JP4431843B2 - フッ素樹脂の表面処理方法及び積層体の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂の表面処理方法及び積層体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体等の架橋型弾性接着体とが直接接合している部分を少なくとも一部に有する、建築物等の窓材や主に屋外の電気部材などに用いられる積層体の製造方法に関し、更に詳述すると、上記積層体用のフッ素樹脂に接着性、貯蔵安定性を付与するのに好適なフッ素樹脂の処理方法と、この処理方法で処理されたフッ素樹脂を使用する接着性、貯蔵安定性に優れた積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
フッ素樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の架橋型弾性接着体を直接接合してなる積層体は、建材表面や太陽電池などと貼り合わせ、表面保護、防汚性の付与、封止などに用いられている。
【0003】
この場合、フッ素樹脂と架橋型弾性接着体との間の接着性能は、貯蔵安定性の他、使用環境上、架橋接着後の耐熱性、耐紫外線性などの耐候性が必要とされている。
【0004】
ところで、上記フッ素樹脂に対しては、架橋型弾性接着体との接着を強固なものとするために、通常接合前に表面処理を施しており、この表面処理方法としては、例えば、ナトリウム処理、サンドブラスト処理、火焔処理、コロナ処理、低圧プラズマ処理、スパッタエッチング処理、放射線照射処理等が知られている。中でも、コロナ処理は、フッ素樹脂に対して窒素ガス雰囲気中で処理を行う方法で、フッ素樹脂表面に種々の官能基が生成し、良好な接着性付与に寄与することが知られている。
【0005】
しかしながら、このようなコロナ処理を施したフッ素樹脂は、架橋型弾性接着体との積層直後の接着性は良好であるが、貯蔵安定性に劣るという問題を有している。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、フッ素樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体等の架橋型弾性接着体とが直接強固に接合した積層体を貯蔵安定性を向上させて確実に製造するのに寄与するフッ素樹脂の表面処理方法及び積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、フッ素樹脂を窒素ガス中で酸素ガス濃度4〜150ppmに調整してコロナ放電処理することにより、フッ素樹脂と架橋型弾性接着体との接着性、貯蔵安定性が飛躍的に向上し得ること、この酸素濃度条件で表面処理されたフッ素樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体等の架橋型弾性接着体を直接貼り合わせ、一体化することにより、フッ素樹脂と上記架橋型弾性接着体とが強固に接合し、貯蔵安定性に優れ、表面保護性、防汚性、高透明性、部材封止性等の種々の性能が求められる積層体を確実に製造できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、フッ素樹脂表面に窒素ガス雰囲気中で酸素ガス濃度を4〜150ppmに調整しながらコロナ放電処理を施すことを特徴とするフッ素樹脂の表面処理方法、及びフッ素樹脂と架橋型弾性接着体とが直接接合している積層体を製造するに際し、上記処理したフッ素樹脂表面に架橋型弾性接着体を貼り合わせ、一体化することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、まず、本発明の第1発明であるフッ素樹脂の表面処理方法は、架橋型弾性接着体と強固に接着でき、貯蔵安定性よく接合できる性質を付与することができる処理方法である。
【0010】
ここで、本発明の方法で処理するフッ素樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが挙げられ、積層体の使用用途に応じて種々選定し得る。
【0011】
本発明において、特にエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体は、熱可塑性で、成形加工性,耐熱性,耐薬品性,電気特性(誘電特性),非粘着性,耐摩擦性,カットスルー抵抗,耐放射性抵抗性,紫外線透過性,赤外線吸収性及びこれらの各特性のバランスに優れているため好適に用いることができ、例えば屋外で用いられる電気部材の表面材として好適である。
【0012】
本発明においては、上記フッ素樹脂に所定条件下でコロナ放電処理を施すが、窒素ガス雰囲気中で酸素ガス濃度を所定の極微量になるように調整して行うことが必要で、酸素濃度を通常4〜150ppm、好ましくは4〜100ppm、更に好ましくは4〜50ppmにして処理を行う。この場合、酸素濃度が上記範囲より少ないと、積層体とした場合の貯蔵安定性が悪くなり、上記範囲より多いと、初期接着力が著しく低下してしまう。
【0013】
このように、酸素ガス濃度を極微量に調整する方法としては、例えば、大気圧下で窒素ガスをコロナ放電を発生させる部分に吹きつける方法や、コロナ放電部をポリマーシート等で覆い、シールした上で内部のガスを窒素ガスに置換する方法などがあるが、これら方法は併用してもよい。酸素以外のガスは、窒素ガスに限られ、安価で危険性もなく処理を行うことができる。この場合、空気が僅かに残留していても、酸素濃度が4〜150ppmに調整されていれば支障がない。なお、酸素濃度は、例えばガルバニ電池式の濃度計で測定することができる。
【0014】
本発明において、コロナ放電処理は、上記のような極微量酸素濃度雰囲気下で行う以外は、処理条件も通常の条件でよく、大気圧下で処理し得る。
【0015】
以上のようにして処理されたフッ素樹脂は、架橋型弾性接着体との接着性、貯蔵安定性が付与されるので、本発明のフッ素樹脂の処理方法は、架橋型弾性接着体とフッ素樹脂との接合時に前処理として採用するフッ素樹脂の表面処理方法として好適に採用し得るものである。
【0016】
次に、本発明の第2発明は、上記本発明の表面処理方法にて処理されたフッ素樹脂に架橋型弾性接着体を直接接合するものである。
【0017】
ここで、架橋型弾性接着体を得るには、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を好適に使用することができ、酢酸ビニル含量が5〜50質量%、特に10〜45質量%のものを好適に使用することができる。
【0018】
上記共重合体組成物を封止材として用いる場合、シート状などの形態で用いることができるが、フッ素樹脂に貼り合わせた後、これを架橋させ、フッ素樹脂と一体化することが好ましい。従って、この架橋型弾性接着体組成物としては、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体に有機過酸化物及び/又は光増感剤を配合した熱及び/又は光硬化性の架橋型弾性接着体組成物を挙げることができ、この組成物には、更に接着性の点からアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物、アリル基含有化合物、シランカップリング剤、エポキシ基含有化合物、炭化水素樹脂などを配合することができる。
【0019】
例えば、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の熱硬化のために有機過酸化物を添加することができ、有機過酸化物としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであればいずれのものも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が50℃以上のものが好ましい。
【0020】
使用可能な有機過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシへプチルパーオキサイド、クロルヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。有機過酸化物としては、これらのうちの少なくとも1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、通常、前記共重合体100質量部に対し0.1〜10質量部添加して用いることができる。
【0021】
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の光硬化のために光増感剤を添加する場合、光増感剤としてはラジカル光重合開始剤が好適に用いられる。ラジカル光重合開始剤のうち、水素引き抜き型開始剤として、例えばベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチル−4−(ジエチルアミノ)−ベンゾエート等が用いられる。またラジカル光重合開始剤のうち、分子内開裂型開始剤として、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタールなど、α−ヒドロキシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンなど、またα−アミノアルキルフェノン型として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1など、またアシルフォスフィンオキサイドなどが用いられる。光増感剤としては、これらのうち少なくとも1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、前記共重合体100質量部に対し0.1〜10質量部添加して用いることができる。
【0022】
なお、上記光増感剤に加え、必要により、上記した有機過酸化物を配合してもよく、これによって光硬化と共に熱硬化を併用することができる。
【0023】
更に、上述したように、前記共重合体にアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物、アリル基含有化合物のうちの少なくとも1種を添加することができる。この目的に供されるアクリロキシ基、メタクリロキシ基含有化合物としては、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステルを用いることができる。エステルのアルコール残基としては、メチル基、エチル基、ドデシル基、ステアリル基、ラウリル基のような炭素数1〜24、特に1〜18のアルキル基のほかに、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基や、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等のハロゲン置換、水酸基置換、アミノ基置換などの置換アルキル基(アルキル基の炭素数1〜24、特に1〜18)、グリシジル基などを挙げることができる。更に、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多官能アルコールとのエステルも同様に用いることができる。
【0024】
また、アリル基含有化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルヌレエート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどを用いることができる。
【0025】
なお、これら化合物は、1種を単独で又は2種以上を併用して使用できるが、その配合量は、前記共重合体100質量部に対し50質量部以下で十分であり、通常0.1〜50質量部、特に0.5〜20質量部にすることができる。
【0026】
また、接着性を更に向上せしめる目的で、シランカップリング剤を配合することが好ましい。この目的に供されるシランカップリング剤としては、公知のもの、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤の配合量は、上記共重合体100質量部に対し10質量部又はそれ以下で十分であり、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部にすることができる。
【0027】
また、エポキシシラン以外のエポキシ基含有化合物を接着促進剤として添加することもできる。このようなエポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチレン)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールポリオキシエチレン(5モル)グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸グリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有したポリマーをアロイ化したものを用いることによっても同様の効果を得ることができる。これらエポキシ基含有化合物は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、添加量は、上記共重合体100質量部に対し通常0〜20質量部、特に0.1〜20質量部で十分である。
【0028】
なおまた、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対し、炭化水素樹脂を0〜200質量部、好ましくは5〜150質量部、より好ましくは10〜100質量部添加してもよい。この炭化水素樹脂は、天然系樹脂、合成系樹脂のいずれでも差し支えない。
【0029】
天然樹脂系では、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンとしてはガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いてもよい。一方、合成樹脂系では、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂等を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0030】
以上の添加剤のほか、老化防止剤、染料、加工助剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
【0031】
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、上記共重合体、硬化剤(有機過酸化物及び/又は光増感剤)、シランカップリング剤、アクリロキシ基、メタクリロキシ基又はアリル基含有化合物等を所定量秤量し、ロールミルやニーダー等の混練り機で均一混合した後、カレンダーロール、T−ダイ押し出し機、インフレーション等の製膜装置により、希望の幅、膜厚に製膜することができる。
【0032】
ここで、膜厚については1〜1000μmとすることが好ましく、更に好ましくは5〜800μmである。
【0033】
このようにして製膜された組成物層は、前記窒素ガス雰囲気中で酸素ガス濃度を4〜150ppmに調整してコロナ放電処理されたフッ素樹脂と、例えば熱プレスによる貼り合わせ法などにより、貼り合わせて一体化することができる。この場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体を熱硬化させる場合は、用いる有機過酸化物の種類に依存するが、70〜170℃、特に70〜150℃の温度範囲で2〜60分、特に5〜30分の加熱とすることが好ましい。硬化は1〜5000kPa、好ましくは10〜2000kPaの加圧下で加熱を行うことが接着性の点で好ましい。一方、光硬化させる場合は、水銀ランプ等により紫外線を積層体に照射することにより硬化を行うことができる。また、硬化時間短縮や硬化度向上のために、予め積層体を40〜120℃に加温しながら、これに紫外線を照射してもよい。
【0034】
なお、本発明の方法にて得られた積層体は、例えば建築物等の窓材や主に屋外で用いられる電気部材などとして使用されるが、この場合、この積層体の製造に際し、フッ素樹脂と架橋型弾性接着体を直接接合する以外の工程は常法によって行うことができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0036】
〔実施例,比較例〕
フッ素樹脂フィルムとして下記のエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルム(100μm厚)を用い、下記方法でコロナ放電処理を行った。
【0037】
フッ素樹脂フィルム
ダイキン工業(株)製,ネオフロンETFE EF−0100
コロナ放電処理
コロナ処理装置の放電電極(30cm幅)をアクリル樹脂製の容器で覆い、窒素ガスを10L/分で流すと共に、容器内の酸素ガス濃度が表1に示す濃度になるように調整した。タンテック社製HV05−2型電源を用い、コロナ出力250W、フィルムの移動速度1mm/分で処理した。
【0038】
次に、上記のようにコロナ放電処理したフッ素樹脂フィルムに対し、下記組成のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物の膜(500μm)を貼り合わせ、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物の膜のフッ素樹脂を貼り合わせた面と反対側の面には、100μm厚のポリエステルフィルムを貼り合わせた。150℃,15分,1000kPaで熱プレスし、上記膜を硬化、一体化させた。
【0039】
エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物
Figure 0004431843
【0040】
得られた積層体の接着力を初期接着力として、島津製作所製オートグラフ(AGS−100D)を使用して測定した。一方、上記方法で製造したそれぞれの積層体を1ヶ月同一条件で保存した後、同様にして接着力を測り、初期接着力に対する1ヶ月経過後の接着力の保持割合を貯蔵安定性として算出した。この場合、判定は、貯蔵安定性が80%以上のものを合格ラインとして○、それ以外のものを×とした。結果を表1に示す。なお、比較のため、フッ素樹脂フィルムのコロナ処理時に酸素濃度が本発明の範囲から逸脱して処理した以外は上記と同様にして積層体を作成し、初期接着力、1ヶ月後の接着力を同様に測定し、評価を行った。結果を表1に併記する。
【0041】
【表1】
Figure 0004431843
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素樹脂と架橋型弾性接着体とが直接強固に接合し、貯蔵安定性に優れた積層体を得るのに好適なフッ素樹脂の表面処理を行うことができ、接着性、貯蔵安定性に優れた上記積層体を簡単かつ確実に製造することができる。

Claims (7)

  1. フッ素樹脂表面に窒素ガス雰囲気中で酸素ガス濃度を4〜150ppmに調整しながらコロナ放電処理を施すことを特徴とするフッ素樹脂の表面処理方法。
  2. 酸素ガス濃度を4〜50ppmに調整する請求項1記載のフッ素樹脂の表面処理方法。
  3. フッ素樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体である請求項1又は2記載のフッ素樹脂の表面処理方法。
  4. フッ素樹脂と架橋型弾性接着体とが直接接合している積層体を製造するに際し、請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法で処理したフッ素樹脂表面に架橋型弾性接着体を貼り合わせ、一体化することを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 架橋型弾性接着体をフッ素樹脂と貼り合わせた後、架橋させるようにした請求項4記載の積層体の製造方法。
  6. 架橋型弾性接着体をラジカル開始剤により架橋させる請求項4又は5記載の積層体の製造方法。
  7. 架橋型弾性接着体がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするものである請求項4乃至6のいずれか1項記載の積層体の製造方法。
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