JP4214063B2 - 透明導電性積層体およびタッチパネル - Google Patents

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本発明は、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム基材を有する透明導電性積層体およびそれを用いたタッチパネルに関するものである。
可視光線領域で透明でかつ導電性を有する薄膜は、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの新しいディスプレイ方式やタッチパネルなどの透明電極のほか、透明物品の帯電防止や電磁波遮断などのために用いられている。

従来、このような透明導電性薄膜としては、ガラス上に酸化インジウム薄膜を形成したいわゆる導電性ガラスがよく知られているが、基材がガラスであるために可撓性、加工性に劣り、用途によっては使用できない場合がある。
このため、近年では、可撓性、加工性に加えて、耐衝撃性にすぐれ、軽量であるなどの利点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムをはじめとする各種のプラスチックフィルムを基材とした透明導電性薄膜が使用されている。

しかし、このようなフィルム基材を用いた透明導電性薄膜は、薄膜表面の光線反射率が大きいため、透明性に劣る問題があり、また導電性薄膜の耐擦傷性や耐屈曲性に劣り、使用中に傷がついて電気抵抗が増大したり断線を生じる問題があった。
また、とくにタッチパネル用の導電性薄膜においては、スペーサを介して対向させた一対の薄膜同志がその一方のパネル板側からのペンによる押圧打点で強く接触するものであるため、これに抗しうる良好な耐久性、つまりペン入力耐久性を有していることが望まれる。しかし、上記したような従来の透明導電性薄膜はこのペン入力耐久性に劣り、そのぶん、タッチパネルとしての寿命が短くなる問題があった。
そこで、フィルム基材を用いた透明導電性薄膜の上記問題を改良する試みがなされている。本件出願人も、厚さが2〜120μmの透明なフィルム基材の一方の面に、透明な第1の誘電体薄膜、透明な第2の誘電体薄膜、および透明な導電性薄膜をこの順に積層し、上記フィルム基材の他方の面に、透明な粘着剤層を介して透明基体を貼り合わせてなる透明導電性積層体を提案している(特許文献1,2参照)。
特開平2002−316378号公報(第2〜4頁) 特開平2002−326301号公報(第2〜5頁)
上記の透明導電性積層体は、一方の面に導電性薄膜を有するフィルム基材の他方の面に透明基体を貼り合わせる一方、導電性薄膜とフィルム基材との間に第1および第2の誘電体薄膜を設け、これらの薄膜とフィルム基材および導電性薄膜の各光の屈折率が適切な関係を有するように選択して、透明性を向上させ、また導電性薄膜の耐擦傷性、耐屈曲性およびタッチパネル用としてのペン入力耐久性を向上させたものである。
しかるに、本件出願人の引き続く研究により、上記の透明導電性積層体でも、ペン入力耐久性の点でなお不十分な場合があることがわかった。

本発明は、上記の事情に照らし、既提案の透明導電性積層体をさらに改良し、耐久性のさらなる改善によりタッチパネル用としてのペン入力耐久性を高度に満足する透明導電性積層体とこれを用いたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、既提案の透明導電性積層体において、フィルム基材上に導電性薄膜の下地として設ける第1の誘電体薄膜と第2の誘電体薄膜との間にさらに透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜を設けるようにすると、この薄膜の厚さや各薄膜の光の屈折率が適切な関係を有するように選択することで、既提案の場合と同様に透明性などの諸特性を満足するとともに、これらの薄膜上に設けられる導電性薄膜の耐久性がより一段と改善されて、タッチパネル用としてのペン入力耐久性を高度に満足させうることを知り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、厚さが2〜120μmの透明なフィルム基材の一方の面に、透明な第1の誘電体薄膜、厚さが1〜4nmである透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜、透明な第2の誘電体薄膜および透明な導電性薄膜をこの順に積層し、上記フィルム基材の他方の面に、透明な粘着剤層を介して透明基体を貼り合わせてなることを特徴とする透明導電性積層体に係るものである。

とくに、本発明は、フィルム基材の光の屈折率をn1 、第1の誘電体薄膜の光の屈折率をn2 、第2の誘電体薄膜の光の屈折率をn3 、導電性薄膜の光の屈折率をn4 としたとき、それらの屈折率がn3 <n2 ≦n1 <n4 の関係を満たす上記構成の透明導電性積層体第1および第2の誘電体薄膜が、有機物、無機物または有機物と無機物との混合物である上記構成の透明導電性積層体を、提供できるものである。

また、本発明は、導電性薄膜を有する一対のパネル板を、導電性薄膜同志が対向するようにスペーサを介して対向配置してなるタッチパネルにおいて、パネル板の少なくとも一方が、上記した各構成の透明導電性積層体からなることを特徴とするタッチパネルを提供できるものである。
このように、本発明は、フィルム基材と導電性薄膜との間に透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜を設けたことにより、この薄膜の厚さや各薄膜の屈折率が適切な関係を有するように選択することで、透明性などの諸特性を満足し、しかも導電性薄膜の耐久性がより一段と改善された、タッチパネル用としてのペン入力耐久性を高度に満足する透明導電性積層体と、これを用いたタッチパネルを提供できるものである。
本発明におけるフィルム基材は、その材質にとくに限定はなく、適宜なものを使用することができる。具体的にば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、とくに好ましいものは、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフイン系樹脂などである。
これらのフィルム基材の厚さは、2〜120μmの範囲にあることが必要であり、とくに好ましくは6〜100μmの範囲にあるのがよい。厚さが2μm未満では、フィルム基材としての機械的強度が不足し、この基材をロール状にして誘電体薄膜や導電性薄膜などの薄膜さらには粘着剤層を連続的に形成する操作が難しくなる。また、厚さが120μmを超えると、後述する粘着剤層のクッション効果に基づく導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネル用としてのペン入力耐久性の向上をはかれなくなる。
このようなフィルム基材は、その表面にあらかじめスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や、下塗り処理を施して、この上に設けられる誘電体薄膜のフィルム基材に対する密着性を向上させるようにしてもよい。また、誘電体薄膜を設ける前に、必要に応じて、溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化を行うようにしてもよい。
本発明においては、このようなフィルム基材の一方の面に透明な導電性薄膜を設ける前に、その下地として、透明な第1の誘電体薄膜、透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜、および透明な第2の誘電体薄膜を、この順に積層する。このように下地薄膜を積層することにより、透明性および導電性薄膜の耐擦傷性や耐屈曲性が向上するとともに、タッチパネル用としてのペン入力耐久性の向上に好結果が得られる。
第1の誘電体薄膜および第2の誘電体薄膜は、いずれも、有機物、無機物または有機物と無機物との混合物であるのが好ましい。

このような誘電体薄膜の材料には、NaF(1.3)、Na3 A1F6 (1.35)、LiF(1.36)、MgF2 (1.38)、CaF2 (1.4)、BaF2 (1.3)BaF2 (1.3)、SiO2 (1.46)、LaF3 (1.55)、CeF3 (1.63)、A12 3 (1.63)などの無機物〔( )内の数値は光の屈折率を示す〕や、光の屈折率が1.4〜1.6程度のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系ポリマーなどの有機物や、上記無機物と上記有機物の混合物が挙げられる。
第1の誘電体薄膜および第2の誘電体薄膜は、上記の材料を用いて、真空蒸着法、スパックリング法、イオンプレーティング法、塗工法などにより形成できる。

第1の誘電体薄膜は、厚さが通常10nm以上、好ましくは10〜3,000nmであるのがよい。厚さが10nm未満では連続被膜になりにくく、厚くなりすぎると、耐屈曲性に問題を生じすい。第2の誘電体薄膜は、厚さが通常10nm以上、好ましくは10〜300nm、より好ましくは20〜120nmであるのがよい。厚さが10nm未満では連続被膜となりにくく、透明性や耐擦傷性の向上をあまり期待できない。厚くなりすぎると、透明性の向上を期待できず、またクラックを生じやすい。
金属薄膜または金属酸化物薄膜は、上記の第1の誘電体薄膜と第2の誘電体薄膜との間に設けられて、上記両薄膜の密着性の向上などに寄与し、結果として、最表面に設けられる導電性薄膜のペン入力耐久性の向上に大きく貢献するものである。

このような金属薄膜または金属酸化物薄膜の材料には、インジウム、スズ、カドミウム、亜鉛、チタン、アンチモン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニッケル、白金、金、銀、銅、パラジウムなどの中から選ばれる1種または2種以上の金属または合金あるいはこれらの酸化物が挙げられる。
金属薄膜または金属酸化物薄膜は、上記の材料を用いて、真空蒸着法、スパックリング法、イオンプレーティング法などにより形成できる。

金属薄膜または金属酸化物薄膜は、厚さが1〜5nmであるのが好ましく、とくに好ましくは2〜4nmであるのがよい。この薄膜は、連続薄膜であっても不連続薄膜であってもよい。薄膜の厚さが薄くなると、均一に膜を形成することが難しくなり、膜が形成されない部分、つまり島状に点在する形態で形成されることもあるが、とくに問題はない。薄膜の厚さが厚くなりすぎると、透明性が悪くなったり、屈曲性が悪くなり、またクラックが発生して耐久性がかえって損なわれる。
本発明においては、このようにフイルム基材の一方の面に、下地薄膜を積層したのち、この上に透明な導電性薄膜を設ける。

導電性薄膜は、前記した下地薄膜の場合と同様の方法により、形成できる。用いる薄膜材料もとくに制限されるものではなく、たとえば、酸化スズを含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化スズなどが好ましく用いられる。

導電性薄膜は、厚さが通常10nm以上、好適には10〜300nmであるのがよい。厚さが10nmより薄いと、表面電気抵抗が103 Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となりにくく、厚すぎると、透明性の低下などをきたしやすい。
本発明において、フィルム基材の光の屈折率は通常1.4〜1.7程度で、導電性薄膜の光の屈折率は通常約2程度である。

フィルム基材の光の屈折率をn1 、第1の誘電体薄膜の光の屈折率をn2 、第2の誘電体薄膜の光の屈折率をn3 、導電性薄膜の光の屈折率をn4 としたとき、それらの屈折率がn3 <n2 ≦n1 <n4 の関係を満たすのが望ましい。
第1の誘電体薄膜および第2の誘電体薄膜は、上記のような光の屈折率の関係を満足するように、すなわち、第1の誘電体薄膜の光の屈折率n2 が第2の誘電体薄膜の光の屈折率n3 より大きく、かつフィルム基材の光の屈折率n1 に比べて同等以下となるように、前記した材料の中から、適宜の材料が選択されるのが望ましい。
本発明では、このように一方の面に下地薄膜を介して透明な導電性薄膜を設けたフィルム基材の他方の面に、透明な粘着剤層を介して透明基体を貼り合わせる。

この貼り合わせは、透明基体の方に上記の粘着剤層を設けておき、これにフィルム基材を貼り合わせるようにしてもよいし、逆にフィルム基材の方に上記の粘着剤層を設けておき、これに透明基体を貼り合わてもよい。後者の方法では、粘着剤層の形成をフィルム基材をロール状にして連続的に行うことができ、生産性の面でより有利である。
粘着剤層は、透明性を有するものであればよく、たとえば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが用いられる。粘着剤層は、透明基体の接着後そのクッション効果により、フィルム基材の一方の面に設けられた導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネル用としてのペン入力耐久性を向上させる機能を有する。この機能をより良く発揮させるため、粘着剤層の弾性係数を1×105 〜1×107 dyn/cm2 の範囲、厚さを1μm以上、通常5〜100μmの範囲に設定するのが望ましい。
粘着剤層の弾性係数が1×105 dyn/cm2 未満となると、粘着剤層は非弾性となるため、加圧により容易に変形してフィルム基材ひいては導電性薄膜に凹凸を生じさせ、また加工切断面からの粘着剤のはみ出しなどが生じやすく、さらに導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネルとしてのペン入力耐久性の向上効果が低減する。また、1×107 dyn/cm2 を超えると、粘着剤層が硬くなり、そのクッション効果を期待できなくなり、導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネルとしてのペン入力耐久性を向上できない。
粘着剤層の厚さが1μm未満となると、そのクッション効果を期待できなくなるため、導電性薄膜の耐擦傷性やタッチパネルとしてのペン入力耐久性の向上を望めない。また、粘着剤層を厚くしすぎると、透明性を損なったり、粘着剤層の形成や透明基体の貼り合わせ作業性さらにコストの面で好結果が得られにくい。
このような粘着剤層を介して貼り合わされる透明基体は、フィルム基材に対して良好な機械的強度を付与し、とくにカールなどの発生防止に寄与するものであり、これを貼り合わせたのちでも可撓性であることが要求される場合は、通常6〜300μm程度のプラスチックフィルムが用いられ、可撓性がとくに要求されない場合は、通常0.05〜10mm程度のガラス板やフィルム状ないし板状のプラスチックが用いられる。プラスチックの材質としては、前記したフィルム基材と同様のものが挙げられる。
なお、必要により、上記した透明基体の外表面(粘着剤層とは反対側の面)に、視認性の向上を目的とした防眩処理層や反射防止層を設けたり、外表面の保護を目的としたハードコート層を設けるようにしてもよい。後者のハードコート層としては、たとえば、メラニン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂などの硬化型樹脂からなる硬化被膜が好ましく用いられる。
図1は、本発明の透明導電性積層体の一例を示したものであり、透明なフィルム基材1の一方の面に透明な第1の誘電体薄膜2、透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜3、第2の誘電体薄膜4、透明な導電性薄膜5が、この順に積層されており、他方の面には透明な粘着剤層6を介して透明基体7が貼り合わされている。

また、図2は、本発明の透明導電性積層体の他の例を示したものであり、透明基体の外表面にハードコート層8を設けるようにしたものであり、その他の構成要素は図1と全く同様であり、同一番号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の透明導電性積層体を用いたタッチパネルの例を示したものである。
すなわち、導電性薄膜5a、5bを有する一対のパネル板P1、P2を、互いに直交するように設けた導電性薄膜5a、5b同志が対向するように、スペーサ9を介して対向配置してなるタッチパネルにおいて、一方のパネル板P1として、上記した図2に示す透明導電性積層体を使用したものである。
このタッチパネルにおいては、パネル板P1側より、入力ペン10にてスペーサ9の弾性力に抗して押圧打点したとき、導電性薄膜5a、5b同志が接触して、電気回路のON状態となり、上記押圧を解除すると、元のOFF状態に戻る、透明スイッチ構体として機能する。その際、パネル板P1が上記の透明導電性積層体からなるため、導電性薄膜の耐擦傷性や耐屈曲性などにすぐれ、しかも高度のペン入力耐久性を備えていることから、長期にわたり上記機能を安定に維持させることができる。
なお、上記の図3において、パネル板P1は、図1に示す透明導電性積層体であってもよい。また、パネル板P2は、プラスチックフィルムやガラス板などからなる透明基体11に導電性薄膜5bを設けたものであるが、上記のパネル板P1と同様の図1または図2に示す透明導電性積層体を使用してもよい。
以下に、本発明の実施例を、比較例と対比して記載し、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)からなる透明なフィルム基材(光の屈折率n1 =1.66)の一方の面に、メラミン樹脂:アルキド樹脂:有機シラン縮合物の重量比2:2:1の熱硬化型樹脂からなる硬化被膜(光の屈折率n2 =1.54)を厚さ180nmに形成して、透明な第1の誘電体薄膜とした。

つぎに、この第1の誘電体薄膜上に、パラジウムをターゲットとして、スパッタリング法により、厚さ3nmのパラジウム薄膜を積層し、透明な金属薄膜とした。ついで、この金属薄膜上に、SiO2 (光の屈折率n3 =1.46)を電子ビーム加熱法により、(1〜2)×10-4Torrの真空度で真空蒸着して、厚さが40nmの透明な第2の誘電体薄膜(SiO2 薄膜)とした。
このようにフィルム基材上に下地薄膜を積層したのち、この上(第2の誘電体薄膜上)に、さらにアルゴンガス80%と酸素ガス20%とからなる4×103 Torrの雰囲気中で、インジウムースズ合金を用いた反応性スパッタリング法により、厚さが20nmの酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物(光の屈折率n4 =2.00)からなる透明な導電性薄膜(ITO薄膜)を形成した。
つぎに、上記PETフィルムの他方の面に、弾性係数が1×106 dyn/cm2 に調整された透明なアクリル系粘着剤層(アクリル酸ブチル:アクリル酸:酢酸ビニルの重量比100:2:5の単量体混合物の共重合体100部に、イソシアネート系架橋剤を1部配合してなるアクリル系粘着剤)を、約20μmの厚さに形成し、さらにこの上に、厚さが125μmのPETフィルムからなる透明基体を貼り合わせることにより、図1に示す構造の透明導電性積層体を作製した。
この透明導電性積層体を一方のパネル板とし、他方のパネル板として、ガラス坂上に厚さが30nmのITO薄膜を上記同様の方法で形成したものを用い、この両パネル板を、ITO薄膜同志が対向するように、厚さが20μmのスペーサを介して両パネル板のギャップが150μmとなるように対向配置させ、スイッチ構体としてのタッチパネルを作製した。なお、両パネル板の各ITO薄膜は、上記の対向配置に先立って、あらかじめ互いに直交するように形成した。
比較例1
金属薄膜であるパラジウム薄膜を積層しなかった以外は、実施例1と同様にして、透明導電性積層体とこれを用いたタッチパネルを作製した。
上記の実施例1および比較例1の各透明導電性積層体について、ITO薄膜の耐擦傷性を調べたところ、実施例1の透明導電性積層体は、比較例1の透明導電性積層体に比べて、同等ないしそれ以上の性能を示すものであることが確認された。
つぎに、上記の実施例1および比較例1の各タッチパネルについて、下記の方法にて、ペン入力耐久性試験を行い、耐久性試験後のリニアリティー(Rd)を測定した。この結果は、表1に示されるとおりであった。

<ペン入力耐久性試験>
タッチパネルの透明導電積層体からなるパネル板側から、ポリアセタールからなるペン(ペン先R0.8mm)を用いて、荷重500gで30万回の摺動を行った。摺動後、以下のようにリニアリティーを測定し、ペン入力耐久性を評価した。
<リニアリティーの測定方法>
透明導電積層体に5Vの電圧を印加し、透明導電積層体における、電圧を印加する端子A(測定開始位置)および端子B(測定終了位置)の間の出力電圧を測定した。

リニアリティーは、測定開始位置Aの出力電圧をEA、測定終了位置Bの出力電圧をEB、各測定点Xの出力電圧をEX、理論値をEXXとすると、以下の計算から得られる。
EXX(理論値)=(A−X間の距離)×(EB−EA)/(B−A間の距離)
+EA

リニアリティー(%)=[(EXX−EX)/(EB−EA)]×100
なお、リニアリティー測定の概略は、図4に示すとおりである。

タッチパネルを用いる画像表示装置では、ペンで押さえられることにより上部パネルと下部パネルの接触部分の抵抗値から画面上に表示されるペンの位置が決定されている。上部および下部パネル表面の出力電圧分布が理論線(理想線)のようになっているものとして抵抗値は決められる。すると、電圧値が、図4の実測値のように理論線からずれると、実際のペン位置と抵抗値によって決まる画面上のペン位置がうまく同調しなくなる。理論線からのずれがリニアリティーであり、その値が大きいほど、実際のペン位置と画面上のペンの位置のずれが大きくなる。

なお、下記の表1の値は、実施例および比較例におけるリニアリティーの最大値を示したものである。
表1
┌────┬─────────────────────┐
│ │ ペン入力耐久性試験 │
│ │ 〔リニアリティー(Rd)〕 (%) │
├────┼─────────────────────┤
│実施例1│ 0.02 │
├────┼─────────────────────┤
│比較例1│ 0.13 │
└────┴─────────────────────┘
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1のタッチパネルは、比較例1のタッチパネルに比べて、耐久性試験後のリニアリティー(Rd)が小さくなっており、一段と改良されたペン入力耐久性を有していることがわかる。
本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図である。 本発明の透明導電性積層体の他の例を示す断面図である。 本発明の透明導電性積層体を用いたタッチパネルを示す断面図である。 リニアリティー測定の概略を示す説明図である。
符号の説明
1 透明なフィルム基材
2 透明な第1の誘電体薄膜
3 透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜
4 透明な第1の誘電体薄膜
5(5a) 透明な導電性薄膜
6 透明な粘着剤層
7 透明基体
8 ハードコート層
P1 パネル板 P2 パネル板 9 スペーサ
10 入力ペン
5b 導電性薄膜
11 透明基体

Claims (4)

  1. 厚さが2〜120μmの透明なフィルム基材の一方の面に、透明な第1の誘電体薄膜、厚さが1〜4nmである透明な金属薄膜または金属酸化物薄膜、透明な第2の誘電体薄膜および透明な導電性薄膜をこの順に積層し、上記フィルム基材の他方の面に、透明な粘着剤層を介して透明基体を貼り合わせてなることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. フィルム基材の光の屈折率をn1 、第1の誘電体薄膜の光の屈折率をn2 、第2の誘電体薄膜の光の屈折率をn3 、導電性薄膜の光の屈折率をn4 としたとき、それらの屈折率がn3 <n2 ≦n1 <n4 の関係を満たす請求項1に記載の透明導電性積層体。
  3. 第1および第2の誘電体薄膜は、有機物、無機物または有機物と無機物との混合物である請求項1または2に記載の透明導電性積層体。
  4. 導電性薄膜を有する一対のパネル板を、導電性薄膜同志が対向するようにスペーサを介して対向配置してなるタッチパネルにおいて、パネル板の少なくとも一方が、請求項1〜のいずれかに記載の透明導電性積層体からなることを特徴とするタッチパネル。

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