JP2010285321A - スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010285321A
JP2010285321A JP2009141370A JP2009141370A JP2010285321A JP 2010285321 A JP2010285321 A JP 2010285321A JP 2009141370 A JP2009141370 A JP 2009141370A JP 2009141370 A JP2009141370 A JP 2009141370A JP 2010285321 A JP2010285321 A JP 2010285321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
zinc oxide
less
powder
oxide powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009141370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5018831B2 (ja
Inventor
Hisataka Yada
久貴 矢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2009141370A priority Critical patent/JP5018831B2/ja
Publication of JP2010285321A publication Critical patent/JP2010285321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5018831B2 publication Critical patent/JP5018831B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】割れや反りを発生させることなく、高密度かつ低抵抗の大型の酸化亜鉛系焼結体を提供する。
【解決手段】D50が1μm以下、D90が1.5μm以下である酸化亜鉛粉末と、D50が1μm以下、D90が1μm〜10μmである酸化ガリウム粉末とを、質量比で(90〜99.9):(0.1〜10)の割合で混合し、冷間成形し、得られた成形体を、焼結炉内容積1m3当たり10〜200L/分の割合で空気または酸素を導入しながら800℃まで加熱し、800℃から焼結温度まで0.3〜3℃/分で昇温し、1200〜1400℃の焼結温度に10〜20時間保持して焼結させ、主平面の面積が45000mm2以上である場合に、該主平面を面積7500mm2ごとに分割したときの焼結体密度のばらつきが±0.04g/cm3の範囲内となる高密度かつ低抵抗の焼結体。
【選択図】なし

Description

本発明は、スパッタリング法による透明導電性膜の形成に用いられるスパッタリングターゲットとして使用される、特に主平面の面積が45000mm2以上の大型である、酸化亜鉛系焼結体の製造方法に関する。
太陽電池の電極材として用いられる透明導電性膜には、比抵抗値の低いスズ含有酸化インジウム(ITO)膜やアルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)膜が主に使用されている。これらの膜においては、スパッタリング法により、加熱した基板上に成膜することで、体積抵抗率が2×10-4Ω・cm程度という高い導電性を有するものが実現されている。
しかしながら、ITOには、プラズマCVD法によりSi層を形成する際に黒化してしまうなど、耐プラズマ性に劣るという問題点がある。また、太陽電池の低コスト化が要求される現在においては、ITOには、その主成分である酸化インジウムが高価であることから、コスト面において問題がある。
一方、AZOは、その原料粉末が安価であるのでコスト面では問題ないが、低抵抗な膜を得るための最適な成膜条件の範囲が狭いという問題や、800nm〜1500nmの波長域(近赤外領域)における透過率が低下する問題などを抱えている。特に、太陽電池の電極材として用いる場合、近赤外領域における透過率の低下は大きな問題であり、エネルギー変換効率の悪化原因となっている。
これに対して、コスト面、生産性に問題がなく、低抵抗かつ高透過率を有するガリウム含有酸化亜鉛(GZO)膜が、AZOに代わって注目されつつある。スパッタリング法によるGZO膜の形成に用いられるスパッタリングターゲット材として、特許文献1には、(1)焼結体密度が5.2g/cm3以上、(2)体積抵抗率が2×10-2Ω・cm以下、(3)平均結晶粒径が2μm〜10μm、(4)最大空孔径が2μm以下のGZO焼結体が開示されている。かかる焼結体は、平均粒径が1μm以下の酸化亜鉛粉末と平均粒径が1μm以下の酸化ガリウム粉末とを用い、成形を冷間で行い、焼結温度を1300℃〜1550℃とし、途中の1000℃〜1300℃の温度範囲の昇温速度を1℃/分〜10℃/分として焼結することにより得られる。
かかる焼結体は、高密度および低抵抗を達成しているが、焼結体に要求されるサイズの大型化に伴い、製造および加工段階で、割れや反りが発生しており、スパッタリングターゲット製造の歩留まりが低下するという問題が顕在化している。
特開平10−297963号
本発明は、上記課題を解決し、主平面の面積が45000mm2以上の大型の酸化亜鉛系焼結体の製造において、割れや反りを発生させることなく、高密度かつ低抵抗の焼結体を得ることを目的とする。
本発明は、スパッタリング法によるGZO膜の形成に用いられるスパッタリングターゲットとして使用されるガリウムが添加された酸化亜鉛系焼結体の製造方法に関する。
特に、本発明の酸化亜鉛系焼結体の製造方法では、原料粉末として、平均粒径のD50が1μm以下、D90が1.5μm以下である酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が1μm以下、D90が1μm〜10μmである酸化ガリウム粉末とを用いることを特徴とする。
かかる酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で(90〜99.9):(0.1〜10)の割合で混合し、得られた混合粉末を冷間で成形することで、成形体を得る。
また、得られた成形体を、焼結炉内容積1m3当たり10L(リットル)/分〜200L/分の割合で空気または酸素を導入しながら800℃まで加熱し、800℃から焼結温度までの温度範囲を0.3℃/分〜3℃/分の昇温速度で昇温した後、1200℃〜1400℃の焼結温度に10時間〜20時間保持することにより焼結させることを特徴とする。
本発明の製造方法により、本発明に係るガリウムが添加された酸化亜鉛からなる酸化亜鉛系焼結体が得られる。
かかる酸化亜鉛系焼結体は、(1)焼結体密度が5.2g/cm3以上、(2)体積抵抗率が2×10-2Ω・cm以下、(3)平均結晶粒径が2μm〜10μm、(4)最大空孔径が2μm以下である。
かかる特性を具備しながら、本発明の酸化亜鉛系焼結体は、主平面の面積が45000mm2以上である大型で平板状の焼結体とした場合でも、焼結体密度のばらつきが±0.04g/cm3の範囲内となることを特徴とする。
本発明により、高密度かつ低抵抗のガリウムが添加された酸化亜鉛系焼結体を、その主平面の面積を45000mm2以上と大型化した場合においても、割れや反りを発生させることなく、歩留まりよく製造することが可能となる。
本発明では、原料粉末として、平均粒径のD50(累積重量が50%となる粒径)が1μm以下で、D90(累積重量が90%となる粒径)が1.5μm以下、好ましくはD90が1〜1.5μmの範囲内にある、酸化亜鉛粉末と、平均粒径D50が1μm以下で、D90が1μm〜10μm以下、好ましくはD90が3〜7μmの範囲内にある、酸化ガリウム粉末を用いる。
なお、原料粉末のD50およびD90は、レーザ回折式粒度分布測定装置などを用いた粒度分布測定により確認することができる。
上記範囲内の粉末を用いると、(1)焼結体密度が5.2g/cm3以上、(2)体積抵抗率が2×10-2Ω・cm以下、(3)平均結晶粒径が2〜10μm、(4)最大空孔径が2μm以下の高密度で低抵抗の焼結体が、割れや反りが入ることなく、安定して製造できる。この範囲外の粉末の場合、原料粉末の平均粒径がいずれも1μm以下である場合でも、高密度で低抵抗の焼結体が得られたとしても、割れや反りが発生する可能性が高くなってしまい、安定して、歩留まりよく焼結体を得ることが困難となる。
なお、上記の4つの特性を具備する酸化亜鉛系焼結体をスパッタリングターゲットとして用いることで、スパッタリング法による成膜時に、異常放電などの成膜後の膜の特性に影響を与える原因を排除して、高い導電性を備える透明導電性膜を得ることが可能となる。
ここで、焼結体密度とは、焼結体の外形寸法から求めた体積および焼結体の質量から計算された密度(嵩密度)をいう。
また、平均結晶粒径は、次のような測定方法で求められる。すなわち、5000倍のSEM観察写真に、顕微鏡観察写真の縁の端から端まで直線を複数本引く。直線数は4本以上とすることが定量精度の観点から望ましく、直線の引き方は、井桁状や放射状とすることができる。次に、直線上にある結晶粒界の数nを測定する。
そして、平均結晶粒径dを、
式:d=L/n/m
[式中、dは1本の直線から求めた平均結晶粒径を示し、Lは1本の直線の長さを示し、nは1本の直線上の結晶粒界の数を示し、mは倍率を示す]
により求め、複数本の直線のdからその平均値を求める。
また、最大空孔径は、5000倍のSEM観察写真を任意に5箇所以上撮影し、全写真で最大の空孔について、その径を円相当直径換算して求めたものである。
本発明では、上記の酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で(90〜99.9):(0.1〜10)の割合で混合して、混合粉末を得る。
混合に際して、有機バインダも一緒に添加混合することが好ましい。有機バインダとしては、ケン化度90mol%以下のポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ケン化90mol%と以下とする理由は、造粒粉が軟質となるため、成形時のつぶれ性が向上し、均一な成形体が得られるからである。また、均一であるため、成形体強度も増大し、成形体のハンドリング性が向上するとともに、さらには、得られる焼結体の厚み方向の密度および空孔分布を均一とすることができる。
有機バインダの添加量は、総酸化物粉末量に対して1.5質量%以下とすることが望ましい。1.5質量%以下とするのは、1.5質量%以上であると、脱バインダに時間がかかるばかりか、脱バインダ時に成形体の割れが発生しやすくなり、特に、3.0質量%を超えると焼結体の密度が著しく低下するという問題も生じるためである。好ましくは、0.5質量%〜1.3質量%の範囲内とすることが好ましい。
上記酸化亜鉛粉末、酸化ガリウム粉末、有機バインダと、純水、分散剤としてのアクリル酸系アミン塩を、混合粉砕し、スプレードライヤなどで噴霧および乾燥して、造粒粉を得る。
混合は、ビーズミル、ボールミル、振動ミルなどを用いることができ、湿式もしくは乾式のいずれも採用できる。均一微細な結晶粒を得る、および、微細な空孔とするといった観点から、湿式による混合を採用することが好ましい。湿式ボールミル混合の場合には、その混合時間を12時間〜24時間とすることが好ましく、湿式ビーズ見る混合の場合には、湿式ボールミル混合の概ね十分の一の時間で同様の混合状態を達成することができる。
得られた造粒粉を、金型プレスや冷間静水圧プレスにより成形するが、特に、均質な成形体を得るためには、冷間静水圧プレスにより、98MPa(1ton/cm2)以上の圧力をかけて、成形体を製造することが望ましい。
次に、得られた成形体を、焼結炉内容積1m3当たり10L(リットル)/分〜200L/分の割合で、好ましくは、40L/分〜120L/分の割合で、空気または酸素を導入しながら800℃まで加熱して、脱バインダを行う。
脱バインダに際しては、焼結炉内に設置した成形体の温度分布が著しくばらつかない状態、例えば、成形体の温度ばらつきが50℃以下、好ましくは30℃以下とすることが望ましく、このために、焼結炉内の容積1m3当たり10L/分〜200L/分の割合で空気または酸素を流入させる。ガス流入量が焼結炉内の容積に対して10L/分・m3未満では、炉内に充満したバインダガス成分の排気が十分でないために、脱バインダが効率的に行われず、脱バインダ不良による成形体の割れが発生しやすくなる。一方、200L/分・m3を超えると、脱バインダは可能であるが、焼結炉内に流入させるガスにより成形体が冷却され、成形体を所望温度に加熱するための時間がむしろ長時間となったり、成形体の温度ばらつきが大きくなったりするため、好ましくない。
引き続き、800℃から焼結温度までの温度範囲を0.3℃/分〜3℃/分の昇温速度、好ましくは0.5℃/分〜1.5℃/分の昇温速度で昇温させる。昇温速度が0.3℃/分より遅いと、焼結体の結晶粒成長が著しくなるとともに、空孔の粗大化、最大空孔径の粗大化を来たす。一方、3℃/分より速いと、焼結炉内温度の均一性が低下し、焼結体内の膨張および収縮量にばらつきが生じて、焼結体の密度ばらつきが±0.04g/cm3を超えてしまうばかりか、焼結体の反りが2.0mm以上となりやすく、焼結体の割れも発生しやすくなる。
この昇温速度を800℃から焼結温度までの温度範囲で規定するのは、脱バインダ後は成形体強度が著しく低下し、割れが発生しやすいこと、成形体内において焼結が最も活発化する温度域だからである。
その後、1200℃〜1400℃の焼結温度に到達した後、この温度に10時間〜20時間保持して、成形体を焼成により焼結させる。焼結温度を1200℃〜1400℃とするのは、1200℃未満では、焼結体密度が高くならず、5.2g/cm3以上を満足する焼結体を得難い。一方、1400℃を超えると、焼結体の結晶粒成長が著しくなると共に、空孔の粗大化し、最大空孔径が2μm以下、平均結晶粒径2〜10μm以下を満足する焼結体が得難い。また、酸化亜鉛(ZnO)の蒸発が活発化し、組成ずれを起こしやすく、さらには、炉材やヒーターの寿命を縮めて生産性を悪化させやすい。この観点から、かかる焼結温度を好ましくは1250℃〜1350℃とすることが望ましい。
焼結温度における保持時間を10時間〜20時間とするのは、保持時間が10時間未満では、焼結体密度が5.2g/cm以上、最大空孔径が2μm以下を満足することが困難である。また、主平面の面積が45000mm以上の焼結体を、主平面を面積が7500mm毎に分割したときの密度ばらつきが±0.04g/cm以下となる焼結体が得難い。一方、20時間を超えると、焼結体の結晶粒成長が著しくなるとともに、空孔の粗大化、最大空孔径の増大化を来す。
焼結工程においても、雰囲気が一定量以上の酸素を含むように、焼結炉内容積1m3当たり10L/分〜200L/分の割合、好ましくは、20L/分〜100L/分の割合で、酸素を導入しながら行うと、酸化亜鉛(ZnO)の蒸発が抑制され、焼結体の緻密化を促す効果があるため好ましい。酸素導入量が10L/分・m3未満では、上記効果が得られない一方、200L/分・m3を超えると、焼結炉内温度の均一性が乱れやすくなる。なお、酸化ガリウム粉末の混合比率が1.0質量%以下の場合は、酸素導入効果があまり得られないため、酸素は導入しなくてもよい。
このような本発明の製造方法により、上記の4つの特性を具備する酸化亜鉛系焼結体を、大型化した場合した場合でも、割れや反りのない状態で、焼結体密度にばらつきのない焼結体を得ることができる。具体的には、主平面の面積が45000mm2以上である大型で平板状の焼結体を得た場合においても、焼結体密度のばらつきが±0.04g/cm3の範囲内と極めて小さくなる。このように、本発明に従って、製造条件を規制することにより、製造工程全体を通じて、焼結体密度のばらつきの原因が排除され、割れや反りを生じることなく、焼結体密度のばらつきが小さい焼結体が得られる。
焼結体密度のばらつきの測定は、例えば、所定の厚さの平板状の焼結体に加工した後、主平面の面積が75mm×100mm=7500mm2となるように分割して行う。例えば、主平面の面積が45000mm2の焼結体の場合には、6分割される。分割後のそれぞれの焼結体について同様に焼結体密度を測定すればよい。
なお、焼結体密度が5.2g/cm3以上であって、焼結体密度のばらつきが±0.04g/cm3の範囲内であれば、反りや割れが発生せず、スパッタリング時の放電も安定するという効果が得られる。
[実施例1]
平均粒径のD50が0.64μm、D90が1.31μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が0.9μm、D90が5.5μmの酸化ガリウム粉末とを、質量比で95:5の割合となるように、それぞれ秤量した。なお、原料粉末の平均粒径の測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD−2200)を用いた。
混合タンクにて、原料粉末と、純水、有機バインダおよび分散剤とを、原料粉末の濃度が60%となるように調合して、スラリーを作製した。この際、有機バインダには、ケン化度87〜90mol%のポリビニルアルコールを用い、分散剤には、アクリル酸系アミン塩を用い、これらの添加量はそれぞれ1.0質量%であった。
次に、硬質ZrO2ビーズを投入したビーズミル装置(アシザワ・ファインテック株式会社製、LMZ型)にスラリーを投入して、原料粉末の混合を1時間行った。
混合後のスラリーを、スプレードライヤ装置(大川原化工機株式会社製、ODL−20型)にて、噴霧および乾燥し、粒径が約50μmである造粒粉を得た。
さらに、得られた造粒粉を、冷間静水圧プレス(株式会社神戸製鋼所製、CP900)を用いて、294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形した。
得られた成形体を焼結炉(丸祥電器株式会社製、BIGMAN1058575)に入れ、焼結炉内の容積1m3に対して100L(リットル)/分の流量で空気を流入させ、800℃まで60時間かけ昇温し、脱バインダを行った。
その後、昇温速度を0.5℃/分として800℃から1350℃まで昇温し、1350℃で20時間保持し、焼成により成形体を焼結させた。昇温から焼結の工程においては、酸素を焼結炉内容積1m3に対して100L/分の流量で導入した。
得られた酸化亜鉛系焼結体のサイズは155mm×305mm×10mmで、焼結体の主平面の面積が47275mm2であり、焼結体に割れやクラック、また2mmを超えるような反りは生じていなかった。
得られた焼結体を厚さ6mmに加工した後、主平面の面積が75mm×100mm=7500mm2となるよう6分割し、それぞれの外形寸法および質量から密度(嵩密度)を計算した。
さらに、平均結晶粒径、最大空孔径および体積抵抗率を測定した。ここで、平均結晶粒径および最大空孔径は、焼結体を6分割した際の切断面を鏡面研磨し、熱腐食して結晶粒界を析出させた後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、SEM観察を行うことにより測定した。また、体積抵抗率は、上記鏡面研磨した切断面上の縁から2mmの位置において、抵抗率測定装置(三菱化学株式会社製、ロレスタMPC−T350)を用いて四探針法により測定した。
原料粉末について表1に、製造条件、割れまたは反りの有無について表2に、得られた焼結体の特性について表3に、それぞれ示す。
[実施例2]
脱バインダ後の昇温から焼結の工程における酸素流入量を20L/分としたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例3]
脱バインダ後の昇温から焼結の工程における酸素流入量を200L/分としたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例4]
平均粒径のD50が0.58μm、D90が1.04μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が0.6μm、D90が1.9μmの酸化ガリウム粉末とを原料粉末として用いたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例5]
平均粒径のD50が0.9μm、D90が7.0μmの酸化ガリウム粉末を用いたことを除き、実施例4と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例6]
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で99.8:0.2の割合となるように、それぞれ秤量したこと、脱バインダ後の工程においてガスを導入しなかったことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例7]
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で99.9:0.1の割合となるように、それぞれ秤量したことを除き、実施例6と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例8]
酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で90.0:10.0の割合となるように、それぞれ秤量したこと、脱バインダ時のガス導入量を焼結炉内の容積1m3に対して200L/分の流量で空気を流入させたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例9]
脱バインダ時のガス導入量を焼結炉内の容積1m3に対して10L/分の流量で空気を流入させたこと、焼結温度を1200℃としたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例10]
昇温速度を0.3℃/分として800℃から1380℃まで昇温したこと、1380℃で10時間保持したこと、この際、酸素を焼結炉内容積1m3に対して200L/分の流量で導入したことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[実施例11]
昇温工程における昇温速度を2.5℃/分としたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[比較例1]
平均粒径のD50が3.0μm、D90が7.0μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が0.9μm、D90が5.5μmの酸化ガリウム粉末とを用いたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。焼結体に割れやクラックは発生しなかったが、2mmを超える4mmの反りを生じていた。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[比較例2]
平均粒径のD50が0.64μm、D90が1.31μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が0.4μm、D90が0.8μmの酸化ガリウム粉末とを用いたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。焼結体に割れやクラックは発生しなかったが、2mmを超える5mmの反りを生じていた。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。
[比較例3]
平均粒径のD50が0.64μm、D90が1.31μmの酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が3.0μm、D90が15.0μmの酸化ガリウム粉末とを用いたことを除き、実施例1と同様に酸化亜鉛系焼結体を作製した。焼結体にはクラックが発生し、2mmを超える5mmの反りを生じていた。同様に、原料粉末、製造条件、焼結体の特性について、表1〜表3に示す。

Figure 2010285321
Figure 2010285321
Figure 2010285321

Claims (2)

  1. 原料粉末として、平均粒径のD50が1μm以下、D90が1.5μm以下である酸化亜鉛粉末と、平均粒径のD50が1μm以下、D90が1μm〜10μmである酸化ガリウム粉末とを用い、かかる酸化亜鉛粉末と酸化ガリウム粉末とを、質量比で(90〜99.9):(0.1〜10)の割合で混合し、得られた混合粉末を冷間で成形し、得られた成形体を、焼結炉内容積1m3当たり10L/分〜200L/分の割合で空気または酸素を導入しながら800℃まで加熱し、800℃から焼結温度までの温度範囲を0.3℃/分〜3℃/分の昇温速度で昇温した後、1200℃〜1400℃の焼結温度に10〜20時間保持することにより焼結させることを特徴とする、酸化亜鉛系焼結体の製造方法。
  2. (1)焼結体密度が5.2g/cm3以上、(2)体積抵抗率が2×10-2Ω・cm以下、(3)平均結晶粒径が2μm〜10μm、(4)最大空孔径が2μm以下である酸化亜鉛系焼結体であって、該焼結体の主平面の面積が45000mm2以上である平板状とした場合に、焼結体密度のばらつきが±0.04g/cm3の範囲内となることを特徴とする、酸化亜鉛系焼結体。

JP2009141370A 2009-06-12 2009-06-12 スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法 Expired - Fee Related JP5018831B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009141370A JP5018831B2 (ja) 2009-06-12 2009-06-12 スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009141370A JP5018831B2 (ja) 2009-06-12 2009-06-12 スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010285321A true JP2010285321A (ja) 2010-12-24
JP5018831B2 JP5018831B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=43541322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009141370A Expired - Fee Related JP5018831B2 (ja) 2009-06-12 2009-06-12 スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5018831B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014034122A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 出光興産株式会社 スパッタリングターゲット
JP2014231640A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 三星コーニングアドバンスドガラス有限会社Samsung Corning Advanced Glass, LLC 酸化亜鉛系スパッタリングターゲット及びこれにより蒸着された保護層を有する光電池
JP2015030858A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 株式会社アルバック スパッタリングターゲットの製造方法
CN105821377A (zh) * 2015-01-22 2016-08-03 吉坤日矿日石金属株式会社 氧化物烧结体、溅射靶以及氧化物薄膜

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10182150A (ja) * 1996-11-08 1998-07-07 Dowa Mining Co Ltd Itoの原料粉と焼結体およびそれらの製造方法
JPH10297964A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体の製造方法
JPH10297963A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体およびその製造方法
JPH11322332A (ja) * 1998-05-21 1999-11-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ZnO系焼結体およびその製造方法
JP2001130950A (ja) * 1999-10-28 2001-05-15 Sumitomo Chem Co Ltd アルミナ混合組成物、その成形体、およびその焼結体の用途
JP2005075648A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Tosoh Corp Ito焼結体の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10182150A (ja) * 1996-11-08 1998-07-07 Dowa Mining Co Ltd Itoの原料粉と焼結体およびそれらの製造方法
JPH10297964A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体の製造方法
JPH10297963A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体およびその製造方法
JPH11322332A (ja) * 1998-05-21 1999-11-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ZnO系焼結体およびその製造方法
JP2001130950A (ja) * 1999-10-28 2001-05-15 Sumitomo Chem Co Ltd アルミナ混合組成物、その成形体、およびその焼結体の用途
JP2005075648A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Tosoh Corp Ito焼結体の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014034122A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 出光興産株式会社 スパッタリングターゲット
JP2014047407A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Idemitsu Kosan Co Ltd スパッタリングターゲット
TWI620826B (zh) * 2012-08-31 2018-04-11 出光興產股份有限公司 Sputter target
JP2014231640A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 三星コーニングアドバンスドガラス有限会社Samsung Corning Advanced Glass, LLC 酸化亜鉛系スパッタリングターゲット及びこれにより蒸着された保護層を有する光電池
JP2015030858A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 株式会社アルバック スパッタリングターゲットの製造方法
CN105821377A (zh) * 2015-01-22 2016-08-03 吉坤日矿日石金属株式会社 氧化物烧结体、溅射靶以及氧化物薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP5018831B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5205696B2 (ja) 酸化ガリウム系焼結体およびその製造方法
JP5376117B2 (ja) ZnOスパッタリングターゲットとその製造方法
JP5887819B2 (ja) 酸化亜鉛焼結体、それから成るスパッタリングターゲットおよび酸化亜鉛薄膜
JP2010037161A (ja) 酸化物焼結体およびその製造方法、スパッタリングターゲット、半導体薄膜
JP2012126937A (ja) Itoスパッタリングターゲットとその製造方法
JPWO2012105323A1 (ja) 酸化物焼結体およびそれを加工したタブレット
JP5692224B2 (ja) 酸化亜鉛焼結体タブレットおよびその製造方法
JP5888599B2 (ja) スパッタリングターゲット及び高抵抗透明膜の製造方法
WO2010125801A1 (ja) ZnO-Ga2O3系スパッタリングターゲット用焼結体及びその製造方法
JP5018831B2 (ja) スパッタリングターゲット用酸化亜鉛系焼結体の製造方法
TWI491580B (zh) 蒸鍍用錠及其製造方法
JP6024545B2 (ja) 酸化亜鉛系焼結体とその製造方法およびスパッタリングターゲット
JP5369444B2 (ja) Gzo焼結体の製造方法
JP5376116B2 (ja) ZnO蒸着材とその製造方法
JP2010150093A (ja) 透明導電膜用焼結体の製造方法
JP5979082B2 (ja) 蒸着用タブレットとその製造方法
TWI696597B (zh) 燒結體、濺鍍靶材及燒結體的製造方法
JP4026194B2 (ja) スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体およびその製造方法
JP6468158B2 (ja) 蒸着用ZnO−Ga2O3系酸化物焼結体タブレットとその製造方法
JP2010255022A (ja) Itoスパッタリングターゲットとその製造方法
JP5967016B2 (ja) 蒸着用タブレットとその製造方法
JP5809542B2 (ja) スパッタリングターゲット材およびその製造方法
JP2010222176A (ja) ZnO焼結体及びその製造方法
JP2016117610A (ja) 酸化錫系焼結体タブレットと酸化物透明導電膜
JP5602820B2 (ja) ZnO焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5018831

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees