JP2006190511A - 透明導電性積層体及びそれを用いた透明タッチパネル - Google Patents

透明導電性積層体及びそれを用いた透明タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】透明タッチパネルを高精細ディスプレイ上に設置しても、チラツキによる視認性劣化を起こさず、且つ透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できること。
【解決手段】透明高分子基板の少なくとも片面上に凹凸を有する硬化樹脂層を配し、かつこの硬化樹脂層の上に、直接または他の層を介して透明導電層を設けてなる透明導電性積層体。この硬化樹脂層は、平均一次粒子径が0.5〜5μmの微粒子Aと、平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物及び/または金属フッ化物からなる超微粒子Cとを含む。上記透明導電性積層体は、0.25mmの光学くしを使用した場合の透過法で測定した像鮮明度が10%以上60%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明タッチパネルおよびそれに好適な透明導電性積層体に関する。さらに詳しくは視認性に優れた透明タッチパネル及びそれに用いる透明導電性積層体に関する。
近年、マンマシンインターフェースの一つとして対話型入力方式を実現する透明タッチパネルが多く使用されるようになった。透明タッチパネルは位置検出方式によって、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などがある。このうち抵抗膜方式は、構造が単純で価格/性能比も良いため、近年急速な普及を見せている。
抵抗膜方式の透明タッチパネルは、対向する側に透明導電層を有する2枚のフィルムまたはシートを一定間隔に保持して構成される電子部品であり、可動電極基板(視認側の電極基板)をペンまたは指で押圧し、たわませ、固定電極基板(対向する側の電極基板)と接触、導通することによって検出回路が位置を検知し、所定の入力がなされるものである。この際、押圧部周辺にニュートンリングと呼ばれる干渉縞が現れることがある。また、押圧しない状態であっても可動電極基板の撓みにより可動電極基板と固定電極基板の間隔が狭くなった部分にニュートンリングが現れることがある。ニュートンリングの発生によりディスプレイの視認性が低下する。
このような抵抗膜方式の透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間に発生するニュートンリングを軽減する方法として、平均一次粒子径が1〜4μmのフィラーを所定量含むコーティング層と透明導電層を、プラスチックフィルムの上に形成する方法が開示されている(特許文献1参照。)。また、平均二次粒子径が1.0〜3.0μmとなるシリカ粒子を含む突起塗工層(突起を有する塗工層)をプラスチックフィルム上に形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。
前記のように平均一次粒子径または二次粒子径が数ミクロン程度の粒子を含有するコーティング層と透明導電層をプラスチックフィルム上に形成した透明導電性積層体を用いた透明タッチパネルの場合、ニュートンリング発生は軽減される。しかし、近年の高精細ディスプレイ上に該透明タッチパネルを設置した場合、該コーティング層中の粒子周辺の樹脂がレンズ効果を果たすことによって、ディスプレイから来る光の色分離(チラツキsparkling)を起こし、ディスプレイの視認性を著しく劣化させる問題が発生していた。
また前記以外のニュートンリング(Newton rings)を軽減するためのコーティング層として、平均粒子径が異なる2種以上のマット化剤とバインダーとからなる樹脂を使用したニュートンリング防止層(anti−Newton rings layer)がある(特許文献3参照。)。
このような方法によって形成されたニュートンリング防止層は、高精細ディスプレイ上でのチラツキを抑制することは可能であるが、平均粒径1〜15μmと5〜50nmの大きさが異なる粒子は、どちらもマット化をする目的で添加されたものである。本来、5〜50nmの微粒子は可視光の光学オーダーを大きく下回っているためバインダーとなる樹脂にこのサイズの粒子を添加してもヘーズが発生しないが、特許文献3に記載の実施例、比較例を比べると、5〜50nmの微粒子を添加することによってヘーズが上昇していることから、この粒子は二次凝集体を形成していることが推測される。このヘーズの上昇、すなわちマット化によってチラツキを制御していることがわかる。このような手法で形成されたニュートンリング防止層では、ヘーズが極端に高くなるため、ディスプレイの視認性を悪化させる問題がある。
さらに、透明プラスチックフィルム上に平均密度100〜5000個/mmの点状の突起が形成された樹脂層を設け、かつ該透明導電性フィルムの透過像鮮明度が、0.125mmの光学くしを用いたときに70%以上である透明導電性フィルムにすることによって、スティッキング(電極間の貼り付き)がなく、摺動筆記特性に優れ、高い光線透過率をもち、文字ぼけもないなどの特性を維持しつつ、ギラツキを抑えた透明導電性フィルムがあるが(特許文献4参照。)、この発明においてはニュートンリングの発生を抑制する効果は達成していない。
特開平10−323931号公報 特開2002−373056号公報 特開2001−84839号公報 特開平11−291381号公報
本発明者らは、かかる現状に対する問題点を鋭意検討した結果、透明導電性積層体は0.25mmの光学くしを用いた時の像鮮明度が10%以上60%以下となるような凹凸を形成する必要があることを見出したが、このような凹凸を形成するための最適な方法として平均一次粒子径が0.5μm以上5μm以下の微粒子Aを含有する硬化樹脂に、平均一次粒子径が100nm以下の超微粒子Cを添加することで、凹凸形状を制御することのできる硬化樹脂層の作成方法を見出し、ニュートンリング発生を軽減とチラツキ発生による視認性劣化の軽減を同時に図ることに成功した。
本発明の目的は、透明タッチパネルを高精細ディスプレイ上に設置しても、チラツキによる視認性劣化を起こさず、且つ透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できる透明タッチパネル用透明導電性積層体を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記視認性を維持し、かつヘーズの低い透明導電性積層体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記透明導電性積層体を用いた新規な透明タッチパネルを提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため、少なくとも1種類以上の平均一次微粒子径が0.5μm以上5μm以下の微粒子Aと硬化性樹脂の混合物に、平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物またはフッ化物からなる超微粒子Cを添加することにより、驚くべきことに硬化性樹脂層のレベリング状態が変化し、硬化性樹脂層表面の凹凸形状を自在に制御することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
第一の発明は、透明有機高分子基板の少なくとも一方の面上に、凹凸の形状を形成する硬化樹脂層−1と透明導電層とが順次積層された透明導電積層体であり、JIS K7105(1999年版)によって規定される0.25mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度が10%以上60%以下であることを特徴とする透明導電積層体であり、該硬化樹脂層−1が下記(A)〜(E)の要件を同時に満たす透明導電積層体である。
(A)該硬化樹脂層−1は、(i)硬化樹脂成分と(ii)少なくとも1種の平均一次粒子径が0.5〜5μmの微粒子Aと、(iii)金属酸化物及び金属フッ化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であって平均一次粒子径が100nm以下の超微粒子Cを有すること。
(B)硬化樹脂層−1における微粒子Aの含有量は硬化樹脂成分(i)100重量部あたり0.3重量部以上1.0重量部未満であること。
(C)硬化樹脂層−1における超微粒子Cの含有量は硬化樹脂成分(i)100重量部あたり1〜20重量部であること。
(D)硬化樹脂層−1の厚さが0.5〜4.5μmであること。
(E)透明高分子基板と硬化樹脂層−1に基づくJIS K7136で定義されるヘーズが1%以上6%未満であること。
第二の発明は、少なくとも片面に透明導電層が形成された透明電極基板2枚が互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルであって、少なくとも一方の透明電極基板が本発明の透明導電性積層体であることを特徴とする透明タッチパネルである。
本発明によれば、上記のとおり、透明導電性積層体を構成する凹凸を有する硬化樹脂層に、硬化性樹脂成分と、粒子径が異なり且つ特定の粒子径の2種の微粒子を所定の割合で用いることにより、チラツキによるディスプレイの視認性劣化を防止し、かつ透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間に発生するニュートンリングの発生を防止することに加えて、ヘーズ値が低く透明性に優れた透明導電性積層体及びそれを用いた透明タッチパネルが得られる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
本発明の透明導電性積層体は少なくとも片面に、0.25mmの光学くしを適応した際の像鮮明度が10%以上60%以下となる凹凸面を形成する必要があるが、このような凹凸面を形成する方法はいかなる方法であってもよい。
例えば透明高分子基板の表面をエンボス加工、サンドブラスト加工、インプリント加工、型の転写後に電子線で硬化させる方法、あるいは微粒子を混合した硬化樹脂層のコーティング加工などによって実現することができる。像鮮明度はチラツキを抑制する上で重要な特性であるが、チラツキは像鮮明度が高いほど起こりにくい。
一方、本発明ではチラツキを起こしにくいだけでなく、ニュートンリングの防止(アンチニュートンリング)をも同時に達成することを目的としている。アンチニュートンリング性は、像鮮明度が低いほうが特性を得やすい。
本発明者らはチラツキ防止性とアンチニュートンリング性の相反する特性を鋭意検討した結果、JIS K7105(1999年版)において定義される、0.25mmの光学くしを使用し、透過で測定した像鮮明度(以下単に像鮮明度という。)が10%以上60%以下であることが最適であるとの結論に達した。
これはすなわち、像鮮明度が10%未満である場合には、アンチニュートンリング性に優れた基板を形成しうるが、ディスプレイのチラツキを発生させやすいフィルムができることを意味する。逆に、像鮮明度が60%を超える場合、ディスプレイのチラツキを発生させにくいがアンチニュートンリング性には劣るフィルムができることを意味する。像鮮明度が10%以上60%以下であれば、チラツキ防止性とアンチニュートンリング性を同時に満たすことのできる基板ができるが、20%以上50%以下が好ましく、30%以上40%以下であることがより好ましい。なお、JIS K7105(1999年版)によると、光学くしとして0.25mmで測定する方法は規定されていないが、本発明(の請求項)においては光学くしを0.25mmにする新たな基準を定め、それ以外の部分はJIS K7105(1999年版)に準拠した方法で測定した場合の透過法での像鮮明度と定義する。
なかでも本発明において像鮮明度が10%以上60%以下になるような凹凸を形成する方法としては、硬化性樹脂成分と、少なくとも1種の平均一次粒子径が0.5〜5μmの微粒子Aと、平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物からなる超微粒子Cによって構成される硬化樹脂層−1を透明高分子基板上に積層することによって容易に達成し得る。該硬化性樹脂成分としては、例えば電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂は、例えばポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、変性スチレンアクリレート、メラミンアクリレート、シリコン含有アクリレートの如き単官能または多官能アクリレートを重合せしめて得ることができる。
好ましい具体的なモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エポキシ変性アクリレート、ウレタン変性アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。これらを単独で用いても、数種類を混合して用いてもよい。また場合によっては、上記の如きアクリレートに各種アルコキシシランの加水分解物を適量添加して用いてもよい。電離放射線による重合には公知の光重合開始剤を適量添加して用いるのが好ましく、また必要に応じ光増感剤も適量添加してもよい。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾイルベンゾエート、チオキサンソン類等が挙げられる。光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランの如きシラン化合物をモノマーとして重合して得られたオルガノシラン系熱硬化性樹脂、エーテル化メチロールメラミン等をモノマーとして重合して得られたメラミン系熱硬化性樹脂、イソシアネート系熱硬化性樹脂、フェノール系熱硬化性樹脂およびエポキシ系熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂を単独又は複数組合せて使用することも可能である。熱による重合または架橋には公知の反応促進剤、硬化剤を適量添加して用いるのが好ましい。
反応促進剤としては、例えばトリエチレンジアミン、ジブチル錫ジラウレート、ベンジルメチルアミン、ピリジン等が挙げられる。硬化剤としては、例えばメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
硬化樹脂層−1は、樹脂成分として上述の硬化性樹脂成分だけを用いても透明導電層と充分に良好な密着性を確保できるが、より強固に透明導電層との密着性を確保するため硬化樹脂層−1中に熱可塑性樹脂を含有することができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えばアセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースの如きセルロース誘導体、酢酸ビニルの単独重合体及びその共重合体、塩化ビニルの単独重合体及びその共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールの如きアセタール樹脂、アクリル樹脂(共重合体を含む)、メタアクリル樹脂(を含む)の如きアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
本発明で使用される微粒子Aとしては、平均一次粒子径が0.5〜5μmであれば、その種類は特に制限なく使用できる。例えばSiO、SiOを主成分あるいは架橋成分とする微粒子およびスチレン系、アクリル系、ブタジエン系などのポリマーを主成分とする微粒子を挙げることができる。表面改質などの処理を行った微粒子でもよい。また、かかる微粒子Aを2種類以上混合して用いることもできる。例えば微粒子Aとしては、異なる平均一次粒子径の微粒子を混合して、粒子径分布を広く持たせて使用することができる。微粒子Aの含有量は、硬化性樹脂成分100重量部に対し、0.3重量部以上から1.0重量部未満であり、好ましくは0.3重量部から0.9重量部であり、0.3重量部から0.8重量部であることがなお好ましい。含有量が0.3重量部より少ないと、ヘーズを低くできるため、透明タッチパネルの視認性には良くなるが、ニュートンリング防止(anti−Newton rings)の機能が乏しくなる。逆に1.0重量部以上では、ニュートンリング防止機能は優れるが、ヘーズが高くなるために透明タッチパネルをディスプレイ上に設置した際、ディスプレイの映像、文字などの情報がぼやけるため好ましくない。
平均一次粒子径が100nm以下の超微粒子Cとしては金属酸化物または金属フッ化物が用いられる。それらの具体例としては、例えば、Al、Bi、CeO、In、(In・SnO)、HfO、La、MgF、Sb、(Sb・SnO)、SiO、SnO、TiO、Y、ZnO、ZrOなどを挙げることができる。これらは単独でまたは2種類以上を一緒に用いてもよい。もちろん金属酸化物と金属フッ化物は一緒に使用することができる。なお、超微粒子Cの屈折率に関し、硬化性樹脂成分の屈折率よりも超微粒子Cの屈折率が大きい場合には、得られる硬化樹脂層−1はヘーズが高くなりがちなので、超微粒子Cとしては屈折率が低いほど硬化性樹脂成分の選択肢が広がるので好ましい。
このような超微粒子Cとしては例えばSiO、MgFなどを好ましく挙げられる。これらの超微粒子Cは比表面積が非常に大きいため一般的に凝集を起こし易いので、分散剤を添加し、溶剤に分散させたスラリーとして入手できることが多い。このような分散剤としては例えば、脂肪酸アミン系、スルホン酸アミド系、ε−カプロラクトン系、ハイドロステアリン酸系、ポリカルボン酸系、ポリエステルアミンなど各種が使用できる。また分散媒(溶媒)としてはアルコール系、水、ケトン系、芳香族系などに代表される一般的なものを使用することができる。
ここで、本発明の基礎をなす重要なポイントの1つは超微粒子Cが、硬化樹脂層をレベリングさせることであるが、そのためには超微粒子Cが二次凝集を起こさないように分散されていることが必要である。超微粒子Cは製造条件などによっては、凝集体をつくりうるが、このような微粒子は超微粒子Cとしては適していない。超微粒子Cは分散されている状態で、長径が1μm以上の二次凝集体を形成しないことが好ましい。このような状態は、後述の透過型電子顕微鏡を用いた平均一次粒子径の計測法と同様の手法で観察することによって確認できる。
超微粒子Cの平均一次粒子径は、硬化樹脂層が内部ヘーズの発生による白化を起こさないようにするために、100nm以下である必要がある。超微粒子Cの平均一次粒子径は好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下である。また下限は特に制限ないが5nmが好ましい。超微粒子Cの平均一次粒子径は、レーザー回折散乱方式粒度分布測定装置を使用して測定することができる。また簡易的に粒子径を測定するには透過型電子顕微鏡などを用いることによって実際の大きさを測定することもできる。具体的には超微粒子Cを含有する硬化樹脂層をエポキシ樹脂などで包埋し、エポキシ樹脂層を完全に硬化させた後ミクロトームで薄片化して測定試料を作製し、この測定試料を透過型電子顕微鏡で観察する。超微粒子Cの大きさをランダムに10点以上測定し、これらの測定値を平均化することで平均一次粒子径を求めることができる。
また、硬化樹脂層−1中に分散している超微粒子Cの含有量は、硬化性樹脂成分100重量部に対し、1〜20重量部であり、好ましくは2〜10重量部であり、更に好ましくは3〜7重量部である。超微粒子C成分を1重量部未満とした場合では、硬化樹脂層−1をレベリングさせる効果が不十分のため表面粗さが大であると同時に像鮮明度が10%以下になり、硬化樹脂層−1によりチラツキが発生するため好ましくない。また20重量部を超える場合には、硬化樹脂層−1のレベリングが過剰になるため表面粗さが小になると同時に像鮮明度が60%を越えるため、透明タッチパネルに用いる透明電極基板のニュートンリング防止層としては適当ではない。
チラツキの発生がなく、かつニュートンリング防止機能がある硬化樹脂層−1を形成するため、硬化樹脂層−1の厚さを制御することは、非常に重要である。また、硬化樹脂層−1に凹凸を形成するため、硬化樹脂層−1の厚さは、含有する微粒子Aの平均一次粒子径よりも薄くすることが望ましい。凹凸を有する硬化樹脂層−1の厚さは、0.5〜4.5μmであり、好ましくは1.0〜4.0μm、更に好ましくは1.5〜3.0μmである。厚さが0.5μm未満である場合には、ニュートンリング防止層の機械的強度が弱くなり、透明タッチパネル用の透明電極基板用途には適さない。また厚さが5.0μmを超える場合では、硬化樹脂層−1の表面に凹凸を形成するには5μmより平均一次粒子径が大きな微粒子を使用しなければならないため、該大きな微粒子により硬化樹脂層−1のヘーズが高くなりディスプレイの視認性を悪化させるため適当ではない。
硬化樹脂層−1の、JIS B0601−1982準拠で定義される十点平均粗さ(Rz)は、好ましくは100nm以上1000nm未満であり、より好ましくは100nm以上800nm未満であり、更に好ましくは150nm以上500nm未満である。十点平均粗さ(Rz)が100nm未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがあり、十点平均粗さが(Rz)1000nm以上となった場合には、ヘーズが大きくなり高精細ディスプレイ上に透明タッチパネルを設置すると、画素の色分離が生じてチラツキを起こすなどの理由から好ましくない。
また、硬化樹脂層−1の、JIS B0601−1994準拠で定義される算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは50nm以上500nm未満であり、より好ましくは50nm以上400nm未満であり、さらに好ましくは50nm以上300nm未満であり、特に好ましくは60nm以上200nm未満である。算術平均粗さ(Ra)が50nm未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがある。
凹凸を有する硬化樹脂層−1と透明高分子基板に基づくJIS K7136で定義されるヘーズは、1%以上6%未満であり、好ましくは1%以上5%未満であり、更に好ましくは1%以上3%未満である。ヘーズが1%未満である場合には、透明タッチパネルの可動電極基板と固定電極基板間に容易にニュートンリングが生じることがあり好ましくない。一方、ヘーズが6%以上の場合には透明タッチパネルをディスプレイ上に設置した際に映像や文字などの情報がぼやけるため好ましくない。
本発明における凹凸を有する硬化樹脂層−1の形成方法としては、特に塗工法による形成が好適である。その場合、例えばドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコーター、スプレー法、浸漬法等の公知のあらゆる塗工方法を用いることができる。
具体的には、例えば硬化性樹脂のモノマー(の溶液)またはオリゴマー(の溶液)中に微粒子Aの分散液と超微粒子Cの分散液と反応開始剤を加え、さらに必要に応じて粘度調整等のために溶媒を加えてよく混合する。ついで、この溶液組成物を透明高分子基板の表面に上記方法を用いて塗布し、熱や光を照射して樹脂を反応、硬化させて硬化樹脂層を形成させる。
本発明に用いられる透明高分子基板としては、好ましくは透明性に優れる熱可塑性または熱硬化性高分子のフィルムを用いることができる。かかる高分子としては、耐熱性に優れた透明な高分子であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリジアリルフタレートの如きポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、セルロースアセテート樹脂、非晶性ポリオレフィン等が挙げられる。もちろんこれらはホモポリマー、コポリマーとして、あるいは単独でまたはブレンドとして使用し得る。これらの透明高分子基板は一般的な溶融押出し法もしくは溶液流延法等により好適に成形されるが、必要に応じて成形した透明高分子フィルムに一軸延伸もしくはニ軸延伸を実施して、機械的強度を高めたり、光学的機能を高めたりすることも好ましく行われる。
本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルの可動電極基板として用いる場合には、透明タッチパネルをスイッチとして動作させるための可撓性と平坦性を保つための強度の点から、基板形状として厚さ75〜400μmのフィルム状のものが好ましい。
本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルの可動電極基板として用いる場合には、固定電極基板としては前記高分子フィルム基板、ガラス基板あるいはこれらの積層体基板上に透明導電層を形成したものを用いることができる。透明タッチパネルの強度、重量の点から、単層又は積層体よりなる固定電極基板の厚さは0.4〜4.0mmが好ましい。
本発明の透明導電性積層体を透明タッチパネルの固定電極基板として用いる場合は平坦性を保つための強度の点から厚さ0.4〜4.0mmのシート状のものが好ましいが、厚さ50〜400μmのフィルム状のものを他のシートと貼り合わせ、全体の厚さを0.4〜4.0mmになるような構成にして用いてもよい。あるいは、厚さ50〜400μmのフィルム状のものをディスプレイ表面に貼付けて用いることもできる。
また、最近では透明タッチパネルの入力側(使用者側)の面に偏光板、または偏光板と位相差フィルムを積層した構成の新しいタイプの透明タッチパネルが開発されてきている。この構成の利点は主として前記偏光板、または偏光板と位相差フィルムの光学作用によって、透明タッチパネル内部における外来光の反射率を半分以下に低減して、透明タッチパネルを設置した状態でのディスプレイのコントラストを向上させることにある。
このようなタイプの透明タッチパネルでは、偏光が透明導電性積層体を通過することから、透明高分子フィルムとして光学等方性に優れた特性を有するものを用いることが好ましく、具体的には基板の遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、基板の厚さをd(nm)とした場合にRe=(nx−ny)・d(nm)で表される面内リターデーション値Reが少なくとも30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、5nm以下であればことさら好ましい。理想的には0nmであることが好ましい。なお、ここで基板の面内リターデーション値は分光エリプソメーター(日本分光株式会社製 M−150)を用いて測定した波長590nmでの値で代表している。
このように、例示した透明導電性積層体を偏光が通過するタイプの透明タッチパネルの用途においては、透明電極基板の面内リターデーション値が非常に重要になるが、これに加えて透明電極基板の三次元屈折率特性、すなわち基板の厚さ方向の屈折率をnzとした時にK={(nx+ny)/2−nz}・dで表されるK値が−250〜+150nmであることが好ましく、−200〜+130nmであることがより好ましく、−100nm〜+100nmであることがさらに好ましく、−50nm〜+50nmの範囲にあることが透明タッチパネルの優れた視野角特性を得る上でことさら好ましい。理想的には0nmであることが好ましい。
これらの光学等方性に優れた特性を示す透明高分子基板としては、例えばポリカーボネート、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーおよびこれらの変性物もしくは別種材料との共重合物等をフィルム状に成形した成型基板、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂の成形基板やアクリル樹脂等の紫外線硬化性樹脂をフィルムやシート状に成形した成形基板等が特に好ましい。成形性や製造コスト、熱的安定性等の観点から、とりわけ、ポリカーボネート、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、シクロオレフィンポリマーおよびこれらの変性物もしくは別種材料との共重合物等の成型基板が最も好ましい。
より具体的には、ポリカーボネートとしては、例えばビスフェノールA、1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチル−1,1−ジ(4−フェノール)シクロヘキシリデン、フルオレン−9,9−ジ(4−フェノール)およびフルオレン−9,9−ジ(3−メチル−4−フェノール)からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分をモノマー単位とする重合体や共重合体またはこれらの混合物である。これらのポリカーボネートのうち、特に、平均分子量がおよそ15,000〜100,000の範囲のポリカーボネート(例えば帝人化成株式会社製「パンライト」やバイエル社製「Apec HT」等として入手できる)の成型基板が好ましく用いられる。
また非晶性ポリアリレートとしては、例えば株式会社カネカ(旧 鐘淵化学工業株式会社)製「エルメック」、ユニチカ株式会社製「Uポリマー」、イソノバ社製「イサリル」等の成型基板として入手できる。
シクロオレフィンポリマーとしては、例えば日本ゼオン株式会社製「ゼオノア」やJSR株式会社製「アートン」等の成型基板として入手できる。
これらの高分子化合物を用いた成形基板の製造方法としては、溶融押出法や溶液流延法、射出成型法等の方法が例示される。優れた光学等方性を得る観点からは、溶融押出法や溶液流延法が好ましい。
本発明においては、凹凸を有する硬化樹脂層−1上に、直接または硬化樹脂層−2や光学干渉層を介して透明導電層が設けられる。上記硬化樹脂層−2を介して透明導電層を設けることにより、透明導電性積層体の筆記耐久性等の機械特性を向上させることができる。ここで透明導電層としては、例えば酸化錫を2〜20重量%含むITO層やアンチモンまたはフッ素等をドープした酸化錫層を挙げることができる。透明導電層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法あるいは塗工法、印刷法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。これらのうち、PVD法またはCVD法が好ましい。
PVD法またはCVD法の場合、透明導電層の厚さは、透明性と導電性の点から5〜50nmが好ましく、更に好ましくは10〜30nmである。透明導電層の厚さが5nm未満では抵抗値の経時安定性に劣る傾向があり,また50nmを超えると透明導電性積層体の透過率が低下するため好ましくない。透明タッチパネルの消費電力の低減と回路処理上の必要等から、厚さ10〜30nmにおいて表面抵抗値が、好ましくは100〜2000Ω/□(Ω/Sq)、より好ましくは140〜2000Ω/□(Ω/sq)の範囲を示す透明導電層を用いることが好ましい。
更に、透明導電層は、酸化インジウムを主成分とした結晶質の膜であることが好ましく、特に結晶質のITOからなる層が好ましく用いられる。また結晶粒径は3000nm以下であることが好ましい。結晶粒径が3000nmを超えると筆記耐久性が悪くなるため好ましくない。ここで結晶粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察される多角形状または長円状の各領域における対角線または直径の中で最大のものと定義される。
本発明において“酸化インジウムを主成分とした”とは、ドーパントとして錫、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、フッ素、亜鉛等を含有する酸化インジウム、或いはドーパントとして錫の他に更に、珪素、チタン、亜鉛等を含有する酸化インジウムを意味する。
また、“結晶質の膜”とは、ドーパントを含有する酸化インジウムからなる層の50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくはほぼ100%が結晶相で占められていることを意味する。
本発明においては、凹凸を有する硬化樹脂層−1と透明導電層の間に、全光線透過率等の光学特性を改良するために、上記の如く、硬化樹脂層−2を設けてもよい。硬化樹脂層−2は、前記硬化樹脂層−1と同様の方法を用いて形成することができる。
硬化樹脂層−2を形成するために用いる樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えばポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、変性スチレンアクリレート、メラミンアクリレート、シリコン含有アクリレート等の単官能及び多官能アクリレート系電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノシラン系の熱硬化性樹脂(アルコキシシラン)やエーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化性樹脂やイソシアネート系熱硬化性樹脂、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂を単独又は複数組合せて使用することも可能である。また必要に応じ熱可塑性樹脂を混合することも可能である。なお、熱によって樹脂層の架橋を行う場合には公知の反応促進剤、硬化剤が適量添加される。反応促進剤としては、例えばトリエチレンジアミン、ジブチル錫ジラウレート、ベンジルメチルアミン、ピリジン等が挙げられる。硬化剤としては、例えばメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
上記アルコキシシランについては、これを加水分解ならびに縮合重合することにより硬化樹脂層−2を形成する。かかるアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアルコキシシランは、層の機械的強度や密着性及び耐溶剤性等の観点から二種類以上を混合して用いることが好ましく、特に耐溶剤性の観点から、アルコキシシランの全組成中に重量比率0.5〜40%の範囲で、分子内にアミノ基を有するアルコキシシランが含有されていることが好ましい。
アルコキシシランは、モノマーで用いてもあらかじめ加水分解と脱水縮合を行って適度にオリゴマー化して用いても良いが、通常、適当な有機溶剤に溶解、希釈した塗工液を基板上に塗工する。基板上に形成された塗工膜は、空気中の水分等により加水分解が進行し、続いて、脱水縮合により架橋が進行する。
一般に、架橋の促進には適当な加熱処理が必要であり、塗工工程において100℃以上の温度で数分間以上の熱処理を施すことが好ましい。また場合によっては、前記熱処理と並行して、紫外線等の活性光線を塗工膜に照射することにより、架橋度をより高めることができる。
希釈溶剤としては、例えばアルコール系、炭化水素系の溶剤が用いられる。それらの例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン等を好ましいものとして挙げることができる。この他に、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソブチル等の極性溶媒も使用可能である。これらの溶剤は単独あるいは2種類以上の混合溶剤として用いることができる。
硬化樹脂層−2の屈折率を調整するために、平均1次粒子径が100nm以下の金属酸化物または金属フッ化物からなる超微粒子Cまたはフッ素系樹脂を、単独でもしくは複数組合せて硬化樹脂層−2中に含有させることができる。硬化樹脂層−2の屈折率は、硬化樹脂層−1の屈折率より小さく且つ1.20〜1.55であることが好ましく、更に好ましくは1.20〜1.45である。硬化樹脂層−2の厚さは0.05〜0.5μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.3μmである。
超微粒子Cの平均1次粒子径は100nm以下が好ましく、更に好ましくは50nm以下である。超微粒子Cの1次粒子径を100nm以下に制御することにより、白化のない良好な硬化樹脂層−2を形成することができる。
超微粒子Cとしては、例えばBi、CeO、In、(In・SnO)、HfO、La、MgF、Sb、(Sb・SnO)、SiO、SnO、TiO、Y、ZnO、ZrOなどを挙げることができる。これらのうち、MgF、SiO等の屈折率が1.55以下の金属酸化物または金属フッ化物の超微粒子が好ましい。
超微粒子Cの含有量は、熱硬化型樹脂または/及び電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、好ましくは10〜400重量部、より好ましく30〜400重量部、更に好ましくは50〜300重量部である。超微粒子Cの含有量が400重量部よりも多いときには、層強度や密着性が不充分となる場合があり、一方、超微粒子Cの含有量が10重量部未満では所定の屈折率が得られなくなる場合がある。
フッ素系樹脂としては、例えばフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有するモノマーの重合成分を5〜70重量%含有する重合体が挙げられる。
フッ素系樹脂の含有量は、熱硬化型樹脂または/及び電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、好ましくは50〜300重量部、より好ましくは100〜300重量部、更に好ましくは150〜250重量部である。フッ素系樹脂の含有量が300重量部より多いときには、層強度や密着性が不充分となる場合あり、一方フッ素系樹脂の含有量が50重量部未満では所定の屈折率が得られなくなる場合がある。
本発明においては、凹凸を有する硬化樹脂層−1と透明導電層との間に、屈折率を制御し透明性を高めるために、上記の如く、光学干渉層を設けることができる。
本発明で用いられる光学干渉層は、好ましくは、少なくとも一層の高屈折率層と少なくとも一層の低屈折率層より構成される。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ単位を二つ以上とすることもできる。光学干渉層が一層の高屈折率層と一層の低屈折率層から構成される場合、光学干渉層の厚さは30nm〜300nmが好ましく、更に好ましくは50nm〜200nmである。
本発明の光学干渉層を構成する高屈折率層としては、例えば主として金属アルコキシドを加水分解ならびに縮合重合して形成された層を挙げることができる。
金属アルコキシドとして、例えば、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドを挙げることができる。
チタニウムアルコキシドとしては、例えばチタニウムテトライソプロポキシド、テトラ−n−プロピルオルトチタネート、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタネート等が挙げられる。
ジルコニウムアルコキシドとしては、例えばジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド等が挙げられる。
後述する金属酸化物超微粒子Cを添加することにより屈折率の調整を行う場合には、金属アルコキシドとして、アルコキシシランを用いことも可能である。
該高屈折率層中には、前記記載の金属酸化物または金属フッ化物からなる、平均1次粒子径が100nm以下の超微粒子Cを単独または2種類以上適当量添加することができる。超微粒子Cを添加することにより該高屈折率層の屈折率を調整することが可能である。
該高屈折率層中に超微粒子Cを添加する場合、超微粒子Cと金属アルコキシドの重量比率は、0:100〜60:40であることが好ましく、更に好ましくは0:100〜40:60である。超微粒子Cと金属アルコキシドの重量比率が60:40を超える場合は光学干渉層に必要な強度や密着性が不足することがあり、好ましくない。
該高屈折率層の厚さとしては、好ましくは15〜250nm、より好ましくは30〜150nmである。
また該高屈折率層の屈折率は、後述する低屈折率層及び硬化樹脂層−2の屈折率より大きく、その差が0.2以上であることが好ましい。
本発明の光学干渉層を構成する低屈折率層には、前記硬化樹脂層−2と同じものを用いることができる。該低屈折率層の厚さとしては、好ましくは15〜250nm、より好ましくは30〜150nmである。
本発明においては、硬化樹脂層−2と透明導電層の間に透明導電層と接して金属化合物層を設けることが可能である。該金属化合物層の膜厚は、透明導電層の膜厚より薄く、0.5nm以上10.0nm未満であり、好ましくは1.0nm以上7.0nm未満、更に好ましくは1.0nm以上5.0nm未満である。硬化樹脂層−2、膜厚が制御された金属化合物層、透明導電層を順次積層することにより密着性が大幅に改善され、近年透明タッチパネルに要求される筆記耐久性及び端押し耐久性が向上する。金属化合物層の膜厚が10.0nm以上では、金属化合物層が連続体としての機械物性を示し始めることにより、透明タッチパネルに要求される端押し耐久性の向上は望めない。一方、0.5nm未満の膜厚では膜厚の制御が困難なことに加え、硬化樹脂層−2及び透明導電層との密着性を十分発現させることが困難になり、端押し耐久性の向上は困難になる。
金属化合物層としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。
これらの金属化合物層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法、これらを複合した物理的形成法(Physical Vapor Deposition、以下、PVD)等を用いることができるが、大面積に対して均一な膜厚の金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、Chemical Vapor Deposition(以下、CVD)、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、金属化合物層の厚みの制御の観点からはやはりスパタリング法が望ましい。
スパッタリングに用いるターゲットは金属ターゲットを用いることが望ましく、反応性スパッタ法を用いることが広く採用されている。これは、金属化合物層として用いる元素の酸化物、窒化物、酸窒化物が絶縁体であることが多く、DCマグネトロンスパッタリング法が適応できないことが多いからである。
また、近年では、2つのカソードを同時に放電させ、ターゲットへの絶縁体の形成を抑制するような電源が開発されており、擬似的なRFマグネトロンスパッタリング法を適応できるようになってきている。
本願発明では、金属ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により上記金属化合物層を製膜する場合は、該金属化合物層を製膜する真空槽中の圧力(背圧)を一旦1.3×10−4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。金属化合物層を製膜する真空槽中の圧力を一旦1.3×10−4Pa以下にすることが、真空槽中に残留し、且つ金属化合物層の形成過程に影響を与えることが懸念される分子種の影響を低減できるので望ましい。より望ましくは、5×10−5Pa以下、更に好ましくは2×10−5Pa以下である。
次いで導入される不活性ガスとしては、例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子量の大きな不活性ガスほど形成される膜へのダメージが少なく表面平坦性が向上すると言われている。しかし、コスト面を考えるとArが望ましい。この不活性ガスには膜中に取り込まれる酸素濃度を調整するために、分圧に換算して1.3×10−3〜7×10−2Pa台の酸素を添加しても構わない。更に、酸素の他にO、N、NO、HO、NH等を目的に応じて用いることができる。
また、本願発明では、金属化合物層を製膜する真空槽中の水の分圧を1.3×10−4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。水の分圧は、より望ましくは、4×10−5Pa以下、更に望ましくは2×10−5Pa以下に制御できる。
層中に水素を取り込ませることで金属化合物層内部の応力を緩和するために、水を意図的に1.3×10−4〜3×10−2Paの範囲で導入しても構わない。この調整は、一旦真空を形成した後に、バリアブルリークバルブやマスフローコントローラーを用いて水を導入することで行っても良い。また、真空槽の背圧を制御することによっても実施することができる。
本願発明における水分圧を決定するときには、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Pa台の圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用いても良い。また、一般的に、1.3×10−5Pa程度の真空度においては、その圧力を形成しているのは水である。よって、真空計によって計測された値をそのまま水分圧と考えても構わない。
本願発明においては、基板として高分子フィルムを用いるため、基板温度を当該高分子フィルムの軟化点温度より上昇させることはまずできない。よって、金属化合物層を形成するためには、高分子フィルムの温度は室温以下程度から軟化点温度以下とする必要がある。代表的な高分子フィルムであるポリエチレンテレフタレートの場合、特別な処理を行わないときは基板温度を80℃以下の温度に保ったまま金属化合物層を形成することが望ましい。より望ましくは50℃以下の基板温度にて、更に望ましくは20℃以下である。また、耐熱高分子の上であっても、高分子フィルムからのアウトガスの制御という観点より80℃以下、より望ましくは50℃以下、更に望ましくは20℃以下に設定した基板温度で形成することが望ましい。
本発明の透明導電性積層体を可動電極基板として用いた場合は、透明タッチパネルに使うときに外力が加わる面、すなわち透明導電層とは反対側の透明有機高分子基板面には、ハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層を形成するための材料としては、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノシラン系熱硬化性樹脂、エーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化性樹脂、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。また、必要に応じて、これらに、SiOやMgF等の微粒子等を混合したものを用いることができる。その際微粒子はハードコート層内に均一に分散している。またハードコート層の厚さは、可撓性、耐摩擦性の点から2〜5μmが好ましい。
ハードコート層は塗工法により形成することができる。実際の塗工法としては、前記の化合物を各種有機溶剤に溶解して、濃度や粘度を調節した塗工液を用いて、透明有機高分子フィルム上に塗工後、放射線照射や加熱処理等により層を硬化させる。塗工方式としては、例えばマイクログラビヤコート法、マイヤーバーコート法、ダイレクトグラビヤコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、コンマコート法、ダイコート法、ナイフコート法、スピンコート法等の各種塗工方法が用いられる。
なお、ハードコート層は透明高分子基板上に直接、もしくは適当なアンカー層を介して積層される。アンカー層としては例えば、該ハードコート層と透明有機高分子基板との密着性を向上させる機能を有する層や、K値が負の値となる三次元屈折率特性を有する層等の各種の位相補償層、水分や空気の透過を防止する機能もしくは水分や空気を吸収する機能を有する層、紫外線や赤外線を吸収する機能を有する層あるいは基板の帯電性を低下させる機能を有する層等が好ましく挙げられる。
ハードコート層として、防眩(アンチグレアanti−glare)機能を有する硬化樹脂層−3を用いることが出来る。
通常ハードコート層表面を粗面化することにより防眩(アンチグレア)機能を付与することができる。ハードコート層表面を粗面化する方法としては、例えばハードコート層を形成するための樹脂成分中に少なくとも1種類以上の平均1次粒子径が0.001μm〜5.0μmの微粒子を含有するか、あるいはハードコート層を形成するための樹脂成分中に平均1次粒子径が100nm以下の超微粒子Cが1.0μm未満の凝集体を形成する状態で含有する方法を挙げることができる。
ハードコート層として防眩(アンチグレア)機能を有する硬化樹脂層−3を用いると、通常透明導電性積層体のヘーズは高くなるが、本発明の目的を奏する範囲内であれば用いることができる。この場合、透明高分子基板、硬化樹脂層−1、硬化樹脂層−3に基づくJIS K7136で定義されるヘーズが4%以上18%未満であることが好ましく、
更に好ましくは、4%以上15%未満であり、特に好ましくは4%以上12%未満である。
以下実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中における各種の測定は、下記のとおり行った。
算術平均粗さ(Ra):Sloan社製 触針段差計 DEKTAK3を用いて測定した。測定はJIS B0601−1994年版に準拠して行なった。
十点平均粗さ(Rz):(株)小坂研究所製 Surfcorder SE−3400 を用いて測定した。測定はJIS B0601−1982年版に準拠して行なった。
像鮮明度:スガ試験機社製 ICM−1Tを用いて測定を行った。測定は、JIS K7105(1999年版)に準拠し、透過の像鮮明度を測定した。本発明における像鮮明度の光学くしは0.25mmで測定した場合の値と規定する。なお、JIS K7105(1999年版)には、0.25mmの光学くしを使用する像鮮明度の測定法を定めていないが、本発明においては0.25mmの光学くしを使用する以外は上記のJISとまったく同一の測定法である。
ヘーズ:日本電色(株)製ヘーズメーター(MDH 2000)を用いてヘーズ(Haze)値を測定した。
チラツキ性評価:約123dpi(対角10.4インチ、XGA(1024×768ドット))の液晶ディスプレイ上に透明タッチパネルを設置しチラツキの有無を目視で確認した。チラツキが確認できないものを良好、確認できるものを不良とした。
ニュートンリング防止性評価:3波長蛍光灯の下で、透明タッチパネルの表面(垂直方向0度)に対して斜め60度の方向から可動電極基板と固定電極基板を接触させた領域でのニュートンリングの有無を目視で観察し、評価した。ニュートンリングが観測できないものを良好、観測できるものを不良とした。
硬化樹脂層−1のレベリング状態評価:レーザーテック(株)社製のレーザー顕微鏡、1LM21Dを用いて樹脂のレベリング性を観察した。
[実施例1]
4官能アクリレート アロニックス M405(東亞合成(株)製)100重量部、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部、宇部日東化成(株)製(ハイプレシカ 3.0μm品グレードN3N)0.7重量部をイソプロビルアルコールと1−メトキシ−2−プロパノールの1:1混合溶媒に溶解し塗工液Aを作製した。塗工液Aと平均一次粒子径が30nmであるMgF微粒子(シーアイ化成(株)製 20重量% エチルアルコール・n−ブチルアルコール混合溶媒分散液)を硬化樹脂成分100重量部に対して固形分として5重量部となるように混合し塗工液Bを作製した。
透明高分子基板上に、ポリエチレンテフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、OFW−188)の一方の面に、塗工液Bを硬化後の厚さが2.5μmとなるようにバーコート法によりコーティングし、50℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射して硬化させ凹凸を有する硬化樹脂層−1を形成した。硬化樹脂層−1の表面のレーザー顕微鏡の写真を図1に示す。図1のレベリングの状態を後述する比較例1の図2、比較例2の図3と比較すると、図2はレベリングが不十分であり、逆に図3はレベリングが過剰であることが分かる。すなわち、図1は、凹凸形状の度合いを示す干渉縞が適度な大きさのリングを描いており、適度なレベリングの状態であることを示している。
硬化樹脂層−1を形成した面の反対面上に紫外線硬化型多官能アクリレート樹脂塗料を用いて厚さが4μmのハードコート層1を形成した。
次にγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)とメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM13」)を1:1のモル比で混合し、酢酸水溶液(pH=3.0)により公知の方法で前記アルコキシシランの加水分解を行いアルコキシシ加水分解物1を得た。アルコキシシラン加水分解物1の固形分20重量部に対して、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメトキシシラン(信越化学社製 「KBM603」)を固形分1重量部の比率で添加し、
更にイソプロピルアルコールとn−ブタノールの混合溶液で希釈を行い、アルコキシシラン塗工液Cを作製した。
前記硬化樹脂層−1上にアルコキシシラン塗工液Cをバーコート法によりコーティングを行い130℃で2分間の焼成後、硬化樹脂層−2を作製した。さらにこの硬化樹脂層−2上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いスパッタリング法によりITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の厚さは約20nm、製膜直後の表面抵抗値は約350Ω/□(Ω/sq)であった。作製した可動電極基板を150℃90分熱処理を行い、ITO層を結晶化させた。ITOが結晶化した後の表面抵抗値は約280Ω/□(Ω/sq)であった。透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果を表1に示す。
他方、厚さ1.1mmのガラス板の両面にSiOディップコートを行った後、スパッタリング法により厚さ18nmのITO層を形成した。次にITO層上に高さ7μm、直径70μm、ピッチ1.5mmのドットスペーサを形成することにより、固定電極基板を作製した。作製した固定電極基板と上記透明導電性積層体を可動電極基板に用いて透明タッチパネルを作製した。作製した透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の塗工液Aに、さらに宇部日東化成(株)製(ハイプレシカ 2.0μm品 グレードN3N)0.2重量部を追加したこと、および硬化樹脂層−1の硬化後の膜厚を1.9μmに設定して塗工した以外は、実施例1と同様にして透明導電性積層体及び透明タッチパネルを作製した。透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果と透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の透明高分子基板を、日本ゼオン(株)製のゼオノア(ZF14−100)に変更した以外は、実施例1と同様にして透明導電性積層体及び透明タッチパネルを作製した。透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果と透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の透明高分子基板を、帝人化成(株)製のポリカーボネートフィルム(「ピュアエース」C110−100)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性積層体及び透明タッチパネルを作製した。透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果と透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の塗工液Bの代わりに塗工液Aを用いて硬化樹脂層−1を形成した。作製した硬化樹脂層−1のレーザー顕微鏡の写真を図2に示す。実施例1の図1に比べ、硬化樹脂層−1のレベリングが不十分であり、凹凸形状の度合いを示す干渉縞が非常に強く出ている。引き続いて硬化樹脂層−1以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体及び透明タッチパネルを作製した。
透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果と透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の塗工液Bの代わりに、MgF微粒子を硬化樹脂成分100重量部に対して20重量部となるように混合した塗工液Bを用いて硬化樹脂層−1を形成した。作製した硬化樹脂層−1のレーザー顕微鏡の写真を図3に示す。実施例1の図1に比べ硬化樹脂層−1が過剰にレベリングしている。凹凸形状の度合いを示す干渉縞のリングがまったく無い。
引き続いて硬化樹脂層−1以外は実施例1と同様にして透明導電性積層体及び透明タッチパネルを作製した。透明導電性積層体のヘーズ、Ra、Rz、像鮮明度の測定結果と透明タッチパネルのチラツキ性とニュートンリング防止性の評価結果を表1に示す。
[参考例1]
透明導電層(ITO)を形成しない以外は、実施例1と同様にして透明積層体を作製した。この透明積層体のヘーズを表1に示す。実施例1と参考例1の比較により、透明導電層によるヘーズの影響が無いことがわかった。
Figure 2006190511
表より、本発明の透明導電性積層体を用いることにより、透明タッチパネルを高精細ディスプレイ上に設置した時のチラツキを抑え視認性を向上することができることが、また、ニュートンリングの発生を防止できることがわかる。本発明の透明導電性積層体は、透明タッチパネル用の透明電極基板として有用である。
実施例1における硬化樹脂層−1の表面のレーザー顕微鏡の写真である。 比較例1における硬化樹脂層−1の表面のレーザー顕微鏡の写真である。 比較例2における硬化樹脂層−1の表面のレーザー顕微鏡の写真である。

Claims (13)

  1. 透明有機高分子基板の少なくとも一方の面上に、凹凸の形状を形成する硬化樹脂層−1と透明導電層とが順次積層された透明導電積層体であり、JIS K7105(1999年版)によって規定される0.25mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度が10%以上60%以下であることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 前記硬化樹脂層−1が下記(A)〜(E)の要件を同時に満たすものである、請求項1記載の透明導電性積層体。
    (A)該硬化樹脂層−1は、(i)硬化樹脂成分と(ii)少なくとも1種の平均一次粒子径が0.5〜5μmの微粒子Aと、(iii)金属酸化物及び金属フッ化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であって平均一次粒子径が100nm以下の超微粒子Cを有すること。
    (B)硬化樹脂層−1における微粒子Aの含有量は硬化樹脂成分(i)100重量部あたり0.3重量部以上1.0重量部未満であること。
    (C)硬化樹脂層−1における超微粒子Cの含有量は硬化樹脂成分(i)100重量部あたり1〜20重量部であること。
    (D)硬化樹脂層−1の厚さが0.5〜4.5μmであること。
    (E)透明高分子基板と硬化樹脂層−1に基づくJIS K7136で定義されるヘーズが1%以上6%未満であること。
  3. 前記硬化樹脂層−1が熱可塑性樹脂を含有しない、請求項1記載の透明導電性積層体。
  4. 前記超微粒子CがAl、Bi、CeO、In、(In・SnO)、HfO、La、MgF、Sb、(Sb・SnO)、SiO、SnO、TiO、Y、ZnO及びZrOよりなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の透明導電性積層体。
  5. 硬化樹脂層−1のJIS B0601−1994準拠で定義される算術平均粗さ(Ra)が50nm以上500nm未満でありかつ硬化樹脂層−1のJIS B0601−1982準拠で定義される十点平均粗さ(Rz)が100nm以上1000nm未満である、請求項2に記載の透明導電性積層体。
  6. 前記硬化樹脂層−1と透明導電層との間に、屈折率が1.20〜1.55であり、そして厚さが0.05〜0.5μmである硬化樹脂層−2を更に有する、請求項1に記載の透明導電性積層体。
  7. 前記硬化樹脂層−1と透明導電層との間に少なくとも1層の低屈折率層と少なくとも1層の高屈折率層からなる光学干渉層を有し、そして低屈折率層が透明導電層と接している、請求項1に記載の透明導電性積層体。
  8. 透明導電層が酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であり、そして透明導電層の厚さが5〜50nmである、請求項1に記載の透明導電性積層体。
  9. 硬化樹脂層−2と透明導電層との間に、透明導電層と接し、且つ膜厚が透明導電層より薄く、更に膜厚が0.5nm以上10.0nm未満である金属化合物層を有する、請求項1に記載の透明導電性積層体。
  10. 透明高分子基板の透明導電層が形成された面と反対側の面に防眩機能を有する硬化樹脂層−3を形成する、請求項1に記載の透明導電性積層体。
  11. 透明高分子基板、硬化樹脂層−1及び硬化樹脂層−3に基づくJIS K7136で定義されるヘーズが4%以上18%未満である、請求項9の透明導電性積層体。
  12. 少なくとも片面に透明導電層が形成された透明電極基板2枚が互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルであって、少なくとも一方の透明電極基板が請求項1に記載の透明導電性積層体であることを特徴とする透明タッチパネル。
  13. 少なくとも片面に透明導電層が形成された透明電極基板2枚が互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルであって、少なくとも一方の透明電極基板が請求項9に記載の透明導電性積層体であることを特徴とする透明タッチパネル。
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