JP2003151356A - 透明導電性フィルム及びタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム及びタッチパネルInfo
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Abstract
ムからの透明導電薄膜の脱落、剥離を防止し、耐久性に
優れた透明導電性フィルムおよびこれを用いたタッチパ
ネルを提供する。 【解決手段】 透明導電薄膜が設けられた第1の高分子
フィルムと、表面にハードコート層を有する第2の高分
子フィルムとが、裏側同士対向させてポリオレフィン系
樹脂からなる接着剤層により貼り合わされてなることを
特徴とする透明導電性フィルム;及びこのフィルムを上
部電極に用いたタッチパネル。
Description
タッチパネルに有利に使用することができる高分子フィ
ルム上に透明導電薄膜が形成された透明導電性フィルム
に関する。
ると、その部分が対面電極と接触し、通電して信号が入
力される抵抗膜式タッチパネルは、小型、軽量、薄型化
に有利であることから、各種の家電製品や携帯端末の入
力機器として広く用いられている。
チックなどの厚さの大きい基板上に透明電極を形成して
なる下部電極の上に、高分子フィルムにアンダーコート
層、透明導電薄膜を形成してなる上部電極を、透明導電
薄膜が対面するようにスペーサー(マイクロドットスペ
ーサー)を介して積層したものであり、上部電極の表示
面を指やペンで押すと、上部電極と下部電極とが接触し
て通電し、信号が入力される。なお、上部電極の表面に
は、基材高分子フィルムの保護のために通常ハードコー
ト層が設けられている。
粘着剤/基材/透明導電層の積層体が記載され、粘着剤
によって応力を緩和された透明導電薄膜が記載されてい
る。
パネル、特に上部電極の耐久性を向上させるため鋭意検
討した。上記公報の粘着剤を用いた積層体では、粘着剤
としてポリウレタン、ゴム等を使用しているが、本発明
者の検討によると、タッチパネルの耐久性がまだ不十分
であることが明らかとなった。即ち、上記積層体を用い
た上部電極の表面を、ペンや指の入力を繰り返し行う
と、透明電極が経時的にひび割れや高分子フィルムから
の剥離、脱落が生じることを見出した。このような損傷
により電気抵抗値の均一性などの電気特性が失われ、優
れた耐久性が得られない。本発明者のさらなる検討によ
ると、このような損傷は、基材/粘着剤/基材における
基材に通常使用されるPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)と粘着剤(接着剤層)との密着性が不充分である
ため発生する場合が多いことが分かった。
間の使用においても高分子フィルムと接着剤層との間の
剥離が発生せず、透明導電薄膜の損傷がなく、耐久性に
優れ、かつ簡易に製造できるタッチパネル、及びこのタ
ッチパネルに有用な透明導電性プラスチック板を提供す
ることを目的とする。
が設けられた第1の高分子フィルムと、表面にハードコ
ート層を有する第2の高分子フィルムとが、裏側同士対
向させてポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層により
貼り合わされてなることを特徴とする透明導電性フィル
ムにある。
レンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレートと
の共重合体からなることが好ましい。
レン/酢酸ビニル共重合体の熱重合架橋膜或いは光重合
架橋膜からなることが好ましい。これにより膜が、特に
強靱となり、耐久性が向上する。強靱な接着剤層の弾性
率は、一般に1×103〜1×107Pa、好ましくは
1×103〜1×106Pa、特に好ましくは1×10
4〜1×105Paにある。
かが、ポリエチレンテレフタレートからなることが好ま
しい。これにより耐久性が向上する。
ズ、酸化亜鉛、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムド
ープ酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の化合物か
らなることが好ましい。これにより良好な電導性が得ら
れる。
ンダーコート層が積層されることが好ましく、透明導電
薄膜の上に、保護層が設けられていることが好ましい。
これにより耐久性が一層向上する。
第1の高分子フィルムと、表面にハードコート層を有す
る第2の高分子フィルムとが、裏側同士対向させて接着
剤層により貼り合わされてなる上部電極と、プラスチッ
クまたはガラス基板、高分子フィルムおよび透明導電薄
膜が順に積層された下部電極とを、透明電極同士を対向
させて、スペーサを介して貼り合わされてなるタッチパ
ネルであって、上部電極が、上記のいずれかに記載のフ
ィルムを含むことを特徴とするタッチパネルにもある。
透明基板は、一般にガラス板又はプラスチック板であ
る。
力する際、下部電極と比較してとくに大きい力を受けて
変形するために、透明導電薄膜の脱落、剥離を生じやす
い。本発明の接着剤層を設けることにより、この負荷を
和らげることができるが、この負荷により接着剤層とプ
ラスチック基板及び高分子フィルムとの密着性を低下さ
せることがある。本発明の接着剤層は、このような緩衝
作用を有しながら、且つ接着剤層と高分子フィルムとの
密着性を維持することができるものである。従って、透
明導電薄膜、脱落、剥離、層間の剥離を生じない、耐久
性を有する本発明の接着剤層を有する透明導電性フィル
ムを、上部電極に使用することが適当である。即ち、本
発明の透明導電性フィルムを上部電極として使用するこ
とにより、耐久性に優れたタッチパネルを得ることがで
きる。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の透明導電
性フィルムの一例を示す断面図である。本発明の透明導
電性フィルムは、表面にハードコート層1を有する高分
子フィルム2(第2の高分子フィルム)と、表面にアン
ダーコート層5を介して透明導電薄膜6が形成された高
分子フィルム4(第1の高分子フィルム)とが、裏面
(形成膜の無い側)同士対向させて接着剤層3を介して
貼り合わされ、構成されている。上記本発明の接着剤層
3は、ポリオレフィン系樹脂からなり、高い弾性率を有
し、両側の高分子フィルムに対して良好な密着性(接着
性)を有するものであり、従って、この本発明の透明導
電性フィルムを上部電極として使用したタッチパネルを
繰り返し使用した際、本発明の接着剤層により透明電極
への負荷が緩和され、また負荷による高分子フィルムの
剥離がその良好な密着性により有効に防止されることか
ら、十分な耐久性が発揮され得る。即ち、本発明の接着
剤層の設置により、上部電極の表面を、ペンや指の入力
を繰り返すことによる、透明電極の経時的ひび割れや高
分子フィルムからの剥離、脱落を有効に防止することが
できる。特にポリオレフィン系樹脂を架橋させて使用し
た場合に、上記密着性の向上効果は大きいものとなる。
透明導電薄膜の表面には、保護層を設けても良い。
部電極に用いたタッチパネルの一例を示す断面図であ
る。上記の図1で示した本発明の透明導電性フィルムを
上部電極に使用し、この上部電極と、透明基板9上に透
明導電薄膜8及びマイクロドットスペーサ7をこの順で
設けた下部電極とを、透明導電薄膜同士対向させて貼り
合わせられ、タッチパネルが構成されている。図2から
明らかなように、ポリオレフィン系樹脂からなる本発明
の接着剤層3が、外部の負荷を緩和するため、透明導電
薄膜への負担を大幅に軽減している。
ィルム2、4として、ポリエステル、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹
脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリア
セテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イ
オン架橋エチレン、メタクリル酸共重合体、ポリウレタ
ン、セロファンなどが挙げられるが、特に強度面でPE
T、PC、PMMA、TAC、特にPETが好ましい。
の厚さは、透明導電性フィルムの用途などによっても異
なるが、タッチパネルの上部電極としての用途には、通
常の場合13μm〜0.5mm程度とされる。この高分
子フィルムの厚さが13μm未満では、上部電極として
の充分な耐久性を得ることができず、0.5mmを超え
ると得られるタッチパネルの厚肉化を招き、また上部電
極としての柔軟性も損なわれ、好ましくない。第2の高
分子フィルム2は、第1の高分子フィルムより薄く設定
される。一般に13μm〜0.2mmの範囲である。
する透明導電薄膜6,8としては、ITO(スズドープ
酸化インジウム)、ATO(スズドープ酸化アンチモ
ン)、ZnO、AlをドープしたZnO、SnO2等の
酸化物系透明導電薄膜が挙げられるが、特にITOが好
ましい。
ると充分な導電性を得ることができず、過度に厚くても
導電性は向上せず、成膜コストが上昇する上に透明導電
性フィルムの厚みが厚くなって好ましくない。このた
め、透明導電薄膜の膜厚は1〜500nm、特に5〜1
00nmであることが好ましい。
とができるが、一般的にはスパッタリング法で成膜する
のが好ましい。
1の高分子フィルムの裏側に、ハードコート層を有する
第2の高分子フィルムを、本発明の接着剤層を介して貼
り付けられる。
は、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンと他のモノマー(例、酢酸ビニ
ル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸、
マレイン酸)との共重合体等を挙げることができる。好
ましいポリオレフィン系樹脂としては、(I)酢酸ビニ
ル含有率が20〜80質量%であるエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体、(II)酢酸ビニル含有率が20〜80質量
%で、アクリレートモノマー及び/又はメタクリレート
モノマーが0.01〜10質量%であるエチレン/酢酸
ビニル共重合体、(III)酢酸ビニル含有率が20〜8
0質量%で、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸が
0.01〜10質量%であるエチレン/酢酸ビニル共重
合体を挙げることができる。これらの共重合体(I)〜
(III)は、メルト・フロー・レート(MFR)が、1〜
3000、特に1〜1000、とりわけ1〜800を有
することが好ましい。
て、酢酸ビニル含有率は、上記のように20〜80質量
%の範囲が好ましいが、特に20〜60質量%が好まし
い。酢酸ビニル含有率が20質量%より低い場合は、加
熱により架橋(硬化)した際に十分な架橋密度が得られ
れず、一方80質量%を超えると、(I)及び(II)の
エチレン/酢酸ビニル共重合体においては、樹脂の軟化
温度が低くなり、貯蔵し難くなるため、実用上問題があ
り、また、(III)のエチレン/酢酸ビニル共重合体にお
いては、接着強度、耐久性が著しく低下する。
と、アクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモ
ノマーとの共重合体において、アクリレートモノマー及
び/又はメタクリレートモノマーの含有率は、上記のよ
うに一般に0.01〜10質量%、特に0.05〜5質
量%である。(メタ)アクリレートモノマーの含有率
が、0.01質量%より低いと接着力の上昇が十分でな
く、10質量%を超えると加工性が低下する場合があ
る。
レートモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸
と、炭素原子数1〜20個、特に1〜18個の脂肪族ア
ルコール(エポキシ基等の置換基を有していても良い)
とのエステル、例えばメチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレートを挙げることができる。
水マレイン酸及び/又はマレイン酸との共重合体におい
て、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸の含有率は、
一般に上記のように0.01〜10質量%であり、特に
0.05〜5質量%であることが好ましい。無水マレイ
ン酸等の含有率が0.01質量%を下回ると接着力が十
分に向上せず、一方10質量%を超えると加工性が低下
する場合がある。
上記エチレン/酢酸ビニル系共重合体(I)〜(III)を
40質量%以上、さらに60質量%以上、特に100質
量%(即ち全て)含むことが好ましい。ポリマーが、上
記エチレン/酢酸ビニル系共重合体(I)〜(III)以外
のものを使用する場合、例えば主鎖に20質量%以上の
エチレン及び/又はプロピレンを含有するオレフィン系
ポリマー、ポリ塩化ビニル、アセタール樹脂等を使用す
ることができる。
ポリオレフィンを熱重合架橋するための架橋剤として
は、一般に有機過酸化物が使用される。
で分解してラジカルを発生するものであれば、どのよう
なものでも使用することができる。有機過酸化物は、一
般に、成膜温度、組成物の調製条件、硬化(貼り合わ
せ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択
される。特に、半減期10時間の分解温度が50℃以上
のものが好ましい。
ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセ
テート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−
ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエー
ト、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイ
ドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキ
サノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、クミルパーオキシオクトエート、コハク酸パーオキ
サイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレーオ及び
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げるこ
とができる。有機過酸化物は単独で使用してもよく、二
種以上組み合わせて使用しても良い。有機過酸化物の含
有量は、エチレン/酢酸ビニル系共重合体等のポリオレ
フィン系樹脂に対して0.1〜10質量%の範囲が好ま
しい。
場合、上記過酸化物の代わりに光増感剤(光重合開始
剤)をポリオレフィン系樹脂に対して一般に0.1〜1
0.0質量%使用される。
光重合開始剤が一般に使用され、例えばベンゾフェノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチ
オキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチ
ルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;
ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセト
フェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型;2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン
−1等のα−アミノアルキルフェノン型;及びアシルフ
ォスフィンオキサイドを挙げることができる。光重合開
始剤は上記のものを単独で、又は2種以上組み合わせて
使用することができる。
ランカップリング剤を含有することが好ましい。シラン
カップリング剤の例として、ビニルエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メ
タクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げること
ができる。これらの中で、γ−(メタクリロキシプロピ
ル)トリメトキシシランが特に好ましい。これらシラン
カップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組
み合わせて使用しても良い。また上記化合物の含有量
は、ポリオレフィン系樹脂に対して0.01〜10質量
%で使用されることが好ましい。
合物を含有させても良い。エポキシ基含有化合物として
は、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フ
ェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p
−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸
ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエー
テルを挙げることができる。これらは、単独で使用して
も、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また上
記化合物の含有量は、ポリオレフィン系樹脂に対して
0.1〜20質量%で使用されることが好ましい。
性、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度
等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のた
め、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有
化合物及び/又はアリル基含有化合物等を含んでいても
よい。
タクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸
あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸
あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げること
ができる。エステル残基の例としては、メチル、エチ
ル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアル
キル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル
基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒ
ドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオ
ピル基を挙げることができる。また、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリ
ル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることがで
きる。
アミドを挙げることができる。
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等に複数のアクリル酸あるいはメタクリル酸
をエステル化したエステル、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソ
フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルを挙げることが
できる。
物は、単独で又は2種以上の混合物として、前記ポリオ
レフィン系樹脂に対して一般に0.1〜50質量%、好
ましくは0.5〜30質量%の量で使用される。50質
量%を超えると接着剤調製時の作業性或いは塗布性を低
下させる場合があり、0.1質量%未満ではこれらの化
合物の添加効果が得られない。
目的で炭化水素樹脂を接着剤中に添加することができ
る。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、
合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロ
ジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられ
る。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系
樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジ
ンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金
属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂
ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほ
か、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。ま
た、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェ
ラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石
油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に
用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族
系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水
素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデ
ン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではア
ルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いるこ
とができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キ
シレン樹脂を用いることができる。上記炭化水素樹脂等
のポリオレフィン系樹脂への添加量は適宜選択される
が、ポリオレフィン系樹脂に対して1〜200質量%が
好ましく、より好ましくは5〜150質量%である。
を適宜配合して、均一に混合した後、その混合物を、押
出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、T
ダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形
状に製膜して得ることができる。より好ましい本発明の
接着剤の製膜方法は、各材料を良溶媒に均一に混合溶解
し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコート
したセパレーターにフローコート法、ロールコート法、
グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコート
法、スプレーコート法等により支持体上に塗工し、溶媒
を乾燥することにより製膜する方法である。そして支持
体から剥離して接着剤層(未架橋)を得る。
に、ハードコートが形成された第2の高分子フィルム
と、透明導電薄膜を有する第1の高分子フィルムを、上
記(架橋型)接着剤層で貼り合わせる。貼り合わせは、
前記接着剤層を形成する際に、カレンダー、ロール、T
ダイ押出、インフレーション等より、同時に行っても良
いし、これらの層をロール等により加熱押圧して貼り合
わせることができる。貼り合わせた後、接着剤層中の気
泡を除去するために、加圧加熱脱気、減圧加熱脱気処理
を行うことが好ましい。加圧脱気は、オートクレーブ等
のような加圧加熱チャンバー中に貼り合わせた積層フィ
ルムを入れ、脱気させる。架橋型接着剤を用いた場合
は、脱気後に、架橋させる。この架橋を行う場合は、熱
架橋では、用いる架橋剤(有機過酸化物)の種類により
異なるが、一般に70〜150℃、好ましくは70〜1
30℃の温度で、一般に10秒〜120分、好ましくは
20秒〜60分の時間の条件で行うことができる。脱気
後、光により架橋する場合は、光源として紫外〜可視領
域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高
圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハ
ロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボン
アーク灯、白熱灯、レーザー光等を挙げることができ
る。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一
概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、
硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱
し、これに紫外線を照射してもよい。
圧力についても適宜設定することができ、一般に0〜5
0kg/cm2、特に0〜30kg/cm2の圧力が好
ましい。
さは、一般に5〜100μmである。
層を設けることができる。保護層は、例えばSiCx、
SiCxOy、SiCxNy、SiCxOyNz(x、
y、zは整数)からなる薄層であることが好ましい。
ィルムに要求される光透過率、必要とされる耐久性など
に応じて適宜決定されるが、保護層の膜厚が過度に薄い
と保護層を形成したことによる透明導電薄膜の保護効果
を充分に得ることができず、逆に過度に厚いと透明性が
低下したり、透明導電薄膜の導電性が低下したりする上
に透明導電フィルム自体の厚さも厚くなり、好ましくな
い。従って保護層は1から1000nmの膜厚、特に1
から100nmであることが好ましい。保護層はポリマ
ーからなるものでも良い。
分子フィルム2の接着剤層3側の面とは反対側の面に、
高分子フィルムをペンまたは指の入力より保護するた
め、前述のように、ハードコート層1が形成されてい
る。このハードコート層としては、従来から使用されて
いる紫外線硬化性樹脂、熱硬化性シランを用いて形成す
ることができる。ハードコート層は、例えばアクリル樹
脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコーン樹
脂層等から形成されている。通常その厚さは1〜50μ
m程度である。
ルム4に直接成膜してもよいが、高分子フィルムと透明
導電薄膜との間にアンダーコート層を介在させてもよ
く、このようなアンダーコートを形成することにより高
分子フィルムに対する透明導電薄膜の密着性を高め、透
明導電薄膜の剥離を防止することができる。
られた材料を用いて蒸着により形成することができる。
或いは、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂などの樹脂層や、有機ケイ素化合物の加水分
解物などを塗布することにより形成することができる。
アンダーコート層の塗布成膜は、所望の組成の塗液を例
えばバーコーターで、高分子フィルムにコーティングす
ることによりなされる。
するのに先立ち、形成される薄膜の接着強度を高めるた
めに、高分子フィルムの表面に、常法に従ってプラズマ
処理、コロナ処理や溶剤洗浄などの処理を施してもよ
い。
上を目的として、ハードコート層の表面をアンチグレア
加工したり、AR処理したりしてもよい。
を設けることもできる。
使用することができる。
薄膜の順で各1層ずつ、合計2層に積層したもの、
(b) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜を2層ず
つ交互に、合計4層に積層したもの、(c) 中屈折率
透明薄膜/高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜の順で
各1層ずつ、合計3層に積層したもの、(d) 高屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜の順で各層を交互に3層
ずつ、合計6層に積層したもの。ここで、高屈折率透明
薄膜としては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZ
nO、AlをドープしたZnO、TiO2、SnO2、
ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜を採用することがで
きる。また、低屈折折率透明薄膜としては、SiO2、
MgF2、Al2O3、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の屈折率が1.6以下の
薄膜を用いることができる。また、上記の低屈折率無機
微粉末を含む有機バインダー系塗料(屈折率1.5以
下)を塗布して得ることもできる。
渉により可視光領域での反射率を下げるために、適宜決
定されるが、これは積層膜の層数、使用材料、中心波長
により異なる。例えば、4層構成の場合、透明基板側の
第1層の高屈折率膜が5〜50nm、第2層の低屈折率
膜が5〜50nm、第3層の高屈折率膜が50〜100
nm、第4層の低屈折率膜が50〜150nmの範囲に
あることが好ましい。また、このような反射防止膜の上
に、さらに汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を向
上させるても良い。この汚染防止膜としては、フッ素系
樹脂薄膜、シリコーン系樹脂薄膜(膜厚1〜1000n
m)が好ましい。
性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられ、透明導電薄膜上に例
えば印刷成形される。
ネルの上部電極としての用途の他、透明スイッチングデ
バイス、その他の各種の光学系透明導電性フィルムの用
途に有効に使用することができる。
フタレート)フィルム上に、シリカ微粒子含有紫外線硬
化性アクリル樹脂塗料を塗布し、高圧水銀ランプで硬化
させ(照射強度:80mW/m2、積算光量300mJ
/cm2)、ハードコート層を有するPETフィルム
(第2の高分子フィルム)を作製した。
面を減圧下にプラズマ処理した。プラズマ処理は、アル
ゴンガスを100ml/分で流しながら、真空下(1
3.3Pa)に、高周波電源(13.56MHz)にて
100Wで10分間行った。その後、マグネトロンスパ
ッタリング装置にて、ターゲットとしてシリコンを用
い、下記成膜条件下に膜厚10nmのケイ素化合物薄膜
(アンダーコートとして)を形成した。この薄膜の上
に、さらに同じマグネトロンスパッタリング装置にて、
ターゲットとして酸化スズ10質量%含有ITO板を用
いて、膜厚20nmのITO透明導電薄膜を形成した。
これにより透明導電性フィルムを得た。
TO薄膜の形成は、アルゴン流量:50cc/分、酸素
ガス流量:3cc/分、真空度:0.5Pa、DC投入
電力:2kW、成膜時間:60秒(基板回転速度:10
rpm)の条件で行った。
ルトラセン710,東ソー(株)製、酢酸ビニル含有
率:28質量%)の15質量%トルエン溶液を調製し、
このエチレン/酢酸ビニル共重合体に対して0.5質量
%の1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2.0質量%のグリシ
ジルメタクリレート及び0.5質量%のγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを添加し、十分に混合
した。得られた塗布液を、幅250mm、厚さ125μ
mのハードコート層付きPETフィルムの上に、バーコ
ータにより塗布し、接着剤層を形成した。
ト層を有するPETフィルムと、透明導電性フィルム
(38μm)とを、接着剤層を介して貼り付け、130
℃、10kg/cm2で10分間加熱し、タッチパネル
用透明導電性フィルムを得た。
EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)熱架橋型接着
剤層の弾性率は4.5×104Paであった。
ハードコート層を有するPETフィルムと、透明導電性
フィルムとを、架橋したエポキシ系接着剤の層(弾性率
2.5×107Pa)により貼り合わせた以外、同様に
してタッチパネル用透明導電性フィルムを得た。
ハードコート層を有するPETフィルムと、透明導電性
フィルムとを、架橋したポリウレタン系接着剤の層(弾
性率2.5×10 7Pa)により貼り合わせた以外、同
様にしてタッチパネル用透明導電性フィルムを得た。
ン(ポリアセタール樹脂ペン:先端0.8R)で、PE
TフィルムのITO膜とは反対側のハードコート層面
を、10万回摺動する試験を行った。
察し、明らかに剥離が見られるのを不良、見られないの
を良好とした。
に対する電気抵抗値の変化率が50%未満の場合を良好
とし、50%以上変化した場合を不良と評価した。
も、PETフィルムと接着剤層との剥離の発生が無く、
また電気特性の劣化の問題がないことから、耐久性に優
れた透明導電性フィルムであり、タッチパネルの上部電
極として使用しても同様に優れた耐久性を示すと言え
る。
ィルム及びこれを有するタッチパネルは、透明導電薄膜
(上部電極)の表面を、ペンや指の入力を繰り返し行っ
ても、透明電極が経時的にひび割れや高分子フィルムか
らの剥離、脱落が生じることがほとんどなく、従って電
気抵抗値の均一性などの電気特性が維持されており、耐
久性の優れたものである。
図である。
上部電極として用いたタッチパネルの一例を示す断面図
である。
Claims (11)
- 【請求項1】 透明導電薄膜が設けられた第1の高分子
フィルムと、表面にハードコート層を有する第2の高分
子フィルムとが、該膜又は層が形成されていない裏面同
士を対向させてポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層
により貼り合わされてなる透明導電性フィルム。 - 【請求項2】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
チレンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレート
との共重合体からなる請求項1に記載のフィルム。 - 【請求項3】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
チレンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレート
との共重合体の重合架橋膜からなる請求項1に記載のフ
ィルム。 - 【請求項4】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体の重合架橋膜からなる請求
項1〜3のいずれかに記載のフィルム。 - 【請求項5】 接着剤層の弾性率が、1×103〜1×
107Paである請求項1〜4のいずれかに記載のフィ
ルム。 - 【請求項6】 第1及び第2の高分子フィルムが、ポリ
エチレンテレフタレートからなる請求項1〜5のいずれ
かに記載のフィルム。 - 【請求項7】 透明導電薄膜が、酸化インジウム、酸化
スズ、酸化亜鉛、インジウムドープ酸化スズ(IT
O)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニ
ウムドープ酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の化
合物からなる請求項1〜6のいずれかに記載のフィル
ム。 - 【請求項8】 第1の高分子フィルムと透明導電薄膜の
間に、アンダーコート層が形成されている請求項1〜7
のいずれかに記載のフィルム。 - 【請求項9】 透明導電薄膜の上に、保護層が設けられ
ている請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム。 - 【請求項10】 透明導電薄膜が設けられた第1の高分
子フィルムと、表面にハードコート層を有する第2の高
分子フィルムとが、裏側同士対向させて接着剤層により
貼り合わされてなる上部電極と、透明基板、高分子フィ
ルムおよび透明導電薄膜が順に積層された下部電極と
を、透明電極同士を対向させて、スペーサを介して貼り
合わされてなるタッチパネルであって、上部電極が、請
求項1〜9のいずれかに記載のフィルムであることを特
徴とするタッチパネル。 - 【請求項11】 透明基板が、ガラス板又はプラスチッ
ク板である請求項10に記載のタッチパネル。
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