JPH11224539A - 透明導電性フィルム及びこれを用いたタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム及びこれを用いたタッチパネルInfo
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Abstract
明導電性薄膜を形成した透明導電性フィルムにおいて、
透明導電性薄膜の対剥離耐久性、特にタッチパネルに用
いた際のペン入力耐久性を改良し、また、製造を効率的
に行うことができる透明導電性フィルム及びこれを用い
たタッチパネルを提供すること。 【解決手段】 透明プラスチックフィルムFの一方の面
に硬化性高分子硬化層Aを介して非晶質の透明導電性薄
膜Bが形成され、かつ、硬化性高分子硬化層Aと非晶質
の透明導電性薄膜Bとの付着力が15g/15mm以上
であることを特徴とする。
Description
フィルムを用いた透明導電性フィルム及びこれを用いた
タッチパネルに関するものであり、透明導電性薄膜の対
剥離耐久性、特に、タッチパネルに用いた際のペン入力
時の透明導電性薄膜の耐久性に優れた透明導電性フィル
ム及びこれを用いたタッチパネル、に関するものであ
る。
明かつ低抵抗の化合物からなる薄膜を形成した透明導電
性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液
晶ディスプレイ、ELディスプレイといったフラットパ
ネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など電
気、電子分野の用途に広く使用される。
化スズ、酸化インジウム、酸化インジウム−スズ、酸化
亜鉛などが代表的なものである。
よる文字入力の機能を有するタッチパネルを用いるよう
になっており、このペン入力用タッチパネルに用いる透
明導電性フィルムは、ペン入力により導電性が劣化しな
いなどの耐久特性が求められている。
いた場合、スペーサーを介して対向させた一対の導電性
薄膜同士が、ペン入力による押圧で強く接触するため、
導電性薄膜にクラックや剥離が生じてしまい、電気抵抗
が増大したり、断線を生じたりするという問題点があっ
た。
スチック上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で他の
透明基板と貼りあわせた透明導電性フィルム(特開平2
−66809号公報)が提案されている。また、透明プ
ラスチックフィルム上に有機ケイ素化合物の加水分解に
より生成された層を設け、さらに透明導電性薄膜を形成
した透明導電性フィルム(特開昭60−131711号
公報)が提案されている。しかしながら、この透明導電
性フィルムは透明導電性薄膜を製膜したのちに150℃
程度の熱処理が必要であるため、結晶質の透明導電性薄
膜となる。このため、タッチパネル作製時の透明導電性
薄膜のエッチング特性が極めて悪く、タッチパネルの製
造コストが高いものになる。
フィルム及びタッチパネルは、前者の、透明プラスチッ
ク上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で他の透明基
板と貼りあわせた透明導電性フィルムは、ペン入力に対
する耐久性が十分でなく、また、粘着剤を用いて貼りあ
わせるため、貼りあわせ時にゴミなどの異物が混入し、
光学欠点の多い透明導電性フィルムとなってしまうとい
う問題点があった。また、後者の、透明プラスチックフ
ィルム上に有機ケイ素化合物の加水分解により生成され
た層を設け、さらに透明導電性薄膜を形成した透明導電
性フィルムは、透明導電性薄膜を製膜したのちに150
℃程度の熱処理が必要であるため、結晶質の透明導電性
薄膜となる。このため、タッチパネル作製時の透明導電
性薄膜のエッチング特性が極めて悪く、タッチパネルの
製造が著しく非効率になるという問題点があった。
及びタッチパネルの有する問題点を解決したものであっ
て、透明なプラスチックフィルム上に非晶質の透明導電
性薄膜を形成した透明導電性フィルムにおいて、透明導
電性薄膜の対剥離耐久性、特にタッチパネルに用いた際
のペン入力耐久性を改良し、また、製造を効率的に行う
ことができる透明導電性フィルム及びこれを用いたタッ
チパネルを提供することを目的とする。
め、本発明の透明導電性フィルムは、透明プラスチック
フィルムFの一方の面に硬化性高分子硬化層Aを介して
非晶質の透明導電性薄膜Bが形成され、かつ、硬化性高
分子硬化層Aと非晶質の透明導電性薄膜Bとの付着力が
15g/15mm以上であることを特徴とする。
は、透明導電性薄膜の対剥離耐久性、特にタッチパネル
に用いた際のペン入力耐久性が優れ、また、製造を効率
的に行うことができる。
性フィルムEの非晶質の透明導電性薄膜Bを形成してい
ない側の表面に、ハードコート層HCを形成することが
できる。
に用いた場合の、ペンなどによる傷つき防止性に優れて
いる。
フィルムEの非晶質の透明導電性薄膜Bを形成していな
い側の面に、防眩層AGを形成することができる。
を散乱させて、視認性を向上させる特性を有する。
フィルムEの非晶質の透明導電性薄膜Bを形成していな
い側の面に、反射防止層ARを形成することができる。
からの光の反射防止などに優れた特性を有する。
チックフィルムFがポリエステルフィルムであることが
できる。
撃性に優れている。
電性薄膜を表面に有する一対のパネルを、透明導電性薄
膜同士が所定の間隔をあけて対向するようにスペーサー
を介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくと
も一方のパネルが前記透明導電性フィルムEであること
を特徴とする。
は、透明導電性薄膜の対剥離耐久性、特にタッチパネル
に用いた際のペン入力耐久性が優れている。
ム及びタッチパネルの実施の形態を説明する。
ィルムFとは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押出し
して製膜したものであって、その後必要に応じ、長手方
向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィ
ルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66,ナイロ
ン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテル
サルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボ
ネート、ポリアクリレート、ポリアクリル、セルロース
プロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リスチレン、シンジオタクチクポリスチレン、ノルボル
ネン系ポリマーなどがあげられる。また、これらの有機
高分子は他の有機高分子成分を少量共重合したり、ブレ
ンドしたりしてもよい。これらのうち、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、
ポリプロピレンテレフタレートなどのポリエステルフィ
ルムが、最も好ましく用いられる。
Fの厚みは、10〜300μmの範囲にあることが好ま
しく、特に好適には70〜250μmの範囲にあるのが
よい。10μm未満では機械的強度が不足し、特にタッ
チパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大きくな
り過ぎ、耐久性が必ずしも十分でなくなる。一方、30
0μmを越えると、タッチパネルに用いた際のペン入力
時の荷重を大きくする必要があり、好ましくない。
ましい硬化性高分子硬化層Aは、透明プラスチックフィ
ルム及び非晶質の透明導電性薄膜Bの双方に卓越した接
着性の性質を提供する硬化性高分子からなる。適切な硬
化性高分子は、アクリル酸のエステル、特にアルキルエ
ステルに由来する少なくとも一つのモノマーを含んでお
り、ここで、前記アルキル基は、10個までの炭素原子
を有する基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i
so−プロピル、ter−ブチル、ヘキシル、2−エチ
ルヘキシル、ヘプチル及びn−アクリルである。アルキ
ルアクリレート、例えば、エチルアクリレート及びブチ
ルアクリレート並びにアルキルメタクリレートに由来す
る高分子が好ましい。アクリレートモノマーは、好まし
くは、30〜65モル%の割合で存在し、メタクリレー
トモノマーは、好ましくは、20〜60モル%の割合で
存在する。
ある他のモノマー(アクリル酸及び/又はメタクリル酸
のエステル及びその誘導体と共に、任意のモノマーとし
て共重合され得る)としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、ハロ置換のアクリロニトリル、ハロ置
換のメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エタノー
ルアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、
N−メタクリルアミド、N−エタノールメタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−tert−ブチル
アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、イタコン酸、無水
イタコン酸及びイタコン酸の半エステル等が例示され
る。
ノマーとしては、ビニルエステル、例えば、酢酸ビニ
ル、ビニルピリジン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、マ
レイン酸、無水マレイン酸、スチレン及びスチレン誘導
体、例えば、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン及び
アルキル化スチレン(ここでアルキル基は1〜10個の
炭素原子を含む)等が例示される。
類のモノマー:(1)エチルアクリレート35〜60モ
ル%、(2)メチルメタクリレート30〜55モル%、
(3)メタクリレートアミド2〜20モル%に由来する
高分子を例示することができる。
範囲にわたるが、好ましくは40000〜30000
0、さらに好ましくは50000〜200000程度の
範囲である。
造を形成するように硬化剤を含むのが通常であり、これ
によって、非晶質の透明導電性薄膜との接着性が改良さ
れ、硬化性高分子硬化層Aと非晶質の透明導電性薄膜B
との付着力が15g/15mm以上となるようにする。
硬化可能な硬化性高分子組成物の硬化は、従来の延伸及
び/又は熱硬化温度で達成することができる。本発明で
用いる透明導電性薄膜Bの製造に適する硬化剤は、エポ
キシ樹脂、アルキド樹脂、アミン誘導体、たとえばヘキ
サメトキシメチルメラミン及び/又はアミン、メラミ
ン、ジアミン、尿素、環状エチレン尿素、環状プロピレ
ン尿素、チオ尿素、環状エチレンチオ尿素、アルキルメ
ラミン、アリールメラミン、ベンゾグアナミン、グアナ
ミン、アルキルバナミン及びアリールグアナミンとアル
デヒド、たとえばホルムアルデヒトとの縮合生成物等が
例示される。好ましい硬化剤はメラミンとホルムアルデ
ヒドの縮合生成物である。
キシル化される。硬化剤は、任意の硬化性高分子からな
る被覆用組成物の重量に基づいて、2〜25重量%まで
の量で使用される。硬化剤が2%よりも少ない場合は、
透明プラスチックフィルムと非晶質の透明導電性薄膜と
の接着性が十分ではない。触媒はまた、硬化剤の硬化作
用を促進するために使用される。メラミンホルムアルデ
ヒドを硬化するための好ましい触媒は、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、アンモニウムチオシアネート、
リン酸水素二アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸
二水素アンモニウム、パラトルエンスルホン酸、塩基と
の反応により安定化されたマレイン酸及びモルホリニウ
ムパラトルエンスルホネート等が例示される。
性高分子硬化層Aの厚さは、特に限定するものではない
が0.005〜2μmの範囲が好ましく、さらに好まし
くは0.01〜1μmの範囲である。
プラスチックフィルム上に形成するには、透明プラスチ
ックフィルムを溶融押出し又は溶液押出しして製膜した
後、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷
却、熱固定を施したフィルムにコーティング法を用いて
形成する。コーティング法としては、エアドクタコート
法、ナイフコート法、ロッドコート法、正回転ロールコ
ート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、
キスコート法、ビードコート法、スリットオリフェスコ
ート法、キャストコート法などが用いられる。架橋構造
を付与する場合には、コーティング後に加熱もしくは紫
外線、電子線照射等によりエネルギー印加する。
熱固定を行って製造する透明プラスチックフィルム上に
熱硬化性高分子硬化層を形成するには、二つの延伸段階
の間、すなわち二軸延伸操作の長手方向への延伸と幅方
向への延伸との間でコーティングする方法を適用しても
よい。このような延伸及びコーティングの順序は、特
に、硬化性高分子層をポリエステルフィルム上に形成す
る場合に好ましい方法である。好ましくは、まず長手方
向に、一連の回転ローラー上で延伸され、次に硬化性高
分子をコーティングし、その後、テンターオーブン中で
横方向に延伸され冷却、熱固定をおこなう。さらに好ま
しくは、このあとにフィルムに加熱もしくは紫外線、電
子線照射によりエネルギー印加し、硬化性高分子を硬化
させる。
層は有機物同士の形成であり、なおかつ硬化剤による反
応であるからプラスチックフィルムとは非常に強固に密
着しており、後述する硬化性高分子硬化層/非晶質の透
明導電性薄膜の界面の付着力よりも圧倒的に強い。
チックフィルムの片面又は両面に形成することができ
る。また、硬化性高分子をコーティングするに先立ち、
本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、透明プラス
チックフィルムにコロナ放電処理、グロー放電処理など
の表面処理を施してもよい。
としては、透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば
特に制限はないが、代表的なものとしては、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化
物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム
複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜があ
る。これらの化合物薄膜は、適当な形成条件とすること
で、透明性と導電性をあわせもつ非晶質の透明導電性薄
膜Bとなることが知られている。
40〜8000Åの範囲が好ましく、さらに好ましくは
50〜5000Åである。非晶質の透明導電性薄膜の膜
厚が40Åよりも薄い場合、連続した薄膜になりにくく
良好な導電性を示さない。8000Åよりも厚い場合、
透明性の低下をきたす。
の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、
CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが
知られており、上記材料の種類及び必要膜厚に応じて適
宜の方法を用いることができる。
用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲ
ットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。
この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導
入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用
してもよい。また、本発明の目的を損なわないかぎりに
おいて、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印
加してもよい。
は、基板であるプラスチックフィルムの製膜時の温度を
100℃以下にする必要が有る。蒸着法、CVD法など
の他の作成方法においても同様である。
薄膜との接着性をさらに向上させるために、非晶質の透
明導電性薄膜を製膜する前に硬化性高分子硬化層上を表
面処理することが有効である。具体的な手法としては、
サンドブラストやエンボス加工により表面積を増加させ
る物理的表面粗面化処理法や、カルボニル基やカルボキ
シル基、水酸基を硬化性高分子硬化層上に増加するため
にグロー又はコロナ放電を照射する放電処理法、アミノ
基、水酸基、カルボニル基などの極性基を増加させるた
めに酸又はアルカリで硬化性高分子硬化層上を処理する
化学薬品処理法などが挙げられる。これらのうち、硬化
性高分子硬化層と非晶質の透明導電性薄膜との接着性へ
の寄与、経時安定性、処理コストの点から、酸性又はア
ルカリ性水溶液による硬化性高分子硬化層の表面処理法
が適している。硬化性高分子硬化層の表面処理のための
酸性水溶液としては、重クロム酸ナトリウムと硫酸の混
合水溶液であるクロム酸混液や塩酸水溶液などが用いら
れ、アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液などが用いられる。
硬化層を形成した透明プラスチックフィルムを浸漬した
後に純水中に浸漬し、酸又はアルカリ性成分を十分に除
去する。さらにこの後、窒素ガスを透明プラスチックフ
ィルム面上に吹き付け、表面に残存している水分を乾燥
させる。
明導電性薄膜Bを形成していない側の表面に、タッチパ
ネルを用いた際のペンなどからの傷つき防止のために、
ハードコート層HCを設けることも好ましい。このハー
ドコート層HCとしては、ポリエステル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ
系樹脂、シリコン基樹脂、ポリイミド系樹脂などの硬化
性樹脂を単体もしくは混合した硬化性樹脂硬化物からな
る層が好ましい。
0μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜30μ
mの範囲である。1μmより薄い場合は、ハードコート
処理の機能が十分発現することが困難になり、50μm
をこえる厚さでは、樹脂コーティングの速度が著しく遅
くなり、生産面の面で好効果を得にくい。
は、透明導電性フィルムEの非晶質の透明導電性薄膜B
を形成していない側の面に、上記の樹脂をグラビア方
式、リバース方式、ダイ方式などでコーティングした
後、熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加すること
で硬化させる。
に、透明導電性フィルムEの非晶質の透明導電性薄膜B
を形成していない側の面に、防眩層AGを設けてもよ
い。防眩層AGは、硬化性樹脂をコーティングし、乾燥
後にエンボスロールで表面に凹凸を形成し、この後熱、
紫外線、電子線等のエネルギーを印加することで硬化さ
せる。硬化性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単
体もしくは混合したものが好ましい。
明導電性薄膜Bを形成していない側の面に、タッチパネ
ルとして用いた際に可視光線の透過率をさらに向上させ
るために、反射防止層ARを設けてもよい。この反射防
止層には、透明プラスチックフィルムの屈折率とは異な
る屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上を形成す
るのが好ましい。単層構造の場合、透明プラスチックフ
ィルムりも小さな屈折率を有する材料を用いるのがよ
い。また、2層以上の多層構造とする場合は、透明プラ
スチックフィルムと隣接する層は、このプラスチックフ
ィルムFよりも大きな屈折率を有する材料を用い、この
上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶ
のがよい。このような反射防止層ARを構成する材料と
しては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係
を満足すれば特に限定されないが、例えば、CaF2、
MgF2、NaAlF4、SiO2、ThF4、ZrO2、
Nd2O3、SnO2、TiO2、CeO2、ZnS、In2
O3などの誘導体を用いるのが好ましい。
ッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法など
のドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リ
バース方式、ダイ方式などのウエットコーティングプロ
セスでもよい。
AG、反射防止層ARの形成に先立って、前処理とし
て、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、スパッタエッ
チング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライ
マ処理、易接着処理などの公知の処理を施してもよい。
いた、タッチパネルの例を示す。透明導電性薄膜を有す
る一対のパネルを、透明導電性薄膜が対向するようにス
ペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、
一方のパネルに本発明の透明導電性フィルムEを用いた
ものである。このタッチパネルは、透明導電性フィルム
E側からペンにより文字入力したときに、ペンからの押
圧により、対向する透明導電性薄膜同士が接触し、電気
的にONとなり、ペンのタッチパネル上での位置を検出
できる。このペン位置を連続的かつ正確に検出すること
で、ペンの軌跡から文字を入力できる。この際、ペン接
触側のパネルが本発明の透明導電性フィルムEであるた
め、ペン入力耐久性に優れるため、長期にわたって安定
なタッチパネルを得ることができる。なお、図5におい
て、もう一方のパネルは、プラスチックフィルムやガラ
ス板の透明基板の上に透明導電性薄膜を形成したもので
あるが、本発明の透明導電性フィルムEを使用してもよ
い。
的に本発明を説明する。なお、本明細書中で用いた特性
値の測定は下記によった。
定機としては、三菱油化(株)製:LotestAMC
P−T400を用いた。
し、非晶質の透明導電性薄膜の単独膜を得るために、透
明導電性フィルムを1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロイソプロパノール中に2日間浸漬する。溶液中の
非晶質の透明導電性薄膜をマイクログリッドに乗せ、溶
液を乾燥させるために1日間風乾した。この試料の電子
線回折像を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製:JE
M−2010)にて測定した。電子線の条件は、加速電
圧200kv、波長0.0025nmで行った。この回
折像から透明導電性薄膜が結晶質であるか、非晶質であ
るかを測定した。
ルムの両端にテスターを接続し、抵抗を測定しながら、
40℃20%硫酸水溶液中に浸漬し、抵抗が10MΩ以
上となるに要する時間をエッチング時間とした。
40μm厚のアイオノマーフィルム(タマポリ(株)
製、品番HM−07)をポリエステル系接着剤(武田薬
品(株)製、品番A310、100部と武田薬品(株)
製、品番A3、10部との混合物)を用いてラミネート
し、付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定用
積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの非晶質
の透明導電性薄膜面とを対向させ、ヒートシール(13
0℃×1秒、圧力2.5Kgf/cm2)を行った。こ
の積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィルムと
の間を180度剥離法で剥離し、この剥離力を付着力と
した。この時の剥離速度は1000mm/分とした。
にて測定した。測定機としては、日本電色工業(株)
製:NDH−1001DPを用いた。
セタール樹脂からなるペン先半径0.8mmのタッチペ
ンを用いて、プロッタ(ローランド(株)製:DXY−
1150)により、2cm角サイズのカタカナのア〜ン
までの文字を100000字の筆記を行い、電圧線形性
のずれの割合を測定した。このとき、ペン荷重250
g、文字筆記速度2000字/時間とした。このペン入
力試験前後に、タッチペンの位置検出精度をタッチパネ
ルの電圧線形性のズレで測定した。パネルの上下に配置
した電極部に5Vの定電圧を印加し、上部電極から下部
電極にかけて、印加電圧が線形変化から最も変化した割
合を測定した。
を、水冷却した回転急冷ドラム上にフィルム形成ダイを
通して溶融押出しし、未延伸フィルムを作製した。この
未延伸フィルムを長手方向に3.2倍延伸した後、アク
リル酸エチル40モル%、メタクリル酸メチル49モル
%、メタクリル酸グリシジル8モル%、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル3モル%からなる単量体混合物に対し水
溶性メラミン(住友化学工業(株)製、品番スミマルM
−3)2重量%を加え、固形分が5重量%になるように
希釈した塗工液をフィルムの片面にロールコーターで塗
工した。塗布面を乾燥しつつ幅方向に3.5倍延伸し、
230℃で熱固定して188μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを得た。こうして得られた硬
化性高分子硬化層は、幅方向延伸時の加熱及び熱固定時
の加熱により完全硬化した。硬化性高分子硬化層の厚さ
は0.05μmであった。
リエチレンテレフタレートフィルムを40℃の0.5モ
ル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬
し、さらに表面に残存している水酸化ナトリウムを洗浄
するために純水中に2分間浸漬した。純水中から引き上
げた硬化性高分子硬化層を形成したフィルムに窒素ガス
を吹き付け、水分を乾燥させた。この硬化性高分子硬化
層上に、インジウム−スズ複合酸化物をターゲットに用
いて、高周波マグネトロンスパッタリング法で、300
Å厚、酸化スズ含有率20重量%のインジウム−スズ複
合酸化物薄膜を非晶質の透明導電性薄膜として製膜し
た。この時、真空度は1×10-3Torrとし、ガスと
してAr60sccm、O22sccmを流した。また
透明導電性薄膜を製膜中、硬化性高分子硬化層を形成し
たポリエチレンテレフタレートフィルムの温度は20℃
とした。得られた透明導電性フィルムを図1に示す。
して用い、他方のパネルとして、ガラス基板上に上記と
同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したも
のを用いた。この2枚のパネルを透明導電性薄膜が対向
するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配
置し、タッチパネルを作製した。得られたタッチパネル
を図5に示す。
トを水冷却した回転急冷ドラム上にフィルム形成ダイを
通して押出し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸
フィルムを長手方向に3.3倍延伸した後、アクリル酸
エチル36モル%、メタクリル酸メチル29モル%、メ
タクリル酸グルシジル8モル%、メタクリル酸ヒドロキ
シエチル2モル%、アクリロニトリル25モル%からな
る単量体混合物に対しメラミン(住友化学工業(株)
製、スミマルM−40ST)2重量%を加え、固形分が
3重量%になるように希釈した塗工液を上記フィルムの
片面にロールコーターで塗工した。塗布層を乾燥しつつ
幅方向に3.5倍延伸し、230℃で熱固定して188
μmの二軸延伸ポリプロピレンテレフタレートフィルム
を得た。こうして得られた硬化性高分子硬化層は、幅方
向延伸時の加熱及び熱固定時の加熱により完全硬化し
た。硬化性高分子硬化層の厚さは0.05μmであっ
た。
リプロピレンテレフタレートフィルムを、40℃に保っ
た重クロム酸ナトリウム1部、硫酸10部、水30部か
らなるクロム酸混液中に2分間浸漬し、さらに表面の残
存物を洗浄するために純水中に2分間浸漬した。純水中
から引き上げた硬化性高分子硬化層を形成したフィルム
に窒素ガスを吹き付け、水分を乾燥させた。この硬化性
高分子硬化層上に、インジウム−スズ複合酸化物をター
ゲットに用いて、高周波マグネトロンスパッタリング法
で、300Å厚、酸化スズ含有率35重量%のインジウ
ム−スズ複合酸化物薄膜を非晶質の透明導電性薄膜Bと
して製膜した。この時、真空度は1×10-3Torrと
し、ガスとしてAr60sccm、O23sccm流し
た。また透明導電性薄膜を製膜中、硬化性高分子硬化層
を形成したポリエチレンテレフタレートフィルムの温度
は15℃とした。
して用い、他方のパネルとして、ガラス基板上に上記と
同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したも
のを用いた。この2枚のパネルを透明導電性薄膜が対向
するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配
置し、タッチパネルを作製した。
たポリエチレンテレフタレートフィルム/アクリル系硬
化性高分子硬化層/インジウム−スズ複合酸化物薄膜か
らなる積層体のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を形成
していない側の面と反対側の透明プラスチックフィルム
の表面上にハードコート層HCを設けた。ハードコート
剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフ
ェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リ
バースコート法で製膜後、80℃で5分予備乾燥し、次
いで500mJ/cm2の紫外線照射により硬化させ
た。硬化後の厚さは5μmであった。得られた透明導電
性フィルムを図2に示す。
して用い、他方のパネルとして、ガラス基板上に上記と
同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したも
のを用いた。この2枚のパネルを透明導電性薄膜が対向
するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配
置し、タッチパネルを作製した。
たポリエチレンテレフタレートフィルム/アクリル系硬
化性高分子硬化層/インジウム−スズ複合酸化物薄膜か
らなる積層体のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を形成
した面と反対側の透明プラスチックフィルムの面上に防
眩層AGを設けた。コート剤としては、エポキシアクリ
ル樹脂100部にベンゾフェノン2部を加えた紫外線硬
化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で製膜後、8
0℃で5分予備乾燥し、次いでエンボスロールで表面に
凹凸を形成し500mJ/cm2の紫外線照射により硬
化させた。硬化後の厚さは5μmであった。得られた透
明導電性フィルムを図3に示す。
して用い、他方のパネルとして、ガラス基板上に上記と
同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したも
のを用いた。この2枚のパネルを透明導電性薄膜が対向
するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配
置し、タッチパネルを作製した。
たポリエチレンテレフタレートフィルム/アクリル系硬
化性高分子硬化層/インジウム−スズ複合酸化物薄膜か
らなる積層体のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を形成
しない側の面の透明プラスチックフィルムFの面上に厚
さ730Åで屈折率1.89のY203層を設け、さらに
厚さ1200Åで屈折率2.3のTiO2層を設け、さ
らに厚さ940Åで屈折率1.46のSiO2層を、そ
れぞれ高周波スパッタリング法で製膜し、反射防止層A
Rとした。このそれぞれの誘導体薄膜を製膜する時、い
ずれも真空度は1×10-3Torrとし、ガスとしてA
r55sccm、O25sccm流した。また、基板は
製膜中、加熱もしくは冷却せず、室温のままとした。得
られた透明導電性フィルムを図4に示す。
して用い、他方のパネルとして、ガラス基板上に上記と
同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したも
のを用いた。この2枚のパネルを透明導電性薄膜が対向
するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配
置し、タッチパネルを作製した。
系硬化性高分子硬化層を形成しなかった以外は同様にし
て、厚さが188μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを作製した。さらにこのフィルムを水酸
化ナトリウム水溶液処理せずに、実施例1と同様にして
非晶質の透明導電性薄膜を製膜した。また、この透明導
電性フィルムを用い、実施例1と同様にしてタッチパネ
ルを作製した。
系硬化性高分子硬化層を形成しなかった以外は同様にし
て、厚さが188μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを作製した。さらにこのフィルムをクロ
ム酸混液処理せずに、実施例2と同様にして、非晶質の
透明導電性薄膜を製膜した。また、この透明導電性フィ
ルムを用い、実施例2と同様にしてタッチパネルを作製
した。
層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、厚さ
188μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを作製した。このフィルムの一方の面に有機ケイ素
化合物のブタノール、イソプロパノール混合アルコール
系溶液(濃度1重量%)を塗工した後、100℃1分で
乾燥した。この後、有機ケイ素化合物上に実施例1と同
様にして、1S1インジウム−スズ複合酸化物薄膜から
なる非晶質の透明導電性薄膜を基板温度120℃で製膜
した。この積層体をさらに150℃、10時間加熱処理
を行った。また、この透明導電性フィルムを用い、実施
例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
明導電性フィルムについて、表面抵抗率、結晶構造、エ
ッチング時間、硬化性高分子硬化層A/非晶質の透明導
電性薄膜B層の付着力、光線透過率をそれぞれ前記の方
法で測定した。また、実施例1〜5及び比較例1〜3の
透明導電性フィルムを用いて作製したタッチパネルにつ
いて、ペン入力耐久試験を実施した。
ルムは、導電性、透明性及びエッチング特性に極めて優
れ、かつ本発明の透明導電性フィルムを用いたタッチパ
ネルはペン入力耐久性に極めて優れている。
パネルによれば、透明プラスチックフィルムFの一方の
面に硬化性高分子硬化層Aを介して非晶質の透明導電性
薄膜Bが形成され、かつ、非晶質の透明導電性薄膜を製
膜後に加熱処理をすることなく、硬化性高分子硬化層A
と非晶質の透明導電性薄膜Bとの付着力が15g/15
mm以上であり、積層体としての層間付着力が極めて強
いために、ペン入力用タッチパネルに用いた際に、ペン
の押圧により対向する透明導電性薄膜同士が強く接触し
ても透明導電性薄膜に剥離、クラックが生じることがな
く、ペン入力耐久性に極めて優れた透明導電性フィルム
Eを提供することができる。
る。
る。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 透明プラスチックフィルム(F)の一方
の面に硬化性高分子硬化層(A)を介して非晶質の透明
導電性薄膜(B)が形成され、かつ、硬化性高分子硬化
層(A)と非晶質の透明導電性薄膜(B)との付着力が
15g/15mm以上であることを特徴とする透明導電
性フィルム。 - 【請求項2】 透明導電性フィルム(E)の非晶質の透
明導電性薄膜(B)を形成していない側の表面に、ハー
ドコート層(HC)を形成したことを特徴とする請求項
1記載のハードコート層を形成した透明導電性フィル
ム。 - 【請求項3】 透明導電性フィルム(E)の非晶質の透
明導電性薄膜(B)を形成していない側の面に、防眩層
(AG)を形成したことを特徴とする請求項1又は2記
載の透明導電性フィルム。 - 【請求項4】 透明導電性フィルム(E)の非晶質の透
明導電性薄膜(B)を形成していない側の面に、反射防
止層(AR)を形成したことを特徴とする請求項1、2
又は3記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項5】 透明プラスチックフィルム(F)がポリ
エステルフィルムであることを特徴とする請求項1、
2、3又は4記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項6】 透明導電性薄膜を表面に有する一対のパ
ネル(P)を、パネルPの透明導電性薄膜同士が所定の
間隔をあけてが対向するようにスペーサー(S)を介し
て配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方
のパネル(P)が請求項1、2、3、4又は5記載の透
明導電性フィルム(E)であることを特徴とするタッチ
パネル。
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---|---|---|---|---|
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- 1998-02-03 JP JP03674898A patent/JP4468493B2/ja not_active Expired - Fee Related
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