JP4844692B2 - 透明導電性積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は透明プラスチックフィルムからなる基材上に高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順で積層した透明導電性フィルムに関するものである。特に静電容量式タッチパネル等のパターニングされた電極フィルムとして用いた場合、透明導電性薄膜層を有する部分と除去された部分での光学特性の差が小さいため、視認性を向上できる透明導電性フィルムに関するものである。
透明プラスチックフィルムからなる基材上に、透明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(ELと略記される場合がある)ディスプレイなどのようなフラットパネルディスプレイや、抵抗膜式タッチパネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使用されている。
近年、静電容量式のタッチパネルが携帯電話、携帯音楽端末などのモバイル機器に搭載されるケースが増えてきた。このような静電容量式のタッチパネルではパターニングされた導体上に誘電体層を積層した構成を有し、指などでタッチすることにより、人体の静電容量を介して接地される。この際、パターニング電極と接地点との間の抵抗値に変化が生じ、位置入力を認識する。しかしながら従来の透明導電性フィルムを用いた場合、透明導電性薄膜層を有する部分と除去された部分での光学特性の差が大きいため、パターニングが目立ち、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置した際に視認性が低下するという問題があった。
透明導電性フィルムの透過率または色目を向上させるために、反射防止加工等で用いられている屈折率の異なる層を積層させ光の干渉を利用する方法が提案されている。すなわち、透明導電性薄膜層と基材フィルムの間に屈折率の異なる層を設けて光学干渉を利用する方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特開平11−286066号公報 特許第3626624号公報 特開2006−346878号公報 しかしながら、これらの特許文献1〜3記載の透明導電性フィルムは、透明導電性フィルムとしての視認性の改善はできるものの、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜が有る部分と無い部分とでの光学特性の差を小さくすることは考慮されておらず、パターニングした箇所が目立ってしまう。
すなわち、本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、透明導電性薄膜層を有する部分と除去された部分の光学特性の差を小さくすることによって、液晶ディスプレイ等に使用した際に視認性が良好で、かつパターニングが目立たない透明導電性積層フィルムを提供することにある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた透明導電性積層とは、以下の構成よりなる。
1. 透明プラスチックフィルムからなる基材上に、平均粒径が0.05〜5μmの粒子を含有する硬化物層を有し、更にその上に、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した構成を有し、高屈折率層の屈折率が1.70〜2.50、膜厚が4〜20nmの範囲にあり、低屈折率層の屈折率が1.30〜1.60、膜厚が20〜50nmの範囲であり、透明導電性薄膜層が非晶質な金属酸化物薄膜からなる静電容量式タッチパネル用の透明導電性積層フィルムであって、透明導電性積層フィルムのJIS K7105(1999年版)によって規定される0.125mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度と2.0mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度の比が下記(1)式を満たすことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
0.125mm幅くしの値/2mm幅くしの値≧0.7 (1)
2. 透明導電性薄膜層が酸化スズの含有率が10〜60質量%である非晶質なインジウム−スズ複合酸化物であることを特徴とする1.に記載の透明導電性積層フィルム。
3. 1.又は2.に記載の透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層をパターニングした透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層側に、屈折率が1.40〜1.70の誘電体層を積層したことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
4. 3.に記載の透明導電性積層フィルムのパターニングによる透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性の差が下記(2)式及び(3)式を満たすことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
0≦|T1−T0|≦1.0 (2)
0≦|b1−b0|≦1.0 (3)
(T1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムの全光線透過率、
b1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムのカラーb値、
T0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムの全光線透過率、
b0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムのカラーb値)
本発明の透明導電性積層フィルムは、透明プラスチックフィルムからなる基材上に、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層の順に積層した構成を有し、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性の差が小さいため、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置しても透明導電性薄膜層のパターニングが目立たないため、視認性の低下を抑制できる。
本発明の透明導電性積層フィルムは、透明プラスチックフィルムからなる基材上に、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した構成を有する。
さらに、上記透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層をパターニングした透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層側に、誘電体層を積層したことを特徴とする透明導電性積層フィルムである。
以下、各層別に詳細に説明する。
(透明プラスチックフィルムからなる基材)
本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材とは、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをしてフィルム状に成形し、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマーなどが挙げられる。
これらの有機高分子のなかで、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリレートなどが好適である。また、これらの有機高分子は他の有機重合体の単量体を少量共重合してもよいし、他の有機高分子をブレンドしてもよい。
本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは70〜260μmである。プラスチックフィルムの厚みが10μm未満では機械的強度が不足し、透明導電性薄膜のパターン形成工程でのハンドリングが難しくなるため好ましくない。一方、厚みが300μmを越えると、タッチパネルの厚みが厚くなりすぎるため、モバイル機器などには適さない。
本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施してもよい。
また、本発明で用いる透明プラスチックフィルムからなる基材には、高屈折率層との密着性向上、耐薬品性の付与、オリゴマーなどの低分子量物の析出防止を目的として、硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層を設けてもよい。
前記の硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に限定されなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とする硬化型樹脂が好ましい。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させることができる。
また、高屈折率層と硬化物層との付着力を向上するために、硬化物層を更に表面処理することが有効である。具体的な方法としては、グロー放電又はコロナ放電を照射する放電処理法を用いて、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基を増加させる方法、酸又はアルカリで処理する化学薬品処理法を用いて、アミノ基、水酸基、カルボニル基などの極性基を増加させる方法、などが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、通常、光重合開始剤を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に限定なく使用することができ、このような光重合開始剤としては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜5質量部とすることが好ましい。
塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することができる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤の合計量が占める割合は、通常は20〜80質量%である。また、この塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤などを添加してもよい。
本発明において、調製された塗布液は透明プラスチックフィルムからなる基材上にコーティングされる。コーティング法には特に限定されなく、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法などの従来から知られている方法を使用することができる。
また、硬化物層の厚みは0.1〜15μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜8μmである。硬化物層の厚みが0.1μm未満の場合には、十分に架橋した構造が形成されにくくなるため、耐薬品性が低下しやすくなり、オリゴマーなどの低分子量による密着性の低下もおこりやすくなる。一方、硬化物層の厚みが15μmを超える場合には、生産性が低下する傾向がある。
また、硬化物層を設けたフィルムや導電性積層フィルムのすべり性を向上するために、硬化物層に粒子を含有させることも好ましい。この場合は、下記条件を満たすように硬化物層中に粒子を含有させることが好ましい。
すなわち、JIS K7105(1999年版)によって規定される0.125mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度と2.0mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度の比が0.125mm幅くしの値/2mm幅くしの値≧0.7の範囲に設計することが好ましい。さらに好ましくは0.8以上である。0.7未満の場合には、高精細な液晶ディスプレイ等の表示体の前面に設置した場合、ギラツキ現象が生じるために視認性が低下する。
硬化物層に含有させる粒子としては特に限定はないが、無機粒子(例えば、シリカ、炭酸カルシウムなど)、耐熱性有機粒子(例えば、シリコン粒子、PTFE粒子、ポリイミド粒子など)、架橋高分子粒子(架橋PS粒子、架橋アクリル系粒子など)が例示される。これらの粒子の平均粒径(電子顕微鏡法による)は、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。平均粒径が0.05μm未満の場合、粒子を分散させることが困難であり、凝集粒子した粗大粒子が多くなり好ましくない。平均粒径が5μmを超えると、高精細な液晶ディスプレイ等の表示体の前面に設置した場合、ギラツキ現象が生じるために視認性が低下する場合がある。
(高屈折率層)
本発明で用いることのできる高屈折率層の屈折率は1.70〜2.50の範囲であり、好ましくは1.90〜2.30、より好ましくは1.90〜2.10である。1.70未満の場合、低屈折率層との屈折率差が小さすぎるため、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となる。一方、屈折率が2.50を越える場合、斜め方向のパターニングを目立たなくすることが困難となり、また、工業的に適した材料も存在しない。高屈折率層の具体的素材としては、TiO、Nb、ZrO、Ta、ZnO、In、SnO 等およびこれらの複合酸化物および硫化亜鉛ZnSが挙げられる。これらのなかでも生産性の観点からZnO、In、SnOおよびこれらの複合酸化物が好ましい。また、これらの酸化物または硫化物に屈折率調整のために任意の酸化物、硫化物を添加しても構わない。
高屈折率層の膜厚は、4〜20nmであり、好ましくは、7〜15nm、より好ましくは8〜13nmである。膜厚が4nm未満の場合、不連続な膜となり、膜の安定性が低下する。一方、膜厚が20nmを超える場合、光の反射が強くなるため、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となり、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置した際に透明導電性薄膜層のパターニングが目立ってしまい、視認性が低下する。ただし、高屈折率層の屈折率と膜厚は任意に変えるよりも、光学膜厚(屈折率×膜厚)が一定になるように制御することが好ましい。
本発明における高屈折率層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができるが、膜厚のバラツキを低減するという観点からスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法では一般的に金属ターゲットから反応性ガスを導入して金属酸化物を作製する反応性スパッタリング法と酸化物ターゲットから金属酸化物をする方法がある。反応性スパッタリング法においては反応性ガスの流量によって成膜速度が急激に変化する遷移領域が存在する。このため膜厚のバラツキを抑制するには酸化物ターゲットを用いることが好ましい。
(低屈折率層)
本発明で用いる低屈折率層の屈折率は1.30〜1.60であり、好ましくは1.4〜1.1.55、より好ましくは1.43〜1.50である。屈折率が1.30未満の場合、ポーラスな膜となるため、その上に形成した透明導電性薄膜層の電気特性を低下させてしまう。一方、屈折率が1.60を越える場合、透明導電性薄膜層との光の干渉が弱くなりすぎるため、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となり、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置した際に透明導電性薄膜層のパターニングが目立ってしまい、視認性が低下する。見え視認性が低下する。
低屈折率層の具体的素材としては、SiO、Alなどの透明金属酸化物及びSiO−Al等の複合金属酸化物、CuF2、CeF2、MnF2、MgF2などの金属フッ化物およびこれらの複合フッ化物が挙げられる。また、これらの酸化物またはフッ化物に屈折率調整のために任意の酸化物、硫化物を添加しても構わない。
低屈折率層の膜厚は、20〜50nmであり、好ましくは25〜45nm、より好ましくは30〜40nmである。50nmを超えると透明導電性薄膜層との光の干渉により、波長依存性が強くなりすぎるため、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となる。一方20nm未満の場合、透明導電性薄膜層との光の干渉が起こりにくく、透過率を向上することができないため、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となり、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置した際に透明導電性薄膜層のパターニングが目立ってしまい、視認性が低下する。ただし、低屈折率層の屈折率と膜厚は任意に変えるよりも、光学膜厚(屈折率×膜厚)が一定になるように制御することが好ましい。
本発明における低屈折率層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができるが、膜厚のバラツキを低減するという観点からスパッタリング法が好ましい。一般的にスパッタリングで形成する場合は反応性DC又はACスパッタリング法が用いられる。成膜速度を向上するためにDC又はAC電源の電圧値を一定に保つように反応性ガス流量を制御するインピーダンス制御又は特定元素のプラズマ中での発光強度を一定に保つように反応性ガス流量を制御するプラズマエミッション法が用いられる。
(透明導電性薄膜層)
本発明における透明導電性薄膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物などが挙げられる。これらのうち、環境安定性や回路加工性の観点から、インジウム−スズ複合酸化物が好適である。
本発明において透明導電性薄膜層を積層して、透明導電性積層フィルムの表面抵抗値を好ましくは50〜2000Ω/□、更に好ましくは100〜1500Ω/□とすることによって、透明導電性積層フィルムとしてタッチパネルなどに使用できる。表面抵抗値が50Ω/□未満であったり、2000Ω/□を超える場合、タッチパネルの位置認識精度が悪くなり、好ましくない。
透明導電性薄膜の膜厚は、4〜30nmの範囲が好ましく、更に好ましくは10〜25nmである。透明導電性薄膜の膜厚が4nm未満の場合、連続した薄膜になりにくく、良好な導電性が得られにくくなる。一方、透明導電性薄膜の膜厚が30nmよりも厚い場合、透明導電性薄膜層をパターニングした際、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性を近づけることが困難となる。
透明導電性薄膜は、結晶質、非晶質いずれであっても良い。透明導電膜の機械的強度が高いものを求める場合には結晶質であることが好ましい。
透明導電性薄膜に柔軟性を求める場合や、微細なパターンニング加工等の良好なエッチングを求める場合には、透明導電性薄膜層は非晶質であることが好ましい。結晶質な透明導電性薄膜層を用いた場合、塩酸などで透明導電性薄膜をパターニングする際に溶けにくいため、加工に時間がかかる、微細なパターニングがきれいにできない等の問題が生じる。
非晶質な透明導電性薄膜層を得るために、ドーパント量を調整することが好ましい。例えば、透明導電性薄膜層としてインジウム−スズ複合酸化物を用いる場合、酸化スズの含有率は10〜60質量%が好ましく、更に好ましくは20〜50質量%である。酸化スズ含有率が10質量%未満の場合、成膜中に結晶化を抑制することが困難となる。一方、酸化スズの含有率が60質量%を超える場合、ターゲットの密度を向上させることが困難となり、生産中に放電異常が発生しやすくなり生産性の観点から好ましくない。
また生産性の観点から透明導電性薄膜は高屈折率層と同じ組成であることが好ましい。組成が異なる場合、高屈折率用、透明導電性薄膜用のそれぞれのターゲットおよびカソードが必要となり、設備的にも大掛かりな装置となってしまう。
透明導電性薄膜の層構造は、単層構造でもよいし、2層以上の積層構造でもよい。2層以上の積層構造を有する透明導電性薄膜の場合、各層を構成する前記の金属酸化物は同一でもよいし、異なっていてもよい。
本発明における透明導電性薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができる。
例えば、スパッタリング法の場合、酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用したりしてもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
(屈折率が1.40〜1.70の誘電体層(保護層))
本発明において屈折率が1.40〜1.70の誘電体層とは、表示体の部材として透明導電性積層フィルムを使用する際に透明導電性薄膜を保護するために積層する保護層としての目的と、指などでタッチした際の静電容量変化を大きくし、位置入力精度を向上させる目的を併せ持つ層である。
屈折率が1.40〜1.70の誘電体層としては、例えば、SiO、Alなどの透明金属酸化物及びSiO−Al等の複合金属酸化物、アクリル、シリコーン、ポリエステル系の樹脂からなる有機物等が用いられる。本発明の導電性積層フィルムは、このような誘電体層が設置された状態であってもパターニングが目立ちにくく、視認性に優れる。
(透明導電性積層フィルムの光学特性)
本願発明においては、透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層をパターニングしてから、屈折率が1.40〜1.70の誘電体層を透明導電性薄膜層側に積層した状態において、透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性の差が少ないことが重要であり、下記(2)及び(3)式を満たすことが好ましい。
0≦|T1−T0|≦1.0 (2)
0≦|b1−b0|≦1.0 (3)
(T1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムの全光線透過率、
b1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムのカラーb値、
T0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムの全光線透過率、
b0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムのカラーb値)
T1は90%以上であることが好ましく、さらには90.5%以上であることが好ましい、b1は−2〜2が好ましく、より好ましくは−1.0〜1.5であり、さらに好ましくは0〜1.5である。
T1、b0、T0、b0は、各層間での反射光の干渉を考慮し、各層の光学厚みを高屈折率層の屈折率は1.70〜2.50、高屈折率層の膜厚は4〜20nm、低屈折率層の屈折率は1.30〜1.60、低屈折率層の膜厚は20〜50nmの範囲内で調整することにより、達成することができる。
また、b値は上記調整の中で、分光透過率のピークを450〜530nmの範囲にすることで調整することができる。さらに好ましい分光透過率のピークは470〜510nmである。
また、透明導電性積層フィルムのJIS K7105(1999年版)によって規定される0.125mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度と2.0mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度の比が0.7以上であることが好ましい。0.7未満の場合には、高精細な液晶ディスプレイ等の表示体の前面に設置した場合、ギラツキ現象が生じるために視認性が低下してしまう。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、透明導電性積層フィルムの性能は、下記の方法により測定した。
(1)全光線透過率
JIS−K7136に準拠し、日本電色工業(株)製、NDH−1001DPを用いて、全光線透過率を測定した。
なお、(2)式及び(3)式におけるT1、T0は、パターニングした透明導電性積層フィルムに屈折率が1.40〜1.70の誘電体層を透明導電性薄膜層側に積層した状態において測定した透明導電性薄膜層を有する部分及び透明導電性薄膜層が無い部分の値である。
(2)表面抵抗値
JIS−K7194に準拠し、4端子法にて表面抵抗値を測定した。測定器は、三菱油化(株)製、Lotest AMCP−T400を用いた。
(3)カラーb値
JIS−K7105に準拠し、色差計(日本電色工業製、ZE−2000)を用いて、標準の光C/2でカラーb値を測定した。
なお、(2)式及び(3)式におけるb1、b0は、パターニングした透明導電性積層フィルムに屈折率が1.40〜1.70の誘電体層を透明導電性薄膜層側に積層した状態において測定した透明導電性薄膜層を有する部分及び透明導電性薄膜層が無い部分の値である。
(4)視認性評価
透明導電性積層フィルムにエッチングレジストを印刷した後、1N塩酸中に浸漬、アルカリ浸漬により、1×3cmのパターンを形成した。透明導電性薄膜側に屈折率1.52のアクリル系粘着層を有する二軸配向ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)フィルムを保護フィルムとして貼り合わせた。富士通社製FMV−BIBLOLOOX T70M/Tを用いて画面を白色表示にし、保護フィルムを貼り合わせたフィルムをその前に置いて、様々な角度からパターニングの見え方を評価した。
○: パターニングがほとんどみえない。
△: パターニングが少しみえる。
×: パターニングがみえる。
(5)ギラツキ評価
富士通社製FMV−BIBLOLOOX T70M/Tを用いて画面を緑色表示にしてフィルムをその前においてギラツキを評価した。
○: ギラツキが全く気にならない。
△: ギラツキがほとんど気にならない。
×: ギラツキが気になる。
(6)像鮮明度
JIS−K7105(1999年版)に準拠し、スガ試験機社製ICM−1Tを用いて、光学くしが0.125mm、2.0mmでの像鮮明度を測定した。
(7)高屈折率層、低屈折率層、透明導電性薄膜層の膜厚
高屈折率層、低屈折率層、透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。
(8)高屈折率層、低屈折率層、透明導電性薄膜層の屈折率
シリコンウェハー上に各層をそれぞれ同成膜条件にて作製した試料について分光エリプソメーター(大塚電子株式会社製、FE−5000)を用いて550nmの屈折率を評価した。また、各層を設けたフィルムの分光透過率測定データに対して光学シミュレーションソフトを用いてフィッティングを行い、屈折率を算出した。この際、各層の膜厚は前記膜厚評価方法により評価した値を用いた。さらにこのように算出した各層の屈折率がシリコンウェハー上の各層の屈折率と大差ないことを確認した。
(9)透明導電性薄膜のエッチング時間
1cm×10cmの切り出した透明導電性積層フィルムを40℃ 1Nの塩酸水溶液に浸漬し、端子間抵抗値が1MΩ以上となる時間を測定した。
参考例1
光重合開始剤含有紫外線硬化型アクリル系樹脂(大日精化工業社製、セイカビームEXF−01J)100質量部に、溶剤としてトルエン/MEK(80/20:質量比)の混合溶媒を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌して均一に溶解し塗布液を調製した。
両面に易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(東洋紡績社製、A4340、厚み188μm)に、塗膜の厚みが5μmになるように、調製した塗布液を、マイヤーバーを用いて塗布した。80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm)し、塗膜を硬化させた。次いで、反対面についても同様に塗膜を設けた後、180℃で1分間の加熱処理を施して、揮発成分の低減を行った。
また、この硬化物層を積層した二軸配向透明PETフィルムを真空暴露してフィルムの含有水分量を下げるために、真空チェンバー中で巻き返し処理を行った。このときの圧力は0.002Paであり、暴露時間は20分とした。また、センターロールの温度は40℃とした。
次に、この硬化物層上に高屈折率層としてインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.9g/cm)に用いて、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを130sccm、Oガスを表面抵抗値が最小となるO流量の3倍の流速で流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、日本イーエヌアイ製RPG−100を用いて5μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、センターロール温度は0℃として、スパッタリングを行った。
また、雰囲気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(LEYBOLD INFICON社製、XPR2)にて常時観測しながら、インジウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計及びDC電源にフィートバックした。以上のようにして、屈折率1.96、厚さ10nmのインジウム−スズ複合酸化物からなる高屈折率層を堆積させた。このようにして得られた高屈折率層の表面抵抗値は1×10Ω/□以上であった。
さらに前記高屈折層上に低屈折率層としてSiO薄膜を形成するため、シリコンをターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流した。また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、透明プラスチックフィルムを冷却した。このときのターゲットには7.8W/cmの電力を供給し、ダイナミックレートは23nm・m/分であった。
また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ35nm、屈折率1.46の低屈折率層を堆積させた。
次に、この低屈折率層上にインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.9g/cm)に用いて、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを130sccm、O ガスを表面抵抗値が最小となる流速で流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、日本イーエヌアイ製RPG−100を用いて5μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、センターロール温度は10℃として、スパッタリングを行った。
また、雰囲気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(LEYBOLD INFICON社製、XPR2)にて常時観測しながら、インジウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計及びDC電源にフィートバックした。以上のようにして、厚さ15nm、屈折率1.96のインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を堆積させた。
参考例2
透明導電性薄膜層の膜厚を25nmとする以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔実施例
硬化物層に平均粒子径1.0μmのシリカ粒子を添加する以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
参考例3
硬化物層に平均粒子径10.0μmのシリカ粒子を添加する以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
参考例4
参考例1において硬化物層上に高屈折率層としてジルコニア−シリコン複合酸化物(ZrO−SiO)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてZrSi2(三井金属製)に用いて、2W/cmのDC電力を印加し直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ12nm、屈折率1.75の高屈折率層を堆積させた。
参考例5
参考例1において硬化物層上に高屈折率層としてチタン酸化物(TiO)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてTi(三井金属製)に用いて、2W/cmのDC電力を印加し直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ8nm、屈折率2.29の高屈折率層を堆積させた。
参考例6
参考例1において硬化物層上に高屈折率層として硫化亜鉛(ZnS)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとして硫化亜鉛(三井金属製)に用いて、2W/cmの13.56MHzの高周波電力を印加しマグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ7.5nm、屈折率2.43の高屈折率層を堆積させた。
参考例7
参考例1において硬化物層上に低屈折率層としてフッ化マグネシウム(MgF)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてフッ化マグネシウム(三井金属製)に用いて、2W/cmの13.56MHzの高周波電力を印加しマグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ40nm、屈折率1.36の低屈折率層を堆積させた。
参考例8
参考例1において硬化物層上に低屈折率層としてアルミニウムーシリコン複合酸化物(Al−SiO)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてAl−Si(50:50wt%)(三井金属製)に用いて、2W/cmのDC電力を印加しマグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ35m、屈折率1.55の低屈折率層を堆積させた。
参考例9
参考例1において透明導電性薄膜の厚さを10nmとした以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
参考例10
参考例1において透明導電性薄膜をターゲットとして酸化スズを10質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度7.1g/cm)を用いて成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
参考例11
参考例1において透明導電性薄膜をターゲットとして酸化スズを55質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.7g/cm)を用いて成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔比較例1〕
高屈折率層、低屈折率層を設けずに、透明導電性薄膜層の膜厚を22nmとした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔比較例2〕
高屈折率層を設けない以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔比較例3〕
低屈折率層の膜厚を10nmにした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔比較例4〕
低屈折率層の膜厚を100nmにした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
〔比較例5〕
参考例1において硬化物層上に高屈折率層としてアルミニウムーシリコン複合酸化物(Al−SiO)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてAl−Si(50:50wt%)(三井金属製)に用いて、2W/cmのDC電力を印加しマグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ22m、屈折率1.55の高屈折率層を堆積させた。
〔比較例6〕
参考例1において硬化物層上に低屈折率層としてジルコニア−シリコン複合酸化物(ZrO−SiO)からなる薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
このとき、スパッタリング前の圧力を0.0001Paとし、ターゲットとしてZrSi2(三井金属製)に用いて、2W/cmのDC電力を印加し直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流し成膜を行った。また、成膜中の電圧値を常時観測しながら、電圧値が一定となるように酸素ガスの流量計にフィートバックした。以上のようにして、厚さ29nm、屈折率1.75の低屈折率層を堆積させた。
参考例12
参考例1においてターゲットとして酸化スズを5質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度7.1g/cm)を用いて結晶質の透明導電性薄膜を成膜した以外は、参考例1と同様にして透明導電性積層フィルムを作製した。
表1の結果より、本願発明の範囲を満足する実施例1、参考例1〜12記載の透明導電性積層フィルムは、透明導電性薄膜層をパターニングしても、パターニングされた部分が目立たないため、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置して用いた際に、視認性に優れるものであった。
一方、高屈折率層、低屈折率層が適切に配置されていない、又は膜厚が適切でない比較例1〜6に記載の透明導電性積層フィルムは、パターニングされた部分が目立つために視認性が劣った。参考例12は視認性に優れるものであったが透明導電性薄膜が結晶質であるためエッチング時間が長く、パターニング加工に難があった。
本発明の透明導電性積層フィルムは、透明導電性薄膜層のパターニング部と非パターニング部の光学特性の差が小さく、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置した際、視認性に優れるため、静電容量式のタッチパネル用の電極フィルムとして特に好適である。
本発明の透明導電性積層フィルムの説明図である。
10:透明導電性積層フィルム
11:透明プラスチックフィルム(基材)
12:硬化物層
13:高屈折率層
14:低屈折率層
15:透明導電性薄膜層
20:誘電体層

Claims (4)

  1. 透明プラスチックフィルムからなる基材上に、平均粒径が0.05〜5μmの粒子を含有する硬化物層を有し、更にその上に、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した構成を有し、高屈折率層の屈折率が1.70〜2.50、膜厚が4〜20nmの範囲にあり、低屈折率層の屈折率が1.30〜1.60、膜厚が20〜50nmの範囲であり、透明導電性薄膜層が非晶質な金属酸化物薄膜からなる静電容量式タッチパネル用の透明導電性積層フィルムであって、透明導電性積層フィルムのJIS K7105(1999年版)によって規定される0.125mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度と2.0mmの光学くしを使った場合の透過法の像鮮明度の比が下記(1)式を満たすことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
    0.125mm幅くしの値/2mm幅くしの値≧0.7 (1)
  2. 透明導電性薄膜層が酸化スズの含有率が10〜60質量%である非晶質なインジウム−スズ複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層をパターニングした透明導電性積層フィルムの透明導電性薄膜層側に、屈折率が1.40〜1.70の誘電体層を積層したことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
  4. 請求項3に記載の透明導電性積層フィルムのパターニングによる透明導電性薄膜層を有する部分と有しない部分の光学特性の差が下記(2)式及び(3)式を満たすことを特徴とする透明導電性積層フィルム。
    0≦|T1−T0|≦1.0 (2)
    0≦|b1−b0|≦1.0 (3)
    (T1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムの全光線透過率、
    b1:透明導電性薄膜層を有する部分のフィルムのカラーb値、
    T0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムの全光線透過率、
    b0:透明導電性薄膜層を有しない部分のフィルムのカラーb値)
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