JP6507510B2 - 太陽電池モジュール用の封止材シート - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池モジュール用の封止材シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。一般に、太陽電池モジュールは、透明前面基板と太陽電池素子と裏面保護シートとが、封止材シートを介して積層された構成である。
太陽電池モジュールを構成する各部材は、常時、強い紫外線、熱線、風雨等といった過酷な環境に曝される。このため、これらの各部材は、過酷な条件下における長期間の使用に耐えうる耐久性を備えることを求められる。
太陽電池モジュール用の封止材シートに、かかる耐久性を備えさせることを企図した封止材シートとして、その製造に用いる封止材組成物を、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂とし、架橋剤と、架橋助剤とを含有する組成物としたものが知られている(特許文献1参照)。この封止材シートは、一般的には、50℃〜90℃の低温加熱による押し出しで未架橋のまま成形され、真空加熱ラミネートによるモジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋される。
上記のようにして得られる所謂EVA系の封止材シートは、透明性や柔軟性に優れ、且つ、十分な耐久性をも備えるものであった。しかしEVA樹脂は、耐加水分解性が不十分で水蒸気バリア性が劣るという基本的な欠点があり、又、近年の太陽電池の高出力化に伴い、極性基のあるEVAは、電気抵抗値が不十分で、絶縁性に劣るという問題も顕在化するようになってきた。
一方、水蒸気バリア性や絶縁性における上記のEVA樹脂の欠点を回避することを企図した封止材シートとして、各種のポリエチレン樹脂系の封止材シートが提案されている。例えば、アルコキシシランを共重合成分として含有する変性エチレン系樹脂による封止材シートや、又、このような変性エチレン系樹脂に架橋剤を配合し、モジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋した封止材シート等である(特許文献2、3参照)。これらのポリエチレン系の封止材シートは、水蒸気バリア性や絶縁性においてEVAをベース樹脂とする封止材シートよりも優位なものであった。
特開2009−135200号公報 特開2002−235048号公報 特開2009−10277号公報
特許文献2、3に記載の封止材シートに用いられるポリエチレン系樹脂は、EVAと比較して製造時に必要な架橋反応が進行しにくい。このため、ポリエチレン系樹脂からなる封止材シートに十分な耐熱性等を付与するためには、EVAを材料樹脂とする場合と比べて、より多くの架橋剤の添加が必要となる。ところが、架橋剤は架橋反応の進行時にアルコール類等を含有するガス(以下「架橋反応ガス」と言う)を発生させるので、ポリエチレン系樹脂によって封止材シートを製造する場合、大量の架橋剤の添加の結果、この架橋反応ガスが太陽電池モジュール内に気泡等の形で残存してしまいモジュールの品質を低下させてしまうことが新たな問題となっていた。
本発明は、ポリエチレン系樹脂の特徴である優れた水蒸気バリア性や絶縁性を保持したまま、上記の架橋剤由来の架橋反応ガスによる太陽電池モジュールの品質低下を防止することができる太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、ポリエチレン系の封止材シートを多層化し、中間層のみに、EVA等の極性基を有する樹脂を、所定割合で混合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用の封止材シートであって、前記封止材シートは、中間層と最外層とを有する多層シートであり、前記中間層は、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレンと、極性基を有する樹脂との混合樹脂をベース樹脂とし、該混合樹脂の極性基比率が、3%以上15%以下であって、前記最外層は、前記低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、前記極性基を有する樹脂を含有せず、前記多層シートの総厚さが200μm以上800μm以下であり、且つ、最外層の厚さが30μm以上150μm以下である封止材シート。
(2) 前記極性基を有する樹脂が、エチレン共重合体樹脂である(1)に記載の封止材シート。
(3) 前記エチレン共重合体樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である(2)に記載の封止材シート。
(4) 前記混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレン樹脂が、該混合樹脂に含まれる極性基を有する樹脂よりも、融点が低い樹脂である(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シート。
(5) 前記混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレン樹脂の融点が60℃以下である(4)に記載の封止材シート。
(6) 前記中間層及び前記最外層が架橋助剤を含有する、(1)から(5)のいずれかに記載の封止材シート。
(7) 前記多層シートが中間層の両面に最外層が積層された3層構造の樹脂シートである(1)から(6)のいずれかに記載の封止材シート。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用封止材シートを備える太陽電池モジュール。
(9) 太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法であって、中間層用の封止材組成物と最外層用の封止材組成物とをそれぞれ熔融形成してなる単層シートを積層して多層シートとするシート化工程と、前記多層シートを架橋処理する架橋工程と、を備え、前記中間層用の封止材組成物は、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレンと、極性基を有する樹脂との混合樹脂をベース樹脂とし、該混合樹脂の極性基比率が、3%以上15%以下であって、前記最外層用の封止材組成物は、前記低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、前記極性基を有する樹脂を含有せず、前記中間層用の封止材組成物及び前記最外層用の封止材組成物は、いずれも樹脂成分100質量部に対して、0.3質量部以上2.0質量部以下の架橋剤を含有する封止材シートの製造方法。
本発明の太陽電池モジュール用の封止材シートによれば、ポリエチレン系樹脂の特徴である優れた水蒸気バリア性や絶縁性を保持したまま、架橋反応ガスによる太陽電池モジュールの品質低下を防止することができる太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することができる。
本発明の封止材シートの層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の封止材シートを用いた太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の封止材シート(以下、単に「封止材シート」とも言う)とその製造方法、及び、本発明の封止材シートを用いた太陽電池モジュール(以下、単に「太陽電池モジュール」とも言う)について説明する。
<封止材シート>
図1に示す通り、本発明の封止材シート1は、中間層11と、中間層11の少なくともいずれか一方、好ましくは両方の最外面に形成される最外層12と、を含む複数の層によって構成される太陽電池モジュール用の封止材シートである。中間層11は、低密度ポリエチレンと、極性基を有する樹脂との混合樹脂をベース樹脂とする中間層用封止材組成物からなる。そして最外層12は、低密度ポリエチレンをベース樹脂とする最外層用封止材組成物からなる。尚、本発明の封止材シートは、上記の極性基を有する樹脂が、中間層用封止材組成物には含有されるが、最外層用封止材組成物には含有されない組成であることを特徴とする。
図1に示す封止材シート1は、中間層11の両面に最外層12が配置されている3層構造の封止材シートである。本明細書においては、以下、本発明の好ましい一実施形態として、図1を参照しながら、単層である中間層の上下に各1層計2層の最外層を含む3層構造の封止材シート1について説明する。但し、本発明はこの実施形態に限られるものではない。本実施形態の他、例えば、最外層12が中間層11の一方の最外層面のみに形成されている封止材シートも、本発明の構成要件を備えるものである限り本発明の範囲内である。
中間層11と最外層12を含む封止材シート1の総厚さは200μm以上800μm以下であり、好ましくは、200μm以上650μm以下である。封止材シートの総厚さが200μm未満であると充分に衝撃を緩和することができず、800μmを超えてもそれ以上の効果が得られず不経済であるので好ましくない。又、特に最外層12については、各層の厚さが30μm以上150μm以下であり、又、最外層が中間層の両面に形成される場合には、それらの厚さの合計が、60μm以上200μm以下、好ましくは、70μm以上150μm以下である。最外層12の厚さが、30μm以上であることによって、封止材シート1に十分な体積抵抗値、即ち、十分な絶縁性を付与することができる。又、更には、同厚さが、30μm以上であることによって、太陽電池モジュール用の封止材シートに求められる水蒸気バリア性や酸素バリア性も十分に付与することができる。又、封止材シート1が、中間層11の両面に最外層12が形成されている3層構造の多層シートである場合の各層の厚さ比については、1:1:1〜1:30:1の間であることが好ましい。
[中間層]
中間層11は、封止材シート1において、主として十分な耐熱性を封止材シートに付与することに寄与するとともに、同時に架橋反応ガスの発生を抑制することにも寄与する層である。
中間層11に用いられる中間層用封止材組成物は、低密度ポリエチレンと、極性基を有する樹脂との混合物をベース樹脂とする。中間層用封止材組成物における低密度ポリエチレンと極性基を有する樹脂との混合比は、混合樹脂の極性基比率が、3%以上15%以下となるように各樹脂の添加量を決定する。中間層を形成する樹脂の極性基比率が、上記範囲にあることによって、ポリエチレン系樹脂の特徴である優れた水蒸気バリア性や絶縁性を保持したまま、架橋反応ガスによる太陽電池モジュールの品質低下を防止することができる。
ここで本明細書における、樹脂の「極性基比率」とは、当該樹脂に含まれる樹脂分子のうち、極性基を有する樹脂分子の割合(質量%)のことを言う。例えば、VA含有量30のEVA樹脂50質量部と、極性基を有しないポリエチレン樹脂50質量部とからなる100質量部の混合樹脂の極性基比率は、15%とする(30×(50/100)=15)。
又、「極性基を有する樹脂」とは、水酸基やアミノ基等の極性を有する官能基をその分子構造の一部に含む樹脂のことを言う。このような樹脂として、極性基を有するモノマーと極性基を持たないモノマーと共重合体樹脂を広く用いることができる。極性基を有する極性モノマーの具体例としては、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、エポキシ基、水酸基及びアミノ基を有するその他の有機系モノマーを例示することができる。又、極性基を有しないモノマーの具体例としては、エチレン系樹脂を代表的なものとして例示することができる。
尚、上記の混合樹脂における「極性基比率」は、IR測定によって測定可能である。又、DSC測定によって、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等の「極性基を有する樹脂」の極性基(VA)比率が分かるので、これらの値から、混合樹脂中のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の含有量比も算出することができる。
ここで、封止材シート1においては、その製造プロセス中で発生する架橋反応ガスは、極性基を有する樹脂を適量含んでなる中間層11内において、樹脂内の極性基盤に分散することによって、その発生が抑制される。封止材シートは、当然に一定以上の水蒸気バリア性が求められるが、本発明の封止材シート1は、封止材シート全体として要求される水蒸気バリア性が担保できる範囲で、中間層11の水蒸気透過率は高い方がよい。後に実施例において示す通り、少なくとも、後述する最外層12を構成する樹脂よりは、中間層11を構成する樹脂の方が、同一の厚さで比較した場合の水蒸気透過率が、相対的に高くなるように構成されていることが好ましい。尚、最外層12の水蒸気バリア性が、上記の意味で相対的に高いことは、封止材シート1に要求される水蒸気バリア性を担保することに寄与することに加えて、上記の架橋反応ガスが中間層11内において水平方向により分散し易くなるという効果も奏しうる。
(低密度ポリエチレン)
中間層用封止材組成物のベース樹脂とする混合樹脂を構成する低密度ポリエチレンとしては、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下の好ましくは0.870g/cm以上0.890g/cm以下、より好ましくは0.870g/cm以上0.885g/cm以下の低密度ポリエチレンを用いることができる。低密度ポリエチレンの密度を上記範囲内とすることで、封止材シートのシート加工性を維持しつつ、封止材シートに良好な柔軟性と透明性を付与することができる。
上記の低密度ポリエチレンのうちでも、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を好ましく用いることができる。又、上記の低密度ポリエチレンのうち、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を更に好ましく用いることができる。M−LLDPEは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このような低密度ポリエチレンは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能であり封止材に対して柔軟性を付与できる。柔軟性が付与される結果、封止材と透明前面基板との密着性、封止材と裏面保護シートとの密着性等の封止材と基材との密着性が高まる。又、M−LLDPEは、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性にも優れる。
上記の低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、JIS−K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFR(本明細書においては、この測定条件による測定値をMFRという。)が0.5g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、6g/10分以上40g/10分以下であることがより好ましい。本発明の封止材シートは架橋済の封止材である。このため、ベースとなる低密度ポリエチレンのMFRが高くても、後の架橋工程で流動性を抑制できる。このため、上記範囲の上限付近の高いMFRの樹脂であっても好適に使用することができる。
又、混合樹脂に含まれる上記の低密度ポリエチレンは、同じく混合樹脂に含まれる極性基を有する樹脂よりも融点が低い樹脂であることが好ましい。混合樹脂を構成する樹脂の好ましい組合せとして、例えば、融点が60℃以下である低密度ポリエチレンと、融点が61℃以上であるエチレン共重合体樹脂との組合せを挙げることができる。混合樹脂を構成する各樹脂の融点をそのような範囲とすること、即ち、相対的に堅い樹脂であるポリエチレン系樹脂の融点をより低く限定することによって、混合後の封止材組成物の相溶性が向上し、又、溶融形成時の加工適性も向上する。
封止材シート1は、下記に詳細を説明する架橋剤を添加することによって、製造工程のいずれかの段階で架橋処理を行うことを前提とする所謂架橋系の封止材シートである。このため、ベースとなる低密度ポリエチレンの高温時の過剰な流動性を十分に抑制することができる。このため、上記範囲の上限付近の高MFR範囲の樹脂であっても好適に使用することができる。
上記の低密度ポリエチレンは、更に、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するものであってもよい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となるLLDPE等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材の接着性を向上することができる。
上記のシラン変性ポリエチレン系樹脂とするために、LLDPE等とグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、後述するその他のポリエチレン系樹脂を含む封止材組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、例えば、0.001〜15質量%位、好ましくは、0.01〜5質量%位、特に好ましくは、0.05〜2質量%位となるように適宜調整すればよい。本発明において、エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
(極性基を有する樹脂)
上記の低密度ポリエチレンとともに、中間層用封止材組成物のベース樹脂とする混合樹脂を構成する「極性基を有する樹脂」としては、極性基を有する極性モノマーと極性基を有しないモノマーとの共重合体樹脂を広く用いることができる。このような共重合体樹脂のうち、エチレン系樹脂と、極性基を有する極性モノマーとの共重合体であるエチレン共重合体樹脂を特に好ましく用いることができる。極性基を有するエチレン共重合体樹脂として、具体的には、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン・不飽和カルボン酸無水物共重合体、エチレン・エポキシ基含有モノマー共重合体、エチレン・不飽和アルコール共重合体、エチレン・不飽和アミン共重合体等を挙げることができる。
極性基を有する樹脂は、更に、他のコモノマー、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の不飽和エステルが共重合されたものであってもよい。これら他のコモノマー成分は、上記共重合体における透明性の向上や柔軟性の付与に効果的である。
上記のような他の子モノマー成分を更に含むエチレン共重合体樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂等を用いることができるが、透明性や密着性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を特に好ましく用いることができる。
上記の低密度ポリエチレンと極性を有する樹脂の混合樹脂からなるベース樹脂は、中間層用封止材組成物中で、10質量%以上99質量%以下、好ましくは50質量%以上99%質量以下、より好ましくは90質量%以上99%質量以下の割合で含有されていればよい。よって中間層用封止材組成物中は、上記組成範囲を逸脱しない範囲で他の樹脂を含んでいてもよい。
(架橋剤)
中間層用封止材組成物は、耐熱性を付与するための架橋処理を行うために必要な量の架橋剤が含有する。架橋剤としては公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。そのようなラジカル重合開始剤の例としては、以下のものを挙げることができる。例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等である。
中間層用封止材組成物における架橋剤の含有量は、樹脂成分中の含有量比が、0.3質量%以上2.0質量%以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下の範囲である。架橋剤の上記含有量を0.3質量%以上とすることにより、封止材シート1に十分な耐熱耐久性を付与することができる。架橋剤の上記含有量が、2.0質量%を超えると架橋工程における架橋の進行が過剰となり、モジュール化の際の他部材の凹凸への追従性が不十分となり好ましくない。
(架橋助剤)
中間層用封止材組成物は、耐熱性を付与するための架橋処理を行うために架橋助剤を更に添加することができる。架橋助剤も、架橋剤同様に公知のものが使用でき特に限定されず必要に応じて適量を添加することができる。架橋助剤を添加する場合は、2官能モノマー及び/又は3官能モノマーからなる架橋助剤を添加することが好ましい。
中間層用封止材組成物に用いることができる架橋助剤として具体的例としては、以下のものを挙げることができる。例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を等である。これらは単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。これらのなかでも、低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、架橋反応を促進させて、結晶性を低下させ透明性を維持し、低温での柔軟性を付与する観点からTAICが好ましく使用できる。
中間層用封止材組成物における架橋助剤の含有量は、樹脂成分中の含有量が、0.01質量%以上3質量%以下程度含まれることが好ましい。この範囲内であれば、適度な架橋反応を促進させて、モジュール化後の封止材シートに好ましい柔軟性を保持しながら、同時に十分な耐熱性を付与することができる。
(その他の成分)
又、中間層用封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、封止材シート1に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。
[最外層]
最外層12は、封止材シート1において、主として、十分な絶縁性や水蒸気バリア性を封止材シートに付与することに寄与する層である。
(低密度ポリエチレン)
最外層12に用いられる最外層用封止材組成物は、低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。この最外層用のベース樹脂には、中間層用の場合とは異なり、極性基を有する樹脂は含有されない。最外層の樹脂組成をこのように限定することにより、中間層で架橋反応ガスの発生を抑制しつつ、封止材シートに十分な絶縁性と水蒸気バリア性とを付与することができる。尚、最外層用封止材組成物のベース樹脂として用いる低密度ポリエチレンとしては、上記において説明した中間層用の混合樹脂に添加する低密度ポリエチレンと同じものを用いることができる。又、特に、封止材シートの密着性を向上させるために、上記のシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するポリエチレン系樹脂をより好ましく用いることができる。
(架橋剤及びその他の成分)
最外層用封止材組成物は、中間層用組成物と同様の架橋剤を同様の含有量比で含有する。又、同様の架橋助剤を同様の含有量比で含有させることができる。更に、最外層用封止材組成物には、中間層用組成物と同様にその他の成分を含有させることができる。
<封止材シートの製造方法>
本発明の封止材シートの製造方法による封止材シート1の製造方法の実施態様について、説明する。封止材シート1は、上記の各封止材組成物を、その融点を超える温度で溶融成形するシート化工程によって未架橋封止材シートを得て、その後、太陽電池モジュールとしての一体化までのいずれかの段階で、架橋処理が施され、最終的に架橋済みのシート状又はフィルム状の封止材シートとなる。尚、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
[シート化工程]
上記においてそれぞれその詳細を説明した中間層用及び最外層用の各封止材組成物の溶融成形は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。多層シートとしての成形方法としては、一例として、二種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。
成形時の成形温度の下限は封止材組成物の融点を超える温度であればよい。成形温度の上限は使用する架橋剤の1分間半減期温度に応じて、製膜中に架橋が開始しない温度、即ち、封止材組成物のゲル分率を0%に維持できる温度であればよい。
[架橋工程]
上記のシート化工程後の未架橋の封止材シートに対して、架橋処理を施す架橋工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材シートを他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前、或いは、太陽電池モジュールとしての一体化のための熱ラミネート処理中に行う。この架橋処理によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材シートとする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。又、この架橋処理は、電離放射線による架橋処理であってもよい。
架橋方法は加熱処理によることが好ましい。架橋条件は特に限定されない。加熱処理による架橋を行う場合、一般的な架橋処理条件の範囲内で、トータルな処理結果として、上記のゲル分率となるように適宜設定すればよい。
尚、架橋処理は、電離放射線の照射によっても行うことができる。架橋処理を電離放射線の照射によって行う場合も、個別の架橋条件は特に限定されず、トータルな処理結果として、上記のゲル分率となるように適宜設定すればよい。具体的には、電子線(EB)、α線、β線、γ線、中性子線等の電離放射線によって行うことができるが、なかでも電子線を用いることが好ましい。電子線照射における加速電圧は、被照射体であるシート厚みによって決まり、厚いシートほど大きな加速電圧を必要とする。例えば、0.5mm厚みのシートでは100kV以上、好ましくは200kV以上で照射する。加速電圧がこれより低いと架橋が充分に行われない。照射線量は10kGy〜1000kGy、好ましくは10〜300kGyの範囲である。照射線量が10kGyより小さいと充分な架橋が行われず、又1000kGyを超えると発生する熱によるシートの変形や着色等が懸念されるようになる。尚、両面側から照射してもよい。又、照射は大気雰囲気下でもよく窒素雰囲気下であってもよい。
上記の架橋工程を経ることによって、封止材シートのゲル分率は、最終的に20%以上80%以下となる。この架橋済みの封止材シートのゲル分率は30%以上80%以下であることが更に好ましい。架橋済みの封止材シートのゲル分率を上記範囲のとすることによって、封止材シートに太陽電池モジュールの封止材層に求められる十分な耐熱性と好ましい柔軟性を付与することができる。
尚、ゲル分率(%)とは、封止材シート0.1gを樹脂メッシュに入れ、60℃トルエンにて4時間抽出したのち、樹脂メッシュごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率としたものである。
<太陽電池モジュール>
本発明の封止材シートを用いた太陽電池モジュールについて説明する。図2は、本発明の封止材シート1を用いた太陽電池モジュール10の層構成を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール10は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール10は、前面封止材層3及び背面封止材層5の少なくとも一方の封止材層に本発明の封止材シート1を使用する。特に透明前面基板2と対向する前面封止材層3として、封止材シート1の最外層12が透明前面基板2のガラス面と密着する態様で配置されることが好ましい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
尚、本発明の太陽電池モジュール10において、前面封止材層3及び背面封止材層5以外の部材である透明前面基板2、太陽電池素子4及び裏面保護シート6は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。又、本発明の太陽電池モジュール10は、上記部材以外の部材を含んでもよい。尚、本発明の封止材シートは単結晶型に限らず、薄膜型その他の全ての太陽電池モジュールに適用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<封止材シート(評価用試料)の製造>
以下において説明する封止材組成物原料を下記表1の割合(質量部)で混合し、それぞれ実施例、比較例の封止材シートの中間層用封止材組成物及び最外層用封止材組成物とした。それぞれの封止材組成物をφ30mm押出し機、200mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで中間層用及び最外層用とするための各樹脂シートを作製し、これらの各樹脂シートを積層して、中間層と両最外層を備える実施例及び比較例の3層構造の封止材シートを製造し、これらを以下の試験例の評価用試料とした。実施例、比較例の各封止材シートの厚さ及び、各層の厚さについては、表1に記載の通りとした。
封止材用の各樹脂シートを成形するための封止材組成物原料としては、以下の原料を使用した。
低密度ポリエチレン樹脂1(表1中にて「PE」と表記、以下同様):密度0.880g/cm、MFRが30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。融点60℃
低密度ポリエチレン樹脂2(「PE−S」):密度0.880g/cm、MFRが30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.880g/cm、MFR13.0g/10分。融点60℃
極性基を有する樹脂1(「EVA1」):酢酸ビニル含量33%、三井デュポンポリケミカル製、商品名「EVAFLEX/EV150」。融点61℃
極性基を有する樹脂2(「EVA2」):酢酸ビニル含量19%、三井デュポンポリケミカル製、商品名「EVAFLEX/EV450」。融点84℃
その他、下記の添加材を全ての実施例、比較例の各封止材組成物に添加した。
架橋剤:t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名「ルペロックスTBEC」)を、内層用と外層用のそれぞれの封止材組成物にいずれも含有量比0.7質量%となるように添加。
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(Statomer社製、商品名「SR533」)を、内層用と外層用のそれぞれの封止材組成物にいずれも含有量比0.5質量%となるように添加。
耐候安定剤(チバ・ジャパン株式会社製、商品名「Tinuvin770」)を、内層用と外層用のそれぞれの封止材組成物にいずれも含有量比0.2質量部添加。
<評価例1:絶縁性>
実施例及び比較例の評価用試料を用いて絶縁性を評価した。その結果を表1に示す。尚、絶縁性の評価のための試験条件は以下の通りとした。
絶縁性試験:絶縁性についての試験は、JIS K6911により、各評価用試料の体積抵抗値を測定することにより行った。各評価用試料をアルミ箔下70mm、上30mmで挟み込みの上下に導電体を付着させる。測定機器としては、超絶縁計(Agilent製:型番C4156)を用いた。又、これらの体積抵抗値については、常温と、現実的且つ過酷な実施条件を想定した80℃とにおいて、それぞれ測定した。
<評価例2:水蒸気バリア性>
実施例1及び比較例4、6の評価用試料を用いて水蒸気バリア性を評価した。その結果を表1に示す。尚、水蒸気バリア性の評価のための試験条件は以下の通りとした。
水蒸気バリア性試験:水蒸気バリア性についての試験は、JIS K7129 Bにより水蒸気バリア性を測定することにより行った。測定機器としては、MOCON社製「PERMATRAN−W 3/31」を用いた。
<評価例3:架橋反応ガス発生の抑制効果>
実施例及び比較例の評価用試料を用いて架橋反応ガス発生の抑制効果を評価した。その結果を表1に示す。尚、同評価のための試験条件は以下の通りとした。
架橋反応ガス発生の抑制効果試験:実施例及び比較例の各評価用試料について、約200mgを、架橋反応ガス発生の抑制効果試験用の試料として量りとり、サンプル瓶に封入する。そのサンプル瓶を、以下の測定条件で、ヘッドスペースガスクロマトグラフ(HS−GC)にて測定する。
(測定条件)
装置名:ヘッドスペースガスクロマトグラフ
サンプル加熱条件:150℃、20min
注入口温度(=気化室温度):250℃
検出器:水素炎検出器(FID)
カラム:HP−5MS
膜厚:0.25μm、内径:0.25mmID、長さ:30m
カラム温度:40℃×3min(保持)−15℃/min(昇温)−320℃×5min(保持)
スプリット比10:1
Figure 0006507510
表1より、本発明の製造方法によって製造された実施例の封止材シートは、ポリエチレン系樹脂の特徴である優れた絶縁性と水蒸気バリア性とを保持したまま、架橋反応ガスによる太陽電池モジュールの品質低下を防止することができるものであることが分かる。
又、比較例4のように中間層も最外層と同様に水蒸気バリア性の高いポリエチレン系樹脂を用いた場合には、封止材シート全体としての水蒸気バリア性が向上する一方で、反応ガスの発生量が反って増加してしまうことも明らかである。
尚、実施例1の封止材シートは、中間層の厚さが320μmであって、中間層単独での水蒸気透過率は、8.3g/m・dayであった。一方実施例1の封止材シートの最外層は、その厚さが、上記中間層の厚さの1/8である40μmであるが、同層の単特での水蒸気透過率は、11.2g/m・dayであった。この結果より、本発明の効果を奏しうるためには、少なくとも、最外層を構成する樹脂よりも中間層を構成する樹脂の方が同一の厚さで比較した場合の水蒸気透過率が、相対的に高くなるように構成されていることが好ましいことが分る。
1 封止材シート
11 中間層
12 最外層
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
10 太陽電池モジュール

Claims (8)

  1. 太陽電池モジュール用の封止材シートであって、
    前記封止材シートは、中間層と最外層とを有する多層シートであり、
    前記中間層は、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレンと、極性基を有する樹脂との混合樹脂をベース樹脂とし、該混合樹脂の極性基比率が、3%以上15%以下であって、
    前記最外層は、前記低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、前記極性基を有する樹脂を含有せず、
    前記多層シートの総厚さが200μm以上800μm以下であり、
    前記最外層の厚さが30μm以上150μm以下であって、且つ、前記中間層の厚さの1/8以下であり、
    前記最外層を構成する樹脂の水蒸気透過率が、12g/m ・day以下であり、
    前記中間層を構成する樹脂の水蒸気透過率が、8g/m ・day以上である、封止材シート。
  2. 前記多層シートが中間層の両面に最外層が積層された3層構造の樹脂シートであって、両最外層の厚さの合計が、70μm以上150μm以下である、請求項1に記載の封止材シート。
  3. 前記極性基を有する樹脂が、エチレン共重合体樹脂である請求項1又は2に記載の封止材シート。
  4. 前記エチレン共重合体樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項3に記載の封止材シート。
  5. 前記混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレン樹脂が、該混合樹脂に含まれる極性基を有する樹脂よりも、融点が低い樹脂である請求項1から4のいずれかに記載の封止材シート。
  6. 前記混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレン樹脂の融点が60℃以下である請求項5に記載の封止材シート。
  7. 前記中間層及び前記最外層が架橋助剤を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の封止材シート。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材シートを備える太陽電池モジュール。
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