JP5809542B2 - スパッタリングターゲット材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲット材およびその製造方法に関する。スパッタリングターゲットは、太陽電池、タッチパネル等の透明電極に用いられる透明導電膜をスパッタリング法で形成する際に用いられる。
近年、低コストで高い透明性、導電性および化学的安定性を有する酸化亜鉛透明導電膜が注目されている。酸化亜鉛系の透明導電膜の形成方法としては、緻密で膜質の良い膜が得られやすい、スパッタリング法が最も適しており、スパッタリングターゲット材料に用いられる酸化亜鉛焼結体が種々検討されている。
例えば、特許文献1では、密度5.6g/cm〜5.77g/cm、焼結粒径2μm〜50μm、アルミニウム成分の最大分散凝集径が5μm以下、アルミニウムの含有量が酸化アルミニウム換算で0.5重量%以上、抵抗率1×10−2Ωcm以下のアルミニウムドープ酸化亜鉛焼結体が開示されている。
特許文献2には、酸化亜鉛と酸化アルミニウムとからなる混合粉体から製造される複合酸化物焼結体のターゲットが、抵抗率(比抵抗)が3mΩ・cm以下であり、焼結密度が5.4〜5.6g/cmであるため、スパッタリング成膜時に異常放電回数を低減でき、パーティクルの発生を抑制できると記載されている。
特許文献3には、酸化亜鉛系焼結体ターゲットが、周期律表の第III族元素を1種以上含み、相対密度が97%以上であり、かつスパッタ面の表面粗さRmaxが3.0μm以下であることから、長時間の電力投入に対してアーキングの発生を防止することが記載されている。
特許文献4には、アルミニウム酸化物粉末の二次(凝集)粒径として2μm以下のドーパント粉末を用いることにより、密度5.6g/cm以上で焼結粒径が2μm〜50μm、焼結体内のアルミニウムの最大分散凝集径が5μm以下の高密度焼結体が得られ、このような焼結体をスパッタリングターゲットとして用いた場合、低抵抗な膜が得られることが記載されている。
特開平7−258836号公報 特開2010−270004号公報 特開2000−178725号公報 特許3864425号公報
上記の通り、スパッタリングターゲット材料に用いられる酸化亜鉛焼結体が種々提案されているが、提案された酸化亜鉛焼結体がスパッタ中の異常放電を確実に防止できているとはいえない。
たとえば、特許文献1記載のアルミニウムドープ酸化亜鉛焼結体は、低抵抗であるものの異常放電を抑制できるかは不明である。また、特許文献2〜4記載のターゲットも、その組織は十分に明らかにされておらず、確実に安定した効果が得られるとは限らない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特有の組成により、安定してスパッタ中の異常放電を防止できるスパッタリングターゲット材およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のスパッタリングターゲット材は、酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲット材であって、密度が5.4×10kg/m以上5.6×10kg/m以下で、Al換算で1重量%以上3重量%以下のAlを含み、酸化亜鉛粒子中に存在するZnAl粒子の粒子径は3μm以下であり、酸化亜鉛粒界中に存在するZnAl粒子の径は10μm以下であることを特徴としている。
このように、本発明の酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲットは、密度が5.4×10kg/m以上5.6×10kg/m以下であり、僅かにボイドが存在する緻密な焼結体であるため、放電回数を低減しつつ、スパッタ中の割れを防止できる。また、Al換算で1重量%以上3重量%以下のAlを含むため、体積抵抗率を1×10−4Ωm以下に低減できる。また、酸化亜鉛粒子中に粒子径が3μm以下のZnAl粒子を有し、ZnO粒界中に粒子径が10μm以下のZnAl粒子を有するため、抵抗の不均一相を小さくし、ZnAl粒子を起点とする異常放電を防止できる。
(2)また、本発明のスパッタリングターゲット材は、酸化亜鉛粒界には、Znのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物を有することを特徴としている。これにより、ZnAl粒子の含有量が低減されるため、これを起点とする異常放電を防止できる。
(3)また、本発明のスパッタリングターゲット材の製造方法は、酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲット材の製造方法であって、純度99.0%以上の酸化亜鉛粉末と純度99.0%以上のアルミナ粉末とを混合する工程と、前記混合された粉末を用いて理論密度の50%以上の密度の成形体を作製する工程と、前記成形体を1350℃以上1550℃以下で10時間以上焼成する工程と、を含み、前記焼成工程では、前記焼成温度から1000℃までの降温レートを50℃/h以上とすることを特徴としている。
これにより、含有されるZnAl粒子を減少させ、十分な密度の酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲットを製造できる。その結果、異常放電しにくいスパッタリングターゲットを製造できる。また、酸化亜鉛粉末とAl粉末との混合を前提としているため、スパッタリングターゲットを大量に安く製造することができる。
本発明によれば、酸化亜鉛粒子中に粒子径が3μm以下のZnAl粒子を有し、ZnO粒界中に粒子径が10μm以下のZnAl粒子を有するため、抵抗の不均一相を小さくし、ZnAl粒子を起点とする異常放電を防止できる。
本発明のスパッタリングターゲット材の表面を示すSEM写真のトレース図である。 実験結果を示す図である。
酸化亜鉛ターゲット材のDCスパッタにおけるスパッタ中の異常放電の抑制はこれまでに種々検討されている。本発明者等は酸化亜鉛ターゲット材の組織を制御することで放電を抑制できることを見出した。以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(スパッタリングターゲット材の構成)
本発明のスパッタリングターゲット材(以下、スパッタリングターゲット材)は、Alドープ酸化亜鉛焼結体で形成されている。スパッタリングターゲット材作製時に添加されるAl量はAl換算で1重量%以上3重量%以下である。添加されるAl量が1重量%以下だと、スパッタリングターゲット材の抵抗を低くすることが難しい。そして、抵抗が低くないとDCスパッタでZn、Al原子が飛散しない。一方、添加されるAl量が3重量%を上回ると、ZnAlが多くなりすぎて異常放電が発生しやすくなり、膜の抵抗も不均一になりやすい。添加されるAl量を1重量%以上3重量%以下とすることで、10−4Ω・m以下の抵抗値が安定した酸化亜鉛(ZnO)ターゲット材が得られる。
スパッタリングターゲット材の密度は5.4×10kg/m以上5.6×10kg/m以下である。密度が、5.4×10kg/mを下回ると組織を制御しても放電回数の低下にはそれほど寄与しない。一方、密度が、5.6×10kg/mを上回ると全くボイドが無い状態となり、スパッタリングターゲット材はスパッタ中に割れやすくなる。
スパッタ中は表面が数百度になるが、反対面はバッキングプレートに接合されて冷却されるため、スパッタリングターゲット材中に温度勾配が発生する。そのため、熱膨張差が発生して割れやすくなるが、あまりにも密度が高いといわゆる“逃げ”がなくなるため、割れやすくなる。スパッタリングターゲット材の表面粗さは小さい方が好ましい。表面粗さは、Ra(算術平均表面粗さ)で2μm以下が好ましい。
スパッタリングターゲット材を主に構成する酸化亜鉛粒子の粒径は、10μm以上であることが好ましい。酸化亜鉛の焼結粒子径は大きい方が好ましく、これにより粒界を少なくし抵抗の不均一相を低減できる。酸化亜鉛粒子中およびその粒界中には、ZnAl粒子が存在する。酸化亜鉛粒子中に存在するZnAl粒子の粒子径は3μm以下であり、酸化亜鉛粒界中に存在するZnAl粒子の径は10μm以下である。これにより、スパッタリングターゲット材組成中の抵抗の不均一相を低減し、ZnAl粒子を起点とした異常放電を防止することができる。
酸化亜鉛粒界中には、Znのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物が存在することが好ましい。Zn−Al−O化合物は、焼成中にZnAlの一部がZnのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物に変化して生じる。これにより、ZnAlそれ自体が減り、スパッタリングターゲット材の異常放電が少なくなる。
(スパッタリングターゲット材の製造方法)
スパッタリングターゲット材の原料として、酸化亜鉛粉末は、高純度のものを用いることが好ましい。その純度は、好ましくは99.0%以上である。
酸化亜鉛粉末には、一次粒子径が500nm以下のものを用いるのが好ましい。また、酸化亜鉛粉末はフランス法により作製されたものが好ましい。フランス法により作製された原料のほうがAlがドープされやすく、抵抗が低くなりやすい。これは、平均粒径と比表面積の関係から、スラリーにしたとき2次粒子がほぐれやすく、Alが分散しやすくなると考えられる。
アルミナ粉末(Al粉末)は、一次粒子径が1μm以下のものが好ましい。これにより、酸化亜鉛にAlがドープしやすくなる。その場合、微粒のα−Alが好ましい。また、アルミナの純度は重要で99.0%以上が好ましい。
乾式成形する場合には、原料粉末に所定量の分散剤、バインダー、溶媒を加えボールミル混合する。そして、得られたスラリーをスプレードライにより乾燥し、顆粒化する。これを金型プレス、CIPにより成形体を作製する。このとき、成形体の密度は理論密度の50%以上となるようにする。50%未満の成形体で無加圧の焼成を行なうと焼結体が95%以上の相対密度とならないためである。なお、55%以上とするのがさらに好ましい。
湿式成形する場合には、同様にスラリー化し、鋳込み成形により成形することができる。このときの成形体密度も理論密度の50%以上であるようにする。なお、55%以上とするのがさらに好ましい。成形に用いられるバインダーは、特に限定されず、ポリビニルアルコールやアクリルエマルジョン等公知のものが使用できる。分散剤についてもポリカルボン酸系等の一般的な材料を適用できる。
どちらの方法でもスラリーの作製が重要で、特に粘度管理が重要である。各々の粉末について、予備混合を行ない、本混合することが望ましい。本混合のスラリーの混合は、粘度が12時間以上変化しなくなるまで行なう。
粘度は混合時間が延びるにつれて、低下する。これは酸化亜鉛粉末、アルミナ粉末の2次粒子がほぐれるからである。十分にほぐれれば、粒子は均一に分散し、粘度は安定する。このとき、不純物の混入を防ぐ必要があるため、樹脂ボールを使用することが望ましい。例えばアルミナボールを使用した方が効率は高いが、その場合には、アルミナボールが磨耗してスラリー中に混入してしまい、スラリー配合と異なる組成となるおそれがある。
焼成は、以下のような条件で行なうことが好ましい。昇温速度は、60℃/h以上とすることが好ましい。焼成温度は、1350℃以上1550℃以下の温度とし、10時間以上焼成する。降温速度は、焼成温度から900℃まで50℃/h以上とする。
雰囲気は、空気中、できればAirを一定量導入しながら焼成することが望ましい。大気炉としては電気炉を使うことが望ましい。ガス炉では還元焼成の傾向が強くなるからである。還元雰囲気での焼成は好ましくない。
焼結温度が1550℃を超えると、酸化亜鉛の昇華が激しくなり緻密化し難くなる。焼結温度が1350℃未満の場合、焼結それ自体があまり進まず、上記のように安定してスパッタ中の異常放電を防止できる組織が得られ難くなる。焼成時間は10時間以上が良い。これ以下だと上記の組織が得られ難くなる。上限としては30時間程度が目安となる。酸化亜鉛は、焼結と同時に昇華が生じており、あまりに焼成時間を長くすると表面の蒸発が大量に発生するため、焼成後の加工量が多くなってしまう。これらの条件で上記の組織の酸化亜鉛ターゲット材が得られる。
(組織の抵抗の不均質)
組織の抵抗の不均一は、異常放電の一因である。このような観点では、酸化亜鉛の焼結粒子径は大きい方が粒界が少なくなり、抵抗の不均一相が減るため好ましい。また、ZnAlの抵抗はAlドープ酸化亜鉛より抵抗が高い。異常放電はZnAl粒子が起点となりやすいので、ZnAlの粒子径は小さい方がよく、10μm以下がよい。そのため、ZnAlを少なくするのが好ましい。
ZnAlを少なくするために上記の製造方法とすることでZnAlの一部がZnのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物に変化するので、ZnAlそれ自体が減り、スパッタリングターゲット材の異常放電が少なくなる。
この化合物を生成させるには、焼成時の降温レートが効く。焼成温度から1000℃までの降温レートが50℃/h以上が望ましい。ZnAlと酸化亜鉛の界面は液相が生成していると考えられ、ゆっくり降温するとZnAlと酸化亜鉛がそのまま析出してしまう。これを50℃/h以上で降温することで、ZnリッチなZn−Al−O化合物として析出すると考えられる。これがスパッタリングターゲット材全体の抵抗を低くしており、異常放電の起点(ZnAl粒子)の減少に寄与しているものと推察される。
Zn−Al−O化合物は、XRDでは検出され難いので、非晶質に近いものではないかと推察される。降温速度は速いほどZn−Al−O化合物の生成に好ましい。ただし、あまりに速いと熱衝撃により焼結体が割れてしまう。この割れは形状に左右されるため、焼結体の形状に応じて降温速度は適宜調整することができる。
Alドープ酸化亜鉛焼結体を作製するには、酸化亜鉛粉末と酸化アルミニウム粉末を混合して作製するのが工業的であり、低コストでの大量生産に適している。予めAlドープした酸化亜鉛粉末も入手可能であるが高価であり、工業的には適していない。
酸化亜鉛焼結体からなるスパッタリングターゲット材が接合されるバッキングプレートとしては、銅板が熱伝導に優れるので好ましい。銅板の他には、アルミニウム合金や銅等をマトリックス金属とし、セラミックスを強化材とした金属―セラミックス複合材料も好適である。バッキングプレートと酸化亜鉛焼結体からなるスパッタリングターゲット材との接合はインジウム接合が好適である。ただし、インジウムによって形成される接合層は、バッキングプレート及びターゲット材の接合面に対して少なくとも90%の接触面積を有することが望ましい。本発明のスパッタリングターゲット材と銅板とをインジウムにより接合し、接触面積を90%以上とすれば、製造時または使用中の熱応力による割れを無くすことができる。
(実施例)
次に、試料No.1〜24のスパッタリングターゲット材を作製し、試料についてZn−Al−O化合物の有無やスパッタリングによる放電回数を測定した。原料粉末として、フランス法により作製された一次粒子径300nmの酸化亜鉛粉末および一次粒子径600nmのアルミナ粉末を準備した。この原料粉末の各々にバインダを添加し、混合媒体としてΦ15、Φ25の樹脂ボールとともに、樹脂製ポットの容器で各6時間混合した(予備混合)。その後、酸化亜鉛粉末およびアルミナ粉末の2つのスラリーをあわせて30時間湿式混合した。ただし、試料No.3、11、19のみ、平均粒径1.2μmのアルミナ粉末を用いた。また、試料No.4、12、20は、予備混合後、2つのスラリーをあわせて各4時間混合した。
このとき混合開始から10時間、15時間、20時間、30時間の時点で粘度を測定し、15時間、20時間、30時間の各粘度が一定となっていることを確認した。混合後のスラリーを取り出し、スプレードライにより混合粉末の顆粒を作製した。得られた混合粉末を用いてCIP成形し、生加工代を10mmとして成形体を作製した。しかる後に成形体を1500℃で15時間焼成し、焼結体を得た。
このようにして、110×110×9mmの板状の焼結体を作製した。これを切断、研削加工して100×100×6mmの異常放電評価サンプルを作製した。また、端材を用いて、SEM/EDX、XRDにより微構造の評価、密度および体積抵抗率の測定を行なった。体積抵抗率は4端子法、密度はアルキメデス法により測定を行なった。
100×100×6mmの板状のAlドープ酸化亜鉛焼結体を銅製のバッキングプレートとインジウム接合した。焼結体の平均粒径は、焼結体表面を鏡面研磨後、研磨面を熱腐食し結晶粒界を析出させたあとにSEM観察を行なってインターセプト法から求めた。組織中の、ZnOおよびZnAl、Zn−Al−O化合物(Zn>Al)のいずれの粒子であるかはSEMに付属のEDXにより判断した。
図1は、スパッタリングターゲット材の表面を示すSEM写真のトレース図である。図1に示すように、平均の酸化亜鉛粒子10の粒径は、10μm以上である。図1に示す黒い領域が、ZnAl粒子20であり、酸化亜鉛粒界には5μm程度のZnAl粒子が形成され、酸化亜鉛粒子内には多数の1μm程度のZnAl粒子が形成されている。また、図1に示す灰色の領域がZn−Al−O化合物30であり、酸化亜鉛粒界にZn−Al−O化合物30の粒子が形成されている。
最大高さRzは、接触式表面粗さ測定器により測定した。なお、主面の算術平均表面粗さRaは全て0.5μm以下であった。これを銅製のバッキングプレートとインジウムでボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲット材をDCマグネトロンスパッタ装置に装着して使用した。スパッタリングは、純アルゴン雰囲気、圧力0.5Pa、投入電力100Wで行なった。スパッタリング中はバッキングプレートが30℃以下になるようにバッキングプレートを冷却水で抜熱した。異常放電は、成膜中に発生したアーキングをカウントし単位時間当たりの回数(count/h)で評価した。
図2は、実験結果を示す図である。図2に示すように、試料No.1〜8は、Alの添加量が1重量%、試料No.9〜16は、Alの添加量が2重量%、試料No.17〜24は、Alの添加量が3重量%である。図2の表は、右列から、製造時の焼成温度、焼成時間、降温レート、酸化亜鉛の粒径、酸化亜鉛粒子内および酸化亜鉛粒界におけるZnAl粒子径、Zn−Al−O化合物の有無および放電回数をそれぞれ表している。なお、試料No.1〜8、試料No.9〜16、試料No.17〜24については、それぞれ同一の原料顆粒から焼結体を作製した。Al原料の平均粒径は、いずれの試料についても1.2μmであった。
図2の全体から、Alの添加量が小さい方が放電回数が小さいことが分かる。また、酸化亜鉛粒子中に存在するZnAl粒子の粒子径が3μm以下で、酸化亜鉛粒界中に存在するZnAl粒子の径が10μm以下であるスパッタリングターゲット材では、放電回数が著しく低減しており、いずれも100回/hより小さくなっている。また、Znのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物が酸化亜鉛粒界に存在する場合には、放電回数は大きいものでも67回/hであり、放電回数を十分に小さくできることが確認された。
また、個別の試料についていえば、たとえば試料No.10では酸化亜鉛粒子が大きく粒界が少ないが、酸化亜鉛粒子内のZnAl粒子が大きくなりすぎているため、放電回数が若干高めになっていると考えられる。また、試料No.11は、ZnAl粒子が10μm以上だとそこを起点に放電が発生していることが考えられる。試料No.13は、Zn−Al−O粒子が発生しており、ZnAl粒子が減っているので、放電し難くなっていると考えられる。
10 酸化亜鉛粒子
20 ZnAl粒子
30 Zn−Al−O化合物

Claims (2)

  1. 酸化亜鉛質焼結体からなるスパッタリングターゲット材であって、
    密度が5.4×10kg/m以上5.6×10kg/m以下で、
    Al換算で1重量%以上3重量%以下のAlを含み、
    酸化亜鉛粒子中に存在するZnAl粒子の粒子径は3μm以下であり、酸化亜鉛粒界中に存在するZnAl粒子の径は10μm以下であり、
    酸化亜鉛粒界には、Znのモル比がAlのモル比より大きいZn−Al−O化合物を有することを特徴とするスパッタリングターゲット材。
  2. 酸化亜鉛質焼結体からなり、Al 換算で1重量%以上3重量%以下のAlを含み、酸化亜鉛粒子中に存在するZnAl 粒子の粒子径は3μm以下であり、酸化亜鉛粒界中に存在するZnAl 粒子の径は10μm以下であるスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
    一次粒子径500nm以下で、フランス法で作製された純度99.0%以上の酸化亜鉛粉末に、一次粒子径が1μm以下の純度99.0%以上のアルミナ粉末を1重量%以上3重量%以下混合する工程と、
    前記混合された粉末を用いて理論密度の50%以上の密度の成形体を作製する工程と、
    前記成形体を1350℃以上1550℃以下で10時間以上焼成する工程と、を含み、
    前記焼成工程では、前記焼成温度から1000℃までの降温レートを50℃/h以上とすることを特徴とするスパッタリングターゲット材の製造方法。
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