Ga:Ti=98.2:0.8:1.0(全金属原子数に対するガリウムの原子数の割合は0.8%、チタンの原子数の割合は1%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は以下の式により求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合質量比)+(炭化チタンの単体密度×混合質量比)+(酸化ガリウムの単体密度×混合質量比)
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.8%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとGaとTiとの原子数比はZn:Ga:Ti=98.2:0.8:1.0であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとGaとTiとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ga:Ti=98.2:0.8:1.0と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、ガリウム酸亜鉛(ZnGa24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および酸化ガリウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例2で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例3)
<成形体の製造>
実施例2で用いた酸化ガリウム粉末の代わりに、酸化アルミニウム粉末(Al23:住友化学(株)製、純度99.9%、平均粒径0.5μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は以下の式により求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合質量比)+(炭化チタンの単体密度×混合質量比)+(酸化アルミニウムの単体密度×混合質量比)
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.8%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとAlとTiとの原子数比はZn:Al:Ti=98.2:0.8:1.0であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとAlとTiとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Al:Ti=98.2:0.8:1.0と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、アルミン酸亜鉛(ZnAl24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例3で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例4)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末および実施例1で用いた炭化チタン粉末を、亜鉛元素とチタン元素との原子数比がZn:Ti=99.0:1.0(全金属原子数に対するチタンの原子数の割合は1%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.39g/cm3であった。理論密度は、実施例1に記載の式により求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.39g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.8%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとの原子数比はZn:Ti=99.0:1.0であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti=99.0:1.0と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例4で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例5)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末、および実施例3で用いた酸化アルミニウム粉末を、亜鉛元素とチタン元素とアルミニウム元素との原子数比がZn:Ti:Al=99.0:0.7:0.3(全金属原子数に対するアルミニウムの原子数の割合は0.3%、チタンの原子数の割合は0.7%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は実施例3に記載の式により求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.8%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとAlとの原子数比はZn:Ti:Al=99.0:0.7:0.3であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとAlとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti:Al=99.0:0.7:0.3と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、アルミン酸亜鉛(ZnAl24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例5で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例6)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末を、亜鉛元素とチタン元素との原子数比がZn:Ti=95.0:5.0(全金属原子数に対するチタンの原子数の割合は5.0%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は実施例1に記載の式により求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.2%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとの原子数比はZn:Ti=95.0:5.0であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti=95.0:5.0と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例6で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例7)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末、および実施例3で用いた酸化アルミニウム粉末を、亜鉛元素とチタン元素とアルミニウム元素との原子数比がZn:Ti:Al=94.5:3.5:2.0(全金属原子数に対するアルミニウムの原子数の割合は2.0%、チタンの原子数の割合は3.5%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は実施例3に記載の式により求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.3%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとAlとの原子数比はZn:Ti:Al=94.5:3.5:2.0であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとAlとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti:Al=94.5:3.5:2.0と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、アルミン酸亜鉛(ZnAl24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および酸化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例7で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例8)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末、および炭化アルミニウム粉末(Al43:(株)高純度化学研究所製「ALI03PB」、純度99.9%、平均粒径1.0μm)を、亜鉛元素とチタン元素とアルミニウム元素との原子数比がZn:Ti:Al=98.5:1.0:0.5(全金属原子数に対するアルミニウムの原子数の割合は0.5%、チタンの原子数の割合は1.0%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は以下の式により求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合質量比)+(炭化チタンの単体密度×混合質量比)+(炭化アルミニウムの単体密度×混合質量比)
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.38g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.3%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとAlとの原子数比はZn:Ti:Al=98.5:1.0:0.5であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとAlとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti:Al=98.5:1.0:0.5と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、アルミン酸亜鉛(ZnAl24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および炭化アルミニウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例8で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(実施例9)
<成形体の製造>
実施例1で用いた酸化亜鉛粉末、実施例1で用いた炭化チタン粉末、および実施例2で用いた酸化ガリウム粉末を、亜鉛元素とチタン元素とガリウム元素との原子数比がZn:Ti:Ga=95.3:4.5:0.2(全金属原子数に対するガリウムの原子数の割合は0.2%、チタンの原子数の割合は4.5%)となるように合計で1500g秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の手順で円柱状の成形体を得た(直径80mmおよび高さ78mm)。この成形体の密度を、実施例1と同様の方法で求めると、3.38g/cm3であった。理論密度は実施例2に記載の式により求めた。
<酸化亜鉛系焼結体の製造>
この成形体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で円柱型の酸化亜鉛系焼結体を得た。なお、原料粉末の理論密度は約5.6g/cm3であり、この成形体の密度は3.35g/cm3であることから、原料粉末としての充填率は約60%である。
得られた酸化亜鉛系焼結体を電子顕微鏡で観察したところ、空孔をほとんど有さず緻密な焼結体であった。この酸化亜鉛系焼結体の相対密度を、実施例1と同様の方法で求めると98.2%であった。
酸化亜鉛系焼結体を研削および表面研磨に供し、直径50.8mmおよび厚さ3mmの円盤状に加工した。得られた加工物を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、ZnとTiとGaとの原子数比はZn:Ti:Ga=95.3:4.5:0.2であった。この酸化亜鉛系焼結体のZnとTiとGaとの原子数比は、仕込み時の原子数比であるZn:Ti:Ga=95.3:4.5:0.2と同じであり、亜鉛は揮散していないことがわかる。
酸化亜鉛系焼結体の結晶構造を、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT2000)を用いて調べると、酸化亜鉛(ZnO)およびチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)、ガリウム酸亜鉛(ZnGa24)の結晶相の混合物であり、炭化チタンの結晶相および酸化ガリウムの結晶相は確認できなかった。
<スパッタリングターゲットの製造>
実施例9で得られた酸化亜鉛系焼結体を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でスパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様の手順で透明導電膜を成膜し(膜厚500nm)、透明導電基板を得た。成膜中、異常放電はほとんど発生せず、具体的には、約1時間のスパッタリングにおいて、異常放電に起因してスパッタリング装置の運転が停止した回数は3回以内であった。
原料混合物の金属原子数比(仕込み時の金属原子数比)と得られた酸化亜鉛系焼結体の金属原子数比とが同じであり、極めて高密度の酸化亜鉛系焼結体が得られたことがわかる。したがって、酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異常放電がほとんど発生せず安定して成膜できた。
(比較例1)
酸化亜鉛粉末(ZnO:和光純薬工業(株)製、特級)と酸化チタン(TiO(II):(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とチタン元素との原子数比がZn:Ti=97:3(全金属原子数に対するチタンの原子数の割合は3%)となるように秤量して用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で原料粉末を得た。
得られた原料粉末を、実施例1で用いたステンレス(SUS304)製の容器に原料粉末の体積変化がなくなるまで振動を付与しながら充填し、タップ密度を求めると1.01g/cm3であった。理論密度が約5.6g/cm3であることから、充填率は約18%であった。なお、理論密度は以下の式により求めた。
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合質量比)+(酸化チタン(II)の単体密度×混合質量比)
次いで、実施例1と同様の手順でHIP処理を試みたが、HIP処理中に金属製容器が破裂し、原料粉末がHIP処理装置内に飛散して、酸化亜鉛系焼結体を得ることができなかった。
原料粉末の充填率が約18%と極めて低く、金属製容器の収縮率が82%となるため、原料粉末の収縮に金属製容器の収縮が追随できず、金属製容器が破裂してしまった。

Claims (9)

  1. 実質的に亜鉛と、チタンと、酸素と、炭素とからなり、全金属原子数に対してチタンの原子数の割合が0.2%以上5%以下である原料粉末を、加圧成形して成形体を得る工程、
    前記成形体を、前記原料粉末としての充填率が50%以上となるように金属製容器に充填し、金属製容器内を真空脱気処理する工程、および
    前記真空脱気処理した金属製容器を熱間等方加圧焼結に供して、成形体を焼結させる工程、
    を含み、
    前記チタン源が炭化チタンである、
    ことを特徴とする酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  2. 前記亜鉛源が酸化亜鉛である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記原料粉末が、酸化ガリウム粉末、酸化アルミニウム粉末および炭化アルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種を、全金属原子数に対して、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.1%以上2.5%以下となるように、さらに含有する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記加圧成形を行う際に、前記原料粉末に、バインダーがさらに添加されて前記加圧成形が行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記真空脱気処理する工程において、前記バインダーを除去するための脱バインダー処理が同時に行われる、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記成形体が、2.8g/cm3以上の密度を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記熱間等方加圧焼結における焼結温度が800〜1100℃であり、焼結体の相対密度を98%以上とする、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記熱間等方加圧焼結が、30MPa以上の圧力条件下で行われる、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、
    請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化亜鉛系焼結体を加工して得られるターゲット。
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