JP2007119805A - スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化亜鉛を含有するスパッタリングターゲットであって、密度が高く、かつ、不純物の混入が少ないものを、高い生産効率で、効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】70質量%以上の酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末に、水と有機バインダと分散剤とを混合してスラリーを得る。得られたスラリーを噴霧し、乾燥させて造粒粉を得る。得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る。得られた成形体を焼成して焼結体を得る。得られた焼結体を加工してスパッタリングターゲットを得る。前記スラリーの製造に用いる分散剤として、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化亜鉛を含有するスパッタリングターゲットの製造方法に関する。該スパッタリングターゲットを用いて作製した酸化物膜は、フラットパネルディスプレイ等の透明導電膜として用いることができる。
フラットパネルディスプレイ等の透明導電膜には、低抵抗、高透過率といった特性が求められており、現状では、その特性を満足し得るものとして、酸化インジウムを含有する酸化物膜が使用されている。特に、酸化インジウムに酸化スズを添加したITO膜は、抵抗が低く、可視光の透過率が高いために、広く用いられている。
また、かかる酸化物膜においては大面積であることも求められている。このため、かかる酸化物膜の成膜においては、スパッタリング法が一般的に用いられている。スパッタリング法による成膜では、スパッタリングターゲットを用いる。
しかしながら、インジウム原料は稀少金属であり、供給量を安定的に確保することに不安がある。また、インジウム価格の高騰も問題となっている。このため、インジウムを含まない透明導電膜の開発が強く求められてきている。
インジウムを含まない透明導電膜としては、ITO膜に近い低抵抗・高透過率が得られるという点で、酸化亜鉛を用いた酸化物膜が有望視されており、現在使用されつつある。その成膜においては、ITO膜の成膜の場合と同様に、スパッタリング法を用いることが主流である。用いるスパッタリングターゲットとしては、酸化亜鉛に酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ガリウムといった酸化物を添加して作製したスパッタリングターゲットが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
一般的にスパッタリングターゲットは、乾式加圧成形法、鋳込み成形法などで作製されているが、乾式加圧成形法は、成形体強度が高いため生産の安定性に優れる点、および形状安定性に優れるため高収率となる点で優れる。
乾式加圧成形法では、平均粒径0.5〜2μm程度の原料粉から作製した数十〜数百μmの顆粒(造粒粉)を、金型またはゴム型等に充填し、一軸プレスまたはCIP(冷間静水圧プレス;cold isostatic pressing)により、所定の形に成形する。加圧圧力は通常100〜300MPaである。得られた成形体を焼結および加工することにより、スパッタリングターゲットを得ることができる。
造粒粉は、原料粉、有機バインダ、分散剤等の量を調整して水と混合して得たスラリーから得ることができ、一般的には、該スラリーをスプレードライヤーを用いて噴霧し、乾燥させて、得ることができる。有機バインダとしては、PVA(ポリビニルアルコール)を用いることが一般的であり、この場合、原料粉に対して、通常1〜10質量%のPVAを添加する。
これに対し、酸化亜鉛を主体とした造粒粉を作製する場合は、あまり微細でない原料粉であれば、分散剤を添加しなくても、水の使用量を増やしてスラリーの粘度を下げることで造粒粉を得ることができる。酸化亜鉛は焼結性に優れているからである。
このようにして作製した造粒粉を用いて、スパッタリングターゲットを作製することは従来からなされており、高密度のスパッタリングターゲットも作製されていた。しかし、スラリー濃度が低いために、噴霧乾燥工程の効率が非常に悪かった。なお、スラリー濃度とは、溶媒である水以外の構成成分である原料粉、有機バインダ、分散剤の合計質量のスラリー全質量に対する割合のことである。
また、スパッタリング法による安定成膜を可能とするためには、スパッタリングターゲットの密度をより向上させる必要がある。このためには、酸化亜鉛粉末を微粉末にして焼結性をさらに向上させる必要がある。しかし、酸化亜鉛粉末を微粉末にすると、酸化亜鉛粉末の凝集がより強くなり、スラリーの粘度が高くなるため、造粒粉を作製する際には分散剤を添加することが必要となる。この際に用いられている分散剤は、ポリアクリル酸のナトリウム塩やアンモニウム塩である。
しかし、ポリアクリル酸のナトリウム塩を用いた場合、ナトリウムが得られる膜に不純物として混入し、膜の特性に悪影響を与えてしまっていた。また、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を用いた場合は、分散効果が不十分であり、酸化亜鉛粉末の分散が不十分であった。
また、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を用いた場合、得られる造粒粉には多くの空孔が含まれてしまうために、CIP成形時に収縮が大きくなる。このため、CIP成形後にプレス圧力を減ずる時に、成形体に割れが発生しやすくなり、得られるスパッタリングターゲットの歩留まりも悪くなっていた。
特開2000−178725号公報 特開2001−73122号公報 特開2004−175616号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、酸化亜鉛を含有するスパッタリングターゲットであって、密度が高く、かつ、不純物の混入が少ないものを、高い生産効率で、効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末に、水と有機バインダと分散剤とを混合してスラリーを得る工程と、得られたスラリーを噴霧し、乾燥させて造粒粉を得る工程と、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る工程と、得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程と、得られた焼結体を加工してスパッタリングターゲットを得る工程と、を有するスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記分散剤として、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を使用することを特徴とする。本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法は、限定される訳ではないが、前記金属酸化物粉末が、該粉末の全質量に対して70質量%以上の酸化亜鉛粉末を含んでいる場合に特に適用される。
前記アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の添加量を、前記金属酸化物粉末の合計質量に対して0.3〜3質量%とすることが好ましい。
これにより、前記金属酸化物粉末と、前記有機バインダと、前記アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の合計質量を、前記スラリーの全質量に対して60質量%以上としても、前記スラリーの粘度を100cps未満とすることができる。
なお、前記有機バインダとしては、例えばポリビニルアルコールを用いることができる。
本発明においては、分散剤としてアクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を使用しているため、粒径の小さい酸化亜鉛粉末を原料粉末として用いることができ、十分に密度の高いスパッタリングターゲットを得ることができる。また、成形時における成形体の割れも低減でき、スパッタリングターゲットの収率を向上させることもできる。さらに、造粒粉製造に用いるスラリーの濃度を大きくすることができるので、生産効率も良好となる。
また、入手しやすく安価なポリビニルアルコール(PVA)を有機バインダとして用いることができるため、スパッタリングターゲットを安価に製造することも可能となる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末に、水と有機バインダと分散剤とを混合してスラリーを得る工程と、得られたスラリーを噴霧し、乾燥させて造粒粉を得る工程と、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る工程と、得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程と、得られた焼結体を加工してスパッタリングターゲットを得る工程と、を有する。そして、スラリーの製造に用いる分散剤として、下記化学式1に示すアクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を使用することを特徴とする。
Figure 2007119805
該分散剤はアクリル酸系であり、かつ、アンモニアで中和されてアンモニウム塩となっているため、分散能力に優れる。このため、酸化亜鉛の凝集が効果的に抑えられ、均一なスラリーを得ることができる。
該分散剤の添加量は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量に対して、0.3〜3質量%とすることが好ましい。添加量を0.3〜3質量%とすることにより、スラリーの濃度が70質量%程度であっても、スラリーの粘度は100cps未満となり、噴霧乾燥工程における噴霧が容易となる。また、該分散剤の添加により酸化亜鉛粉末の沈降も抑えられるので、噴霧乾燥工程における効率が著しく向上することとなる。
該分散剤の添加量を0.3質量%未満にすると、分散能力が不十分となる可能性がある。該分散剤を使用しない場合には、濃度が30〜35質量%程度のスラリーであっても、粘度が100cps以上になってしまい、噴霧乾燥工程における噴霧を行いにくくなる。一方、該分散剤の添加量を3質量%より多くすると、焼結時に揮発分が多くなるため、焼結時に製品が割れる確率が高くなってしまう。
加える有機バインダは、分散剤としてアクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を用いた場合には分散能力が非常に高くなるので、ポリビニルアルコール(PVA)で十分であり、成形体は十分な強度が得られる。用いるPVAは、ケン化度90〜97mo1%、重合度400〜1000のものが適している。この範囲のケン化度と重合度のPVAを用いることにより、得られる造粒粉は適度に軟質なものとなり、成形時のつぶれ性が向上する。この結果、成形体中の空孔が減少し、成形体強度が向上し、焼成して得られるスパッタリングターゲットの密度が向上する。
ケン化度が97mo1%を超えるか、重合度が1000を超えるPVAを用いると、成形時の造粒粉のつぶれ性が悪くなり、成形体中の空孔が増加し、成形体強度が減少する。また、焼結後に得られるスパッタリングターゲットの密度も向上しない。一方、ケン化度が90mo1%未満であるか、重合度が400未満であるPVAを用いると、成形体が軟質となりすぎ、作業効率が悪くなる。
なお、本発明においては、有機バインダとしてPVAを用いれば十分であるが、PVAのほか、アクリル系バインダなども用いることが可能である。
有機バインダの量は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量に対して1.0〜3.0質量%とすることが好ましい。1.0質量%未満にすると、成形体強度が低下し、成形以後の工程で割れる確率が高くなる。一方、3.0質量%より多くしても、有機バインダにより生じる空孔が大きくなるため、焼結時に粒成長をさせても、空孔を無くすことが困難となり、得られるスパッタリングターゲットの密度が低下してしまう。また、焼結時に揮発分が多くなるために製品が割れる可能性が高くなる。
酸化亜鉛粉末、その他の金属酸化物粉末、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物およびPVAを水に加えて得たスラリーを、噴霧し、乾燥させて造粒粉を作製する場合、乾燥温度を130〜200℃にすることが好ましい。乾燥温度を130℃未満にすると、造粒粉の水分量が多くなり、成形体強度が低くなる。一方、乾燥温度を200℃よりも高くすると、造粒粉が硬質となり、成形時に空孔が生じやすくなり、スパッタリングターゲットの密度が向上しにくくなる。
得られた造粒粉を、一軸プレスまたはCIP(冷間静水圧プレス)により所定の形に成形する際の成形圧力は、100〜300MPaとすることが好ましい。成形圧力を100MPa未満にすると、成形体密度および成形体強度が低下し、製品歩留りが悪くなる。一方、成形圧力を300MPaより大きくしても、成形体密度および成形体強度に対する効果はほとんど変化しない。
得られた成形体を焼結する際の焼結温度は、酸化亜鉛粉末の粒成長が期待できる1000℃以上とすることが好ましい。しかし、焼結温度を1500℃よりも高くすると、成形体と炉材との反応や成形体中の揮発分の揮発が激しくなるため、好ましくない。
(実施例1〜12)
酸化亜鉛粉末の含有割合と、それ以外の金属酸化物粉末の種類およびその含有割合と、バインダとして用いるポリビニルアルコールの含有割合と、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の含有割合が表1に示す通りになるように、各実施例において用いる各材料を配合した。なお、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量は3000gであり、前記各材料の含有割合は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対する割合である。
ポリビニルアルコールには、ケン化度94mol%、重合度500のポリビニルアルコールを用い、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物には、中部サイデン株式会社製のバンスターX754Bを用いた。ポリビニルアルコールは、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して1.25質量%となるように37.5g配合し、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して0.25〜4.0質量%となるように7.5〜120g配合した。
酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gと、所定量のポリビニルアルコールと、所定量のアクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物と、純水2000gとを、10Lポットに入れ、回転数60rpmで、15〜20時間、ボールミルで混合および粉砕し、スラリーを作製した。得られたスラリーの濃度を表1に示す。また、B型粘度計を用いて、実施例1〜12のそれぞれのスラリーの粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
次に、得られたスラリーをスプレードライヤーで噴霧し、乾燥させて、造粒粉を作製した。かかる工程においては、スラリー濃度が60質量%を上回っているにもかかわらず、原料粉がスラリー中で沈降する現象などもなく、効率よく造粒粉を作製することができた。
得られた造粒粉を、図1および図2に示す矩形のゴム型に入れ、294MPa(3ton/cm2)で加圧して、300×200×10mmの成形体を作製した。図1および図2において、符号1、3は板状ゴム型を示し、符号2は筒状ゴム型を示し、符号4は造粒粉を示す。
前記のようにして作製した成形体を、1300〜1400℃で15時間、酸素雰囲気中で焼成し、焼結体を得た。
得られた成形体および焼結体の外観を観察し、割れが生じていないかどうかを、各実施例ごとにサンプル数5個について調べた。成形体および焼結体の全てに割れが生じていない場合に焼結体の良品が得られたと判断した。表1に焼結体の良品率を示す。
次に、得られた焼結体の加工を行い、スパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの質量および寸法を測定し、スパッタリングターゲットの相対密度を算出したところ、全て95%以上であった。
(実施例13〜15)
酸化亜鉛粉末の含有割合と、それ以外の金属酸化物粉末の種類および含有割合と、バインダとして用いるポリビニルアルコールの含有割合と、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の含有割合が表1に示す通りになるように、各実施例において用いる各材料を配合した。なお、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量は3000gであり、前記各材料の含有割合は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対する割合である。
ポリビニルアルコールには、ケン化度94mol%、重合度500のポリビニルアルコールを用い、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物には、中部サイデン株式会社製のバンスターX754Bを用いた。ポリビニルアルコールは、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して1.25質量%となるように37.5g配合し、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して1.6〜3.0質量%となるように48〜90g配合した。
酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gと、所定量のポリビニルアルコールと、所定量のアクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物と、純水1280gとを、10Lポットに入れ、回転数60rpmで、15〜20時間、ボールミルで混合および粉砕し、スラリーを作製した。得られたスラリーの濃度を表1に示す。また、B型粘度計を用いて、実施例13〜15のそれぞれのスラリーの粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
以降は、実施例1〜12と同様にして、造粒粉、成形体、焼結体およびスパッタリングターゲットを作製した。表1に焼結体の良品率を示す。また、得られたスパッタリングターゲットの質量および寸法を測定し、スパッタリングターゲットの相対密度を算出したところ、全て95%以上であった。
(比較例1〜3)
酸化亜鉛粉末の含有割合と、それ以外の金属酸化物粉末の種類および含有割合と、ポリビニルアルコールの含有割合とが表1に示す通りになるように、各実施例において用いる各材料を配合した。比較例1〜3では、実施例1〜15と異なり、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物は含有させていない。なお、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量は3000gであり、前記各材料の含有割合は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対する割合である。
ポリビニルアルコールには、ケン化度94mol%、重合度500のポリビニルアルコールを用いた。ポリビニルアルコールは、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して1.25質量%となるように37.5g配合した。
酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gと、所定量のポリビニルアルコールと、純水7000gとを、10Lポットに入れ、回転数60rpmで、15〜20時間、ボールミルで混合および粉砕し、スラリーを作製した。得られたスラリーの濃度を表1に示す。また、B型粘度計を用いて、比較例1〜3のそれぞれのスラリーの粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
以降は、実施例1〜12と同様にして、造粒粉、成形体、焼結体およびスパッタリングターゲットを作製した。表1に焼結体の良品率を示す。また、得られたスパッタリングターゲットの質量および寸法を測定し、スパッタリングターゲットの相対密度を算出したところ、全て95%以上であった。
(比較例4〜6)
比較例4〜6は、分散剤として、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物ではなく、従来から用いられているポリアクリル酸のアンモニウム塩を用いたものである。
酸化亜鉛粉末の含有割合と、それ以外の金属酸化物粉末の種類および含有割合と、ポリビニルアルコールの含有割合と、ポリアクリル酸のアンモニウム塩の含有割合が表1に示す通りになるように、比較例4〜6において用いる各材料を配合した。なお、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量は3000gであり、前記各材料の含有割合は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対する割合である。
ポリビニルアルコールには、ケン化度94mol%、重合度500のポリビニルアルコールを用いた。ポリビニルアルコールは、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して1.25質量%となるように37.5g配合し、ポリアクリル酸のアンモニウム塩は、酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gに対して0.25〜3.0質量%となるように7.5〜90g配合した。
酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末の合計質量3000gと、所定量のポリビニルアルコールと、所定量のポリアクリル酸のアンモニウム塩と、純水2000gとを、10Lポットに入れ、回転数60rpmで、15〜20時間、ビーズミルで混合および粉砕し、スラリーを作製した。得られたスラリーの濃度を表1に示す。また、B型粘度計を用いて、比較例4〜6のそれぞれのスラリーの粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
以降は、実施例1〜12と同様にして、造粒粉、成形体、焼結体およびスパッタリングターゲットを作製した。表1に焼結体の良品率を示す。また、得られたスパッタリングターゲットの質量および寸法を測定し、スパッタリングターゲットの相対密度を算出したところ、全て95%以上であった。
Figure 2007119805
表1からわかるように、本発明に係る製造方法を用いて作製したスパッタリングターゲット(実施例1〜15)は、造粒粉作製に用いたスラリーの濃度が60.4〜71.0質量%と大きいにもかかわらず、成形体および焼結体の良品率が高く、いずれも99%以上である。また、得られたスパッタリングターゲットの相対密度は、全て95%以上であった。したがって、本発明に係る製造方法を用いれば、密度の大きいスパッタリングターゲットを効率よく生産することができる。特に、一軸プレスまたはCIPのように、ゴム型に直接、造粒粉を充填するために、成形体の強度が要求される成形法においても、成形体にほとんど割れが発生せず、高い生産効率でスパッタリングターゲットを製造することが可能となる。
アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を含有させていない比較例1〜3においては、スラリー濃度が30質量%と小さいにもかかわらず、スラリーの粘度は900〜1200cpsと大きかった。このため、得られたスパッタリングターゲットの相対密度は、全て95%以上であったものの、成形体の段階で割れが多数発生し、焼結体良品率は90%程度と低くなった。
また、分散剤として、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物ではなく、従来から用いられているポリアクリル酸のアンモニウム塩を用いた比較例4〜6においては、スラリー濃度が60質量%のときのスラリーの粘度が800〜1400cpsと大きかった。このため、得られたスパッタリングターゲットの相対密度は、全て95%以上であったものの、成形体の段階で割れが多数発生し、焼結体良品率は89%程度と低くなった。
造粒粉を加圧して成形体を作製するのに用いるゴム型である。 図1に示すゴム型の断面図である。
符号の説明
1、3 板状ゴム型
2 筒状ゴム型
4 造粒粉

Claims (4)

  1. 70質量%以上の酸化亜鉛粉末を含む金属酸化物粉末に、水と有機バインダと分散剤とを混合してスラリーを得る工程と、得られたスラリーを噴霧し、乾燥させて造粒粉を得る工程と、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る工程と、得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程と、得られた焼結体を加工してスパッタリングターゲットを得る工程と、を有するスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記分散剤として、アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物を使用することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 前記アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の添加量を、前記金属酸化物粉末の合計質量に対して0.3〜3質量%とすることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 前記金属酸化物粉末と、前記有機バインダと、前記アクリル酸メタクリル酸共重合体アンモニア中和物の合計質量を、前記スラリーの全質量に対して60質量%以上とし、かつ、前記スラリーの粘度を100cps未満とすることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 前記有機バインダとして、ポリビニルアルコールを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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